わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

「シン・ゴジラ」って途中まで面白いけど、後半グダグダじゃないですか?

シンゴジラ
(2017年11月16日メルマガより)

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先週の日曜日、地上波テレビ映画「シン・ゴジラ」が放送されました。

ご覧になられました?

話題になった映画の地上波初放送です。

予想通り、今回も大いに話題になり、視聴率もよかったそうです。

ネットでは「これでシン・ゴジラも国民映画になった」という論調の記事も見られました。

シン・ゴジラ
長谷川博己
2017-03-22


もっとも私は「陸王」を必死で観ておりましたので、今回の「シン・ゴジラ」放送は観ておりません。

申し訳ございません。

が、気になりましたので、録画して観てみました。

ロードショー公開時に一度観ているので、二度目です。

なかなか悪くなかったですね^^


などと上から目線で言って、また申し訳ございません。

実を言うと、ロードショー公開時に観た時は正直言って、微妙な印象を持ちました。

当時、絶賛する人が多かったので、なんだか違和感を抱いたものです。

しかも、この映画のことを悪く言うと、怒りだす人もいましたからね。

実際、飲み屋で絡まれかけたこともありました^^;

いったいこの映画のどこにそんな磁力があるというのでしょうか。

(以降、ネタバレありますので、ご注意ください)


もともとゴジラシリーズは国民映画だった


そうなんですね。私の世代でゴジラのことを知らない人はいないでしょう。

日本だけではない。海外でもゴジラ人気は絶大です。

「ゴジラ」は、日本が誇る最大のコンテンツの一つであると言っても過言ではありません。

私事ですが少年時、初めて映画館で観た映画が「モスラ対ゴジラ」でした。




それはそれは面白かった。いや面白かったなんてものではありません。魂を奪われるほど夢中になりました。

初めて見た衝撃があるのかも知れませんが、いまでも私は「モスラ対ゴジラ」こそ、怪獣映画の最高傑作だと信じています。

(といっても怪獣映画を全部みたわけではありませんが…)

素晴らしかったなーー

その後しばらく、ゴジラ関連のグッズや書籍を買いあさる怪獣少年になってしまったほどでした。


ゴジラは現代の神話


初代「ゴジラ」を観たのはテレビ放送だったと思います。白黒の古い映画でしたが、それでも夢中になりました。


ゴジラ
宝田 明
2014-04-23


ゴジラは、水爆実験により生まれた怪物だとされています。

被爆国である日本の核への恐怖心や批判精神が、ゴジラという怪獣に込められているらしい。

しかし私が子供だったからなのか、あるいは観たのがリアルタイムでなかったからか、社会的な批判精神よりも、心を占めたのは、その圧倒的な存在感です。

その怪獣は、無慈悲に東京を破壊し尽したあげく、戦闘機によるミサイル攻撃も無表情にやり過ごし、東京湾へ去っていきます。

自衛隊の最新兵器でも倒せない存在が、ビルや鉄塔や鉄橋などを無軌道に壊していったのです。

なんとも圧倒的。まるで神のごとき存在です。

科学技術や人間の思惑のまったく届かない存在がいる、という気の遠くなるようなスケール感は、ちっぽけな自分を忘れさせてくれるほどのカタルシスをもたらすものでした。

ゴジラシリーズが日本だけでなく、世界の観客を魅了したのは、それが現代の神話として受け入れられたからだと考えます。


初代ゴジラのコンセプトを忠実に再現


いわば神話として確立したゴジラ映画に挑戦して、みごと大ヒット作を生み出した庵野秀明総監督、樋口真嗣監督の勇気と手腕は称賛して余りあるものでしょう。

新しいゴジラ映画を作るにおいて、庵野総監督が打ち出したコンセプトは、初代ゴジラへの忠実な回帰でした。

東京に突如現れた途方もない存在が、無軌道に破壊の限りを尽くす。その存在は、最新の軍事兵器をもってしても、倒すことができない。まるで神のごとき存在を目の当たりにした人間は、自らの無力を思い知ることになる。

この初代ゴジラが持つコンセプトが世間を席巻したのです。だからこれを再現することが成功への近道であることは間違いありません。

むしろ、変に色付けしたり、新機軸を打ち出そうとする方が難しい。

この原点回帰という思い切りが、この映画が成功した最大の理由だと考えます。

ただし、時代も変わっているので、昭和29年のままでは受け入れられない部分も出てきます。

そこで庵野総監督が出した答えは、現代のリアルを追求しようという姿勢です。

自衛隊の動き、最新兵器の使用方法、日本政府の対応。

こうしたリアルさへの徹底したこだわりがこの映画を抜群に面白くさせています。

政府首脳はゴジラが出たからと言って「ゴジラを撃滅せよ」なんて時代がかった台詞は一言も言いません。相変わらず無表情で四字熟語を話し、危機感があるのかないのかわからない雰囲気です。

対策委員会ができた時も、メンバーのしかめ面を見せるわけではなく、コピー機の並びで表現しています。


「シン・ゴジラ」が採り入れなかったもの


ただし初代のゴジラシリーズから「シン・ゴジラ」が省いたものがあります。

それは、観客と映画を橋渡しする人物の存在です。

初代「ゴジラ」にも「モスラ対ゴジラ」にも、分かりやすい正義感を持つ善良な人物が登場します。

ターゲット観客が子供だったからという面もありますが、そうした単純で平明な人物が、狂言回しとなることにより、観客が安心して映画の世界に入り込むことを可能としていました。

モスラ対ゴジラ」はより子供向けの映画なので分かりやすい。モスラの卵で一儲けしようというあくどい大人がいると思えば、それに憤る善良な新聞記者が登場します。

案の定、あくどい大人はゴジラの来襲で死んでしまい、善良な新聞記者は双子の妖精を助けて、暴走するゴジラを最終的に制止することに役立ちます。

ところが「シン・ゴジラ」ではそのようなわかりやすい人物は登場しません。観客に寄り添う要素を意識的に剥ぎ取り、ある種ドキュメンタリータッチにすることで、取っつきにくい醒めたタッチの映画にしています。

当時リアルな虚構として受け入れられたものが現代でも通用するとは限りません。それが時代の変遷というものであり、われわれ社会意識の変化というものでしょう。

こうした現実社会との距離感、拒絶感は、現代においてはリアルとして捉えられるはず。そこをくみ取った庵野秀明総監督のコンセプトはさすがです。

初代「ゴジラ」をそのままリメイクすれば、突っ込みどころ満載のコメディ映画になってしまうところを、2010年代の神話として成立させるためのアプローチであり、この映画が成功した大きな要因であると考えます。


どのあたりが「エヴァンゲリオン」なのか?


庵野秀明は名作アニメ「エヴァンゲリオン」の監督として知られ、まるでライフワークのようにずっとシリーズを作り続けており、コアなファンが続編を待ち続けていると聞きます。

そんな人にこの映画を任せた東宝もさすがですし、任せられてブレなかった庵野秀明も素晴らしい。

あえていうと、そんな庵野秀明を全面的に受け入れた樋口真嗣監督も大したものです。

もっとも私は、その「エヴァンゲリオン」を一話もみていません。

シン・ゴジラ」に少なからず「エヴァンゲリオン」の影響があるという批評もありますし、何より「エヴァ」ファンがこの映画に熱狂している、という話もありますので、気になっていますが、それについては何とも言えません。

いったいどの部分は「エヴァ」なのか、知っている人がいらしたら教えてくださいm(_ _)m


クライマックスは凄まじいカタストロフ


が、そんな私も「風の谷のナウシカ」は観ています。


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ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
2014-07-16


だから、「シン・ゴジラ」の最大のクライマックスが、「ナウシカ」の巨神兵を想起させるものであることはわかります。

「ナウシカ」に登場する巨神兵は、強烈すぎて敵を倒すどころか地球全体を破壊してしまったといわれる生物兵器のようなものです。

いわば世界中に拡散している核爆弾を象徴するような存在です。

その巨神兵が口から火を噴く迫力満点のシーンを若き日の庵野秀明が担当したというのは、私も知識として知っております。

今回のゴジラも、米軍からの攻撃を受けて、怒りを爆発させるように口から、背びれから、尾から火というか光線を吐いて、米軍機だけではなく、はるか遠くにいる政府首脳が乗るヘリコプターや、東京の町の大部分を破壊してしまいます。

