わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

テレワークが拡大すれば、レンタルオフィス需要が増える

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コロナ禍が変える社会の在り方として、テレワークの拡大が挙げられます。

そもそも皆が同時刻に会社に集まって、バラバラの仕事をするというスタイルは非合理極まりないものです。

各自が自宅で仕事して、必要な時だけ集まるようにすればいいのです。会議もオンラインですればいい。移動時間がなくて済むし、生産性が高まります。

集まらないとやる気にならない。コミュニケーションがとれない。というのは単に習慣的な問題です。

皆がテレワークするようになれば、そんなことも言われなくなりますよ。


貸し会議室を事業にしているTKPは苦しんでいますね。

コロナ騒動で、ホテルも飲食店も壊滅状態です。貸し会議室はなおさらでしょう。

貸し会議室など都度貸し事業は、回転している時は利益が高いものの、需要がなくなれば無収入になってしまいます。このあたり、同じ不動産でも、月決めの賃貸物件が不況期に強いのとは逆になってしまっています。

ただTKPがよかったのは、貸しオフィス事業も営んでいたことです。昨年、スイスの会社から貸しオフィス事業を買収したので、いまとなってはそこに頼るしかありません。

しかも、この事業は有望です。

テレワークが増えてきても、すべての人が家で仕事をするとは限りません。立派な書斎があればいいですが、日本はそういう仕様にはなっていません。子供がいれば、なおさら家にいることが難しい。

企業側もサテライトオフィスを作りたいですが、固定費がかさみますので、それならば、各人が思い思いのところに、小さなオフィスを借りた方がいいわけです。

どうせパソコンで仕事するだけならシェアオフィスで何ら問題はありません。オンライン会議が必要ならば、それ専用の防音室を作ってもらえばいいわけです。

シェアは嫌だという人は、個室を借りればいい。会社がサテライトオフィスを作るよりは、相当低コストで済みますから。

どこまでテレワークが増えるかわかりませんが、一定の需要増加はあるはずです。

貸し会議室がダメなら、貸しオフィスがあるさと変わり身が早いのは、小さな会社のいいところですな。

したたかに生き残ってほしいと思います。





コロナは教育システムを変化させるか

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コロナ感染の拡大が、社会を変える契機となるかもしれません。

宿題ドリルはオンラインにすべし


遠隔授業もその一つです。休校で自宅待機している学童たちに、ネットで教育するシステムが期待されています。

こうしたシステムのいいところは、均等な質の教育が提供できること、各人の進捗状況に合わせて受講できること、その進捗状況を把握できること、です。

いまのところ、ネット教育システムは、学校の授業の補助的な機能として考えられています。宿題ドリルの代わりですね。

紙に書かないと勉強にならないと言う人がいるかも知れないが、たぶん慣れの問題です。これは取り入れた方が絶対いい。これを契機にどんどん活用していけばいいと思います。

授業そのものもオンラインに切り替えよ


だけど、メインの集団授業ってネットに置き換えられないだろうか?

現実に「東進ハイスクール」のビデオを観た方が、わかりやすいという人もいます。

いや、先生から直接教えてもらった方がいい、という生徒もいるので、一概には言えません。

が、私の経験(40年以上前)からいうと、教師によって教え方の巧拙はかなりありました。わかりにくい先生は、本当にダメでしたよ。そんなやつに教えられた時間って人生の損失だと今でも思います。

今はどうか知りませんが、かつての状況と同じであれば、超一流の講師からビデオで教えてもらった方が、はるかに有益です。少なくとも、中学高校あたり、純粋な知識の習得には、その方が合理的だと思います。

ディスカッションや課題解決のための共同演習などは、場所とファシリテーターが必要ですから、学校や先生を全てなくしてしまえというわけではありません。

でも、役割を変えてもらおうという話です。その方が、より適切な教育の在り方があるのではないか、と考えます。

大きな社会事件は様々な変化を促すものです。いい変化は止めないようにしたい。既得権益を守るとか、つまらない理由で進化が滞らないようにしてほしいものです。






営業を知らない人ほど怪しげな営業をしてしまうのはなぜか

営業を知らない人ほど
(2020年4月2日メルマガより)

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営業について知識のない人の中には「営業マンというのは、テクニックを使って、買いたくないものまで買わせてしまう人だ」という印象を持っている人がいるようです。

もちろん間違いです。

昨年も、どこかの郵便局が、高齢者を相手にむちゃくちゃな営業をしていたという事件がありましたから、そのイメージが増幅されているのかもしれませんね。でも、本来営業はそのような不埒なものではありません。

通常、ビジネスは1回きりではありません。一度取引した顧客とは長い関係を続けたいものですから、道理に外れたことをしていいはずがありません。

まともな営業は、顧客に対して、ビジネスに対して、誠実であろうとします。必要でないものまで買ってもらうのは、顧客のためになりません。そんなことをすれば、大切な得意客や自身の評判を失ってしまいます。

それがわからない営業は、二流、三流です。彼らは、目先の契約をとりたいがあまり、ごまかしやウソをついてしまうという安易な道に流れてしまうのですな。そういう人は、営業として長生きできません。間違いなく消えていきます。


営業ができる人は、どんな仕事でもできる

実に残念だなあ、と思うのは、本来営業でない人が営業的なことをする際に、見様見真似で三流営業みたいなことをしてしまうことです。

私は創業塾の講師もやっていますので、たくさんの創業者、創業志望者と会う機会があります。

創業においては、営業経験がある方が有利です。これは間違いありません。

ただ、こういうことを言うと「営業テクニックがあるから有利なんだ」と誤解されてしまうかもしれませんね。

もちろんビジネスにおいて売り上げを作ることは重要ですから、営業力は必要です。が、営業力を単なる「契約させる技術」ととらえられたら困ります。

私が大切だと思うのは、もっと基本的なことです。

営業は顧客に誠実でなければならない。

顧客の悩みや課題を解決するのが営業の仕事だ。

供給側の都合を押し付けてはならない。

こうした基本的な理を経験的に理解していることが、大切です。

私が「営業を極めた者はどんなビジネスでもできる」というのは、この基本的な部分を身に着けている者は、どんなビジネスでもできるという意味です。


営業を理解していない人が営業すると


先日も残念なことがありました。

ある知り合から商品の提案を受けました。詳しくは言いませんが、ありものの商品ではなく、個々のカスタマイズが必要な商品です。

私は、その方が自分のビジネスにプライドを持っていることを知っていました。

だから話を聞いてみようと思ったのですが、最初の提案は、単なる商品見積もりだけでした。

このご時勢だから売り上げに困っていたのかもしれませんね。ただ、商品見積もりだけ持ってこられても応えようがありません。

そこで、私はその方に「自分がいま、何に悩んでいて、解決したい課題は何か」を説明しました。必要ならば買うという意味です。

すると、今度は、オプションをいっぱいつけた5割増しぐらいの商品見積もりが届きました。

事前の「課題解決してほしい」という問いかけには全く応えていないのです。

まあ、営業を理解してない人はこんな感じなのかなあ、また説明が必要だなあと思って聞いていたのですが、そのあとがいけません。

その方は「何日までに契約いただくと、何割引きにしますから」と契約を迫ってきたのです。

この安易なクロージングにはほとほと呆れてしまいました。

この方に再度説明する気力は失せて、お断りすることになりました。


浅はかな理解が営業行動に表れる


本当に残念です。

その方が、自分の事業分野に関して強いこだわりと、高い見識を持っていることを知っていました。

だから密かに尊敬の念を抱いていたものですし、期待もしていました。

ところが、営業となると、素人もいいところです。

いや、素人でも構わないのですが、営業に対する浅い理解が、行動に表れてしまっています。

結局、営業とはそんな安直で浅はかなものだとしか思っていなかったのですね。

がっかりしましたし、情けない思いでした。

私が営業に多少は詳しいことを知っていたはずなのに、何をもって、私に提案しようと思ったのでしょうか?

結局、営業なんて、適当に餌を巻いて食いつかせればいいんだろ、なんて思っていたということなのでしょうか。

だとすれば、私が感じていた高い見識やプライドといったものも、独りよがりで浅いものではなかったのかと疑わざるを得ない始末です。


自分が扱うモノの価値をいちばん理解していないのはあなた


ともかく、営業経験のない人は気を付けてください。

提案が受け入れられない時、顧客のことを「値段ばかり気にしてモノの価値を理解していないやつだ」なんて思っていませんか?

それは責任転嫁というものです。あなたは自分が扱うモノの価値を伝えきれていません。

なぜなら、顧客の悩みや課題をあなたは全く理解していないからです。

あなたは、この商品を作るのにこれだけ苦労したとか、これだけ時間をかけたとかが価値だと思っているかもしれませんが、そんなもの何の価値でもありません。

顧客にとって、自分の悩みや課題を解決することこそが価値です。

その商品が自分の課題を解決する、ということが理解でき、実感できてから、値段への検討が始まります。

たいていは、値段の検討に行く前にはねられています。

つまり、モノの価値をいちばん理解していないのは、あなただということです。


小手先のテクニックは害悪でしかない


営業を知らない人の中には、営業力のことを小手先のテクニックだと勘違いしている人がいるようです。

全然違います。

期限を切ったり、最初に高い値段を提示してわざとらしい値引きをしたり、非論理的な二者択一を迫ったり、複数人で小芝居して飴と鞭を使ったり…そんなもの自分の評判を落とすための行為でしかありません。

営業を理解していない人がテクニックを知りたがるのは、楽できると思うからなんでしょうな。しかし、魔術じゃないんですから。テクニックでごまかせるほど営業は安易なものではありません。

そんなことをするぐらいなら、顧客にとっての価値を正確に理解し、顧客のためになることをひたすら考えてください。

これは営業の基本です。教科書の1ページ目に載っていることを理解して、実践すること。それだけで充分です。

大道廃れて仁義あり。慧智出でて大偽あり。(老子)

何事もいちばん大切なのは基本です。何よりも基本を学び、その根幹を理解するようにしてください。

感染症に打ち勝つには、世界が協調しなければならない

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「サピエンス全史」作者による新型コロナウィルスに関する見解です。簡潔でわかりやすいので、載せておきます。

読んでいただくのがいちばんいいのですが、さらに要約すると、

・感染症に対抗するには国際協調が必要である。

・封じ込めは、一時的な策に過ぎない。国境封鎖で感染症を食い止めることは不可能である。いずれは世界中に伝播する。

・だから我々は、感染症に関する情報を正しく共有し、協力して対処しなければならない。

・そもそも自然界には無数のウィルスが存在している。殆どは無害であるが、ほんの稀に人間の体内で有毒なものに突然変異することがある。過去の危険な感染症はすべて、たった一人の体内で突然変異したウィルスが引き起こしたものだ。

・今回のコロナウィルスも同じ。たった一人の体内で突然変異したものが、世界にひろがっていった。

・さらにいうと、そのコロナウィルスは、また誰かの体内で突然変異を起こしてもっと危険な感染症の原因になるかも知れない。

・世界のどこかで起きた1回の突然変異が世界を危機に追いやる。

・だから、我々は、コロナウィルスを根絶するまで闘わなければならない。

・そのためには、各国が情報を共有し、協力しなければならない。

というものです。

今回の危機の現段階では、決定的な戦いは人類そのものの中で起こる。もしこの感染症の大流行が人間の間の不和と不信を募らせるなら、それはこのウイルスにとって最大の勝利となるだろう。人間どうしが争えば、ウイルスは倍増する。対照的に、もしこの大流行からより緊密な国際協力が生じれば、それは新型コロナウイルスに対する勝利だけではなく、将来現れるあらゆる病原体に対しての勝利ともなることだろう。

こういう時こそ冷静で正しい態度で臨まなければなりませんね。




プレゼンテーションはワンパターンでいい。

プレゼンテーション


(2020年3月19日メルマガより)

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プレゼンテーションといえば、営業活動の中でも目立つ部分なので、力を入れる人が多いのではないですかね。

