わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

マクドナルドの復活は本物らしいが、限界も近い

00

マクドナルドの業績回復に関する記事です。

マクドナルドの業績回復は本当らしい


日本マクドナルドホールディングスの2016年12月期の売上高は、2266億円。経常利益は66億円。

経常利益率2.9%はいかにも低いと思えますが、それでも2014年、2015年連続赤字だったことをに比べれば十分な回復です。

その内実をいうと、増やしすぎた店舗の中から不採算店舗を整理したということですから、実の伴った回復なのかまだ疑念がありました。

ただ最近のマクドナルドは、既存店舗の売上高が少しずつ伸びてきており、回復基調にあることは確かなようです。


そのまま拡大路線にいくのは正しいのか?


この業績回復を受けてカサノバCEOは店舗出店に舵を切る意向をみせています。

しかし記事では、日本においてマクドナルドはアメリカと同じような規模にはなれないのではないかと指摘しています。

というのも原田CEO時代に、アメリカと日本の人口比から割り出して、日本は6000億円の売上規模になれると発言していました。

が、実際には、5400億円をピークに失速してしまいました。原田CEOの失敗は、6000億円という目標に向けて無理な店舗拡大をしてしまったという側面がありました。

そもそも私は、マクドナルドの店舗は多すぎると思っていますからね。

参考:マクドナルドもスターバックスも日本市場をなめるな!

日本とアメリカでは外食市場の状況が違うのだから単純な人口比で適正規模を割り出すことができないのは当たり前です。

しかし、分かりやすい目標を作って業績拡大を図るのが雇われ経営者の役割であることも理解できますから、仕方なかったのでしょうね。

カサノバCEOも同じ轍を踏むんじゃないかと心配しております。





自動車関連産業を他業種が狙う理由

00

さすが商社。動きが柔軟です。

三井物産が、自動車関連ベンチャーに次々と出資


GEから米トラックのリース会社の株式を取得。この会社は車をネットワークでつなぎ適切な管理ができるようにしています。

同じく米国の自動運転システムの会社に出資。

日本のエンジン制御ソフトの会社に出資。

シンガポールのカーシェア会社に出資。

米国のEVスポーツカーメーカーに出資。

いずれもこれから大変革が起こるであろう自動車関連の会社に出資しています。

三井物産側は、

「自動車産業にどのような未来像があるのか、そこに存在するビジネスチャンスの中から、我々はどこを攻めるのかを導き出してほしい」

と語っており、需要を見極めている段階のようです。

常に最先端には顔を出す商社


そういえば三菱商事も、日産と組んでEVの実証実験に参加しています。

商社は時代の変化に応じて、ビジネスモデルを変革させてきました。

多様性は商社の生命線です。時代の最先端には常に顔を出しています。

商社の動きを見れば、いま何が起きているのかを理解できることができますね。

AIの大手グーグルは自動運転車を狙う


いっぽう米グーグルも、ライドシェア会社リフトに10億ドルの出資を発表しています。

リフトは、ウーバーのライバル会社です。

自動運転車の時代になれば、ライドシェア会社がイニシアティブをとるのではないかと考えられており、AIに強いグーグルとすれば、そこを外すわけにはいかないという考えです。


グーグルはウーバーにも子会社を通じて出資していますがどうも関係がうまくいっていないらしい。そこでどちらがきてもいいように両頭作戦です。

ソフトバンクがウーバーに1兆円以上の出資を検討しているというニュースもありましたが、そのソフトバンクもリフトへの出資には興味を示しているとのこと。

どちらに転んでもいいように盤石の態勢です。お金持ちはやることが抜け目ありません。







内部留保の使いどころを示せ

00


どこかの政治家が「企業の内部留保に税金をかける」とか言ったのでびっくりしました。内部留保というのは法人税等を支払った後の利益の行き所であって、そこに二重に税金をかけられたら往生しますな。

ただ日本の上場企業が、儲けたお金を貯めこんでいる。その額100兆円以上!ということに注目がいったのはいいことです。

そうらしいですな。100兆円のお金が、使われずに貯めこまれているんですよ。

参考:動くか100兆円の山 余剰資金銘柄に先回り買い (日本経済新聞・有料記事)


企業とは事業活動をするために存在しているわけですから、事業に使わないお金を何もせずに貯めこんでいるなんて明らかに怠慢です。

以前、私の勤めている会社が、儲かったら土地を買う、なんてことを過去にやっていて、苦しい時に売って助かったなどと自慢しているのを聞きましたが、これも怠慢です。そんなことをしているから事業が行き詰るんですよ。

お金を貯めこんで使わないというのは、戦略方向性が定まっていないという証拠です。経営者はちゃんと仕事をしてもらいないものですな。もしどうしても使い途がないというなら、株主に還元しなければなりません。


しかし、いまは事情があって戦略方向性を言えないが、使うつもりはあるんだ、ということなら、その旨を示してもらいたいものです。

いまは大きな変革期なので、お金の使いどころは必ずやってきます。その際の勝負資金として残しているんだということなら理解します。

それならそうと有価証券報告書にでも何等かのメッセージを記載いただきたい。そう望みます。





三菱商事と日産自動車がエコシティの実証実験を開始


三菱商事と日産自動車が、欧州で電力安定供給システムを構築、実証実験にはいるという記事です。

このシステムがEV(電気自動車)の本格的な普及を後押しすることになると考えられています。

EVが本当のエコカーになるためには、火力発電に頼ってはダメ


EVが本当のクリーンエネルギー車になるためには、電力そのものが化石燃料を使って作るものではダメです。

火力発電所で既に二酸化炭素を放出しているわけですからその電気を使うEVもクリーンではありません。

自然エネルギーである水力、太陽光、風力、波力、地熱を使った発電ならば、二酸化炭素を放出しませんので、はじめてエコカーといわれるわけです。(水力発電は、自然環境破壊が大きいので、できるだけ避けたいものですが)

ところが自然エネルギーは供給が不安定です。とくに太陽光、風力に関しては、自然条件によって発電できない日があります。

そんな時、どうするのか。

考えられたのがEVを使って受給調整をする方法です。

EVを蓄電装置として使う


EVは蓄電することができます。記事にある充放電ステーションにつないでおくと、EV内の電池に電気が充填されます。

もし雨の日が続いたりして社会的に電力不足に陥れば、EVに貯めこんだ電力を逆に社会に還元すれば急場をしのぐことができます。

雨不足の時に無数の溜池から水を戻すようなイメージですね。

各家庭のEVが電力需給システムに組み込まれる


将来的には各家庭のコンセントにつないでいるだけで需給調整ができるようなシステムを構築することを目指しているはずです。

各家庭のEVが電力需給調整装置になれば、供給過剰な日に貯めておくことができるので、より電力不足が回避できそうです。

それに、各家庭で発電した電力を貯めておき、電力会社に販売するという仕組みも本格化しそうです。

このシステムが機能すると、自然エネルギーだけで動く町(エコシティ)が実現するのではないかと期待されています。

今回の実証実験は、その第一歩。EVシフトに賭ける日産らしい試みです。





さすが中国 エコカー規制でやりたい放題

00

中国の新エネルギー車(NEV)規制に関する記事です。
中国政府は外資に19年から順次、大量の電気自動車(EV)を造らせ、中国を世界一のエコカー大国にする狙い。導入当初にまず3〜4%のエコカー生産を義務付け、順次引き上げる。

2019年より規制開始


「生産」というところがキモです。

2019年度より、中国内で生産する機種の3〜4%は、電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車でなければなりません。

もし間に合わなければ、他の自動車会社が過剰生産した枠(クレジット)を購入する必要があります。

やりたい放題の中国らしさ爆発!


