わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

ブックオフはもう断末魔なのか

00

ブックオフの業績悪化が止まりません。

 同社が5月10日に発表した2018年3月期の連結決算は、最終損益が8.8億円の赤字だった。17年3月期は11.5億円の最終赤字、16年3月期は5.2億円の最終赤字を計上していた。

 同社の展開する中古本・中古家電販売店「ブックオフ」は、店舗数が激減している。10年3月期には1100店以上を展開していたが、18年3月末時点では825店となった。8年で約300店が減ったかたちだ。18年3月期も18店純減しており、店舗数減少の流れが止まらない状況にある。

 18年3月期は、不採算店の店舗閉鎖損失や早期の黒字化が見込めない大型複合店の減損損失などで12.5億円の特別損失を計上した。店舗数が減少したこともあって、売上高は前年比1.6%減の800億円だった。

これはもう断末魔と言いたくなるような状況です。

本が売れないのだから、中古本も売れない


要因は明確で、本が売れなくなっているからです。

新刊本が売れなければ、中古本が売れるはずがありません。

特に、漫画本がかつてほど売れなくなっていることが、大きく響いているでしょう。

無料で読めるwebサイトが話題となりましたが、それは一端です。時間消費の主体がスマホやゲームに移ってしまって、漫画も読まれなくなってしまいました。

大手書店も苦境に陥っていますから、新古本の扱いを主流とするブックオフが厳しくなるのは自明です。

直近の問題としては、買い取りが思うように進まないということも言えます。

記事にあるように、メルカリやヤフオクで売った方が高いという事情もありますが、それは微々たるものでしょう。

根本的には、新刊が売れないのだから、中古本の買い取りも進まないということです。

社内は相当荒んでいるのではないか


ブックオフをみていて感じるのは、従業員のモチベーションが低いと思えることです。

私の事務所のすぐそばにブックオフの店舗がありますが、いつも気になります。

本屋さんはもともと激務な上に、業績も悪いので、社内が荒んでいるのだろうなと思えます。

業績が悪い→社内の士気が上がらない→さらに業績が悪くなる。

という負のスパイラルに陥っているとすれば、相当危険な状態です。

「後出しじゃんけん」ビジネスの限界


もっともブックオフは、需要があることを前提にした「後出しじゃんけん」的なビジネスです。従業員の能力や蓄積したノウハウを恃みにしないポジショニング戦略色の強い事業だといえます。

シリアルアントレプレナー「ブックオフ」「俺の」創業者の成功パターン

出版全盛の頃は需要は無限に思えたことでしょうね。

ただ需要が減退してしまったら、ポジショニング戦略は脆い。潮目が変わったら、仕掛けの場所を変えないといけないようなもので、ポジションを変化させなければ、生き残ることは難しくなります。


「空飛ぶタクシー」が実現間近。巨大産業になるはず。

00

「空飛ぶ車」「空飛ぶタクシー」が現実のものになろうとしています。

SFのような話ですが、技術的には実現可能な状態にあるそうです。

いわゆる人が乗ることができるドローンみたいなもので、eVTOLと呼んでいます。

どのようにビジネス化していくのか


じゃあ、何がネックになっているかというと、機体開発、インフラ設備、運行システムを開発する費用を含めて、ビジネス化するための全体の設計です。

ここを得意としているのが、配車システムのウーバーで、いま最も現実的な構想を持っているのだそうです。

記事を読むと、ウーバーの構想が壮大であることがわかります。

それによると、15秒から30秒おきに「空飛ぶタクシー」を飛ばし、大量輸送を実現することで、今のタクシーよりも低価格化を実現しようとしています。

そのためには、AIを駆使した運行システムの開発が必要ですが、ウーバーはこの分野で最先端にいこうとしています。

さすがソフトバンクが巨額の融資を実行した会社ですね。

政府が全面バックアップしなければ進まない案件かも


日本では残念ながら取り組みが遅れています。

技術的にはクリアできそうだそうですが、ビジネス化する上で問題があるようです。

1)地下鉄などが十分に整備された日本の都市で、eVTOLが参入できる市場はあるのか。逆に、過疎地(離島交通など)での利活用では、十分なコストとオペレーションが可能か
2)政府にeVTOLのような次世代航空機を機体認証する前例がなく、認可がとれないのではないか(米国で機体認証すると膨大なコストが掛かる)
3)日本は内燃機関に強いメーカーが多く、eVTOLに対して企業トップが理解を示さない
4)航空機のパイロットや整備要員などが、米国やドイツに比べて圧倒的に少ない
5)既存交通機関と共存し、相乗効果を生み出す日本型モデルが必要

つまり日本国内で完結させるとビジネスとして成り立たないという懸念です。

交通機関やタクシー会社などは既得権益があるのでやりたくないでしょうし、ベンチャーがこれだけ大掛かりなことに取り組むのは難しい。というか妨害されて大変でしょう。

ここは政府が全面バックアップの上で、ソフトバンクあたりが主導して強引に取り組まないと進みませんね。

あるいは、東南アジアやインドなどで実証実験を行い日本以外でビジネス化を構想するような、今までにないスケールが求められます。

そんなことができるのはソフトバンクぐらいじゃないの?と思ったりします。

なにしろ、実現すればばかでかいビジネスです。機体を作るだけでも一大産業が出来上がりますし、本来、日本企業の得意分野のはずです。

ここは何としても取りこぼしのないようにしてほしいものです。






日本の携帯端末メーカーが負けた理由

00

長い記事ですが興味深い。著者は中国在住で、中国でのビジネス経験も豊富な方のようです。

中国で日本の携帯端末が売れなかった理由


日本の携帯端末が中国市場で売れなかったのは、中国の顧客を無視した製品投入をしていて無策だったから、ということです。

当時、まだ日本の携帯端末メーカーに勢いがあった頃、日本製品は高性能高機能を誇っていました。それをそのまま中国市場に持ってきても、中国のユーザーが使いこなせるわけではありませんでした。

単純な話、中国語が使えない携帯端末が中国で売れるのか?って話です。

そんな当たり前のことを日本のメーカーはクリアしなかったらしい。そもそも中国で売る気はなかったのでしょうね。

ただこういう話は他でも聞きます。日本の家電メーカーがアジアで販売するのに、日本仕様のものをそのまま持って行っているだけだからさっぱり売れないという事例です。

日本の電機メーカーができない理由

いったいどうなってしまったのか?

ユーザーへの接近を忘れたメーカー


日本では携帯キャリアの力が強い。特にNTTドコモの力は絶大で、端末メーカーはドコモのいう仕様の通り製造していれば、割り当て販売してくれるという構図がありました。

いわば商売の基本であるユーザーに接近することを忘れて、キャリア対応ばかりしていたわけですから、それは事業体として弱くなっていきます。

中国市場を攻略できなかったのは、市場を理解する能力に欠けていたからだと記事にはありますが、その通りだと思います。


現在、中国のスマホのシェアは、中国系4メーカーとアップルで分け合っている状態です。

結果だけみると、日本メーカーが頑張っても席はなかったんじゃないか、と言われるかも知れませんが、逆に中国市場でそれなりの地位を持っていたら、日本でも売れなくなって軒並み撤退という事態は避けられたかも知れません。

せめて1社ぐらいは、本気で中国市場をとりにいく挑戦心を持てなかったのだろうか?

中国が外資規制でややこしいというなら、インドでもインドネシアでもいいから、シェアをとろうという選択肢はなかったのだろうかと思います。

自動車メーカーがいまだアグレッシブさを失っていないので、家電メーカーの状況が残念でなりませんよ。

ソフトバンクでさえ長老化?


記事では、中国携帯端末大手のOPPOが、日本市場進出を目指すがその閉鎖性に苦戦している様子が書かれています。

記事には、自由市場である中国と、既得権益者が支配する日本というように、少々面白おかしく対比して描かれています。

実際には中国には政府という壁が存在しますので、必ずしもこの図式通りではないでしょうが、中国の活力という意味では、一面の真実があると感じます。

なにしろソフトバンクでさえ儲かるようになれば既得権益者の一つとして、業界を守る側に回っていますからね。

ビジネス市場としての活力もなくなっていくというものです。





私が出会った優秀なコンサルタント

優秀なコンサルタント


(2018年5月17日メルマガより)

メルマガ登録はこちら



私事ですが、経営コンサルタントとして独立してから今年で14年です。

法人を設立してからは、12年になります。

気づいたら、けっこう長くやってきたんだなと思います。


経営コンサルタントとしてなんらかの形で関わった会社や事業者は、300社ぐらいだと思います。

そのすべてがコンサルとして大成功を収めたとは言いませんが、その都度、その都度、誠実に、一所懸命に取り組んできました。

自分がベテランだとか、それなりの地位があるとか言うつもりは毛頭ありませんが、自分なりのコンサルティングのスタイルや方法論は持ちつつあるのかなと考えています。

自信を持って始めた仕事ですが、やはり10年以上現場を経験しないとわからないこと、身につかないこともあるのだなと感じています。


「あなたは幸せになりたいですか?」


14年前、あるベテランのコンサルタントの助手を務めさせていただいたことがあります。(管理体制構築のコンサルタント)

とても穏やかで性格のいい方で、独立したばかりだから勉強したいという私を快く受けてくださったのです。

コンサルティングにおいても、上から目線で自分の考えを押し付けることは一切なく、皆を粘り強く巻き込むスタイルでした。

特徴的なのは、いちばん最初、社員の方が集まった時に「あなたは幸せになりたいですか?」「どのように幸せになりたいですか?」と質問して回ったことです。

およそ2時間。「会社活動における自分の幸せとは何か?」について、考える時間をもったのです。

それどころか、次の回も、その話題を繰り返しました。

「この会社で働いて、どのように幸せになれるのだろう?」と徹底して考える機会を作りました。

その会社の社長の顔には「貴重なコンサル時間を使って何をやっているんだ」と若干イラつく感じがありましたが、お構いなしでした。


対症療法では会社はよくならない


正直に言って、私も多少、引いてしまいました。

失礼な言い方ですが、そのやり方がなんとも“かったるい”ものに思えたのです。

経営理念やミッションの重要性はわかりますが、もっとシャープに、スマートにできるのではないだろうか?