しかし、実際のところ、プレゼンの巧拙は、営業の最重要事項ではありません。

プレゼンの出来不出来じたい、その前のヒアリングや、さらに前の信頼関係づくりによるところが多いわけですから、プレゼンの段階で、じたばたしてもムダだということです。

だから、プレゼンがうまく決まらないなーと思う時は、迷わず、ヒアリングの段階に戻るべきです。


プレゼンテーションは、地味でワンパターンでも成果につながる


プレゼンには、パターンがあります。パターンに当てはめれば、ことさら、難しいものではありません。

無理にパターンを変える必要はありません。

今回は違うパターンでやろうと考えたり、スティーブ・ジョブズばりの派手な演出をキメようなどと考えたりしなくて結構です。

そんなことをするぐらいなら、プレゼンテーションのロジックを強固にする努力をした方が生産的です。

その提案が、顧客の課題を解決するものであることが、論理的・実証的に伝わり、納得されれば、プレゼンテーションが地味でワンパターンでも、営業の成果につながります。

なにしろ、プレゼンテーションの基本パターンは単純です。

「結論を先に言い」「その理由を3つにまとめて伝え」「データや実績で補完する」

これだけで最低限の論理と実証を示すことができます。


結論を先に言う


結論を先に言うことは、常にビジネスの基本原則です。

プレゼンテーションでもそれは変わりません。先に結論を述べないと、時間に追われるビジネスマンの集中力を捉えることはできないでしょう。

プレゼンは、先に提案する商品企画や内容を端的に説明します。

「燃焼性の高い素材を扱う工場に適した特殊仕様の〇〇機を提案します」

「工場のライン停止を最小限に抑える省メンテナンスの〇〇機をお勧めします」

このように明確に言えばいいのです。

その提案が、直接に顧客の課題を解決するものでしたら、期待値は高まり、注目されるはずです。


理由を3つにまとめて伝える


そこですかさず理由を3つにまとめて伝えます。

提案をするからには、課題を解決する理由が論理的に納得いくものでなければなりません。

「燃焼に強い特殊鋼を使用」「エンジン部分は完全密閉を実現」「燃焼物質が内部に蓄積しない構造」

「自動調整装置付き」「省電力設計」「遠隔操作で誤作動を抑制」

などと、なぜ燃焼性に強いのか、ライン停止を起こさないのか、どのようにそれを実現するかを3つにまとめます。

「3つ」というのは、それが最も受け入れやすいからです。

3は、プレゼンテーションのマジックナンバーだと言われます。人は、理由が2つ以下だと、まだないのか探してしまうし、4つ以上だと多いので整理したいと感じるようです。

私の経験からも、3つでまとめるのが、最も納得されやすいと言っておきます。


データや実績で補完する


そして3つの理由をデータや実績で補完します。

プレゼンは実証的でなければなりません。

特に法人の顧客は、親しい仲だからとか、勢いで何となく、などといった購買行動はとらないものです。

3つの理由が実証できることをデータと実績で伝え、納得してもらうことが必要なのです。

そのためにも、商品のことをよく理解しておかなければなりませんし、社内にあるデータや実績は整理しておかなければならりません。

顧客に求められれば、いつでもデータを渡せるようにしておきましょう。


プレゼンテーションの基本フォームは、様々な場面で使うことができる


このプレゼンの基本フォームは応用範囲が広いです。

本格的な企画書にまとめる際も使えますし、ルート営業での見積書を前にした簡易的なプレゼンテーションにも使えます。

展示会では、小間の前を通り過ぎる見込み顧客の注意を引くために短時間で商品説明をする場面がありますが、その際にも効果を発揮します。

結論と3つの理由だけなら30秒でも説明できます。展示会では、結論と3つの理由だけを話せばいいのです。

もし、その結論と理由が、顧客の興味を引くようなら、さらに詳しいデータや実績を示せばいいのです。

つまり、基本フォームさえしっかりしていれば、30秒でも30分でもプレゼンをすることができるのです。

だから商品や企画ごとに作ったプレゼンテーションのフォームは、常に頭の中に入れておいて、いつでも取り出せるように整理しておきましょう。

引き出しの量や多彩さが、営業の実力に結びついていくものです。


よいプレゼンには「論理」と「実証」と「実感」がある


つまるところ、成果を生むのは、「論理」と「実証」と「実感」が適切にあるプレゼンです。

「論理」とは、その提案が顧客の課題を解決することが、論理的につながっていること。

「実証」とは、その論旨が、データや事例によって証明されること。

「実感」とは、顧客自身が、感情的にも感覚的にもその通りだと納得されることです。

最後の「実感」というところも大切です。

が、今回は、そのお話はできませんでした。

「深掘り質問」を制する者は営業を制す

深掘り質問


(2020年3月5日メルマガより)

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営業活動で成果を出すには、いくつかのポイントがあります。

最も重要なポイントは、顧客と信頼関係を作ることです。何度も、このメルマガで採り上げていることですね。

信頼関係があれば、本音を聞き出すこともできますから、的確な提案ができるはずです。プレゼンの時間も確保してくれるでしょう。

ただ、信頼関係には段階があります。いくら時間をかけて関係構築に努めたとしても、いきなり親友のような間柄になることは望めません。

それでも、商談はしなければなりません。

本音として、悩みや要望を教えてくれれば、提案もしやすいですが、そうでない相手からいかにして課題を聞き出すか。

だから、営業のもう一つの重要なポイントは「ヒアリング」です。


基本質問と深掘り質問


とは言いましたが、それほど大仰に考える必要もありません。

通常のルート営業であれば、提案するために必要な情報は、顕在化しています。

業界や業種によって異なりますが、一般的には、「需要の概要」「決定権者」「商品選択のポイント」「予算」「購入時期」「納期」「競合の動向」を聞き出します。

これは基本質問とでもいうべきもので、機械的に聞き出せば大丈夫です。

もちろん、それなりに注意が必要ですが、詳細は省きます。


ただ、新規案件などでは、基本質問だけでは対応しきれない場合があります。

そもそも、顧客自身がニーズを理解していないことだってあります。

その場合は、課題=ニーズを掘り下げて聞かなければなりません。

いわば「深掘り質問」です。

ここは、営業として、ある程度の知識が必要になるでしょう。


現状を聞き、目標を聞き、課題を解決する


前回のメルマガで書いた通り、課題とは、現状と目標のギャップから抽出するものです。

つまり、(1)現状について聞き、(2)目標、理想の状態について聞き、(3)そのギャップ=課題を確認する、という流れになります。

例えば、ダイエットをしたい人がいたとします。ダイエット方法を提供する側は、自社の商品やサービスをそのまま押し付けてはいけません。

(1)現状の体重と体型。これまでのダイエット経験。失敗した理由、リバウンドの理由、などを聞き出します。

(2)目標体重。目標体型。目標期限。体重はそのままでも体型を絞りたいのか。健康のために体重を減らしたいのか。動きを軽快にしたいのか。ファッションのためなのか。何のためにダイエットしたいのかを聞きます。

(3)その上で、時間がとれない、キツイのは続かない、運動は苦手、夜の食事制限はできない、などといった課題を導き、確認します。

課題が正確に把握できれば、自社商品やサービスを使って、課題を解決できるかどうかが、明瞭になるはずです。


そのほかにも、いくつか簡単な質問の手法があります。

オープン質問、クローズド質問


まず、質問には大きく分けて「オープン質問」と「クローズド質問」があります。

オープン質問とは、「現状、お困りのことは何でしょうか?」「いちばんの目標とされていることは何でしょうか?」というような答えを限定しない質問のことです。

クローズド質問とは、「ボディラインを美しくすることを最も気にかけておられるということでしょうか?」「目標達成イメージは、体重よりも、体脂肪を抑えることですか?」というような答えを限定する質問です。

基本的に、オープン質問で悩みや問題を引き出し、クローズド質問で確認していきます。

引き出す、確認する、引き出す、確認する、を繰り返すことで徐々にヒアリングを深めていくイメージです。

ただし、オープン質問には、質問方法が漠然となりがちで、漠然とした答えを引き出す傾向があるという弱点があります。

そこで「最近は、減量よりも、筋肉量を増やそうとする人が多いですね」「時間がかかっても楽な方法で減量する方法が人気ですね」などと一般的な情報を提供し、できるだけ具体的な内容の答えを引き出します。

あまり恣意的な情報で答えをミスリードしてしまうのは避けたいですが、適切な情報提供は、ヒアリングを活性化させます。


具体化の質問、根拠の質問


オープン質問で引き出した言葉があいまいであったり、迷いが感じられたりする時は、「具体化」「根拠」の質問を行って深めていきます。

「具体化」とは、文字通り、話を具体的にしていくための質問です。「具体的には、どういう不具合があったのでしょうか?」「例えば、どのような事故があったのでしょうか?」というように、「具体的には」「例えば」を使います。

「根拠」とは理由を聞く質問です。「なぜ、そのような目標を設定されたのでしょうか?」「どうして、そのような行動をされたのでしょうか?」というように「なぜ」「どうして」を使います。

「なぜ」「どうして」「具体的には」「例えば」の質問を繰り返すことで、ヒアリングは深まっていくことを覚えておいてください。


事実化の質問


ヒアリング内容を深めていく過程では、推測や仮定の話が多くなる傾向があります。

あまり事実と離れていくと現実的な話ではなくなり、プレゼンテーションにつなげにくくなってしまいます。

そんな時は、いったん「事実化」するといいでしょう。

「事実化」とは、内容を現実的な事実として捉えることです。

「だれが・いつ・どこで・何を・どのような理由で・どれぐらいの数量・予算で・どのようにした」という5W3H(Who・When・Where・What・Why・How many・How much・How)で整理します。

時折、事実として捉えなおすことで、観念や理想論が独り歩きすることを避けたいものです。


横展開の質問


内容が深まってきたと思っても、そこで終わっては、真の課題にたどり着けない恐れがあります。

ヒアリングでは「横展開」することを忘れないようにしましょう。

「横展開」とは、話を横に広げることです。「他に、気になっていることはございませんか?」「他に、ご要望はございませんか?」というように「他に」を使います。

ヒアリング内容が深まっている時は、思考が活性化しているので、話が広まっていきやすいといえます。

ついでのように話した言葉の中に、大切な課題がある場合も多いので、横展開は必ず行ってください。


確認の質問


問題や課題が見つかったと思う時は、クローズド質問で「確認」しましょう。

「私なりに考えたのですが、この部分に問題があると考えてよろしいでしょうか?」「ここが課題だと捉えていいでしょうか?」というような言い方です。

もう少しテクニックを使うとすれば、二者択一をお勧めします。

「課題は、Aの側にあるのでしょうか?それでもBの側でしょうか?」という質問ならば、顧客自身が選んだという形をとることができます。

確認作業はとても大切です。

自分だけ課題を理解したと思っていても、それを顧客と共有していなければ、ずれている可能性があります。

時間が経てば、忘れてしまう恐れもあります。

ヒアリングの最後に確認することは必須です。

特に顧客とともに導き出した課題は、顧客自身にも思い入れがあるものです。有効なプレゼンテーションにつなげることができるはずです。


パターンを身に着ける


いろいろ書いたので、難しいなあと思うかも知れませんね。

営業に慣れた人ならば、自然にやっていることばかりですが、慣れない人は、パターンを覚えれば、それなりの形になります。

大丈夫です。英単語を覚えるより、よほど簡単です。

パターンを覚えて、実際にやってみて、身に着けていけば、大丈夫です。きっといい営業になれます。

大きな企画などで、顧客自身が意識していなかった課題を見出し、ともに確認し、喜ばれることは、営業の醍醐味の一つです。

新型コロナの流行はいろいろなきっかけになるのだろうか

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新型コロナ風邪の影響で、株価が盛大に下落していますが、まだ様子見局面です。

本当にパンデミック(世界的な流行病)になると、リーマンショック級の景気後退になるかも知れません。

本当にここ1、2週間が分水嶺なんでしょうね。

バブルの兆候が続いていたので、どこかで調整局面はあるだろうと思っていましたが、このような形で来るとは、予想できませんでした。

新たな経済リスクへの教訓?