その一瞬の惨劇と、その後、紅蓮の炎に包まれたこの世の終わりのごとき凄まじい東京の描写は、まさにカタストロフです。

この悲劇的なカタルシスこそが怪獣映画の醍醐味です。さすが庵野秀明。外しませんねー

この映画、ここで終わっていたら、とんでもない名作だったのになあと思います。


311的なラストシーンにどうつなげるのか


でもそうはいきませんわね。

怪獣映画の定石として、無限の力を持つ神話的存在も、何らかの形で去っていってもらわなければなりません。

モスラ対ゴジラ」では、圧倒的な強さでモスラを倒したゴジラが、生まれたばかりのモスラの幼虫に意外な方法で退治されてしまいます。

初代「ゴジラ」では、孤高の天才学者が作った特殊兵器によって倒されます。

ゴジラ映画ではないですが「大魔神」なんてのは、村娘の涙によって石像に戻ってしまいます。

圧倒的な存在が、弱いもの、普通より劣るものに倒されてしまうというのは、神話でお馴染みのフレームワークです。

あるいは平成版「ゴジラ」のように火山口に落ちてしまうという自然の脅威パターンの終わり方もあります。

いずれにせよ「シン・ゴジラ」は、何らかの形で決着をつけねばなりません。

しかもこの映画、311を露骨に想起させるような終わり方を準備しています。

東京のど真ん中でゴジラが凍結し、そのまま居座り続けるというのは、問題を先送りにしただけやないかという福島原発の状況そのまま。

確かに露骨ですが、メッセージ性の強さは初代「ゴジラ」を踏襲するものです。これぐらいあざとくメッセージ性を打ち出した終わり方も秀逸です。

つまり311的なラストシーンにどのようにつなげていくのか?が、脚本家庵野秀明の腕の見せ所だったわけですな。

後半の脚本は失敗しているのでは


ところが、カタストロフのシーンから、東京のど真ん中で凍結するまでの脚本が、うまくいっているとは私には思えません。

最初観た時に「なんじゃこりゃ??」と思った後半のグダグダ感は、再観した今回も変わりませんでした。

ヤシオリ作戦ってなに?

あんな現場対応だらけの作戦を実施して、しかもうまくいってドヤ顔するエリート官僚ってなに者?

将来のアメリカ大統領候補だってのたまう日系の女の子ってなに?

なんだかラストあたりは、松本人志の「大日本人」の着ぐるみファイトのシーンを思い出しましたが、庵野脚本でも笑いをとるシーンだったのでしょうか??

それともこういうところに突っ込む私が野暮だというものでしょうかね。


初代ゴジラの決着も突っ込みどころ満載だったが


確かに、初代「ゴジラ」でもラストは突っ込みどころ満載です。

孤高の科学者が作った化学兵器が唯一ゴジラを倒すことができる。しかも兵器の作り方は、彼しか知らないとか。

その孤高の科学者。世を拗ねたふだんの態度の割には、かつての婚約者が忘れられないロマンチストです。

その元婚約者に頼み込まれて、ゴジラを倒すものの、恐るべき兵器を封印するため自ら命を絶ってしまい、もう二度とその兵器は作れないことになってしまったという設定です。

観客としては「まあ、しゃあないな」と言って観ておくしかありません。

もっとも初代「ゴジラ」では当初から人間模様を描いているので、後半のメロドラマ調の展開にもついていけないわけではありません。

しかもゴジラを倒すのが、世を拗ねた隻眼の科学者だったという流れは、物語文法的には納得できないものではありません。


後半のグダグダを皆さんはどう観ているのでしょうか?


しかし「シン・ゴジラ」の後半はいかがなものか。

あれだけ突き放したドキュメンタリー調で見せておきながら、後半はいきなり空想科学物語調になってしまうわけですよ。

音楽も軽快で、人間の反撃を高らかにうたい上げています。

そして隙だらけの作戦がうまくいって凍結したゴジラをバックに、日米のエリート同士が「将来は首相と大統領になって国を動かして行こうぜ」みたいなことを語り合っているのです。

これは笑いをとる場面だと捉えていいのでしょうか。

あるいは「まあ、しゃあないな」とスルーして済ます場面なのでしょうか。

やはりこのあたりのモヤモヤ感がなんとも晴れない後半でした。


それにしてもこの映画、評判が高い、いまでも絶賛する人が多い。

ここまで評判が高いと、自分の観方がずれているのだろうか。と不安になってしまいます。

たぶん、そうなんでしょう。私のセンスも古いですからね。

カセットテープ専門店にみるニッチ店舗が生き残る弱者の戦略

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これは珍しい。カセットテープ専門店の話です。ニッチビジネスですが、面白い試みとして参考になります。

アマゾンが進める消費の「日常化」


店主の角田さんは、元アマゾンジャパンの創世記メンバーだったとか。アマゾンに14年勤めて、起業したのがまさに「逆張り」です。

アマゾンは、徹底した消費の「日常化」を目指しています。

われわれが消費行動をとる上で面倒なこと、ややこしいことを一つひとつ潰していって、消費していることを忘れるかのような状態を作り上げようとしています。

ボタンを押すだけで商品が補充できる仕掛けや、話しかけるだけで注文できる仕掛けは、その途上にあるものですね。

さらに進むと、住む家から電気から冷蔵庫の中身から、すべて注文しなくても補充される仕組みになっていくでしょう。

意識しなくても必要なものが補充されて不満を抱かない生活って、なんかディストピアSFみたいにも思えますが、わずらわしいことはすべて自動仕組みに任せて、人間はもっと創造的なことに意識を向けてください。というのが、アマゾンの描く未来像なんでしょうね。

アマゾンの逆をいく弱者の戦略


そんなアマゾンの方向性を熟知している人だから「逆張り」だったのでしょう。

何しろ扱うのは、カセットテープという時代遅れのアナログ商品。仕入れすら困難。マスを追わないニッチ商品です。

お店は東京中目黒の住宅街にあります。金型工場を改装したという店内に5000本のカセットテープと、カセットデッキを並べています。

ネット通販はなし。店に来ないと売りません。

宣伝はなし。口コミだけでじわじわと販売していくスタイルです。

いわゆる弱者の戦略を貫いています。

非日常性、非永続性、体験を売る


そして重要なのが、これがいわゆる体験型の商品であるということです。

もしこのビジネスが、懐古趣味の人を相手にするのなら、ネット通販をすべきですし、アマゾンマーケットプレイスで販売すべきでしょう。

ただそれだと流行ればすぐに真似されて、飽きられるのも早い。

ところが、店主が言うのは、若い世代に向けて新しいカセット文化を売っているということです。

カセットテープとカセットデッキが持つ音質は、CDや配信音楽には出せないものらしい。私はあまりわかりませんが、そういうものなのでしょう。

さらにカセットテープが持つ非永続性、何度も聞いていると摩耗してしまって音が悪くなるという特徴は、非日常的な体験を演出します。

特別な店にいって説明文を吟味して購入する。そして家で数回、特別な時に聴く。

これは体験を売るビジネスなんですね。
「自分は今、実店舗の成功のモデルを示しているつもりだ」

と店主の角田さんがいう通り、ニッチ店舗のヒントがあると思います。

店舗スタイルは10年、20年続くビジネスではないかも知れませんが、この考え方はもっと長く生きていくための参考になります。






独ケルヒャーにみる中小企業がグローバルニッチトップ企業になる秘訣

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ドイツの清掃用機器会社ケルヒャーCEOへのインタビュー記事です。

中小企業でありながらグローバル化した成功例として挙げられています。

短い記事ですが、参考になる部分がありますので紹介いたします。

中小企業グローバル化の秘訣


インタビューで同社CEOがあげる中小企業グローバル化の秘訣は、

1.技術的に優れていること

2.顧客にフォーカスしていること

と述べています。当たり前すぎますか^^


言い換えると

(1)ニッチな分野であっても、突出した技術(または商品、またはサービス)を持っている。

これが前提となります。実際には、中小企業が汎用的に優れた技術を持つことは難しいので、ニッチ分野に特化した技術が中心になるかと思います。

その上で、

(2)各地域の顧客に密着し、カスタマイズできている。

ことが重要となります。

このカスタマイズというのは、単に商品を地域の好みに合わせるというだけではなく、販売チャネルや、アフターメンテナンスチャネルを含めて地域に密着できているという意味のです。

地域ナンバーワンになる方法


そういえば次週、「ランチェスター戦略セミナー」を開催するのですが、そこでも「ナンバーワンになる方法」がテーマとなるパートがあります。

中小企業が地域でナンバーワンになるためには、誰にも負けない技術(商品、サービス)を持つことが前提になります。

ただこの誰にも負けないというのは、「限られた範囲の顧客にとって」と考えて結構です。

つまり、この地域の中では誰にも負けない。この特殊分野の中では一番すぐれている。この時間帯では一番店だ。という条件付き一番でOKだということです。

ただし、商品(技術、サービス)が優れているというだけでは、顧客に選んでもらえません。

顧客に届くためには、確実に顧客に近づく販売チャネル、顧客が困らないためのメンテナンスチャネルが必要となります。

ありていに言えば、中小企業の提供する商品(技術、サービス)が世界トップであるわけがない。顧客がその気になって探せばもっといいものはいくらでも見つかるはずです。

むしろ、確実に届く、毎日顔を合わせる、困ったときすぐに対応してくれる、ということの方が、現実的に顧客に響く要素となります。

売れるためには「商品力」があればいいんだと単純に考える企業がいまだに多いので注意してください。

記事を読む限り、ケルヒャー社は、かなり細かく地域対応を行ってきているようです。グローバル企業でさえそうなのだから、地域密着を標榜する企業はさらに上記2つを貫いていかなければなりませんね。





