わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

ヤマダ電機が強気の大量出店計画

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ヤマダ電機が大量出店を計画しているようです。

家電量販店は、コロナ禍で巣ごもり需要を取り込み、各社とも業績好調です。

とくに郊外店舗が多いチェーンは好調で、ヤマダ電機もその恩恵を受けているようです。

家電量販チェーンといえば、ここしばらく明るい話題がありませんでしたから、久しぶりにいい話です。

満を持して攻めに転換


家電消費需要の低迷で、苦しんできたヤマダ電機ですが、この1、2年は、なにげに好調でした。

2020年3月期の決算をみると、売上高は、5年前の水準に戻してきており、それに伴い営業キャッシュフローが大幅に伸長しています。

その中でも、投資を抑え、財務体質を改善してきました。つまり不採算店舗を整理し、収益性を高めてきたわけです。

ちなみに固定負債に関しては、5年前の6割近くまで減っています。

守りを固めて態勢を整え、満を持して攻めに転ずるということでしょう。

住宅産業シフトはいいが、大塚家具は必要だったか?


ただ人口減少している流れは変わらないわけで、店舗を増やしたところで、元の木阿弥に戻らないかと心配してしまいます。

私は、ヤマダ電機は、底を打った家電産業に軸足を置き、業界の中心企業として家電産業の再興に取り組むべきだと考えています。

ヤマダ電機は、大塚家具の救済よりも、家電産業の復活に取り組め

が、ヤマダ電機はどうやら、住宅産業寄りにシフトし、「家電販売にとどまらず、家具販売・住宅販売・リフォーム、果てはそれらに伴う保険・金融業も視野に入れている」方針のようです。

確かに、住宅製造、販売、リフォーム、中古住宅流通、金融、リースバックなどをオールインワンで手掛ける大きな企業は見当たりません。

ただ空き家の多い地方に拠点を作り、地域の住宅需要を一手に引き受けるといっても、人の流れを変えるほどの壮大な戦略方向性が必要になるだろうと懸念してしまいます。

ましてや大塚家具は不必要なピースではないか。

新品の家具を販売するぐらいなら、地方の旧家から買い取った中古家具の流通を手掛ける方が面白みがあるだろうと思っています。


それはともかく、コロナ禍の中でも立ち止まらず、攻めの決断を下したヤマダ電機の経営判断は、評価すべきでしょう。

数年後にしか答えは出ませんが、注目してみておきましょう。





中国企業への技術流出に悩むサムスン電子

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韓国サムスン電子が、中国企業への技術流出に苦しんでいるという記事です。

日経新聞全3回の特集でなかなか読みごたえがありました。

かつて韓国企業のなりふり構わぬ技術獲得


技術流出というと、20年ほど前、日本企業が苦しんだ内容です。しかもその時の相手はまさにサムスンや、LGなどの韓国企業でした。

飽和した日本国内市場での同質化競争の末に、総花的になってしまった商品群を抱えた日本の家電メーカーをしりめに、韓国の新興企業は、一部分に集中することで、日本企業のシェアを奪っていきました。

特に韓国企業の武器はグローバル化です。国内市場が狭いので、最初から世界マーケットありきの戦略をとっていました。そうなると、総花的な商品ラインでは通用しません。強い分野に集中することとなります。

サムスンに関しては、半導体、スマホ、液晶テレビなどで、世界シェアトップとなりました。

その過程で、必要な技術は、先行していた日本企業のものを奪っていきました。最初は日本の技術者を高額の短期バイトとして雇い入れました。2泊3日の韓国ツアーに50万円から100万円の報酬を支払ったといいますから、いいお小遣いです。

日本の技術者が本当にコアな技術を伝えたかどうかわかりませんが、それでも細かな現場のノウハウなど、学ぶべきものはいっぱいあったはずです。

後には、業績不振でリストラされた技術者を大量に雇い入れました。こうなると、技術者側も、元の企業に義理がありませんから、それなりに技術ノウハウを伝えたはずです。

日本企業と合弁で工場を作った際も、露骨に技術を盗みにきたので閉口したと聞いています。まさになりふり構わぬふるまいですな。

その執念には感心します。いまや日本の家電メーカーは壊滅に近い状態で、サムスンもLGも遥か高みに行ってしまいました。

いまは中国企業が、韓国の技術を盗む


ところが歴史は繰り返すものです。その韓国メーカーの技術を中国企業が、なりふり構わず奪いにきているということですから。

その背景には、中国の人口を基盤とした中国企業の台頭があります。

市場があるからお金が回る、お金が回るから技術を買う、技術を買うから商品として強くなる、ということで、かつての韓国企業の台頭と同じ構図です。

法的に技術流出を避ける措置をとっているものの、守り切ることなど不可能でしょう。

中国企業の伸長と韓国企業の退潮は避けられないと思います。

技術は手段 大切なのは顧客の支持


ここでの教訓は、市場の支持を得たものは強く、技術的優位性は思ったほど強くはないという現実です。

ランチェスター戦略では、まず、市場を獲得せよと教えています。自社の得意な分野に絞り、小さな市場でもいいので、そこで市場の支持を得る、つまり市場シェアトップになることです。

市場シェアを得て、顧客基盤さえできれば、ほかのことは後から補完できます。

もちろん商品やサービスとしての強みは重要ですが、それはあくまでも顧客からの信頼を得るための手段です。信頼を獲得し、継続させるために、商品やサービスのアップデートがあるわけです。

最盛期のパナソニックは、ナショナルショップという顧客との接点を押さえており、盤石の基盤を持っていました。

いま時価総額世界1位のアップルは、iPhoneユーザーという強固な顧客基盤に支えられています。

iPhoneユーザーは、アプリやクラウドストレージなどを使用するので、機種変更の際も、iPhoneを選ぶ強い動機があります。

アマゾンも、ただの便利なECサイトとなってしまっては、強固な顧客基盤とまでは言えないので、サービス満載のアマゾンプライムサービスに呼び込もうと必死です。

日本企業では、ソニーが、顧客の囲い込み意識が強いようです。

もちろん露骨な囲い込みはユーザーの反発を招くので、バランスが必要です。自分の意志でユーザーに止まるというさじ加減を間違えれば逆効果となってしまうので注意しなければなりません。

技術流出は避けられないもの


最終的には、ユーザーは自由です。いつかは、去っていく存在だということを意識しておかねばなりません。

つまるところ、ビジネスは顧客の支持を得る、シェアを得る、信頼を得る、ということを常に繰り返していくものです。

既存市場の変化や、新しい市場の登場などを読み切ったものが成果を上げる世界です。

技術を奪ったとか、奪われたとかは、枝葉のことで、織田信長ふうに言えば「是非に及ばず」ということですな。




コロナ禍で、生産者と消費者の接近が加速する

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魚介や農作物などの産地と消費者が直接結ぶ事例が進んでいるという記事です。

これもコロナ禍で進行するイノベーションの一つですね。

デジタル化の進展で、流通が短縮化の流れ


デジタル化の進展により、流通の短縮化が進んでいます。

これまで二次卸、三次卸と流通が長く複雑化していたのは、ものや情報を直接結ぶ技術や体制がなかったからです。

いまは、技術的に可能となっています。本来、流通は短い方がいいわけですから、徐々にそうなりつつありました。

記事にあるポケットマルシェ、浜チョク、サカマアプリなど、産地直送をうたう仕組みが続々と登場しています。


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ただ、小売りや仲介業者がいくら「産地直送」をうたっても、当の生産者がその気にならなければ、進みません。

生産者とすれば、今まで通り、仲介会社に任せていた方が、楽だし、軋轢もないので、流通を短縮させる動機がありません。

技術的にイノベーションが起きても、現実がゆっくりとしか変わらないのは、こうした現場の事情によります。

コロナ禍で、需給のミスマッチが顕在化


ところがコロナ禍で、流通が滞りました。特に飲食店向けの流通は減少していますので、生産者とすれば、業者に任せてばかりだと収入が減るばかりとなります。

飲食店ルートが滞ったからといって、家庭の購買力がその分減少したわけではありません。むしろ家計余力は一時的に上がっており、消費意欲は高い。需給のミスマッチが起きているわけです。

危機において現状打破しようという生産者が、直接消費者へ販売するための取り組みを始めたということは、本来の社会の流れに沿うもので、いい動きだと思います。

他と違うから価値があることを説明する


本来、ビジネスは、作った者が、直接消費する人に説明し販売するやり方が、シンプルだし無駄がありません。

特に、魚介類や農作物は、工業製品と違って、一つ一つ別のものです。大きさも色も味も全部違います。

ところが仲介業者を経ることで、殆どのものが、平均的、均一なものとして流通し、販売されます。そうしないと、大量販売を旨とする小売店で扱えません。消費者も、むしろ、均一性を信頼の根幹としてきました。

しかし、実際には、工業製品ではないので、それぞれが違います。どの料理にあるのかとかも微妙に違うはずです。むしろ違いが売りとなります。

それを的確に消費者に伝えることができれば、いままでよりも購入を促すことができます。

記事にある「家庭で美味しく食べることができる一工夫」で加工をして、その内容を説明することは、重要な購買のポイントとなります。

背景のストーリーが購買を促す


さらにもうひとつ言えば、消費者は、機能や品質だけではなく、背景のストーリーにも消費意欲をかき立てられます。

どのような場所で、どのような経緯をもって生産されたのか。誰が作ったのか。誰が獲ったのか。どんな苦労の末に採ったのか。

生産者側とすれば、当たり前のことでも、消費者は背景のストーリーを知ることで、応援したくなるものです。

記事にある「生産の様子を伝えるオンラインツアー」は、ストーリーを伝える効果的な方法です。

営業できる者とそうでない者の格差が広がる


ランチェスター戦略でいえば、「接近戦」は、弱者の定石です。

SNSやデジタルツールを得た生産者は横一線に並んだわけで、皆が弱者だと捉えるべきです。

いかに消費者に接近し、差別化提案をし、独自の集中をしていくかが、頭ひとつ抜け出し、生き残るための条件となります。


営業なんてしたことがないからわからない、という生産者は多いでしょうが、実際には、ちょっとした工夫の積み重ねです。

今は、少し工夫をするだけで頭ひとつ抜け出せるはずです。

逆にいうと、これからは、消費者にうまく伝えられる人が人気を集め、そうでない人は取り残されてしまいます。

伝えられるか、そうでないかで格差が生まれてしまいます。

生産者と消費者が近づく流れはコロナ後も進むでしょうから、生産者は腹を決めていただきたいと思います。

面倒に思うかもしれませんが、確実に、成果は大きくなりますから。




コロナ禍で最高益のマクドだが、氷河期はこれから

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日本マクドナルドが、このコロナ禍にも関わらず最高益を出したというニュースです。素晴らしい。