案の定、その方のコンサルティングは、遅れに遅れ、予定の期間を倍以上もかけて行うことになったようでした。(最後までは参加しませんでした)


私も若かったです…

というのは、今では、その方の方法論に共感する部分が多いからです。


私の場合、営業に関するコンサルティングが多いですから、実践的なことを要求されます。

売上を上げたい、利益を上げたい、営業目標を達成させたい、営業マンの能力を向上させたい、そのための処方箋を求められます。

求められたことに逸脱せずに応える。というのは自然なことです。


しかし、実際のところ、処方箋は対症療法に過ぎません。求められることに表面的に答えているだけでは、先方からのクレームはないでしょうが、根本的な解決には至りません。

例えば「地獄の特訓」的な取り組みで一時的に行動量を増やして売上高を上げても、それはドーピングを打ったようなもので継続性がありません。

それは経営について学んだ者がすべて理解していることのはずです。真因は常に見えないところ、深いところにあり、そこを治療しなければなりません。

だからコンサルタントになりたての頃は、顧客の要求から逸脱しないように工夫しつつ、いかにして根本原因を突き止めて治療を施すか、そのせめぎ合いに苦労しました。


なかには「言われたことだけ応えていれば、根本的な原因は残ったままだから、仕事がなくならなくて好都合だ。しめしめ」と開き直るコンサルタントがいるかも知れません。実際いるでしょう。

そんなふうに開き直れたら楽でしょうね。

そんな職業的良心のないコンサルタントに比べて、社長の意向を無視してでも、根本的な取り組みをしようという先のベテランコンサルタントの姿勢は真摯です。

その方のコンサルティングは、いつも時間がかかることで知られていました。時間がかかり過ぎると途中で契約を打ち切られることもあったそうです。

しかし、というべきか、だから、というべきか、出来上がりの満足度は高いものとなります。

私が助手をさせていただいた会社のコンサルも、最後の満足度、社員の一体感は、相当のものがあったと聞きます。(最後までは関われませんでしたが)

あれから10数年が経ち、いまでは、そんな方から学ぶ機会を得られた私は本当に幸運だったと思っています。


人生の目標と会社目標をリンクさせる


その方が「幸せ論」などという抽象的な討議を繰り返す意図は明確です。

経営の方向性と個人の人生の方向性をリンクしてもらおうという取り組みです。

組織のメンバーが一致団結した時のエネルギーは凄まじいものがあります。

そのためには、会社の発展と個人の幸福が一致していることが望ましい。

強制したり洗脳したりして一方を向かせるのは、まさにブラック企業で個人の幸せを摘み取ってしまいます。だからその方は自然に皆が納得して目標を見定めるように、幸福論を討議するわけです。


そういうやり方を“かったるい”と感じるのは私だけではないでしょう。メンバーの多くが、なんで道徳の時間みたいなことに付き合わされるんだ、という顔をしています。

ただここでブレてはいけません。コンサルタントが本気で幸福論を語り続ければ、それが真摯であることが伝われば、やがてメンバーは巻き込まれていきます。

社員の方々が本気で自分の人生と会社を結びつけて考えるようになれば、それでコンサルティング目標の半分は達成したようなものです。

逆に、会社の在り方に共感を覚えないメンバーが多くいると、組織はパワーを発揮できません。1+1=2どころか、0.5とか0.3になってしまう場合があります。

まずは会社と人生を結びつけて考えることが出発点です。


「動きたくない」人を動かす


私は営業に関するコンサルティングを主に生業としている者です。

売上向上、利益向上、営業目標達成、営業力強化、こうした内容に取り組んでいます。

ランチェスター戦略や孫子の兵法は、営業支援に役立ちます。孫子の兵法は、根本的な思想や姿勢を教えてくれますし、ランチェスター戦略はより具体的に市場を攻略する方法を示してくれます。

しかし、それが機能するためには、営業担当者をはじめとするメンバーが、会社の方向性を理解し、貢献しようとしていることが前提となります。

そもそも営業担当者には経験主義者が多く、自分が現場で経験したことしか信じようとしません。それが良い時もありますが、悪い時もあります。

これまで経験したことがない戦略や営業方法を試そうとしても、まずは反発します。外部のコンサルの言うことなど信じていません。

それがいい意味での「現場主義」の現れなら議論の余地もありますが、今さら新しいことをするのは面倒臭い、会社の発展よりも個人の楽を優先させるという考えに結びついているならば聞く耳を持っていないので、厄介です。

ランチェスター戦略がどんなに優れていたとしても、それを受け取る者が現状維持派であれば「なんか珍しい手法らしいけどうちの会社には合わないね。今まで通りやればいいやん」で終わってしまいます。

もっと悪い時には「このコンサルがいる間はやるふりをしておこう。いなくなれば元に戻せばいいや」というメンバーもいます。

コンサルというのは常にそういう「動きたくない」人とのぶつかり合いです。


コンサルタントは、どのように人を動かしているのか?

基本的には2つの方法があります。

一つは、コンサルタントが得意な手法をまず導入し、実績が上がるのを見せ、メンバーの信頼を獲得したうえで、根本的な戦略や仕組みの構築に取り組む方法。いわゆる対症療法から入って根本治療に至る、入り口は易しいが奥に進むのが難しい方法です。

もう一つは、最初から社員が混乱するのもお構いなしに「幸福論」や「人生論」など人間の本質的なところに踏み込み、充分に巻き込んだうえで、根本的な経営改革に進む方法。入り口は抵抗されますが、一度受け入れられると、後は易しい方法です。

どちらに取り組むかは、それぞれのコンサルのやり方です。私もコンサル機会によって使い分けています。

いずれにしろ、困難な部分に踏み込んでいかなければ会社はよくなりません。そして最も困難な部分は、表面からは見えない部分にあるので、一筋縄ではいかないことを知っておかなければなりません。


見えない強みを理解する


どんな小さな会社にも強みがあります。

強みが機能しているから、今まで生きてきたわけです。

中小企業は、その強みを磨き、強みが活きる市場を見つけて、そこに一点集中することが基本戦略です。

そしてその集中した市場においてトップ企業になることができれば、生き残る可能性が格段に高まります。


そこで重要なのが、強みは表面に見えているだけのものではないということです。

例えば商品開発力がある。という会社があるとします。

開発力があるのは素晴らしいことですが、その開発力はどこからきているのか?

おそらく、開発する人材、その人材の採用教育育成がうまくいっているという背景があるはずです。

あるいは研究開発する設備や予算。

開発を後押しする社内の風土やチャンレンジ精神。

社内に蓄積された開発ノウハウや知的財産権。

社内社外のネットワークも重要でしょう。

こうした背後のつながりや結びつき、蓄積が重なって、今現在の開発力に結実していると考えられます。

もし、今の開発力が、特殊な天才の力によるものだとすれば危険です。その人がいなくなれば、開発力という強みが霧散してしまいます。

もし強みが消えたり劣化したりすれば、基本戦略そのものの前提が崩れます。

そんなことのないように、今の強みを支える背後のつながりや構造を理解し、補強しておかなければなりません。

コンサルタントに依頼したくなるような状態の時は、たいていこの見えない背後の部分が弱体化しています。

ここに到達し、明らかにできるか否かが、コンサルタントの優劣を分けることになるでしょう。

そのためには、深いところまで開示できるように社員を巻き込むことが必要になるのは自明のことです。


地味で目立たない人の中にこそ優秀なコンサルタントがいる


先にあげたベテランコンサルタントの方ですが、実はいまも元気に働いておられます。

地味で目立たないこういう人たちの中にこそ、本当に優秀なコンサルタントがいるのだと思います。

むしろ派手なパフォーマンスや実績を誇示する人の仕事内容をみて首をかしげることが多くありました。


私が関わった多くの中小企業の人たちは、真面目で誠実な方々でした。

社長だからと言って、わがまま放題で勝手なことばかりしている、というドラマに出てくるような土俗的な人はいません。(いや一部いますが)

多くの社長は、顧客のこと、得意先のこと、社員のこと、その家族のことを真剣に考える人たちです。

引退したくてもできないのは、そうした関係者のことを考えると、後継者に任せるのに不安があるからです。

そうじゃないと、退職金だけもらってさっさと引退して悠々自適の生活を送ればいいわけです。

いま日本の経済社会を支えているのは、そうした多くの善良な中小企業の人たちです。

そうした方々に関わる私たちコンサルタントも、善良で誠実で粘り強く取り組む者でなければなりません。

そうした方々が心安らかに過ごせるように支援することが、コンサルタントの存在意義だと考えています。

北海道日本ハムファイターズなくしては大谷翔平の二刀流はなかった

00

これは栗山監督というよりは、日本ハムに入っていなかったら…というべきでしょうね。

プロ野球ドラフトで強行指名


もともと大谷翔平はメジャーリーグ志望で、プロ野球には入る気がないので、ドラフト指名しないでほしいと申し入れをしていました。

他球団は素直にその申し入れに従い指名回避しましたが、北海道日本ハムファイターズだけが強行指名に踏み切りました。

かつては巨人にしか入る気がないと明言していた菅野を指名してクジを引き当て、1年間の浪人生活を余儀なくさせた日本ハムですから、それもありかなと思わせたものです。

翻意させるウルトラQが二刀流挑戦


さてプロ野球に入る気がないと言っていたにも関わらず指名されて迷惑に思ったであろう大谷を翻意させるために日本ハムが用意したプランが二刀流挑戦でした。

確かに投打に高い能力を持つ大谷だからこその提案ですが、果たして普通のドラフト入団選手だったなら、こんなプランを提示するだろうか?

大谷は、二刀流という前代未聞の挑戦と、プロ野球を経てからメジャーリーグに挑戦した方が活躍できるというデータを見せられて、日本ハム入団を決意しました。

星野仙一氏などは、そんな手があるならうちも指名したのにと悔しがりましたが、後の祭りです。というか、日ハム以外では、そんな提案を思いつかないでしょうし、日ハムも普通のドラフト選手には提案しなかっただろうと思います。(日ハムは否定するでしょうがね)

だから素直にメジャーリーグに行っていたら、二刀流はなかったはずです。今頃投手で活躍していたでしょう。

日ハムフロントと栗山監督の功績


今を時めく二刀流の大谷翔平は、日本ハムなくしては生まれなかったでしょう。

日ハムは、選手を育てて、年棒が高くなれば他球団に譲るという効率的な球団経営姿勢を持っています。

ダルビッシュも糸井もあっさりと放出しました。

その分、若手選手を一人前にするのに高い育成能力を発揮しています。

それは栗山監督の手腕というよりも、フロントの方針であり、構造的に選手を育成する能力を有しているということでしょう。

もちろん現場責任者としての栗山監督がその役割を充分に果たしていることは疑いようがありません。

特に大谷翔平ほどの才能を預かるというのは、信じられないほどのプレッシャーだったでしょう。多くのプロ野球OBからは二刀流挑戦に猛反発を食らいましたが、それをこれ以上ないぐらいにやり遂げさせたわけです。

この一事だけでも、プロ野球の歴史に多大な貢献をしたと言えるでしょうね。

栗山監督は、いい意味であくがなく、分を超えるということがありません。それは日本ハムという球団の在り様と自分が置かれた立場を的確に理解し、どう振る舞えばいいのかを完璧に知っているということでもあります。

いわば栗山監督は、中間管理職としてのプロ野球監督を理想的に体現しています。

また北海道日本ハムファイターズには、効率的な球団運営の極意をみることができます。

わが阪神タイガースは(~_~;


