わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

城崎温泉に外国人観光客が5年で36倍増

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メモ。城崎温泉に訪れる外国人観光客数が5年で36倍。これはインパクトある数字ですね。喜ばしいことです。

ちなみに2016年の訪日外国人観光客は2403.9万人。今年前半はさらに17%以上増えているとのことですから、3000万人に近づいていきます。

観光客数世界10位も見えてくるわけで、これに関しては日本政府の観光立国政策はうまくいっているとみていいのではないでしょうか。

36倍増ってすごそうだけど、いったい何人だろう?


ところで、城崎温泉の観光客は何人でしょうか?記事に書かれていないのが気になる。

グーグルに聞いてみると、2年前の平成27年で31442人とか。36倍といってもその程度なんですな^^;(同じ年のUSJ外国人入場者は140万人)


まあ、だから城崎温泉が成功事例というには時期尚早ではないかと。

記事を読むと、外国の予約サイトに対応したことで、観光客が増えたとあります。

要するに、訪日観光客の増加の流れに乗って、ちょっと工夫してみたら観光客が増えたね、ぐらいの話ですな。


城崎温泉の取り組み 戦略っていうほどではなさそうだが…


ただ増加したのは事実であり、城崎温泉側も豊岡市もやる気を見せています。英語の観光情報サイトを立ち上げ利便性を高めようとしています。

さらに外国人旅行者を呼び込むために16年6月に発足したのが豊岡版DMO「豊岡観光イノベーション(一般社団法人)」だ。DMOとは「Destination Management/Marketing Organization」の略。観光地経営組織などと訳される。観光地において戦略の策定、各種調査、マーケティング、商品開発、プロモーションなどを一貫して実施する組織体で、欧米の観光地で発展した形態だ。

ということで、観光ツアーなどを作って、売り出す作戦です。

三井物産から加わり事業を統括する田辺茂・事業本部長は「城崎温泉の集客をさらに伸ばすことに加え、豊岡市と京丹後市の城崎温泉以外の観光地への集客に取り組んでいる」と話す。
豊岡市には城下町の出石地区などの観光地が点在する。海水浴ができる風光明媚な海岸もある。

ということですから、地域をあげての観光スポットにしていこうとしているようです。

が、具体的にどういう動きをしていくかはこの記事からはわかりません。私は営業ですから、どのチャネルに営業をかけるのだろうと興味津々なのですが、グーグル先生に聞いてもわかりませんでした。

続報を待ちたいと思います。

全国には城崎温泉みたいなところがまだいっぱいあるはずだ


訪日客が2400万人になったってことは、もう定着した、あるいは定着する可能性が高いところにあるってことでしょう。東京オリンピックが終わったからといって、いきなり2400万人が来なくなるなんてことは考えにくいですからね。

観光客が定着するためには、USJやTDLばかりではなく、地方の名所などに観光客が行き渡ることが必要ですから、城崎温泉の取り組みは、とても意味のあることです。

城崎温泉は川沿いの柳並木、古い街並み、そして浴衣を着た観光客がそぞろ歩く風情のある風景が特徴だ。7カ所ある外湯めぐりが主体の温泉で、旅行者は旅館で浴衣に着替えてげたを履いて、好みの外湯に入りにいく。チェックイン後、旅館での夕食までの時間帯である夕方4時〜5時頃と夕食後の8時以降は特に人出が多くにぎわう。

これぞ日本らしい観光地です。記事の写真には、浴衣を着て歩く外国人の姿が写っていますね。城崎温泉側の外国人受け入れ態勢は、それなりに整っているのだろうなと想像できますね。

城崎温泉だけではなく、全国にこういう場所はいっぱいあるはずです。今は、成長市場ですから、ちょっとした工夫で客は呼び込めるはずですよね。

全国のひなびた観光地は、ぜひとも観光立地に取り組んでいただきたいと思います。



ダルビッシュを別次元の存在にした3つの要因

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この人、日本のスポーツ選手としては、もう別次元にいってしまいましたね。

