わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

2018年1月25日(木)ランチェスター戦略入門セミナーを開催します

2018年1月ランチェスター戦略入門セミナー

世界大学ランキングで、日本の大学が急落


先ごろ、「世界大学ランキング」なるものが発表されました。

こういうランキングは、主に英米の研究誌や機関などが毎年発表しているもので、有名なものはイギリスの機関が担っています。

だからトップにはイギリスの大学が選択されることが恒例です^^

が、一応、といいますか、厳格な評価基準なども設定されていますので、いい加減なものではありません。

日本政府も、トップ100に主要大学10校をランクインさせる目標を立てています。

しかし、今のところ、その目標には近づいていません。

というか、逆に、ランキング下落が著しい結果となっています。


1位はオックスフォード大学(英)、2位はケンブリッジ大学(英)、3位はカルフォルニア工科大学(米)とスタンフォード大学(米)。10位のチューリッヒ工科大学(スイス)を除き、トップ20をイギリスとアメリカの大学が独占した。

というのはいいとしても、

アジアで最もランクが高いのは、22位のシンガポール国立大学。中国の名門である北京大学(27位)と清華大学(30位)も上位にラインクインした。

ということで、アジアの中でも、東京大学は、7位にとどまっています。



大学ランキングだけではない。周回遅れになる日本


英語圏にない日本の大学がランキング下位であることはある程度、仕方ないという意見もあります。

シンガポールや香港の大学がいつも上位に入るのは、それが理由だとも。

しかし、中国の大学にも普通に負けている事実には、現実を見せられた気がします。

大学のランキングだけではありません。最近、中国の勢いが、日本をはるかに凌いでいる情報が多く寄せられています。



一気に立ち上がった中国には、大学にも産業界にもしがらみや既得権益が少なく、最先端のものが普及しやすい状況にあるようです。

電気自動車も、リニアモーターも、電子マネーも、AIも、起業家育成も、既に日本が周回遅れになっていることを認識しなければならないところに来ていると感じます。


これは要するに、われわれが、停滞した社会に住んでいる、あるいは動きの遅いエスカレーターに乗っているようなものだということです。

社会全体が成長しているときは、流れに身を任せ、みなと同じようなスピードで歩いているだけで、よりよい未来に行きつくことができました。

しかし、いまの日本の社会で、まわりと同じ動きや努力をしていても、世界から取り残されていくだけです。

平均年収300万円社会が煽りではなく現実になろうとしています。

われわれが生き残るためにできることは何か


ここでわれわれに必要なことは、現実を認識した上で、

「年収300万円でも満足できる低燃費の生活を組み立てる」か、

「アジアの成長スピードに負けないように自ら努力をする」か、

「流れとは別のところ=人とは違うことをして生き残りを図る」か、だと考えます。


わたしはもちろん、第三の道を選びます。

その意味では「戦って勝つよりも、戦わずに生き残る」ことを至上命題とする孫子の兵法や、

「どんなに小さな弱者でも、生き残る道を見出す」ランチェスター戦略を学んできたことが役立っています。

これからも、ますます学んでいきたいと思います。


★2018年新春 1月25日(木)19時〜



まわりと同じでは生き残れない時代、われわれはどのような方向へ進めばいいのか?

企業としても、個人としても、どのようにすれば、生き残っていけるのか?

その大いなるヒントをランチェスター戦略は教えてくれます。

2018年の初め。

ランチェスター戦略の神髄をお聞きください。

AbemaTVのリスクは高いが、リターンも大きい

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「スマホで観るテレビ」AbemaTVが話題ですね。最近は、地上波TVにはできない独自番組が増えてきているようですし、先ごろは元スマップの3名を使った72時間テレビも成功させたみたいです。

もっとも実態はいまだ年間200億円の赤字を計上する大赤字の事業です。

AbemaTVは年間200億円の赤字から脱却できるのか?


しかし聞こえてくるのは、サイバーエージェント藤田社長の同事業への傾斜ぶりです。

ここのところ藤田社長はAbemaTVのスタジオに出ずっぱりで、マークシティ(本社が入る渋谷のビル)で姿を見かけなくなりました。

と社員が証言するぐらいです。

200億円の赤字でも「儲かる」という藤田社長


ちなみにAbemaTVは、企画編集はサイバーエージェント側スタッフが行い、現場はテレビ朝日のスタッフが回しているそうです。

テレビ朝日は共同出資者ですが、赤字を被るのはサイバーエージェント1社のみという体制です。利益の薄いテレビ局側とすれば、とても100億円近い赤字は耐えられないでしょうからね。

それにしてもこれだけの事業リスクを一手に引き受けるサイバーエージェントは、どういうつもりなのか?と疑いたくなりますが、当の藤田社長は「儲かる」と踏んでいるようです。

要するに、サイバーエージェントの主力事業である広告を出稿するためのメディアを作ろうという構想です。

通常のマーケティングでいえば「PLACE」の部分。これを自ら作ってしまおうというのだから成功すれば、それは儲かるでしょう。

「PLACE」を制する者がビジネスを制す


ランチェスター戦略入門セミナー」などでもいつも取り上げる部分ですが、ビジネスにおいて最も破壊力を持つのが「PLACE」です。

※PLACEとは、売る場所のこと。言い換えれば、販売チャネルや販売ルートに近い概念です。

いくらいい商品、画期的な商品を作っても、それを売る場所がなければ、顧客の目に触れることすらありません。

が、販売する場所を多く持っていれば、それだけ多くの顧客の目にとまります。極端な話、いまいち性能が落ちる商品であっても、より顧客の目に触れる方が、販売実績は大きくなります。市場シェアとは、それだけの力を持つものです。

販売する場所をいち早く押さえた者が、そのビジネスを制するといっても過言ではありません。

だから、新たな「PLACE」が生まれる時に、しばしばトップ企業が入れ替わります。

パソコン時代最強のヤフオクから、スマホ時代のメルカリに入れ替わったように。

テレビゲームの任天堂から、携帯ゲーム時代のグリーやDeNA、スマホ時代のガンホーへ入れ替わっていったように。

企業は、新しい「PLACE」が生まれる時、なにを置いてもシェアを押さえなければなりません。一度、決まってしまったシェアは、そう簡単には覆らないからです。

今回のAbemaTVの場合、その「PLACE」を自ら作ろうということですから、成功すれば巨大な利益を生むことになるのは間違いありません。

勝つか、負けるかは、まだ見えませんが、挑戦しがいのある事業だということは確かです。

もっとも、いつまでも赤字続きでは耐えられるはずがありません。

ただちに会社が傾くような赤字ではありませんが、それでも限度がありますからね。

しばらくは我慢比べのような状況が続くでしょうが、どこかで臨界点が来ます。

それまでに逆転なるかどうか。という状況です。




「勝てる場所で戦う」ことを選んで年商9億円になった小さな酒屋

ビール販売なし、営業活動一切なしの酒屋 「どこにでもある酒屋」から業態転換し成功(日経ビジネス)

弱者が生き残るための極意は「勝てる場所で戦う」ことです。

それを示す好事例だと思います。

日本酒と焼酎だけで売上高9億円の酒屋さん


記事に登場するのは、広島県の酒商山田。4店舗で売上高9億円の堂々たる企業です。

ビールは取り扱わない日本酒・焼酎の酒屋さんです。

今では珍しくない形態の店ですが、同店が業態転換した1990年代はビール全盛の頃ですから、相当思い切った決断だったことでしょう。

競争しないことを選んだ


業態転換を断行したのが、いまの山田社長です。

「人と争うことが嫌い」だった山田社長は、ビールの需要を取りあう営業に嫌気がさして、「競争しない。広告宣伝もしない」店を目指します。

当時、酒屋の未来像として、ディスカウント店化、コンビニ化がいわれていましたが、そのどちらにも当てはまらない店として、品数を絞った日本酒特化の店を思いつきました。

日本酒は売上低迷していたので、力を入れている店も少なく、競争にならないと踏んだからです。

まさに「勝てる場所で戦う」ことでした。

分野を絞ると、こだわりを貫ける


私の知り合いにも、日本酒に特化した酒店を運営している人がいます。

その方は、売れている酒、美味しいだけの酒には興味を示さず、蔵元の考え方、信念、人柄をみてから扱う銘柄を決めています。

面倒くさいですよね^^;

でもその店で扱っている銘柄は、単に美味しい酒ではありません。酒に対する考え方、米や水や地域に対する考え方がしっかりしたものばかりです。

購入する方も、その店が扱っているのだから問題ないと、絶大の信頼を得ています。

酒商山田が、そこまでしているかは、記事には書かれていませんが、ジャンルを絞ったからこそできる濃いサービスや工夫がいっぱいあったはずです。

大切なのは小さな分野でもトップになること


もし日本酒や焼酎のブームがこなければ、酒商山田は一店舗の地味な存在だったことでしょう。

たまたまブームがきたのは幸運だったといえますが、来なかったとしても、同店としてはよかったはずです。

小さな店が生き残るとは、店を拡大することではありません。自らが選んだ市場の規模で生きていくということです。

重要なのはその市場でトップをとること。すると、市場が続く限り、生きていくことができますし、市場が成長すると、同じように拡大することができます。

いい事例ですね。






アマゾンとグーグルが子供のけんか アマゾンはただの利己的な企業なのか?