この規制を各国の自動車メーカーが不公正だと憤っているのは、ふたつの意味があります。

1.中国で生産するためには、中国企業と合弁会社を立ち上げなければなりません。中国で最新機種を生産すれば、その技術が中国企業に流出することになります。

2.中国企業に対してはエコカー生産に補助金があり、実質低コストで作ることができます。中国企業の生産分が3〜4%の枠を超えることは確実で、外資系はクレジットを買い取る必要があります。中国企業は、それだけで数百億円の収入が見込めます。(クレジット買い取り制度に関しては、米カリフォルニア州がやっていることを真似たものだと思われますが、中国企業に有利な制度であることがミソです)

「こんな規制は悪法以外の何ものでもない」(独メーカー関係者)

さすが中国。世界最大の需要を背景にやりたい放題ですな。

最近、アメリカが無茶をやるニュースばかりだったので、無茶の真打登場ということで喜ばしい限りです。





EU各国もトヨタ包囲網を敷いている

00

先日、世界的なEVシフトが起きる。という内容のメルマガを書きましたが、そう単純なものではないんだよ、という記事がありましたので紹介いたします。

マイルドハイブリッド車とは?


記事によると、EU各国が進めるEVシフトの中には、マイルドハイブリッド車なるものが含まれているとのこと。

マイルドハイブリッドとは、エンジンの補助としてのみ電動力を使うハイブリッド車のこと。トヨタやホンダが展開するハイブリッド車はエンジンを切った状態でも電動で車を動かすことができますが、マイルドハイブリッド車は、エンジンでしか動きません。

なんとも中途半端なハイブリッド車に思えますが、欧州の各メーカーがEVシフト計画の中に想定しているのは、このマイルドハイブリッド車が多いということです。

EU各国も自国の利益を優先


なぜこんな中途半端なエコカー規制をやるのか?

というと、もともと欧州の自動車メーカーはディーゼル車を得意としていました。

ところがフォルクスワーゲン社が燃料試験において不正をやったものですからすこぶるイメージが悪くなった。消費者からそっぽを向かれるだろう。

といって、通常のハイブリッド車だと日本のメーカーが有利になってしまうので、なかば強引にEVシフトを促すことになってしまった。

だけどいきなりだと技術が追い付かないので、日本のメーカーが手掛けていないマイルドハイブリッドをまず認めて、次にプラグインハイブリッド、次にEVというように、展開していこうという算段なのだそうです。

要するに各国とも、自国の自動車産業振興ありきです。ありていにいうと、強すぎる日本車を封じ込めようという腹積もりが見えます。

なんだ、中国はずるいなんて言ってられませんね。みな同じようなことを考えている。

いまの段階では、どのエコカーが主流になるのか分からない


さらにいうと、燃料電池自動車もEVもハイブリッドも、おおもとの電力や燃料の作成に二酸化炭素を放出しているので、どれがクリーンだとか一概に決められない。

だから最終的にどのエコカーが主流になるのかは今の段階では決められないとのことです。

動こうにも動けないトヨタの苦悩


煮え切らないと批判されるトヨタの態度も、あながち無意味なものではないということですね。

なにしろ、各国ともトヨタの動向を見ながら、トヨタが弱るように規制を変えていくでしょうから、動こうにも動けない、というのは仕方ないことなのでしょう。

悩ましいことです。









日産グループの三菱自動車がEVシフト

00

先ほど、電気自動車(EV)に関するメルマガを出したところですが、こちらは三菱自動車の動向です。

三菱自動車とは


三菱自動車の売上高は1兆9066億円。(2017年3月期)当期利益は赤字です。販売台数は93万台。日本の自動車メーカーとしては中堅グループの下の方です。(スズキ、スバル、マツダはいずれも3兆円超え)

三菱自動車は、なにかと不祥事が多い会社でしたが、昨年の燃費試験の不正問題が決定打となり、日産自動車の傘下に入ることになりました。

三菱自動車を取り込んだルノー・日産グループは、悲願の世界1000万台到達が目前となりました。

日産グループはEVシフトを鮮明にしているので、三菱自動車もその流れを受けて、主力機種すべてに電動車を投入するという発表です。

もともと三菱自動車は、4輪駆動車やSUVを得意としてきました。当面は、本来の得意分野で拡販を目指すようですが、20年以降は、日産グループとして、EVを前面に押し出していくようです。

日産自動車はEVシフトを鮮明に


その日産自動車は、いまは無資格検査員に完成検査をさせていたという不祥事を起こして窮地にあります。が、こちらはすぐに回復してくるでしょう。

日産自動車は、かなり前から技術的に複雑なハイブリッド車への参入を捨てて、EVにシフトすることを宣言してきました。

このたび欧州や中国が、ガソリン車やディーゼル車を販売禁止にすることを発表していますので、その先見性が見直されています。

日産自動車は、ゴーン改革により系列部品メーカーを一度解体していますから、EVシフトしたとしても、トヨタほどのダメージはありません。追い風が吹いてきている状況です。

トヨタはハイブリッド車に未練


日産グループに比べると、トヨタ陣営の動きはいかにも鈍い。

マツダやデンソーと共同会社を立ち上げる、という記事がありましたが、いまだに研究段階とはいかがなものか。

その会社もどうやらマツダの開発力頼みだ、なんて噂が聞こえてきます。トヨタは大量生産、大量販売の会社なので、需要の不確実なEVみたいなものをチマチマやってられないのでしょう。マツダなら、ニッチ車でも採算ベースに乗せられるノウハウを持っています。

実際のところ、すべてすぐにEVに置き換わるわけではありません。欧州でも、ガソリン車はダメといいながら、プラグインハイブリッド車(充電できるハイブリッド車)は認めるのではないかと言われています。

そうなると現実的には、従来のガソリンスタンドが活用できるプラグインハイブリッド車は重宝されるはずです。

トヨタがEVシフトに及び腰なのは、プラグインハイブリッド車で十分稼げるはずだという読みがあるんでしょうね。

日産グループのバリエーションが強化


過渡期の技術だとしてもハイブリッド車を持たないことは日産の弱点でした。が、その技術を三菱自動車は持っています。

記事では、三菱自動車が技術を日産に提供することも検討する、とあります。

そういう意味でも、三菱自動車を傘下に取り込んだことは、日産にとって重要なことだったということです。






電気自動車(EV)の時代に日本企業は生き残れるのか

電気自動車

(2017年10月19日メルマガより)

メルマガ登録はこちら


そして「日経ビジネス」はトヨタの特集です。

偶然なのか示し合わせたのか… そんなことはどうでもいいですね。

自動車産業は、部品供給会社を含めると、日本最大級の規模を持つ巨大産業です。

その自動車産業が、大きな岐路にあることは、日本経済全体の大きな関心事です。

今回は、自動車産業の地殻変動の震源地のひとつEV(電気自動車)シフトについて、上記雑誌の特集を参考にしながら書いてみたいと思います。


EVシフトはなぜ起きるのか


世界の自動車産業全体が、いまEVへの移行を目指し始めました。

日本人のわれわれには、突然ふってわいたようなムーブメントのような気もしますが、その理由は明確です。

地球温暖化を食い止めるべく世界各国は二酸化炭素排出規制を強化しています。

特にEUは問題意識が高く、2021年には、2006年の40%減という厳しい規制を課しています。

EUは、規制逃れを許すような甘い政府ではないので、排気ガス問題を抱える自動車メーカーには難題です。

各社は、環境規制をクリアすべくエコカー開発にしのぎを削ってきました。


フォルクスワーゲンの大失態


欧州自動車メーカーの雄であるフォルクスワーゲンは、クリーンディーゼル車に社運を賭けてきました。

ディーセル車は軽油を燃料とするので低コストです。しかも、昔の黒い煙をもうもうと吐くディーセルではなく、技術改良の進んだクリーンディーゼルですから、二酸化炭素排出量も少ない。EU全体で人気がありました。