日本プロ野球のナンバーワン投手として、メジャーに移ったのが、2012年。

それから5年経った今では、メジャーでもトップランクの選手です。

大阪羽曳野でやんちゃをやっていた頃には、この将来を予測する人はいなかったでしょうね^^



上の記事は、ダルビッシュ選手へのインタビューを掲載したものです。

わりと長いインタビューですが、実に率直に明朗に答えていて、好感が持てるものです。インタビュアーは気持ちよかったでしょうね^^

これを読むと、この人が別次元にいることがよくわかります。その特別さは、スポーツ選手としての能力にとどまらないものです。

なにが凄いのか。を私なりにまとめてみました。


ダルビッシュの凄さ  仝上心

生まれ持った才能は当然でしょうが、その向上心が彼をここまでの選手にしたと考えます。

プロ入り時も騒がれて入団したはずですが、正直いって、ここまで活躍する選手だとは思えませんでした。

少なくとも、大谷翔平とか藤浪晋太郎とか田中将大とか、のような特Aの素材ではなかったはずです。

ところがプロ入りして2年目頃から、ステージが変わったかのような選手に変貌しました。

このインタビューの冒頭、ダルビッシュ選手は、試合後に朝まで飲みに行くような日本の選手を批判していますが、プロ入り後すぐにくわえ煙草でパチンコをやっていた選手とは思えない意識の変化です。

どこかで覚醒して、プロ選手としての向上心に目覚めたのでしょう。

試合でのパフォーマンスだけではなく、その準備段階の規律のきいた姿勢は、まさに模範です。

しかもこの人の場合、向上心が功名心や野心に寄っていません。むしろ、好奇心に近い純粋な向上心であるように思えます。

だからこの人の発言は、濁りがなく、息苦しさもなく、清々しいんですね。

ダルビッシュの凄さ ◆々舁性

いい意味で日本人離れしています。

いわゆる空気を読むという意識があまり感じられません。

才能が突出しているので、しがらみを気にする必要がない。という見方もあるでしょうが、本人は、意識して、しがらみを作らないようにしているようです。
自分は、そもそも友だちみたいな人が少なすぎて、数人なんですよ。3人くらいです(笑)。いろんな人が友だちになると、嫌なんですよね。例えば、子どもが生まれておめでとうございますとか、それがいっぱい来ると、全部同じように返さないといけないのが嫌なんですよ。
その合理性と向上心が結びついたのが、いまの身体づくりに表れています。

日本人の多くがいまだ「筋トレは生来の身体のバランスを崩す」と信じている時に、率先して身体を大きくし、練習方法や食事などを積極的に開示しています。

しかも、テレビだと情報が歪曲するからと、自分でyoutubeなどに投稿する念の入れようです。

ダルビッシュの凄さ  公益性

目標は何かと聞かれて、こう答えています。
最後は……僕が生きている間は無理ですけど、NPBがMLBの上を行くことです。運営とかは無理だと思いますし、難しいと思います。でも、力であったりとか技術であったりとか、NPB自体のレベルが上というよりも、NPBの選手たちがMLBから見てもっと需要がある選手たちになってほしい。
そのために、メジャー式練習法なども開示するし、野球に対する考え方や見方を記者やファンまでに提示しようとするわけです。

だから、練習方法を教えても、自分の成績にしか興味のない選手に対しては残念がっています。
トレーニングに関して理解を深めてもらったとしても、どちらかと言うと自分の成績を残すためだけに使う人たちが、ほぼ100パーセント。これを他の選手に伝えて、この選手が覚えることによって、その選手も他の選手に伝えるように教育するとか、そこまで考えている人はなかなかいないですね。
ダルビッシュほどの才能がない選手はまず自分の成績を何とかしなければいけないので、それは当然のことなのですが、それにしても、この公益的な姿勢はどこからくるのでしょうか。

そういえば、ダルビッシュ選手は、東日本大震災の時に、ツイッターを使って、避難場所や救援物資の情報を拡散していました。悪質なデマや間違った情報もあったでしょうが「そんな場合はぼくが責任をとる」といって、情報を流し続けていました。

その時の迷いのない判断力と、利他的な姿勢にほとほと感心しました。

今回のインタビューでも、日本のプロ野球をメジャーリーグ以上にする。というビジョンは、気負いでも売名でもなんでもなく、純粋にそう思っているという気持ちが伝わってきます。

そのビジョンを達成するために、最終的には、プロ野球球団のオーナーになる案まで言及しています。既得権益の壁は恐ろしく厚いですが、彼なら何とかしてしまうかも知れません。

スーパーマンでありながら、純粋で明朗で、人間くさいところもある。実に理想的なヒーロー像ではないですか。

自分よりずいぶん年下の人なんですが、見習うべきところがいっぱいありすぎて困りますよ(^^)

これからも応援いたしますので、頑張ってください!