グーグル、アマゾン外し  ユーチューブ閲覧を遮断、AIスピーカー販売拒否に対抗(日本経済新聞・有料記事)

グーグルが、アマゾン製品ではyoutubeを見られなくする措置をとったそうです。これは、アマゾンのECサイトでグーグルの製品を販売していないことへの対抗措置だとか。

最近アマゾンの横暴ぶりが目立ってきましたね。LINEのAIスピーカーもアマゾンは扱っていません。グーグルホームもしかり。アマゾンエコーと競合するためです。

これまでアマゾンが供給元や従業員に厳しく当たっていたのも、すべて「顧客のため」という大義名分があったからだと思っていました。

顧客のためだから、余分なマージンはとらないし、得意先にもとらせない。売れている他社製品の類似品をPBにして販売するのも、顧客のため。それがアマゾンの信念だったはず。

ところが、ライバル社の製品を売らせない、というのは、企業側の都合です。なんら顧客のためではない。

この状態を推し進めると、アマゾンはただの利己的な企業だったということになりますよ。

ジェフ・ベゾスはどのように考えているのでしょうか。その言い分を聞いてみたいものです。





ラーメンチェーン国内トップの幸楽苑はなぜ不振に陥っているのか

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中華そば幸楽苑の不振の原因について書いた佐藤昌司氏の記事です。いつもながら参考になります。

ちなみに、幸楽苑については、BBT757の大前研一ライブでもとりあげられておりました。私はそちらを観ておりましたので、より興味深かったです。

ラーメンチェーン国内トップが、なぜステーキ店に業態転換するのか


幸楽苑というと、関西ではあまり馴染みがありませんが、ラーメンチェーンとして国内トップの売上高と店舗数を誇ります。

380円ラーメンが目玉だった時期があり、関東東北を中心に、売上店舗数を伸ばしました。

ところが、現在、不振に陥っており、店舗の閉鎖、および「いきなりステーキ」への一部業態転換が話題になっています。

ラーメン店がステーキ屋?というと違和感があるかも知れませんが、どちらも一人客を狙う回転数重視のビジネスですから、親和性があります。

理にかなった施策です。

業界トップの幸楽苑が不振に陥った理由


記事では、好調の日高屋との比較がなされています。

日高屋も関西では馴染みが薄いですね。こちらは「駅前の屋台の再現」をコンセプトに、駅前狭小立地に、ちょいのみできる中華そば屋さんを展開しています。

屋台のような感覚で駅前マーケットを開拓 ハイデイ日高

駅前なので人通りがあり、回転数が見込めます。幸楽苑と同じようなビジネスだと思えますが、こちらは駅前立地なのでアルコール販売が可能です。

これに対して、ロードサイドに多く展開している幸楽苑は、アルコール需要が見込めません。

日高屋の社長は「アルコール販売できること」が好調の理由だと述べており、回転数に加えて、顧客単価の向上がなされています。

ロードサイド店が時代から取り残された


ロードサイド店は、車社会全盛の時代に機能した店舗形態です。ファミリーで出かける人たちの需要を取り込んで成長することができました。

しかし、いまやその店舗立地が足かせになっています。

本来、一人で食べることが多いラーメン店なのに、ファミリー席を中心にしたロードサイド店は、非効率です。

そのちぐはぐさというか、時代からずれたことが、日高屋との差になっています。

経費をみても、人件費と地代家賃、諸経費などが、日高屋に比べて割高となっており、社内の業務体制が非効率であることが見受けられます。

低価格ラーメン店と低価格うどん店の違い


もうひとつ、低価格のラーメンを目玉にしていたので、顧客単価が上がらないという弱点があります。単価の高いステーキに業態転換するのは、そういう意味でも理にかなっています。

大前研一ライブでは、丸亀製麺との比較もなされており、トッピング(天ぷらなど)で単価向上を図る丸亀製麺に対して、上乗せのしにくいラーメンの弱点が指摘されていました。


こうしたことから幸楽苑が今後業績を浮上させるには、

(1)店内オペレーションの効率化

(2)ロードサイド店からの撤退、回転数重視への回帰

(3)トッピングやサイドメニューの開発

などが必要だと考えます。








岐阜の納屋から発見されたフェラーリが2億円以上で落札

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岐阜県の納屋から発見された古いフェラーリに、2億円以上で落札されたというニュースがありましたが、その舞台裏を語った記事です。

ヤフーニュースなので、そのうちリンク切れになると思いますが。

記事の趣旨としては、日本の納屋で偶然発見されたかのように思わせたフェラーリですが、実は知る人ぞ知る一台であり、ある意味やらせであったとのこと。

古い車が高値で取引されることによって、ブランドの価値を高めようとする自動車供給側の思惑が強く働いたのだということです。

高級ブランドの価値には、アフターマーケットが必要


今回、この車が出品されたのは、フェラーリ70周年のイベント内のオークションでした。そこでの目玉商品だったようです。

希少車であったのは確かですが、埃まみれの車体といい、納屋の写真といい、凝った演出がなされていました。

そんな廃屋のようなところで眠っていた古車が超高値で取引されたのですから、フェラーリ神話が強化されたことは間違いありません。

高級車のブランド価値を維持するためには、アフターマーケットも機能している必要があるということを改めて知らせる記事でした。




ABBAの解散後ビジネスは、日本でもすぐに応用できそう

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たしかにすごい。

スウェーデンが誇る世界的ポップグループ「ABBA」のコンテンツが、解散して35年経った今も、一大産業として成立しています。

レストランで食事を出しながらABBAのヒット曲を盛り込んだショーをみせ、その後、全員参加のディスコタイムとなる仕掛けです。

食べる、聴く、歌う、踊る、という参加型のイベントですから、青春時代にABBAを聴いた人からすれば、大満足となるでしょう。

値段はサービス料込みで1人1340スウェーデン・クローネ(日本円で約1万8000円)。テーブル席は全部で450席。満席として単純計算すると1日約800万円の売り上げになる。毎月最
低15回の公演が組まれており、年間にすると約16億円もの売り上げになる。

ただし、懐かしいというだけでは、これほどヒットさせることはできません。

やはりABBAの曲が、現代でも世界的に通用するものだったということでしょう。

ABBA 解散後のビジネス化


ABBAは、1970年代後半に人気を博したグループです。多くの曲は英語で歌われており、主にディスコミュージックとして世界中でヒットしました。

日本でいえば、団塊の世代から団塊ジュニアの間ぐらいの人が青春期を過ごした頃です。ディスコブームに乗って一世を風靡した感がありますので、懐かしいと思う人は多いのではないでしょうか。

ABBAが面白いのは、解散した後も、ビジネスが拡大していることです。

解散後、10年後(1992年)に出たベスト盤が大ヒットし、ブームが再燃。←これはよくあることですね。

さらにその7年後(1999年)、ABBAのヒット曲を盛り込んだミュージカル「マンマ・ミーア!」がヒット。日本では劇団四季が公演しています。

さらに9年後(2008年)には、「マンマ・ミーア!」が映画化されてこれも大ヒット。

10年後となる来年(2018年)には、映画の続編も公開される予定です。

もはや産業!「アバの解散後ビジネス」の秘密

日本でもすぐに応用できそうです


記事がいうように、ABBAに関するビジネスの成功は、多くのショービジネスの参考になるものでしょう。

コンサートとディナーショーとディスコを組み合わせたようなショーに、世界に通用するアイコンをぶつけるとこれだけの多くの観客を集められたわけです。

プレスリー、ビートルズ、マイケル・ジャクソンあたりはそのまま成立するのではないでしょうか。USJとかで公演すれば、外国人観光客も集まるでしょうし、面白そうです。

日本ではどうか。

小ぶりな劇場でしたら、世代に響くアイコン(グループサウンズとか)でも通用しそうです。

外国人観光客のことを考えると、アニメソングとか、ジブリとかをアレンジした方がいいかも知れませんね。

個人的には、サザン・オールスターズでやってほしいところです。曲も多彩だし、活動が長いので多くの世代に響くはずです。

まあ、私が言わなくても、既に企画しているものがあるでしょう。楽しみにしたいと思います。











TSUTAYAやDMMはしたたかに生き残っていくだろうが限界もある

tsutaya
(2017年11月30日メルマガより)

