わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

ドン・キホーテ創業者 安田隆夫氏の経営哲学

ドン・キホーテ 闘魂経営
安田 隆夫
徳間書店
2005-08-31


この本、むちゃくちゃ面白いです。

ドン・キホーテの創業者 安田隆夫氏の半生記と考え方を書いた本です。

日本の小売業の中でも異色の存在であり続けるドン・キホーテがどのようにできてきたのかがよくわかります。

異色の創業経営者 安田隆夫氏


安田隆夫氏は、1949年岐阜県大垣市生まれ。教育者の父を持つ厳格な家庭に育ちました。

ところが安田氏自身は勉強嫌いのやんちゃに育ちます。子供のころからガキ大将で喧嘩に負けたことがなかったとか。

もっとも高校2年で一念発起して勉学に励み、慶應大学法学部に入学したというのだから、基礎的な能力は相当のものがあったのでしょう。今なら「ビリガキ」なんて本が出せそうです。

大学にいっても馴染めず、ボクシングに打ち込み、プロデビューを目指すも、視力が弱く断念。

大学卒業後、不動産会社に就職するも、1年で倒産。いらいその日暮らしのような生活を送ります。

さすがにこれではいかんとバッタ品を仕入れて売る店「泥棒市場」を開店したのが29歳の時。

この店が、のちのドン・キホーテにつながっていきます。

成功法則なんて、後付けの理屈だ


安田氏の方針はひたすら実践し、顧客の様子を見ながら修正していくというもの。

成功法則なんて「勝利者の後付けの理屈だ」と切り捨て、成功に必要なのは、困難な時にもがき苦しんで紆余曲折しながらも最後に這い上がる「はらわた」だ。と断言しています。


その信念の通り、泥棒市場は、顧客の反応によって商品を変え、陳列方法を変え、仕入れ先を変え、営業時間を変え、繁盛店になっていきます。

安田氏は、泥棒市場の仕入れ経験をもとにバッタ屋(卸売業)を開業し、こちらでも大きく成功します。

ドン・キホーテ1号店を東京府中市に開店したのは40歳の時でした。

4年間の紆余曲折が、その後の成長につながった


そのドン・キホーテは、現在、日本の小売業の常識を覆す存在として存在感を放っています。

ところが、1号店は順風満帆とはいかなかったらしい。少なくとも4年間は売上が伸びずに、もうやめようと何度も思ったほどだったようです。

それでも安田氏は流通のプロを雇おうとはせず、自分で試行錯誤を続けました。その苦しみが、常識外れの経営手法を生み出したのだと、安田氏も自負しています。

特に、ドンキの代名詞ともなっている圧縮陳列は、安田氏が泥棒市場で生み出したものです。

ところが、そのキラーコンテンツが、ドンキでは再現できない。いや、安田氏が陳列すればできるのですが、他の従業員にやらせると単に雑な陳列になってしまう。

何度教えてもできない従業員に安田氏も困り果てたのですが、最終的には「もう知らん。勝手にやれ!」と突き放すと、自分たちで工夫しながら見事な圧縮陳列をやっていったとのこと。

これが、売り場ごと担当者に仕入れも陳列も販売も任せるというドン・キホーテ独特の「権限移譲」の始まりだったというのです。

あまりにも話が出来過ぎているのは、面白く伝えたいという安田氏のサービス精神のさせる技でしょうか。

それはともかく、安田氏が引退した今となっても、オレ流を貫いて、新たな小売業の常識を作った経営哲学は、大いに参考になるのではないでしょうか。







日本プロ野球が生き残るためのビジネスモデル

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今年のプロ野球は、セ・リーグは広島、パ・リーグはソフトバンクが優勝しました。クライマックスシリーズが残っているとはいえ、この2チームの実力が抜けていることは認めざるを得ません。

ソフトバンクと広島は、球団経営においても優秀


この2チームは強いだけではない。球団運営においても非常に優秀です。

広島東洋カープは、実質、自動車会社マツダの創業家が個人的に所有する球団です。個人所有ですよ。だから、お金がない。その中で、経費を切り詰め切り詰め、運営しています。

個人所有の球団が赤字だと即座に破たんするので、運営には慎重にならざるを得ません。おかげで、40年以上黒字経営。40億円以上の内部留保金がある健全経営です。

ソフトバンクは、日本プロ野球随一の資金力を誇るといわれており、選手層が厚いことで有名です。他チームならレギュラーになれるような選手も、ソフトバンクにおいては控えか2軍に甘んじているほどです。

さすがソフトバンク、資金力が違う。と思いがちですが、実は、ソフトバンク球団も親会社からの補てんを受けずに運営しています。こちらも50億円近い内部留保金があります。

なんと今年の優勝チームは、野球に強いだけではなく、経営でも超優良球団であったのです。

参考:プロ野球チームの業界分析_純利益・ROE・ROAなど

少子高齢化により崩れたテレビ主導の球団運営


プロ野球球団といえば、赤字が当たり前。親会社の広告宣伝費でまかなうのが通例だという時代が長く続いていました。ところが日本は少子高齢化の成熟市場です。右肩上がりに業績を伸ばせない企業にとって、毎年何十億もの赤字を補てんすることが負担になってきています。

一昔前まで、プロ野球球団のビジネスモデルとえば、テレビ放映権収入一択でした。プロ野球はテレビで高視聴率を当たり前に稼ぐキラーコンテンツでしたから、放映権料も破格でした。読売巨人を中心に、放映権料をあてに経営していたものです。

ところがこちらも神通力が落ちています。プロ野球だけがスポーツではない。娯楽は多様化しています。それにテレビそのものがパワーを落としています。いまや巨人戦が地上波放送されないコンテンツに成り下がってしまいました。

パ・リーグ球団が見出した地域密着型ビジネスモデル


親会社はあてにできない。テレビはもっとあてにできないと思った各球団は、独自に収益モデルを構築します。

まずは、危機感の強いパ・リーグの球団が、拠点を地方都市に移して、地域密着型のビジネスモデルを構築しています。

北海道日本ハムファイターズ、東北楽天イーグルス、そして福岡ソフトバンクホークスです。

その成功に刺激を受けたのか、セ・リーグの横浜DeNAベイスターズや広島東洋カープも、同じような運営を目指しています。

地域密着型ビジネスモデルとは、テレビ放送に頼らずに、地域の人たちが球場に来場する入場料収入と、その人気を背景にした地域企業からのスポンサー収入でまかなう仕組みです。

地域の顧客を対象にしたビジネスなので市場規模は限られてきますが、一定の収入が確保できるので、経費管理を適切に行うことで成立します。

このおかげで、現在、巨人、阪神、広島、DeNA、ソフトバンク、楽天の6球団が黒字だと言われています。

巨人、阪神は別格の人気球団ですからいいとして、他の4球団の企業努力はたいしたものだと思いますよ。

地域密着型ビジネスの収入割合


プロ野球球団は経営資料を明かさないところが多いので分かりにくいのですが、楽天の収入割合をみると、その実情がなんとなく見えてきます。

楽天の場合、

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広告宣伝…30%、入場料…30%、放映権料…7%、グッズ販売…10%、飲食…15%

というのが収入の内訳です。(以前メモしていたのですが、出典を失念しました(><))

これに対して、経費は、選手年棒、スタッフの給与、施設費用、移動費用、キャンプの費用など。

広島やDeNAなどは、近年の人気で入場料は高止まりしていると言われますから、収入は予測できますので、経費管理もしやすいというものです。

日本ハムファイターズが赤字の理由


待てよ。球団運営に優れているといわれる北海道日本ハムファイターズは黒字ではないのか?