2020年12月期の全店売上高は、5892億円(7.3%up)

連結営業利益は、312億円(11.7%up・最高益)

店舗数2924店は、ハンバーガーチェーン1位。2位のモスバーガーが1264店ですからその差、2.3倍。ダントツです。

(ちなみに牛丼トップのすき家が1945店です)

国民食「マクドナルド」に需要が集中


コロナ禍で客数は減っているものの客単価が通年で16.7%伸びたとのこと。

ファミリーレストランや居酒屋が大打撃を受けたのに対し、ハンバーガーは食べたいという意志が明確な「目的来店」客をつかまえている。今後も有利な立ち位置にあると外食業界では受け止められている。

つまり、ハンバーガーは、明確にそれを食べたいという顧客が多いということです。まさに国民食の地位を得ているわけで、その功績が、日本マクドナルドにあることは間違いありません。

私の親世代は「あんなもの美味しくもなんともない」と言っている人が多かったですが、子供世代になると、とりあえずマクドを与えておくと、満足しておりました。

子供をターゲットにし、子供の頃に味を覚えさせようというマクドの戦略が、見事に機能しています。初代社長藤田田氏の狙い通りになっていることに今さらながら感心します。

ユダヤの商法(新装版) (ワニの本)
藤田田
ベストセラーズ
2019-04-12



需要が低迷する時期には、トップシェアの企業が独り勝ちしやすいというのは、市場シェア理論のセオリーです。全くもってその通りとなりました。

密を回避する対策スピードが驚異的


もちろん、現経営陣の努力も立派です。

もともと郊外店が多く、ドライブスルーに力を入れてきたので、密を回避する方策に適していました。

ドライブスルー、自社デリバリー、他社デリバリー、あるいはスマホで注文して駐車場での受け取る方法などに対応しました。思いついたらすぐやるスピードが驚異的です。

他のお店に行きにくい分、マクドに集中する形になったわけですね。

本当の氷河期は、これから訪れる


ただし、コロナに関わらず、人口減少下にある日本の市場が長期的に低迷していく流れは変わりません。

日本マクドナルドも、売上高そのものは、2008年頃をピークに、右肩下がりです。2015年の最悪期は脱したものの、大きな流れでいえば、V字回復したとまでは言えません。

今後の打ち手といえば、店舗を改装して収益力を高めようとするぐらいです。抜本的に売上を向上させる決め手はないと思われます。

だから米国のマクドナルド本部は、冷めた目で見ており、株式の保有比率を下げる方針に変わりはないとしています。

これは外食産業全体に言えることですね。

コロナが収束すると、一時的には、売上が急上昇するでしょうが、通常モードに戻ると、徐々に低迷していく流れになります。

いわば、本当の氷河期がくるわけで、その時のために、燃費のいい体質になっておかなければなりません。各社とも悪い今の時期に、充分に準備しておくことが、生き残るための重要な要素となります。




「本能寺の変」は織田信長とともに何を失わせたのか?

本能寺の変は織田信長とともに
(2021年2月18日メルマガより)


NHK大河ドラマは「麒麟がくる」が終わり、「青天を衝け」が始まりました。

どちらもわかりにくい題名ですね。説明がなければ、何の話かさっぱりわかりません。

ちなみに「麒麟がくる」の主人公は明智光秀で、「青天を衝け」は渋沢栄一です。

なかなか渋いところをつきますな。

「青天を衝け」の第一回は、妙に目力の強い徳川家康の登場から始まりました。「麒麟がくる」からうまくつなげようという配慮なんですかね。

物語に引き込むうまい演出でした。これは期待大ですよ。


世紀の破壊者としての徳川慶喜


徳川家康から始まった江戸幕府は、約260年の長きに渡って続きました。その最後の将軍が、第15代徳川慶喜です。

とんでもない秀才で就任時は「神君(家康)以来の傑物」と称されたそうです。

幕末のハイライトである「江戸城無血開城」を作家の司馬遼太郎は「世界でも類を見ない崇高な革命」であり、それを実現した「徳川慶喜、西郷隆盛、勝海舟」こそ、日本を救った最大の功労者だと絶賛しています。

確かにその通り。もし勝海舟がいなければ、西郷隆盛が相手でなければ、そして将軍が徳川慶喜でなければ、凄まじい内戦状態に突入し、西洋の列強諸国に付け入る隙をより多く与えていたかもしれません。

徳川慶喜といえば、鳥羽伏見の戦いで敵前逃亡したりして、とかく評判の悪い人ですが、頭が良すぎて周りの者でさえその考えや行動を理解されなかったといわれています。

何より、260年も続いた江戸幕府を将軍自ら終わらせるなど、常人の理解できるところにない人物です。

破壊があるから再生がある。

世紀の破壊者として、徳川慶喜を再評価してもいいのではないでしょうか。


織田信長の図抜けた先進性


日本史上に特異な痕跡を残した世紀の破壊者といえば、織田信長を挙げないわけにはまいりません。

日本人として唯一無二と言いたくなるほどの行動を示した織田信長も、周りから理解されない頭脳の持ち主だったようです。

とにかくその先進性は図抜けています。

ものの価値を米の量で測っていた時代、商業にいちはやく目を付け、商業振興や貿易によって経済力をつけました。

そしてその経済力によって当時のハイテク武器(鉄砲)を大量導入、最強軍団を作り上げました。

鉄砲は諸国の武将も試していますが、武田信玄や上杉謙信でさえ、たいして使えぬ武器だと判じています。が、それを信長は、最強の戦術に昇華させました。

さらには兵農分離を進めて、いつでも動かせる軍隊を常備、彼らを思うままに動かして、版図を広げていきました。

マネジメントも一流です。実力ある者を積極的に登用し、身分にかかわらず大役を任せました。

人使いは荒いですが、報酬は破格です。信賞必罰が徹底されているので、癖の強い家臣団も、懸命に取り組まざるを得ません。

何より、自分の土地を守ることに必死だった戦国時代、天下布武というビジョンを掲げたことじたいが尋常ではありません。

だから信長は、たびたび本拠地を移動させました。土地に執着していたら、天下などとれないからです。

ただ、これを部下にも強制したことが、混乱と不安を招いたのかもしれません。


隙だらけのマネジメント


マネジメントは一流と先ほど書きましたが、実はそうでもないかもしれない。案外、信長の人心掌握は隙だらけです。

なにしろ、よく裏切られる人です。

妹婿の浅井長政には、裏切られて九死に一生の窮地に陥りました。

松永久秀や別所長治、荒木村重など、目にかけていた武将にもしばしば謀反を起こされています。

挙句の果てには、最も信頼していたと思われる明智光秀に殺されてしまいました。

裏切る方にもやむを得ない事情があるわけで、それを理解しない信長のマネジメントには問題大有りです。

というか、裏切る原因を作っておいて、それに気づかない方がどうかしています。

どうやら信長という人は、人の心を読むのが苦手だったらしい。

人がみな信長のように合理的に動くわけではありません。先祖代々の土地に執着もあるでしょうし、出自へのプライドもあります。権威や神仏への畏れもあります。

それをすべて無視せよと迫り、意に沿わないと、功績に関わらず放逐するような真似をするのですから、ついていけないと思われても仕方ありません。

超合理的で、目的のためなら残虐なことも平気で行い、人の心が理解できない。信長は、いまなら、サイコパス診断されていたのかもしれませんね。


有能な実務家だった明智光秀


その信長を弑した明智光秀も傑出した武将です。

出自は不明、さほど身分の高い家柄ではないらしい。ところが、ハイテク武器(鉄砲)に詳しく、公家とも付き合える教養を身に着けていました。

信長とすれば使えるツールです。

きっかけは将軍足利義昭を連れてきたことですが、すぐに信長から重用されるようになります。

光秀は有能な実務家だったようです。

織田家の宿将たちが苦手とする公家との交渉がそつなくできるし、接待役も巧みです。戦争においては、調略もできるし、攻城戦にも強い。やれと言えば、相当残酷なこともやってのけます。