ところが、フォルクスワーゲン社がアメリカに輸出していたディーゼル車に、規制逃れが発覚しました。

なんと排気ガスのテストをしている時だけ数値が低くなるようなごまかしをやっていたのです。

アメリカはただちに48万台のリコールを課し、フォルクスワーゲンのブランドイメージは地に堕ちました。

折しもEU各国が「ディーゼル車って言うほどクリーンじゃないよね」と言い始めました。

確かにその通りで、二酸化炭素排出量はそこそこ少ないものの、その他の有害物質は、ガソリン車よりも排出していたのです。

とうとうフランスとイギリスは「2040年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止する」と発表しました。


それでもしたたかなフォルクスワーゲン


この問題で1兆円を超える和解金を支払ったフォルクスワーゲンですが、意気軒高です。

ディーゼル車がダメになったから仕方なしの戦略転換ですが、「2025年までにEVを300万台販売する」と宣言し、注目を集めています。

転んでもただでは起きないとはこのことですな。


中国の思惑


世界最大の需要地である中国も、英仏に追随し、ガソリン車とディーゼル車の販売禁止を検討しています。

環境問題関連規制を定めた「パリ協定」に従ったものですが、その裏には、アメリカに代わって国際的な評価を得たいという気持ちが見え隠れします。

アメリカは石油産業の中心地ですから、ガソリン車を手放したくない。ことに今の大統領が変人なので、平気で国際社会のひんしゅくを買うような真似をする。「パリ協定」を離脱してしまいましたからね。

そこに二酸化炭素排出の主犯である中国が、EVシフトを明確にしたものですから、国際的なイメージが向上するというものです。

中国の動向にはもう一つ裏の意味があります。

ガソリン車では先行メーカーに勝てないが、これから開発競争がはじまるEVなら勝てる可能性があります。

国内で自動車産業を育てたいという悲願を成就するまたとない機会です。

環境規制とともに、外資企業規制も厳しくしていくことと思われます。


煮え切らないトヨタ


中国に加え、インドもEVシフトを宣言しています。

EU主要国と中国、インドがEVシフトすると言っているのだから、世界の潮流は明らかです。世界の自動車産業が、EVシフトしていくことでしょう。

ところが、世界最大級の自動車メーカーであるトヨタがいまいちはっきりしません。

「本当にEVでいいのか?まだハイブリッド車でいけるのでは?」なんて声が聞こえてきます。

確かにそう言いたくなる気持ちもわかります。

なにしろトヨタの最大の強みが、部品メーカーをピラミッド型に束ねたケイレツといわれる産業集積の頂点にいることです。

部品メーカーと共同で行う「すり合わせ」といわれる開発作業は、海外メーカーにはまねのできないものです。

だからハイブリッド車などという複雑怪奇な車を得意としているのは、トヨタの現場開発力によるものが大きい。

それを支えているのが系列の部品メーカーなのです。


トヨタの強みを解体してしまっていいのか


ところが、EVになると、部品点数が極端に減ります。そもそもエンジンがいらない。場合によっては半分の部品でも組み立てられるとか。

トヨタがEVに全面シフトしてしまうと、系列メーカーの半分は仕事がなくなってしまうかも知れません。

えらいことですな。

一度、解体してしまった系列のピラミッドは、容易にもとに戻りません。

仮にEVの時代が過ぎて、燃料電池車が主流になった時、再結集するのは大変です。トヨタの強みが活かせなくなってしまいます。

動こうにも動けないというのがトヨタのジレンマでしょう。


燃料電池車に未来はあるのか


ちなみにトヨタがいま力を入れているのが、燃料電池車です。

トヨタの燃料電池車は、水素を燃料としているので、完全クリーンです。車からは有害物質を一切排出しません。

ただし技術的に難しく、いまのところトヨタとホンダしか量産できていません。

したがって価格も高く、まだ一般に手の届くものではありません。

またガソリンスタンドならぬ水素ステーションの建設にも高額な費用がかかるので、インフラ整備に時間がかかりそうです。

いくらトヨタといえども一社だけで水素ステーションを日本中に建設するわけにはいきませんし、できたとしても市場縮小する日本において普及させただけでは、大きなビジネスにはなりません。

世界中に水素ステーションが建設されてはじめてビジネスとして成立します。

だから海外勢の追随は必要条件なのです。


世界のトヨタ包囲網


もちろん中国メーカーもフォルクスワーゲンも重々承知の上でしょう。

わかっているからこそトヨタを利するようなことはしてきません。

そもそもトヨタがEVを得意としているならば、中国もフォルクスワーゲンも、EVシフトなんて言わなかったはずです。

仮にいまからトヨタがEVシフトを宣言すれば、中国は他のエコカーに切り替えるかも知れません。

ビジネスの競争とはそういうものです。

参考:EU各国もトヨタ包囲網を敷いている

電池メーカーはにわかに活気づく


残念ながらトヨタがいくら粘ろうとも系列部品メーカーの苦境は避けられそうにありません。

とくにエンジン部分に関連するメーカーは、いまのうちに新規ビジネスを立ち上げておかないと生き残ることは難しいでしょう。

いっぽうEV関連の部品供給メーカーにとっては朗報です。

特にEVの心臓部である電池メーカーは、主役に躍り出る千載一遇のチャンスです。

EVは、ガソリン車ほど組み立てが難しくないと言われています。極端にいうと既存の自動車メーカーでなくても、自動車を量産できる可能性があります。

そういえば家電メーカーのダイソンも、EV参入を宣言していますしね。

誰でも作れる。となれば、組み立てメーカーに力はありません。その際、ビジネスの主導権を握るのは、優秀な部品ユニットを供給できるメーカーです。

家電メーカーのパナソニックは、EV専業メーカーのテスラと提携し、車載リチウムイオン電池の世界トップ企業となりました。

ハイブリッド車においては電気系統の一部を担うだけの存在だったパナソニックとすれば、一躍EVの主役となった形です。

このまま世界がEVシフトを続ければ、パナソニックは巨大産業の中心メーカーになれるかも知れません。

そのためにも、フォルクスワーゲンや中国のEVメーカーとの契約を勝ち取って、工場投資を実現しなければなりません。技術ノウハウや価格競争力は規模に比例しますので、ここは営業の勝負どころでしょう。

ちなみに韓国のLGやサムスングループも大手電池メーカーの一翼です。彼らは思い切った集中投資が得意ですから脅威ですよ。液晶テレビみたいにならないことを祈ります。


トヨタ、謎の余裕


全体をみてみると、世界的なEVシフトは避けられない流れとなっています。

トヨタが思う燃料電池車の時代は、しばらくは来ないでしょう。

いや、それよりも、自動運転車が主流となった未来、自動車の絶対数そのものが劇的に下がると考えられています。(流しのタクシーさえあればマイカーは不要になります)