実はそうなのです。

北海道日本ハムファイターズは、本拠地である札幌ドームの営業権を持っていません。だから、収入は、入場料と放映権料などのみ。球場内の広告料や飲食代なども札幌ドームを持つ札幌市のもの。その上、年間、27億円ほどの球場使用料を札幌市に支払っています。

これでは、黒字にならないでしょうね。

最近、日本ハムファイターズが、札幌市と対立してまで新球場を設立する計画を発表したのは、経営上仕方がない面があるのです。

参考:日ハム、巨額使用料吸い取る札幌ドームと決別…売店収入や球場の広告料も日ハムに入らず

地域密着型ビジネスは、球場の一体運営が前提


このように、地域密着型のビジネスモデルには、球場の運営権が不可欠です。

ソフトバンク、楽天、西武、ロッテなどパ・リーグ球団は、球場の運営権を持っていることが多く、チームと球場一体で運営することが可能となっています。(セ・リーグでは、広島、DeNA)

逆に、球場の運営権を持たない日本ハム、ヤクルトなどは厳しい運営を迫られています。

わが阪神タイガースはどうなのか?というと、甲子園球場は親会社の阪急阪神ホールディングスが所有する形です。

親会社が持っているならいいじゃないか。と思えそうですが、球団とすれば、収入が限られるので、自ら予算を立てづらい状況があります。もちろん儲かっているので、潤沢な資金は親会社から与えられるのでしょうが、自社戦略を作って予算を配分する自由度は制限されます。

わが阪神タイガースの選手育成や組織構築が今一つ煮え切らないのは、そういう事情もあったわけですな。やはりソフトバンクのように、稼ぎを自ら将来戦略に配分できる体制が望ましいといえます。

参考:プロ野球交流戦「廃止論」が毎年浮上する事情 観客動員増でも「おいしくない」球団もある


地域密着型ビジネスモデルは、メジャーリーグで先行して行われてきた球団運営の方式です。

彼らは球場そのものをファミリーで集える遊園地のような場所(ボールパーク)に変えることで、一大エンターテイメントビジネスとして成果を出しています。

参考:DeNA、市民のお金でつくった横浜スタジアム買収で巨額利益…一大エンタメ施設に大改修


日本のプロ野球各球団もおおむねその方向に展開していくことで戦略を定めているのではないでしょうか。

メジャーリーグが巨大ビジネスになっていった理由


しかし、地域密着型のビジネスモデルだけでは、メジャーリーグのような巨大ビジネスにはなりません。

メジャーの売上規模は、日本プロ野球の5倍以上とされています。

彼らは、放送権をコミッションが一括管理し、全米だけではなく、世界に売り込むことで地域密着を超えた巨大ビジネスにしていきました。

どうすれば放送権が高く売れるのか?それは試合そのものが白熱することです。

そこでメジャーリーグのコミッションは、球団間の格差がなるべく広がらないような工夫を凝らします。

ドラフトは完全ウェーバー制。前年の最下位チームから順番に好きな選手を指名できるルールです。その代り、FA制度が充実しており、契約年数が終われば、自然に各球団との交渉が可能になります。

そうなると資金力のある球団にいい選手が集まりがちだと思えますが、そうならないように、選手年棒総額の高い球団はメジャーリーグ機構に「制裁金」を払わなければなりません。

そこまでして球団の戦力格差をなくして試合を面白くしようと執念を燃やしているのです。

日本プロ野球はメジャーリーグに追いつくことができるのか


そういう意味では、かつて放映権を牛耳ってわがまま放題やっていた読売巨人の力が衰えてきたのは朗報です。

広島や日本ハムのように少ない予算の中でやりくりして強いチームを作る球団も出てきました。

現状、ソフトバンクの戦力が図抜けてるように思えますが、それも企業努力の範囲内であると思えます。


それよりも、放映権は今後、コミッション一括にして、アジアへの進出を目指すべきです。

アジア・オセアニア地域出身の選手は外国人枠に当てはめず、日本人と同じ扱いにする。

中国や台湾のチームを日本プロ野球のリーグに入れる。

それぐらいやらないと、少子高齢化の日本ではジリ貧になっていくだけです。





サントリーのイメージ戦術 バーボンを女子の飲み物にしようというらしい

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サントリーがジムビームのCMにタレントのローラを起用したことが話題になっているとか。

ジムビームといえば、蒸留酒メーカーの大手、バーボンウィスキーでは1位です。

かつてバーボンとは、男の飲み物だ、と信じ込んでいたオヤジ連中が意義を唱えているという記事です。

サントリーの大きな賭け


ジムビームは、2014年、サントリーによって160億ドル(1兆6500億円:当時)で買収されました。

売上高2兆円程度しかなかったサントリーホールディングスとすれば、そうとう思い切った買い物です。買収原資は、銀行からの借入金ですので、財務状況は厳しくなっています。

しかしその効果があって、2016年12月期の売上高は2兆6514円。営業利益1979億円。営業利益率7.4%です。

海外進出に遅れていたサントリーにとっては、大きな賭けにでて、それなりの成果を生んだということです。

このあたり、海外M&Aに失敗したキリンホールディングスにすれば羨ましい限りでしょうな。

日本でも新たなバーボンブームを起こすのか


記事の件は、日本におけるジンビームの売上を増やそうという試みですね。

バーボンはオヤジの飲み物ではなく、女の子が飲むお洒落な飲み物だというイメージをつけようとしています。

ハイボールで大当たりしたサントリーですから、バーボンブームも起こしてくれるかも知れませんね。




アマゾンが法人EC参入で、また生態系を破壊しようというのか

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メモ。

えらいことですね。またアマゾンです。

法人向けECの潜在需要は計り知れない。経済産業省の調査によると、2016年の国内EC市場規模は、個人向けが約15兆円だったのに対し、法人向けは約291兆円と、実に20倍近い差がある。この金額はいわゆる「モノのネット通販」だけの規模を表す数字ではないとはいえ、個人向けEC以上のビジネスの広がりが期待できるだろう。

こんな大きな市場をアマゾンが見逃すはずはありません。

顧客側のメリットも大きい


企業の購買は多種多様で、取引先も無数に存在します。だから多くの企業が取引先管理を独自システムを構築して対処していました。

ところが、アマゾンの豊富な品揃えで購買を一本化できるとなると、購買単品コストの削減というどころではない効果が期待できます。

アマゾン側は今回、企業購買の問題点を整理して、対応してくるようです。

社内の事前承認に活用できる見積書の作成や、月末締めの一括請求書払いにも対応する。また、アカウントは複数人で共有することができ、承認権限の付与や承認が必要な下限金額など、事業者のニーズに合わせた購買ルールのカスタマイズもできる。加えて、購入日時や品目などのデータを分析できるレポート機能も用意。これらをすべて無料で使えるようにした。

小さな供給業者にとどめを刺すのか


そら、アスクルやモノタロウは厳しくなりますよー

ただ細かい分野ごとに見ていくと、アマゾンはまだまだ大雑把なところがあるので対応のしようがあるかも知れません。

両者ともオリジナル商品を企画する力がありますし、アマゾンにない品揃えや対応サービスで戦っていくことになるのでしょう。

しかしこの分野には、小さな供給業者がそれこそ無数にいたはずです。そういった業者にとっては、測り知れないほどのインパクトを持つ事態です。

アスクルの登場にも耐えてしぶとく生き残ってきたそうした業者ですが、アマゾンの登場にはどのように生きる道を探していくのか。

考えていかなければなりません。




糖質制限ビジネス 寿司屋まで

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メモ。

市場調査を行う富士経済によると、「糖質オフ・ゼロ」とうたう食品の市場規模は、12年の2468億円から16年(見込み)は3431億円と4割伸びた。

以前「寿司ネタだけ食べてシャリを残す人が増えている」というニュースを聞いて、回転寿司屋さんは対応してくるだろうなーと思っていたら、やっぱり来ましたか。

シャリの部分を大根にした寿司みたいなもの。


刺身だけで提供すれば100円とれない回転寿司側とすれば、シャリの代りになにをあてるかで各社知恵を絞っていたことでしょう。

いちはやく対応したくら寿司さんはさすがです。


それにしても糖質制限というのはそれほど効果があるものなのでしょうか?