中国には、成功も失敗も含め学んでいかなければならない

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面白い記事ですねー

いま最も活力のある国、中国での失敗事例です。

ホテルの予約サイトや、カーシェアビジネスなどの失敗例があげられています。

「とりあえずやってみるか」程度のアイデアにもお金が集まる


ホテルの予約サイトとは、18時以降の空き部屋を格安で貸すためのサイトです。日本でいえば一休のようなものですかね。高級ホテルでも当日、突然空きがでることがあり、それを安く貸す。需要がありそうですが、日本ほど深夜突然の飲み会など頻繁にない中国では成り立たなかったようです。

カーシェアビジネスとは、高級車ばかりをスマホで予約し、好きな時に借りられるものです。予約すると待機場所の車を使うことができます。が、こちらも事故や破損などの対応が後手後手にまわり、破綻したようです。

中国の場合、ベンチャー投資市場が大きい。アイデアを思いついて「とりあえずやってみるか」という程度のベンチャーにもお金が集まるようです。

アイデア一発だけで細かいオペレーションなど後から考えればいいやといういい加減な起業家ですから、失敗も多くなります。

中国の場合、労働者や投資家を保護する制度が成熟していないので、破綻のダメージも大きい。これが社会問題化しないのは、ひとえに成功事例も大きいからでしょう。

それでも中国は活力のある国


一方でやはり中国の勢いはすさまじいものがあります。

ここ2年、上海に起きた「進化」が日本を完全に周回遅れにしている

上海では、電子マネーの普及度が高く、キャッシュレス化がほぼ浸透しているとか。小売店で現金を扱うことはないそうです。

リニアモーターも、いち早く実用化し、街中と空港を結んでいます。

ベンチャーの事例も、スマホアプリを使ったものや、シェアビジネスなど、アメリカで生まれたビジネスが、アメリカよりも早いスピードで実現しています。

というのも、中国には、新しいビジネスを妨害するような既存の抵抗勢力が存在しない。便利なものはすぐに広まるわけです。

アメリカでは、クレジットカード会社が既得権益を持っているので、電子マネーが普及しづらい事情があります。日本も同じです。既得権益者が強い社会なので、周回遅れになるのも仕方ない。

中国が、非常に活気のある社会であることは間違いありません。プレーヤーは常に玉石混交ですから、失敗事例も多くなるのは当然ですよね。

ここは、中国の活力を素直に認め、成功事例も失敗事例も学んでいかなければなりません。中国で成功したビジネスを日本に持ち帰るという「中国版タイムマシン経営」を真剣に考えていく時かも知れませんね。

日本企業が、中国企業の後追いをする日





テスラの新車は340年待ち?量産能力がなさすぎる

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アメリカの電気自動車専業メーカーテスラの話です。

同社が総力をあげて開発しているModel3(約400万円で購入できる戦略製品)が、37万台の予約注文に対して、260台の生産実績だとか。

仮にずっとこのペースなら、予約最後尾の納車は340年後ぐらい

さすが天才経営者といわれるイーロン・マスクです。やることが桁外れですな。

量産能力がないことを露呈


ようするにテスラには量産する能力がないわけですよ。

普通に考えれば、どこかの自動車メーカーに生産を委託するか、あるいはどこかのメーカーを買収して生産能力を獲得しなければなりません。

いまや米大手自動車メーカーを凌ぐ株式時価総額をもつテスラですから、中堅メーカーの買収ぐらい朝飯前のはずです。

ところがイーロン・マスクはそれをよしとしていないようです。

「量産地獄」に苦しむテスラ、コスト削減道半ば (日本経済新聞・有料記事)

マスク氏は、全自動工程による量産工場の構築を目指しているとのこと。

ここで従来通りの人間に頼った車づくりを導入してしまうと、その理想から遠のいてしまいます。

現実にはロボット技術の進展が追い付かないのですから、とりあえずは従来通りの工場で量産しなければなりません。

ところがあくまで理想を追い求めるスタイルのマスク氏に妥協という文字はないのでしょうか。

部品の調達に失敗?


もうひとつ。記事が指摘しているのが、電池の調達に失敗しているのではないかということです。

電気自動車にとって電池は心臓部です。その重要部品を供給しているのは日本のパナソニックのはずですが、マスク氏によると

「電池のラインで契約先がへまをやらかした」

のだとか。

電池のライン、がそのままリチウムイオン電池を指すかどうかは分かりませんので、パナソニックのことではないかも知れません。

が、このあたりで問題が発生して、生産ができない事態に陥っている可能性があります。


もっとも記事では、先に販売価格ありきで、部品調達価格を強引に決めるテスラの手法を批判しています。

技術要求は厳しいわ、価格は原価割れでは、部品メーカーは逃げてしまいます。

ケイレツ部品メーカーを持たない弱点


他の自動車メーカーなら、こういう問題は起こりません。長いつきあいの部品メーカーから調達するので、調達価格はほぼ正確に予測できます。最終販売価格を大外しすることはないでしょう。

そういう部品調達も含めて、組み立てメーカーの能力になるはずです。

ここは組み立てメーカーとしての能力が足りないと素直に認めて、他メーカーとの提携か買収を決断すべきです。

近々に対処しないとえらいことになりそうですよ。







ディズニー流に学ぶ 人が自ら動くようにしていくにはどうすればいいのか?

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短い記事ですが、参考になります。

コンサルタントの仕事も8割以上は、人をいかに動かすか。に帰結します。

まれに「やるかやらないかはそちらの責任だ」と突き放す人もいるらしいですが、私はそうは思っていません。

せっかく正しい戦略方向性を示しても、実行されなければ意味がないと考えます。

ディズニー流 人の動かし方


ではどのようにすれば、人は自ら動くのか。

少々難しい言い方ですが、記事はこのように書いています。

アメリカの心理学者エドワード・デシは「リーダーはメンバーの『内発的な欲求』を満たすことがモチベーションアップにつながる」と説いています。

 この内発的な欲求を要約すると、次の3つとなります。

(1)「自律性の欲求」
(2)「有能さへの欲求」
(3)「関係性の欲求」

(1)自律性の欲求

人は、自分で考えて動きたいという欲求を持っており、それを満たすことが、モチベーションを高めます。

自分で考えて動くようにするにはどうすればいいのか?

「目標を理解させること」「行動の意味を理解させること」がその答えです。

どこに向かっているのか?なぜこの行動をするのか?が分かっていると、おのずから自分の行動の判断ができるようになるはずです。

目標とその意味、やり方。それを伝えて後は見守ることが人を動かします。

(2)有能さへの欲求

仕事を通じて成長できる、できたと実感することがモチベーションを高めます。

目標を達成すること、および達成するスキルが備わることが、そこに至る道です。

目標達成する過程で、ヒントを与えることは有益ですが、与えすぎないで見守ることも重要です。

そして達成した暁には「おれが教えてやったからうまくいった」などと言わないことですね。

(3)関係性の欲求

チームの中に自分の居場所を見出すことが、やはりモチベーションを高めます。

チームでコミュニケーションをとる。何事も共有する。そうすることで、チームの皆とともに、目標を達成する。成長する。という実感を得ることができます。


これ以上、付け加えることいらないですよね。

この3つが、人を動かす秘訣だと考えます。

常にこの3つを考えて、応用していくことがマネージャーの役割です。








ニッチ分野を開拓する時の営業の基本

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これって「ベタな浸透作戦」だろうか?王道だと思うんですが。

巨大コングロマリット企業 3M


外資系大手化学メーカーの3Mの日本法人が、研磨の分野を泥臭い営業で開拓しているという記事です。

3Mは世界中に研究機関をもつコングロマリット企業です。商品分野は化学製品から工業製品、衣料、医療、文房具まで多岐にわたり、ニッチ商品も多く取り扱っています。

あまりにも多くの製品を扱っていますが、放置していればそれらが徐々に陳腐化していきます。だから既存製品と同じぐらい常に新製品、新分野を開拓していかなければなりません。実際にそれを実行している会社です。

ニッチ分野開拓の基本


記事では高度な研磨剤を日本で販売する取り組みが紹介されています。

米国で売れていても日本でそのまま売れるわけではありません。

そこで日本の事業部は「研援隊」なるチームをつくり、顧客の現場にいる職人の方々に、実演してまわるという活動を行っているそうです。

その研援隊のメンバーは地元の人を採用し、地元民同士でコミュニケーションがとれるように工夫しています。

価格は高価格のまま。技術的に高い商品を高価格で販売するための工夫です。

地元のメンバーから、商品のよさ、使い勝手を伝えられ、納得した職人さんを徐々に味方にしていこうとしています。

ユーザー「直接訴求」が営業の基本


これって、高級鍋のメーカーが百貨店で主婦層に実演販売をする方法に似ていますね。

私が前にいたメーカーも、特殊機能鍋を販売するために実演販売という方法をとっていました。

ユーザーに直接訴求するというのは営業の基本です。

それができない場合、中間流通への営業で妥協しているだけです。

この事例では、使用するユーザーは工場の職人だと明確で、しかも接触しやすい。

不特定多数の主婦層に実演販売するよりも、よほどやりやすいと思います。

これ以上のやり方があるのでしょうか?