これに比べて阪神タイガース球団と金本監督は、まだ監督が全権を持つという古い時代の運営スタイルを引きずっています。

金本監督は広島カープの育成方針を参考にしようとしているようですが、それは、金本監督がフロント入りしてから取り掛かるべき仕事でしょうね。

私は、むしろ金本監督は、フロントに向いていると感じています。

あの怖い顔で毎日ベンチにいられたら、若い選手は委縮してしまいますわな。

高いステージが潜在能力を開花させた


それにしても大谷翔平のメジャーリーグでの活躍には目を見張るものがありますね。

一流のプロ野球選手でも、高いレベルのステージに行った時、潜在能力をさらに開花させる者と、逆に持てる能力を充分に発揮できない者に分かれます。

イチローや野茂英雄は前者でしたね。

大谷翔平も持てる能力を日本時代よりも発揮していると思えます。

ただ、大谷が日本ハムに入団して、二刀流に挑戦して、やり遂げたことの成長度合いに比べると、今の成長はまだ驚くべきものではないでしょう。

大谷は、まだまだ伸びしろがあると思えます。ワクワクしますね。


それに比べて、大谷と同じドラフトで阪神が引き当てた藤浪晋太郎は、どうなってしまったのでしょうか。

大谷にひけをとらない才能の持ち主だけに今のていたらくは情けない。

これは藤浪晋太郎の問題であると同時に、阪神タイガースや金本監督の問題です。

もう阪神はこれからドラフトで有望選手を狙うのは遠慮した方がいいんじゃないでしょうか。






「つぶれない店」は地域密着ビジネスの教科書だ

00


日曜日の夜7時からたまにやっているバラエティ番組「つぶれない店」がなかなか面白いので注目しています。

街の片隅にある小さな店が、つぶれそうでつぶれないのはなぜか、調査するというのが内容です。

街の果物屋さんとか、洋服屋さんとか、骨董品屋さんとか。どうやって収益を上げているんだろう?っていう店をとりあげて、その秘密を明かしています。

大手チェーンに囲まれた個人クリーニング店はなぜつぶれないのか?


たとえば先日の放送では、大手チェーンの店に囲まれた小さなクリーニング屋さんが、なぜつぶれないのか?って話をしていました。

大手チェーンに比べて値段も高く、お客さんが少ない。それでも年商6000万円でがんばっているらしい。

なぜか?

一つは、大手チェーンがやらないような特殊なものを扱っているから。布ソファーとか、ゆるキャラの着ぐるみとか。

でもそれだけでは足りません。

もう一つは、地元の学校100校以上のカーテンのクリーニングを一手に引き受けているからだそうです。

学校が長期休み、春休みとかに、教室を回ってカーテンを取り外し、クリーニングして、またカーテンを取り付ける作業をやっていました。1枚1300円とか言っていましたね。

1校80枚×1300円=104000円。

こんな面倒くさいこと大手チェーンはやらないでしょうねー

学校が100校あるとして、1000万円強。

それでも足りないので、おそらく病院とか、介護施設とかも固定客に持っているのでしょうね。

地域密着で生き残る方法


この番組で取り上げている事例は、ほとんどが地域密着で生き残ってる小さな店です。

地元の特殊な得意先を固定客としてつかみ、そのニーズに応えるためにサービスを先鋭化しています。

クリーニング店の事例では、地元の学校に対して、カーテンの引き取りと設置が込み。作業そのものはサービス扱いのようです。

ほかに向島にある古いジュース屋さんの事例があったのですが、こちらは地元の花柳界の人たちを固定客としてつかみ、お酒を飲む人に必要な健康ジュースを提供、呼ばれれば配達するサービスを行っていました。

その他、洋服屋も果物屋も同じです。表層的には見えにくい地元客を固定客としてつかみ、その需要に応えるべく大手が面倒がるサービスを実施して維持するスタイルでした。

燃費が良く、小回りが利く


逆に大手はそんなことやってられません。

大手企業は、固定費が大きいのでニッチ市場など相手にしていたら儲かりません。

だからメジャーなニーズをターゲットにします。魚の群れに投網するみたいなものです。

大量の顧客を相手にするので、価格を抑えなければなりません。そこで低価格を実現するための規模と効率性が勝負どころとなります。


小さな会社や店は、固定費が小さいので、そこまで大量の顧客を必要としません。

だから大手のサービスでは満足できない特殊な事情を持つ少数顧客がターゲットになります。

なるべく競合からは見えない顧客が望ましいです。岩陰に隠れている魚を探して直接銛を打つようにしなければなりません。

武器となるのが、大手が面倒がるサービスを実施できる小回りの良さと、少ない売上でも生きていける燃費のいい体質ですね。

地域密着戦略の勝負どころ


ちなみに地域密着ビジネスの勝負どころは、表層から見えにくい特殊な顧客を見つけて、自社の得意先にしていくプロセスにあります。

簡単そうに見えて、実際に営業していくと一筋縄ではいきません。

そのプロセスを得意としているのが、ランチェスター戦略です。

地域密着戦略を志向する会社は、ランチェスター戦略の「地域戦略」「流通戦略」「営業戦略」をマスターしてください。





成熟期を迎えたスタジオアリス つぎの一手は?

00


子供の日だからってことでしょうね。東洋経済オンラインで、スタジオアリスの記事が掲載されていました。

「子供専用」というブルーオーシャンを見出す


スタジオアリスといえば、斜陽産業だった写真館に「子供専用」というブルーオーシャンを見出し切り開いてきた企業です。

少子化ゆえに、子供にかけるお金が増えている状況をうまくとらえて成長してきました。

参考:スタジオアリスに見る市場特化の行方

子供に特化することで、膨大な貸衣装の品ぞろえ、小道具の数々、店内のメルヘンチックな雰囲気、子供をあやす技術などを先鋭化させました。

写真技術よりも、顧客の利便性やエンタメ性を追求したわけです。

当時の社長は「若い女子社員二人に勝手にやらせたら、こんな店を作りよった」などととぼけた言い方をしていましたが、いうなれば、業界の常識では測れない新規事業であったということです。

多店舗展開が可能で、しかも儲かる


また若い女子社員で回せる店舗ですから多店舗展開にむいています。

現在、47都道府県に510店を展開。(約7割がショッピングセンターなどのテナント)

子供専用写真館の中で6割のシェアをとっているということですから、市場独占状態です。


しかも儲かります。

2016年12月期の売上高は、387億円。経常利益率が14%以上です。

(2019年2月期の売上高予想は、411億円で過去最高)

もともと写真館は、経費が小さいので、客さえ集まれば儲かる事業です。

ここまでは順風満帆でしたね。

すてに成長は鈍化。このままではじり貧になる


ここ数年は、店舗拡大のペースが鈍っており、したがって売上高の成長も鈍化してきています。

成熟期に入ったとみることができます。

次の成長に向けて、記事では「新規事業の開発」「海外展開」をあげていますが、どうもピンときません。

新規事業としてあげられているのは、出張撮影やアプリでの写真注文です。

出張撮影に関しては写真の技術が必要で、むしろ町の写真屋さんが得意とするビジネスです。スタジオアリスの人材にその技術があるのでしょうか?今年黒字化するということですが、どの程度の規模なんですかね。疑問が残ります。

ユーザーがスマホで撮った写真をアルバムにするサービスを開始するともありますが、こちらも類似サービスがいっぱいあります。そもそも単価の低いビジネスなので、スタジオアリスの収益に寄与するのでしょうか?

要するに、有望な新規事業を開発できていないということですよ。


これはけっこうシリアスな事態です。

このままだと、スタジオアリスがじり貧になっていくのは目に見えています。

はやく新規事業を開発しないと厳しいですね。

ということで、この問題は、5月22日(火)19時からの「戦略勉強会」のテーマにしたいと思います。

ご都合つく方はぜひお越しくださいませ(^^)





中国人相手のビジネスは中国人が得意なはず

00

中国丸儲けビジネスというフレーズが面白いですね。

訪日観光客が劇的に増えている今日ですが、牽引しているのが中国からの観光客です。

心斎橋は、世界で一番危険な場所


私の事務所がある心斎橋でも中国人らしき観光客だらけです。

なにしろ中国人にとって、心斎橋界隈は「世界で一番危険な場所」だと言われているらしい。

なぜかというと、安いものから高いものまで何でも揃っているからだそうです。

確かに心斎橋商店街には、ドラッグストアがやたら多く、常に中国語が飛び交っています。

そうかと思えば、御堂筋には、高級ブランドの直営店が軒を連ねています。

危険というのは、ついお金を使ってしまう危険、というわけですな。

中国丸儲けビジネスとは


記事にあるのは京都のことです。

京都にも中国人観光客が多いらしい。それはそうでしょうね。

レンタルの着物を着て観光地で記念撮影。

日本風の手作りグッズを土産に買う。

これらが、実は中国人経営の店で、中国人が作った手作り土産を買っているのだとか。

だから中国人丸儲け。だということです。

それに中国の配車アプリを使って中国人が運転する白タクで移動。

出来過ぎた話ですよね。

日本でビジネスする以上、丸儲けにはならない


中国人訪日客は急激に増えたので、日本人のビジネスが追い付いていないきらいがあるでしょう。

着物レンタルとか、手作り土産物とか、ニッチな需要を捉えるのは、それは中国人経営者の方が早いはずです。

この部分で中国人経営者が独占してしまうのは仕方ないことです。

日本人は、中国人観光客の細かな需要の変化を見出すのは苦手ですから、それは中国人に任せるほかありません。

着物レンタルする場合、着物そのものを準備するのは日本の業者のはずです。もっというと、店舗賃料や、その他必要なものを購入する必要もあります。

税金も払わなければなりません。

中国人が丸儲けしているというのは、違う気がしますね。

訪日客は、新たにうまれた市場


ここで大切なのは、中国人が大挙して日本を訪れているという事実です。

新たな需要が起こっているのだから、そこにビジネスが生まれます。

着物レンタルとか土産物とか、そんなニッチなものばかりではありません。もっと大きなビジネスチャンスがあるはずです。

必ずしも日本人が経営をする必要もありません。

ビジネス化できる人に、任せればいいわけです。

もちろん税金を払うとか、白タクはダメだとか、法律を守ってもらうのは当然ですが、それはそれ。

ビジネスを行う事業者が、適切な利益をとって悪いことなど何もありません。

丸儲けされているのが嫌だというなら、それをされないスキームを考えればいいのです。


大阪ミナミは、ビジネスチャンスだらけ


難波や心斎橋、大阪ミナミ界隈は、訪日客の評価が高く、また来たいという場所ナンバーワンだという調査をみたことがあります。

もともとミナミは、日本の中でも最もアジアに近い混沌さを持つ土地柄ですからさもありなんと思えます。

いくらアジアの人たちがいても違和感ありませんからね。

心斎橋商店街のオーナーたちは、このチャンスを最大限生かそうと日々、知恵を絞っているのでしょう。

大いなるチャンスが、ミナミ界隈にはあると思えば、毎日が楽しいですよ。






サーモス(THERMOS)の奇跡はなぜ起きたのか?