卑近な話ですが、私のような零細事業者にも影響が出始めています。

ただ、これだけ人の移動が増えているわけですから、流行病のリスクは、予想していなければならない案件でした。

今回だけではありませんよね。今後もリスクは続きます。想定外だ、なんて言っていたら迂闊ですよね。

考えようによっては、今回のウイルスが、それほど危険なものでなくてよかったと言えるのではないでしょうか。

今後、パンデミックを起こさないための方策を立てる上で、いい教訓になっているはずです。


つい先日までは、中国政府のやり方に批判というか、殆ど呆れて見ていたわけですが、日本も韓国も封じ込めに失敗してしまって、他国のことを言えなくなりました。

政府の判断も難しかったのは理解できます。

本当に早い時期に中国からの渡航者を拒否していれば、ここまでの流行は防げたかも知れませんが、そうなると、経済への影響が甚大でした。

学校を休校するよりも、通勤電車をなくせ、という主張もありますが、実際問題として、民間の企業活動を強制停止させることができるでしょうか。

学校を休校したら、共働きの親はどうするんだ!?なんて話もありますが、そうした矛盾を含めて、走りながら考えていくしかないんでしょうね。

これが、今後の感染症リスクへのシミュレーションとなれば、経験が生きたというものです。

私は私で、自分の仕事の方法を考え直していきたいと思います。

特効薬を作っても儲からない


早く特効薬を開発してほしいところですが、そうはうまくいかないらしい。

技術的に時間がかかるというのもありますが、経済的な事情もあるようです。

新型肺炎の治療薬・ワクチン開発で日本企業の影が薄い理由

要するに、薬の開発には莫大な費用がかかります。

それなのに、今回のコロナ風邪、まだ患者数が少ない上、いつまで流行が続くかわからないので、苦労して特効薬を作ったとしても、開発費さえ回収できないかも知れない。

冷静に考えると、いくらいま大騒ぎしているからと言って、飛びつくわけにはいかないのですな。

だから薬の開発に名乗りを上げている会社は、資金的に余裕のある超大手か、新興ベンチャーに限られているようです。

しかも、ベンチャー企業の方は、単なる売名の可能性もあるとのこと。

世知辛い話ですが、それが資本主義というものです。

こちらも、今後の社会の在り方を見直す一つの材料になっていくのかも知れませんな。







営業は顧客の課題を解決する仕事だ

営業は顧客の課題を解決する

(2020年2月20日メルマガより)

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先日、営業を受ける機会が2度ありました。

1度は、先方の売り込みです。もう1度は、私からある商品を検討している旨を伝えて先方に来ていただきました。

結果として、いずれも、お断りすることになりました。

全く購入する気になれませんでした。


営業は、顧客の課題を解決するためにある


双方に言えるのは、まるで営業をわかっていないということです。

私は、営業をそれなりに経験した者は、どんな仕事だってできると考えています。

逆にいうと、営業を経験していない人は、できることが限られています。自分の専門分野に集中して、営業は他の人に任せる方がいいと思います。

その方も、売り込まれる方も、時間のムダですから。

特にものづくり一筋という方やクリエイターなどは、営業をしない方がいいですね。

ふだん、真面目にものづくりや作品づくりに取り組んでいる人が、こと営業活動になると、とたんに高く売りつけようとしたり、顧客を無視して価値観を押しつけようとしたり、自分勝手な営業をしてしまうのはなぜなのでしょうか。

その人の営業に対する浅い理解が、営業スタイルに現れてしまっています。

営業は、そんな怪しげなものではありません。


顧客にとって必要とは何か


そもそも顧客が代金を支払って商品やサービスを購入するのは、その商品やサービスが、顧客にとって必要なものだからです。

必要とは何か。詳しく言うと、顧客が抱えている課題を解決するために必要だということです。

具体的には次の3つです。


1.現状の不満を解消するために必要なものである。

人は誰しも、現状に様々な不満や不便を抱えています。

売上が停滞している。コストがこれ以上下がらない。不良率が高い。生産効率が悪い。従業員の定着率が低い。

そんな不満を解消するために有効な商品やサービスであれば、必要となります。


2.目標を達成するために必要なものである。

人の多くは、目標を持っています。

売上を今の倍にしたい。生産性を20%上げたい。競合よりもシェアを伸ばしたい。コストを15%落としたい。

その目標を達成するための商品やサービスであれば、必要となります。


3.将来の不安を払拭するために必要なものである。

人は様々なリスクを抱えています。

市場環境の変化により売上が急激に低下するかも知れない。重大な事故により生産施設が使えなくなるかも知れない。重要な部材の仕入れが滞るかも知れない。有能な従業員が退職するかも知れない。

そんな不安を未然に防ぐことができる商品やサービスであれば、必要となります。


自社の商品やサービスが、何等かの必要に当てはまらなければ、購入されることはありません。

いや、むしろ、購入してもらってはダメです。

営業のテクニックで必要ではない商品を購入させることができる場合もありますが、そんなことをすれば、営業の評価も会社の評判も早晩に失墜してしまいます。

長い関係を志向するなら、お互いが納得のいく取引を心がけなければなりません。


現状と理想を聞き出し、課題を導き出す


だから営業は、顧客がそれを本当に必要かどうか聞き出さなければなりません。

どうすれば、聞き出せるのでしょうか。

必要とは「目標の達成や、不安や不満、不便の解消のために必要だ」ということでした。

現状に不満や不安があったり、目標に届いていない現実があるから、理想の状態になるために、必要なのです。

つまり、必要とは、理想と現状のギャップを埋めるためのものであり、言い換えると、課題のことです。

回りくどい言い方で申し訳ありません。

必要=課題。課題とは、理想と現状のギャップのことです。

だから、現状と理想を理解することで、課題を導き出すことができます。

(1)現状についてヒアリングする。

現在の状況について、不満や不便はないか、不具合はないか、困っていることはないかを聞き出す。

(2)理想についてヒアリングする。

顧客が目標としていること、理想の将来像、どうなりたいかを聞き出す。

(3)課題について確認する。

現状と理想のギャップから課題を導き出し、顧客に確認する。


営業ヒアリングは、課題を導くまで行う


顧客が、自らの課題や要望を正確に理解しているとは限りません。いや、むしろ、意識していないことが殆どでしょう。

漠然とした不安や不満を抱いていて、何をどうすればいいのかわからない場合が多いはずです。

それを紐解いて、わかりやすく提示し、確認するのが営業の役割です。

営業ヒアリングとは、課題を導き出すことです。

よくヒアリングでは、どこまで聞き出せばいいのか、と質問されることがありますが、充分に課題を理解したと思えるまでは、ヒアリングを深めていかなければなりません。

どのように深めていくか、という部分が、営業としてのスキルになりますが、これままた別の機会にお話しいたします。


営業ができないならば、プロに依頼する


繰り返しになります。

現状と理想のギャップが課題です。

現状の不満や不便を解消し、理想の状態にするために、足りないものは何か。目標を達成するために必要なものとは何か。理想の将来像に向かうためにリスクとなっているものは何か。

それが、課題です。

顧客の課題を理解することなしに、工数がどれだけかかったとか、本来の価値はどれぐらいだとか、自分の都合を押し付けていたら、話が進みません。

そういう計算しかできない人は、しかるべき営業に依頼して、適切なマージンを支払って、顧客対応をしてもらってください。

元カルビー 松本氏に聞く「営業の秘訣」

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カルビーの元会長松本晃氏の記事です。短いですが、営業の秘訣が端的に記されています。

松本氏は、京都大学の大学院から伊藤忠に入社されます。

大学院の勉強が嫌で、逃げるように入った会社だというような書き方ですが、ともかく伊藤忠で営業としての能力を開花させます。

天職というぐらいですから、相当なものです。

特に営業ノウハウを書いた記事ではないので、簡潔ですが、それだけにわかりやすいと思います。

顧客の求めるものを売る


売りたいものを売るのではない。ということです。

松本氏は、顧客が欲しがるものは何でも売ったらしい。部署の専門は、マテハン機器ですが、ゴルフ場の機器から、車の自動洗浄機から、おたべを作る機械から、なんでもありです。そういう機械を専門に扱う部署の縄張りを荒らしていることになりますが、それでもお構いなしです。

商社という業種の特性もあるでしょうが、さすがに上司からは睨まれていたようです。

だけど、松本氏の姿勢は100%正しい。

会社がどう言おうと、営業は顧客の味方です。そうでなければ、営業としての存在意義はありません。

会社との軋轢が嫌で、会社の言い分を繰り返すだけの営業もいますが、そういう人は営業として続きません。早くAIに切り替えた方がいいですよ。


顧客のところへよく行く


接触回数を増やすということですね。

前にメルマガで書きました。

営業成績が上がらないという人は、顧客訪問してませんね。

行けばいくほど仲良くなれるし、何を望んでいるかもわかってきます。

営業の真実は現場にしかありませんからね。

机上であれこれ考えていても、推測と仮説しか出てきません。

そこに時間をかけるぐらいなら、顧客訪問した方が、建設的です。


約束を守る


顧客と本当の信頼関係を築くためには、「約束を守る」「ウソをつかない」ということが大切です。

単に、頭いいやつだなあ、知識あるなあ、という程度では、営業としての信頼を得ることはできません。

営業で最も重要な資質は「誠実さ」ですから。

頼りになる、信頼できる、という段階になって初めて、本音を言ってくれます。

営業として成績を継続してあげる秘訣は、信頼関係を作ることに尽きます。

私は、この信頼を得るプロセスを「テスト受注」という言葉を使って説明していますが↓

「テスト受注」は営業の醍醐味だ!


そんなわけで、営業としていちばん大事なことを、簡潔に言ってくれているなあと思ったので、とりあげさせていただきました。

当たり前のことばかりやないか。と言われそうですが、その当たり前のことが大切ですよ。

枝葉のノウハウとかテクニックとか、むしろ不要です。

本質をつかんでいきましょう。







商談の第一声は営業から発する

商談の第一声は

(2020年2月6日メルマガより)

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顧客と商談をする上で大切なことは、営業側がリードするという姿勢です。

受け身になると、相手から要求されるだけになってしまいます。

新人営業の頃、価格だけ聞かれて、端的に答えてしまい、「高い」と言われて商談が終わってしまったというようなミスがあります。

相手のペースに乗せられると、必要なヒアリングさえできなくなるおそれがあります。


商談をコントロールするのは営業


ビジネスの主役は常に顧客ですが、それをうまく仕切るのは営業だという意識は持っておかなければなりません。

だから商談の第一声は営業側が発するべきです。最初の一声で商談のペースが決まると思ってもいいでしょう。

たとえ雑談をするにしても、主導するのはこちらです。

「いい天気になりましたね」でもいいです。

「この前、紹介いただいた本、読ませていただきました」でもいい。

とにかく最初に声を出して、流れを作ってしまいましょう。


アイスブレイクでペースを握る


アイスブレイクとは、緊張した固い場の雰囲気を和らげるための方法です。

といっても難しいものではなりません。普通に雑談すればいいのです。

天気の話でもいいし、今朝のニュースの話でもいい。

って言えば、機械的に天気の話を始める人がいるかも知れませんが、もちろん、そんなことではありません。

慣れない営業がたどたどしく天気の話を始めれば、違和感しかありませんからね。

その場合は、仕事の話で結構です。

「先日、仰っていたことが気になって、調べてみました。実際その通りでした!」

「いつもながら、活気のある職場ですね」

「噂には聞いていましたが、環境のよい場所ですね」

などと前回の商談の振り返りや、相手の会社の話題を振ればいいのです。

相手や、相手の会社を肯定的に捉える内容ならば、なんでも結構です。

アイスブレイクは、内容よりも、雰囲気づくりですから、先方が気持ちよくなるような話題を選んでください。


さて、場が適度に温まれば、仕事の話に入ります。

この瞬間が重要です。

アイスブレイクを主導した勢いで、「今日の商談の目的」「商談の進め方」「商談時間」をこちらで決めてしまいましょう。


今日の商談の目的


目的を決めることは、商談をコントロールする最も重要な要素です。

「今日は、来月の企画のためにいくつか質問をさせていただきます」

「今日は、前回お聞きした内容を整理しましたので、その確認をさせていただきます」

このように明確に宣言すればいいのです。

営業にはプロセスがありますが、目的が曖昧だと、今日がどのプロセスかを見失ってしまうことにもなりかねません。

顧客側が、商談内容を完璧に把握していて、今日がどのプロセスであるかを理解しているとは限りません。むしろ理解していないことがほとんどです。

目的を設定することで、商談の方向性を規定し、散漫になることを防ぎます。

新人営業が、ヒアリングもできていない段階で価格提示だけをしてしまうようなミスは、商談の目的がはっきりしていないから起きるのです。

新人の頃は特に、目的を宣言することを意識してください。


商談の進め方


商談の進め方を決めることも、ペースを握る上では効果的です。

「今日は、まず私から、いくつか質問をさせていただきます。その後、御社の課題を私なりに整理させていただきますので、ご意見をください」

「今日は、私が先に説明をさせていただきます。その後、ご質問をいただきますので、よろしくお願いいたします」

などと言えばいいのです。


商談時間


商談の期限や時間配分を決めることも大切です。

「今日は、午後5時までお時間をいただけるということでよろしいですね」

「今回は大切な企画ですから、30分ほど質問のためのお時間をいただいてよろしいでしょうか」

というように、時間を決めることで、商談時間を確実に確保できます。また顧客の貴重な時間を無用に使うことの抑止にもなり、安心感を与えます。


このように進行を規定することで、商談をスムーズ進めることができます。

商談をうまくコントロールすることは着実な成果につなげる第一歩です。

新人の頃から、その意識を持っていることが重要です。

ソニーは業績向上だが、ショボいとも感じる

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ソニーが復活してきています。

2019年3月期の連結売上高は8.6兆円。営業利益8900憶円。株式時価総額は9.7兆円。堂々たるものです。

パナソニックの時価総額が2.8兆円ですから、その差は歴然としています。

パナはいまだに組織間の軋轢に苦しんでいるといわれています。というか、日本の大企業の殆どが、経営陣同士の確執や部門間の対立といった問題を抱えていると聞きます。

いまの日本企業の問題は、戦略ではないんですね。組織が重すぎて動けないわけです。

が、「One Sony」を打ち出したソニーは、いち早く組織の問題をクリアしたのでしょうかね。少なくとも、組織の問題にはフタをして、戦略方向性を打ち出しつつあるようです。