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TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が事業転換を急いでいます。

CCCは、日本最大のレンタルDVD・CD店と日本最大の書店チェーンを持つ売上高2500億円超の企業です。

しかし、収益頭のDVDレンタルも、書店も、今や斜陽産業の最たるものです。

事業転換を急がなければならない所以です。


文化を発信する企業


CCCは、1985年、大阪府吹田市において設立されました。

創業者の増田宗昭社長は、婦人服大手の鈴屋に勤めていた人ですが「もうデザインの時代じゃない。顧客はスタイルを完成させるための情報を求めている」と感じて脱サラし、大阪府枚方市で、レンタルレコード店や蔦屋書店を開設しました。CCCはそれをフランチャイズ展開するためのものでした。

ビデオをレンタルするようになった1994年頃から、TSUTAYAの出店が加速していき、2013年には1468店に達しています。

現在、DVD・CDのレンタルにおいては、売上高国内トップ。(2位はゲオ)

書店チェーンとしても売上高国内トップ(2位は紀伊国屋書店)です。

増田社長は、TSUTAYAのことを単なる書店やレンタルビデオ店ではなく「文化を発信する場」だと規定しています。

なぜなら人は本や映像の情報に触れている時、自ら生きるスタイルを選択するための情報を得ているのだから。

本を売るのではなく、スタイルを提案している。それが増田社長によるTSUTAYAの自己認識です。

ちなみに蔦屋とは、増田氏の祖父が運営していた置屋の屋号だったということですが、TSUTAYAを「文化発信の場所」だと位置付ける今日は、江戸時代の文化人・蔦屋重三郎にあやかった説を主張しています。

ところが周知の通り、DVD・CDのレンタル事業も、書店も、市場規模そのものが急減している絶滅危惧種です。

いわば沈没する船に乗っているようなものですから、なんとかしなければならない。ということで、2000年に株式上場したものを2011年には上場廃止。フリーハンドでの事業転換を進めてきました。


小売業再生の救世主


CCCの業態転換の皮切りになったのが、2011年の「代官山T−SITE」です。

こちらは蔦屋書店を中核テナントとする新感覚の商業施設で、同社がプロデュースを担い、人気を博しています。

T−SITEは、代官山の成功を受けて、函館、湘南、枚方などに展開を進めています。

あるいは、公共施設である図書館の運営を手掛け、こちらも地方の観光スポットになるほど話題になったところもあります。

こうした商業施設運営の前提となるのが、Tポイントから集まる膨大なデータです。

現在、CCCグループは、

(1)商業施設の企画設計を手掛けるCCCデザインカンパニー

を中心に、

(2)TSUTAYAの運営会社

(3)出版・映像・音楽などの制作会社

(4)Tポイントの運営。および収集したデータを基にしたマーケティング会社

から成り立っています。

これまでは、消費者を相手にした(2)(3)が事業の中心でしたが、今後は、事業者を相手にした(1)(4)を中心にしていこうとしています。

同社の商業施設運営の手腕に対する評価は高く、地方の小売業からの提携依頼が多く寄せられていると聞きます。

その手腕が、増田宗昭氏自身の個人的能力に依存しているといわれているのが、若干心配ではありますが、まずは順調に事業転換の船出をしたというところです。



TSUTAYAは賞味期限切れではないのか


しかし、…です。

現在のCCCが、TSUTAYAの収益に依存しているのは事実です。

そのTSUTAYAが、ビデオレンタル店としても書店としても寿命を迎えつつあります。

そんな店を中核にした商業施設がいつまで消費者に受け入れられるというのでしょうか。

確かにCCCは、書店やレンタル店を既存のままにせず、ライフスタイル提案の場としてリニューアルしていっており、それなりの成果も上げているようです。

が、それが延命処置にとどまらないと言えるのでしょうか。

TSUTAYAや蔦屋書店をさらに魅力的な中核店舗として蘇らせることができるのか、あるいは全く違う魅力的な商業集積を生み出すことができるのか。

それがCCCに与えられた短い期限の課題だと言えます。

ネット動画配信ビジネスの台頭


ビデオレンタル店や書店を追い込んでいるのが、ネットの存在です。

書店においては、電子書籍やネットニュースが、紙の書籍や雑誌の存在意義を薄れさせています。

ビデオレンタル店においては、ネットフリックスを代表とする動画配信サービスがやはりその存在意義を無くそうとしています。

例えばネットフリックスは、国内では最低月650円で映画やドラマが見放題です。(観られる映画やドラマには限りがありますが)

それは、わざわざレンタルビデオ店に行く理由がなくなるというものですよ。


ネットフリックスを中心に競争激化


ネットフリックスが生まれたのは、1997年アメリカです。

レンタルビデオを返し忘れて延滞料金をしこたまとられたオヤジが憤って始めた宅配DVDレンタル会社をもとにしています。

ネットで借りて家まで届く。月定額で借り放題。延滞料金もかからない。というサービスが当たって急成長します。

ネットでの動画配信を始めたのが2007年。高速通信とスマホの時代に、これが当たってさらに発展を加速させます。

今では、売上高約2800億円。全世界で1億人近い会員を持つトップ企業です。

ディズニーが、ネットフリックスへの配信を停止するというニュースが先頃流れましたが、ディズニーが脅威に思うほどの存在になったということです。

もっとも技術的な参入障壁が低い事業なので、多くの企業が新規参入し、競争激化するのは必然です。

日本でも、NTTドコモ系のdTV、日本テレビ系のhulu、USENが運営するU−NEXT、アマゾンプライムビデオなどがしのぎを削っています。

なにしろ会員規模が勝負を決める世界ですから、初動の今が大事です。消耗戦であろうとどうであろうと、戦い抜かなければなりません。

え?TSUTAYAは?

と思うでしょうが、そうなんですね。あまり本気を出していません。


なぜネットフリックスを目指さなかったのか


ネットフリックスが宅配DVDサービスを開始したのが1998年。ネット配信が2007年からです。

CCCは、2002年に宅配DVDサービス(TSUTAYA DISCAS)を開始。さらに2008年にはTSUTAYA−TVを開始しています。

いちおう形としては追尾しているんですな。

ところが、それほど本気にはならなかった。

その理由を増田社長は「加盟店のビジネスを毀損することに遠慮した」と言っています。

そうなんですね。もともとネットフリックスは、店舗型のビデオレンタル店への対抗として起業し、宅配レンタルを始めた企業です。

既存店などというしがらみがありません。

それに対してCCCにはTSUTAYAのフランチャイズ網が既にありました。

そのフランチャイズオーナーを敵に回してまで新しい事業に飛びつけないというのは正論ですが、まったくもって、イノベーションのジレンマにはまってしまった事例ともいえます。

※イノベーションのジレンマとは、先行企業が、既存事業の強みゆえに、新たな事業(破壊的イノベーション)に対応できない事象を言います。

フランチャイズビジネスに徹する


だけど、ジレンマを破れないのだから仕方がありません。

増田社長は、はっきりとCCCはフランチャイズビジネスだと宣言し「アマゾンにできないことをする」という方向に舵を切りました。

それはそれで潔い決断だと思います。

増田社長は、自分たちがやっているのは、

(1)リアルなプラットフォームの提供:TSUTAYAや蔦屋書店のこと。

(2)データベースマーケティング:Tポイントカードから得られる情報を基にしたマーケティング施策

(3)コンテンツ作り:音楽、映像、出版物などのコンテンツ制作

と規定し、あくまでフランチャイズ加盟店が儲かるようにするんだと語っています。



アダルト関連事業を中心とした異色の企業グループ


一方、ネットフリックスと同じく宅配DVDレンタル事業で急成長したのが、DMMです。

同社がオンラインレンタル事業を開始したのが2000年。TSUTAYA DISCASより先に始めています。

同社の特徴は、アダルト関連の国内トップ企業であり、その収益をもとに多様な事業展開をしていることです。

創業者の亀山敬司氏は、根っからの商売人のようです。もとは石川県のビデオ店でしたが、このままではTSUTAYAに勝てないからと、アダルトビデオの制作や販売を始めて、それが当たりました。