しかもAIの進化は凄まじく、自動運転車時代の到来は、案外早いかも知れません。

だとすると燃料電池車の時代を待つなどと悠長なことは言ってられない。トヨタそのものの存在も危ぶまれます。

それなのにトヨタの動きがあまりにも余裕なのはなぜなのか。

ハイブリッドで稼げるだけ稼いで、次のビジネスの原資にしようと考えているのでしょうか。

EVは過渡期の技術で、長くは続かない。本命は燃料電池だと本気で考えているのでしょうか。

あるいは、単に社内の既得権益勢力が強くて動けないだけなのか。

トヨタの思惑は読めませんが「たとえEVの時代になってもトヨタの持つ車まわりの技術はナンバーワンだからすぐに追いつけるさ」という驕りがあるとすれば危険です。

本当に大丈夫なのか。

思えば、世界を席巻した日本の家電メーカーも、全方位戦略で総花的な商品づくりを続けているところに、集中戦略を貫く韓国メーカーの台頭・逆転を許してしまいました。

自動車産業が同じ轍を踏まないと言い切れるのでしょうか。

世界で尊敬されるトヨタの落日は見たくないですよ。

追記:各国ともトヨタの動きを見ながら自国戦略を決めているふしがありますので、うかつに方向性を示せないという事情があるようです。「謎の余裕」とか言ってすみませんm(_ _)m





神戸製鋼の不祥事は、日本企業特有の問題なのだろうか?

00

それはまあ、そう言われますわな。

上の記事は、神戸製鋼のデータ改ざんを受けての海外記者の反応です。

いくら「安全性に直ちに問題はない」といっても、世界中の取引先にごまかし商品を売っていたわけですから同情の余地はありません。

品質に関して絶大な信頼性があった日本企業はどうなってしまったのか、と言いたくもなるでしょう。

神戸製鋼の不祥事は日本企業特有の問題?


面白いのは、この記事が、データ改ざん問題を構造的に捉えようとしていることです。

神戸製鋼に限らず日本企業の不祥事が相次いでいます。東芝、タカタ、日産自動車…

その原因について、こう書いていますね。

1990年代以降長期間にわたって続く経済成長の鈍化が、大きな要因となっていると専門家は指摘する。この鈍化により、日本企業はビジネス・モデルの変更を余儀なくされており、それがこのような問題を引き起こしているようなのだ。

つまり高度成長期が終わり、低成長期に入った日本企業は売上の鈍化をカバーするために、コスト削減を行って利益をねん出しようとした。

その努力が極限までいった挙句に、品質データの改ざんというところまで追い込まれた。というのです。

どんだけ高度成長期を引きずっとんねん!

と言いたくなりますね。

リソース戦略の弊害か


確かに日本企業はポジショニング戦略をあまりとろうとしません。

※ポジショニング戦略とは、経営環境(市場や競合の動向)にあわせて顧客ターゲットや自社の位置づけを設定する戦略をさします。環境が変化すると、ポジションも変わらざるをえないわけで、大幅なポジション変更とそれにあわせた組織体制の変更を余儀なくされます。欧米企業で事例をよくみます。たとえばノキアなど。

参考:ノキア 驚きの変わり身の早さ 携帯電話に再参入

日本企業が得意とするのはリソース戦略(リソースベースドビュー)です。これは会社内部資源の強みを競争力の源泉とする戦略です。

特に内部の人材や暗黙知をベースにすることが多いようです。

環境変化に応じた大胆な事業再構築はあまり行わず、耐え忍び、経験やノウハウを積み上げることで強い組織となって生き延びていく。

単純化していうと、ポジショニング戦略をとる企業は、儲からなくなれば、顧客設定も組織体制も一から作り直して(必要ならリストラして)儲かるようにする。またそれができる人を経営者に迎えるからどえらい報酬になります。

リソース戦略をとる企業は、今のままの戦略、いまのままの組織体制でしのぎながら、苦しいなりに儲かる知恵をつけて生き延びる。能がないように思えますが、冬の時期を耐えて春になってみると、一段強い企業になって芽を出すから一概に悪い方針だともいえません。

ポジショニング戦略とリソース戦略。どちらが優れているというわけではなく、違いがあるということです。

もちろんたいていの企業は、その両方のハイブリッド戦略をとっています。一般的なイメージとして、欧米企業はポジショニング戦略寄り。日本企業はリソース戦略寄り。ということですので念のため。


欧米企業もデータ改ざん事件を起こしている


今回の神戸製鋼の事件が果たしてリソース戦略の弊害と言えるのかどうかはわかりません。

ただ過去にもこうした不正は様々な企業が起こしていました。欧米の企業でも同じです。

記憶に新しいところではフォルクスワーゲンのディーゼル車燃焼データの改ざんですね。大スキャンダルになりました。(その後、フォルクスワーゲン社はしれっとして「うちの戦略は全面EV車シフトだー」と意気軒高ですが)

欧米企業の場合、ワンマン経営者の圧力が強すぎて、要求に応えきれない現場が不正に手を染めてしまうことが多いようです。

日本企業の場合、内部抗争のあおりで功を焦った陣営が不正をしてしまうことがあると聞きます。今回の件が、どういう原因から出たものなのかは続報を待ちたいと思います。

だけど記事そのものは面白い仮説ですし、日本企業について考える契機になりました。





第3次産業革命では何が起きるのか

00

「限界費用ゼロ社会」の著作があるジェレミー・リフキン氏へのインタビュー記事です。



第3次産業革命とは

産業革命とは、産業界における大きな変革を総称したものです。

第1次産業革命は、19世紀、イギリスを中心に起きたムーブメントです。蒸気機関が発明され、大型機械の稼働が可能になったため、大量生産、大量輸送ができるようになりました。

第2次産業革命では、20世紀、電力の発達により様々な動力が工場で動かせるようになり、より大量生産が可能となりました。こちらはアメリカ中心です。

現在、進みつつあるのは第3次産業革命です。インタビューでは3つの分野から語っています。

(1)エネルギー

化石燃料から、風力、太陽光、地熱などの自然エネルギーへ。リフキン氏の主張の根幹をなしています。自然からのエネルギーなので、技術が進めば、いずれコストゼロになると考えています。

(2)自動車

ガソリンから電気や燃料電池車へ。さらに自動運転が進めばシェア利用が広がり、自動車の総数そのものが大幅に減少します。

(3)製造業

IoT(モノのインターネット)。すべての物がネットワークでつながり、データ収集ができるようになります。さらにAIの発達により需要予測や最適生産方法が計算でき、生産効率が向上します。

第3次産業革命で起きること


その結果なにが起こるのか。

(1)コストの低減

エネルギーコストの低減に加えて、シェア化、生産効率の向上などによりあらゆるコストが劇的に低減します。

(2)最適化

IoTやAIにより、あらゆるものの最適化が進みます。生産効率は向上し、無駄なものを作らなくなるので在庫ロス廃棄ロスがなくなります。

(3)分散化

低コストかつ事業の最適解がみえるので中央集約的な大資本は不要になります。大企業である意味がなくなり、小規模企業や個人ビジネスが多く成立します。そのため世界的な格差もなくなっていきます。

IoT、AI、シェア、個人ビジネス。このあたりのキーワードは、第3次産業革命のキモになってくるものです。

日本は乗り遅れているのか


原子力シフトを長年にわたって続けてきた日本では、すぐに自然エネルギーに切り替えることが難しい状況にあります。一部、既得権益者が変革を拒んでいる側面もあるでしょうが、現実的にはコスト競争力があるうちは既存エネルギーでいこうという構えです。