いまのソニーは、エンタメの会社


もっともその姿は、昔懐かしい「技術のソニー」ではありません。

いまのソニーは、プレイステーション(ゲーム機)やウォークマンを軸にしたエンタメの会社です。

ソニーは映画会社を傘下に抱え、スパイダーマンなどのヒットキャラクターを持っています。

映画ビジネスは当たりはずれが大きいものの、映画をテーマにしたゲームを作成することで、回収できる体制を整えています。

また豊富な楽曲を抱える音楽会社も持っており、ストリーミング配信で稼いでいます。

映画やゲーム、音楽といったコンテンツの販売は、利益率が高いので、一定量を超えると、非常に投資効率の高いビジネスとなります。

2000年頃からソニーを率いた出井伸之、ハワード・ストリンガーといった文系経営陣の戦略方向性が、ここにきて実を結んできたということでしょう。

アップルと比べると…


しかし、かつてのソニーを知る私などは、もの足りないなあと思ってしまいます。

ソニーと似たビジネスを志向したアップルは、売上高29兆円、営業利益7兆円、時価総額148兆円です。

アップルも、iPhoneを軸にして、様々なソフトを付加するビジネスです。(圧倒的にiPhone本体の売上が大きいですが)

アップル創業者のスティーブ・ジョブズは、ソニーに憧れていた時代があり、ソニーのやり方を真似た部分もあります。

ただし、アップルは、スマホという人類全てが手に取る可能性のあるものを生み出しました。据え置き型ゲーム機というニッチなビジネスに止まるソニーとの差がここに出てしまったわけですな。

ソニーの歴史を見てみると、スマホを生み出すための条件は全て揃っていたのに、生み出せなかったもどかしさを感じます。

イメージセンサに伸びしろ


ただ、ソニーは昔から、素晴らしい技術は持っているのに、それを大きなビジネスに活かせない傾向にあります。

おサイフケータイに使われた「フェリカ」とか、やりようによっては、巨大ビジネスになっていたでしょうに、もったいない限りです。

実はいま、監視カメラなどに使われるイメージセンサーは、ソニーが50%のシェアを占めています。

今後、市場が拡大することが確実視されるビジネスです。むしろ、この分野にこそ伸びしろがあります。

「技術のソニー」面目躍如のチャンスです。ここは、うまくビジネス化してほしいと思いますね。

アップルの天下も続かない


ちなみに我が世の春を謳歌するアップルも、iPhoneに頼りすぎるビジネスは、脆弱なんじゃないかと言われ始めています。

スティーブ・ジョブズなら、次の柱を開発していたでしょうが、今の経営陣は、iPhoneの価格を上げたりして、収益を落とさないことに躍起になっています。

今の経営では、伸びしろを感じませんね。

フィンエアーの「弱者の戦略」

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フィンランドの航空会社フィンエアーによる見事な「弱者の戦略」事例です。

世界ランク62位、欧州でも15位という平凡な航空会社が、日本との航空路シェアで1位となっています。

アジアでも規模の大きな中国ではなく、あえて日本を選択した戦略が機能したようです。

「最短距離」という強みにフォーカス


同社の戦略は、日本と欧州を結ぶ最短距離が、シベリア上空を突っ切ることであるところから組み立てられています。

その場合の欧州の窓口は北欧です。

つまりフィンランドを拠点とする同社とすれば、地の利がある戦略です。

日本と欧州路線では、10時間〜12時間かかるのが普通ですが、北欧便なら9時間台で行けるそうです。

わずか数時間ですが、この差が大きいらしい。10時間を超えると、かなりキツイのだとか。私はこんな長い空旅はしないのでピンとはきませんが、記事の作者はそう言っていますね。

地方空港をハブ化して、メジャー化をうかがう


そこで同社は、ヘルシンキ・ヴァンター空港をハブにして、欧州や中東各地に乗り継ぎできるようにしています。

日本から来る、あるいは日本に行く場合は、とりあえずヘルシンキを経由させようという思惑です。

これに加えて、日本の新千歳空港をハブ化する構想も持っていて、欧州の人がアジアに向かう場合も、とりあえず新千歳に寄ってもらおうと図っています。

北欧と日本というマイナー路線から、欧州と東アジアというメジャー路線をうかがう野心を見せているということですな。

「勝ちやすきに勝つ」というのは、弱者の戦略の基本原則ですから、その局面をレバレッジにして、大きな需要をとろうとする典型的ですが見事な弱者の戦略でした。





「テスト受注」は営業の醍醐味だ!

テスト受注
(2020年1月23日メルマガより)

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営業活動には、プロセスがあります。

アプローチ、ヒアリング、プレゼンテーション、クロージングという4段階です。

(もう少し大きくとらえる場合、リストアップとアフターフォローを前後に付け加えます)

この4段階は、どのような業界であっても当てはまります。

営業をする方は、まずはプロセスを意識してください。


営業は4つのプロセスでできている


アプローチとは、顧客に接触し、信頼関係を築く段階です。

ヒアリングとは、顧客から本音としての悩みや要望や課題を引き出す段階です。

プレゼンテーションとは、課題を解決するための的確な提案をする段階です。

クロージングとは、契約を結ぶ段階です。

営業に慣れない人は、この4つの段階がわかっていません。

アプローチの段階なのに、顧客に言われるがまま見積もりを提出してしまったりします。

信頼関係もできていないのに、いきなり見積もりを出せば「高い」と言われるだけですよ。

きちんとプロセスが理解できていれば、このような間違いは起きません。

営業活動する上で、今日はどの段階にあるのかを常に意識してください。


「アプローチ」が最も重要


さて、この4つのプロセスの中で最も重要な部分はどこでしょうか?

全部重要です。

が、敢えて、優劣をつけるとすれば、「アプローチ」が最も重要だといえます。

アプローチは営業の入り口です。アプローチがなければ、営業が始まりません。

契約をするためには、的確な提案が必要です。提案のためには真の課題をつかんでいることが重要です。真の課題を引き出すには、本音を聞き出せる信頼関係が必要です。

つまり、信頼関係を作る段階であるアプローチがダメならば、すべてうまくいかないのです。

アプローチが最も重要である所以です。


前回のメルマガで、そのアプローチの一つの役割である顧客訪問件数について書かせていただきました。

今回は、もう一つの役割である信頼関係をどのようにして構築するかを書きたいと思います。


新規開拓で信頼関係を築く難しさ


顧客訪問を重ねることで、顧客とは馴染みの関係になることはできます。しかし、それだけで、ビジネスにおける信頼関係ができたというわけではありません。

やはり、ビジネスをする上での信頼関係は、仕事内容で築くものでしょう。

新規開拓営業をする場合は、特にそうです。

いくら熱心に通ってくる営業だったとしても、よさそうな人だったとしても、仕事の取引を始めるには、ハードルがあります。

0から1へのハードルは相当です。

新規開拓営業は、既存顧客への営業よりも、何倍も難しいものなのです。


「テスト受注」が信頼関係のカギ


顧客心理として、いくら気に入った営業だったとしても、いきなり大きな取引を任せるのは怖いものです。

できれば、最初の取引の前に、仕事ができる相手かどうか、確かめたいと思うでしょう。

だから、まずは小さな取引を任せてみて、信頼できる相手かどうか見極めたい。

いわば「テスト発注」です。

営業側からすると、この「テスト受注」に合格して初めて取引ができる相手だと認められます。

だから最初の小さな取引はすこぶる重要です。何としても合格しなければなりません。


ただし、気を付けなければいけないのは、テスト受注が、小さな取引というような分かりやすい形で行われるとは限らないことです。

顧客も無意識のうちに、信頼に足る営業かどうかを確認しているのですから、テスト受注は様々な形をとることがあります。

例えば、それまで仕事の話にならなかった顧客なのに、突如「一度、企画書を持ってきてよ」と言われることがあります。これは、テスト受注でしょう。

この時の企画書は完璧を期してください。

内容も充実したものを提供すべきですが、時間も大切です。一週間後にのんびり持っていくようなことはせず、翌日か翌々日、顧客の気持ちが冷めないうちに持っていくべきです。

内容でも、姿勢でも、取引する上で信頼できる営業だと認められなければなりません。

このほか、サンプルを持ってきてほしいと言われることもあります。パンフレットを多めに持ってきてほしいと言われることもあります。展示会の日程を聞かれることもあります。競合他社との比較表を作ってきてほしいと言われることもあります。

要するに、顧客がそれまでとは違う動きを見せたり、要望を伝えてきたりした時は、テスト受注だと思うべきです。

テスト受注に合格すれば、取引に大きく近づきます。不合格ならば、これまでの関係構築への努力が無駄になります。

営業としての正念場の一つだという自覚を持たなければなりません。


「テスト受注」の繰り返しで信頼関係は深まる


既存顧客との取引においても、テスト受注があります。

通常の取引とは違う要望をされた時などが、それです。

たとえば、企画書のパワーポイントのデータがほしいと言われたり、これまでの取引データをまとめてほしいと言われたり、工場を見学させてほしいと言われたり、展示会に上司と一緒に行くと言われたりするようなことです。

明らかにこれまでのルーティンにはなかった要望や依頼を受けた時は、テスト受注ではないかと考えてください。

既存顧客によるテスト受注は、信頼関係を深めるチャンスです。

顧客がそれまでと違うことを要望するには、何等かの理由があるものです。

取引を拡大したいと思っているのかもしれません。大きなプロジェクトの候補に挙がっているのかも知れません。重点取引先に選定されようとしているのかも知れません。(反対に、仕入れ先整理の対象になっているのかも知れませんが…)

その真意を聞き出し、読み取り、完璧な答えを出すことです。

顧客が本当に困って助けを求めているのかも知れません。そういうこともあるでしょう。発注ミスがあって急な追加注文をしてきたり、現場でのサポートが急遽必要だったり。

そんな時に「先方のミスだから知らない」などと言っていては、営業失格です。

ミスは誰にだってあるものです。それをカバーするのが営業です。

営業は常に顧客の味方であるべきです。こんな時こそ、無理をしてでも顧客を助けなければなりません。

場合によっては、自分の会社と喧嘩しなければならないかも知れない。それでも、営業には無茶を通さなければならない時があるのです。

本当に困った時に助けられた人は、あなたのことをどう思うでしょうか?