まさに信長の期待をすべて叶える働きをしました。

家臣団の中で最初の城持ち大名となったのが光秀です。しかも領国経営にも手腕を発揮し、その名領主ぶりは現代にも伝えられるほどです。

織田家をひとつの会社とすると、光秀は、中途入社ながら取締役兼執行役員といった異例の出世を遂げた人物でした。


「本能寺の変」はなぜ起きたのか


そんな光秀がなぜ信長を裏切るに至ったのでしょうか。

本能寺の変の原因については、諸説ありすぎてわけがわかりません。

わからないから、諸説出るのでしょうね。

追放された足利義昭が、光秀に命じたという説。

信長にないがしろにされた天皇や公家が、光秀を動かしたという説。

信長から疎まれたイエズス会が光秀を雇ったという説。

信長の暴走に業を煮やした秀吉が、光秀をそそのかしたという説。

なぜか宇宙人が光秀を操ったという説。

こうした、陰謀説、黒幕説については、論に無理があると殆ど否定されているようです。

本能寺後の光秀の慌てぶりをみていると、あまりにも計画性に乏しく、黒幕や連携者のいる様子は伺えません。

なにより信長が本能寺にいるところを襲撃できたタイミングが偶発的な要素だらけです。

これは千載一遇の好機を見つけた光秀が、瞬発的に起こした単独の行動と捉えるほかありません。

もちろんその背景には、日ごろからの怨恨や、将来に対する不安や、人間関係のしがらみもあったことでしょう。

大河ドラマのような義憤があったのかもしれませんし、あるいは、自分が天下人になれる機会を逃すのが惜しかっただけなのかもしれません。

が、そこは想像しても答えがでません。


ガバナンス不在だった織田政権


それよりも興味あるのは、なぜ信長政権は、部下の謀反をこれほど頻繁に招いてしまったかです。

信長が人の心が理解できない人だったらしいことは先ほど指摘しました。

それならば、それをカバーするための統治の仕組みがなければなりませんでした。

いまでいうと、ガバナンスです。

残念ながらそれがありませんでした。

常人には理解できない頭脳の持ち主である信長ひとりが突出していて、すべてを決めるオーナー采配だから、部下は不安になるのです。

これが、ある程度、ルールがあり、自分の資産が保証される術があると見通せるなら、部下も落ち着いたはずです。

少なくとも、信長がビジョンを説明し、自分の頭の中を理解させる努力をしていたならば、また違ったかもしれません。

ところが信長は、自分の考えを部下に理解してもらおうと考えるような殊勝なタイプではなかったらしい。

考えの読めない酷薄なオーナーほど恐ろしいものはありませんよ。


信長を反面教師にした豊臣秀吉


信長の後を引き継いだ秀吉は「信長公は、勇将であったが、良将ではなかった」と述懐しています。

秀吉は信長の経済政策や領国経営の方法は受け継ぎながら、ある部分は反面教師としました。

もともと人の心を読む天才だった秀吉は、味方も敵も巻き込み、大同団結する方策を得意としました。

だから敵対する者も降参すると許し、領地を安堵しました。敵とすれば、勝てないならさっさと降参した方が、幸せです。秀吉の天下統一のスピードがすこぶる速かったのはその方針を積極的にアピールしたためです。

織田信長が22年かけてできなかった天下統一を、豊臣秀吉がたった8年でできた理由

秀吉は、敵対する者をときに皆殺しにする信長のやり方は、何も生まないと批判しています。武田家を滅ぼしたことさえ、間違っていた、自分なら勝頼を生かしてうまく使っただろうと言っているぐらいです。

つまり秀吉は、利用できるものはとことん利用するというやり方です。こちらの合理性もなかなかのものですよ。

もしかすると、武士の常識など糞くらえ、世の中がうまくまわればいいんだと、農民が出自の秀吉は考えていたのかもしれません。


強固なガバナンスを作り上げた徳川政権


さらに徳川家康は、秀吉を反面教師にする政権づくりをしました。

秀吉の失敗は晩年のごたごたです。

年老いてできた我が子を溺愛するあまり、ガバナンスを無視して、後継指名した甥を自害に追い込み、その一族を抹殺してしまいました。

せっかくのガバナンスの仕組みをオーナーが無視していては、政権の正統性そのものが脆弱になってしまいます。

秀吉なきあと、あっさりと政権が瓦解したのも仕方のないことでした。


そこで家康は、早くから後継に政権を任せました。

2代目が凡庸だったことがむしろ幸いしたのかもしれません。誰でも政権が維持できるような強固なガバナンスの仕組みを作り上げています。

トップの能力に頼らない組織は、260年に渡って、機能し続けたのだから、大したものです。

麒麟が来たのかもしれませんよ。

ただ、ガバナンスが強固で保守的であるため、その分、イノベーションが起きにくい体制であったと言えるでしょう。

戦国期には先進的で、世界最強級の軍事力を誇った日本が、幕末の頃には、まるで西洋諸国に敵わない後進国になってしまったのは、それを端的に示しています。

なかなかうまくはいかないものですな。


信長の死とともに失われたビジョン


秀吉や家康にいえることは、惜しむらくも、信長ほどのビジョンを持ち得なかったことです。

信長は、新しいものが好きで、既得権益が嫌いで、大きいことが好きで、途方もなく視野が広い、イノベーションとグローバリズムの権化のような人でした。

既存秩序の破壊者で終わってしまったのは、志半ばで倒れてしまったからです。

天下布武の後、信長は、世界進出の構想を持っていたといわれています。秀吉が形だけを真似したものの、無残な結果になったたため、家康はグローバル化そのものを拒絶しました。

信長ほどの先見性を持った人が、天下人になっていたら、どのような未来を切り開いていたでしょうか。

もしかすると、日本の版図が変わっていたかもしれません。

あるいは、本当の暴君になって、日本を破壊し尽していた可能性もあります。

起きなかった未来だからこそ、興味がつきません。


「本能寺」で明智光秀の謀反を知った時、信長が語った言葉は「是非に及ばず」でした。

「良いも悪いもない」だったのか、「あれこれ言っても仕方ない」だったのか、相変わらず短かすぎて、周りには理解し難い言葉です。

しかし、志半ばで死ななければならない運命を悟った時でさえ「是非に及ばず」と言える精神性には、本当に感嘆してしまいます。

破壊者、殺戮者としての側面も規格外ですが、その潔さも、常人離れしています。

そういう意味でも、織田信長の魅力からは、抜けられそうにありませんな。





沖縄の運転代行配車アプリは浸透するのか?

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今までなかったの?と少し意外でした。早速、ダウンロードさせていただきました。

沖縄の運転代行の配車アプリです。沖縄のベンチャー企業と琉球大学が連携して開発したそうです。

沖縄のタクシーや運転代行は安い


沖縄は、基本電車がないので、飲酒の後は車を使うしかありません。タクシーの場合もありますし、運転代行を頼む場合もあります。

費用がかかって大変だなあと思うかもしれませんが、沖縄のタクシーや運転代行は、大阪や東京の値段に慣れた身からすると、相当安いです。

こちらのサイトによると、10キロで2170円。大阪が3480円ですから、約4割安い。

だから沖縄の人はタクシーをすぐに使います。普通、歩くだろ、という距離でも、タクシーに乗るので、運動不足になるだろうなと心配してしまいます。


運転代行も安いと感じます。大阪でもあまり使うことがないので、比較はできないですが、沖縄の料金は、大きな負担にならない額だと感じます。

記事によると、700もの運転代行業者があるらしい。だからでしょうね、ものすごい安値で対応する業者も目にします。レッドオーシャン市場の典型ですな。

記事にあるように、運転代行をよく使う人は、馴染みの業者があり、そこに頼んでいるようです。業者側も固定客を一定数抱えていると、経営を安定させることができます。

だから新規業者は固定客を得るために、特別価格やら、お店への礼金やらで先行投資をすることになります。私が「安!」と思ったのは、そういう新規業者のお試し価格だったのかもしれません。

過剰な競争状況は、業界や社会にとって望ましくない


ただ無法状態のような競争は、社会的に弊害が大きい。利用者も業者も、時間的なミスマッチが起こりますから、1時間待ちとかが普通になってしまいます。

焦れて、飲酒運転してしまう人もいるのでしょうかね。

お店側も、代行業者への連絡で手をとられるとあれば、人件費がかさんでしまいます。

なにより過剰な競争市場は、経営が安定せず、業界全体が疲弊してしまいます。長い目でみると、適正な利益をとって安定的に運営できる産業になる方が、皆にとってメリットがあります。

そんな業界健全化の方法として、このようなアプリがあることは、ありがたいと思います。

浸透はこれから


が、いまのところ、ダウンロード数も7000程度では、まだまだ認知されているとは言えません。登録業者も38とか。全体の5%。車の実数で測定しないと判断できませんが、浸透はこれからなのでしょうね。

既に固定客をつかんでいる業者とすれば、いまさらアプリ登録してマージンを払う必要性を覚えないでしょうし、逆に、新規業者は、固定客が欲しいので、できればアプリ経由でない方が望ましいわけです。

利用者にとっても、新規業者の特別価格の方が安いでしょうから、とりあえずはそちらを使った方が得だと思うでしょうね。

そうはいいながらも、業界適正化に進んでいくのは歴史の必然です。アプリが便利であれば、利用者が増えます、増えれば、業者も無視するわけにはいきません。このようなアプリが徐々に浸透していくと業界も健全化に向かっていくことでしょうから、アプリ運営会社は頑張っていただきたいと思います。

ただし、こちらのアプリが勝つとは限りません。市場浸透してくれば、ほかのアプリが現れて、広告宣伝をかけて一気にシェアを奪うかもしれません。むしろ独り勝ちよりも、複数の配車アプリがある方がより健全です。

そこは、企業が努力していただきたいと思います。


私もダウンロードしましたが、よく考えると、レンタカーを借りてまで飲みに行くことってあまりありません。結局、使わないのでしょうが、お守りのように置いておきますので。

業界適正化を望んでおります。




メジャーリーグが1選手に42億円の年俸を支払えるのはなぜか?

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アメリカのメジャーリーグではとうとう年俸4000万ドルの選手が出てきたようです。

42億円です。日本プロ野球の最高年俸が9億円ですから、4.6倍。

ちなみに、42億円は、ソフトバンクホークスの全選手の年俸に匹敵する額だということです。

メジャーリーグの年俸が規格外になる理由


メジャーリーグの場合、一定の年数を経た選手はすべてフリーエージェントになるルールです。FA宣言など不要です。選手が球団を渡り歩くのが一般的で、少しでも条件のいい球団に行こうとします。だから、力のある選手に資金が集中するわけですな。

その分、格差も大きくなるので、選手同士の軋轢が大きくなるのだろうなといらぬ心配をしてしまいます。たぶん、ぎすぎすしたところはあるでしょう。が、記事を読むと、メジャーリーグ選手の年俸は総じて高い。日本プロ野球と比較すると、平均で約10倍の格差があります。

プロ野球の優秀な選手がメジャーリーグに行きたがるわけです。年俸だけじゃない。最高のレベルを求めていくのだ、というのも嘘ではないでしょうが、この金額を見せられると、年俸が動機であることは否定できません。もちろん、短い選手期間に、できるだけ稼いでおこうというのは当然の合理的行動ですよ。

高騰する放映権料


それにしてもなぜメジャーリーグはここまで大判振る舞いできるのか。

カギは、放映権料にあるようです。日本プロ野球とメジャーリーグの売上規模は、5倍以上です。その中身をみてみると、メジャーリーグは放映権料がバカでかいことがわかります。