サーモスの奇跡

(2018年5月3日メルマガより)


メルマガ登録はこちら



私の初めての著作「『廃業寸前』が世界トップ企業になった奇跡の物語」が発売されたのが、2015年の11月頃のことでした。


あれから3年半が過ぎ、本の売上は落ち着いたようですね。本屋さんで見かけることもなくなりましたし、3刷はなさそうです(T_T)

しかし有難いことに、本を読んだ、という方から時折ご連絡をいただきます。

講演のテーマに指名していただけることも多く、今年も何度かお話しさせていただきました。


いま、私の講演は「ランチェスター戦略」「孫子の兵法」「営業セミナー」と並んで「サーモスの奇跡」が4大テーマとなっています。

有難い限りです。


「サーモスの奇跡」は有数の校回復事例


講演そのものは、60分〜90分ぐらいですから、サーモスのV字回復事例の細かなところまですべてをお話しすることはできません。

しかし、せっかく講演を聞きにきていただいているのだから、概要を話して終わりというわけにはいきません。概要を聞くだけなら、本を読んでいただければいいわけです。

そこで、当事者にしか知りえない話を盛り込みます。実際、本には書けないような生々しい逸話がありますからね。そういう記録に残せないような話をさせていただきます。

ここだけの話ができるのが、リアルな講演の価値の一つですからね。

もともと「サーモスの奇跡」は、廃業寸前だった小さな事業部が、経営改革を成し遂げ、わずかな期間で世界トップ企業に変貌したという出来過ぎた話です。それがリアルなものだと実感していただければ、多くの方に驚きと感動をもたらすものだと信じています。

講演のあと、懇親会に参加させていただくこともあるのですが、その際にも、感動した、わが社もあやかりたい、といった言葉をいただきます。

本当に有難い言葉です。講師冥利に尽きるというものです。



「サーモスの奇跡」を再現するにはどうすればいいのか?


しかし、そうは簡単にあやかることができないというのも理解しています。

講演を聞いた方からよく聞かれるのは、「自社で再現するにはどうすればいいのか?」という一点です。

それはそうでしょうね。せっかく話を聞いて、前向きになったのだから、自社でも試してみたいと思うでしょう。

思い立ったが、その時です。

そういう気持ちになったなら、迷わず、私に相談ください。

弊社の営業コンサルティングは、まさにサーモスの奇跡を再現しようというものです。


そんなことを言ったら、ただの宣伝やないか、と叱られそうですが、お許しください。

なにしろ、経営環境も、人材も、時代も違う会社が、同じようにしてうまくいく保証などどこにもありません。

それこそ、個々の会社の状況に応じて、チューニングする必要があるわけです。

「同じようにすれば成功できます」なんて言うことはできませんから、できるだけのお手伝いをさせていただきたいと考えています。


とは言うもののやり様を教えてほしいという声をよく聞きます。

そこで今回は、私が考える「サーモスの奇跡が起きた理由」を書かせていただきます。

同時に、これはそのまま、私がコンサルティングで大事にしていることでもあります。

事例を聞いて応用できる方には蛇足の情報かも知れませんが、今回はお付き合いいただけますようにお願いいたします。


勝てる局面で戦う


まず、サーモスがV字回復するうえで、最初に行ったのが「勝てる局面を見つける」ということでした。

「勝てる局面で戦う」ことは、会社が生き残る上で、非常に大切なことです。

そんなこと当たり前やないか。と言われそうですが、実際のところ、多くの会社が、勝つのが難しい局面で戦っています。

それだとせっかくの努力が、徒労に終わってしまいます。


この場合の「勝てる局面」とは、勝てる地域、勝てる市場、勝てる相手、勝てるタイミングという概念を含みます。

逆にいうと、勝てそうもない局面で努力すると苦労します。

土瓶を割って損をして苦労する、ドビンソン・クルーソーになってしまいます。

常に会社は、努力すれば報われるような市場なのか、地域なのか、相手なのか、今がタイミングなのかを測る必要があります。


サーモスの場合、象印魔法瓶やタイガー魔法瓶に埋もれて、特徴のない商品、特徴のないビジネスを展開していました。

3番手企業が、上位2社と似たようなことをやっていたら、それは勝ち目はありません。

まずはそこから脱却するために「勝てる局面」を見つけようとしました。

その際に使ったのがポジショニングマップという手法です。詳しくは著書を読んでください。

もちろん私も、コンサルティングにおいて最初にすることは「勝てる局面で戦っているか」をみることです。

もしその会社が勝てる局面で戦っていないならば、ますはそこから修正しなければなりません。


弱者の戦略で戦う


戦い方にはセオリーがあります。

「孫子の兵法」や「ランチェスター戦略」には、そのセオリーが示されています。

セオリーを無視した戦いは、勝率が低くなり、苦労します。

土瓶を割って損をして苦労する、ドビンソン・クルーソーになってしまいます。


サーモスは当時、弱者の立場でしたから、弱者の戦略を志向しました。

特に、競合他社と違う商品を作る「差別化」と、競合他社よりもユーザーに接近する「接近戦」の徹底が、威力を発揮しました。

こうしたセオリーは、知っている者には当たり前ですが、知らないと思いつかないものです。

「売れている会社の真似をすれば当社も売れるはず」という発想は、弱者企業にとって、地獄への一本道です。

事実、それまでのサーモスは、弱者なのに、強者企業のやるようなことをずっと続けており、低迷していたのですから。

なんとも間抜けな話ですが、よくある話なのです。

私がコンサルティングで関わる会社にも、そのようなことがよくあります。そんな場合、ほんの少し考え方を変えるだけでやり様が劇的に変わります。

セオリーを守る。当たり前のことをするだけで、業績は格段に向上します。


現場主義を貫く


会社にとって最も大切な存在は、顧客です。

顧客こそが、会社に収益をもたらす唯一の存在だからです。

だから会社内で最も重要なのが、顧客と接する現場です。

現場感覚のない方針や戦略などトイレットペーパーの芯ほどにも役立ちません。


サーモスの場合、幸いにも、現場に近い者たちが多く参加して、戦略を作っていきました。現場担当者にある程度の権限が与えられ、発言を遮られることは基本的にありませんでした。

それが会社の方針や施策に生命を吹き込んだ要因です。


会社組織とは、人の集まりです。その人たちが一丸となった組織は、途方もないパワーを発揮します。

孫子にいう「水の疾くして石を漂わすに至る者は勢なり」です。

戦略も戦術も、現場の人間が参加して作ることで、全員参加の機運が生まれます。

それが、組織を一丸にしていきます。

だから私はコンサルティングにおいても、現場の人間が参加し、納得のもとで方針を決めることにこだわります。

それが遠回りであるようにみえて、実は、会社の強みになるからです。


強さの裏側にある「仕組み」


「サーモスの奇跡」において、最も驚くべきは、サーモスがトップになってから10年以上経った今も、世界トップ企業として業績を拡大させ続けているという事実です。

その勢いは一時的なものではありませんでした。

つまり、サーモスがV字回復する過程で取り組んだ「勝てる局面」「戦略セオリー」「現場主義」は、20年近く機能し続けているということです。

いわばサーモスが築き上げた強い商品、高い市場シェア、ブランド力、営業力は、こうした考え方や姿勢によって支えられてきました。

それが20年以上も続いているということは、その考え方や姿勢が「仕組み」として会社の中に定着しているということです。


あらゆる会社にとって「強み」は構造的なものでなければなりません。

商品が素晴らしい会社には、その素晴らしい商品を生み出す「仕組み」があります。

営業が強いといわれる会社には、そういう営業を育成し、持続し、引き継ぐ「仕組み」があります。

戦略が的確な会社にも、的確な戦略を作り続ける「仕組み」があります。

その強みを裏側から支える仕組みが機能してこそ強みは、陳腐化せずに続いていきます。


経営改革に取り組む会社、あるいはそれほど大げさではなくても、業績を向上させたいと考える会社は、この裏側にある仕組みを意識しなければなりません。

私がコンサルティングで注力するのもこのことです。

はっきり言って、戦略を作るのはそれほど難しいことではありません。難しいのは、それを浸透させ、永続させることです。

そのためには仕組みを作り、機能させなければならない。そうじゃないと、一時的にうまくいっても、何年か後には元に戻ったってことになってしまいますのでね。


もっとも「仕組み」とて、永遠に機能し続けるものではありません。

定期的にオーバーホールしないと、どんな素晴らしい仕組みも、機能低下してしまいます。

サーモスも決して永遠に強いわけではありません。

いまのメンバーがトップ企業の地位に安心しているとすれば、それは危ない兆候です。

ホテルに住むというサービスを展開するベンチャー

00

なかなか面白いサービスですね。

民泊の逆 ホテルの部屋を住み家にする


日本人起業家が米国で立ち上げたエニープレイスという会社は、ホテルの部屋を1カ月単位で貸し出すサービスを展開しています。

空き部屋をホテルとして貸し出す民泊とは逆です。

ホテルの部屋を住み家として貸し出します。

ホテルの部屋を1カ月単位で借りるとすれば相当の高額になりそうですが、こちらのサービスは3分の1程度の金額になるのだとか。

例えば1泊12000円の部屋があるとして、30日借りれば36万円ですが、3分の1だと、12万円程度になります。

都心で12万円だと適正な値段ではないですかね。

ホテルだと、セキュリティは安心だし、設備はそろっているし、食事にもあまり困りません。

長期出張や単身赴任の人は、重宝しそうです。

そういえば堀江貴文氏もホテル住まいだそうですね。

ホテル側にもメリットが


いま東京や大阪はオリンピックやインバウンドの影響でホテルが不足している状態が続いています。

訪日客は、まだまだ増えそうですしね。そのために民泊を合法化したわけです。

ただホテル建設が進むと、今後、どこかでホテルが余る事態が来ないとも限りません。

いや今でも地方のホテルや、都心でも地理的条件の悪いホテルは、稼働率が悪いところもあるでしょう。

そんな時、長期滞在客の存在は、ホテル側にとっても有難いはずです。

需要側と供給側が喜ぶサービスだから、流行らないわけがありません。

弱点は真似されやすいこと


ただビジネスとして弱いのは、容易に真似されるということです。

アメリカにも予約サイトがあるでしょうから、ニーズがあるということであればサービスを付加することができます。

日本の場合、需要が顕在化してくれば、楽天トラベルとかじゃらんとかが、普通に始める場面が想像できます。

アメリカでも同じではないかな?なにしろニーズがニッチだから、一気に市場を押さえるといっても、規模は大きくありません。

頑張って認知されても、大手予約サイトに買収してもらうのが適正な出口なのではないですかね。

ユーザーとしては有難いサービスなのですが、ビジネスとしてはいかがなものでそうか。




組織を一丸にする当たり前の手法

00

経営難で廃部も検討されていたサッカーチームが、ジャパネットたかたの100%子会社として再建、みごとJ1進出を果たしたということです。

ジャパネットたかたの高田明社長は、日経新聞の「私の履歴書」連載中ですね。こちらも興味深く読ませていただいております。

弱小サッカーチームを変えた方法


監督も主力メンバーの顔触れも変わっていないのにこの躍進はいかなることだ。と注目されますが、もともと高いレベルで競技するプロ組織なので、ちょっとしたきっかけがあれば、変貌することはあります。