自動車においてもガソリン車で天下をとった日本企業は、他国のように全面電気自動車シフトはやりにくい。こちらも、世界的な普及の段階をみながら対応しようとしています。自動運転車については、取り組みを進めています。

そのほかの分野では、日本も変革を進めています。ITインフラは整備が進んでいます。電力最適化にむけたスマートシティ実験も進めています。

IoTに関してドイツに遅れをとっていると言われますが、遅れ過ぎているというわけではありません。

むしろ企業側は危機感をもってIoTに取り組もうとしており、これから急速に進むことが予測されます。もともと生産効率をあげることには世界トップですから、追い付くことは可能だと考えます。

進んでいる部分もあるし、対応が遅れている部分もある。当然ですね。

ただ第3次産業革命は確実に起きることなので、そこでどう振舞うかは非常に重要です。

私としても、ビジネスチャンスが多い時期なので、真剣に向き合っていきたいと思います。





AI時代の営業のあり方

00

AIが発達した時、営業はどう変わっていくのかを書いた記事です。示唆に富んでいます。ぜひお読みください。

おおむねこの記事に賛同いたします。一部以外は…

AIは、すべての営業の業績を底上げする


営業は、AIと相性のいい仕事だと思います。

営業には、決まったことを当たり前にする仕事と、創意工夫や臨機応変な対応が求められる仕事があります。

私の感覚では、当たり前の部分が7割、臨機応変が3割といったところでしょうか。

当たり前のこととは、営業プロセスごとの準備をきっちりすること。必要な訪問を行うこと。必要な情報を相手に確認すること。適切な情報提供をすること。適切な提案を行うこと。適切なタイミングで提案やクロージングをすること。などです。

持続的に成績がよい営業というのは、誰もが知っている当たり前のことをきちんとできる人です。

そうしたことは定性的な事柄ですから、AIがマネージすることができます。AIが適切に管理する営業は、いま優秀な人と同じ成果を上げることができるようになります。

成績にムラのある営業にとっては、やらなければならないこと、抜けてしまっていることをAIが教えてくれるので、常に高い業績を上げることができるはずです。

成績がずっと低迷している営業でも、どのように行動すればいいのか、その指針が与えられるので、平均的な業績を上げるようになるはずです。

プロセス営業にAIは馴染みやすい


AIを導入していない現在でも、一部の企業は、営業プロセスごとの行動と成果の相関関係を掴んで、営業の標準化に取り組んでいます。

いや、大企業はほとんどでしょうね。

それで一定の成果をあげているはずです。だから、プロセス営業の方向性にAIをあてはめるだけなので馴染みやすい。抵抗はないと思います。

僭越ながら私の営業コンサルティングも基本的に、プロセス営業を導入することでチームの営業力を向上させることを主眼としています。

現場での対応力は、個々の営業の差となって現れる


今は過渡期なので、プロセス営業を導入するだけで営業力が向上します。

その先はどうなっていくのか?

プロセスごとの行動が標準化されれば、営業ごとの差は、現場での様々な対応力に出ることになります。

顧客と人間関係をつくる力。相手のタイプごとに対応を選ぶ力。相手の感情の機微を読む力。一瞬のタイミングを掴む力。つまりAIが読み取れない部分に対応する能力です。

こうした現場対応力はAIが身に着けるにはまだ時間がかかりそうですから、営業の能力の差となって出てきます。

その能力はもともとのセンスもあるでしょうし、経験でしか身につかないものもあるでしょうね。だからベテラン営業の能力はまだまだこれから重宝されるはずです。

ただし、一昔前のように、営業ノウハウを自分だけのものとしてブラックボックス化する人はいりません。「現場ではこういうことに気を付けないとダメだよ」ということを言葉にして共有できる人じゃないとチーム力が向上しませんので。

しかし、営業のセンスや対応力といった「質」の部分は、それほど重要な要素とはならないでしょう。勝負がつくのは、やはり「量」の部分です。

AI時代こそ、営業の「量」が勝敗を決める


記事では、これからは事務仕事はAIが担うので、少数の優秀な営業が数多くの現場を担うのが良いという旨が語られています。

営業に付随する多くの事務作業をAIが代替するようになると、営業に関するコアな部分で高い能力を発揮する少数のセールスパーソンと、彼らをサポートするアシスタントがいれば営業チームは回ってしまう。能力に差のある5人のセールスパーソンを抱えるよりも、有能な2人のセールスパーソンがAIを駆使して営業を行い、これを1人のアシスタントが事務作業をサポートする方が、圧倒的に高い営業成績を残せるはずだ。

申し訳ないですが、この意見には反対です。

こういう時こそランチェスターの法則を思い出してください。

大昔の素手で戦うような場合は、第一法則(組織の力=武器の能力×組織員の数)が成り立ちました。

が、武器が高度になればなるほど第二法則(組織の力=武器の能力×組織員の数の二乗が成り立つようになります。

これを営業におきかえれば

営業のチーム力=個々の営業の能力×営業数の二乗

となります。

いくら優秀な営業がいるからといって、物理的に取捨選択しないと行動できません。

自社が訪問しない顧客にライバル会社の営業が頻繁にやってきたらどうします?

営業員が余るからといって、少数精鋭なんてしてしまうと大変なことになってしまいますよ。

このことは、第一次世界大戦時「優秀な武器が開発されたので少数精鋭で戦おう」といったイギリス軍の識者に、フレデリック・ウィリアム・ランチェスターが指摘したことです。

武器が優秀になればなるほど、人数が勝敗の決めてとなります。


つまりAIの発達は、営業の競争をより量の戦いにシフトしていくということです。

営業に携わるわれわれは、きたるべきAIの時代に向けて、自社にとっての営業プロセスを理解し、組織体制を整備しておかなければならないと思います。

自らも行動の「量」を稼ぐ。さらには営業数という「量」を確保する。

これからも、営業チームの戦いの本質は変わらないと考えます。




「プロ部長」のチームを機能させるスキルは重要だ

00

プロ経営者という概念があるならば、プロ管理職があってもいいじゃないか。というのは、その通りだと思います。

転職エージェントに対して「部長ができます」と主張する人がいる、というのは笑い話だったのですが、いまとなっては、得難いスキルだと考えられます。

チームが業績を上げるためには、チームマネジメントの技術が必要です。かつての日本のように成長期であれば、横並びの戦略で頭数を揃えてモチベーションを上げていればなんとかなりましたが、今はそうはいきません。市場縮小する今日、独自の戦略がなければ、生き残ることすらできません。

つまりチームがどの方向にどう動くのかを率いる人の力量が問われます。

それは現場担当ではなく、管理職の仕事です。

業績を上げるチームとは


拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』は、魔法瓶分野の世界トップ企業であるサーモス株式会社が、弱小事業部だった頃から世界トップになるまでを、主に営業チームの視点で描いたビジネス小説です。私が経験したり、見聞した事実を思い出しながら、虚構の人物にあてはめて書きました。

「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語
「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語 [単行本(ソフトカバー)]
駒井俊雄
ぱる出版
2015-10-30


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語


いま、あらためてその頃のことを思い出してみて、なぜサーモスでは、チームが機能したのだろうか?

弱小も弱小。ボロボロの負け犬集団だったチームが、世界トップになれるようなチームになった理由はなにか?