評価は定まっていないはずですが、マーケティングの世界では、既成事実になりつつあるようですな。





勝ち易きに勝て 勝敗論について

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面白い記事でした。

著者の押井守氏は有名なアニメ作家です。以前はカルト的な人気の人でしたが、今は大御所ですね。

その押井氏が、自らの勝敗哲学を語っています。シリーズものの第1回です。

自分だけの勝敗の基準を持つ


簡単にいうと、

1.自分なりの勝敗の基準を持つ。

2.その上で、負けない戦いをする。

ということになりますか。


「勝敗は時の運」などと考えずに、徹底して勝敗を自分のコントロール下に置く。

そのためには、自分の内部に「勝敗の基準」を置き、他人には見せない。

その自分だけの基準の中でさえ無理に勝とうとせずに、引き分けに持ち込む。

抽象的な言い方になっていますが、押井氏の発言には、阿佐田哲也の勝敗論を彷彿とさせるものがあります。

なぜ引き分けでいいのか?


というと、決着は最後につくものだからです。ある時、勝った。と思っても、長い人生の中で帳尻合わせがあるかも知れない。

あるいは極端な話、次の世代で反撃に合うかも知れない。

そう考えると、短期的な勝ち負けなどどうでもいい気休めみたいなものだという話になってしまいます。

だから我々ができるのは、自分の中の基準で戦い、少なくとも大きく負けないようにすること。

それが長い人生を生き抜くコツだという話です。


押井氏の場合、無名の時はバランスを崩すことはなかったものの、有名になってくると様々な雑音や雑念が入ってくるようになります。

そういうようなことでしみじみ思ったわけなんです。自分はどういうスタンスで、何のために映画を作るのか。どこまでが攻勢の限界点なのか、どこまで撤退すべきなのか、撤退するときに何を獲得すべきなのか、時間なのか金なのか、というようなことを。

なんて自分の勝敗の基準については曖昧にごまかしていますがね。

負け犬になることは心地よい


記事の中で、「負けることの誘惑」という言葉が出てきています。

これも深い。勝ち続けることは苦しいことです。いつ負けるかわからないわけですから。

しかし、一度負けてしまうと、そんな苦しみは消えてしまい、自己憐憫だけが残ります。負け犬になるということは実は、心地よいことなんですな。

そうならないためにも、自分の基準を守り、負けない生き方をする。

勝負師らしい考え方です。





時価1兆円超のゾゾタウンが異次元に儲けている

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ゾゾタウンを運営するスタートトゥデイの株価時価総額が1兆円を超えたとして、話題になっています。

1兆円超といえば、今日現在、日本の小売業では5社しかありません。

セブン&アイホールディングス、ファーストリテイリング、ニトリホールディングス、イオンという名だたる企業に次ぐ5位につけています。

(6位は良品計画、7位はユニー・ファミリーマート、8位はローソンです)

10年前に上場したばかりのネット通販企業が、日本を代表する小売業になったというのは恐るべきことですよ。


異色の経営者


スタートトゥデイの創業経営者 前澤友作氏は何かと異色の人みたいです。

参考:一代で1兆円企業を築いたZOZOTOWN社長「異形の履歴書」

前澤氏は、早稲田実業高校を卒業すると、早稲田大学に進出せずに、バンド活動に身を投じます。なぜかというと、
地元の鎌ケ谷から高校のあった早稲田まで1時間30分ほどかけて通学電車に乗っていた時、周囲を眺めると疲れた顔のサラリーマンが揺られていた。早大に進学して就職してもこんな大人にしかなれないのかと思うと、学校に通いたくなくなったようです。

バンド活動ではメジャーデビューを果たすなど一応の成功を収めますが、副業的にはじめた海外CDの通販が売上一億円を超えると、経営が面白くなってきて、スタート・トゥデイを立ち上げます。

その後、前澤氏が好きなファッションブランドを扱うようになり、ネット通販サイトゾゾタウンにつながっていきました。


ただこの会社、経営者が変わり者だけに、運営も変わっています。

勤務時間は9時から15時まで。集中して働いてサッと遊びたいという前澤氏の特性を反映したものだそうです。

基本給、賞与は、全社員同じ額。異なるのは役職手当だけ。

変な社内競争をなくしたいという思いもあるでしょうし、人事考課査定などに時間をかけたくないという合理的な判断のもとでしょう。

とかく競争が嫌いな人らしく「競争心が強い人が多い」東京が嫌いだそうで、地元の千葉から、会社も家も出ようとしません。

そのわりに「宵越しの金は持たない」という江戸っ子みたいな特性があり、手元にあるお金は全部使ってしまいます。このあたり、派手好きな女性の注意を惹くようで、ゴシップも聞こえてきますな。


ネット通販サイトのカテゴリーキラー


そのゾゾタウンですが、えらい勢いで業績を伸ばしています。

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5年前と比べても、売上高で2倍、経常利益で3倍に伸ばしています。

事業内容そのものは、いわゆるネットショップ上のカテゴリーキラーです。

※カテゴリーキラーとは、特定の分野(カテゴリー)の商品だけを豊富に品ぞろえして、安く販売する小売業者のこと。

楽天が、ネットショップの総合商店街だとすると、ゾゾタウンはファッションに特化した専門店街です。

一般的に試着が必要なアパレル品はネットショップには向かないと言われていましたが、ゾゾタウンは試着したのちの返品をフリーにして購入のハードルを下げました。

商品写真、サイズなどもメーカーの仕様をそのまま載せるのではなく、ゾゾタウンで新たに撮り、採寸したものを掲載するなどの手間をかけています。

前澤氏は、サイトのインターフェイスなどにはミリ単位でこだわる人のようで、使いやすさを追求し続けており、それが消費者の「便利すぎる」という評価につながっています。

その他にも、つけ払いを認めるなど、斬新なアイデアを実施して、集客力を高め続けています。

2017年3月期には954店がゾゾタウンに出店しており、ブランドが多い→集客できる→さらにブランドが集まる。という好循環に至っています。


百貨店のビジネスモデルをネットに移植


それにしても経常利益率34.6%とは尋常ではありません。(営業利益率は34.4%)

同じネット通販モールの楽天は、営業利益率9.9%

ユニクロを擁するファーストリテイリングが営業利益率7.1%

家具のカテゴリーキラー、ニトリでも営業利益率16.7% です。

いかに同社の利益率が異次元かを示しています。


ゾゾタウンは、メーカーから提供された商品を受託販売する方式をとっています。つまり在庫はすべてメーカーのもの。販売した時点で取引が成立するシステムです。

これは、百貨店のビジネスモデルと同じです。

百貨店は、駅前一等地に巨大店舗を構えている抜群の集客力を背景に、メーカーに販売場所を提供して販売手数料や賃料をとる方式です。

百貨店の店員が販売対応する場合もありますし、メーカー側から販売員を派遣する場合もあります。

それでも、百貨店トップの三越伊勢丹ホールディングスの営業利益率は1.9%


ゾゾタウンの場合、ネット通販なので、店舗にお金をかける必要がありません。その上、販売手数料が30%弱とかなり高い。

これは、商品企画、写真撮影、採寸、配送、すべてをゾゾタウン側が行うからです。

メーカー側とすれば、商品を提供するだけであとは全部ゾゾ側がやってくれて、しかもよく売れるので、30%近い手数料も妥当だと思うことでしょう。

だから当初は「売れ残った商品だけゾゾに渡しとけ」なんて対応をしていたメーカーも、今では、まずゾゾで売り、残ったものを他で何とかする。という販売方針に変わっているといいます。


勝負を分けるのは物流機能


前澤氏は、ネット通販の成功ポイントを「商品」「集客」「サイト」「配送」の4つとして取り組んできました。

その4つめの「配送」が勝負になる。というのは、アマゾンの考え方と同じです。

だから、同社は、千葉や茨城に巨大物流倉庫を建設、フル稼働させています。

アマゾンに比べれば慎重な感はありますが、同社も物流機能に対する投資は惜しんでいません。

もっとも、物流拠点を整備したところで、最終的に消費者のもとへ届けるのは、既存の宅配業者が担うはずです。

アマゾンと同じく、宅配業者との対立が今後、問題になってくる可能性はあります。


メーカーポジションに転身?