私が前にいた会社でも、ユーザー直など効率が悪い。もっといい方法を考えろ。などという上司がいましたが、私には考え付きませんでした。

やはり営業の王道は、ユーザーに直接訴求することだと今でも思います。





EV普及のカギを握る全固体電池は日本勢がリードしている

EV向け本命「全固体電池」5年で実用化へ  開発第一人者、大阪府立大・辰巳砂教授に聞く(日本経済新聞・有料記事)

メモ。全固体電池について。

電気自動車(EV)の心臓部である電池の次世代技術として期待されています。その第一人者は大阪府立大学の教授なんですね^^(わが母校)

車載電池の本命はリチウムイオン電池


現在、EVの車載電池はリチウムイオン電池が本命です。すでに量産技術が確立されており、現行のEVに搭載されています。

リチウムイオン電池は、正極と負極をリチウムイオンが往来することで電力を生み出します。その中身は、電解液で満たされています。

こちらはパナソニックが得意とし、サムスンやLGなど韓国勢が追っています。

全固体電池のメリット


これに対して全固体電池は、中身の電解質が固体です。そのため

1.液漏れがなく安全性が高い。

2.電池そのものの寿命が長い。

3.充電の速度が速い。

4.設計の自由度が高い。

などの利点があります。

夢のような新技術に思えますが、いまのところはまだ未完成で、量産技術が確立されていません。

日本勢がリードする全固体電池開発


ところが最近になってにわかに開発が活発化しています。

とくに研究を続けてきたトヨタが、最近EVの開発に乗り出す動きを見せているのは、全固体電池の量産化に目途が立ったからではないかと言われています。

この分野では、日本勢がリードしています。

トヨタ、積水化学、日立造船、旭化成、日立製作所、出光興産、村田製作所、太陽誘電などの名前があがっています。

EVの課題克服?リチウムイオン電池の後釜 「全固体電池」がもたらすインパクトを専門記者が徹底解説

もっと上の記事によると、開発のリミットは2015年までだとか。

それを超えると、リチウムイオン電池の生産効率が上がって、コスト的に太刀打ちできなくなるからだそうです。

イノベーションとは技術的に優れているだけではダメで普及させられるコストを実現することが必要ですからね。それを過ぎると全固体電池は、寒冷地や砂漠などの条件下での特殊仕様扱いになってしまうのかも知れません。

せっかく日本がイニシアティブをとれる分野ですから、何とか頑張っていただきたいと願う次第です。




日本企業が、中国企業の後追いをする日

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少し前に、中国企業が米国の「パクリ」を堂々とやりながら、巨大な人口を背景にビジネスを成立させてしまっている。という旨の記述のある記事を書きました。


確かにそのような事例があります。中国政府が海外の企業を受け入れたがらないのをいいことに、グーグルやアマゾンそっくりのサービスを立ち上げて、いつの間にか大企業になってしまっている。

中国企業って結局はパクリがうまいだけやん。ずるいよなぁ。なんて単純に考えていた自分を恥じなければならないのかも知れません。

時代は早い。今や、中国企業の創出力は、想像以上のものとなっている。という記事です。

かつては日本企業も「パクリ」から始まった


「パクリばかり」「猿まねばかり」なんて言われていたのは、実は50年ほど前の日本企業です。

ところが日本企業の技術力と応用力はいつしか欧米を凌駕するようになり、日本製こそ卓越した商品力の象徴とまで考えられるようになりました。

そうなんですよね。最初、真似から入るのは当たり前です。真似の中から、自分の得意分野を見つけて磨いていき、いつしか他者が追いつけないエクセレントな商品やサービスを生み出せるようになるのです。

ビジネスに貪欲な中国企業が儲かりそうな分野に殺到するのは当然です。なにせ人口が多いので、参加企業も多い。その中から、真に革新的サービスが生まれないと誰が言えるでしょうか。

中国企業を対象にした「タイムマシン経営」


記事の中で例としてあげられているのは、スマホのECアプリや、ニュースアプリ、音楽投稿アプリなど。

いま最も稼げるスマホアプリの分野で、続々とヒットサービスが生み出されている様が書かれています。

中国内では競争が激しいので、弾き飛ばされて海外に出ていき、成功した事例も挙げられています。

この動きをみて、日本企業が中国のベンチャーを観測しはじめています。

たとえばLINEは、早くから中国企業の生み出す商品に注目し、その商品アイデアを自社製品に採り入れているとあります。

これはまさにタイムマシン経営の対象を中国にしているということで、隔世の感があります。

でも、こうした企業はこれからも増えてくるでしょう。

※かつて米国で流行ったものが5〜10年ほど遅れて日本で流行ると言われました。だから、米国で成功しているビジネスを日本に持ち込めば、5〜10年のうちに流行ることが予測されます。これを未来を見越したタイムマシン経営というわけです。

中国企業が得意なのは「テストマーケティング」


記事を俯瞰してみると、中国企業が得意としているのは、テストマーケティングです。やはり人口が多くて、多種多様なニーズを持った国なので、どんなサービスが受け入れられるか、試行するクセがついているのでしょうね。

海外進出する際にも、しつこくテストマーケティングを繰り返して、その中から受け入れられるサービスを見出して、ヒットアプリに育てています。

要するに、欧米企業が生み出したサービスを、現地化していくのが中国企業という図式です。

思えばグーグルやアマゾンなども、グローバル化は早いもののいささか強引なビジネス姿勢で、現地に合わせようという細やかさに欠けるきらいがあります。

そんな中、徹底して実践的な中国企業が、各国の事情に合わせたカスタマイズをして、サービスを進化させていくわけですね。

どちらもポジショニング戦略のアプローチをとっていますが、着目する部分が違います。

それに対して、リソースを育てることを得意とする日本企業は、信じる技術をひたすら磨いて、強みといえるまで持っていくことに長けています。

みんな違ってみんないい。ということですな。

※ポジショニング戦略、リソース戦略についてはこちら→神戸製鋼の不祥事は、日本企業特有の問題なのだろうか?