「プロ野球とビジネス」―MLBとNPBになぜ約8000億円の差が生まれるか

メジャーリーグとプロ野球の格差が大きくなっていったのは、1990年代から。衛星放送が発達し、有料チャンネルが増えた頃と同じです。アメリカでは地上波放送にもケーブルテレビ料金を支払わなければならない仕組みなので、テレビに視聴料を支払うことが当たり前です。そんな中、スポーツのライブ放送を目玉にした専門有料チャンネルが台頭するのは自然な流れです。近年では動画配信が台頭し、新たな競争が起こっているので、放映権料を押し上げる要因となっています。

アメリカの多民族化はますます進み、英語を話せない人が大勢いるらしい。多様な国籍の選手が活躍するスポーツ中継は、全米で視聴されるコンテンツです。しかもドラマと違って、制作コストが低く抑えられます。

放送価値を最大化する運営


メジャーリーグ側もそれがわかっていますから、放送価値を上げる運営をしようとしてきました。まずは、リーグ全体で放映権の販売を一括管理し、価値を最大化するようにしました。有料放送どうしが競争していますから、放映権料を吊り上げることができます。そのうえで、なるべく球団間の格差をなくし、試合を面白くしようとしました。一定期間で選手を移動させる仕組みはその一環です。特定球団だけがいつも勝つとしらけますからね。

放送があると、球場の広告価値も上がりますからさらに儲かります。球場がガラガラでも、儲かるのはそういうことなんですな。

さらに放送の目玉となるのは、スター選手の存在です。テレビは、選手をフォーカスしますから、スターが生まれやすい。ひとりのスターと視聴率の相関関係を出すことができます。スター選手の価値が上がり、年俸の高騰が起きやすくなる所以です。


今のところ、日本プロ野球は年俸の面からいって、メジャーリーグとマイナーリーグの間、準1軍のような位置づけです。

ここから脱するには、日本だけではなく、台湾や韓国、中国を巻き込んだアジアリーグを作って、規模を拡大すべきだと考えています。

が、そうなると、中国や韓国に主導権を持っていかれそうで、複雑な感じはありますが。

日本プロ野球が生き残るためのビジネスモデル





食品スーパーサミットの「ファンづくりど真ん中」を狙ったチラシ企画

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首都圏が地盤のスーパーサミットが、ユニークなチラシを配布しているという記事です。

全国117店舗。売上高2848億円。大阪人にはあまり馴染みがありませんが、首都圏では大きな存在です。

地元で大きなシェアを持つ食品スーパーには優れた企業が多いのですが、サミットも同じです。地域に根付いた店舗づくりで進化し続けており、業績も好調です。

ちなみに、住友商事の100%子会社です。

地域強者の役割


チラシ戦略も独特です。一種の読み物のようなチラシを配布し、特売価格を載せないときもあるとか。機会損失になるやもしれず、思い切った施策です。

ただ、記事にあるように、サミット側は、こうした独特なチラシの役割を「ファンづくり」だと位置づけているようです。

背景には食品スーパーの社会的位置づけの変化があります。

サミットほどの規模のチェーン店になれば「美味しい、質の高い商品を低価格で」というだけでは、役割として不十分です。

そうした商品の質や価格だけで勝負できるのは、弱者の戦略がとれるような段階の店です。

地域の強者には、地域のコミュニティポイントとしての役割が求められます。とりあえず店に行こう、行けば何かある、安心だ、誰かいそうだ、という包括的な役割です。

サミットには「日本のスーパーマーケットを楽しくする」というビジョンがあるそうですが、これはまさに強者の役割だと思います。

商品よりも、担当者を訴求するチラシ


サミットはチラシを230万部配布しているそうですが、これは東京新聞なみの発行部数です。この部数を特売情報告知だけに止めておかなければならないという法はありません。

ちょっと悪ふざけ風、エンタメ風の読み物企画を作って、ファンを創るためのツールにしようというのは、必然の施策です。

集客効果抜群!話題のサミットのチラシデザインとその理由

具体的には ↑ に詳しいですが、各部門の責任者をチラシに登場させて、一押し商品を競わせるという企画が多く、ファンづくりど真ん中を狙っています。

これを見た消費者は、商品よりも、担当者を応援したくなるでしょう。実にわかりやすい。

他の地域トップのスーパーにも参考になるはずです。

好ましい認知度は長続きする


以前、あるローカルなリフォーム会社は、ひたすら経営者の考えを訴求する広告を地方誌に載せることで、地域における好ましい認知度を上げる施策をとっていました。

価格を訴求するより時間は相当かかりますが、蓄積された認知度は一定を超えると確実に効果を持ちます。

何より長続きします。

実際に、そのリフォーム会社は、「そんな広告むだだ」という社内の声にもかかわらず、ある時期から成果につながりました。

一定の枠内で強者になろうとする地域の小さな会社が生きていくために、参考になる事例だと思います。




成長戦略があいまいだとディスられる東芝

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再建途上の東芝が、もの言う株主によって無茶苦茶な要求をつきつけられているようです。

「(会社の戦略が)株主総会で否決された場合、営業キャッシュフローの全額(会社法上の分配可能額を上限)を剰余金の配当か、自己株式の取得により株主に還元することとする」

要するに、会社の戦略がダメだと株主総会で否決されたら、儲けた現金はぜんぶ株主に渡せ、と言っています。

おまえらの成長戦略は信用できないからとりあえず現金をこちらによこせというわけですな。

確かに無茶苦茶。シュールにさえ思える要求です。

東芝のもの言う株主(ファンド系)は約20%、要求が通ることはないと思いますが、それでも相当のプレッシャーになります。

あいまいな成長戦略の中身


東芝といえば、原子力事業への集中戦略の失敗と、社内の不正会計により奈落の底に突き落とされた会社です。

そこからの回復のために外部経営人材を招き、「インフラサービスカンパニー」となるべく事業再建中です。

再建に向けて半歩踏み出した「日立」、ドン底から這いあがろうとする「東芝」

ところが、記事にあるように、この「インフラサービスカンパニー」というのがよくわからない。

成長戦略の中身をみてみると、東芝がいま手掛けているとりあえず利益を出せそうなものを集めて、それぞれを成長させるといったものに映ります。

これでは現実性がないと、株式市場は判断しており、株価は相変わらず冴えません。

成長が確実な企業などない


しかし、それも仕方ありません。なにしろ、一時は債務超過に陥り、何はともあれ破綻だけは避けねばならないと、金目のものは売り払ってしまったわけです。

これで有望な成長戦略が今の段階で作れたとすれば、あの騒ぎは何だったんだといわれるでしょう。

このあたりの事情は東芝だけではありません。日立も、三菱電機も、パナソニックも、シャープも株価はイマイチです。

市場に評価されているのは、過去最高益をたたき出したソニーだけです。結局、成長戦略など、成果が見えてこないと、判断できない類のものなのですな。

生き残りをかけてもがく家電メーカーたち


私は、フリーハンドで成長戦略を描ける東芝は面白いと思っています。

市場の評価を裏切り、V字回復することを願っております。






飲食店を0円で開業できるサービスがあるらしい

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初期費用0円で飲食店が開業できるというサービスです。

開業希望者にとっては、夢のような話ですね。

ただ、運営する側のビジネスとしては、理にかなっていると思います。

初期費用0円で飲食店が開業できるサービス


飲食店を開業しようとすると、物件の保証金やリフォーム費用などで数百万円〜数千万円かかるのが一般的です。

退職金をあててさらに銀行借り入れをして…と開業時点で相当のハードルがあります。

それが、0円でできるとなれば、とびつきたくなるでしょう。

この会社は、開業希望者と業務委託契約を結び、店舗使用料と売上管理料で回収する仕組みです。もしかしたら、店舗賃料もこの会社の収入になっているのかな。

おそらく一定の期間は継続するための仕掛けがあるはずです。違約金があるのか、保証料をとられるのかもしれません。

念のために言いますが、推奨しているわけではありませんよ。資料請求したわけでもありませんから、サービスの中身にも精通していません。ご自身で判断してくださいね。

無駄なこだわりを捨てさせる


このビジネスのキモは、コンサルティングをするというところです。

個人経営の飲食店が失敗するのは、集客が見込めない、無駄なこだわりに費用を使っている、どんぶり勘定であることです。

とくに店主がイメージする「理想の店」を追求しすぎて、浮世離れしてしまった店は、顧客もいつかないし、費用負担が過大で、浮上するきっかけをつかめないまま終了してしまいます。

私もたまに開業の相談を受けますが、開業予定者の「理想追求意欲」は半端ではありません。少しでも成功確率を高めようとアドバイスしているつもりですが、追認アドバイスしか聞かないんじゃないかと思えることがしばしばです。

コンサルタントのいうことが絶対ではないですが、成功確率を高めることはできます。上の逆で、顧客の流れを冷静に読み、コストを抑えて、利益管理を厳正に行う店は、低空飛行だとしても維持する可能性が高い。

おそらくこの会社のコンサルティングは、審査であり、半ば強要なのでしょう。

失敗の芽を摘むやり方は、保証金だけとって、あとは知らんという劣悪フランチャイザーよりもよほど良心的です。

理想の店を追求したい人には物足りないでしょう


ただ、この会社が思う形ではないと開業できないとすると、開業サポートというよりも、フランチャイズビジネスに近いのではないかと感じます。

理想を追い求めたい開業者にとっては、物足りないかもしれません。

セオリー無視で、好き勝手をして、大成功する人もいますからね。

そういう人は、こんなサービスなど無視して、思う存分、追求してほしいと思います。






藤川球児を覚醒させた清原和博の絶大な存在感

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全盛期の藤川球児のストレートは、誰も打てませんでした。顔のあたりに来るボールをプロの打者ががんがん空振りしていました。それだけ軌道が特殊だったのでしょう。ストレートではなく魔球ですな。