ということを考えてみると、いくつかの要素が思い浮かびます。


1.明確な戦略があった。…早い時期に「世界トップになる」という目標を打ち立て、そのための戦略を作った。

2.ある程度任せられた。…人数が少なかったからですが、ある程度任せてもらえた。その結果として、各人が強みを発揮した。

3.風通しがよかった。…これも人数が少なかったこともありますが、コミュニケーションが活発でした。

プロ部長の仕事


そのため、私はいま、コンサルティングにおいては、業績をあげるチームを作るために

1.営業戦略設定

2.目標達成管理

3.権限委譲

4.コミュニケーション

を施策の柱にしています。


上の記事においては、人材配置、目標達成管理、コミュニケーションを部長の仕事だといっていますが、まったくもってその通り。ほぼ同じことを言っていると思います。


プロ部長というのは、現場を知らなくても、チームを機能するようにまとめ上げて、管理する存在だといえます。ほぼコンサルタントと同じスキルを持つ人ですね。

だとすれば、業界が違っても、スキルは同じです。会社を渡り歩くプロ部長というキャリアも成立します。






事業承継は、世襲でいいのではないでしょうか

00

企業の事業継承に関する記事です。

ダイエーが無理な世襲に失敗して破綻の原因を招いたのは周知の通りです。

そのダイエーを引き取ったイオンも世襲を行った企業ですが、次の承継が近づいてきています。

ところが現経営者の長男はまだ若く、どうするかが注目されています。


セブン&アイは、セブンイレブンの実質的創業者であった鈴木敏文氏が、イトーヨーカ堂の創業家を差し置いて自身の子供に継がせようとしたことが、解任の一因になったと言われています。

鈴木氏のあとを受けた現経営者は、いずれ創業家に社長の座を譲るのではないかと考えらえています。


記事では、ファーストリテイリングのことも書いていますね。

柳井氏が誰に承継するのか?は、同社の最大の関心事であり、課題です。

どう見ても、柳井氏の替わりを務める経営者を探すのは至難の業です。

孫正義氏とか、永守重信氏クラスを連れてこなければならないかも知れない。

が、ソフトバンクも日本電産も、後継者を誰にするかは、悩みの種のはずです。


昨日、同族経営に関する記事を紹介しましたが、こういう場合は難しく考えずに、世襲したらいいんじゃないですかね。

その方が、無駄な社内の権力争いも、経営方針の無茶変えも起こりません。

代々、社長は世襲で長期政権。

その代わり、番頭役が実質的な経営者として補佐する。

という方が、わかりやすい。

いわゆる実質的な「資本と経営の分離」です。


番頭同士で争いになったらどうするんだ。とか。

活力のない組織になったらどうするんだ。とか。

問題もあるでしょうが、短期でころころ経営者が変わるよりも、無駄な方針転換が起こりにくいはずです。

↓こういう事例を見ていると、そう思ってしまいますね。

ドキュメント パナソニック人事抗争史 (講談社+α文庫)
ドキュメント パナソニック人事抗争史 (講談社+α文庫) [文庫]
岩瀬 達哉
講談社
2016-04-21

シャープ崩壊 ―名門企業を壊したのは誰か
シャープ崩壊 ―名門企業を壊したのは誰か [単行本(ソフトカバー)]
日本経済新聞出版社
2016-02-18

ソニー 失われた20年 内側から見た無能と希望
ソニー 失われた20年 内側から見た無能と希望 [単行本(ソフトカバー)]
原田 節雄
さくら舎
2012-09-04







同族企業の方が経営業績がよい

00

メモ。同族企業の業績は、非同族企業よりも高い傾向がある。

いささか古いが、2007年に甲南大学の倉科敏材教授と帝国データバンクが行った分析では、東証1部2部の企業の07年までの5期の平均利益率は、非同族企業が4・5%なのに対して同族企業が5・7%と、1ポイント以上上回っていた。

総資本に対する利益率=ROAについても、非同族企業が1・0%に対し1・6%、株主資本に対する利益率=ROEは非同族企業の0・2%に対して1・9%と、いずれも圧倒している。

こうした傾向は欧米でも同じらしい。カナダのアルバータ大学の研究所ダニー・ミラー、イザベル・ル・ブレトン=ミラー氏らの研究では、1990年代初頭のアメリカの公開企業の上位800社のうち、同族企業は利益率で33%、成長率で15%、業界平均より上回るというデータが載っている。

長い引用ですみませんm(_ _)m

実際、有名なグローバル企業の多くが同族企業です。

「フォード」「BMW」「フィアット」「ミシュラン」「エルメス」「プジョー」「テトラパック」「イケア」「J・Pモルガン」「カーギル」「ウォルマート」「コーニング」「フィデリティ・インベストメント」「モトローラ」「エステー・ローダー」「L・Lビーン」「ゼニア」「カンパリ」「フェラガモ」「フルラ」……

もちろん日本にも同族企業は多い。いやむしろ日本こそ優秀な同族企業が多く、その強みをいかし永続的な経営を実現しています。

なぜ同族企業の業績は高いのか


まずは長期的な視野からの経営が可能となります。

同族経営は、一度社長が決まると、よほどのことがない限り、次の世代まで続けることが多い。

したがって、経営方針が一貫しており、ブレません。

しかも社内の権力構造が一定で、権力闘争が少ないから、無駄なエネルギーを使うことがありません。

もっというと経営者が変わった途端に、前経営者の功績を否定にかかるといった無駄がありません。代替わりしても、次の経営者が先代の功績の上に戦略方向性を決めるので、さらに一貫した経営ができます。

後継者に関しても、早いうちから決まっているので、長いスパンで経験を積ませて育成することが可能となります。

また、長期政権なので、ものごとが決まりやすい。意思決定が早くなります。無駄に討議を重ねて時機を逃すことがありません。

逆にいうとワンマンになりがちで、イエスマンばかりの社内になると方向性を誤ってしまうことがあるかも知れません。

その分、ガバナンス(意思決定の仕組み、ルール)を明確に決めておく必要があります。二代三代と続く同族企業は、ガバナンスもしっかりしているものです。


そういえば、化粧品会社のコーセーも同族企業のメリットをいかしており、業績好調です。

参考:化粧品3位のコーセーが業績好調で1位の資生堂より儲けている

逆に、日本を代表する家電メーカーが軒並みダメになった理由も非同族企業ならではでした。



ドキュメント パナソニック人事抗争史 (講談社+α文庫)
ドキュメント パナソニック人事抗争史 (講談社+α文庫) [文庫]
岩瀬 達哉
講談社
2016-04-21

シャープ崩壊 ―名門企業を壊したのは誰か
シャープ崩壊 ―名門企業を壊したのは誰か [単行本(ソフトカバー)]
日本経済新聞出版社
2016-02-18

ソニー 失われた20年 内側から見た無能と希望
ソニー 失われた20年 内側から見た無能と希望 [単行本(ソフトカバー)]
原田 節雄
さくら舎
2012-09-04


同族経営は「理念」を重要視する


もうひとつ。同族企業は、経営の価値観も引き継がれることが多い。

つまり長く続く同族企業は「理念」がしっかりしています。

これを裏からいうと、同族企業は、ひとりよがりな社長が暴走しないために「経営理念」と「ガバナンス」を明確に決めておかなければなりません。

子供を後継者にしようという会社は、ぜひとも「理念」と「ガバナンス(ものごとを決定する仕組み)」づくりを行ってください。






最高益でも危機感あらわ ファーストリテイリングの本当の敵は?