組織は一丸になると思わぬパワーを発揮します。ジャパネットたかたは、組織の一丸スイッチを押したわけですね。


記事は簡略に書かれていますが、組織変革のヒントとなります。

簡単にいうと

1.トップがビジョンをしつこく示す

2.上下、横のコミュニケーションを密にする

3.徐々にでも目に見える変化を起こす

4.目標は全員で立てる

5.ルーティンの強化を行う

といったことが書かれています。

これは、コンサルにおいても、同じです。組織を動かすのに、有効な考え方だと思います。

まずは「勝てる場所で戦う」


私の場合、売る力が下がった組織のコンサルを頼まれることが多いわけですが、まず取り組むのは、戦略方向性を定めることです。

言い方を変えれば「勝てる場所で戦う」ことに注力します。

売る力が下がっているというのは、組織の弱体化問題であると同時に、そもそも売れないビジネスを惰性で続けていたということが多いので、そこを正します。

そうじゃないといくら努力しても成果が出ないという地獄ループに陥ってしまいますのでね。


ただし戦略を決めただけでは組織は動きません。

組織には、現状維持パワーが強く働いているので、いままでやっていることを変えたくないという本音を抱く人が多いのです。

コンサルタントの中には、正しい戦略を示したのだからやらないのは君たちの責任だ、と突き放す人もいるようですが、現実問題としてそんな態度では、成果は出ません。いかにメンバーをその気にさせるのかが、コンサルタントの腕の見せ所だと考えています。

営業組織でも手法は同じ


ちなみに営業組織の場合も、上の方法と同じです。

1.トップが方針を明確に示し、しつこく語ってもらう。トップの関わりはこれだけで結構です。

2.組織の風通しをよくなるような仕掛けを繰り出す。声掛け、辻説法、朝礼、会議、フィードバック、交流会、表彰制度など、上下左右のコミュニケーションがよくなるようなことを増やす。

3.全員参加で目標設定する。その上で、目標達成管理を徹底する。

4.フィードバックを行いどうすればよりよくなるかを全員で考え、行動する。

さらにいうと、少しずつでも「目に見える変化」を加えていくこと。頭で切り替えるのではなく、見た目で変化を理解できるようにします。


ありていに言えば、戦略、仕組み、コミュニケーション、権限移譲、PDCA、これらを組織に正しく組み入れることです。

特別なことをしているわけではありませんが、それでも一筋縄でいかないのが、人間組織のむつかしさですね。










バーミキュラが売れた「弱者の戦略」

00

いまや中小製造業の希望の星となった愛知ドビーです。

オリジナル製品「バーミキュラ」がヒットしており、海外進出を図っているそうです。

バーミキュラとは


バーミキュラは、ホーロー鍋で無水調理を実現したものです。米を美味しく炊けるというのが特徴ですが、その他にも様々な調理に応用できます。

火加減を自動化したヒーター付きの商品もあります。

ヒーター付きが約8万円。ヒーター無しが約3万円と高級ですが、飛ぶように売れているのだとか。


愛知ドビーは、10年ほど前まではごく普通の下請け工場だったようです。が、競争激化、単価下落の波で苦しくなり、自身で最終製品を作ることにしました。

本来持っている技術を活かして、ホーローの無水調理鍋を開発したのが、2010年頃。

そこから快進撃が始まりました。

なぜバーミキュラは短期間でこれほど売れたのか。

機能特化型家電製品の流れに乗った


一つは、特化型家電製品のブームに乗ったということ。

ここ10年ほど、総合家電メーカーが力をなくし、家電量販店も厳しい状況です。

かわりに、機能を特化し、デザイン面で特徴を持つ高級家電製品が、市場に登場しています。

海外製の製品も多く見られますが、最近では日本の中小メーカーが、ニッチ機能家電をもって台頭してきています。

フィリップスの「ノンフライヤー」 機能を絞り込んでアピール

下請け加工からニッチ家電メーカーに転身 ツインバード

バーミキュラもその流れに乗っており、消費者の注目を集めたわけです。

弱者の戦略「接近戦」の徹底


ただしものがよくてブームに乗ったというだけではありません。

販売力のない愛知ドビーは、安易に流通に乗せる販売方法をとらず、自社で販売することを中心としています。

自社のネットサイトが販売の中心です。

その分、顧客対応を充実させました。発売当初から、顧客対応係を10人もつくり、徹底して応対したようです。

小売店がないので購入顧客の問い合わせや質問や不満に直接答えなければならないという事情があったのですが、それ以上に、ユーザーのニーズを聞くことができるというメリットがありました。

直接販売、直接対応は、ランチェスター戦略にいう「接近戦」の実施であり、中小メーカーの基本です。

これを愚直に実行したということが、大きな成功要因だったと考えます。

市場がないところに市場を創った


さらにいうとマーケティングがうまい。

マーケティングとは、市場がないところに市場を創る行為です。

8万円のホーロー鍋なんて市場はないのだから、それでも購入したいという顧客を作っていく必要があります。

愛知ドビーは、顧客の声をもとに、レシピ開発、その発表、料理教室の開催など、地道な活動を続けており、口コミで広げる方策をとりました。

同時に、開発時に1万個の試作品を作って苦労したというストーリーをマスコミに流し、「下町ロケット」的なイメージを拡散しました。

地上戦と空中戦をうまく使っているなーと思います。


現在、バーミキュラは、百貨店や一部の家電量販店などでも購入できます。

主婦の注目度も高く、イメージがいいようですね。

海外進出の成功を祈念いたします。

サーモスの「シャトルシェフ」も、もっと売れていいはず


調理器具というと、私が以前いたサーモスにも、魔法瓶の機能を使った鍋。というものがあります。

シャトルシェフ

こちらもいい商品です。沸騰するぐらいの温度を持つと魔法瓶に入れてしまうので、無駄な煮崩れがなく、栄養素が破壊されません。

黒豆とか茶わん蒸しとか、難しい料理も完璧にできます。

いい商品ですが、機能が伝わりにくいので、発売当初は、店頭での実演販売をコツコツ実施し、地道に広げていきました。

その甲斐あって、それなりにロングセラー商品に育ったようです。

ただバーミキュラの事例をみると、まだまだ売れるんじゃないかと思いますね。勝るとも劣らない商品だと思いますし。

専門のマーケティングチームを作って、機能強化と販売方法の見直しをするべきだと個人的には思いますね。

こちらも頑張ってください。





ネットフリックスに映画界が反発

00

これはまた露骨な嫌がらせです。

ネット動画配信大手のネットフリックスを既存の映画関係者が敵視しています。

カンヌ映画祭からは事実上の締め出しを食らいました。(映画館で上映後、3年間はネット配信してはならないとの規則を設けた)

大物映画監督のスティーブン・スピルバーグも、ネットフリックスの独自作品に対して辛辣なコメントを寄せています。

既得権益者の儚い抵抗


もっともカンヌから締め出されようとも、スピルバーグが辛口でも、ネットフリックスの勢いは止められません。

ネットフリックスの会員は、1億2千万人だと言われています。アマゾンプライム会員も1億人超えしています。

それだけの人間が動画配信に接する機会を持つわけで、映画館が衰退するのも必然です。

だから騒動は、既得権益者の儚い抵抗に過ぎません。

カンヌ映画祭がダメなら、ネット配信OKの映画祭を作っていけばいいんですよ。

ディズニーの動きには警戒


もっとも下記の動きには、ネットフリックスも安穏としていられません。

「王」刺激したネットフリックス じわり包囲網 

ちょっと大げさなタイトルですが。「王」とはメディア王ルパート・マードックのこと。彼が、自身の持つ21世紀フォックス社の映画テレビ事業をディズニー社に売却したということです。

マードック側は白旗を上げたかっこうですが、売却先がディズニーというところがミソです。世界最強級のコンテンツを持つディズニー社は、独自の動画配信ビジネスを立ち上げると考えられています。

ディズニーのコンテンツと21世紀フォックス社のコンテンツが合わさると、それなりに大きな価値を持ちます。逆に、2社のコンテンツが見られないネットフリックスは魅力が薄れます。

いわば動画配信業界内での競争であり、既存権益者の嫌がらせとは違う戦いですな。

映画産業とのケンカは正しかったのか?


ここで分かるのは、ディスニーのように、もともと価値のあるコンテンツを多く持ち、これからも制作していける会社が動画配信ビジネスを立ち上げると、非常に強いということです。

ネットフリックスのような配信会社の強みは、どのコンテンツ制作会社ともニュートラルな関係でいられるということだったはずです。ニュートラルであればしがらみなく、コンテンツの提供を受けることができます。しかし、競争戦略上、ネットフリックス独自のコンテンツ制作に乗り出したために、このような軋轢を生んでいます。

私は、個人的には、動画配信会社が競合とすべきはテレビ会社であり、映画製作・配給会社とは、共存していくべきだし、いけると思っています。

が、それは私の考えであって、ネットフリックスの経営陣は、新しい映画ビジネスの形を作ろうとしたわけです。

裾野が広がって、産業が盛り上がればいい


これから動画配信ビジネスは、ネットフリックス、アマゾン、Hulu含めて群雄割拠になっていくでしょう。

旧来のコンテンツ制作会社も、配信を否定することはできません。ディズニーほどの体力がないところは、映画会社同士で配信会社を立ち上げるかもしれません。

群雄割拠の状態はユーザーにとっては面倒くさい話なんですが、しばらくは仕方ありません。

むしろ、動画配信会社同士が競争して、独自コンテンツをお互いが制作しあって、裾野が広がる分、面白いものが生まれるかも知れないと思っておきます。






セブンイレブンのネット事業はどのようなものになるのか

00

セブンイレブンのネット戦略に関する記事です。なかなか読み応えがあり、同社のネット戦略がどのようなものかがうかがいしれました。

セブンのネット展開がスローな理由


セブンが、ネット戦略に並々ならぬ意欲を持っていたのは、鈴木敏文氏がいた頃からです。オムニ戦略って、しつこいぐらいに言っていましたからね。

しかしアマゾンやその他ネット事業者の展開に比べてセブンの動きが遅いと思っていたら、そうとう考えながら慎重にやっていたわけですね。

記事によると、北海道の小樽地区に限定してネット事業を進めているらしいです。

セブンのネット事業は、店舗に並んでいる製品をスマホで注文し配達してもらえる仕組みだとか。

現在札幌・小樽地区の実験では、午前7時から午後5時までスマートフォンで注文を受け付け、最短2時間で宅配する。配送料は216円である。

昨年から実験を始めた札幌・小樽地区では対象店舗の配送対象地区以外からのアクセスも増えているといい、セブン-イレブンでも手ごたえを感じているようだ。3月末からは対象店舗を5店増やし、カバーエリアも従来の6万1000世帯から、12万1000世帯に拡大した。