豊臣秀吉の政権マネジメント

先日、「織田信長が22年かけてできなかった天下統一を、豊臣秀吉がたった8年でできた理由」というメルマガを書きましたが、その補足です。

豊臣政権のマネジメント方法について書いておきます。

太閤検地


豊臣秀吉は、日本全国の土地に担当者を派遣して、正確な石高(米の収穫量)を測定記録していきました。これが「太閤検地」といわれるものです。

これによって諸国領地の実際の石高が掌握されるようになりました。この石高が、諸国大名統治の基本となり、徳川政権においても引き継がれていきます。

石高に応じて、諸国大名は、軍役や使役を課せられたのですから、迷惑千万な話であろうと思うのですが、実際にはそうでもなかったようです。

というのは、各地大名にとっても領地の正確な石高は知りたかったところです。実際の検地により隠田が暴かれ正確な石高が把握できるのは、むしろありがたいことでした。

また豊臣政権は、実際に耕作した者の収穫権を保証し、長農による中間搾取を認めませんでしたから管理体制がシンプルになりました。

諸国大名は、豊臣政権のこうしたノウハウを得たいがために、その傘下に入ったという側面もありました。


惣無事令


戦国時代には日常的であった領土争いなどを豊臣政権は全面的に禁止しました。これを惣無事令といいます。

領土に関して訴えがあると、豊臣政権が平和裏に裁定するというのがその仕組みです。

もし裁定に不満があって実力行使に出てしまうと、強大な軍事力を持つ豊臣政権に糾弾されてしまいます。

北条氏が滅ぼされたのも、この令に逆らって、真田領を奪い取ってしまったからでした。


官位授受


豊臣秀吉は天皇に次ぐ関白の位を持っていましたが、諸大名にも官位を積極的に授けました。

これは大名へ名誉を与えることではありますが、同時に、秀吉より下位に列せられることを受け入れさせることでもありました。


取次制度


豊臣政権の傘下に入る大名は、複雑な手続きを経なければならず、その交渉役を取次といわれる人物が担っていました。

取次は、秀吉子飼いの大名や、先に秀吉傘下に入った大名たちでした。

秀吉の意向を過剰に忖度する彼らの存在が、簡単に会えない秀吉を神格化させ、豊臣政権を畏敬させるこことなりました。

しかし実際に会った時の秀吉は底抜けに気さくな人柄でしたから、諸大名は拍子抜けすると同時に、深く敬愛するようになりました。


直轄地


豊臣家の石高は約200万石。これは徳川家220万石よりも劣っていました。

しかし、交易の要衝地である大坂、堺、京都、伏見、長崎。

および、巨大な埋蔵量を持つ金山、銀山を直轄地にしていたために、実際の収益は突出していました。

なぜ日本企業のM&Aが目立つようになってきたのか

昨日、メルマガを発行しました。

参考:織田信長が22年かけてできなかった天下統一を、豊臣秀吉がたった8年でできた理由

豊臣秀吉が異例のスピードで天下統一できた理由を、「戦国時代のM&A」ともいうべき戦略に求めた記事です。

お時間ありましたらお読みください。



そういえば、ひと昔前までは、日本企業はM&Aが下手だと言われたものです


が、最近はそうでもなくなってきました。

むしろM&Aの使い手ともいうべき企業が増えてきました。

代表は、日本電産ですかね。

買収した企業は50社以上。比較的小さな規模の会社からはじめて経験を積み、徐々に大きな買収にも着手しようとしています。

売上高は1兆円を超え、目標とする2兆円に向けて、意気軒高です。


ソフトバンクもM&Aを繰り返してきた会社です。

いつも世間が驚くような高値で買収しながら、外れなし。

今や売上高は8兆9千億円。

有利子負債が15兆円近くありますが、含み資産はそれ以上です。


最近で目立つのは、ライザップグループです。

健康食品の販売から始まり、フィットネスクラブで大当たりした企業ですが、最近はやたら積極的に企業買収を繰り返しています。


ただのスポーツジムで終わらないぞという強い意志はさすがです。グループ内での統合効果を高める施策にもぬかりなく、株価は高騰しています。


なぜこれほどM&Aが目立つようになってきたのか


ひとつは、日本の市場が成熟化していることです。

成長期には、単独で頑張っていても、それなりに成長することができます。

もちろん成長期のM&Aも効果的です。が、社風の異なる他企業を取り込んで苦労するよりは、自前で成長した方がいいやと考える企業が多かったものです。

しかし成熟市場では、自前で成長するのが難しくなってきます。他社から顧客を奪わなくてはならないわけですから。

そうなると、他社を買収した方がスムーズです。

もうひとつは、グローバル化の進展です。

グローバルに展開する企業はM&Aに積極的です。というかM&Aをしなければ時間がかかり過ぎて競争に勝てません。

いくらじっくりコツコツが信条の会社でも、グローバル企業に対抗するためには、自社も成長のスピードを速めなければなりません。

否応なしに、M&Aを活用することになります。


M&Aを成功させるポイント


M&Aには、異文化を取り込んだ社内が混乱に陥るという副作用もあります。

が、うまくいくと、企業価値の増大を驚くべきスピードで手に入れることができます。

M&A巧者の日本電産永守重信会長は、成功のポイントとして

1.高値づかみしないこと

2.買収後の統合作業と経営への関与

3.本業とのシナジー(相乗)効果

をあげています。



なお、日本電産関連の書籍には、M&Aを扱ったものも多いので、お勧めいたします。


日本電産流「V字回復経営」の教科書
川勝 宣昭
東洋経済新報社
2016-12-02


織田信長が22年かけてできなかった天下統一を、豊臣秀吉がたった8年でできた理由

豊臣秀吉
(2017年11月2日メルマガより)

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先ごろ、豊臣秀吉に関する小説を読みました。


新史太閤記 (上巻) (新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社
1973-05-29

新史太閤記 (下巻) (新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社
1973-05-29


古い本ですが、抜群に面白い。おすすめいたします。

司馬遼太郎の小説はけっこう読んでいたのですが、これは未読でした。

豊臣秀吉の話はありふれている、と思っていましたからね。

ただ「新史」とついているだけあり、一味違う太閤記です。

なにが違うのかというと、豊臣秀吉を「M&A」の名手とし、その天下統一事業を経済活動の一環として描いていることです。

秀吉とその主君であった織田信長。彼ら二人が天下統一を目指した目的は、彼らが推し進めていた商業振興を全国的に拡大することだった、とこの小説には書かれています。


日本で最も有名な武将 豊臣秀吉


のちの豊臣秀吉(羽柴秀吉、木下藤吉郎)は、尾張国中村にて下層階級の子として生まれました。

継父と折り合いが悪かったらしく、幼少の頃から家を出て、浮浪児のような生活を送ったようです。

ところが生来の人好きで、人を喜ばせることが得意だった秀吉は、行く先々で、主人になる人物に好まれました。

最終的に落ち着いたのが尾張の小さな大名だった織田信長の家来です。


天性の人たらし


秀吉は、人が好きでしたから、人の心を読むことがうまく、どうすれば人が喜ぶのかをよく知っていました。

だから人遣いが抜群にうまかった。

自分は小柄で非力な男でしたが、人を働かせる能力に秀でていました。

徹底した実力主義の織田信長に拾われたのは幸運でした。

マネジメント能力を信長に認められた秀吉は、草履とりの身分から、織田家の主力武将へと異例の出世を成し遂げます。

織田信長の光と影


織田信長は、卓越した経済感覚と、壮大なビジョン構築力を持つ人でした。

早くから商業の威力を理解していた信長は、楽市楽座の制定など、商業振興に力を尽くしました。

商業は、市場が大きくなればなるほど盛んになります。だとすれば、尾張一国だけでするよりも、近隣を巻き込んだ方が盛り上がります。さらにいうと、全国で自由に商業できるようになるとさらに盛り上がります。

それなのに各地に独立する大名たちの領地では、自由な交易など許可してくれません。当時の大名たちの感覚では、商人を行き来させることによる情報漏えいと安全保障を脅かされることの方が重大だったからです。

それならば、全国すべてを織田領にするしかない。と信長は考えました。

もちろんそれだけが天下布武を掲げる理由ではないでしょうが、それが結果として商業振興を盛んにすることは事実です。

彼の卓越した経済感覚なくしては天下統一という概念そのものが生まれなかったかも知れません。


ところが彼は猜疑心が強くおまけに吝嗇。敵からも味方からも信頼される人ではありませんでした。

降伏してきた敵には酷薄に接し、味方でも役に立たないと思えば平気で切り捨てる。

いわゆる恐怖で押さえつけるマネジメントスタイルです。

将来に不安を感じた部下に裏切られたのも仕方ないような人物だったのです。


戦国時代のM&A戦略


それに対して豊臣秀吉は天性の人好きでした。

いがみ合うことをことのほか嫌い、誰とでも仲良くしようとする。

主君である信長が殺せと命じた敵でも、ひそかに逃がしてやったりした人です。

だから信長亡き後は、さらに寛大になり、降伏した敵には昔からの仲間のようにふるまいました。

戦の方法にも特徴が出ています。信長がしばしば皆殺しにするような戦いを行ったのに比べて、秀吉の戦いは、圧倒的な兵力数で相手を取り囲んで手出しせず降伏を待つというものでした。

相手にすれば、降伏すれば許してもらえるのだから、安心して投降できます。

だから秀吉は「敵を殺さない」ことを積極的に喧伝しました。捕獲した敵将や滅ぼした大名の子息などにも手厚く遇して、再興を勧めたことさえあります。

それこそが信長のやり方を反面教師として学んだ秀吉の天下統一の戦略でした。

秀吉に対する者は、列を争うように傘下に入っていきました。

だから秀吉の天下統一事業は、異常なほどのスピードで成し遂げられたのです。


異例のスピードで天下を平定


なにしろ、織田信長が織田家の家督を引き継いでから、桶狭間の戦いで天下にその名をとどろかすまでに9年。

天下布武にまい進し、その版図を姫路から岐阜、愛知、北陸の富山あたりまで広げるまでに22年かかっています。

が、本能寺で斃れた信長の後を継いだ豊臣秀吉が北条氏を滅ぼし天下統一を成し遂げるまでたった8年です。

この加速度感はいかがでしょうか。

最初は時間がかかるのが当たり前。信長が生きていたとしても加速度がついたんじゃないのか?という意見もあるでしょう。

しかしそうではありません。敵をなぎ倒し、殺しまくる信長のやり方が、危ういことは当時から囁かれていたようです。

中国の覇者、毛利家の家老、安国寺恵瓊は「あちこちで恨みを買う信長の治世は長く続かない。あとを継ぐのは秀吉だ」と分析していました。

だから信長が本能寺で斃れたあと、毛利家は秀吉に従う方針を早くに固めたのです。

商業の威力を知っていた秀吉


どケチだった信長に比べて、秀吉は気前よく各地の諸将に財産を分け与えました。

当時の最大の財産は領地です。

領地があるから米がとれる。米がとれるから収入になるわけです。

各地の大名は、少しでも多くの領地を得るために、日々の戦に励んでいたのです。

ところが、秀吉は、自分に従う武将には、気前よく領地を分け与えてしまいます。

自分の分がなくなるぐらいにです。

秀吉のやり方はフランチャイズシステムに似ています。運営はあくまで各地の大名です。各大名が思い思いに儲ける。その変わり、本部である豊臣家が広く浅くロイヤリティ(石高に応じた軍役や使役)をとるというものでした。

(もちろん各地の大名が儲けをごまかさないように、土地を調査し、全国の石高を把握していました)

それにしても気前良すぎではないのか?