日本企業は儲かる市場を探すのではなく、儲からない市場で生き残る工夫が必要だ

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上記は、楠木建教授(一橋大学大学院)の講演録を記事にしたものです。前後編の後編にあたります。前編はこちらです。


楠木教授といえば、「ストーリーとしての経営戦略」が有名ですね。





私も熱心に読んだものですし、触発されて、こんなメルマガを書きました。

戦略はストーリーで語れ

戦略はストーリーで語れ2

面白い戦略ストーリーの作り方

3つも記事を書くというのは余程はまったのですかね^^


経営に万能の杖はない

「ストーリーとしての経営戦略」の中で楠木教授は、

経営に万能の手法などはない。経営は常に様々な要素が複雑に絡み合った文脈としてしか語れない。いわば、ストーリーのようなものであり、経営戦略とは良いストーリーを作るアートである。

といった意味のことを言っておられます。

全くその通り。

万能の杖などありませんし、環境が変われば同じ経営者が同じことをしてもうまくいくとは限りません。

一回限りで再現性がないからこそアートなのです。

ただし、いい作品をたくさん生み出す小説家がいるように、いい戦略ストーリーを何回も作れる経営者がいるのも確かです。

あるいは、ハリウッド映画のように、マニュアルに則った映画作成によって、それなりのヒット作を生み出す方法も確立されています。

つまりアートの世界にも、何らかの原理原則があり、それを踏み外さないことがいい作品を生む秘訣であると考えることができます。

経営も同じです。常に無勝手流ではあまりにも確率が低い。

われわれコンサルタントが存在する意味は、そのアートのような経営に伴走し、出来る限り原理原則を踏み外さないようにサポートすることだと考えています。

ちなみに、楠木氏は、その著書の中で、いい戦略ストーリーを生み出すための「骨法」を語っていますので、興味のある方は読んでみてください。


オポチュニティ企業、クオリティ企業

さて今回の記事ですが、今度は「オポチュニティ企業」「クオリティ企業」という概念を提示しています。

オポチュニティ企業は、成長市場などのチャンスを見つけて、いちはやく参入し、先行者利益を稼ぐ。企業内部を洗練させるのではなく、社外の成長市場の発見と確保に儲ける理由を求めます。

これに対してクオリティ企業は、市場に儲けのネタを求めず、顧客と密な関係を作るビジネスモデルで成熟市場でも持続的な成長を目指します。

オポチュニティ企業=狩猟型。クオリティ企業=農耕型。といえば近いのかな。

判断が早い欧米の経営者は、オポチュニティ志向が強く、したがってオポチュニティ企業が多いようです。わが国のソフトバンクは、日本におけるオポチュニティ企業代表です。


日本企業は、儲からないところで儲けるから長生きする

これに対して、粘り強くコツコツ努力することが得意な日本企業は、クオリティ企業が多い。

たとえば育児用品メーカーのピジョン。

生後18か月までの商品しか作らない。という方針を貫いています。

なぜなら、18か月までは、世界中どこにいっても赤ん坊は赤ん坊だから。文化的な違いが出る前の世界中の赤ちゃん向けに商品を提供するという戦略です。


あるいは、コピーライターの糸井重里氏が代表を務める「ほぼ日」

ネット事業なのに、あえて旬は追わず、日常的な内容の記事ばかりを掲載しています。

そうすることで、少数だが滞留性の高いユーザーと信頼関係を作り、手帳や土鍋などを販売するビジネスです。

「クオリティ企業=中小企業」ではない。オポチュニティをつかんで急成長、というわけにはいかないが、立ち位置をはっきり定めて、そこで戦略に磨きをかけることによって、独自の価値を作り、営業利益率10%以上をたたき出す。これがクオリティ企業のイメージだ。