意外だったのが、オリジナル商品の製造に乗り出す姿勢を見せていることです。

参考:41歳で「1兆円帝国」を築いた前澤友作の真価 好調ゾゾタウンが繰り出す次の一手

ファッションブランドのネット受託販売というのは優れたビジネスモデルですが、人気メーカーに逃げられたら打撃を受けるというリスクを孕んでいます。

メーカーポジションへの転身は、そのリスクを回避しながら、足りないと思える商品ラインナップの隙間を埋めようという試みでしょう。

全容は発表されていませんが、漏れ聞くところによると、「老若男女が楽しめる」「IoT」を反映した商品だとか。

既存の取引先とかぶるような商品を作れば、商売上マイナスですから、違うジャンルのものになるはずです。

想像するに「ファッションブランドではなく日用衣料」「最新の情報技術を活かした機能性衣料」となるのでしょう。

ということは、ユニクロや無印良品とかぶりそうです。


このまま順風満帆に進むのか


飛ぶ鳥を落とす勢いのスタートトゥデイですが、落とし穴はないものでしょうか。

まず挙げられるのが、ゾゾタウンを陳腐化しようとする新たなネット通販サイトの登場です。

ゾゾタウンがここまで売れてくると、その普遍的なイメージに飽き足りない消費者が現れてきます。

便利だし、ポイントもつくし、安い。だけでは魅力を感じない消費者は、もっと先鋭化したイメージのサイトや高級ブランドだけを集めたサイトに惹かれていきます。

そうなると、ブランドショップ側も、イメージのとんがったネットモールに流れていく可能性があります。

実際に、海外の高級ブランドを集めたサイトが出てきて人気を集めているようです。


あとはやはり、他企業の反攻です。

アマゾンは、アパレル分野でも世界制覇をする姿勢を崩していません。おおざっぱなところはあるものの資金力は豊富で、投資スケールは巨大です。

なにしろアマゾンは、利益も残さない、株主還元もしない、という会社です。現金があるなら全部投資する、と考えているので、そのあたり普通に利益も出すし株主還元するスタートトゥデイからすれば異次元の施策を打ってくる可能性があり気が抜けません。


ファーストリテイリングも黙っていませんよ。

計画しているオリジナル商品がユニクロのものと被る場合は、間違いなくミートしてくるはずです。

これを機にネット通販事業を本格化してくるかも知れませんしね。


※下記を参考にしています。



図解! 業界地図2018年版
ビジネスリサーチ・ジャパン
プレジデント社
2017-08-09






普通の人で構成される生産的な組織を作りたい

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「あの人は、24時間、常に仕事のことを考えている」「あの人は仕事に生きている」そういう人が、会社に一人は二人はいるんじゃないでしょうか。

オーナー企業であればオーナーそのもの。

そうでなくても、カリスマ営業みたいな人は、その仕事に対する取組姿勢から、他の人たちを寄せ付けません。

落合博満ではないですが「能書き垂れるなら、俺と同じ実績を出してみろ」といわれれば、グウの音も出ませんからね。

カリスマばかりの組織が機能するとは限らない


じゃあ、組織がカリスマばかりになればいいのかというと、そうではないところが不思議です。

そもそもカリスマは、人数が少ないので、オールスターチームを作ること自体が難しい。

しかし、それが可能になったとして、カリスマだけのチームが機能するかといえば、実際には特長を消し合って、むしろグダグダの組織になってしまいます。


逆に、ごく普通の人たちで構成される組織が、強いパワーを発揮することもあります。

一人一人は普通です。定時に帰るし、休みには普通に遊ぶ。昼休みにはおだやかに談笑しています。

だけど、組織としての動きが身についているために、人数×人数でパワーを発揮しています。


どうも自然発生的な組織は、一人の強いリーダーによってまとめられることが多いらしい。

その人が、適切なマネジメントをする人であればいいのですが、上のカリスマ氏のようであれば、メンバーは委縮して組織としてのパワーを発揮し切れずにいます。

過去にそういう組織をよく見てきました。いや、今でもよく見ます。

「おれは好きなことをやる。お前らはおれを手伝え」ほとんど組織の私物化といっていいような状況が普通にあります。

原始的な組織を生産的にする


そういうカリスマ氏が、私のようなコンサルタントに反発するのは必然です。

私は、企業組織を、自然発生的なものから、生産的なものにするためのお手伝いをしています。

営利組織である企業の組織が自然発生的なものだというのは矛盾があるかも知れませんが、放置されていると、組織は原始的なものになっていくようです。

まるで「蠅の王」の英国少年たちのように。「地獄の黙示録」のカーツ大佐のように。

原初的な危機感から、彼らは動物的な力の支配に戻っていくのでしょう。


私はむしろ、24時間も仕事のことを考えられない、人生においては仕事の外にも価値のあるものがあるはずだ、と思うごく普通の人たちで構成される組織を作ることに意義を見出しています。

組織が機能し生産的になれば「金を稼ぐために仕方なしに仕事をしている」と考える人たちが「仕事の時間も楽しいじゃないか」と思うようになります。

簡単なことではありませんが、そう思えるような組織に変化していくことに、意義を感じます。


無理なく楽しく、しかも生産的で競争力を持つような組織を作る。

そんな組織が増えてくれば、日本は再び競争力を発揮するようになるとは思いませんか。

それが私のミッションだと考えています。



蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)
ウィリアム ゴールディング
早川書房
2017-04-20

地獄の黙示録 特別完全版 [DVD]
マーロン・ブランド
KADOKAWA / 角川書店
2017-06-30







ヤマダ電機が生き残りを賭けて反攻開始!

ヤマダ電機


(2017年8月24日メルマガより)


家電量販店のトップ企業ヤマダ電機が、新業態店舗を茨城県ひたちなか市に出すそうです。


売り場面積は1500坪。店の半分は家電製品、半分は家具やキッチン用品を扱うとのこと。

ヤマダ電機とイケアがくっついたような店の内容です。

家電量販店といえば、市場規模の縮小と売上低下の危機にさらされており、抜本的な対策を迫られているさなかにありました。今回の店舗が、ヤマダ電機なりの解答だということなのでしょう。

成長モデルの転換を迫られる家電量販店


家電量販店の業界規模は約7兆円。前回のメルマガでとりあげたドラッグストアより少し大きな売上規模になりますが、あちらは伸び盛りの業界です。早々にも逆転されることになりそうです。


ヤマダ電機グループの売上高は1兆5630億円。ピーク時の2兆1532億円からは、3割近く目減りしています。

飛ぶ鳥を落とすような勢いだったヤマダ電機がなぜこのようになってしまったというのでしょうか?

カテゴリーキラーの興隆と没落


もともと家電量販店は、家電製品が百貨店や専門店、量販店中心に売られていた時代に、カテゴリーキラーとして登場しました。

※カテゴリーキラーとは、家電や衣料品など、特定の分野(カテゴリ)の商品のみを豊富に品揃えし、低価格で販売する小売店業態。カテゴリーキラーが進出すると、商圏内の総合スーパーや百貨店は、そのカテゴリーの取扱を縮小もしくは撤退に追い込まれることからこう呼ばれている。(wikipediaより)

それより以前、家電製品の売り場が乏しかった頃は、各メーカーは「ナショナルショップ」「東芝の店」「日立の店」といった系列販売店を組織し、自社商品を販売していました。われわれ消費者は、たいていは近所の販売店に行って、その店の扱いメーカーを定価で購入するしかなかったわけです。

量販店の雄、ダイエーが、家電製品を値引き販売するぞ!と宣言した時も、メーカーの抵抗は凄まじいものがあり、パナソニックは自社製品をダイエーに卸させなかったものです。それぐらい、メーカーの力が強かった時代がありました。

ところが1990年代に力をつけてきたカテゴリーキラーたる家電量販店は、バブル崩壊後の販売不況時に、むしろメーカーから頼られる存在となりました。

背に腹は代えられん。どんどん売ってください。販売奨励金も出しますよ。なんなら販売応援員を出しましょうか。てなもんです。

われわれ消費者も、すべてのメーカーの売れ筋商品が一同に会した売り場は購買に便利ですから、支持したわけです。


家電量販店は、典型的な薄利多売の店です。安く仕入れて、ライバル会社より1円でも安く売る。というのが使命です。

だから少しでも購買力をつけようと、合併を繰り返していったのは必然でした。ヤマダ電機も、成長の過程で、多くの家電量販店や周辺企業を買収し、業界随一の巨大企業となっていきました。