恩に着せる必要はありませんが、そういうことの積み重ねで、信頼関係は深まっていくのだと覚えておいてください。


「テスト受注」をつかむと、営業人生が充実する


営業をある程度の期間やっていると、深い信頼関係で結びついた得意客が何人かいるものです。

私にだっています。

会社を辞めて15年以上経ちますが、いまでも飲みにいきます。仕事の細かな内容はもう思い出せませんが、信頼関係は残っているのですね。

思い返すと、あの時の営業対応があったから、絆が強まったのだな、と思える場面がいくつかあります。

長い付き合いの中でも、ほんの1度か2度のことです。確かに、あの時、少しは頑張りました。

あのほんの少しの頑張りが、その後の私の営業成績を支え続けてくれたお得意様を作ることになったのだから、営業というのは派手なパフォーマンスではありませんね。小さな、ほんの小さな努力の積み重ねです。

逆に、せっかくのテスト受注に気づかず、スルーしていたらと思うとぞっとしますね。

気づくか、気づかないか、紙一重ではないでしょうか。

私もたまにしかありませんでした。たぶん、気づかないことも多かったのでしょうね。でも、たまに気づいたから、今があると思っています。優秀な人は、もっと多くの機会をつかんでいるのでしょうね。

営業成績が上がらないという人は、顧客訪問してませんね。

顧客訪問

(2020年1月9日メルマガより)

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営業成績が上がらない。。。と悩んでいる営業の方がいらっしゃるなら、やるべきことはひとつです。

もっと顧客訪問をしてください。

私がみたところ、ほとんどの営業組織で、訪問件数と成績は高い相関関係を示しています。営業活動において、訪問することは非常に重要なことなのです。

とにかく成績のいい営業は、よく訪問しています。

相当のベテラン営業でも同じです。普段はあまり動かず、ピンポイント訪問で目標達成を続けているような人はいません。少なくとも私は知りません。

そういう人がいるとすれば、隠しているだけですよ。努力は人に見せない、という価値観を持った人なのでしょう。

いまはそんな価値観は捨ててください。どういう努力をすれば成績が上がるのかは、チームで共有すべきです。


訪問件数が、営業成績に直結する


訪問するからこそ顧客の様子がわかるのです。顧客の本音を読み取ることができます。
現場で実際に起きていることを目の当たりにできます。

営業が訪問したというだけで、注文を受けることがよくあります。ただの偶然だと思うかも知れませんが、それも営業活動です。

新人の頃は、そんなタイミングを拾うような営業活動でもいいじゃないですか。なるべく多くの取引先を訪問してください。

顧客にとっても、顔を合わせて会話をかわした相手の方が信用できます。しばらく見ない相手よりも、最近顔を見た相手に注文を出したくなるのが人情です。

人は会えば会うほど親しみがわくという特性もあります。信頼関係を作る上で、頻繁に顔を合わせることは効果的です。重要だと思う顧客には、さらに訪問件数を増やせばいいのです。

訪問件数を上げることは、営業が成績を上げる最大の秘訣だと言っていいでしょう。


新規開拓営業では、さらに訪問件数が重要


新規開拓営業においては、なおさら訪問件数を増やすことが重要になってきます。

新規開拓営業は、アプローチしないことには始まりません。

確かに、アプローチしたからといって成果に結びつくとは限りませんよ。

実際のところ、接触した見込み客のほとんどは様々な理由で、取引に至らないことでしょう。それでも接触しなければ、成果に結びつくことがないのです。

新規開拓営業は、確率論の世界です。アプローチした中の数パーセントか十数パーセントしか取引にまで至りません。これは相当のベテラン営業でも同じです。誰が取り組んでも、成功確率はさほど変わりません。

ということは、新規開拓営業で成果を出すには、アプローチ数を上げるしかありません。厳然たる事実です。営業テクニックよりも、単純なアプローチ数がものをいうのです。

新規営業の成功の秘訣は、アプローチ数を増やすこと、それだけです。


新人営業は特に、訪問件数に注力せよ


つまり、ルート営業においても、新規開拓営業においても、成功の秘訣は、訪問件数を増やすことなのです。

営業とは、質より量がものをいう世界です。

特に新人営業の頃は、営業テクニックを望んでも仕方ありません。それならば、確実に成果を上げられることに集中しましょう。

新人営業の頃は、顧客訪問そのものに怖気づいてしまうかも知れません。

だけど、自信がないから訪問できない、では始まりませんよ。誰もが通った道です。

営業訪問を繰り返すことで、営業としての経験値が増し、営業としての技術も身につくのです。営業量が、いつしか営業の質を高めることになっていきます。

訪問件数を上げることはメリットばかりです。デメリットはありません。とにかく、営業として生きていくなら、顧客訪問を繰り返してください。


時間が足りないという言い訳が多い


とは言いながら、営業全員が充分な顧客訪問をしているわけではありません。

全員がしっかりと訪問していたら、みな成績はいいはずです。実際は、行かなければいけないと思っていながら、動けていない営業も多いようです。

なぜ、訪問数に差がでるのか。

訪問件数が少ない営業にわけを尋ねてみると、たいていは、時間が足りないと答えます。

ある意味当たり前です。

今は営業が余っている会社などありません。どこも少ない人員でやりくりしています。だから一人が受け持つ取引先の数は多くなっています。

時間が足りないと言ってフリーズしている人は、すべての顧客先に等分に訪問しようとしているのではないですか?

そんなことをしていたら、時間が足りなくなるのは当たり前ですよ。


顧客訪問のスタートは、訪問計画を立てること


営業訪問にはメリハリをつけなければなりません。

行くべき重要な顧客には、とことん訪問し、今行かなくていいと決めた顧客には、訪問しなくていいいと割り切ります。

顧客訪問とは、この訪問計画を立てるところから始まります。

訪問件数が少ないという人は、訪問計画を立てていないか、計画が甘いのです。

訪問計画は、努力目標なんかではありません。必達目標です。だから現実的な計画を立ててください。

行動目標がないと、訪問なんてできません。

なにしろ営業の仕事はエンドレスです。情報の整理、営業資料や企画書の作成、報告書の作成、営業会議への参加、クレーム電話への対応、営業所内にいるだけで仕事が湧くように出てきます。

空いている時間などないのですから、計画がなければ、訪問などするはずがありません。つまり行動計画を疎かにする営業は三流で終わります。


では、重要顧客をどのように選ぶのか?と言われそうですが、それはおいおいこのメルマガで説明していきます。(過去のメルマガで書いていますが)

ここではとりあえず、自分で考えて重要顧客を決め、訪問計画を立て、確実に実行することを心がけてください。

もう一度、言いますが、訪問件数は営業成績に直結します。

とっても簡単な地域営業の始め方

地域営業の


(2019年12月12日メルマガより)

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営業活動をする上で、「地域」は切っても切れないものです。

日本の場合、高度成長期の営業活動は、地域戦略とともにあった感があります。

ランチェスター戦略にも「地域戦略編」があるぐらいです。

インターネットが発達した今は、多少状況が変わったのでしょうか。地域という枠から自由になった企業もあるでしょうね。

しかし、依然として大半の企業では、営業活動において、地域戦略は重要な位置を占めています。

だから現場で営業活動に携わる者は、まずは自分自身の営業地域をよく観察し、理解することから始めなければなりません。


オリジナルの地域地図を作る


昔は、地域の白地図が、営業活動の重要ツールの一つでした。

本屋さんなどには、着色のない地域の白地図が販売されていたものです。

そこに、自社の営業拠点や、取引先、見込み客、ライバル会社などを書き込んで、営業計画を練った経験のある方もいらっしゃるでしょう。

訪問した先は色をつけて、取引先には赤いピンを打っていく…みたいな使い方をすると、営業活動の成果が立体的なビジュアルで見えて、臨場感があります。

けっこう盛り上がるものですよ。

いまはインターネットでグーグル地図をモノクロでプリントアウトすればいいですね。便利な時代になったものです。


使い方は昔と同じです。

自社拠点(営業所)をまず書き込みます。

次に取引先。

取引はないが可能性のある見込み客。

それぞれ色を変えて書き込んでいきます。

一般家庭が顧客になっている場合は、一軒一軒書き込むのは大変ですから、地図をさらに細かなエリアに分けて、マンションの多いA地区、古い家が多いB地区…といった感じに、区切っていきます。

次に書き込むのは、ライバル会社の拠点です。

ライバル会社の取引先もできる限り書き込んでいきます。

色によって、自社取引先が多い地域、ライバル会社の取引先が多い地域が一目でわかるようになればいいです。


こうしたエリア地図を作るだけで様々なことが見えてくるはずです。

自社拠点の近くには自社の取引が多いのか?

取引先は各地に散らばっているのか?それとも一か所に集中しているのか?

ライバル会社の拠点の近くにも、自社の取引先はあるのか?

ライバル会社は、自社の近くにも進出してきているのか?

そうしたことを考えながら見てください。何か気づくことがあれば、それだけで意味があります。


まずは地元を固める


地域営業で注意すべきは、拠点からの距離です。取引先が自社拠点から離れているところばかりなら、営業としての効率がいいとは言えません。

営業活動にとって移動時間は避けようがないロスとなります。訪問するだけで2時間もあかかる距離にある取引先はそれだけで半日以上とられてしまいます。

本当にその取引先には訪問すべきなのでしょうか。

実際のところ、取引先への訪問効率を上げるだけでも、営業成績が向上することがほとんどです。

過去からの慣習で、距離が遠い取引先に時間をかけて訪問し、すぐに行くことができる地元の取引先への訪問を疎かにしている場合があります。

非効率は知らず知らずのうちに入り込んできます。

取引先への訪問計画は、定期的に再考すべきものです。


地域営業の基本は、地元を固めるという姿勢です。

地元に近ければ近いほど効率的です。

現在、営業拠点に近いのに取引がない見込み客はいませんか?

通常、拠点に近ければ近いほど、取引しやすくなるはずです。距離的に訪問しやすいというだけではなく、地元意識も有利に働きます。

案外、近すぎて死角になっているところがあるかも知れませんよ。

自社拠点の近くにライバル会社の進出を許すのは危険です。小さな綻びが大きな裂け目となってしまう恐れもありますから。


反対に、ライバル会社の拠点の近くに自社の得意先はないでしょうか。

あればどういう理由でしょうか。

ライバル会社が近くにあるのに、わざわざ自社と取引しているのはどういう理由があるのでしょうか。

そんな通常とは違う部分には、営業のヒントが隠されています。その理由を理解すれば、ライバル会社の弱点や、自社が勝てる方法が見つかるかも知れません。


その意味でも地元を固めることは重要です。

普通、ライバル会社の近くにある顧客を奪おうとは思いません。

どんな会社だって地元を固めようとしています。奪われたら意地になって奪い返しにくるでしょう。

それなのに、地元の顧客をやすやすと奪われてしまったら、ライバル会社はどう思うでしょうか。

営業が弱い、隙のある会社だと思うはずです。そんな会社は狙い撃ちされてしまいます。

いまは手付かずのまっさらな顧客などいません。

新規開拓は常にライバル会社の取引先です。

奪うならば、隙のある弱いライバルからだ、なんて思われたら厄介ですよ。


第二の営業拠点を作る


地域営業のもう一つの基本は、地元以外の場所に拠点となるべき場所を作っていくことです。

地域の地図をみて、地元以外で自社の得意先が集中している場所はないでしょうか。

もしあれば、そこは第二の拠点です。取引先が集まっている拠点ならば、訪問効率もいいし、取引先同士の口コミ効果も期待できます。

取引先が多いというだけで優位性を発揮できるのです。

こういう場所は、守りやすいし、これからも拡大していきやすいと言えます。

過去の営業担当者が努力してつくってくれたものでしょう。大切にしたいものです。


これから新たに拠点を作っていくにはどうすればいいのでしょうか。そこに現担当者のオリジナルな営業余地があります。

やはり地域地図をよくみてください。

県境や幹線道路の外れ、川向こう、行き止まりとなる港など死角となっている場所はありませんか。

自分が行きにくいと思っている場所は、ライバルも行きにくいと思っている場所の可能性があります。

そんな自社にとってもライバルにとっても手薄となっている場所を狙ってみるというのはどうでしょうか。

先ほど、距離的に行きにくい場所は効率が悪いと言ったばかりなのに、矛盾しているように思えるかも知れませんね。しかし、一見、行きにくい場所も、取引先が増えて拠点となれば、一気に効率性が上がります。

つまり戦略的に拠点を作るのです。

過去の営業担当者は、そうやって拠点を作ってきたのです。新しい拠点を作れば、それはあなたがその地域に残した爪痕であり、功績となります。

コンビニ業界 生き残りを賭けた「弱者の戦略」

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「戦略勉強会」でとりあげたネタです。

大手3社で寡占化し、成熟化してしまったコンビニ業界の話です。

小さなコンビニチェーンが、「弱者の戦略」を使って生き残りを図っているらしい。

それぞれの「弱者の戦略」


記事にあげられているのは、3つ。

病院内への出店で存在感を示すポプラ(の生活彩家)

→閉鎖商圏と記事では呼んでいます。路面店が成熟しつつある今、施設内や企業内などのクローズな場所がねらい目となっています。思えば、駅構内も閉鎖商圏ですね。ちゃんとJR系のコンビニがあります。企業規模や施設規模によっては、それなりに大きな市場になるかもしれない、ということで、大手3社も虎視眈々と狙っているようです。


無人店舗の運営およびプロデュースを手掛ける国分グローサリーチェーン。

→無人コンビニはトレンドですね。アマゾンも手掛けています。が、こちらは、もっと簡便な自動販売機の延長のようなものでしょうか。同社の特徴は、自社で運営するだけではなく、システムを提供し、運営の支援をしているところです。上の閉鎖商圏とからめて考えると、需要は大いにありそうです。

店内調理を徹底するGOOZ

→大手コンビニの効率性追求の逆をいく戦略です。店内調理にこだわっています。その分、ATMとか便利なものを省いているそうです。これはもはやコンビニではないのでは?