と思いますが、豊臣家はちゃっかりと堺や大津など交易の要衝地の監督権を握っていました。

秀吉は、信長と同じく、商業の威力を理解し、商業振興によって拡大する莫大な利益を手にしようとしていたのです。

秀吉の経済感覚は同時代の大名たちにはなかったものだったらしく、商業の恩恵を受けたのは豊臣家ほかわずかだけだったようです。

しかし本来、人にいい顔をするのが好きな秀吉が、利益を独り占めしようとしていたようには思えません。

他の大名が理解できなかっただけだと思います。


商業を軽視した徳川政権


結局、こうした経済感覚の違いが、信長と秀吉を卓越した存在にしています。

秀吉は、商業の力をよく理解していました。だからこそ、敵対せずに協力しあうことが得られる価値を増大させるということを知っていました。

もっとも、その甘い態度が、後の徳川家康による政権の簒奪を招いてしまいました。信長なら後顧の憂いとなりそうな存在は有無をいわせず排除していたことでしょう。

徳川の時代、ふたたび農業中心の政策に戻したために、経済規模を縮小させてしまい、しばしば幕府そのものが困窮する事態を招きました。

その経済センスのなさが、琉球を通じた交易で富を蓄えた薩摩藩からの逆転を許すことになってしまったのだから皮肉なことです。

もし豊臣政権がそのまま続いていたら。もし本能寺の変がなく織田政権が続いていたら。

歴史のifはナンセンスだと充分に承知していますが、もしかしたら鎖国もなく、交易も盛んで、西洋と伍していくような国であったかも知れない。と妄想してしまうことをお許しください。

ひと昔前まで、日本企業はM&Aが下手だといわれたものだが


まさかその理由を長く続いた徳川政権に求めるわけではありません。

が、グローバルに開いていかなければならない今日です。

そんな時だからこそ、織田信長のビジョンや、豊臣秀吉のマネジメント方法について大いに学ばなければならないのではない。

ヤマダ電機が低価格EV発売を宣言 真のイノベーションを起こしてほしい

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家電小売り大手のヤマダ電機が電気自動車(EV)に参入するというニュースです。

ヤマダ電機の挑戦を高く評価します。

2020年までに、100万円以下のEVを発売


記事によると、生産は船井電機に委託。開発を担うのは、EVベンチャーのFOMM(フォム)のようです。

2020年までに、100万円以下の低価格EVを発売するという計画です。

ヤマダ電機は、家電量販店という業種の衰退に際して、事業の多様性を模索しています。

参考:ヤマダ電機が生き残りを賭けて反攻開始!

いまのところ住宅事業への進出が本線になっているようですが、その他複数のベンチャーに投資をしている模様です。

家電関連事業はこぞって自動車への進出を模索


ヤマダ電機に限らず、家電関連ビジネスをする企業は、AI、IoT、ロボット、医療、環境分野への進出を狙っています。

特に日本が得意とする自動車産業においては、EVや自動運転車への参入を志向する企業が多い。

パナソニックは、リチウムイオン電池の暫定世界トップ企業になっています。三菱電機は衛星技術に強く自動運転車でリードできるとみています。オムロンやクラリオンなども、次世代カーでの存在感をみせています。

EV・自動化で変わる産業構造 部品市場に外資攻勢(日本経済新聞・有料記事)

イギリスのダイソンは、年間利益の2倍を車載電池の開発に投資しているといわれ、EVそのものの開発を宣言しています。

ヤマダ電機のEVを高く評価する理由


そんな中、ヤマダ電機の低価格EV挑戦は、高く評価できます。

テスラも日産自動車も、現行のEVは高級車の分野です。おそらくダイソンが手掛けるのも、高級車になるはずです。

低価格車を志向するのは、中国やインドなどのメーカーになってくるでしょう。日本に足りないのは、まさに低価格分野の商品でした。

2020年に、100万円以下のEVを発売するなんて常識はずれですが、それだけに常識にない開発や生産を行わなければなりません。それこそがイノベーションです。

参考:トヨタは、イノベーションのジレンマに陥っている

電動スクーターの延長みたいなものが出てくるにおいも濃厚ですが、それでもかまいません。既存の自動車メーカーにはできない発想で企画開発していただきたいと願います。

ヤマダ電機が次世代カーの先進企業に


というのも、今回、ヤマダ電機がEV開発をすると宣言したことで、ヤマダには次世代カー関連の情報が集まってくるようになります。

特に資金力のないベンチャーなどは、ヤマダに相談に来るでしょうし、ヤマダ側も門戸を開きます。(門戸を開きますよ!と宣言しなければなりません)

衰退産業の象徴のようだったヤマダ電機が一気に先進的企業として知られるようになるわけですから、これはなかなか痛快ですよ。

全国にあるヤマダ電機の店舗駐車場を充電ステーションにして、田舎町を低価格EVが走るようになると、面白いですね。

開発・量産には幾多の困難が待っているでしょうが、なんとしても実現していただきたいものです。








トヨタは、イノベーションのジレンマに陥っている

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「イノベーションのジレンマ」で知られるハーバード・ビジネススクールのクレイトン・M・クリステンセン教授へのインタビュー記事を紹介します。




イノベーションには2種類ある


まずはクリステンセン教授が2種類のイノベーションについて定義しています。

持続的イノベーション:従来の自社の優れた製品を改良すること。顧客は既存の製品を買い替えるだけなので、大きな成長にはつながりにくい。

破壊的イノベーション:富裕層のみが買えた複雑で高価な製品を一変させること。価格が大幅に下がり、多くの人が製品を買えるようになる。

イノベーションのジレンマとは、既に成功した企業が、持続的イノベーションだけになって、既存事業の価値を破壊するような破壊的イノベーションを起こすことができなくなる状態を表しています。

日本企業は既に持続的イノベーションしか起こしていない


だとすると、日本企業が行っている多くのイノベーションは、持続的イノベーションです。

トヨタが誇るハイブリッド車もしかり。

米テスラが手掛けるEVも、教授によれば、持続的なものです。

なぜなら、テスラのEVは高級で、富裕層に向けたものだからです。

本当に多くの人に普及するためには、破壊的イノベーションを起こさなければなりません。

破壊的イノベーションを引き起こそうとする中国メーカー


教授が破壊的なものとして挙げるのは、中国におけるEVの開発です。

中国の自動車メーカーは、自国の一般消費者に販売するために、低価格製品を製造販売しています。

たとえば北京では、15台に1台がEVだ。非常にシンプルな製品で、フロントシートは1人乗り。細い通りでも走れるよう車幅が狭い。スチールでなくプラスチック製だ。今年、中国ではこうしたシンプルなEVの販売台数が約40万台に達する見込みである。これこそが破壊的イノベーションだ。

先日、中国が国を挙げてEV産業を振興しているという記事を書きました。強引なやり方に、さすが中国!と揶揄して書きましたが、そのような部分だけに注目してはいけませんでした。

さすが中国 エコカー規制でやりたい放題

中国メーカーは、国の保護政策の恩恵を受けながらでも、着実に破壊的イノベーションを引き起こそうとしていたわけです。

日本のレベルからすると玩具みたいなもので、安全性基準に疑問が残りますが、それでも産業を変えてしまうような爆発的なイノベーションは、このような未熟な技術から起こるのではないか。

かつて二輪車でホンダが引き起こしたような、普通乗用車でトヨタが引き起こしたようなことが、中国メーカーによって引き起こされているのかも知れません。

日本の自動車メーカーが生き残る唯一の道は


クリステンセン教授は、やはりトヨタの姿勢を問題視していますね。

既存の産業の縮小を恐れて、破壊的イノベーションに対応しようとしないトヨタは、いずれ中国メーカーに駆逐されてしまうと警鐘を鳴らしています。

トヨタが生き残る唯一の道は、中国メーカーが取り組むような低価格顧客層向けの製品づくりに取り組むこと。既存商品の利益を破壊してしまうような分野に取り組まなければならない。と仰っています。

トヨタなど日本の自動車会社が生き残る唯一の道は、(EVの)新事業を別組織で起こすことだ。自社の傘下に置いてもいいが、営業チームやブランド、流通組織は別にすべきだ。「破壊」を起こすには、既存事業とは収益の仕組みを分ける必要がある。このルールに従えば、成功も夢ではない。

日本のメーカーが抱える最大の問題は成長が見込めないことだが、低価格でシンプルなEVにこそ成長の可能性が眠っている。成長は下位市場にあるのだ。

まったくもってその通りだと思います。

そのへんの理屈は、トヨタも重々承知のことだとは思いますが、それでも動けないのは、それがジレンマである所以ですね。





本当に役立つ現場ノウハウは、その人の姿勢に宿る

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居酒屋経営の楽コーポレーション宇野社長のインタビュー記事です。