そのきっかけとなったのが、清原との因縁だというストーリーが語られています。

清原は、落合の後継者になれた才能


清原和博は、高卒1年目の前半、全盛期だった落合博満が「俺を除くと、現役最高の右打者」と評した天才です。

落合のような柔軟な打撃が売りで、内角を見せられた後の外に逃げる変化球を反対方向へホームランにする能力を持っていました。

1年目の前半を見る限り、落合の後継者は清原しかいないと思えたものです。

ところが、どういうわけか清原は、マッチョ路線を突き進み、格闘家のような筋肉をつけて、打撃の柔軟性を失っていきました。

あれほどの才能が、打撃タイトルをとれなかったのは、残念というよりも謎です。

よく「記録よりも記憶に残る」と評される選手がいます。長嶋茂雄がその代表ですが、彼に憧れた清原も、踏襲したというのでしょうか。

ストレート勝負を強いるキャラクター


清原は、身にまとった「番長キャラ」を打撃にも利用していました。

有望な投手がいると「ストレートで勝負しよう」とマスコミを使って挑発し、それを狙い打ちしていました。

相手に力があればあるだけストレートで勝負しなければならない空気になってしまいます。プロ野球は団体戦であると同時に、個人と個人の勝負を期待される興業です。清原ほどの存在であれば、個人勝負を挑める立場にありました。

佐々木や野茂が、挑発に乗って、ストレート勝負に出て打たれていました。もし、変化球を投げて打ち取られても「勝負を逃げた」ということができます。これは「番長」清原だからこそできる挑発です。

「チンコついとんのか」


逆にいうと、清原に挑発されるということは、一流の投手として認められたということです。

まだ格下だった藤川にフォークで三振に打ち取られた清原は「チンコついとんのか」と言い放ったとされています。それがスポーツ新聞の見出しになるほどでした。

藤川とすれば一流として認められたということで美味しい状況です。しかも彼のストレートは魔球ですから、実はフォークよりも打ちにくい。

すっかり開き直った藤川、それ以降、しばらくはストレートしか投げませんでした。捕手の矢野燿大が「変化球を投げさせるのが怖い」というほど、ストレートの威力が絶対的な時期が続きました。

これからの人生を思うと、記録よりも記憶


藤川を覚醒させたとして評価される清原は、やはり存在感のある選手でした。

過剰なキャラクター付けが、野球選手としての成長の妨げになったといわれることもありますが、生き方はそれぞれが決めること、とやかくは言えません。

少なくとも、プロとして記憶に残る選手であったことは間違いありません。

思えば藤川も、圧倒的な火の玉ストレートの記憶に比べると、記録は平凡です。

これからの人生を考えると、記録よりも記憶に残った方が、プロ野球選手としての経歴を活かせるというものです。

それぞれが身に着けたキャラクターや記憶を武器に生き抜いていってほしいと思います。




「700人の村がひとつのホテル」小菅村の取り組みに注目

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「700人の村がひとつのホテルに」というコンセプトで、話題になっている山梨県小菅村です。

多摩川の源流、奥多摩にある村です。都心から約2時間で行けるそうです。

村にある古民家をリノベーションして、1泊3万〜7万円程度のホテルにしています。

古民家に泊まり、地元の食材を使った料理を食べ、村を散策して、人々と触れあうというのは、体験型の観光として魅力があります。

村側からみれば、地域振興として、空き家対策として、有意義な試みです。

人材を育て、全国に波及してほしい


過疎と空き家に悩む地域は全国にいっぱいあります。だから、こういう試みは、全国に広がってほしいものです。

実現するために必要なものは、コンセプトを設計する企画者、投資家・スポンサー、ホテルを中心とするビジネスの運営者、リフォーム事業者、料理人などですか。

いずれもハードルがありますが、成功パターンをつかんで、それぞれが工夫すれば、できないことではありません。

小菅村の場合、地域振興のコンサルタントが企画し、関西のリフォーム会社を起用したようです。

しかし、ホテルを運営する人がみつからず、結局、コンサルタントが自ら運営側にまわったようです。

古民家ホテル「NIPPONIA 小菅 源流の村」をけん引する嶋田代表の思いとは

本来は、地元の人が運営者にならないと、定着しませんし、他の地域にひろがっていきません。

小菅村のビジネスが成功し、地域振興に資する形を示すことで、全国的なムーブメントになっていってほしいものです。

そのためには、人を育てることが重要です。

できれば、地元の人たちが自ら企画を立て、ビジネスを作り、運営することが望ましい。

嶋田代表のいうように、地元の人は日常すぎて地元の持つ魅力に気づいていないかも知れませんから、嶋田さんのような人が、ヒントを与える必要があるでしょう。

勝手を言いますが、嶋田さんにはいろいろやっていただきたい。成功事例と、ビジネスのフォームを作っていただき、そのうえで地域人材を育成する事業に向かってほしいと思います。





自動車産業は戦国時代に突入

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ついにアップルがEVの生産に乗り出すようです。

韓国の自動車メーカーとの提携が進んでいると先行報道がありましたが、決定ではなく、日本のメーカーにも広く提携を呼びかけているようです。

自動車メーカーは自動車産業の主役ではなくなる?


自動車メーカーとすれば、ビジネスの主導権をアップルに奪われてしまい、組み立て役の下請けメーカーにされてしまうのを危惧しています。

なにしろ、これまで自動車産業といえば、完成品メーカーを中心とした部品メーカーの集合体でした。メーカーごとに、系列の部品メーカーを傘下に持ち、それぞれが独自のグループを形成しています。

完成品メーカーの力の源泉は、企画、デザイン、販売、価格設定を含めたマーケティング力です。販売し、収入が保証されるから下請けメーカーが集まるわけです。

が、アップルカーの場合は、間違いなく、アップルが、マーケティングを担います。

完成品メーカーはただの組み立てメーカーになるわけで、企業グループを維持する力を失います。

苛烈な主導権争い


しかし、他業種からの参入は、アップルだけではありません。グーグルも、アマゾンも、百度も、滴滴も参入を狙っています。

というのも、電気自動車は、組み立て部分の独自技術が比較的少なく、歴史のある完成品メーカーでなくても、代替可能だと考えられます。

むしろ、AIや通信といった「自動運転」に関わる部分が、しばらくはコア技術として扱われるはずです。

だとすれば、ITやAIを得意とする企業が「主役はおれ」と言い出すのも自然な流れです。


とはいいながらも、量産するための技術や体制は、既存完成メーカーに優位性があります。

トヨタやGMなどトップメーカーは、主役の座を譲る気はさらさらないでしょう。むしろ、ITやAIの企業を下請けにしよう、あるいは自身がITやAIの技術を身に着けようとしています。

いまは、両社が主役の座をめぐって、苛烈な主導権争いをしている段階ですな。

戦国時代に突入


もっとも、中堅メーカーは、そうはいきません。このままじり貧になっていくぐらいなら、アップルと組んで、下請けでもなんでもいいから生き残る道を選択しなければなりません。

アップルの呼びかけに応じる企業は必ずいます。

いや、急転直下、トヨタが応じる可能性だってあります。社会が変動している時は何だってありますからね。

アップルと提携するメーカーが現れれば、競争上、他社はその他のIT企業と提携することになります。

IT系、配車系、電機系、旧自動車メーカー系などが入り乱れて、しばらくは戦国時代が続きそうです。








絶好調の任天堂だが「弱者の戦略」には不安定さが伴う

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任天堂が絶好調です。2021年3月期の決算は、最高益を更新する見込みです。

コロナ禍で追い風を受ける


こちらは、コロナ禍で追い風を受けた企業です。

世界的な巣ごもり需要で、ゲーム機(スイッチ)とゲームソフト(あつまれどうぶつの森)が大ヒットしています。

特に自宅待機規制の強いヨーロッパ各国での販売が好調で、品薄なスイッチは、すぐに売り切れる状態だそうです。

夏頃にいったん落ち着いたように見えたものの、冬の感染の広がりとともに再び盛り上がってきています。

わかりやすい。

懸念材料は、パンデミックが収束することだ、とアナリストが言っているようで、なんとも複雑な気持ちになります。

ソニーは「強者の戦略」、任天堂は「弱者の戦略」


ただ、コロナ禍もいつかは収束しますので、そのときの落ち込みがどの程度のものかが、最大の問題です。

同じくゲームビジネスが絶好調なソニーですが、こちらは音楽、映画、などでコンテンツを広く活用するビジネスを展開しています。

ゲーム機を軸としたオンライン会員の獲得にも積極的で、収入の安定化を進めています。

これに対して、任天堂は、ゲーム機やゲームソフトの製品力で勝負する潔いスタイルです。だから殆どのソフトが自社開発です。

いわば、任天堂は、ゲーム産業における「弱者の戦略」をとっており、かつてのソニーを彷彿をさせます。

逆に、プレイステーションの販売量を基盤に、協力企業の力を結集するソニーは「強者の戦略」です。ゲームソフトも、映画などのコンテンツも、協力企業と収益を分け合っています。

ソニーは、きっと弱者の戦略の不安定さに懲りたのでしょうな。したたかな企業になっています。

こうした企業それぞれの思惑の違いも面白いですね。


ともかく、任天堂のビジネスには、弱者の戦略に伴う不安定さがあります。

アフターコロナのビジネスの行方が気になるところです。




コロナで停滞するボクシングビジネスにどのような未来があるのか?

ボクシングビジネス

(2021年2月4日メルマガより)


コロナ禍は、多くの産業に多大な影響を与えていますが、スポーツビジネスも壊滅的なダメージを受けているひとつです。

東京オリンピックでさえ実現不明な状態ですし、プロスポーツイベントの多くが中止または規模縮小を迫られています。

ボクシングの世界も同じです。密集状態の避けられない興業イベントですから、コロナ禍の中ではなすすべがありません。

ただでさえ選手期間が短い競技、このような形で過ごさなければならない選手の不運は実に残念に思います。



井上尚弥の全盛期をコロナに奪われる?