00

ユニクロやジーユーを運営するファーストリテイリングの2017年8月期決算がでたようです。

売上高1兆8619億円。営業利益1764億円。

いずれも過去最高ということです。

最高益でも遠い世界トップとの差


ファーストリテイリングは、現在世界3位。

1位のインデックス(ZARAなど)とは、約1.5倍の差です。

ランチェスター戦略の「市場シェア理論」でいえば、射程距離圏内であり、逆転可能です。


01

もっとも売上高規模以上に差があると感じるのは、営業利益率です。

インデックス、H&Mともに、グローバル展開の規模が大きく、世界中から適材適所に仕入れ製造を行う体制を持っています。

それに対してユニクロは、まだ日本が中心。あとは中国、東南アジアが伸びている程度です。グローバル化という視点では見劣りします。

2018年には、ようやく海外売上が、日本国内を抜くということですから、世界展開はまだ道半ばだといえますね。

(逆にいえば、まだそれだけ伸びしろがあるということですが)

大量製造・大量販売モデルの限界


ただ柳井会長の危機感はそこだけにあるわけではないようです。

インデックスはファストファッションを突き詰めており、5週間で企画から販売までできる体制を整えているといわれます。

巨大規模にして恐るべき効率化を追求し続けています。

これに対して、ファーストリテイリングは、大量生産モデルなので、最低数か月はかかります。

日本国内でユニクロやジーユーが苦戦した理由のひとつに、売れ残り品の処分問題があります。

品数を絞って需要予測の精度を高めてきたファーストリテイリングですが、どうしても売れ残りは発生し、その分の処分費が利益を圧迫してしまいます。

インデックスとの規模以上の利益率の差はここにあります。

超ファストファッションの台頭


しかしそのインデックスも今は、危機感を持っています。

というのも、デザインから商品化まで1週間などというとんでもない企業が登場しているからです。

デザインから販売まで1週間 —— ZARA、H&Mを脅かす新興オンラインブランド

店舗を持たないネット企業の中には、機動力をフルにいかして、小ロットかつ短納期を実現するところが現れているという記事です。

いくらZARAがファストファッションだといっても、スピードでは新興オンライン企業にはかなわないようです。

さらに恐ろしいのは、アマゾンがファッション業界でも存在感を見せ始めていることです。

アマゾンのことですから、こうした新興企業を取り込んで(買収する、あるいは販売提携する)巨大勢力になり、インデックスやH&Mに牙をむいてくるのは間違いないでしょう。

本当の敵はアマゾン


柳井会長の肝いりで進めている「有明プロジェクト」は、インデックスとの競争の先を見据えたものだといえます。

有明プロジェクトとは、情報技術をフルに活用して、顧客が必要なものだけを製造・流通できる体制を作るためのもの。大量生産モデルからの脱却を目指して、開発、物流などあらゆる機能を東京の有明に集約し、実証実験に取り組むようです。

いわばアマゾンと戦える企業になるためのプロジェクトですね。

柳井正ファストリ社長「アップル、グーグル、FB、アリババ、テンセントと組む!」

アマゾン以外の主要ネット企業を軒並み挙げているところに、柳井会長の危機感が表されているのではないでしょうか。

それにしてもこれだけの危機が矢継ぎ早に来るようでは、柳井会長は引退できませんな。

カリスマ経営者の引退リスクも高まるばかりです。





元Jリーガーが見出したビジネスモデル

00

元Jリーガー。ガンバ大阪をクビになった人物が、いまはそのガンバ大阪とスポンサー契約をしているという。一種のサクセスストーリーです。

プロ選手として通用しないと自覚して、すぐに方向転換する割り切りはさすがです。


さてこの方は、リサイクル品の取り扱いから始まり、いまはブランド品の買取事業で成功しておられます。

創業5年で売上高219億円。たいしたものです。

後出しじゃんけんのビジネスモデル


ビジネスモデルそのものは、かつて一世を風靡した中古車買い取りの「ガリバー」と同じです。

買い取りを専門として、出口はすぐに同業者のオークションで売却してしまいます。

このビジネスの利点は、オークションの売却価格がある程度読めるので、利益が計算しやすいこと。

自社店舗で販売すればもっと儲かるのでしょうが、そのための経費も発生するし、なにより売れ残りリスクがある。

少々利益が減っても、後出しじゃんけんのようなビジネスの方が確実です。

ブランド品を「金融商品」と言い切る潔さがここでも光ります。


したがって同社(SOU:店舗名は「なんぼや」)は、買い取りに労力を集中できます。

現在はアプリを作って、ブランド品が時間を経るごとに価格棄損していく様を見せているのだとか。恐怖を感じさせるアプリですね。


それにしてもこのビジネスモデルは、経営の世界では広く知られたものです。買い取りではガリバーがダントツのトップで、他社は太刀打ちできませんでした。(いま、ガリバーは小売りにも進出しています)