もっと早く手掛けていれば、それなりの勢力になっていたのでは


いずれも生き残るために、市場の変化に適応しようと頑張っておられます。

こういう努力には頭が下がりますな。

ただ、もっと前に取り組んでいられなかったのだろうか、と思わなくもない。

市場が成長している時は、前に倣えの戦略が儲かるんだ!と言われればその通りですが、成熟化を見越して、早いうちから独自路線をいく企業もあります。

古いですが、靴といえば何でも売れる時代に、あえてバスケットシューズだけを作って市場を占拠した鬼塚商会(アシックス)とか。

農家のコンビニを標ぼうして大量出店を成し遂げ、極小ホームセンターというジャンルを確立したコメリとか。

小さな市場であっても、トップ企業となれば、存在感があります。容易に倒れません。結局、生き残るのは、小さな市場であっても、がっしりとした顧客基盤を作ってしまった企業です。

閉鎖商圏というのは、ニッチトップを生みやすい市場のはずですね。ポプラがもっと早く取り組んでいれば、今頃、第4勢力になっていたんじゃないかなーと思うわけです。








新人営業が自信を持つために最初にすること

新人営業が

(2019年12月12日メルマガより)

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先日、ある企業で、新人営業向けの研修を実施させていただきました。

やはり新人はいいですね。

素直ですれていません^^

こんな素直な時期に、適切な指導を受けれることができれば、幸福です。

余計な回り道をすることなく、正しい方向に努力すれば、大切な会社人生を有意義に過ごすことができるでしょう。

そんな適切な指導役になれるように尽力いたしました。何年か後、あるいは何十年か後「ああ、あの時の研修はよかったなあ。あの研修で、営業という仕事が理解できたんだな」と思い出していただければ講師冥利に尽きます。


顧客先に行く営業は自信を持つことが大切


ただ新人営業あるあるですが、どうしても営業という仕事に意気を感じない人もいらっしゃるのですね。

これは困ったものです。その会社の方も言っていましたが、採用面接の時は軒並み「営業志望です」というものの、入社してしまえば、営業だけは行きたくないと言い出す人がいるのだとか。

営業って嫌なイメージがあるのでしょうかね。

きつい。つらい。しんどい。無理難題を押し付けられる。嫌な客に頼み込んででも買ってもらう。

先輩や上司は体育会系。絶対服従。ちょっとしたミスにもどやされる。

きついノルマがある。毎月ノルマが追いかけてくる。達成できないと落第生のように扱われる。

正直に言って、私も新人の頃はそう思い込んでいました。

しかも、いくつかは当たっていました^^;つらいことも確かにあります。

しかし、決して人間性をすり減らすような仕事ではありません。プライドを捨てなければ務まらないようなものではありません。

むしろ営業は、どんな仕事よりも誇れる仕事だと思っています。

新人営業の方は、ぜひとも、営業という仕事に誇りを持ち、自信をもって取り組んでいただきたいと思います。


営業は顧客に最も近い存在


営業は、あらゆる仕事の中で、最も重要な存在です。重要ではない仕事などないのですが、その中でもいちばん重要なのが営業です。

なにも私が営業畑の人間だからそう言っているわけではありません。いや、それもあるか。

でも、私なりに根拠があります。

考えてみてください。

ビジネスで最も大切な存在は顧客です。すべてのビジネスが、顧客から商品やサービスの代金をいただいて成り立っています。顧客以外に会社に収入をもたらすものはありません。それはわかっていただけるでしょう。

そんな大切な顧客にいちばん近い存在が営業なのです。

営業は日々、顧客と接しています。顧客担当者と身近に接して人となりを分かりあい、その顧客の会社の雰囲気や動きをよく知っています。

担当者を通じて、顧客の会社の状況を把握し、時には経営者と挨拶したり、意見を交わしたりしているかも知れません。

つまり、いちばん大切な顧客のことを、いちばん知っているのが営業なのです。

会社のどんな職種や役職の人も、企画も、技術も、生産も、経理も、個別の顧客のことを知りたければ、営業担当者に尋ねるしかありません。

営業担当者が代弁する顧客の声には、社長といえども耳を傾けなければなりません。


営業が強い会社は生き残ることができる


なにしろ、商品の生産計画も、新商品の企画も、設備の投資計画も、顧客の考えや動く方向を無視しては作ることができません。

顧客の動向や変化にあわせて、会社の在り方も変えていかなければ、厳しい競争を生き抜くことはできません。

要するに、顧客の考えを理解できなければ会社は存続できません。

個別顧客のことなどいちいち気にかけていられるか、大げさだなあ。と思う人はいますかね。もしそういう人が上層部にいる会社があれば、賭けてもいいです、その会社は長くありませんよ。

その意味でも、会社はひとりひとりの営業担当者に大きな期待を寄せています。

優秀な会社は営業を大切にします。

そんな会社には優秀な営業が育ちます。

優秀な営業が多く育っている会社は、とても強い競争力を持つことになり、長い間、生き続けることができるはずです。


顧客にとって営業は会社を代表する存在


いっぽう、顧客側にとっては、営業はその会社を代表する存在となります。顧客は常に、営業を通じて会社と接しているからです。

担当する営業が、しっかりしていて好感の持てる人であれば、会社そのものの印象もよくなります。

逆に、営業がだらしなくて軽薄な人間であれば、そのような会社なのだろうと見くびられてしまうでしょう。

だから、新人営業だからといって気を抜いてはいけません。いい意味でも悪い意味でも、営業は会社を代表する人間とみられるのです。

営業は単に指示された商品を売りに行くだけの「売り子」などではありません。

営業とは、会社にとって顧客に最も近い存在であり代弁者です。

顧客にとっては、会社を代表する存在です。

そのように非常に重要な存在であることを忘れないようにしてほしいものです。


新人営業でもできる努力をせよ


そんなこと言っても、自分は新人だし、会社の代表だなんて荷が重いよ。そう言いたくなるかも知れませんね。

それはそうですね。新人にベテラン営業と同じように振舞うことなどできないでしょう。

それは、顧客側も充分にわかっていますよ。

無理に、背伸びするような必要はありません。新人営業だから、丁々発止のやりとりなど不可能です。的確な質問ができないかも知れませんし、顧客の思いを正確にくみ取ることができないかも知れません。

それでも、営業は営業です。

姿勢だけでも前向きに、自信をもって臨んでください。

って、そんな自信が持てたら苦労はしませんか。


でも自信を持つことは大切なことです。自信がなくておどおどしている営業をみれば顧客は不安になります。そんな担当者には、何かを依頼しようなんて思いません。それどころか、この先も期待できないと判定されてしまいます。

もしあなたが新人営業で、これから客先に行かなければならないとしたら、たとえ先輩や上司と同行だとしても、営業としての自信を持ったうえで、客先に行ってください。

新人でも自信を持てる方法があります。

それは、自社商品や技術について、マニアックなぐらい知り尽くすことです。

できれば先輩や上司が知らないようなことまで知識として持っておいてください。折に触れて、先輩が商品の細かなスペックについて尋ねてくるほどの知識を身に着けてください。

それなら、経験が乏しい新人営業でも、努力次第でなれるはずです。

顧客も、経験の浅い営業に、高度な交渉力を求めているわけではありません。

価格決定の裁量権がなくても、驚くに値しません。

でも、自社商品の知識を充分に持っていないのは、ただの勉強不足で怠慢です。これはさすがに呆れられるでしょう。

だから新人営業が顧客に認められるために最初にやるべきことは、自社商品やサービスに関することをとにかく理解することです。

細かなスペック、特徴、メリット・デメリット、アフターサービス、開発の背景、販売施作、売れ行き、市場シェア。できれば類似商品やサービスの理解もほしいですね。

自社商品について隅々まで細々とした部分まで知っているということは、営業として当たり前のことだとはいえ、顧客に重宝される存在になります。

それがあなたの自信になるはずです。

自信のある営業に顧客は信頼感を抱きます。信頼できる営業には、顧客も本音を漏らします。顧客情報を得られる営業になっていきます。

そういう意味で、自信を持つために行う努力が、あなたの営業としてのキャリアの最初の一歩となるはずです。

きっと大きな一歩になるでしょう。

創業以来の危機に陥るアシックスは復活できるのか?

アシックス

(2019年11月28日メルマガより)

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2年前、テレビで「陸王」というドラマが放送されました。「半沢直樹」と同じ池井戸潤原作の熱い企業ドラマです。

倒産寸前の老舗足袋メーカーが、マラソンシューズの開発に活路を見出し、業績を回復させていくという内容でした。

足袋の形状をそのまま使った軽量薄型のシューズが有望選手に採用され、大手メーカーのシューズを履いたライバル選手を打ち負かします。それとともに足袋メーカーも、スポーツシューズメーカーとして復活するという話になっていました。

物語のキーとなるのが、足袋のような形状の薄底シューズです。普通のマラソンシューズに慣れた身からすると何とも新鮮で、ストーリーも面白かったのですが、シューズのインパクトが絶大でした。

確かにマラソンという競技の性質上、シューズは軽量である方が有利なはずです。足袋ならば、最も裸足に近いと思えます。現在放送中のNHK大河ドラマ「いだてん」でも、主人公のマラソンランナーは、足袋を改良したシューズで走っており、なるほど理にかなっているのだろうなと思えました。


「陸王」というドラマの中で、ライバルとなるのが大手シューズメーカーです。有望選手を囲い込み、豊富な資金を投入して、シューズ開発に取り組んでいる様子が描かれます。

しかもその大企業、怪我をした選手は見込がないと切り捨て、怪我が癒えるとまたすり寄ってくるという節操のなさで、選手の気持ちを踏みにじる傲慢な悪役として露骨にイメージづけされていました。

そんな強力な大企業に対して、小さな足袋メーカーが、特殊技術を使って渡り合う姿が痛快だったものです。

が、現実の世界は、様相が違うようですよ。


マラソン界を席巻するナイキ製シューズ


いま世界のマラソン界は、記録ラッシュに沸いています。

特に今年後半から開催されたレースにおいて、男女とも好記録が連続しています。

その極めつけが、今年10月、ケニアのエリウド・キプチョゲ選手が記録したフルマラソン1時間59分40秒という驚異的なタイムです。

もっともこれは、ペースメーカーがレースを引っ張る記録ありきの大会なので非公式記録とされています。

それでも人類史上はじめての2時間切りは、世界を駆け巡りました。

オリンピックを来年にひかえ、世界のマラソン界は、突如として高速レースに舵を切ったようです。


が、ここにきて、好記録ラッシュに懸念を示す声も出てきています。

なぜなら、好記録を出す選手のほとんどが、ナイキの特殊なシューズを履いていたからです。

2018年のメジャー大会(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)において、男女優勝者12人のうち、8人がナイキのシューズを履いていました。