アダルト関連事業は、大手企業が参入しない分野です。そこで成功したことが、DMMの考え方の根底にあるようです。

現在では、アダルト関連以外にも、オンラインゲーム、システム開発、FX、オンライン英会話などに進出しており、それは多様であるというより、無軌道というべきものです。

ただ、その事業の選び方には、やはり大手企業が手掛けないようなニッチな分野で勝負する。という考えが見えます。

亀山氏自身「小さい領域で世界一をとった方が生き残れる」とランチェスター戦略通のような発言しており、全くもって正しい見解であると思う次第です。

現在、DMMグループの売上高は1700億円に達するほどで、堂々の大企業です。



面白いこと、新しいことをやりたい集団


亀山氏がいま力を入れているのが、新しい才能の発掘です。

若くてやる気のある人間を見出しては、彼に新規事業を任せて、ビジネス化するための支援を行っています。

DMM自身がベンチャーキャピタルの役割を担っているかのようで、そこから新たなビジネスが続々と生まれてきています。

ただ通常のベンチャーキャピタルは、最終的に株式上場させた上、保有株式の売却益で稼ぐビジネスモデルですが、DMMは上場させずにグループの一員としてしまいます。(というかアダルト関連会社なので、上場させられないわけですが)

だから事業規模も得られるキャッシュも小粒なまま、多様性が広がっていくばかりです。

亀山氏も「最後はどこかに会社ごと買ってもらってもいい」「僕が死んだ後は、僕の言ったことは忘れて仕事をやってもらいたい」と、欲がないのか、諦めているのか分からない発言をしています。

要するに、こんな社会ニーズを満たしたい。社会問題を解決したい。という明確なビジョンがなく、ただ面白いこと、新しいことをやりたいという集団です。


現実的で柔軟な経営スタイル


これはある意味、CCCの増田社長にもいえる特徴です。

増田社長もかっきりしたビジョンを持たずに、現場を重視し、柔軟に対応するというスタイルです。

敢えて言えば「加盟店が儲かり、生き残っていけるようにする」ことが方針です。

さらには「何が正しいか分からない世の中。方向性は、現場にいる加盟店に教えてもらうことが多い」と、フランチャイズ加盟店と共に成長してく意味のことを語っています。


社会の流れに逆らわず、現実的、柔軟に形を変えて生きていく。これは「孫子」のいう「兵の形は水に象る」に通じるものであり、生き残るための最大の秘訣だと言えるでしょう。

私も同意見であり、同じ考えでコンサルティングを行います。

多くの日本企業が、こうした経営スタイルを否定するものでないでしょう。


社会の流れを作る企業ではない


ただ同時に、グーグルやアップルなど自ら社会の流れを作るような企業は、このような経営の仕方はしていないと感じます。

彼らは、あるべき社会の姿という大きなビジョンを見定めて、それに向けて突き進んでいく経営スタイルです。

もちろんリスクも高い。ビジョンが大きすぎて、中途で斃れてしまう企業も多くあるでしょう。

しかし、だからこそ大きな変革を社会にもたらすことができるのではないか。

そしてこれが日本にはグーグルやアップルのような企業が生まれにくい理由なのではないかと思います。

もちろんグーグルとか、アップルとか、社会の流れを作るとか、CCCやDMMにとっては知ったことではないでしょう。

私も自分が問われれば「知ったこっちゃない」と答えます。

私は「生き残る」ことを最上位の目的とする「孫子」の信奉者ですからね。

電子マネーの普及は止まらないんでしょうね

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メモ。スウェーデンの電子マネー事情を示した記事です。毎日新聞。

スウェーデンでは、電子マネーの普及が進む


スウェーデンでは、現金が使えない店もあるとか。公共交通機関など、現金を使うのは外国人観光客のみだということです。

2012年に運営を開始したスウィッシュは、携帯番号と銀行口座がひも付けされ、店での支払いや個人間のお金のやりとりが瞬時にできる。国民の半数以上が使い、若年層(19〜23歳)の利用率は95%に達する。中央銀行のリクスバンクが実施した調査では、財布に現金を入れていない人は15%に達した。

日本ではまだ現金使用率が高い。アメリカも同じ。クレジット会社の力が大きい国では、電子マネーの普及が阻害されており、したがって現金も残っているという説があります。

それに対してしがらみのない国では、むしろ政府が電子マネー普及を後押ししています。中国なども電子マネー普及率が非常に高いことが知られています。

中国には、成功も失敗も含め学んでいかなければならない

電子マネーの普及が、政府にとって都合のよいこと


政府によるメリットは、納税管理がしやすくなることです。電子マネーはお金の流れを把握しやすい。脱税がやりにくい。

中国では、偽札作りが横行していたそうですが、これも電子マネーの普及によって無力化してしまいました。

日本は造幣局の印刷技術が非常に高いことで知られていますが、こちらも電子マネーの時代になると無意味となりますね。

ビットコインの台頭は、われわれにとって吉なのか


ただし電子マネーの普及は、ビットコインの台頭も招きます。政府が管轄する電子マネーなら税金をとれますが、民間が運営するビットコインだとお金の動きが把握しにくくなります。

ビットコインを全面規制するとか、現実には難しい。個人通貨みたいなものまでいちいち監視していたらそのコストだけで膨大になりそうですから。(もっとも個人としては、そんなこと構やしません。便利になればいいわけですから)

現金から電子通貨への流れは止まらないでしょうが、そうなれば新たな課題もあるわけですな。

われわれ事業者としては、社会の変化を見極めていくしかありません。新たな社会に則して、ビジネスチャンスを捉えていきましょうね。







月額サービスの飲食店が増えている件

ラーメン、コーヒーにフレンチ・ワイン 飲食店に広がる“月額サービス”

もとはAbemaTIMESの記事で、ヤフーニュースとして採りあげられたものです。リンク切れするかもしれませんがm(_ _)m

飲食店に月額サービスが広がっている


事例として取り上げられているのが、関東に15店舗の「ラーメン野郎」と、コーヒーショップ、フレンチレストラン。

ラーメン野郎のケースでいうと、月額8600円(税抜)で、三種類のメニューが1日1食、毎日食べることができます。

つまり780円(税込)のラーメンを12日たべれば元をとれることになります。

12日といえばなかなかのものですが、毎日この店のラーメンを食べても飽きないという人にはいいサービスになります。

安定収入と常連客確保がねらい


店にとっては、安定収入と常連客確保(浮気防止)になるサービスです。

自動引き落とし制度を導入すれば、継続収入にもなりますね。

このサービスからの収入で固定費を回収することができれば、あとの顧客からの収入は、利益の上乗せになります。

月額価格=1杯あたりの原価×推定日数+固定費÷目標月額人数+α

で計算するのでしょうが、+αの部分を限りなく0として、導入しやすい価格にすればいいでしょう。

月額サービスがあてはまりやすいのは


このサービスがあてはまりやすいのは、

●毎日、食べられるもの。

●一人客が多いもの。

●原価が小さいもの。

でしょうか。

ラーメンもいいですが、どちらかというと毎日行くような定食屋さんやコーヒー店、一杯飲み屋さんなどに合うと思います。

いわゆるストック的な収入が多くなればなるほど、経営は安定しますので、あてはまりそうな人は考えて見てはいかがでしょうか。

記事ではスマホで管理するようなことが書いていますが、そんなの不要でしょう。スタンプカードで充分ですよ。




ゾゾタウンの採寸スーツは便利だが隙もある

スタートトゥデイ、「採寸スーツ」無料配布 PBで受注生産(日本経済新聞・有料記事)

メモ。ゾゾタウンを運営するスタートトゥデイの記事です。

なにげにアナログな、スタートトゥデイらしいサービス


やりますな。採寸用の特殊スーツを無料配布してデータを保持。自社の商品販売につなげる狙いです。

確かにリアル店舗でも試着とか採寸とか面倒くさいものですよね。それが一度の採寸でデータを登録してくれるなら、リアル店舗よりも便利です。

アパレルのネット販売の常識を次々と覆してきた同社ならではの手法です。なにげにアナログなやり方が、同社らしいと思えます。

ファーストリテイリングやアマゾンが追跡してきていますから、こういうサービスは、先にやって、しかも早く普及させなければなりません。

その意味では、アナログなやり方でも推し進めなければならなかったということでしょうな。


ファーストリテイリングやアマゾンが追跡する余地もあり


実際のところ、今の技術をもってすれば、バーチャルな採寸も可能だったのではないかと疑問に思います。もう少し頑張って開発すれば、全身写真から身体のサイズを採寸するアプリとかできたのではないでしょうか。

それができると、採寸スーツを着て、また送り返すという手間がなくなり、利便性が格段に上がります。

今後、ファーストリテイリングやアマゾンが開発すべきは、そのようなアプリでしょう。スタートトゥデイの優先権を無効にしてしまいますからね。

逆にスタートトゥデイは、今回の採寸スーツの利便性や正確さを今のうちに訴求して、スタンダードなものと認識させなければいけません。スピード勝負になります。

アマゾンやファーストリテイリングが、もっと便利な採寸システムを開発するか。それより先に、スタートトゥデイが、アナログな採寸スーツを一般ユーザーに浸透させ、スタンダードとなるのか。各社の取り組みが見ものです。




「シン・ゴジラ」って途中まで面白いけど、後半グダグダじゃないですか?