ところが、その規模の大きさが弱点になったのだから皮肉なものです。市場が飽和し、売上が下がり始めると、店舗も人数も肥大したトップ企業が最も苦しむことになりました。


ヤマダ電機側が予測できないこともありました。スマートフォンが登場すると、パソコンやカメラなどの製品が売れなくなってしまいました。あおりを受けて、日本の家電メーカーがパワーを失ってしまったのです。

カテゴリーキラーというのは確固たるカテゴリーが存在するからこそ機能するものです。肝心のカテゴリーが魅力を失ってしまったら、キラーの存在意義も失われてしまいます。

日本の主要メーカーとの関係性で有利にビジネスを進めてきたヤマダ電機とすれば、有名メーカーの商品が安く並んでいますよ、というだけでは消費者を引き付ける力がなくなってしまったのです。


「ショールーミング」


もう一つ、家電量販店を苦しめているのが、ネット通販の存在です。

店舗を持たないネット通販店は低コストですから、家電量販店よりも安い価格で販売することができます。

消費者も現金なものです。「ショールーミング」といって、ヤマダ電機で商品説明を受けておきながら、安いネット通販で購入してしまいます。

最近では、ヤマダ電機側も慣れっこになって、その場でカカクコムをみながら価格交渉することが普通になってきました。

ただでさえ薄利なのに、こんなことをやっていたら利益は残りませんよ。

ヨドバシカメラはアマゾンに真っ向勝負


ネット通販に真っ向から立ち向かおうとするのが、業界3位のヨドバシカメラです。

ヨドバシカメラは、売上高6796億円。ですが、23店舗しかないので、1店あたりの売上高は、約295億円です。(ヤマダ電機は1.3億円)

ヨドバシカメラは、家電量販店全盛の頃も、店舗拡大路線には背を向けて、都心店舗でじっくり売ることを戦略にしてきました。

利便性のいい都心に巨大店舗を持っているので、「ショールーミング」するには絶好の場所です。それを逆手にとったヨドバシは、むしろ積極的にネット購入することを推奨しています。ただし、自社サイトで。

ヨドバシは、アマゾンに対抗してヨドバシコムという通販サイトを構築・整備しています。アマゾンのような怪物企業に対抗するなんてどうかしてるよ〜と言いたくなりますが、なかなかどうして、ヨドバシコムは、家電製品に関してはすこぶる使いやすい。自社運送の仕組みを整備しており、商品によってはアマゾンよりも早く届けてくれますし、運賃は全品無料です。運賃も含めればそれほど価格差がなくなるので、消費者もヨドバシで買おうとなるようです。

あるいはヨドバシには、メーカーのブースも用意されています。パソコンなどを購入する場合、メーカーは自社サイトで購入することを勧めてきます。消費者とすればメーカーから直接購入する方が安心ですし、価格も安いはずです。

なにより消費者はレジに並ぶ必要がない。言われるがままにクリックしてしまえば、あとは家に帰って商品の到着を待つだけなので便利です。

ヨドバシ側は、自社運送の仕組みを整備して、運賃無料を実現しています。ポイントや運賃も含めればそれほど価格差がなくなるので、消費者もヨドバシで買おうとなるようです。

巨大企業ゆえ万事おおざっぱなアマゾンの隙を突き、ヨドバシコムの顧客満足度はすこぶる高くなっています。日本国内だけでいけば、ヨドバシの方が分があるかも知れません。

もっともアマゾンは「儲けない」ことを信条にする異次元の会社ですから、今後どんな手を打ってくるかわかりません。気は抜けませんよ。

オリジナル商品を増やす


いっぽうのヤマダ電機も、ヤマダウェブコムというネット通販サイトを開設していますが、店舗販売の補完的な位置づけにとどまっており、アマゾンに対抗するような本気度はありません。

ヤマダ電機が「ショールーミング」されないようにするためにはどうするのか。

商品に独自性を持たせられればいいわけです。

たとえばニトリは、家具のほかにも日用品や雑貨を多く取り扱っていますが、ニトリ店内でショールーミングされたという話はあまり聞きません。

なぜかというと、ニトリは自社で企画した製品を販売しているからです。

ニトリの売上高は5129億円。営業利益は857億円。営業利益率は16.7%です。

ヤマダ電機の営業利益率が4.2%ですから全然違います。

これは、ニトリが自社で開発、製造、物流、販売を一貫して行うビジネスモデルだからです。製造体制を整えるためには、大きな先行投資が必要ですが、それが機能するようになると、高利益を得ることができます。

ヤマダ電機も同じようにできないものか?

確かにヤマダ電機にもPB商品が存在します。しかし、PB(プライベート・ブランド)といっても、メーカー商品の品番を変えただけのようなやる気のないPBなので、殆ど意味はありません。

だけど今は、勢いのある新興メーカーがたくさん出てきていますから、PB商品ではなくても、ヤマダ電機だけでしか売らない商品を作ることも可能なはずです。

その一環として、メーカーの船井電機が、ヤマダ電機オリジナルテレビを発売することを発表しました。


これが成功するかどうかは未知数ですが、試みは評価できます。

ちなみにヤマダ電機は船井電機以外でも、新興の家電メーカーを支援する政策を発表しています。販売経路に困っている新興メーカーとすれば、ヤマダ電機が積極的に売り場を提供してくれるのは心強いことでしょう。

ただし、いくら船井電機が限定商品を提供してくれようが、新興メーカーがオリジナル商品を作ってくれようが、数量は限られています。

売上高1兆5630億円。12074店のお腹を満たすほどの影響力は持てないだろうと思います。


住宅分野への進出は正しいのか


今回ヤマダ電機がはじめた新業態店も今年度20店舗が目標となってますが、いわゆるテスト的な出店です。

半分が家電製品、半分が家具や日用品を並べて家をまるごと提案する、となっていますが、いまの日本に思うほどの新築物件や丸ごとリフォームの需要があるのでしょうか?

※新設住宅着工件数のピークは1996年の163万戸。2016年は97万戸です。

子会社のヤマダ・エスバイエルホームの昨年の住宅販売戸数が2109戸。仮に150%を上乗せしたとしても、3163戸。

家と耐久消費財を合わせて2200万円として、696億円の売上高です。昨年のヤマダ・エスバイエルホームの売上高が436億円ですから、260億円の上乗せにしかなりません。


丸ごと提案ではなく単品で家具や日用品を販売するというなら、ニトリと競合することになり、勝ち目があるとは思えません。

むしろニトリが、家電製品の製造に進出して、ヤマダ電機の牙城を脅かすというシナリオの方が現実的です。

新業態店の成功は重要だが、それだけで生き残れるのか


要するに、ヤマダ電機は大きくなりすぎたのです。

振興メーカーと協力しあって、オリジナル商品の扱いを増やす。

住宅販売やリフォームに進出して家まるごと提案をする。

という試みは評価できますが、新規展開が成功したとしても、売上高1兆5630億円。12074店のガタイはあまりにも大きい。

日本の人口減少は予測されたことですが、日本の家電メーカーの衰退、ネット通販の台頭といった環境変化が早すぎたと言わざるを得ません。

ヤマダ電機は、住宅関連分野への進出を全社戦略としており、今回の店舗がその試金石となるのでしょう。

その成否については、今回の新業態店舗の状況を待たなければなりませんが、たとえ一定の成功を収めたとしても、相当の規模縮小が求められることは間違いないと考えます。


※下記を参考にしています。



図解! 業界地図2018年版
ビジネスリサーチ・ジャパン
プレジデント社
2017-08-09







少数者が生き残るためには、個人のマネジメント力に頼らなければならないのか

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■プロボクサーなどで、たまに「放っておくと遊んでしまうから、無理やり試合をさせる」という形で育てられる人がいますね。