3位までに広げると、36人のうち25人がナイキです。


厚底シューズが規制される可能性も


そうなんですね。

近年、マラソン大会での上位入賞者のほとんどがナイキのシューズを履いているのです。これでは、シューズそのものに記録を縮める要素があると思われても仕方ありません。

競技者は、1分1秒を縮めるために身を削る努力をしている人たちです。シューズでタイムが縮まるのなら、これを履かない選択肢はありません。

いまやマラソン界は、ナイキのひとり勝ちです。

トップランナーたちが我先にとナイキのシューズを採用する状態となっています。


ナイキのシューズは、反発力のあるカーボンファイバープレートを靴底に使っていることが特徴です。

これを航空宇宙産業で使う特殊フォームで挟んでいるので、靴底が厚くなったものの軽量のままです。

反発力があるというのは、さながらバネをシューズに仕込んでいるようなものではないですか。

マラソンに必要な反発力(推進力)が得られると同時に、足へのダメージが軽減されるという画期的なシューズです。

これを履いたランナーは有利なはずですよ。

特定のテクノロジーが記録に影響するというのはいかがなものか、と思いますよね。


これで思い出すのは、一時期水泳界を席巻した特殊水着(レーザー・レーザー)の件です。好記録を連発する特殊水着をトップ選手たちがこぞって採用する状況でしたが、国際水連が禁止するに至りました。

いま国際陸連も、厚底シューズの特異性に気づいて「やりすぎなテクノロジーはいかん」と警告するに至っていますから、禁止される日も近いのかもしれません。




唯一の強みを奪われたアシックス


このあおりを一番受けているのが、日本最大のスポーツ用品メーカーであるアシックスではないでしょうか。

アシックスは、総合スポーツ用品メーカーですが、近年、祖業であるシューズにウェイトを置いてきました。

特にマラソンやジョギングです。

かつて、裸足でフルマラソンを走り切り、オリンピックで金メダルを獲得した英雄アベベにシューズを提供し、「アベベにシューズを履かせた男」として話題になったのが、アシックスの創業者鬼塚喜八郎氏でした。

マラソンシューズに掛ける熱情は人一倍で、近年では、高橋尚子や野口みずきら、オリンピック金メダリストに絶大な信頼を得ていました。

2004年のアテネオリンピックで優勝した野口みずきが、ゴールした際に、シューズにキスをした感動的なシーンを覚えている方も多いと思います。

あの時のシューズがアシックス製でした。

トップアスリートが履いているシューズを一般ユーザーも履きたいと思うのは自然なことです。

特にマラソンやジョギングは、誰でもできるスポーツですから裾野が広い。

だからこの当時のアシックスは、マラソンやジョギングシューズの王者として、世界を席巻していたものでした。

それがいまや、ナイキの特殊テクノロジーに完敗している状況です。

たとえ競技時に厚底靴が規制されたとしても、一般ユーザーにとって、足への負担が少ないシューズはありがたい存在です。

今年になってアシックスも厚底シューズを発売しましたが、遅きに失した感は否めません。

マラソン、ジョギングシューズの分野で、ナイキの優位性が揺らぐことはしばらくないと思われます。


「ナイキのマーケティングの負けた」


アシックスは、売上高3800憶円を超える日本最大のスポーツ用品メーカーです。

前進は鬼塚商会。戦地から帰還した鬼塚喜八郎氏が「裸足で過ごす貧しい子供たちにまともな靴を与えたい」という思いをもって創業したと聞きます。

靴の作り方も知らなかった鬼塚氏は、神戸長田の靴工場に修行に出て技術を習得しました。

当初、バスケットシューズ専業メーカーとして出発したのは、ニッチな分野で地位を確立すれば大手企業にもつぶされないという「弱者の戦略」を考慮してのことだったそうです。

バスケットシューズの世界で地位を確立すると、順々に競技分野を増やしていき、のちに靴全般、さらには総合スポーツ用品メーカーとなっていきました。

若い頃のフィル・ナイトが、鬼塚の靴にほれ込んで、卸売りを始めたのが、ナイキ創業のきっかけになったというのは有名な話です。

SHOE DOG(シュードッグ)
フィル・ナイト
東洋経済新報社
2017-10-27



ところがそのナイキが、いまや売上高4兆3000億円を超えるダントツの世界トップ企業です。

世界2位のアディダスが、売上高2兆8000億円超。

アシックスは世界9位で、ナイキとは、11倍以上の差が開いています。

なぜこれほど差が開いたのか?

いろいろ要素はあるでしょうが、その最も大きなものが、ナイキのマーケティング戦略です。

同社が広告宣伝にかける費用は半端ではありません。その一つが、各分野のトップアスリートを抱え込み、ナイキの商品を使用させるというイメージ戦略を徹底させたことです。

その戦略に賭ける意気込みはすさまじく、ゴルフのタイガー・ウッズ選手が出てきた時は、ナイキの利益の4分の1を契約金にあてて専属契約を結んだといいます。

それぐらいマーケティング関連投資には、糸目をつけませんでした。

ナイキほどグローバル販売の時代にマーケティング戦略をうまく使いこなした企業はないといえるでしょう。

いまナイキの広告宣伝支出は年間4163憶円です。アシックスの売上高を遥かに超えています。(アシックスの広告宣伝支出は331憶円)とても追いつける額ではありません。

かつて鬼塚氏が「われわれは、ナイキのマーケティングに負けた」と発言していたのが思い出されます。


創業以来の危機を自覚せよ


それでもアシックスが有望だと思われていたのが、マラソンやジョギングシューズの分野での地位が高かったからです。

2000年頃からは、広がった戦線を縮めるがごとくランニング関連分野に注力していきました。

アシックスは、海外売上比率が高く、グローバル化が進んでいる企業です。それはやはり、ランニング分野における知名度が高いからだと考えられます。

しかし、その虎の子ともいえる分野において、ナイキの攻勢を受けて、よもや占拠されてしまったわけです。

これはまさに、企業としての存在意義そのものを失ってしまうような事態です。

そのため売上利益とも急激に落ち込み、特に利益においては20年ぶりの最終赤字となりました。

これを創業以来の危機だと言わずして何を言おうというのでしょうか。


ランニング分野の奪還が至上命題


なかなかに厳しい状況です。

なにしろランニング分野に特化していたために、カジュアル商品に弱いという特徴があります。

確かにカジュアル分野は市場が大きいですが、ライバルも多く強力です。いまさらどうしようというのでしょうか。


それよりも、やはりアシックスがやるべきは、長年拠り所となっていたランニング分野を取り返すことでしょう。

幸いナイキの技術の進化は急激で、世界の流通を押さえきるところまでいってはいません。いまなら巻き返すことはできると考えます。

国際陸連の規制が入るかどうかはわかりませんが、トップアスリートの意見をよく吸い上げた上で、反発力が高く、負担の小さなシューズの開発を進めるべきです。

特にアスリートの足のダメージを軽減する方向に注力すべきです。それならば一般ユーザーにとっても利益の大きな開発となるからです。

これまで培ったランニング分野の技術の蓄積を総動員して、何としてもアシックスらしいランニングシューズの方向性を作ること。

これなくしては、アシックスの復活はあり得ないでしょう。


東南アジアに勝機を見出す


もうひとつ、アシックスは東南アジアで一定の知名度があります。

残念ながら、最大の消費地である中国で遅れをとっているようですが、東南アジア諸国では、鬼塚タイガーのブランドがある程度知られています。

だから、同社がまず注力すべきは、東南アジアです。

日本人アスリートを支援すると同じか、それ以上に、タイやベトナムやインドネシアのアスリートを支援すべきです。

もちろんランニング分野が第一です。これなくしては、アシックスはあり得ません。

それを前提とした上で、私なら、ナイキやアディダスが手掛けないアジアのマイナー競技に進出します。

できれば駅伝など、ランニング競技が望ましいですが、それに限りません。

かつて鬼塚商会は、バスケットシューズを皮切りに、多くの競技を開拓していきました。いまからナイキとまっこう勝負するのは無謀ですが、ナイキが手掛けない競技なら勝ち目もあります。

この競技だ!といま指摘するわけにはいきませんが、マイナーな中でも競技人口があり成長の見込めるものを見出してほしいと思います。


「弱者の戦略」を駆使した過去を思い出せ


ドラマなら小さな会社の持つ特殊な技術が大手企業の侵攻を食い止める働きを持たらすのですが、現実のビジネスではそうはいかないようですね。

現実のビジネスでは、販売力があり、資金力を得た企業が小さな会社を飲み込んでいくものです。

小さな会社が生き残るためには、弱者の戦略をとらなければなりません。

ランチェスター戦略の最も基本的な教えを思い出してください。

「勝てる局面で戦う」

ビジネスに強い者は、いつも勝ち戦しかしない者です。

そのために、市場を選び、差別化し、集中するのです。

「オニツカ錐もみ商法」といわれた弱者の戦略の使い手だった鬼塚商会のDNAを持つアシックスならば、必ずやこの苦難を乗り切ると信じています。

同じ戦略を志向する者として、復活を大いに期待しております。



井上尚弥がはじめての苦戦から得たもの

井上尚弥が

(2019年11月14日メルマガより)

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2019年11月7日、埼玉スーパーアリーナで開催されたWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)バンタム級決勝戦、井上尚弥vsノニト・ドネア戦は、多くの意味で衝撃でした。

井上の早期KO決着という大方の予想に反した12ラウンドの激闘。しかも井上がKO負け寸前まで追いつめられるという想定外の展開です。

戦前の予想を覆したノニト・ドネアの奮闘も素晴らしかったですし、それでも勝ち切った井上尚弥の底力には驚嘆しました。


世界チャンピオン同士の勝ち抜き戦 WBSS


WBSSとは、ボクシング多団体のチャンピオン級同士がトーナメント形式で闘って、チャンピオンの中のチャンピオンを決めようという壮大なイベントです。

いまボクシングの認定団体が乱立しており、それぞれが独自にチャンピオンを認定しています。

日本が認めている主要認定団体は4つ。WBC、WBA、WBO、IBFです。

体重差による階級も昔と比べて細分化されている(17階級)ので、いま世界チャンピオンといわれる人は、単純計算で68人いることになります。

しかも、認定団体ごとに正規チャンピオン、暫定チャンピオン、スーパーチャンピオン、フランチャイズチャンピオンなど独自制度を設けているので、わけがわからなくなっています。

これでは世界チャンピオンになってもいちばん強いという証明にはなりません。

そんなボクシングファンの混乱と不満を解消しようとして企画されたのが、WBSSです。

各団体のチャンピオン級猛者を集めて勝ち抜き戦をやるのだから、ここで勝った者が、真の世界一だということができます。

(それでも怪我したりして欠場した者が、本当はオレが世界一だ!と吠えていますが)


5階級制覇のレジェンド ノニト・ドネア


このWBSSバンタム級トーナメントにおいて、決勝まで勝ち上がってきたのが、日本人の井上尚弥です。

しかも1回戦では、ファン・カルロス・パヤノ(元WBAバンタム級世界スーパーチャンピオン)に1ラウンドKO勝ち。2回戦では、エマヌエル・ロドリゲス(IBFバンタム級世界チャンピオン)に2ランドKO勝ちという日本人史上最強だという実力を遺憾なく発揮しての決勝進出です。


これに対してもう一人の決勝進出者が、フィリピンの閃光という異名を持つノニト・ドネアです。

ドネアは、フライ級、スーパーフライ級、バンタム級、スーパーバンタム級、フェザー級の5階級で世界チャンピオンになったとんでもない実力者です。

一時期は、同じフィリピンの英雄マニー・パッキャオ(6階級制覇、とびとびで制覇していったので、実質の階級差は10階級)の後継者と目されていたものです。

しかし、さすがのドネアも重い階級では体格差に悩まされ、負けが込むようになりました。

5階級制覇のレジェンドも、いまや36歳。かつてのスピードは失われ、一発のパンチ力に頼る戦い方になっています。

このWBSSでも1回戦は相手の負傷によるTKO勝ち。2回戦は直前で相手が怪我で離脱、リザーブ選手相手に6ラウンドKOでしたが、内容はすっきりしたものではありませんでした。

ここまでの経緯をみると、井上の早期KO決着は確実だろうといわれるのも無理ありませんでした。


英国ブックメーカーの掛け率では、井上1.1倍、ドネア5〜6倍という一方的なオッズがつけられていたといいます。

試合直前には「ドネアは簡単な相手ではない」「井上の苦戦もありうる」という論調の報道が盛んになされましたが、それは試合を盛り上げようという意図が見え見えで、誰も本気にはしていなかったでしょう。

実は私も、3ラウンドまでに井上がドネアを倒すと予想していました。

それぐらい実力差があると思っていたのです。

ところが、そんな予想は見事に覆されました。

ドネア様、ごめんなさい。ですわ。


井上はなぜここまで苦戦したのか?