シンゴジラ
(2017年11月16日メルマガより)

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先週の日曜日、地上波テレビ映画「シン・ゴジラ」が放送されました。

ご覧になられました?

話題になった映画の地上波初放送です。

予想通り、今回も大いに話題になり、視聴率もよかったそうです。

ネットでは「これでシン・ゴジラも国民映画になった」という論調の記事も見られました。

シン・ゴジラ
長谷川博己
2017-03-22


もっとも私は「陸王」を必死で観ておりましたので、今回の「シン・ゴジラ」放送は観ておりません。

申し訳ございません。

が、気になりましたので、録画して観てみました。

ロードショー公開時に一度観ているので、二度目です。

なかなか悪くなかったですね^^


などと上から目線で言って、また申し訳ございません。

実を言うと、ロードショー公開時に観た時は正直言って、微妙な印象を持ちました。

当時、絶賛する人が多かったので、なんだか違和感を抱いたものです。

しかも、この映画のことを悪く言うと、怒りだす人もいましたからね。

実際、飲み屋で絡まれかけたこともありました^^;

いったいこの映画のどこにそんな磁力があるというのでしょうか。

(以降、ネタバレありますので、ご注意ください)


もともとゴジラシリーズは国民映画だった


そうなんですね。私の世代でゴジラのことを知らない人はいないでしょう。

日本だけではない。海外でもゴジラ人気は絶大です。

「ゴジラ」は、日本が誇る最大のコンテンツの一つであると言っても過言ではありません。

私事ですが少年時、初めて映画館で観た映画が「モスラ対ゴジラ」でした。




それはそれは面白かった。いや面白かったなんてものではありません。魂を奪われるほど夢中になりました。

初めて見た衝撃があるのかも知れませんが、いまでも私は「モスラ対ゴジラ」こそ、怪獣映画の最高傑作だと信じています。

(といっても怪獣映画を全部みたわけではありませんが…)

素晴らしかったなーー

その後しばらく、ゴジラ関連のグッズや書籍を買いあさる怪獣少年になってしまったほどでした。


ゴジラは現代の神話


初代「ゴジラ」を観たのはテレビ放送だったと思います。白黒の古い映画でしたが、それでも夢中になりました。


ゴジラ
宝田 明
2014-04-23


ゴジラは、水爆実験により生まれた怪物だとされています。

被爆国である日本の核への恐怖心や批判精神が、ゴジラという怪獣に込められているらしい。

しかし私が子供だったからなのか、あるいは観たのがリアルタイムでなかったからか、社会的な批判精神よりも、心を占めたのは、その圧倒的な存在感です。

その怪獣は、無慈悲に東京を破壊し尽したあげく、戦闘機によるミサイル攻撃も無表情にやり過ごし、東京湾へ去っていきます。

自衛隊の最新兵器でも倒せない存在が、ビルや鉄塔や鉄橋などを無軌道に壊していったのです。

なんとも圧倒的。まるで神のごとき存在です。

科学技術や人間の思惑のまったく届かない存在がいる、という気の遠くなるようなスケール感は、ちっぽけな自分を忘れさせてくれるほどのカタルシスをもたらすものでした。

ゴジラシリーズが日本だけでなく、世界の観客を魅了したのは、それが現代の神話として受け入れられたからだと考えます。


初代ゴジラのコンセプトを忠実に再現


いわば神話として確立したゴジラ映画に挑戦して、みごと大ヒット作を生み出した庵野秀明総監督、樋口真嗣監督の勇気と手腕は称賛して余りあるものでしょう。

新しいゴジラ映画を作るにおいて、庵野総監督が打ち出したコンセプトは、初代ゴジラへの忠実な回帰でした。

東京に突如現れた途方もない存在が、無軌道に破壊の限りを尽くす。その存在は、最新の軍事兵器をもってしても、倒すことができない。まるで神のごとき存在を目の当たりにした人間は、自らの無力を思い知ることになる。

この初代ゴジラが持つコンセプトが世間を席巻したのです。だからこれを再現することが成功への近道であることは間違いありません。

むしろ、変に色付けしたり、新機軸を打ち出そうとする方が難しい。

この原点回帰という思い切りが、この映画が成功した最大の理由だと考えます。

ただし、時代も変わっているので、昭和29年のままでは受け入れられない部分も出てきます。

そこで庵野総監督が出した答えは、現代のリアルを追求しようという姿勢です。

自衛隊の動き、最新兵器の使用方法、日本政府の対応。

こうしたリアルさへの徹底したこだわりがこの映画を抜群に面白くさせています。

政府首脳はゴジラが出たからと言って「ゴジラを撃滅せよ」なんて時代がかった台詞は一言も言いません。相変わらず無表情で四字熟語を話し、危機感があるのかないのかわからない雰囲気です。

対策委員会ができた時も、メンバーのしかめ面を見せるわけではなく、コピー機の並びで表現しています。


「シン・ゴジラ」が採り入れなかったもの


ただし初代のゴジラシリーズから「シン・ゴジラ」が省いたものがあります。

それは、観客と映画を橋渡しする人物の存在です。

初代「ゴジラ」にも「モスラ対ゴジラ」にも、分かりやすい正義感を持つ善良な人物が登場します。

ターゲット観客が子供だったからという面もありますが、そうした単純で平明な人物が、狂言回しとなることにより、観客が安心して映画の世界に入り込むことを可能としていました。

モスラ対ゴジラ」はより子供向けの映画なので分かりやすい。モスラの卵で一儲けしようというあくどい大人がいると思えば、それに憤る善良な新聞記者が登場します。

案の定、あくどい大人はゴジラの来襲で死んでしまい、善良な新聞記者は双子の妖精を助けて、暴走するゴジラを最終的に制止することに役立ちます。

ところが「シン・ゴジラ」ではそのようなわかりやすい人物は登場しません。観客に寄り添う要素を意識的に剥ぎ取り、ある種ドキュメンタリータッチにすることで、取っつきにくい醒めたタッチの映画にしています。

当時リアルな虚構として受け入れられたものが現代でも通用するとは限りません。それが時代の変遷というものであり、われわれ社会意識の変化というものでしょう。

こうした現実社会との距離感、拒絶感は、現代においてはリアルとして捉えられるはず。そこをくみ取った庵野秀明総監督のコンセプトはさすがです。

初代「ゴジラ」をそのままリメイクすれば、突っ込みどころ満載のコメディ映画になってしまうところを、2010年代の神話として成立させるためのアプローチであり、この映画が成功した大きな要因であると考えます。


どのあたりが「エヴァンゲリオン」なのか?