日経ビジネスでは、宇野社長の記事を継続的に載せていますが、いつも参考になります。

ぜひシリーズでお読みください。

そういえば以前メルマガにも書いたような。

参考:繁盛する居酒屋には、現場営業に必要なヒントが満載だ

当意即妙な工夫は、姿勢(理念、考え方)から生まれる


宇野社長は、現場ノウハウの塊のような人です。

息を吐くように即妙な知恵が出る。といった趣です。

しかもそのノウハウの数々は、根本的な姿勢(理念、考え方)から来ています。

だからいくら社長のノウハウを学んでも、同じようにはできないでしょう。

学ぶなら姿勢を学ばなければならない。

仕事への「飢え」が原動力


今回の記事では「飢え」という言葉を使っておられます。

楽コーポレーションでは、従業員を最終的には独立させるように勧めています。

入ってくる従業員もそれを知っているので独立志望者です。

独立に対する「飢え」があるから、真剣に仕事に臨む。

その飢えが、様々な工夫を生むのだと言っています。

ちょっと長い引用ですがお許しください。

「飢えて」いればさ。入ってきたお客さんにただ「いらしゃいませ」と挨拶して、おしぼりを出すなんていう接客はしない。入り口で挨拶と同時に「台風一過で、ちょっと汗ばむくらいでしたね、ビールいきますか」なんて言って、オーダーを取る。それでおしぼりと一緒にきんきんに冷えた生ビールを持って行く。2、3人のグループだったらさ、それでお客さんがメニューを見る前に1000円前後の売り上げが上がるわけじゃない。だいたい、ビールっていうのは外から暑いなと思って店に入ってきてすぐに飲みたいもんでしょ。5分もたったら、暑さも落ち着いちゃって冷えたビールのおいしさも割り引かれる。おしぼりと一緒にビールを出す店なら、「あそこのビール、いつも最高に冷えていておいしいんだ」なんてリピートしてくれるかもしれない。

いかがでしょうか。流れ作業でやっていたら絶対に出てこない工夫ですよね。

顧客の様子を見ながら懸命に食らいついていく。

そんな宇野社長の気持ちがみえる話ではないでしょうか。






中国「配車アプリ」と組む日本のタクシー会社は、この先、どうやって生き残っていくのだろうか?

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中国の配車アプリが、日本へ進出するというニュースです。

中国の新ビジネスは基本「パクリ」だが成り立つ


スマホを使ったビジネスは、アメリカが最も盛んです。スマホを生んだ国ですからそれは当然でしょう。

そこに続くのが中国です。

中国の場合、基本的にはアメリカのビジネスの「パクリ」なのですが、国内需要がバカでかいので、二番煎じでも成り立ちます。

中国政府も、海外の新サービスを容易に受け入れず、自国産業を保護しようとするので、中国版グーグルや中国版アマゾンが出てきます。

(といってもそうしたサービスの運営が簡単だというわけではありません。バイドゥもアリババも、超優秀な経営陣によって運営されています)


今回の滴滴は配車サービスですから、中国版ウーバーですね。

スマホアプリ上で、行先を登録してタクシーを呼んだり、決済したりすることができるサービスを展開しています。

この企業にはソフトバンクも出資しており、アジアを制する可能性を持っています。

配車アプリは、将来のタクシー事業の中心になる


こうした配車サービスが注目されるのは、自動運転技術が発達した時、タクシー事業の中心になるだろうと考えられているからです。

参考:ソフトバンクは、なぜ傷だらけのウーバーに出資するのか

完全自動運転になれば、タクシー運転手という職業自体がなくなってしまいます。

許認可制度は残るかも知れません。そうなると、既存タクシー事業者は既得権を得て、とりあえず生き残ることができるでしょう。

が、それも過渡期のもの。タクシー事業者の存在感が著しく低下することは避けられません。

日本製「配車アプリ」が広がらない理由


危機感を持った日本のタクシー会社の中で、日本交通は、自社で配車アプリを開発しています。

配車、決済だけではなく、広告やデータ収集販売で稼ごうというビジネスモデルを持っており、同社会長は「ゆくゆくはタクシー代を無料にする」とまで言っています。

そのためには、利用するユーザーと、参加するタクシーが多くなければならないのですが、実際はいまいち広がっていません。

それはそうですね。タクシー会社の配車アプリに、他のタクシー会社が相乗りするのは気が引けます。自社のデータが相手を稼がせると思えば、気分悪いでしょうから。

ソフトバンクは、通信インフラの独占を狙う


ちなみに、今回の提携を橋渡ししたのはソフトバンクです。

ソフトバンク、タクシーに進化迫る 中国・滴滴参入橋渡し(日本経済新聞・有料記事) 

タクシー会社には負担を強いず配車に必要なタブレットやスマホなどのインフラをソフトバンクがそろえ、通信で回収する枠組みが検討されているようだ。かつてADSLの機器を無料で配り通信料金で回収することで成長した同社らしいモデルだ。

ソフトバンクは、世界各国の配車サービス会社に出資しており、他の国のサービスも日本に紹介する可能性があります。

自動運転に関わる通信インフラを独占してしまおうという壮大な計画です。

これでは、日本交通のサービスが広がる余地は限られたものになりそうですな。

日本のタクシー会社の生き残り策は?


今回、タクシー業界トップの第一交通が、滴滴と提携すると発表したわけです。

第一交通とすれば、中国系訪日客の需要が取り込めるという計算もありますし、日本交通のビジネスには与したくないという思惑もあるでしょう。

わざわざ中国のサービスを使わんでも…と思わなくはないですが、ビジネスの競争上、仕方ありません。

ただ先ほども言いましたように、自動運転技術が進めば、タクシー会社の持つ価値は著しく棄損してしまいます。

目先の利益はともかくとして、長期的にはどのように生き残っていくのか。第一交通の考え方を聞いてみたいものです。





インバウンドビジネスは、巨大成長産業

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南海電鉄のインバウンド事業課長さんが、アジアの方々に難波の魅力を伝えておられます。

素晴らしいことですね。こういう方の地道な努力が、訪日観光客の増加に役立っているのでしょう。

インバウンドビジネスは、巨大成長産業


2016年の訪日客は約2400万人。

2017年は、9月15日現在で、約2000万人を超えたそうです。

このままだと今年3000万人をこえるかも知れません。

縮小していくいっぽうの日本においては、珍しい成長市場です。

訪日リピーターは、ウラ情報を求める


ここにきて訪日客のリピーターが増えてきているとか。

通り一遍の観光地ではなく、地元の人しか知らないような濃いエリアにも訪日客は興味を示しています。

難波の南側、ウラ難波あたりは、訪日客が喜ぶエリアのはずです。

われわれも同じですからね、なるべく地元の人の息遣いがわかるエリアに行きたいものです。

H.I.Sの澤田秀雄会長は、以前ドイツで夜の街を案内する観光ガイドをやっていたそうですが、難波から心斎橋あたりは、観光ガイドが成立するぐらい濃いですからね。

小さなお店もインバウンドビジネスに関わるんだと思っていただきたいものです。

ものを売るのではなく、買う理由を作る


この南海電鉄の方は、ラピート(関西空港となんばを結ぶ特急電車)のチケットを販売することを目的としています。

電車に乗ってほしければ、沿線の魅力を高めよ、というわけで、終点であるなんばの裏情報を海外の方に提供しているわけですな。

遠回りのようでいて、このやり方は営業の王道です。

「ドリルを買う顧客は、ドリルを買ったのではない。穴を買ったのだ」というやつです。

参考:「ドリルを売るな、穴を売れ」というマーケティングの基本

インバウンドビジネスは隙間だらけ


この方の努力も素晴らしいですが、インバウンドビジネスは隙間だらけです。

当然ながら、訪日客むけの情報提供ビジネスは活況を呈しています。

参考:訪日客の「知りたい」に応えます 専門メディアが活況

情報提供ビジネスは初歩の初歩。まだまだインバウンドに関するビジネスにはチャンスがありますよ。

起業家の皆さん、頑張ってください。







EV・自動化は、100年に一度の変革 新たに生まれる需要に期待

EV・自動化で変わる産業構造 部品市場に外資攻勢 (日本経済新聞・有料記事)

最近の日経新聞は、自動車関連分野の記事ばかりですな。

しかしそれもわかります。なにしろ、100年に一度の変革期を迎えているわけですから。

日本の自動車部品に関連する就業人口は60万人で、素材などの資材も含めると106万人にのぼる。製造業の就業人口1000万人強の中で、存在感は際立っている。

この巨大産業がどのように変革していくのかは、多くの事業者にとって死活問題になるはずです。

日本の自動車産業の強みであった「系列」


自動車産業は、完成車メーカーを頂点にピラミッド型の産業集積を形成してきました。これがいわゆる系列というやつです。

日本の自動車メーカーの強みは、この系列にあると言っても過言ではありません。付き合いの密で長いメーカー同士が、複雑な自動車の組み立てを職人技を駆使して行うわけです。この「すりあわせ」といわれる組み立て作業は、他国のメーカーには到底真似できないものだと言われてきました。