なぜドネアは、井上をここまで苦しめることができたのか。

これはもう経験値の差が出てしまったと言わねばなりますまい。

ドネアは、いまの能力でできることに集中しました。ノープランで闘えば勝てないでしょうから、勝てる作戦を立てなければなりません。

その作戦が全てうまくいったのがドネアで、そのため井上は実力を殆ど出せませんでした。

具体的にいいます。ドネアの武器は、井上に勝る体格、一発のパンチ力(特に左フック)、パンチのあてカン、パンチに対する耐久力、世界戦を何度も闘ってきた経験です。

この武器で勝てる闘い方を選択し、実行しました。


試合が始まって1ラウンドは、井上の実力が際立っていました。スピードの違いは歴然で、ドネアのパンチが届く前に、井上のパンチが命中するシーンが何度もありました。

1ラウンドを見る限り、早いラウンドでのKO決着は必至だと思えました。

そこに井上の油断があったのかも知れません。2ラウンド、ドネアの仕掛ける接近戦にやすやすと応じてしまいました。

井上とすればよもやパンチを貰うとは思っていなかったのでしょう。しかし、ドネアは身体を沈めてボディを打つと見せかけ、そのまま肩を縦回転させて井上の顔に左フックをぶち込みてました。

井上が唯一警戒していた左フックが2ラウンドで炸裂してしまったのです。

ここがドネアの老獪さです。1ラウンドを捨てて井上を油断させ、2ラウンドの左フックにつなげていったのです。

もし再戦するなら、こうはいきません。井上はジャブをつき、ドネアを接近させないようにするでしょうから。

これが井上の弱点であった経験値だといえるでしょう。

もしこのパンチがこめかみや顎に当たっていたら、そこで試合は終わっていたかも知れません。幸い、それは井上の顔の中心に当たりました。井上が倒れることはありませんでしたが、その代わり、右眼底骨と鼻骨は破壊され、右目瞼に裂傷を負うことになってしまいました。

この1発のパンチにより、井上はまともに闘えなくなってしまいました。

右目は視界に異常をきたし、距離感をうまくつかめなくなってしまいました。また右瞼の裂傷は、これ以上深くなると試合を止められるレベルでした。

これ以降、井上は瞼を庇いながら闘うことを余技されなくなりました。

すなわち右手は防御のために使うので攻撃が疎かになります。

さらには、距離感がつかめないので、遠く離れて闘わなければなりません。


手負いの状態で12ラウンドの死闘


しかし、井上は冷静でした。この時「左ジャブをついて距離をとる。判定狙いに切り替える」ことを決断します。

残り10ラウンドもあるのですよ。

井上といえばアマチュア時代からエリートで、顔に傷を負ったことはおろか、まともにパンチをもらったことがないボクサーです。

そんな若者が、人生で初めて、右目の視界を失うほどの傷を負いながら、これほど冷静な判断をしていたのです。

いったい、この人のメンタルはどういう構造をしているのでしょうか?

しかも、それをやり切ってしまったのです。目論見通り、判定でドネアを退けたのです。


ドネアの作戦は、ガードを固めて距離をつぶし、接近戦に持ち込むことでした。井上が距離を取り始めてからは、カウンター狙いが中心です。

いかんせんスピード勝負では勝ち目はありません。だから接近するか、相手がパンチを打ってきた時にしか、当てることができません。

いつもの井上なら、ガードの上からでも効かせるパンチ力があるのですが、この日は遠近感がつかめませんから、強いパンチが打ちにくくなっています。

しかも、フェザー級でも闘ってきたドネアは、井上より一回り身体が大きく、パンチへの耐久性があります。急所さえ打たれなければ倒れない強さがありました。

ラウンドを重ねるごとにお互いアジャストしていった両者は、中盤から終盤にかけて激しい応酬を繰り広げるようになりました。

井上が右ストレートでドネアをぐらつかせたと思えば、ドネアも右カウンターで井上をダウン寸前にまで追い込みます。

11ラウンドには井上が左ボディでドネアを倒しますが、立ち上がったドネアは左フックを振り回して追撃を阻みます。

最終12ラウンドも手を休めず、最後の瞬間までパンチを振った両者の闘志はすさまじいもので、年間最高試合の声が上がるのも納得の内容でした。


苦戦を経て井上が証明したもの


この試合、確かに井上は苦戦しました。が、それ以上に多くのことを我々に証明しました。

井上について多くの者が抱いていた疑問。。長いラウンドを戦えるスタミナはあるのか?強いパンチを受けた際の耐久性はどうか?突発的なアクシデントに対応できるのか?技術戦やアウトボクシングにも対応できるのか?に満額回答を示しました。

すなわち、井上尚弥が、技術も、スタミナも、耐久性も、とっさのリカバリーもすべて備えたオールラウンダーであることを証明しました。

井上は以前から「苦戦してみたい」「負けてもいい」と発言していました。

普通のボクサーが言えば、とんでもなく思い上がった発言ですが、井上ならば、苦戦したり負けたりすることで何かを掴みたいという気持ちが素直に感じられたものです。

今回はまさに希望通りの苦戦を経験し、得難い経験からさらに強くなるための課題を多く得らえたはずです。

井上尚弥が、この経験を通して、さらに手の付けられないモンスターになることは、間違いないでしょう。


晒された弱点


しかし、世界のボクシングファンはざわついています。

これまで圧倒的な強さで対戦相手を蹴散らしてきた井上が、初めて負けるかも知れない姿をさらしてしまったのです。

強さの底が見えないのがモンスターたる所以でしたが、今や井上も人の子であることが認知されてしまいました。

確かに、手負いの状態で12ラウンド闘い切り、判定勝ちを得た精神力、タフネス、スタミナ、技術力は驚嘆に値います。

が、それ以前に、決して受けてはいけないドネアの左フックをものの見事に当てられてしまったのは事実です。

これがもっと完成されたボクサー、例えば、ワシル・ロマチェンコや、テレンス・クロフォード、サウル・アルバレスなら、よもや早いラウンドで相手のキラーショットを被弾するなどあり得ないと思わせます。

いま世界的に実力が認められたボクサーの特徴は、防御力の高さにあります。パンチを打たれないし、打たれてもダメージを負わない技術を持っています。

井上の防御技術に疑問を抱く世界のボクシング関係者はこれまでもいました。個人的には、井上の防御技術が低いとは思いませんが、上に挙げた著名ボクサーに比べると、見劣りするのかも知れません。なにより今回の試合で、結果として相当打たれる姿を見せてしまったのです。

これからの対戦相手に付け入る隙を与えてしまいました。


井上にとって不可欠なライバルがやってくる


だが、それだからこそ、井上には大きなチャンスが開けたとも言えます。

今回の試合を経て、井上は、米国大手プロモーターのトップランク社と契約しました。

いま世界で最も有名なプロモート会社であり、スター選手を育てることにかけては実績とノウハウを充分に持っています。

おそらく井上は、トップランク社にとっても看板スター選手に育てたい存在のはずです。

まずはラスベガスで実績を積んでスター選手にして、その後、アジアマーケットを開拓するための目玉にしていこうという意図があるでしょう。

トップランク社のスター選手といえば、ファイトマネーも桁違いです。対戦相手もその恩恵を受けることができます。ビッグマネーを稼ぐのは、世界のボクサーにとって最大のモチベーションです。これまで強すぎるといって対戦相手が見つからなかった井上ですが、もうそこに悩むことはないでしょう。

しかも今回、弱点を晒してしまった井上には、これまで鳴りを潜めていたライバルボクサーたちがいっせいに対戦要求を突き付ける事態となりました。

攻略方法が見えたといって自信をつけた対戦相手と、今回の苦戦を経てさらに強くなった井上の試合が面白くないはずがありません。

これまでも、井上尚弥がスターになるために一番足りないのが、強いライバルの存在だと言われていました。

思えばマニー・パッキャオも、マルコ・アントニオ・バレラ、エリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスといったメキシコの強豪ボクサーとの熾烈なつぶしあいを経て、世界的スターとなっていきました。

決していつも圧倒的に勝っていたわけではありません。僅差の勝敗を積み重ねながら、実力を蓄えていったものです。

井上にとってもスターになっていく上でライバルの存在は不可欠だと思います。そのライバルが、向こうから名乗りを上げて続々とやってくる状態です。

来年から井上は、アメリカで2試合、日本で1試合を行う予定だといいます。

アメリカの試合は地上波テレビでは見れないでしょうが、それでもかまいません。きっとWOWOWかDAZNが放送してくれるでしょう。

そして日本の試合は、年末恒例となっていくはず。

これからの井上のスター街道を楽しみに見ていこうではないですか。


《参考》




ニッチな商品の仕入れルートを力業で構築したベンチャー企業

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ユーザーから中古品を買い取って、それを販売する、というのがリユース業です。

古くは、ガレージのような店舗で運営しているリサイクルショップが典型です。が、今はネットがあるので、買い取りも販売もネットを活用することで、ビジネスが広がります。


ビジネスのポイントは仕入れルートの構築


記事にあるマーケットエンタープライズは、マザーズに上場する新興企業です。成長産業なので、多くの新規参入業者がある中、同社の特徴は「他社が扱わないようなものも扱うこと」だとか。買い取った中古品は、ヤフオク!で販売しているようです。

ネットを活用すれば販売には困らないらしい。ということは、ビジネスのポイントは、いかに仕入れルートを確保するか、です。

かつて中古車販売のガリバーもそうでしたね。中古車の在庫さえあれば、オークションに出品できますので、販売には困りません。ガリバーが頭一つ抜け出したのは、一般ユーザーからの買い取りを集める仕組みを作ったことでした。

これを同社は、専用の仕入れサイトを作ることで、対応しています。

リユース品の買い取りサイト「高く売れるドットコム」を中心に、鉄道模型からオーディオ、エアガン、医療機器、楽器、教材など30の買い取りサイトを展開している。買い取り依頼件数は月間約4万件にのぼる。

ということで、買い取りサイトをいち早く作り、ネットを活用した仕入れの仕組みを作り上げたことが、同社の強みとなっているようです。

ニッチ商品の仕入れの仕組みを力業で作り上げる


ただ専門サイトを機能させるのは、簡単ではありません。当然、特殊な商品を買うのは、その道のプロやマニアですから、彼らのニーズを捉えなければなりません。買い取り価格の決定も、販売予想価格を正確に知っておかなければなりません。

もとからその業界にいた人ならわかるでしょうが、同社のように専門サイトを30も立ち上げるというのは、言うは易し。実行するのは難しいでしょう。

この部分を、同社はベンチャー企業らしい力業で乗り切ろうとしています。

記事にあるのは、中古トラクターの買い取りサイトの事例です。このサイトは、現担当者がやりたいと言って始めたものだそうです。言い出しっぺがそのまま担当しているというのは、いかにもベンチャーですな。

担当の方は若い女性です。任せられてやる気になったのでしょう。トラクターのことを自分で勉強し、メーカーのマニュアルを読み漁って、知識を蓄えていきました。

トラクターのユーザーというのは、ネットに精通しているとは限りませんから、ネットだけで完結というわけにはいかないでしょう。担当者が現地に足を運んで、地域の農機具販売店に手伝ってもらう必要もあります。そんな仕組みをこの担当者が構築していったということですから大したものです。

このバイタリティは、見習わなければなりません。本当に感心しました。

同社は、まだまだニッチな商品の仕入れを拡充しようとしているようで、同じ方式で展開していくのでしょうね。

こういう会社には頑張っていただきたいものです。





プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

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