庵野秀明は名作アニメ「エヴァンゲリオン」の監督として知られ、まるでライフワークのようにずっとシリーズを作り続けており、コアなファンが続編を待ち続けていると聞きます。

そんな人にこの映画を任せた東宝もさすがですし、任せられてブレなかった庵野秀明も素晴らしい。

あえていうと、そんな庵野秀明を全面的に受け入れた樋口真嗣監督も大したものです。

もっとも私は、その「エヴァンゲリオン」を一話もみていません。

シン・ゴジラ」に少なからず「エヴァンゲリオン」の影響があるという批評もありますし、何より「エヴァ」ファンがこの映画に熱狂している、という話もありますので、気になっていますが、それについては何とも言えません。

いったいどの部分は「エヴァ」なのか、知っている人がいらしたら教えてくださいm(_ _)m


クライマックスは凄まじいカタストロフ


が、そんな私も「風の谷のナウシカ」は観ています。


風の谷のナウシカ [DVD]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
2014-07-16


だから、「シン・ゴジラ」の最大のクライマックスが、「ナウシカ」の巨神兵を想起させるものであることはわかります。

「ナウシカ」に登場する巨神兵は、強烈すぎて敵を倒すどころか地球全体を破壊してしまったといわれる生物兵器のようなものです。

いわば世界中に拡散している核爆弾を象徴するような存在です。

その巨神兵が口から火を噴く迫力満点のシーンを若き日の庵野秀明が担当したというのは、私も知識として知っております。

今回のゴジラも、米軍からの攻撃を受けて、怒りを爆発させるように口から、背びれから、尾から火というか光線を吐いて、米軍機だけではなく、はるか遠くにいる政府首脳が乗るヘリコプターや、東京の町の大部分を破壊してしまいます。

その一瞬の惨劇と、その後、紅蓮の炎に包まれたこの世の終わりのごとき凄まじい東京の描写は、まさにカタストロフです。

この悲劇的なカタルシスこそが怪獣映画の醍醐味です。さすが庵野秀明。外しませんねー

この映画、ここで終わっていたら、とんでもない名作だったのになあと思います。


311的なラストシーンにどうつなげるのか


でもそうはいきませんわね。

怪獣映画の定石として、無限の力を持つ神話的存在も、何らかの形で去っていってもらわなければなりません。

モスラ対ゴジラ」では、圧倒的な強さでモスラを倒したゴジラが、生まれたばかりのモスラの幼虫に意外な方法で退治されてしまいます。

初代「ゴジラ」では、孤高の天才学者が作った特殊兵器によって倒されます。

ゴジラ映画ではないですが「大魔神」なんてのは、村娘の涙によって石像に戻ってしまいます。

圧倒的な存在が、弱いもの、普通より劣るものに倒されてしまうというのは、神話でお馴染みのフレームワークです。

あるいは平成版「ゴジラ」のように火山口に落ちてしまうという自然の脅威パターンの終わり方もあります。

いずれにせよ「シン・ゴジラ」は、何らかの形で決着をつけねばなりません。

しかもこの映画、311を露骨に想起させるような終わり方を準備しています。

東京のど真ん中でゴジラが凍結し、そのまま居座り続けるというのは、問題を先送りにしただけやないかという福島原発の状況そのまま。

確かに露骨ですが、メッセージ性の強さは初代「ゴジラ」を踏襲するものです。これぐらいあざとくメッセージ性を打ち出した終わり方も秀逸です。

つまり311的なラストシーンにどのようにつなげていくのか?が、脚本家庵野秀明の腕の見せ所だったわけですな。

後半の脚本は失敗しているのでは


ところが、カタストロフのシーンから、東京のど真ん中で凍結するまでの脚本が、うまくいっているとは私には思えません。

最初観た時に「なんじゃこりゃ??」と思った後半のグダグダ感は、再観した今回も変わりませんでした。

ヤシオリ作戦ってなに?

あんな現場対応だらけの作戦を実施して、しかもうまくいってドヤ顔するエリート官僚ってなに者?

将来のアメリカ大統領候補だってのたまう日系の女の子ってなに?

なんだかラストあたりは、松本人志の「大日本人」の着ぐるみファイトのシーンを思い出しましたが、庵野脚本でも笑いをとるシーンだったのでしょうか??

それともこういうところに突っ込む私が野暮だというものでしょうかね。


初代ゴジラの決着も突っ込みどころ満載だったが


確かに、初代「ゴジラ」でもラストは突っ込みどころ満載です。

孤高の科学者が作った化学兵器が唯一ゴジラを倒すことができる。しかも兵器の作り方は、彼しか知らないとか。

その孤高の科学者。世を拗ねたふだんの態度の割には、かつての婚約者が忘れられないロマンチストです。

その元婚約者に頼み込まれて、ゴジラを倒すものの、恐るべき兵器を封印するため自ら命を絶ってしまい、もう二度とその兵器は作れないことになってしまったという設定です。

観客としては「まあ、しゃあないな」と言って観ておくしかありません。

もっとも初代「ゴジラ」では当初から人間模様を描いているので、後半のメロドラマ調の展開にもついていけないわけではありません。

しかもゴジラを倒すのが、世を拗ねた隻眼の科学者だったという流れは、物語文法的には納得できないものではありません。


後半のグダグダを皆さんはどう観ているのでしょうか?


しかし「シン・ゴジラ」の後半はいかがなものか。

あれだけ突き放したドキュメンタリー調で見せておきながら、後半はいきなり空想科学物語調になってしまうわけですよ。

音楽も軽快で、人間の反撃を高らかにうたい上げています。

そして隙だらけの作戦がうまくいって凍結したゴジラをバックに、日米のエリート同士が「将来は首相と大統領になって国を動かして行こうぜ」みたいなことを語り合っているのです。

これは笑いをとる場面だと捉えていいのでしょうか。

あるいは「まあ、しゃあないな」とスルーして済ます場面なのでしょうか。

やはりこのあたりのモヤモヤ感がなんとも晴れない後半でした。


それにしてもこの映画、評判が高い、いまでも絶賛する人が多い。

ここまで評判が高いと、自分の観方がずれているのだろうか。と不安になってしまいます。

たぶん、そうなんでしょう。私のセンスも古いですからね。

カセットテープ専門店にみるニッチ店舗が生き残る弱者の戦略

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これは珍しい。カセットテープ専門店の話です。ニッチビジネスですが、面白い試みとして参考になります。

アマゾンが進める消費の「日常化」


店主の角田さんは、元アマゾンジャパンの創世記メンバーだったとか。アマゾンに14年勤めて、起業したのがまさに「逆張り」です。

アマゾンは、徹底した消費の「日常化」を目指しています。

われわれが消費行動をとる上で面倒なこと、ややこしいことを一つひとつ潰していって、消費していることを忘れるかのような状態を作り上げようとしています。

ボタンを押すだけで商品が補充できる仕掛けや、話しかけるだけで注文できる仕掛けは、その途上にあるものですね。

さらに進むと、住む家から電気から冷蔵庫の中身から、すべて注文しなくても補充される仕組みになっていくでしょう。

意識しなくても必要なものが補充されて不満を抱かない生活って、なんかディストピアSFみたいにも思えますが、わずらわしいことはすべて自動仕組みに任せて、人間はもっと創造的なことに意識を向けてください。というのが、アマゾンの描く未来像なんでしょうね。

アマゾンの逆をいく弱者の戦略


そんなアマゾンの方向性を熟知している人だから「逆張り」だったのでしょう。

何しろ扱うのは、カセットテープという時代遅れのアナログ商品。仕入れすら困難。マスを追わないニッチ商品です。

お店は東京中目黒の住宅街にあります。金型工場を改装したという店内に5000本のカセットテープと、カセットデッキを並べています。

ネット通販はなし。店に来ないと売りません。

宣伝はなし。口コミだけでじわじわと販売していくスタイルです。

いわゆる弱者の戦略を貫いています。

非日常性、非永続性、体験を売る


そして重要なのが、これがいわゆる体験型の商品であるということです。

もしこのビジネスが、懐古趣味の人を相手にするのなら、ネット通販をすべきですし、アマゾンマーケットプレイスで販売すべきでしょう。

ただそれだと流行ればすぐに真似されて、飽きられるのも早い。

ところが、店主が言うのは、若い世代に向けて新しいカセット文化を売っているということです。

カセットテープとカセットデッキが持つ音質は、CDや配信音楽には出せないものらしい。私はあまりわかりませんが、そういうものなのでしょう。

さらにカセットテープが持つ非永続性、何度も聞いていると摩耗してしまって音が悪くなるという特徴は、非日常的な体験を演出します。

特別な店にいって説明文を吟味して購入する。そして家で数回、特別な時に聴く。

これは体験を売るビジネスなんですね。
「自分は今、実店舗の成功のモデルを示しているつもりだ」

と店主の角田さんがいう通り、ニッチ店舗のヒントがあると思います。

店舗スタイルは10年、20年続くビジネスではないかも知れませんが、この考え方はもっと長く生きていくための参考になります。






独ケルヒャーにみる中小企業がグローバルニッチトップ企業になる秘訣

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ドイツの清掃用機器会社ケルヒャーCEOへのインタビュー記事です。