マイク・タイソンなどがその例です。才能があるのに、今一つ真面目になれないボクサーに有効です。

ボクシングは才能が大きなウェイトを占めますから、そういう育成方法もありなんですな。

嘘か本当か、世界チャンピオンになるまでろくに練習しなかったといわれる天才ボクサーがいるらしいですから。

真面目な日本人からすれば、とんでもない話ですね。


■ただこの記事の話は全く別です。川内という非エリートランナーが、独自の練習方法で、エリートを脅かすまでになったという事例です。

普通に考えれば、これは多様性の話です。

かつて多くの優秀なランナーを育てた実業団方式が正しいとしても、実はそれに馴染まない才能もあるわけです。

今まで、そうした少数の才能を殺していたのではないか。

才能には多様性があるはずなので、柔軟な対応が必要になります。

だが大きくなった組織は融通が利きません。集団内のメジャーのために、マイナーは殺されてしまいます。

最大多数の最大幸福という理念からして、それは仕方ない。

(もっとも、本当に実業団方式がメジャーに適した方法なのか?という疑問は残ります。世界で全く通用しない現在なので)

だが、川内自身は、メジャーから漏れた状況でも殺されず、自分の個性を伸ばすやり方を見つけて実行したわけです。


■これは川内に類稀なマネジメント力が備わっていたからであって、特殊な一例です。

彼は自分の力で、殺されることを拒否できたわけです。

しかし、皆に「自分の個性にあった練習をしよう」といっても、できるものではありません。

やはり指導者側に、多様性を勘案して指導するマニュアルがなければなりません。

そうじゃないと、実はバカにならない数のマイナーな才能を消してしまっている可能性があるわけです。


■私もコンサルタントや講師をやっているものですから、こういう話は他人事ではありません。

まずは多数を動かさないと組織は変わりません。どうしてもメジャーな層を中心に仕組みを作っていきます。

ただその中で、実は多くの異能者を殺していたのではないか。

これはシリアスな問題ですよ。


■一人一人の個性に配慮した指導をすることが教える側の良心です。

しかし、集団全体の利益のためには、どこかで見切りをつけて、切り捨てなければならない場面も出てきます。

なるべく個人に配慮する気持ちを忘れないでおこう。切り捨てる場合も、その人を殺しているのだという自覚を持とう。それが指導者の務めだ。

人生に目標などいらんだろ

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■楠木建氏のコラムです。目標など持たず流れに任せて生きることを勧めておられます。いかにも飄々とした楠木氏らしい^^

いわゆる「目標達成型」の人生観が主流となっている風潮に対するアンチテーゼですね。

精神分析医とかも、頑張らない生き方を勧めています。


■基本的に私もこのタイプです。人生の目標などありません。あっても漠然としています。

妙に前向きな主張を聞くと、息苦しくなります。

愚痴もいうし、ネガティブにもなるし、怠けたくなります。


■自然のままに。というのは、日本人にあっている生き方なんでしょうね。

自然のままにしていたらのたれ死んでしまうような欧米では考えられないかもしれない。

彼らは環境を克服しなければ生きていけないが、我々は古来、環境とともに生きることをしてきました。

自然界のあらゆるものに神が宿るアミニズムは、それを克服することを善とはしていないわけですから。


■ただし、生き方においては。です。

ことビジネスに関するならば、目標を立てなければうまくいかないということを私は身を染みて知っています。

自分自身のビジネスについても、コンサルタントとして企業と付き合っていても、常に目標を立てて達成してきました。あるいはしようとしてきました。

まさに「成果を上げる秘訣は、成果とは何かを知ることである」です。


■このあたりの切り分けが難しいですね。

楠木氏は「ストーリーとしての競争戦略」の中で、伝統的な戦略を「資源アプローチ」と「ポジショニングアプローチ」に分けています。




資源アプローチとは、経営資源(主に人材)を育てることで強みを発揮しようという考え方で、ポジショニングアプローチとは、競合他社との差別化や位置取りで強みを発揮しようという考え方です。

当然、両方を混ぜ合わせて使うのですが、日本企業の場合、資源アプローチの考え方が強いことが多いようです。

つまり、人材が育つに任せる。。ということと紙一重です。


■競争戦略は、ポジショニングアプローチの最もたるものです。

日本企業に欠けている部分だと思うからです。


■だから楠木氏がコラムで言っていることは、人生そのものにビジネスの手法をとり入れなくてもいいじゃないか、ということなんでしょうね。

私もそう思います。

道で吠える犬を相手にしても仕方がない

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■昔は私もキレやすかった…反省しております。

今は、キレません。たぶん。ずいぶん耐性ができたと思います。


■キレるというのは、幼稚だと思う。

どういう時にキレるのかというと

1.他人が自分の思い通りに動かない時。→なんたる傲慢。

2.相手を納得させる努力をせずに動かそうとする時。→老人に多い。権威や立場を笠に着た体罰です。

3.相手を心理的に混乱させて思い通りに動かそうとする時。→ほぼ詐欺師。胡散臭い人物のすることです。

こんなところでしょうか。


■まあ、以前の自分を棚に上げてしまいますが、キレる人物は相手にしてはいけません。

動物と同じですね。道で吠える犬をまともに相手にしても益なしです。

理屈の通じない相手に時間と労力を使うことはありません。そもそも、キレる人は、理屈が通らないからキレているわけですから。


■私の場合、会社員ではないので、キレたくなる場面もずいぶん少なくなったと思います。

会社員の方は、毎日が修行の場なんでしょうね。

【業界データ】ビール ※随時更新

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業界動向


平成26年度のビール系飲料(ビール、発泡酒、第三のビール)の販売量は約400万kl。ピークだった平成10年頃から比べて約3割減。ほぼ毎年のように過去最低を更新し続けています。

国内の人口減にくわえて、成人の一人当たり酒類消費数量もピーク時から約2割減。国内は衰退市場です。

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(国税庁 平成29年3月「酒のしおり」より)


ビール類税制改革の影響

2017年6月、国税庁は酒類の安売り規制を導入。原価割れのような安売りを禁止しました。すでにスーパーや飲食店ではビール類の価格が上昇してきています。

さらに国税庁は、2026年までにビール類飲料の税金を1本化する方針を決めました。

もともとビールの価格の4割程度が税金です。が、各企業は法律解釈上ビールではないがビールに似た味のする発泡酒や第三のビールを開発して、税率を下げることに成功しました。(簡単にいうと、350缶のビールは77円が税金。発泡酒は47円。第三のビールは28円)

しかし、今後はすべてのビール類飲料の税金を55円で統一するとのこと。これまでの企業の努力が水泡に帰してしまうわけですが、それはそれ。今後、各社は結果的に安く販売することができる本来のビールに力を入れてくると思われます。


海外展開

国内市場の低迷を受けて、ビール各社は、事業の多角化(他の酒や清涼飲料などに進出)と海外展開を進めています。

海外市場において、先進国は酒類の伸びはないもののアジアや中南米を中心に市場拡大しています。

しかし海外メーカーは、成長市場を取り込むために積極的なM&A(買収・合併)を進めており、現在、インベブ・SBAミラー、ハイネケン、華潤ビール、カールスバーグの4社で市場の5割を占める寡占状態です。

日本勢では、今年、アサヒグループが欧州5カ国のビール事業を1.2兆円で買収しました。海外展開に遅れていたアサヒグループとしては悲願の欧州進出です。

しかしキリンは、3000億円を投じたブラジル事業に失敗、770億円で売却するなど苦戦しています。


主な企業


アサヒグループホールディングス


ビール業界1位。スーパードライは今年で30周年、相変わらず売れ続けている怪物ブランドです。発泡酒や新ジャンルに弱かったが、税制改革のあおりでそれも意味がなくなりました。欧州ビール会社を1.2兆円で買収し、海外進出の足掛かりを得ました。この海外子会社の売上を加えると、グループ売上高としてキリンホールディングスを抜くことになります。これからが楽しみですね。

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キリンホールディングス


ビール業界2位。一番搾り(ビール)、淡麗(発泡酒)、のどごし(新ジャンル)が3つの柱。買収したブラジルのビール会社を安値で売却、海外進出につまづきました。これからどうしていくのでしょうか?