キャリアの最盛期にあると思われる井上尚弥選手については、特にそう思います。

日本史上最強と誰もが認める不世出のボクサーは、今や、誰と闘っても負けるところが想像できない状態です。

現在、27歳。油の乗り切った時期です。

コロナさえなければ、2020年にもバンタム級を統一し、スーパーバンタム級に挑戦していたはずです。


2019年11月、埼玉スーパーアリーナで行われたWBSS決勝戦、井上は、歴史に残る激闘の末、元5階級制覇チャンピオンのノニト・ドネアを退けました。

大橋秀行会長(大橋ジム)によると、試合後の通路で井上は「楽しかったー」とつぶやいたそうです。

ドネアの強打で目の奥を骨折し、一度はダウン寸前まで追い込まれた試合を「楽しかった」とは、よくよくボクシングが好きな人です。

井上は常日頃「苦戦してみたい」と発言していましたが、その言葉がおごりでも強がりでもなく、本心だったということに鳥肌が立ちました。

この強靭なメンタルを持つ井上を、大橋会長は「1万年に1人の天才」と言っています。(大橋会長が現役時代「150年に1人の天才」と言われたことをもじった発言)

1万年って、人間の歴史より長いやないか!と突っ込むところですが、こと井上に関する限り、さもありなんと思わせるところがすごい^^

この人はどこまで歴史を塗り替えるのだろうと思ってしまいます。


ただ、井上は、35歳で引退することを公言しています。パフォーマンスが落ちてまで続けたくないというのも本音でしょう。

だとすれば、あと7年です。

限られた時間を、コロナで奪われる悔しさよ!仕方ないこととは言え、返す返す残念でなりません。


最後のビッグマッチを待つ村田諒太


オリンピック金メダリストにして、WBA世界ミドル級スーパーチャンピオンの村田諒太も足止めを食らっています。

村田も、コロナがなければ、PFP1位のサウル・アルバレスとのビッグマッチが実現していたかもしれません。

ちなみにPFP(パウンド・フォー・パウンド)とは、階級差をなくした場合、だれが一番優れているかを決めるランキングのことです。様々なボクシング雑誌や専門サイトが、PFPランキングを発表しています。

なにしろ、いまのボクシングは体重別で17〜18階級に分かれています。チャンピオンだらけでわけがわかりません。誰が一番なのか決めたくなるというものですよ。

サウル・アルバレス(メキシコ)は、スーパーウェルター級からライトヘビー級まで4階級を制したチャンピオンです。

とくにミドル級からライトヘビー級までは、同時にチャンピオンだった時期もあり、漫画のような離れ業をやってのけた超人です。多くのPFPランキングで1位です。(薬物疑惑はありますが)

1試合、数十億円は稼ぐ人気者ですから、その対戦相手も、大きなファイトマネーを見込むことができます。

金のこともそうですが、ビッグマッチをやりたいというのは、すべてのボクサーの夢でしょう。

村田には、その機会があっただけに、いまとなっては残念です。

キャリアの終盤、あと1、2試合で引退するだろう村田にとって、有終の美を飾りたい気持ちしかないはずです。

いま、村田は、もう一人の強者であるゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との対戦を模索しているといわれます。

はやくコロナが収束し、東京ドームでビッグマッチを実現してほしいものです。



キャリア終盤で評価を上げた井岡一翔


昨年末、日本人同士の大一番を制し、評価を上げたのが、ベテランの井岡一翔です。

井岡は、ミニマム級、ライトフライ級、フライ級、スーパーフライ級を制した4階級チャンピオンです。

歴史に残る名王者であることに間違いはありません。が、テレビ局の意向だったのか、安全な相手を選んで試合していると思わせる時期があり、実績に比べて評価はいまいちでした。

ボクシングのスタイルも守備を重視するものです。危険を冒して殴り合うような場面が少なく「試合には勝つが、面白くない」と思われていました。

その井岡に挑戦したのが、田中恒成です。ミニマム級、ライトフライ級、フライ級を制した3階級チャンピオンで、4階級制覇を目指して、井岡の持つWBOスーパーフライ級タイトルに挑戦したのです。

田中は、好戦的なスタイルで、スピードもあり、パンチ力もあります。派手な試合が多いので、人気があります。世界的な評価も高く、PFPにランクインしていることもありました。

この時、井岡は31歳、田中は25歳。若く勢いのある田中の方が、優勢だとみられていました。

ところが、井岡の守備的なスタイルがはまりました。

抜群のスピードでガンガン攻める田中に対し、ガードを固めて守る井岡のカウンターが見事に決まったのです。

カウンターの左フックを3度も決められ、田中は初めてのKO負けを喫してしまいました。

ボクシングにおいて守備が重要であることは、疑いようのない事実ですが、それをここまでまざまざと見せられた試合はありません。

井岡の地味な基本技術は、これほど高かったのかと、皆が驚きました。


井岡もベテランですから、あと何試合できるかわかりません。望むのは、世界的な強豪とのビッグマッチでしょう。

やはりコロナ収束後に、引退を見据えた数試合を行いたいと考えていることでしょう。


「金の亡者」であり続けるフロイド・メイウェザー

コロナ禍で停滞するボクシング興業ですが、一部、無観客試合を試す動きもあります。

しかし、観客がいなければ、会場が盛り上がりませんし、入場料収入がとれません。収入がなければ、ファイトマネーも上がりませんので、人気のあるボクサーほど、試合を行おうとはしません。

なにしろ危険な競技ですからね。安い報酬で、大けがなどすれば、一生の大損です。大金が稼げる機会を待とうとするのは、プロとして当然の合理的行動です。

しかし、そんな中、見過ごせない動きが広がっています。

およそまともなボクシングとはいえない試合が組まれ、ビッグマッチとして開催されようとしているのです。


元5階級制覇チャンピオンで無敗のまま引退したフロイド・メイウェザー(米)が、今月20日、有名ユーチューバーのローガン・ポール(米)と試合をする予定です。

メイウェザーは、PFPランキングで長期間1位だったエリート・ボクサーです。KOを狙わない守備的なスタイルで無敵でした。

現在、PFP1位のサウル・アルバレスも、メイウェザーに負けたのが唯一の黒星です。

試合が面白くないので、それを補うために、メイウェザーは、意図的に悪役を演じていました。

彼のキャラクターは「金の亡者」です。ボクシングは金のため。金のためならなんでもやる!と挑発を繰り返し、アンチを増やして試合を盛り上げました。

「倒されろ!」というアンチの合唱のなか、パンチをもらわないスーパーテクニックを見せて、判定勝ちに持ち込んでしまいます。アンチが悔しがるのなんの。でも、客が入るので、報酬も大きくなります。

なんとも戦略的なキャラクターづくりです。

ところが、メイウェザー、49戦無敗で引退したかと思えば、今度は、総合格闘家と試合をしたり、日本で那須川天心とエキシビジョンマッチをしたりして、大金を稼ぎ続けています。

金の亡者は、キャラクターではなかったのか!?

あげくに、ユーチューバーとの試合です。今度も、数十億円稼ぐのでしょう。


ユーチューバーの方がビッグマッチができる


相手となるローガン・ポールは、年収10億円ともいわれる世界的ユーチューバーです。

実は、彼がボクシングマッチを行うのは今回が初めてではありません。一昨年の11月、同じくユーチューバーKSI(英)と試合を行いました。

この試合、本物のボクシングのタイトルマッチを前座に回しての堂々のメインイベントとして開催されました。(KSIの判定勝ち)

さらに昨年11月には、マイク・タイソンのエキシビジョンマッチの前座で、人気ユーチューバーのジェイク・ポールと、NBAプレーヤーのネイト・ロビンソンが試合を行いました。(ポールのKO勝ち)

ボクシングの専門家からは「ボクシングは遊びじゃない」「冒とくしている」と怒りの声が上がっていますが、興業主はどこ吹く風です。

なにしろ盛り上がります。有名ユーチューバーともなれば、フォロワーが2000万人も3000万人もいるものですから、人が集まります。

そのうえ、ライブ配信でも稼げますから興業主とすればリスクが少ない。

ユーチューバー側も、動画の再生回数を上げることが目的ですから、ファイトマネーはそこそこでいいはずです。

とにかく大きなイベントがあれば、そこに向けてのトレーニングや煽り動画を配信することで、再生回数を稼げます。

ファンとすれば、いつも見ているお気に入りのタレントが、本物のボクシングの試合をするというので、それは感情移入してみるでしょう。

つまり、ボクシングに不足しているわかりやすい背景のストーリーが、ユーチューブだと簡単に作ることができるのです。

これはほかのスポーツ競技も同じでしょう。コロナ禍で無観客試合なのに黒字にできるイベントを既存のスポーツ競技はつくりにくい。ユーチューバーの力量に頼るしかないのです。

情けない事態には変わりありませんが、なぜこのようなことになったのか、反省することで、未来が開けてくるはずです。


モハメッド・アリが切り開いたボクシングのビッグビジネス化


思えば、ボクシングがこれほどビッグマネーが動くビジネスになったのは、モハメッド・アリの功績が大きいと考えられています。

「バンタム級のスピードを持つヘビー級ボクサー」として無敵だったアリは、試合前に、対戦相手を罵ることで有名でした。

およそスポーツマンらしくない態度と豊富な語彙で相手を罵り、挑発する行為は、マスコミの注目を集め、良識ある人々を怒らせました。

ついたニックネームが「マイティマウス(ほら吹き)」です。

あんな憎らしいやつ負けてしまえと、多くの人が思ったことでしょう。しかし、試合では危なげなく勝ってしまうのです。

まさに元祖ヒール。

もしアリの挑発行為がなければ、一方的な試合はまるで盛り上がらなかったはず。アリの行為は、試合前のストーリーこそ重要であることを知らしめたのです。


アリ以降、試合前の挑発行為は恒例行事となりました。挑発行為と試合はセットとなり、マスコミを巻き込んだ一大イベントになっていきました。

アメリカでは、面白い煽り言葉をつかえる者ほど人気が出ます。格闘技といえども、実力があるだけでは不十分で、英語を使いこなせなければなりません。客を呼べないからです。

ゴロフキンのような実力者がいつまでも脇役に回らなければならない理由がここにあります。

が、いまは時代が進みました。アメリカには、英語を話せない人も大勢います。メキシコ系やプエルトリコ系など、ボクシングファンが多い層は、むしろスペイン語を話します。

彼らに試合前のストーリーを伝えるにはどうすればいいのか?