いかにも慎重ですね。ネット事業者らしいスピード感ゼロです。

しかし、そこはコンビニを日本屈指の産業に育て上げたセブンです。深い考えがあるようです。

コンビニ事業の強みをネットでも


こちらも記事によりますが、セブンイレブンが、コンビニ業界での競争を勝ち抜くために意識したことは、

1.地域集中出店戦略…いわゆるドミナント戦略です。ある地域で集中出店をするので、配送効率が高く、コスト減とともに、製品の鮮度も保たれます。広告宣伝の効率もよくなります。

2.商品の差別化…コンビニといえば他と似たような商品が並んでいるとイメージされるかも知れませんが、セブンは商品差別化をことのほか意識していました。最初はおにぎりや弁当などで差別化し、のちにはセブンプレミアムというPB商品で差別化することを志向しました。

3.接客。

とくにセブン-イレブンでは“コンビニの父”といわれる鈴木敏文セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問が「接客の重要性を繰り返し、繰り返し説いてきており、地域・顧客とのコミュニケーションを大事にしてきた」

ということで、こうしたセブンらしさをネット展開でも忘れないようにしようという考えがあるそうです。

早くはないが、着実にものにするセブンのやり方


まず、地域密着。ネット事業でありながら、地域密着という形をとろうとしていることが特徴的です。

セブンの場合、店が配送拠点になるのですから、地域密着せざるを得ないわけですが、実際の運営オペレーション、配送間隔、在庫数などやってみなければわからないことは多くあるでしょう。が、形が出来上がれば、コンビニのネット事業のスタンダードになりますね。

店を拠点にするので、商品点数は限られてきます。アマゾンのようにロングテールというわけにはいきません。だから、商品の絞り込みや差別化が重要となってきます。

ネットでどのような商品が喜ばれるのか、これから見極めていくのでしょう。

もうひとつ、ネット通販ゆえに、配送者の役割が重要です。配送者が店員と同じように会話し、情報取りができるなら、セブンの取り組みは大きく進展するはずです。

こうしたセブンなりの強みを構築しながら徐々に全国展開していこうというやり方は、実際の店舗を全国展開していった方法そのままです。

セブンがどこまでネット事業をものにするのか、けっこう楽しみです。







ソフトバンクの大風呂敷をどう評価すればいいのか

00

昨日に続いて、ソフトバンクの話題です。

参考:配車システムを総取りするソフトバンクの黒幕戦略

300年先を見据えている??


ソフトバンクの全体像がなんだかわからないものになってきつつあり、株価がさえないようです。

「私は100m競走で1位になろうとしているのではない。300年競走で1位になれる、輝き続ける、成長し続ける組織体をつくりたい」。SBGの孫正義会長兼社長は強調する。目先の収益ではなく、300年という壮大な期間での成長ストーリーを評価してほしい――。それがSBG側が株式市場に抱く思いだ。

なんて孫正義社長は無茶を言っております。誰が、300年先のことを評価して株を買うのか。

なにげに脆弱な財務基盤


ソフトバンクグループの2017年3月度の売上高は、8兆9010億円。当期純利益は1兆4263億円。利益率は16%。高収益です。

もっとも総資産24兆6342億円に対して、負債が20兆1644億円。その差、4兆4698億円です。

しかも資産の中に、4兆1754億円ののれん代が含まれています。(スプリントやアーム買収の際に計上されたもの)

のれん代をどう評価するかは意見の分かれるところで、そうなると、ソフトバンクグループ全体が、いつ債務超過に陥ってもおかしくないという考えもあるでしょう。

高値で買って、帳尻を合わせるM&A戦略


ソフトバンクのM&A戦略は、市場が驚くような高値で買収しながら、いつの間にか利益を出しているというパターンです。

携帯電話事業しかり、ダメ企業だったスプリントでさえ利益を出せるようになっています。

古い話をすれば、米ヤフーや中国のアリババにいち早く投資したのも慧眼でした。いまは莫大なリターンを生んでいます。

これなどまさに、ソフトバンクの先見性と戦略性を示すものだと思います。


スケールが壮大すぎてよくわからない


いまはファンドを通じて世界中の有望企業に投資を行っており、その壮大なスケール感は類を見ないものとなっています。

が、それだけに分かりにくい。いったい何に投資して、どこへ行こうとしているのか?

これまでうまくいったからといって、これからも目利き力には曇りがないはずだと考えるか、あまりにも手を広げすぎて破綻が近付いていると考えるかは、それぞれの判断次第です。

300年計画などという大風呂敷をどう受け取るか。簡単には評価できないことです。





配車システムを総取りするソフトバンクの黒幕戦略

00

電気自動車と自動運転車の時代になると、自動車がコモディティ化するのではないかと言われています。

もはや自動車は特定の自動車メーカーだけが作れるものではなく、一般工場で簡単に組み立てられるものになるのかも知れません。

そうなると、パソコンの時と同じで、ビジネスの主役は最終製品の製造業ではなく、マイクロソフトやグーグルのようなオペレーティングシステムや検索エンジンなどを操るプラットフォーマーに移ってしまいます。

当のグーグルやマイクロソフトも、自動車産業への参入を全力で行っていますが、いまのところ主要プラットフォーマーになりそうだと考えられるのが、ウーバーに代表される「配車システム」を提供する事業者です。

呼べばすぐにやってくる自動運転タクシーが一般的になれば、ユーザーが必ず必要とするのは「配車システム」ですから、そこを制する者が自動車産業の主役になるという算段です。

ソフトバンクの総取り戦略


その「配車システム」の黒幕になろうとしているのが、ソフトバンクです。

ソフトバンクは世界のライドシェア企業に出資している。米ウーバー・テクノロジーズには累計で約8000億円を投資し、筆頭株主として15パーセントの議決権を持つ。滴滴出行には2017年1月以降約1兆円を投じ、シンガポールのグラブ、インドのオラ(OLA)にも出資する。4社の乗降回数を合わせると世界で1日4500万回。「(4社の筆頭株主になることは)世界最大の交通機関を持つことに匹敵する」(孫社長)

相変わらずやることが壮大です。

配車システムを押さえることで、ユーザーの動きを知ることができ、新たなサービスの開発にも最も有利な位置にいることになります。

この分野に関しては盤石ですな。

参考:ソフトバンクは、なぜ傷だらけのウーバーに出資するのか

日本企業も、配車サービスへの取り組みを開始

その他の日本企業も、配車サービス関連への取り組みを試行しているところが多いようです。

トヨタ自動車、日産自動車は、それぞれ「配車サービス」そのものを始めると言っています。

自動者産業の主役の座を奪われたら大変なので、当然の動きでしょう。

ここに、ソニーやDeNAも参入しようとしています。

タクシー会社の日本交通は、自社仕様の配車サービスアプリを開発し、普及させることを狙っています。(トヨタが出資)


これに対して、競合の第一交通は、日本交通の配車サービスを使うのを良しとせず、中国の滴滴出行と提携しました。

もともと配車サービスは、一般ユーザーと一般ドライバーを結びつけるものとして普及してきました。東京に行きたい時、東京に向かうドライバーがいれば乗せていってもらえばいいわけです。

が、こうしたサービスは、日本では白タク行為として法的に禁止されています。

(海外でも禁止されている国が多いのですが、タクシーがそこまで普及していない国が多いため、ユーザーの利便性の観点から、グレービジネスとして黙認されている傾向があるようです)

日本は、タクシーが普及し、タクシー会社の力も強いので、白タク行為を容認する余地はありません。

そこで滴滴出行は、第一交通関連のタクシーを呼ぶための配車サービスとして日本進出を果たしました。

第一交通としても、配車サービスに慣れた海外の顧客を取り込むためには、滴滴出行の力を借りるのがいいと判断したのでしょう。

参考:中国「配車アプリ」と組む日本のタクシー会社は、この先、どうやって生き残っていくのだろうか?


ただソフトバンクの「黒幕」戦略の前では、各社の取り組みは、スケールの小さいものに思えてしまうのは、仕方ありませんな。







ワークマンは第二のユニクロになれるのか?

ワークマン


(2018年4月19日メルマガより)


メルマガ登録はこちら


店舗数797店、営業利益率18%以上のアパレル等小売チェーンがあることをご存じでしょうか。

高収益で知られるユニクロでさえ営業利益10%程度ですからその凄みが知れるというものです。


その小売チェーンとは、ワークマンです。

全店売上高743億円。営業総収入520億円。営業利益95億円。

ベイシアグループの中核企業のひとつで、作業着・作業用品小売のトップ企業です。

売上高、利益高とも右肩上がりを続けており、業績絶好調です。


ちなみにベイシアグループというのは、北関東に拠点を置くショッピングセンターベイシアを中心とした小売グループです。

カインズホームセンター、コンビニのセーブオン、家電小売りのベイシア電器など、29社から構成され、グループ総店舗数は1792店舗、総売上高は8655億円です。

非常に優秀なグループです。


機能性が高く、低価格の商品が並ぶ


ワークマンは、大阪にも37店舗ありますね。

通常、郊外の幹線道路沿いに店があります。

コンビニのような小さな箱型の店が中心になっているようです。

営業時間は、午前7時から午後8時まで。

朝、作業に行く前に立ち寄れるような時間から営業開始し、夜現場から帰る時に立ち寄れる時間まで開いています。


店内の陳列はきわめて簡素です。ひと昔前のコンビニのような無味乾燥さで、整然と商品が並べられています。

品ぞろえは、作業着、作業用品、作業用履物、その他カジュアルウェアなど。手袋からヘルメットから安全靴から作業ジャンバーから、私には見慣れないものが多く並んでいました。

一つのジャンルにつき、アイテム数が多いので、見飽きません。

テレビでしか見たことがなかったウィンドファン式のジャンバー(背中のファンから風をとりこむジャンバー)が5、6千円で販売しており、この程度の価格で買えるのかと驚きました。

レインウェアの品ぞろえも充実しています。レインコートが欲しい時は、ワークマンに行けばいいんですな。

しかも安い。全体的に驚くほどの安さを実現しています。速乾性の高いTシャツが2枚500円とか、思わず購入してしまいました。

ウェアについては、機能性が高いものが多いという印象があります。さすが作業現場で使う品を扱う店です。

速乾性の高いものから、冬場のヒートテックまで。噂によると、機能性に関しては、ユニクロよりもずっと優れているのだとか。

作業用品・作業服の店なので、カジュアルの店より、機能性に優れているのは当たり前なのですが、それでもユニクロ神話を素直に受け入れている私には、驚きの品ぞろえと低価格でした。