中小企業でありながらグローバル化した成功例として挙げられています。

短い記事ですが、参考になる部分がありますので紹介いたします。

中小企業グローバル化の秘訣


インタビューで同社CEOがあげる中小企業グローバル化の秘訣は、

1.技術的に優れていること

2.顧客にフォーカスしていること

と述べています。当たり前すぎますか^^


言い換えると

(1)ニッチな分野であっても、突出した技術(または商品、またはサービス)を持っている。

これが前提となります。実際には、中小企業が汎用的に優れた技術を持つことは難しいので、ニッチ分野に特化した技術が中心になるかと思います。

その上で、

(2)各地域の顧客に密着し、カスタマイズできている。

ことが重要となります。

このカスタマイズというのは、単に商品を地域の好みに合わせるというだけではなく、販売チャネルや、アフターメンテナンスチャネルを含めて地域に密着できているという意味のです。

地域ナンバーワンになる方法


そういえば次週、「ランチェスター戦略セミナー」を開催するのですが、そこでも「ナンバーワンになる方法」がテーマとなるパートがあります。

中小企業が地域でナンバーワンになるためには、誰にも負けない技術(商品、サービス)を持つことが前提になります。

ただこの誰にも負けないというのは、「限られた範囲の顧客にとって」と考えて結構です。

つまり、この地域の中では誰にも負けない。この特殊分野の中では一番すぐれている。この時間帯では一番店だ。という条件付き一番でOKだということです。

ただし、商品(技術、サービス)が優れているというだけでは、顧客に選んでもらえません。

顧客に届くためには、確実に顧客に近づく販売チャネル、顧客が困らないためのメンテナンスチャネルが必要となります。

ありていに言えば、中小企業の提供する商品(技術、サービス)が世界トップであるわけがない。顧客がその気になって探せばもっといいものはいくらでも見つかるはずです。

むしろ、確実に届く、毎日顔を合わせる、困ったときすぐに対応してくれる、ということの方が、現実的に顧客に響く要素となります。

売れるためには「商品力」があればいいんだと単純に考える企業がいまだに多いので注意してください。

記事を読む限り、ケルヒャー社は、かなり細かく地域対応を行ってきているようです。グローバル企業でさえそうなのだから、地域密着を標榜する企業はさらに上記2つを貫いていかなければなりませんね。





中国には、成功も失敗も含め学んでいかなければならない

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面白い記事ですねー

いま最も活力のある国、中国での失敗事例です。

ホテルの予約サイトや、カーシェアビジネスなどの失敗例があげられています。

「とりあえずやってみるか」程度のアイデアにもお金が集まる


ホテルの予約サイトとは、18時以降の空き部屋を格安で貸すためのサイトです。日本でいえば一休のようなものですかね。高級ホテルでも当日、突然空きがでることがあり、それを安く貸す。需要がありそうですが、日本ほど深夜突然の飲み会など頻繁にない中国では成り立たなかったようです。

カーシェアビジネスとは、高級車ばかりをスマホで予約し、好きな時に借りられるものです。予約すると待機場所の車を使うことができます。が、こちらも事故や破損などの対応が後手後手にまわり、破綻したようです。

中国の場合、ベンチャー投資市場が大きい。アイデアを思いついて「とりあえずやってみるか」という程度のベンチャーにもお金が集まるようです。

アイデア一発だけで細かいオペレーションなど後から考えればいいやといういい加減な起業家ですから、失敗も多くなります。

中国の場合、労働者や投資家を保護する制度が成熟していないので、破綻のダメージも大きい。これが社会問題化しないのは、ひとえに成功事例も大きいからでしょう。

それでも中国は活力のある国


一方でやはり中国の勢いはすさまじいものがあります。

ここ2年、上海に起きた「進化」が日本を完全に周回遅れにしている

上海では、電子マネーの普及度が高く、キャッシュレス化がほぼ浸透しているとか。小売店で現金を扱うことはないそうです。

リニアモーターも、いち早く実用化し、街中と空港を結んでいます。

ベンチャーの事例も、スマホアプリを使ったものや、シェアビジネスなど、アメリカで生まれたビジネスが、アメリカよりも早いスピードで実現しています。

というのも、中国には、新しいビジネスを妨害するような既存の抵抗勢力が存在しない。便利なものはすぐに広まるわけです。

アメリカでは、クレジットカード会社が既得権益を持っているので、電子マネーが普及しづらい事情があります。日本も同じです。既得権益者が強い社会なので、周回遅れになるのも仕方ない。

中国が、非常に活気のある社会であることは間違いありません。プレーヤーは常に玉石混交ですから、失敗事例も多くなるのは当然ですよね。

ここは、中国の活力を素直に認め、成功事例も失敗事例も学んでいかなければなりません。中国で成功したビジネスを日本に持ち帰るという「中国版タイムマシン経営」を真剣に考えていく時かも知れませんね。

日本企業が、中国企業の後追いをする日





テスラの新車は340年待ち?量産能力がなさすぎる

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アメリカの電気自動車専業メーカーテスラの話です。

同社が総力をあげて開発しているModel3(約400万円で購入できる戦略製品)が、37万台の予約注文に対して、260台の生産実績だとか。

仮にずっとこのペースなら、予約最後尾の納車は340年後ぐらい

さすが天才経営者といわれるイーロン・マスクです。やることが桁外れですな。

量産能力がないことを露呈


ようするにテスラには量産する能力がないわけですよ。

普通に考えれば、どこかの自動車メーカーに生産を委託するか、あるいはどこかのメーカーを買収して生産能力を獲得しなければなりません。

いまや米大手自動車メーカーを凌ぐ株式時価総額をもつテスラですから、中堅メーカーの買収ぐらい朝飯前のはずです。

ところがイーロン・マスクはそれをよしとしていないようです。

「量産地獄」に苦しむテスラ、コスト削減道半ば (日本経済新聞・有料記事)

マスク氏は、全自動工程による量産工場の構築を目指しているとのこと。

ここで従来通りの人間に頼った車づくりを導入してしまうと、その理想から遠のいてしまいます。

現実にはロボット技術の進展が追い付かないのですから、とりあえずは従来通りの工場で量産しなければなりません。

ところがあくまで理想を追い求めるスタイルのマスク氏に妥協という文字はないのでしょうか。

部品の調達に失敗?


もうひとつ。記事が指摘しているのが、電池の調達に失敗しているのではないかということです。

電気自動車にとって電池は心臓部です。その重要部品を供給しているのは日本のパナソニックのはずですが、マスク氏によると

「電池のラインで契約先がへまをやらかした」

のだとか。

電池のライン、がそのままリチウムイオン電池を指すかどうかは分かりませんので、パナソニックのことではないかも知れません。

が、このあたりで問題が発生して、生産ができない事態に陥っている可能性があります。


もっとも記事では、先に販売価格ありきで、部品調達価格を強引に決めるテスラの手法を批判しています。

技術要求は厳しいわ、価格は原価割れでは、部品メーカーは逃げてしまいます。

ケイレツ部品メーカーを持たない弱点


他の自動車メーカーなら、こういう問題は起こりません。長いつきあいの部品メーカーから調達するので、調達価格はほぼ正確に予測できます。最終販売価格を大外しすることはないでしょう。

そういう部品調達も含めて、組み立てメーカーの能力になるはずです。

ここは組み立てメーカーとしての能力が足りないと素直に認めて、他メーカーとの提携か買収を決断すべきです。

近々に対処しないとえらいことになりそうですよ。







ディズニー流に学ぶ 人が自ら動くようにしていくにはどうすればいいのか?

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短い記事ですが、参考になります。

コンサルタントの仕事も8割以上は、人をいかに動かすか。に帰結します。

まれに「やるかやらないかはそちらの責任だ」と突き放す人もいるらしいですが、私はそうは思っていません。

せっかく正しい戦略方向性を示しても、実行されなければ意味がないと考えます。

ディズニー流 人の動かし方


ではどのようにすれば、人は自ら動くのか。

少々難しい言い方ですが、記事はこのように書いています。

アメリカの心理学者エドワード・デシは「リーダーはメンバーの『内発的な欲求』を満たすことがモチベーションアップにつながる」と説いています。

 この内発的な欲求を要約すると、次の3つとなります。

(1)「自律性の欲求」
(2)「有能さへの欲求」
(3)「関係性の欲求」

(1)自律性の欲求

人は、自分で考えて動きたいという欲求を持っており、それを満たすことが、モチベーションを高めます。

自分で考えて動くようにするにはどうすればいいのか?