ハイブリッド車などという複雑な車を他国のメーカーがやりたがらないのはそのためです。その分野ではトヨタに勝てないからです。

EVが既存の系列を解体する


そこにEV(電気自動車)の登場は僥倖でした。EVはエンジンがなく、組み立てが比較的容易であると言われています。

部品ユニットさえしっかりしていれば、誰でも組み立てられる。極端な話、自動車メーカーでなくても(例えば家電メーカーでも)自動車を組み立てられるかも知れない。英ダイソンが、EVを製造すると宣言しているのがいい例です。

(実際のところはそれほど簡単ではないようです。米テスラがEVの量産体制を整えきれない様子をみていると、やはり自動車メーカーには一日の長がありそうです)

部品メーカーの地位が向上


ただ組み立てメーカーの価値が下がると、相対的に上がるのが、部品メーカーの地位です。

EVの心臓技術である電池。

モーター、ベアリング、サスペンションなども重要です。

ガソリン車よりも部品点数は減りますが、優秀な部品がなければ組み立てられません。

だとすると、部品メーカーが、自動車産業の頂点に立つかも知れないわけです。


さらにEVに自動運転が加われば、参加メーカーが増加します。

AI、センサー、衛星通信、地図。

系列以外のサプライヤー(供給者)が必要となってくるので、各分野の事業者は、虎視眈々と食い込むチャンスを狙っています。

周辺ビジネスに注目


それだけではありません。

新興国にEVを普及させるためには発電インフラ、充電インフラの充実が必要です。

またEVが本当のエコカーになるためには、発電システムそのものを最新型のエコなものにしていかなければなりません。

そう考えると勢いを増す周辺ビジネスはいろいろありそうです。

なくなるビジネスばかりではありませんね。前向きにとらえていきたいと思います。







インドがEVシフト宣言で、スズキとトヨタが困っている件

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インドもEVシフトを宣言しています。

これで、欧州、中国、インドと主だったところがEVに切り替える見込みで、世界的な大勢は決定したかのように思えます。

参考:電気自動車(EV)の時代に日本企業は生き残れるのか

インドにおけるトップ企業スズキもびっくり


インドといえばスズキが約50%のシェアを持つエリアです。

インドもかつてスズキに産業振興の途を開いてもらった恩義があり、関係良好のはずでした。

スズキは、ハイブリッド車の工場建設計画や、修理点検拠点を作る計画も持っています。

参考:スズキ、インドに富裕層向け修理・点検網  20年300拠点 上級車テコ入れ(日本経済新聞・湯有料記事)

それなのに、この決定は、はしごを外された格好です。

インドがEVシフトをしても、環境問題は解決しない


インドのような国でEVシフトが必ずしも正しくない理由が記事では述べられています。

一つは、充電用のインフラに費用がかかること。日本でも充電ステーションを作るだけでも費用がかかるのに、インドでは発電所や電線や電力インフラから建設しなければなりません。

もう一つは、インドでは石炭による発電が多いこと。それだとEVになっても、社会的な二酸化炭素の排出量は減りません。

日本とすれば、ハイブリッド車からはじめて、徐々にEVや燃料電池車に移行していくのが、社会的なコストとしても環境問題でも正しいという理屈です。

インドのほんとうの思惑


ところが、日本の自動車メーカーがお家芸とするハイブリッド車にはびこられては困る欧州の自動車メーカーは、インドの政治家にロビー活動を行って半ば強引にEVシフトに転換させたようです。

同時に、中国と同じく、自国メーカーを育てたいインドの思惑もあります。ハイブリッド車を認めれば、日本メーカーの優位は変わりません。が、まだ技術的に確立されていないEVなら、自国メーカーを育てられるかも知れない。

正しい理屈だけでは、必ずしも勝てないということを見せられているわけですな。

参考:さすが中国 エコカー規制でやりたい放題

日本メーカーは相変わらず動きが鈍い


ところが日本のメーカーか相変わらず鈍い動きです。

御大のトヨタが、「EVが来るとは限らん。ハイブリッドも燃料電池もぜんぶやる」と頑張っていますし、トヨタと提携しているマツダも「エンジンの需要はある」と言っています。

参考:マツダ小飼社長 EV時代もエンジン軸に トヨタと組み全方位(日本経済新聞・有料記事)

マツダの規模なら、あくまで濃いファンを対象に、ニッチ狙いでいく、という戦略もあるかもしれません。

しかし、トヨタのような巨大メーカーがそれでいいのでしょうか。

参考:トヨタよ「余裕をこいているようではいかがなものか」

裏をかかれないための高等戦術か?


しかしここまで余裕をみせているというのは、世界の方向性が定まるのを待って、一気にEVシフトしようという腹なのかも知れないと思えてきました。

なにしろ世界各国はトヨタ包囲網を敷いています。

参考:EU各国もトヨタ包囲網を敷いている

だから方向性が定まらないうちに動くと、その裏をかかれてしまいます。

わざとEVシフトが引き返せないところまで進んで、一気に参入する。それでも勝てるという考えがあるからこその高等戦術です。

そもそもトヨタは慎重なメーカーで、わざと販売台数世界トップになることを避けてきた経緯があります。世界の風当たりが強いですからね。

今回も、わざと遅れてスタートしようということなんですかね。

個人的には、EVシフトは避けれないと思います


ま、私は個人的には、EVシフトは進むと考えています。

さきごろ東京モーターショーが開催されましたが、出展されたEVを見てみるとわかります。

参考:「超スゲー!!」から「何だこれ!」まで 東京モーターショー2017「とにかくカッコいいコンセプトカー」まとめ 

EVはエンジンがありませんから、車内がとにかく広く使える。

軽でもリビングがそのまま走っているような感覚です。

まだ各社ともエンジン車の感覚から抜け出せていないデザインが多かったですが、そのうちEVの特性を活かした車ばかりになっていくことは間違いないでしょう。

空間の使い方を知ったユーザーは、もうエンジン車には戻れないのではないでしょうか。

そのうち自動運転車になると、EVの持つ居住性はより重要となってくるはずです。

ここは日本の自動車メーカーも、覚悟を決めて、EVシフトを進めるときではないでしょうか。

日本の政府は、国内電池メーカーの振興と、効率のよい最新型の火力発電所の売り込みに注力すればいいんですよ。





本音とは逆「アマゾンは脅威でない」発言のファーストリテイリング会長

ファストリ柳井氏「アマゾン脅威でない」 米で会見(日本経済新聞・有料記事)

ユニクロ、ジーユーなどを運営するファーストリテイリングの柳井正会長が会見で「アマゾンは脅威でない」と語ったとのこと。

本当にそんなこと言ったのでしょうか?アマゾンが最大の脅威であることは間違いありませんからね。

最高益でも危機感あらわ ファーストリテイリングの本当の敵は?

発言とは裏腹な本音 アマゾンに危機感MAX


ファーストリテイリングの業績は好調で、過去最高益を更新しています。

しかし、衆目の見るところ、バラ色の未来が待っているとまではいきません。

目の前の敵であるインデックス(ZARA)やH&Mとの戦いもさることながら、異次元の敵であるアマゾンやその他オンライン企業の脅威が迫っているからです。

柳井氏は「アマゾン脅威論におされているが、彼らは全ての市場を独占できない。アマゾンが服に特化できるとは思えないし、アマゾンが売る服だけが売れることもない。アマゾンのプラットフォームを使い、ユニクロの服を売ることは考えていない。共存共栄はできるはずだ」と話した。

要するに、自分たちは服に特化した専門家だ、アマゾンみたいに売れ筋だけを取り揃えても市場を独占できるわけではない。ということですね。

確かにその通りなのですが、売れるとなれば平気で侵攻してくる相手です。


以前のブログにも書きましたが、アマゾンに対抗するためには

1.アマゾンが追い付けないほどのクリエイティビティを発揮したモノづくりを続ける

2.アマゾンが無視する程度のニッチ市場で商売をする

3.アマゾン経済圏に一切立ち入らず、独自の販売ルートで売る

ことが必要になります。

ファーストリテイリングが、戦うためには、クリエイティビティを発揮しながら、自社の独自販売ルートを充実させていかなければなりません。


それこそユニクロの扱うような機能性日用品は、アマゾンが得意とするところです。うちは専門家だなんて慢心していたら、すぐに寝首をかかれてしまいます。

それは充分すぎるほどわかっているはず。

柳井氏の発言は、むしろ危機感から来るものだと考えます。

アマゾンのえげつないやり口


アマゾンのやり口は、まず他社の商品を販売して売れ筋データを集め、それから自社PB商品に切り替えて安売りするというものです。

アマゾンが「パクリ」と「安売り」を武器に、流通業界を破壊する 

だからファーストリテイリングとすれば、アマゾンで自社商品を販売するなどという愚を犯してはなりません。

なんとしても自社webサイトを育てて、アマゾンと伍していかなければなりません。

その分の投資も必要になってくるわけすな。

これから先、茨の道が待っていることは間違いないと思う所以です。





プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

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