ワーキングウェアの小売りではダントツのガリバー企業


小さなお店が多い作業服、ユニフォーム小売店において、ワークマンはダントツの売上高、店舗数を持っています。

店舗数797店、売上高743億円。

2位が北海道のハミューレ40店、72億円。

3位が大阪のたまゆら23店、36億円ですから、ワークマンのガリバーぶりがわかっていただけるかと思います。


ワークマンの商品別売り上げ構成をみてみると、ワーキングウェアが28.2%、作業用品が28.6%、作業用履物が19.5%、その他が23.7%です。

この中のワーキングウェアだけでみると、小売市場全体の売上高は1315億円。ワークマンのシェアは15%に過ぎません。

そう考えると、まだまだ売上シェアを伸ばす余地がありそうです。


最大の強みは、ローコスト店舗運営のシステム


ワークマンはフランチャイズ展開を進めており、現在、660店舗、つまり80%以上がフランチャイズ店です。

20年で3倍近くに店舗数を拡大させており、これほどフランチャイズ店を増やしてきたのは、店舗運営システムが高度に完成されているからにほかなりません。

ワークマンの強みは、ここにあります。

同社は、販売データや在庫データを仕入れメーカーに開示しており、メーカーが独自の判断で生産、納品ができるようになっています。

納品された商品はそのまま検品せずに陳列されます。

要するに、需要予測、在庫管理、発注管理が、すべて自動化されており、店側の作業が相当簡略化された仕組みです。

だから人件費がかからず、ローコスト運営が可能となっています。


確かに店の商品をみても、ただのビニール袋に入っているようなものが多く、陳列棚にそのまま出すだけなので、手間がかからないような工夫がみられます。

このあたり、店員がひっきりなしに商品をたたみ直しているユニクロに比べて、楽そうです。


1店あたりの売上高が極端に小さい


もっとも797店もあって、743億円しか売上高がないというのは、いかにも少ない。

ユニクロの国内店舗は、831店で8107億円。1店あたりの平均売上高は9億7557万円です。

ローコスト運営で知られるしまむらでさえ、1365店で4519億円。1店あたりの平均売上高は3億3106万円。

これに対してワークマンは1店平均売上9322万円です。

極端に小さいと言わざるを得ません。


ワークマンの1店あたりの売上高が少ないのは、やはり作業服を売っているという特殊性にあります。

ユニクロやしまむらは、カジュアルウェアを販売しています。主要顧客は女性です。

対して、ワークマンの主要顧客は男性。しかも作業用品・作業着を必要とする男性です。

市場規模も全然違いますし、女性と男性では購買意欲に差があります。

逆にいうと、規模が小さいニッチ市場で、売上高に限界がある中で、経営を成立させるためのローコスト運営システムを作り上げ、多店舗展開を成し遂げた同社のすばらしさを称えるべきでしょう。


カジュアルウェアは正直にいってダサい


しかしワークマンの株主はそれでは黙っていません。

げに資本主義とは厳しいものです。

実をいうとワーキングウェア市場はここ数年、拡大基調にあります。

震災復興需要と五輪需要があるためだと考えられますが、当然のことながら、いつまでも成長が続くわけではありません。

少子高齢化により、市場全体が縮小していくことは他の産業と同じです。

だから調子のよい今、手を打っておかなければならない。というのは健全な危機感だと思います。


ワークマンがさらなる売上拡大を目指して行っている施策は、カジュアルウェアの充実です。ユニクロの世界に入っていこうというわけです。

同社は「ワークマンプラス」というプライベートブランド商品を展開しており、カジュアルウェアを拡充することで、一般の顧客を呼び込もうと考えています。

近年では「フィールドコア」「ファインドアウト」「イージス」というブランドを立ち上げ、アウトドアやスポーツシーンで使用できるようなカジュアルウェアの充実を図っています。

ワークマンが得意とする作業着の機能性と、一般カジュアルウェアを合体させることで、斬新なブランドイメージを持たせようとしているのでしょうね。


が、正直なところ、垢抜けません。

いや、はっきりいってダサい。

デザインが中途半端にカジュアルっぽいので、貧乏くさいシロモノになってしまっています。

これなら、がっつり作業着の方が、いくぶんマシです。

いや、勉強会に参加した人の中には「普段着としても違和感なく使えますよ」と仰る方もおられましたので、あくまで私の主観としてお聞きください。

私の意見としては、デザイン面での工夫の余地が大いにあり。と思います。

作業着とカジュアルウェアの融合というコンセプトには魅力があり、可能性を感じます。特に若い女性向けの商品がヒットすれば相当のインパクトがあるはずです。

だからこそ、ユニクロのようにとまでは言いませんが、そこそこのデザイナーを起用して、我々が驚くような斬新なデザインを見せてほしいものです。


店に来ない人をいかに呼び込むか


それにしても、スーパーの安売り棚みたいなところで、ビニール袋に入っているコートやジャンバーを普段着として購入するというのは、なかなかに勇気のいることのように思えます。

ということは、今のところ、ワークマンのカジュアルウェアを購入する人は、ワークマンの既存顧客で、購入することに慣れていて、同店の機能性とコストパフォーマンスを充分に理解している人だということです。

だとすれば客層拡大になってないやん。と思いますね。

仮に、素晴らしく機能性が高く、デザインがよくて、安い商品があったとしても、購買意欲のある女性のお客さんは、そもそもワークマンに行きませんから、購入のしようがありません。

つまり、店に来ない人たちに来てもらうような施策を打たなければなりません。

いま、ワークマンのテレビCMも見かけますが、あれでは充分とはいえません。

やるならもっと思い切ったテレビタレントを使って、大量CMを投入すべきです。


いまのワークマンに女性客は入りにくい


もっとも、テレビCMを流して知名度が上がって、店に来る人が増えたらどうなるでしょうか。

いまの店の作りでは、一般客は違和感が強いでしょうね。特に女性客は、いっかい入っても、すぐに出ていきそうです。

現場のおやじたちが仕事で使う道具などを買う場所なので、カジュアルウェアを売ろうとしても無理があるのは当たり前です。

ユニクロみたいに昼間、女性客だらけになると、今度は現場作業員の方が、来難くなるはずです。

その融合を、一つの店で実現するのは、至難の業です。

それこそドン・キホーテなみのカオス感のあるバラエティショップでないと実現できないでしょうし、そうなると今のようなローコスト運営は難しく、店の在り方を根本から見直さなければならなくなります。


遠回りでも、都心の実験店で経験を積む必要がある


だから別ブランドの店を作らなければならないのではないかと私は考えます。

ワークマンの店舗は、その業種特性上、郊外に立地しています。

手薄なのは、都心です。

ワークマンだけではなく、ベイシアグループ全体として、都心向けの店舗を持っていませんから、都心進出は、グループの悲願と言えるかも知れませんな。

ワークマンの形態のまま都心に店舗を構えても、ミスマッチ以外の何ものでもありませんから、そこは新たな店舗を開発する必要があります。

それこそユニクロの銀座や心斎橋の店を参考に、カジュアルウェアのみの新業態店を開発、実験店としてみるべきだと考えます。

最初は経費倒れでも仕方ありません。どのような店が成り立つのかを知るための実験店ですから、2、3年は我慢して運営してみるべきでしょう。

いかにも遠回りに思えるかも知れませんが、そうでもしないと、ユニクロの世界に進出などできませんよ。

ただ、作業用品・作業着の販売で培った高機能の商品を低価格で販売する能力は、ユニクロに勝るとも劣りません。

もし化ければ、相当大きなビジネスになるのではないかと期待しています。


ちなみに大前研一氏は、ドン・キホーテと提携して、フロアの一角にワークマンのカジュアルブランド品を販売するコーナーを作ったらどうか、と提案しておられました。

その方が、コストをかけずに都心ニーズを知ることができるので、賢いやり方かも知れませんね。



※上記内容は、2018年3月20日の「戦略勉強会」で話し合われた内容です。元になった資料やデータは、下記を参考にしています。

大谷翔平選手が使った「目標達成シート」をやってみた

00

今を時めく大谷翔平選手が、高校1年の時に作った目標達成シートが話題です。

このシートは、大谷選手がプロ入りして間近の時にも話題になりましたが、メジャーリーグで活躍する今、また露出が多くなってきています。

さすが大谷翔平 超一流は違います


大谷選手、将来の目標を8球団からドラフト1位で指名されること。と設定し、そのために必要なことを書いています。

身体づくり、コントロール、キレ、スピード160キロ、変化球、運、人間性、メンタルが必要だとして、それぞれの要素を満たすための条件や努力を書いています。

どうやら高1の頃は、投手でいこうと思っていたようですね。さすがにメジャーで二刀流に挑戦するとは思っていなかったらしい。

それはともかく、高1の頃から、ここまで自分の目標と戦略方向性を定められるというのは、驚異です。超一流の人は違うものですね。

思考を拡散させるためのツール


私も試しにやってきました。目標を「ダイエット」とかにして、そのために必要なことを、ジョギング、筋トレ、食事、生活習慣、体調維持、継続性、目標管理、家族の協力…などとやり、それぞれの要素を満たすものを8こずつ書いていくわけですな。

マスを全部埋めるのは大変です。けっこう頭を絞ってひねりださなければなりません。それだけに、思わぬアイデアが出てきて、気づかされることがありました。


ということは、私の場合、このシートは、アイデア出しの効果がありました。

要素を一つひとつ見ていくと、重複やレイヤーの違うものが並んでいたりして、けっしてきれいなものではありません。

大谷選手のシートもそうですね。割と雑多な要素のものが並んでいます。

しかし、相当考えなければならない。というところが、普段では考えつかないものを生み出すことができます。

要するに思考を拡散させるためのツールです。目標に関わる事柄を並べることができるので、意識付けとなります。

実際に、目標管理、行動管理につなげるためには、優先順位づけが不可欠なので、別の作業が必要になります。

企画作成に活用できそう


だから記事にあるように「企画作成シート」としての方がつかえるかも知れません。

このシートの活用法について、セミナーや研修をする人もいるそうですね。

もっといろいろな形で活用できるシートなのでしょう。

私の場合は、アイデア出しシートとしてしばらく使ってみようと思います。

メルマガやブログの記事を書くときに、これをやってみると、効果が出そうです。





極小だが快適なアパート設計で業績好調なスピリタス

00

やはりこういう企業が出てきましたね。

「狭小地の新築一戸建て」を得意とするのが、オープンハウスでしたが、こちらは「極小アパート」を売りにしています。

設計から施工、販売まで一貫して展開するスピリタスという会社です。

参考:新築一戸建てをブルーオーシャンにしたオープンハウスの戦略

都心への人口流入が追い風に


背景にあるのが、都心への人口流入です。

少子高齢化により、人々は地方から、より便利な都心に集まると考えられています。

特に東京都心はこれからますます人が集まってくるでしょう。

かつては、東京郊外にベッドタウンなるものが形成されました。都心の土地代がべらぼうに高くて郊外に住まざるを得なかったわけですが、都心にもところどころ隙間が出てきています。

そんな隙間に家を建てる技術をもった企業が、オープンハウスであり、この記事のスピリタスであるということです。

極小でも快適というコンセプトは、利用者にもオーナーにも需要がある


記事によると、同社のアパートは、一部屋9平米とか。畳5枚分ぐらいです。高度成長期に作られた集団就職者のための集合寮を思い出しますが、同社の場合、ぎりぎりの設計技術により、それなりに快適な部屋にするそうです。

天井高にしてロフトをしつらえ、二部屋のような空間にするらしいですね。

確かに狭い。扉も人が通り抜けるほどしか開けられないような設計になっていますが、それで都心に安く住めるなら、需要はあるでしょう。

土地オーナーにとっても、収益性の高い住宅ができるということは有難い限りです。

競争激化するのは必然だが、どう戦略展開するのか?