それが業種を変えることで、成立したのですから、面白いものです。

事業のネタはいろんなところにあるものですね。





普段の活動で顧客からの信用が得られる優れた営業方法

00

これぞソリューション営業!というすばらしい事例です。ぜひ読んでください。

ワコンという和歌山の会社。段ボールや保冷箱などの梱包材を製造販売しています。

その会社の営業方針が「箱は売るな。温度を売れ」

自社商品を売り込むのではなく、自社商品に興味を持った顧客の問題を解決せよ。

という意味です。


商品を売らずに、信用を売る


例えば保冷箱に興味を持った顧客は、温度管理に悩んでいるわけです。どうすれば適切な温度管理ができるのか。

扱い物や保冷環境によって違うでしょうから、顧客と一緒になって解決方法を考える。

もし自社の保冷箱を使わなくても問題解決するならそれでよし。

というと営業の労力が損になるような気がしますが、そんなケチなことは言いません。

ワコンは、顧客の問題を解決することによって「信用」を売っているからです。

顧客は、ワコンをますます信用することになり、長い目で見ると業績アップにつながります。

ソリューション営業の基本


この事例は、ソリューション営業の基本であり、どの営業にもあてはまります。

市場が成熟した現在、商品差別化の効果は薄くなってきています。いうなれば、どの業者の商品・サービスも似たようなもの。

そもそも差別化している、希少性がある、というのは、売り手側からの提示にすぎません。

顧客が求めているのは、自分独自の目的を達成するための方法であり、その障害を取り除く方法であり、不安や危険から逃れる方法です。

そんな「問題解決策」を適切なタイミングで示すことが、営業の仕事となります。


信用が得られなえれば、ソリューション営業は失敗する


通常、ソリューション営業は、自社の商品・サービスをもって、顧客の問題を解決する方法を提示するものです。

ところが、顧客はなかなか本音で自分の悩みを打ち明けないものです。

信用できない者に自社の事情は開示しにくいものでしょう。

だから、下手な営業が見よう見まねでやるソリューション営業は、相手の本音を聞き出せずに、的外れの提案をしてしまうことになります。

「何としても自社の製品を売ってやろう」。そんな姿勢が顧客に透けて見えると、顧客はするすると逃げていく。

それでは、ただの売り込みと変わりありません。

ソリューション営業には、顧客の信頼が必要不可欠なのです。


一石三鳥のすぐれた営業方法


どの営業も苦労するのが、顧客から信用を勝ち得ること。

それができる人が優秀な営業で、できない人が凡庸な営業だと言ってもいいでしょう。

その意味では、この営業方法は非常に優れたものだといえます。


1.売り込まないので、顧客からの信用を得やすい

売り込まれない利他の営業活動に触れた顧客から信用されやすくなります。

お金を出してもほしい信用を普段の営業活動でもらえるなら安いものではないでしょうか。


2.営業の心理的ハードルを下がる

売り込まなくてもいいわけですから、感謝されこそすれ、拒絶される不安がない。

この方針だと営業は積極的になれます。


3.顧客の現場の悩みやニーズに触れることができる

この方針を貫いていると、様々な顧客の現場に触れて、顧客の悩みやニーズを知ることができます。それは次の商品・サービス開発につながります。

一石三鳥ですよ。





最強のアマゾンには逆らわない方がいい。しかし、いつリスクが顕在化するかも心配。

00

私もそう思います。

今まで何度かアマゾンに関する記事を書いてきましたが、アマゾンと同じ土俵で勝負することなんて無理です。

参考:アマゾンはどこから来てどこへ行くのか

アマゾンはいまや売上高約15兆円。時価総額52兆円の企業です。

ネットの本屋だったのも今は昔。今ではネット通販全般で40%のシェアを握る巨大企業です。

それだけではありません。リアル店舗を買収し、リアル小売りに進出しています。

自店で販売する製品の製造にも乗り出しています。

巨大な物流業でもあります。

音楽や電子書籍などのコンテンツ販売業でもありますし、デジタルマーケティング、広告企業でもあります。

そして何より世界最大のクラウドサービス提供業でもあります。

異次元の競争思想


アマゾンの最大の特徴は、ゴリゴリの顧客ファースト原理主義であること。

顧客(最終ユーザー)の利益のためには、競合他社はもちろん、得意先も、仕入れ先も、従業員も、株主さえも、無視してしまいます。

利益など出さない主義。利益があるぐらいなら顧客に還元せよ!という考え方だからです。

基本、利益は次のサービスへの投資に回してしまうので、アマゾンのサービスは加速度的に発展していきます。

普通に利益を出そうと考える企業からすれば異星人と対しているようなものですよ。

顧客がいわなくても、勝手に値段を下げる


上の記事は、アマゾンのクラウドサービスに関して書かれたものです。

彼らは利益をとるより、支配的な地位を築いて、顧客にメリットを提供する、というスタンスをとり続けている。これは、参入障壁を高める意味もあったので、全く他から人が入ってこなくなりましたよね。安さでアマゾンに対抗しても、彼らが下げてくるので何の意味もない。

支配的なトップ企業であるにも関わらず、どんどん値段を下げてくるのだから、競合他社は参入する意味を見出せません。

このやり方は、クラウドサービスの分野だけではなく、他のビジネス分野でも同じです。

参考:アマゾン この状態は誤算なんでしょうね←誤算というのは、クラウドサービスが儲かり過ぎて利益が出ている状態を指しています。

いずれは社会インフラに進出


私は、アマゾンがインフラ分野に進出して、社会全体を変革してしまうのではないかと想像しています。

アマゾンホーム←家全体をアマゾンが提供。家、家具、家電製品、水道、電気、車。バカみたいな低価格の定額料金で。

アマゾンオフィス←ビジネス版。上に同じ。

アマゾンガバメント←さすがにここまではないか。でも地方自治体ぐらいならアマゾンにシステム運営を任せた方がいいかも知れませんね。

アマゾン・リスクは増大している


ただアマゾンのやり方は、創業者ジェフ・ベゾスの個性によるところが多いみたいです。

ベゾス健在の間はいいですが、彼が退場したのちに、この支配的立場を利益吸い上げに利用する輩が経営者にならないとも限りません。

そう考えると、アマゾン自身のガバナンスが、社会にとって大いにリスクとなってしまいます。

なんだかターミネーターのスカイネットみたいですな。





変革期に強い総合商社の生き残り方法

00

以前、大手総合商社の人と仕事でお話しをしたことがありましたが、いい意味で自律的、悪い言葉でいうとヤクザのようでした。

多少ずるいことをしても儲ければ善。儲けるためには何でもやりゃーいいじゃん。みたいなことを言われたので、真面目なメーカー出身のこちらとしてはびっくりした記憶があります。

総合商社というのものは、もともとトイレットペーパーから石油プラント施設までなんでも扱うところです。

自由度が高い。多様性もあります。

何よりメンバー一人一人が多様な生態系を象徴するような人たちばかりでしょう。だとすれば、時代の変化に合わせて儲かるところにシフトしていくのは当然だと思います。

この記事にあるように、総合商社の方法論は、生き残りのヒントになると思います。

生き残るためには、グー・パー・チョキ戦略を繰り返す


しかし、だからといって集中戦略が否定されるものではありません。

資源もない経験もない小さなスタートアップが、最初から多角化していたら、どの分野でも勝てません。

最初は、一点収集して、一定の地位を築く。

そののちに、本業の周辺に新たな事業を複数立ち上げる。

さらには、複数の事業を取捨選択し、有望なものだけを残す。

(これがランチェスター戦略にいう「グー・パー・チョキ戦略」です)

選択と集中が否定されるわけではない


なによりメーカーは、設備投資が必要ですから、簡単に扱い商品を変えるわけにはいきません。

どこかで選択と集中を決めなければならない場面があります。

日本の家電メーカーがサムスンに駆逐されてしまったのは、彼らの思い切った集中戦略に太刀打ちできなかったからです。

戦略方向性を決める方法が違うということです。


ふしぎな総合商社 (講談社+α新書)
ふしぎな総合商社 (講談社+α新書) [新書]
小林 敬幸
講談社
2017-09-21







生鮮ドラッグストアの登場で、業界の垣根はより低くなる

00


ドラッグストアの2016年度の市場規模は前年度比5.9%増の6兆4916億円。百貨店の市場規模を上回り、コンビニを猛追しています。

参考:ドラッグストアがコンビニを食い物にしている

ドラッグストアは、医薬品という高収益の商品を扱っていることを背景に、日用品を低価格販売して集客しています。

極端にいうと、日用品をただで配布してお客さんを集めておいて、医薬品を販売するビジネスモデルです。

コンビニの天敵です。

ところが、勝ちパターンのはっきりしたビジネスなので、各ドラッグストアチェーンは迷うことなく店舗数拡大にまい進します。業界内の競争が激しくなる所以です。

そこで、ドラッグストア各社はただの店舗拡大だけではなく、差別化も考えるようになります。

一部のドラッグストアが、日用品だけではなく、生鮮品を扱いだした。という記事です。

つまり、ドラッグストアが、コンビニだけではなく、食品スーパーを食い物にしだしたわけです。

生鮮品を扱うのは、全く別のビジネス形態のはずだが


記事にあるように、日用品と生鮮品では管理のむつかしさが違います。倉庫も物流も新たな設備が必要ですし、廃棄ロスも出ます。

普通に考えれば、全く違うビジネスなので、無理だろうと思ってしまいます。

おそらく、もともと生鮮品ビジネスのノウハウを持つ食品スーパーがドラッグストアに進出した。あるいは、M&Aによってドラッグストアが食品スーパーを取り込んだ。という前提が必要だと考えます。

しかし記事には、そういった事情は書かれていませんね。

地方のドラッグは、ゼロから生鮮品を扱いだして、ノウハウを蓄積しているのかな。だとすれば、たくましことですね。

消費者にとっては、ドラッグストアが生鮮品を扱おうと、食品スーパーがドラッグを扱おうと、便利ならいいわけです。

ドラッグストア、コンビニ、食品スーパーの垣根はますます低くなっていきます。3つの業界が融合していくのは避けられないことでしょう。

ということは、やはり資本力のあるイオン系が有利になるのかな。

セブン&アイが、どのように動くのか、見ていきたいと思います。

参考:ドラッグとコンビニは、イオンとセブンの代理戦争





プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

タグクラウド
記事検索
Amazonライブリンク
お問合せ
お問合せはこちらまで