ボクシングビジネスで最も大きな課題の解決のヒントを示したのが、ユーチューバーの活躍です。

SNSを最大限使いこなし、固有のファンを持つユーチューバーが、ボクシングの技術はまるで未熟でも、プロをはるかに凌ぐイベント開催を可能にしたのです。

情けなかろうが、どうであろうが、この事実から学ばないとボクシングビジネスに未来はありません。


強いだけでは試合をさせてもらえないボクサー


これからのプロボクサー、プロ格闘家、プロスポーツ選手は、キャラクターを自ら立たせることが必要になってきます。

もちろん、アスリートとしての実力があってのことですが、プロである以上、興業を成立させなければなりません。

実力よりも、キャラクターが広く浸透し、人気のあるボクサーの方が、興業の主役になってくるはずです。


例えば、現在のWBAバンタム級チャンピオンは、ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)です。

オリンピックで2大会連続金メダルを獲得したという実力者で、一部マニアからは「井上に勝つ可能性があるのはリゴンドーしかいない」と噂されているほどです。

ところがこの人、まったく試合を盛り上げる気がありません。強い相手には徹底して打ち合わず、しょぼい判定勝ち狙いの試合をしてしまいます。

だから試合に勝っても「あんなのプロの試合じゃない」と対戦相手にも、興業主からも文句を言われる始末です。

かといって、試合前に面白いことを言って盛り上げるトークの技術もありません。

全くもって、困った実力者なのです。

井上に匹敵するという実力がありながら、業界から完全スルーされているのはそのためです。

既に、プロボクシングは、強いだけではスターになれない世界なのです。


プロ格闘家は、自身のキャラクターを訴求せよ


プロは試合で魅せるものという考えもあるでしょうが、徐々に格闘技界も変わってきています。

引退した元ボクサーたちが、続々とユーチューブデビューして、ボクシング人気を盛り上げています。

彼らのエキシビジョンマッチ(非公式試合)は、しばしば正式のボクシングの試合よりも、注目を集めます。

アベマTVが、意欲的にそうした試合を放映して、視聴者数を稼いでいます。

朝倉未来、朝倉海兄弟のように、収入的にはユーチューバーの方が本業だと思える人気格闘家もいます。

ボクシングでも、WBAライトフライ級チャンピオン京口紘人は、積極的にユーチューブを配信し、キャラクターを訴求しています。

プロ格闘家のこうした試みを笑ってはいけません。

これも挑戦です。

人気者がいてこそ業界が盛り上がり、ビッグマネーが動くようになり、アスリートの居場所が確保されるというものです。

いや、アスリートはまず実力、SNSをする時間があれば練習せよ、というのであれば、業界が彼らのキャラクターを浸透させるための仕掛けを積極的にしていくべきです。

業界主導であれば、教育番組のようになってつまらないかな。

やはり、アスリート側がそれぞれ工夫して、自分の売り方を訴求していくべきですね。プロのユーチューバーと組んだりして、面白い配信を試みてください。


業界も変わってきている


日本では、2月11日、井上尚弥も参加するチャリティイベントが開催されるそうです。

ボクシングの現役チャンピオン、元チャンピオンが多数参加し、エキシビジョンマッチを行います。

そこには、東京オリンピック代表のアマチュアのエリートボクサーも参加するとか。プロとアマが一同に会するイベントなんて、いままでなかったはずですよ。

プロとアマのトップ選手同士が練習試合とはいえ、拳をあわせるなんて、ワクワクするじゃありませんか。

これも業界が危機感を持ち、進化しようとしている証左です。

衝撃!アマゾン ジェフ・ベゾスCEOが退任

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なかなかショックなニュースです。

怪物経営者


AMAZON.COMを1994年に立ち上げ、1代で売上高40兆円の企業に育て上げた怪物経営者が、あと半年ほどでCEOを退くとのことです。

ネット通販とAIを結び付け、販売を最適化するというアイデアは、優れていますが、誰も思いつかないものではありません。が、競争力を物流だと定めて、そこに集中投資した決断がアマゾンを際立てました。

先行投資が大きいため、創業から5年ほどは利益が出ず、ビジネスモデルそのものの有効性が疑われていたものです。利益が出ても微々たるもの。しかし、いつでも利益が出せるという姿勢を見せてからは、無双状態でした。

経営方針は「利益を出すぐらいなら、消費者に還元する」というもの。「すべて消費者のため」を旗印に、非効率な産業や、儲け過ぎている業界を飲み込んでいきました。その影響は甚大で「アマゾン・エフェクト」という言葉が作られました。

その経営スタイルは、アントレプレナーシップにあふれており、大企業のような硬直した保守的な組織になってしまうことを嫌っているということでした。

何事にも徹底することで知られており、妥協を許さないと聞こえています。優秀な経営者はみな一貫しているのでしょうが、そのなかでも、ベゾス氏の徹底ぶりは強烈だといわれていました。

そんなCEOが退任するというのですから激震です。

悪の帝国化はあるのか?


アマゾンが、Eコマースの必要に迫られて扱ったクラウドを事業として展開してからは、想定以上の利益が上がるようになり、むしろアマゾンが儲けすぎだと思える状態になりました。

今回、ベゾスに代わってCEOになるアンディ・ジャシー氏は、クラウド部門の責任者だということですから、方針そのものも変わるのではないかと危惧されます。

危惧。と書きましたが、アマゾンほど圧倒的なシェアを持つ企業が、儲け主義に走ったら、思うがままです。

アマゾンが破壊して、更地になったような業界で、好き勝手な商売をされたら、お手上げです。

それこそ悪の帝国になってしまいます。

ジェフ・ベゾスだから、そんなことはしないだろうと信頼している部分がありましたが、代替わりすると、そうではないかもしれない。

まさかこんなに早く交代するとは思わなかったので、戸惑っています。


もっとも、ベゾスは大株主ですし、会長として残るということなので、それほど大きな方針転換はないでしょう。

ウォルマートをはじめ競合他社が、アマゾンがミスすることを待ち構えていますし、なにより、消費者がそっぽを向いたら、生きていけません。

GAFAに対する風当たりが強い今ですから、悪の帝国化はないでしょうが。

今後のアマゾンの方向性が気になる


ただCEOが変わるというのは、徐々に戦略方向性も変わっていくはずです。新CEOがどの方向へ舵を切るのか、これから見ていかなければなりません。

普通に考えれば、クラウド関連事業を強化していくのでしょう。将来的には、その利益をもとに、新しい事業展開を進めていくはずです。

ベゾス氏が取り組む環境関連事業や宇宙開発事業と合流するのかもしれません。あるいは、自動運転車や有人ドローンへ乗り込んでいくのかもしれません。

クラウド、AI、物流に強いアマゾンですから、リアルからバーチャルまで、できることは多い。なんでもできます。

それだけに、方向性が気になります。

私は、アマゾンにはまだまだ変えてもらいたい業界があるので期待しているのですが、新CEOになって、どうなるのでしょうか。

アマゾンは、低価格住宅事業に参入するのか?


永続的な組織づくりに取り組む意図


それにしても、業績絶好調のなかでのCEO退任は、思い切った決断です。

組織を永続させるためには、仕組みが必要です。個人の影響力が強すぎては、経営者が交代するごとに危機に陥ります。

そういう意味では、ベゾス氏の個人的影響力が強いアマゾンは、事業承継に難儀しそうです。それを避けるために、スムーズな状態で引継ぎし、永続的な組織づくりに取り組むという意図なのでしょう。

そうはいっても、いつまでも固執したいのが人間です。潔いではないですか。

あるいは、知られていない事情があるのかな。そのあたりは、続報を待ちたいと思います。




観光地としての沖縄のポテンシャルはハワイ以上

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観光施策に積極的な沖縄のリゾートホテルが、冬の集客のためにサウナを始めたという記事です。

テント式のサウナで、熱くなれば、そのままプールや海に飛び込むことができます。

リゾートホテルならではの聞くからに爽快なサービスではないですか。

沖縄が、ハワイを超える方法


記事にあるように、コロナ前の沖縄の観光客数は、ハワイを超えていました。

アジア各国から近い位置にある沖縄は、リゾート地としてハワイ以上のポテンシャルを持っているので、まったく驚く数字ではありません。

ただ観光収入は、ハワイに遠く及びません。ハワイの観光客は、長期滞在が基本ですが、沖縄は短期滞在になることが多いからのようです。

要因はいくつかあります。高級ホテルの不足。ビーチとショッピングとレストランが一か所に集積していないこと。沖縄食に好き嫌いが多いこと。

沖縄の場合、自然発生的な場所が多く、観光地としての整備がなされてこなかったのだから仕方ありません。

課題はわかっているのだから、対策を打つことはできます。

高級ホテルの整備は進んでいますが、もっとあってもいいでしょう。沖縄には、魅力的な離島や自然が多いので、高級リゾート地の立地には困らないはずです。

ハワイのホノルルのように、ビーチとショッピングとレストランが集積した場所があった方がいいと思いますが、これは時間がかかるかもしれません。北谷のあたりがその候補地なんでしょうが、どうなるでしょうか。

食に関しては、既に、観光客にもあう創作料理を出す店がいっぱいあります。沖縄版ミシュランガイド(掲載費に頼らないガイド本)のようなものがあればいいのではないでしょうか。

冬の沖縄も素晴らしい


そもそも沖縄は冬でも気温20度程度です。海に入ろうと思えば入れます。とくにダイビングは、冬の方が適しています。

海だって、きれいなエメラルド色です。車で街中を走っていて、何かの拍子に突如広がる海の景色の美しいこと!あれは何も代え難い。

ゴルフも快適にできるでしょうし、その他スポーツもあります。

グスクなど観光地に行くのも暑すぎません。

沖縄といえば、夏、というイメージがつきすぎているのかもしれませんね。

そういう意味で、サウナを冬の目玉にしようという取り組みは、いいと思いました。どんどん試みていくべきですよ。

私など、空いていて、渡航費も宿泊費も安い冬の沖縄の方が、好きですけどね。

お酒が飲める人なら、こぶりな居酒屋にいってみてください。人懐っこい地元の人と話してみると、いっぺんに好きになりますよ。

実は、いまのままの沖縄が好きです


しかし、実をいうと、私個人としては、いまの自然な沖縄が好きです。

沖縄風の家屋と無味な低層のビルが入り混じった街並み。質の悪いコンクリートの色合い。屋上の給水タンク。

でこぼこな歩道。雑な観光地。まるで整備されていないグスク跡。

突然、振り出す激しい雨。

場末感いっぱいの小さな飲み屋。頼まれてもないのに三線を弾きだすオジン。

ひどいことを言っていますかね。それでも、このままの風景で残ってほしいと思っています。あと10年も経てばすっかり変わってしまうのでしょうが。


実は、この内容、先月の「戦略勉強会」で取り上げたものです。

いまは沖縄に行けないストレスを解消するために採用したテーマであることをお察しください。

少しはストレス解消できましたかね。

コロナが収束すれば、ぜひ沖縄に行きましょう。

大戸屋は、ニーズを先取りしようとしてあてが外れた

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マーケティング戦略のバランスの難しさをマクドナルドと大戸屋の事例に寄せて書いた記事です。