「目標を理解させること」「行動の意味を理解させること」がその答えです。

どこに向かっているのか?なぜこの行動をするのか?が分かっていると、おのずから自分の行動の判断ができるようになるはずです。

目標とその意味、やり方。それを伝えて後は見守ることが人を動かします。

(2)有能さへの欲求

仕事を通じて成長できる、できたと実感することがモチベーションを高めます。

目標を達成すること、および達成するスキルが備わることが、そこに至る道です。

目標達成する過程で、ヒントを与えることは有益ですが、与えすぎないで見守ることも重要です。

そして達成した暁には「おれが教えてやったからうまくいった」などと言わないことですね。

(3)関係性の欲求

チームの中に自分の居場所を見出すことが、やはりモチベーションを高めます。

チームでコミュニケーションをとる。何事も共有する。そうすることで、チームの皆とともに、目標を達成する。成長する。という実感を得ることができます。


これ以上、付け加えることいらないですよね。

この3つが、人を動かす秘訣だと考えます。

常にこの3つを考えて、応用していくことがマネージャーの役割です。








ニッチ分野を開拓する時の営業の基本

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これって「ベタな浸透作戦」だろうか?王道だと思うんですが。

巨大コングロマリット企業 3M


外資系大手化学メーカーの3Mの日本法人が、研磨の分野を泥臭い営業で開拓しているという記事です。

3Mは世界中に研究機関をもつコングロマリット企業です。商品分野は化学製品から工業製品、衣料、医療、文房具まで多岐にわたり、ニッチ商品も多く取り扱っています。

あまりにも多くの製品を扱っていますが、放置していればそれらが徐々に陳腐化していきます。だから既存製品と同じぐらい常に新製品、新分野を開拓していかなければなりません。実際にそれを実行している会社です。

ニッチ分野開拓の基本


記事では高度な研磨剤を日本で販売する取り組みが紹介されています。

米国で売れていても日本でそのまま売れるわけではありません。

そこで日本の事業部は「研援隊」なるチームをつくり、顧客の現場にいる職人の方々に、実演してまわるという活動を行っているそうです。

その研援隊のメンバーは地元の人を採用し、地元民同士でコミュニケーションがとれるように工夫しています。

価格は高価格のまま。技術的に高い商品を高価格で販売するための工夫です。

地元のメンバーから、商品のよさ、使い勝手を伝えられ、納得した職人さんを徐々に味方にしていこうとしています。

ユーザー「直接訴求」が営業の基本


これって、高級鍋のメーカーが百貨店で主婦層に実演販売をする方法に似ていますね。

私が前にいたメーカーも、特殊機能鍋を販売するために実演販売という方法をとっていました。

ユーザーに直接訴求するというのは営業の基本です。

それができない場合、中間流通への営業で妥協しているだけです。

この事例では、使用するユーザーは工場の職人だと明確で、しかも接触しやすい。

不特定多数の主婦層に実演販売するよりも、よほどやりやすいと思います。

これ以上のやり方があるのでしょうか?


私が前にいた会社でも、ユーザー直など効率が悪い。もっといい方法を考えろ。などという上司がいましたが、私には考え付きませんでした。

やはり営業の王道は、ユーザーに直接訴求することだと今でも思います。





EV普及のカギを握る全固体電池は日本勢がリードしている

EV向け本命「全固体電池」5年で実用化へ  開発第一人者、大阪府立大・辰巳砂教授に聞く(日本経済新聞・有料記事)

メモ。全固体電池について。

電気自動車(EV)の心臓部である電池の次世代技術として期待されています。その第一人者は大阪府立大学の教授なんですね^^(わが母校)

車載電池の本命はリチウムイオン電池


現在、EVの車載電池はリチウムイオン電池が本命です。すでに量産技術が確立されており、現行のEVに搭載されています。

リチウムイオン電池は、正極と負極をリチウムイオンが往来することで電力を生み出します。その中身は、電解液で満たされています。

こちらはパナソニックが得意とし、サムスンやLGなど韓国勢が追っています。

全固体電池のメリット


これに対して全固体電池は、中身の電解質が固体です。そのため

1.液漏れがなく安全性が高い。

2.電池そのものの寿命が長い。

3.充電の速度が速い。

4.設計の自由度が高い。

などの利点があります。

夢のような新技術に思えますが、いまのところはまだ未完成で、量産技術が確立されていません。

日本勢がリードする全固体電池開発


ところが最近になってにわかに開発が活発化しています。

とくに研究を続けてきたトヨタが、最近EVの開発に乗り出す動きを見せているのは、全固体電池の量産化に目途が立ったからではないかと言われています。

この分野では、日本勢がリードしています。

トヨタ、積水化学、日立造船、旭化成、日立製作所、出光興産、村田製作所、太陽誘電などの名前があがっています。

EVの課題克服?リチウムイオン電池の後釜 「全固体電池」がもたらすインパクトを専門記者が徹底解説

もっと上の記事によると、開発のリミットは2015年までだとか。

それを超えると、リチウムイオン電池の生産効率が上がって、コスト的に太刀打ちできなくなるからだそうです。

イノベーションとは技術的に優れているだけではダメで普及させられるコストを実現することが必要ですからね。それを過ぎると全固体電池は、寒冷地や砂漠などの条件下での特殊仕様扱いになってしまうのかも知れません。

せっかく日本がイニシアティブをとれる分野ですから、何とか頑張っていただきたいと願う次第です。




日本企業が、中国企業の後追いをする日

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少し前に、中国企業が米国の「パクリ」を堂々とやりながら、巨大な人口を背景にビジネスを成立させてしまっている。という旨の記述のある記事を書きました。


確かにそのような事例があります。中国政府が海外の企業を受け入れたがらないのをいいことに、グーグルやアマゾンそっくりのサービスを立ち上げて、いつの間にか大企業になってしまっている。

中国企業って結局はパクリがうまいだけやん。ずるいよなぁ。なんて単純に考えていた自分を恥じなければならないのかも知れません。

時代は早い。今や、中国企業の創出力は、想像以上のものとなっている。という記事です。

かつては日本企業も「パクリ」から始まった


「パクリばかり」「猿まねばかり」なんて言われていたのは、実は50年ほど前の日本企業です。

ところが日本企業の技術力と応用力はいつしか欧米を凌駕するようになり、日本製こそ卓越した商品力の象徴とまで考えられるようになりました。

そうなんですよね。最初、真似から入るのは当たり前です。真似の中から、自分の得意分野を見つけて磨いていき、いつしか他者が追いつけないエクセレントな商品やサービスを生み出せるようになるのです。

ビジネスに貪欲な中国企業が儲かりそうな分野に殺到するのは当然です。なにせ人口が多いので、参加企業も多い。その中から、真に革新的サービスが生まれないと誰が言えるでしょうか。

中国企業を対象にした「タイムマシン経営」


記事の中で例としてあげられているのは、スマホのECアプリや、ニュースアプリ、音楽投稿アプリなど。

いま最も稼げるスマホアプリの分野で、続々とヒットサービスが生み出されている様が書かれています。

中国内では競争が激しいので、弾き飛ばされて海外に出ていき、成功した事例も挙げられています。

この動きをみて、日本企業が中国のベンチャーを観測しはじめています。

たとえばLINEは、早くから中国企業の生み出す商品に注目し、その商品アイデアを自社製品に採り入れているとあります。

これはまさにタイムマシン経営の対象を中国にしているということで、隔世の感があります。

でも、こうした企業はこれからも増えてくるでしょう。

※かつて米国で流行ったものが5〜10年ほど遅れて日本で流行ると言われました。だから、米国で成功しているビジネスを日本に持ち込めば、5〜10年のうちに流行ることが予測されます。これを未来を見越したタイムマシン経営というわけです。

中国企業が得意なのは「テストマーケティング」


記事を俯瞰してみると、中国企業が得意としているのは、テストマーケティングです。やはり人口が多くて、多種多様なニーズを持った国なので、どんなサービスが受け入れられるか、試行するクセがついているのでしょうね。

海外進出する際にも、しつこくテストマーケティングを繰り返して、その中から受け入れられるサービスを見出して、ヒットアプリに育てています。

要するに、欧米企業が生み出したサービスを、現地化していくのが中国企業という図式です。

思えばグーグルやアマゾンなども、グローバル化は早いもののいささか強引なビジネス姿勢で、現地に合わせようという細やかさに欠けるきらいがあります。

そんな中、徹底して実践的な中国企業が、各国の事情に合わせたカスタマイズをして、サービスを進化させていくわけですね。

どちらもポジショニング戦略のアプローチをとっていますが、着目する部分が違います。

それに対して、リソースを育てることを得意とする日本企業は、信じる技術をひたすら磨いて、強みといえるまで持っていくことに長けています。

みんな違ってみんないい。ということですな。

※ポジショニング戦略、リソース戦略についてはこちら→神戸製鋼の不祥事は、日本企業特有の問題なのだろうか?


プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

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