こうしたコンセプトが当たって、業績好調だというのは素晴らしいことですね。

ただオープンハウスと同じで、ミート(真似)されやすいビジネスです。

狭いが快適な部屋というコンセプトさえあれば、多くのデザイナーが思い思いの部屋をデザインすることができるでしょう。

間違いなく、相当数の競合が現れてくるはずです。


しかし記事を読む限り、同社が業績好調だというだけで、今後の戦略展開に言及していないのが気になります。

スピリタスとすれば、極小プラスアルファの価値を付加する。オーナーの収益性向上のため、地域の状況に応じて、ケア住宅、女性専用、学生向け、ペット、外国人向け、アート部屋、音楽部屋など、多彩な企画提案ができるようにする。

あるいは極小部屋の情報を集めたプラットフォームを運営して業界を取りまとめる。

あるいは、オープンハウスのように、パワー営業でトップ企業の地域を確立する。

などの取り組みが必要になってきます。




これから営業職につく若い人に言いたいこと

これから営業職につく


(2018年4月5日メルマガより)

メルマガ登録はこちら


4月といえば、新入社の時期です。

私のように歳をとる者もいれば、新社会人となる若い人もいるわけです。

われわれのような職業の者にとっては、春は新入社員研修の時期でもあります。

今年も何社かで新入社員研修の講師を務めさせていただき、本当に有難いことです。

何を隠そう私は新入社員相手の研修が大好きです。

歳をとったからですかね。若い人に素直に育ってほしい。育てたい。という思いが年々強くなってきました。

だから新人相手の仕事は、最もモチベーションを感じます。

企業の皆さま。ぜひ私にお任せください(^^)



「1万時間の法則」を知ってほしい

聞くところによると、せっかく新社会人となっても、すぐに会社を辞める人が多いというではないですか。

まったくもってもったいない限りです。

信念をもって辞めるならともかく、なんとなく合わないとか、思ってたのと違うとか、漠然とした気持ちで辞めるのは、人生にとって何らプラスにならないはずです。

会社に入って「なんか違う」と思うのは当たり前です。それまでと違うルールで動いている場所にいるわけですから。

自分の中の何をリニューアルし、何を守り続けるかを決めながら成長していくのが社会人です。

新社会人には、ぜひとも「1万時間の法則」を知ってほしいと思います。



この「1万時間の法則」とは簡単にいえば、各界で卓越した業績を残した人は例外なく1万時間の下積みを過ごしている。というものです。

経験則ではあるものの、自分の人生を豊かにするには、信じた方がよい概念だと私は考えています。

新社会人は逆に読んだ方がいいかも知れません。

すなわち「どんな仕事をするにせよ、1万時間の下積みができない者は、卓越した存在になれない」

時には荒波にもまれるかも知れませんが、ぜひともその先にある豊かな大陸に向かって、出航していただきたいと思います。


営業ほど価値のある仕事はない


私は営業コンサルですから、営業のことを言います。

特に営業に配属された人に辞める人が多いそうです。

憂うべきことです。

確かに営業は、多くの能力が必要とされる職種です。

行動力も、粘り強さも、論理的思考力も、人間の心理を読む力も、マネジメント力も、リーダーシップも、勤勉さも、誠実さも必要です。

が、それだけに、営業を究めた者は、どんなことをしても成功するでしょう。

それだけ価値のある仕事です。

そんな素晴らしい職種につける幸運をみすみす手放さないようにしてください。


新人の頃は「行動量」がすべて


私は、というと、実は、最初の頃はそこそこ成績を残すことができました。

入社2、3年目までの営業に必要なのは、行動量です。

物怖じせずに、思いついたことを何でもできるなら、誰でもそれなりの成績を上げることはできるはずです。

私はバカでしたから、躊躇するということがあまりなかったのですな。

失敗しても、若い頃なら、許されます。むしろやる気があると、褒められたりしました。

だから入社したばかりの人は、とにかく行動することを心がけてください。

行動量は、すべての糧になります。行動が価値ある経験となり、自分なりのノウハウとして蓄積されていくでしょうから。


ただし行動量だけで通用するのは、2、3年目まで


しかし、がむしゃらに行動する、というのは、入社2、3年目までの特権です。

いつまでも考えずに行動しているだけでは、それは無謀というもの。「こいつ本当のバカか?」と思われてしまいます。


せっかくの経験を価値あるノウハウにしていくためには、自分なりの体系を頭の中に持っている必要があります。

この点に関しては、私は偉そうなことは言えません。

何しろ私はバカでしたから。

動きまわっているばかりで、運まかせに、失敗と成功を交互に繰り返す厄介な営業でした。

さすがにこのままでは通用しないと気付きました。

いまから二十数年前です。急に失敗が怖くなって、恃みの行動量も減ってしまいました。

周りを見れば優秀な先輩ばかり。先輩らが当たり前にできることが私にはできません。いちいち立ち止まって、考え込まなければ動けない。

先輩に聞いても、その先輩の言うことがよく理解できません。何度もしつこく聞くと、うるさがられるし、馬鹿にされるし、萎縮していきました。

私が所属した事業部も、赤字続きで身売りや廃業の噂が出ているぐらいだから、荒んでいたのでしょうね。

けっこうつらい毎日でしたよ。


自分なりの体系を持つこと


そんな中、苦し紛れに始めた勉強に救われました。

勉強といっても「ランチェスター戦略」や「マーケティング戦略」などの入門書の類を読むぐらいです。

でもそれが良かったのでしょうね。入門書は、素人にも分かるように平易に書かれています。確かに、抽象的だし、深い部分は省略していることも多い。

しかし、入門書には体系があります。必ず、全体像がわるように書かれています。

そういった本を何冊か読んでいて思ったのは「営業についても、全体像を見直そう」ということでした。

それまで、営業のノウハウ本は何冊か読んでいました。ノウハウ本にもところどころヒントになるものはあるものの、一つにまとまるような体系を読み取ることはできませんでした。むしろ、場面場面で覚えておくことが多すぎて混乱してしまっていました。

ところが「ランチェスター戦略」や「マーケティング戦略」の体系から営業を見直してみたところ、全体がすっきりとつながることが分かりました。

それまで覚えることに汲々となっていた営業ノウハウの類も、すべて全体の体系の中に紐づけることができました。

全体が分かれば、枝葉を覚えることは容易いことです。いやむしろ、ノウハウなんて人の話を聞くよりも、自分で経験して工夫していく方がはるかに有効です。

幹がしっかりすれば、枝葉はおさまる。当たり前のことを知ったわけですな。


理論があるから、経験が価値になる


若い頃に理論を知るのは、よしあしだと思われています。

一部の先輩からは「できないやつが机上の空論ばかり言ってる」となじられました。

確かにそうでした。理屈に経験が伴わないのだから仕方ありません。

しかし、現場で経験するたびに、それが体系の中に組み込まれていきます。

理論を持っているからこそ、経験は無駄にならず、自分なりの営業セオリーが出来上がっていきました。

セオリーが決まれば、行動に迷いがなくなります。

確信をもって行動すれば、それは成果につながります。

いつしか営業成績も上向くようになり、それが自信となっていきました。

大げさな言い方になりますが、その頃があるから今があります。

まさに勉強が身を助けたわけです。


営業は純粋な技術であり、誰でも身に着けられる


いまだから言いますが、営業はセンスではありません。ましてや天分などありません。

営業は技術です。だから技術さえ覚えれば誰だって、成績を上げることができます。

確かに個人差はあります。コツをつかむのが上手い人なら、成績を上げるのも早いでしょう。

しかし、ちょっとしたコツなど長い目でみれば大したことではありません。

真面目で勤勉に努力する者であれば、誰だって成績を上げることができます。


若い頃、同僚に比べて出来ないと悩むことなどありませんよ。若い頃、成績を上げるのは、行動力があって元気で人当りのいい者かも知れません。

が、そんなアドバンテージなど入社2、3年でなくなります。

結局は、営業のセオリーを理解し、確かな技術を身に着けた者が生き残ります。



天才肌の営業を見習ってはいけない


できそうでダメなのは、突発的な好成績を残す人です。

ふだんはいい加減でちゃらんぽらん、さぼっているように見えるのに、いざという時、凄い契約をとってくる。

そういう人が、たまにいます。

いわゆる伝説的な営業です。

だけどそういう人の成績を冷静にみてみると、長期的には大して好成績ではないことが殆どです。たまにすごいから目立つだけです。

そういう人が謙虚だと害がありませんが、その人が幅を利かせていて、天才肌の営業スタイルがカッコいいなんて社内で思われるようになると、組織全体が腐っていきます。

そうなるとその存在は害悪以外の何ものでもありません。


私の知っている優秀な営業、コンスタントにいい成績を残す人は、おしなべて真面目で勤勉で誠実です。

真面目で優秀な人が上にいる組織は、やはり生産性が高いといえます。


これから営業になる若い人に言いたいこと


だから営業に配属された若い人に言います。

もしあなたが、自分は営業に向いていない、営業なんてやりたくない、と思ってもあきらめたり投げ出したりしないでくださいね。

まずは、行動することを心がけてください。失敗できるのは若い人の特権です。どんどん失敗してください。

失敗しても褒められるのだから、それこそローリスクハイリターンです。そんなラッキーな仕事ってあまりないですよ。


もしあなたががむしゃらに行動するほどの勇気がない場合でもあきらめないでください。

行動力だけで優位性があるのは、2、3年目までです。それからは、セオリーが必要です。

簡単な入門書でいいので、全体像を理解できるような勉強をしてみてください。

セオリーを知っている者は、経験を価値あるノウハウとして蓄積することができます。


営業は一発勝負のギャンブルなどではありませんよ。

今月達成しても来月の目標があります。今期達成しても来期の目標があります。

ずっとコンスタントに成績を残す人がいい営業です。

いい営業に必要なものとは、真面目さ、勤勉さ、誠実さです。

周りの先輩をみてください。コンスタントに成績を残せる人は、目立たない地道な努力をしています。

その人は、ちゃんと勉強し、ターゲット顧客を絞り、毎日自分でフィードバックしながら営業能力を高める努力をしているはずです。

そういう勤勉で優秀な人をメンターにして、自分もいい営業になれるように、1万時間を過ごしていってください。

プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

タグクラウド
記事検索
Amazonライブリンク
お問合せ
お問合せはこちらまで