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サントリーホールディングス


ビール業界3位。プレミアムモルツ(ビール)はプレミアムビールの1位ですが、販売の主力は金麦(新ジャンル)です。サントリーは、2014年ウィスキーの世界3位ビームを1兆6500億円で買収し、大勝負に出ています。

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サッポロホールディングス

ビール業界4位。エビス、サッポロ黒ラベル(ビール)が柱。ただしサッポロは、ビールよりも不動産事業で効率よく稼いでいます。

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※下記の書籍を参考にしています


図解! 業界地図2018年版
ビジネスリサーチ・ジャパン
プレジデント社
2017-08-09









参考記事。外食チェーンの興亡史

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これ面白いです。ぜひ読んでください。

ファミリーレストラン誕生の時から、居酒屋チェーンの台頭、牛丼チェーンの興亡、回転寿司チェーンまでをドキュメンタリー風に書いていて、わかりやすく面白い。

残しておいて、参考にします。


ゼンショーの小川社長の言葉もキマっています。

「僕は吉野家を抜こうとも、日本一になろうとも言ったことは一度もない。それは世界一になっても同じ。僕らの目標はあくまでも『世界から飢餓と貧困をなくす』こと。それが業界全体のスタンダードになればいいけどな」

立志伝中の人は違いますね。





抑えられない悪癖をよい習慣に変える方法

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脳機能を根拠によりよい習慣を手に入れようとするためのノウハウです。

脳は、短期的な快楽を求める習性がある


どうも脳は、短期的な欲求を満たそうという機能を持っているらしい。長期目標の重要性は認識していないようです。

つまり脳は「快」を求めて行動を促す。

我々の全ての行動は、「快」を求めているわけです。


記事にあるジャンクフードを食べるという行動も、脳が快だと思うからやっているらしい。

ポテトチップスなら油と塩、ケーキなら油と砂糖。

脳は、油と塩や砂糖を摂取することを快と認識しているようです。短期エネルギーの蓄積になるからです。

だから記事では、欲求に身を任せてみて、一口目の快感と、全部食べてしまった時の不快感や罪悪感を十分に味わうことで、ジャンクフードの大量摂取は「不快」であることを脳に認識させるという方法を説いています。

どうすれば不都合な「快」を避けることができるのか


ジャンクフードに限らず、人間の行動に脳の欲求に合致しないものはありません。

仕事や勉強をサボって、ダラダラしたいというのも、脳が仕事や勉強を快だと捉えていないからです。

それに対して、ゲームやネット閲覧は、快だと捉えているらしい。


悪癖を止めようとするならば、上の原理を使うと、まずはゲームをとことんやってみて、何を快だと捉えているかを客観的に認識することから始めます。

例えば、ゲームの場合、単純な反復に加えられる突発的な衝撃とその克服に快を覚えているとします。

要するに日常的な危機回避をすることに脳は快を覚えているらしい。まずはそれを認識することで、生産性のない行動に対する失望感を十分に感じます。

その上で、仕事や勉強に、ちょっとした刺激とその克服という要素を盛り込むことで、反復的な習慣を快だと脳に認識させるようにしようという考え方が成り立ちます。


脳といかにうまくつきあうか


コストコが日本で支持されているのはなぜか

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カンブリア宮殿にコストコが登場したようです。

2000年頃に日本上陸し、現在は国内26店舗。すっかり定着した感があります。

コストコが日本に定着した理由


当初は、ホールセールクラブ(卸売業者が販売する店)という形態が日本の商慣習に馴染まず、苦労したようですが、「コストコサイズ」と呼ばれる大きなパックの商品が、今までなかった販売方法だとメーカーの興味をひき、協力を勝ち取ります。

これは同時期に日本進出して撤退することになるカルフールにはなかったことです。

カルフールは、単に「メーカーと小売が直接取引すると、中間マージンが省けて、消費者のためになる」という正論でメーカーを説得しようとして失敗しました。

日本における慣習やしがらみの強さを甘くみていたのかも知れませんな。

結局はカルフールには、消費者やメーカーを惹きつける「何か」がなかったわけです。

参考:日本でコストコが成功し、カルフールが失敗した理由

非日常的な購買行動を演出


コストコには消費者を惹きつける「何か」があります。

それは買い物に付随するレジャー性、非日常性といったものです。

休みの日に大量に買い込んだものを車で持ち帰って近所で分ける。という消費行動は、明らかに非日常です。

洋画でみるようなアメリカスタイルのような気もしますし、昭和40年代の日本の購買スタイルのような気もします。

買ったら困るような文房具のセットがあったり、土産物屋でしか見ないような駄菓子の大袋があったり、どこに置くんだと言いたくなるような収納小屋がそのまま売っていたり、食堂にはやたらでかいピザやホットドックが売られていたり。

非日常の種類が違いますが、ドン・キホーテも、購買の非日常性を演出して成功しましたね。

ネット通販が日常的購買の主役になりつつある現在、リアル店舗が生き残るヒントが、このあたりにありそうです。

安いことは安いが、年会費を払うほどか?


コストコといえばもう一つの売りは激安です。

大箱。箱のまま陳列。だから運送費や人件費が削減される。というのはわかります。

ただコストコの場合、もうひとつ。

コストコがどこで利益を出しているかといえば、個人で年間4400円の会費。この安定した利益があるから商品を安くできる。そしてその安さに惹かれ、また客が来る。まさに好循環のビジネスモデルなのだ。

要するに、年会費で儲けを確保し、あとは利益ゼロで販売する。というビジネスモデルです。通常の小売店とは違う発想でビジネスを組み立てていることがわかります。

ただし、コストコの場合、数量がやたら大きい商品や、他所でみないような特殊な商品が多いため、単純に価格比較できないようになっていて、実際にはどれぐらい安いのかは不透明です。

業務スーパーの方が安いやん。という意見もあります。

参考:コストコで「得」できるという大いなる勘違い 「年会費=大仏の拝観料」だと割り切れるか?

つまり、コストコの年会費は、商品を安く買うためではなく、非日常的なレジャー消費を楽しむための入場料だというわけです。




ひとり書店、ひとり出版という起業もあるのかな?

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ご存じの通り、書籍と雑誌の売上は落ち続けています。

1996年の2兆6564億円をピークに、書籍は44%縮小。雑誌は53%縮小。2016年の売上高は1兆4709億円です。

少子高齢化。ネットによる情報拡散。がその要因でしょう。特に雑誌については、ネット代替率が高いはず。

最近は、定額で雑誌読み放題というネット上のサービスも出てきています。


だから書店も厳しい状況です。町の小さな本屋さんが消えてしまって久しいですが、大手書店も厳しいのは同じです。

丸善ジュンク堂書店は、売上高769億円。当期利益マイナス23億円ですから。(平成29年1月期)

小さな書店は成り立つのか?


そんな中、小さな書店で頑張っている人たちがいるという記事です。面白いですね。


ただ記事を読んでみると、これはビジネスというよりも自己実現の手段ですね。

出版物には、再販制度があり、書店が勝手に値段をつけることができません。その代わり、返品が認められています。ただし、1冊あたりの利益が薄い。

価格競争が起きないかわりに、数を売らないと成り立たないビジネスです。今のように本が売れなくなると、成り立ちません。


ですから書店は大型化していって、薄利多売でビジネスを成り立たせようとしてきたわけですが、今はそれさえも難しくなるほど本が売れなくなってきました。


そこに小さな書店の出番です。小さいので経費が少ない。個人でやっているのであれば人件費もきりつめることができます。

ただし販売量も少ないので、1冊当たりの利益を大きくしなければなりません。

そこで、自分で作った本や雑誌。

同人誌のような本を扱って販売することになります。

ひとり出版社もあります


記事ではひとり出版社も登場します。自分が思うことを書いて本にする。自費出版のようなものですが、それでは売る場所がありません。

図書コードを取得していても、無名作家・弱小出版社の本を書店は置いてくれませんから(なにしろ書店は赤字でそれどころではない)