顧客のニーズを起点にビジネスを行うのがマーケティングの考えです。「いい商品なら売れる」というのは、プロダクト志向といって、度が過ぎると、高機能高価格の売れない商品になってしまうのが落ちです。

かといって、ニーズを過剰に取り入れすぎても、つまらない商品になる可能性があります。顧客が意識するニーズは表面的なものです。iPhoneのような革新的な商品は、そこからは生まれません。

ニーズの先取りは失敗する可能性の方が高い


では、どのようにすれば、顧客を驚かせ、感動させるような商品やビジネスが生まれるのか。

iPhoneは、天才スティーブ・ジョブズによるコンセプトがあったわけですから、参考にしにくい。

よく行われるのが、顧客の中でも少数意見に着目し、変化の兆しを読み取る方法です。感度の高い顧客の中には、未来的な潜在需要を言い当てている場合があります。そこへ向けてサービス展開すると、時代を先取りしたビジネス展開ができるかもしれません。

が、当然、あてが外れる場合もあります。というか、外れる方が多い。だから、戦略方向性を決めるときは、慎重に見極めなければなりません。

大戸屋の場合、安くて美味しい男性客中心の定食屋さんが、大胆にも、女性向けの安心安全健康なランチを提供するお店にシフトチェンジしようとして、あてが外れた事例です。

女性向け、健康志向というのは、悪い方向性ではありません。そのコンセプトで成功する企業もあるでしょう。しかし、大戸屋の規模で、既存顧客の離反を招いてまで絞る方向性としては、いかにもリスキーです。

挑戦することを否定するわけではありません。大戸屋側にも言い分があるでしょう。しかし、企業経営としては結果を評価するしかありません。

マクドナルドは「強者の戦略」を丹念に行った


これに比べて、マクドナルドはうまく需要をつかみ取っています。

マクドの場合、ファーストフードのトップ企業ですから「強者の戦略」をとる必要があります。

強者は、世の中のニーズや、競合企業の動きにアンテナを張っておき、目立ったものには、すぐにミート(ぶつける)することが肝要です。

だから、健康志向にも配慮するし、逆に競合のロッテリアが打ち出した高級路線も、バーガーキングが打ち出したボリューム満点路線にも対応します。

これが強者のミート戦略です。その中から、効果の高いものを残していけば時代に沿うビジネス展開ができます。

マクドナルドが、時代を読み取る力が優れているようにみえるのは、強者の戦略を丹念に行った結果だと思えます。

その観点でいえば、大戸屋は、定食屋という市場で、それなりの大手だったはずです。強者の戦略をとる場面で、弱者の戦略をとったのではなかったか。いわば自滅した格好で、やよい軒を喜ばせてしまった次第です。

コロワイドと大戸屋のドタバタ買収劇




拡大だけでアップデートしなかった「いきなり!ステーキ」の末路

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いきなり!ステーキの苦境とニトリやくら寿司の好調を、チェーンストア理論で説明する記事です。わかりやすく納得できます。

チェーンストア理論とは


チェーンストア理論とは、10店舗以上の多店舗を本部管理で運営するための理論です。20世紀初頭のアメリカで成立し、日本に持ち込まれました。

日本では、経営コンサルタント渥美俊一氏が有名です。小売店の生産性向上を掲げた渥美氏のもとに、多くの小売業が集まり、大きな成果を上げました。1960年から70年代にかけての量販店の興隆は、渥美氏の指導を受けた企業が中心となっていました。

現在でも、ニトリが、渥美氏の理論を実践していると公言しています。

アップデートしなければ、すぐに破綻する


チェーンストア理論を一言でいうと、本部による集中管理です。各店舗がバラバラに運営していたのでは、多店舗の意味がありません。仕入れにしろ、一括で行うことで、集中効果を得ることができます。

そのためには、それぞれ店舗担当者の裁量にゆだねるのではなく、また本部の個人の才覚で行うのではなく、一定の仕組み、運営のルールが必要です。

もちろん業種によって、地域によって最適な店の運営方法は違うので、まずは、どのような仕組み、ルールで運営すると成果が上がるのかを見つけなければなりません。仕組みができると、それを多店舗で共有するのです。

ただし、店舗が10店舗の時と、50店舗の時では、運営のルールが異なるはずです。200店舗になるとまた違う運営の仕方をしなければなりません。

チェーンストア経営のキモは、店舗数が増えるにしたがって、運営のための仕組みをアップデートしていくことです。

一回、うまくいったからといって、それをずっと続けていると、早晩、破綻してしまいます。

それが、いきなり!ステーキの姿だと、記事は指摘しています。

アップデートせずに成長だけを追い求めた


いきなり!ステーキは、立ち食い形式を採用することで、顧客の回転数を高めて、延べ人数を増やすことで、薄利多売を可能としたステーキ業態です。

安いから客数が増え、儲かるというシンプルなビジネスモデルは新鮮で、業界にセンセーションを巻き起こしました。

顧客からの支持も得て、いきなり!ステーキは多店舗展開に邁進します。あまりにも急激な店舗増加を危ぶむ声も少なくありませんでしたが、同経営者は意に介さず、「急成長を楽しむ」と言っていたものです。

が、行き詰るのも早かったですね。コロナ禍もあいまって、大量閉店を余儀なくされています。

チェーンストア理論で重要なのが、仕組みをアップデートすること、およびアップデートした仕組みを使いこなせるように人材を教育することです。

人材の成長に、企業の成長をあわせなければ、健全な状態を維持することができません。

いきなり!ステーキの場合、急成長に人材教育が追い付いていないという、これもやはり単純な原因が浮かび上がります。

スタートの成功も単純、その後の失敗も単純とは、なんと単純な企業なのでしょうか。

営業組織の生産性向上も根本は同じ


ちなみにドン・キホーテなどの個店の裁量を大幅に認めたチェーン店の好調が目立ちますが、これはチェーンストア理論が通用しなくなったというのではなく、新たな仕組みのアップデートが始まっているということです。

現場裁量のいい部分と本部管理のいい部分を合わせた仕組みを作ることが、現在のトレンドのようになっていますが、当然、業態や企業によって成功パターンは違いますから、各自が独自の仕組みを持つべきですね。

またチェーンストア理論の概念は、小売店だけではなく、多くの分野に応用できるものです。

仕組みを作り、人材を育て、さらに仕組みをアップデートし、人材を育てる。これは、どんな組織にも応用可能です。

当然、営業組織の生産性向上も、根本の概念は同じです。

営業組織も、日々、アップデートしていかねばなりませんよ。







最悪の上司にあったらどうするか

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「相性が最悪の上司」って、聞くだけでも胃が痛くなります。会社員なら誰もが一度は経験した状況ではないでしょうか。

私もありました。

耐えるしかなかった昔


昔の話です。上司が最悪だと逃げられません。訴えて出たいけれど、こういうトラブルには喧嘩両成敗的なイメージがあり、自分も無傷ではいられませんから躊躇していまします。

理不尽な思いがありましたが、上司が変わるまでは、と耐えるしかありませんでした。

幸い、新しい上司とは相性がよく(上司の管理力が高かったということでしょうが)、実に楽しい会社員人生を送ることができました。

私が著書に書いたサーモスのV字回復事例は、その上司の下だったので、いい思い出となっています。

あれが、最悪の上司だったらと思うと、冷や汗が出ます。結局、運がよかったと思います。

メンタルをやられてからでは遅い


記事は、最悪の上司なら、迷わず部署の移動を願い出ろ、とアドバイスしています。

それがいいのでしょうね。会社側も、いまは、相性とか、ナイーブな部分に理解があるので、無碍にはしないでしょう。

メンタルをやられたら、本人も会社も取り返しがつかないダメージですからね。

相性の問題は管理者の責任


結局、部下側が相性が最悪だと感じるのは、上司に管理能力がないということです。様々なタイプの部下に対応できず、自分のコミュニケーション方法を押し付けるものですから、齟齬が生じます。

部下に受容能力があれば、やり過ごすこともあり得るでしょうが、それって、管理者の仕事を部下に押し付けているだけですよ。

管理者の仕事は、現場担当者が力を発揮できるようにすることです。それができない者を管理者にしてはいけません。

故野村克也監督が、アクの強い野球選手を管理するのは大変だったと言っていましたっけ。南海時代の3悪人(江本孟紀、江夏豊、門田博光)が自分を育てたんだという語録が残っていますが、まさにこれが管理者の姿勢ですよ。体育会系の上下関係の延長でいたら通用しません。

上司と部下という言い方も止めた方がいい


逆に、プレーヤーとしていくら優秀でも、管理者としての能力がない者もいます。マネージャーとプレーヤーは、違う能力が求められますから。

なんとなく、マネージャーになる者が優秀で、プレーヤー止まりの者はダメだという価値観を捨てなければいけません。

だから上司とか部下という名称もやめた方がいいですね。あくまで現場担当者と、管理者。職が違うということで、どちらが上等だということではありません。

もちろん現場担当者側にも、柔軟性が求められます。いくら優秀な成績を残しているといっても、わがまま放題では評価できません。

特に営業担当者は顧客と接する仕事なので、相性の問題は自分で何とかしなければなりません。

嫌いな顧客を嫌いだと思わなくなる方法

が、それは別の話として。

最悪の上司も「反面教師」として使えます


ちなみに私と相性が最悪だったその上司、その後も、似たような状況を作っていたようで、トラブルの話が絶えませんでした。だから、相対的に私の株が上がるという事象が起きました^^

今では研修やセミナーで「悪い上司」の事例としてフルに使わせていただいております。

いい経験も悪い経験もすべて資産ですからね。使っていきますよ。




プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

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