自分で売り場を探さなければなりません。

そんな時、小さな個人書店は重宝します。利益を厚く設定して卸せば、利益が欲しい書店と、販売場所が欲しい出版社の思惑が一致する。という寸法です。

儲かるビジネスではありません


もとより儲かるビジネスではありません。とりあえず食べていけて、自分の好きなことができればいいかなというビジネスでしょう。

とはいっても、無策に本を並べているだけではひとりの食い扶持も稼げないでしょうから、それそれの個店は個性を打ち出すようにしなければなりません。

鉄道の本ばかり集めるとか。大病から恢復した人の体験談ばかりだとか。歴史の本ばかりだとか。

そのあたりの特殊性マニアックさのさじ加減が、このビジネスの妙であり、客観的にみて面白いところなんでしょうね。

やっている本人は大変でしょうが。




最高の上司、最低の上司

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研修などでよくやることなのですが、何か困難な問題に当たった時、「最高の上司ならどうするか」「最低の上司ならどうするか」と人にあてはめて考えてみると、道が見えることがあります。

この場合、具体的な人を思い浮かべることがコツです。

きっと社会人を何年かやっていると、そういう上司に会ったことがあるはずです。


私の場合も具体的な人物がいます。

最高の上司、最低の上司、ともに明確です^^

この二人に出会えたことは、私の今の仕事にとってまことに幸運だったと思います。

最高の上司は決してスーパーマンではなかった


面白いのは、最高の上司というのが、決してものすごい切れ者で、一刀両断に問題解決するようなタイプではないことです。

どちらかというと、あーでもない、こーでもない、と汗をかきながら突破を目指しています。

ただし、彼にはあきらめるという辞書がないらしい。一見凡庸に見せながら、いつの間にか、目標達成をしているのです。

最低の上司は、頭がいいが役に立たないタイプだった


逆に最低の上司は、物事を斜めから見て、失敗の予防線を最初から張って、目標達成できない言い訳を用意していました。

頭がよくても行動に移らないという役に立たないタイプですね。

彼は威厳を守るために、極力難しい問題には関わらないようにしていました。私など、若い頃、何度も、クレーム対応を無理やり押しつけられたものです。

本人はサラリーマンとして生きる知恵を発揮しているつもりなのでしょうが、さすがに周りも気づきます。私は小馬鹿にしていました^^;

ちなみにその最低の上司は、若い社員にばかにされながらも、高い役職に止まっています。

失点が少ないからですかね。そういう意味では、彼の生き方は一定の効果を上げたわけですね。

あの上司なら、こういう時、どうするだろう…と考えてみる


これに対して、最高の上司の方は、会社員としての頂点に至っています。具体的にはいえませんが、誰もが合意せざるを得ないところにおられます。

彼がすごいのは、ごく普通の人であることですね。ごく普通なのに、少しだけ、私より前向きで、素直で、粘り強いのです。

繰り返しますが、こういう人に出会えたことは、私の仕事人生の幸運だったと思います。


あの上司なら、こういう時、どう行動しただろう。。。と考えてみるわけです。

たぶん、もう少しだけ工夫したんだろうな、とか、もう少しだけ粘ってみたんだろうな、とか。

大阪では、サッポロ「黒ラベル」が売れているらしいが、営業が本気になるきっかけは、市場を知ることだった

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メモ。近畿圏で「サッポロ黒ラベル」が売れているという記事です。

確かに私の周りでもサッポロ黒ラベルファンは何気に多い気がする。

大阪というのは、アサヒ、サントリーのおひざ元だし、キリンも強い。サッポロは分が悪いという気もしますが、頑張っているのですね。

ビール類メーカーの業績


サッポロホールディングスは、売上高5418億円、営業利益202億円。営業利益率3.7%。(2016年12月期)

ビール類では国内4位メーカーです。

ちなみに1位のアサヒグループホールディングスは、売上高1兆7069億円。営業利益892億円。営業利益率5.2%。(同時期)

2位のキリンホールディングスは、売上高2兆0750億円。営業利益1418億円。営業利益率6.8%。(同時期)


ただし、サッポロの場合、営業利益の約半分は、不動産事業からのものです。

不動産事業を除くと、

売上高5189億円。営業利益99億円。営業利益率1.9%となってしまいます。

全国規模の4位メーカーというのは、キツイものですな。

「黒ラベル」拡販の取り組み内容


記事では、大阪で黒ラベルを販売するための取り組みが書かれています。

もともとサッポロは、少し高価格なエビスビールが大黒柱でした。そのエビスビールが、サントリーのプレミアムモルツにまくられてしまったのが情けない限りなんですが、サッポロは注力する商品を転換します。

スーパーでこそヱビスのほうが売れていたものの、コンビニエンスストアではヱビスの1.9倍、酒量販店では1.2倍売れていたのだ。

というデータに気付いたためです。

そこでサッポロは、

(1)社内の意識改革

黒ラベルは売れる!という情報を社内で共有するため、

黒ラベルを知るためのネタ本づくり、黒ラベルのジャンパーづくり、それと黒ラベルの売り上げを全員に人事考課の評価項目として義務付けた。

(2)販売促進

バイヤーへのサンプル提供。しつこく。

テレビCMに関西人を出す。

サッポロのビアガーデンを関西で開催。

2015年から始めたこうした努力が実って、28か月連続前年超えという結果につながったということです。

営業は自社商品に飽きたらだめ


営業の取り組みに関しては、いくつも思い当たるふしがありますね。

売れない営業チームというのは、気持ちで負けていることが殆どです。

例えば私がサーモスにいた時も、売れない時期は「上位メーカーと変わらない商品」「安くしないと売れない」と感じていました。

しかし、営業の仕事は、

商品で顧客の問題を解決する。

差別化を訴求する。

購入のタイミングをアジャストする。


ことです。

特に、どんな小さなことでも差別化アピールする癖をつけないと、営業は値引きマシーンになってしまいます。

自社の商品に自信を持つためには、市場をよく見て、自社商品が勝てる場面を見出すことです。

サッポロの場合、販売チャネル別の販売データを調べたことが、そのきっかけになったということですね。

わかりやすいいい事例だと思います。


サーモスの販売改革については、こちらに書いています。自社商品をよく調べて、差別化訴求していくくだりはハイライトの一つです。



お金について考えるということ

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この記事、面白いです。岩井克人さんによると、人間が抽象的な概念を発達させたのは、貨幣経済が成立したからだということです。ギリシャ時代のことです。

お金があるからわれわれは共通価値を見出した


人間は言葉を持つことによって、コミュニケーションの方法を発達させていきましたが、同時に抽象概念を身につけました。言葉により我々は考え、気持ちのやりとりをします。言葉にされた考えや気持ちは原初のあやふやなものではなく、論理などの抽象概念によって整理されたものです。

その人間が生み出したさらに分りやすい抽象概念がお金です。お金は物々交換で取引されていた物資の価値を測る尺度となりました。本来無価値なお金を皆が信じることで、貨幣経済は成立します。

お金という概念が拡がったために、人々は社会全体に通用する共通価値があることを信じるようになりました。それが、哲学、文学、科学、民主主義につながっていった。同時に社会から独立した個人という概念を生み出した。というのが、この記事に書いてあることです。

お金につきまとい胡散臭さ


お金で測れないものもある、とネガティブに捉えるフレーズもありますが、逆に言うと、殆どのことはお金で測れてしまうわけです。我々が持っている共通価値で、お金ほど便利で使い勝手のいいものはありません。

ただし何でもお金に換算しようとすることに反発する気持ちも分かります。お金で測れるもの(財。商品、物資、労働力など)と測れないもの(人権、精神、歴史など)を混同させることは無意味です。私の感じる反発心は、恐らく、混同させてはならない価値を並べて「どちらが上だ」と判定し、それを他人に押し付けてくることに対してです。

何でも金儲けに利用しようとすること。何でも個人の精神や尊厳に帰結させようとすること。どちらも同じです。

貨幣経済はこのまま続くのだろうか?


そのお金の使い勝手が、悪くなってきているようです。ヨーロッパやアメリカでそれが顕著です。大体、世界中でお金が余っているということ自体が、お金と現実の価値が不適合となっているわけです。

ポスト資本主義とは、お金の使い方のルール付けをしなおそうという試みでしょうね。残念ながらどういうルールがいいのか私には分りません。無責任ですみませんが。

プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

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