旬を追うどころか、需要が少なく競争がゆるやかなところで儲ける仕組みを作る。

まさにランチェスター戦略のいう弱者の戦略の考え方に合致します。

目的は勝つことではなく、生き残ること

私は「孫子の兵法」の信奉者でもありますが、孫子が明確なのは戦争に勝つことではなく、生き残ることを目的にしていることです。

参考:「孫子の兵法」を企業経営に活かす方法

需要を追うのではなく、顧客との信頼関係を基盤にビジネスを組み立てる。という考えは、孫子のいう生き残る秘訣にも通じるものです。

そういえば楠木建教授も「ストーリーとしての経営戦略」の中で、経営戦略の目的は長期利益の実現だと書いていました。

ここでいうクオリティ企業というのは、日本人の気質や思想に合った経営方法なんですよ。きっと。




このブログをこれからのメインブログにするので、あらためてご挨拶

こんにちは。

経営コンサルタントの駒井俊雄と申します。

このたび、ブログのタイトルを変更いたしました。

唐突ですみませんm(_ _)m

しかし、これからは、こちらのブログをメインに書いていきたいと思っていますので、ご愛顧をよろしくお願いいたします。

このブログが、これからのメインブログとなります。


このブログはもともとNPOランチェスター協会関西支部の記事を発信しようとして始めたものです。

ランチェスター戦略の視点から企業の戦略事例などを分析して蓄積していこうと思っていました。

しかし、2つのブログを管理するのに無理があったのか、結局は楽天ブログからの転載が殆どで、ミラーサイトのような扱いとなっていました。

記事の蓄積はそれなりにできたものの、アクセス数も伸びないので、放置しておこうかと思っていたぐらいです。

が、これまでに書いた記事の総数が841件。

過去記事を読んでみると、われながら面白いもの興味深いものが多くあります。埋もれているのがもったいない。

これはもっとまじめにやって、多くの人に見てもらいたいと思い立ちました。

メインブログになったことですし、これからは、オリジナルの記事の更新過去記事のリライトを通じて、もっと有意義なものにしてまいります。


何のためにブログを書くのか


あらためて考えてみました。

私の場合

1.仕事のため

2.成長のため

3.表現のため


という3つの理由があります。


1.仕事のため

これは言わずもがなの理由ですが、私のような職業の者がブログを書く場合、仕事に役立てようという考えがあるはずです。

実際、私のクライアント(お客さん)の多くが、私が書いたメルマガやブログを読まれてから、相談に来られます。

コンサルを依頼するというのは、少なからず思い切りのいる行為でしょうから、私の書いたものを通じて、仕事に対する考え方や姿勢をじゅうぶんに理解、評価してから来られるというのは当然です。

私も、自分の能力や可能性、制約や限界を含めて、包み隠さず書こうと思っています。まあ、隠そうとしても、これだけ書いていれば、人となりを含めてわかってしまうと思いますが。

そういう受注の動線という意味だけではありません。既にクライアントとなっている方も、クライアントではありませんが付き合いのある方も読んでくださっているとお声がけいただくことがあります。

私も、特定の人の顔を思い浮かべながら書いていることがよくあります(^^)

そういう交流も含めて、仕事のために書いているということですね。

2.成長のため

これも仕事のための一貫といえるかもしれません。

仕事を通じて感じたこと、考えたこと、ヒントになったことなどを、自分へのメモとして、書き残しておきたい、整理しておきたいという動機です。

自分のために書いているので、ときおり、分かりにくい内容のものがあったりしますが、ご容赦ください。

しかし、自分のために書いているブログの方が、参考になったと言われたりしますので、書くスタンスとしては、それでいいのかなと思っております。

自分がヒントになったものが、皆さまの参考になれば幸いです。


3.表現のため

というとなんか偉そうですかね。

私はわりと書くことが好きな方でして。いろいろ書きたくなるたちなんですよね(^^;

私は自分のメルマガやブログに関しては、わかりやすく書くことにこだわっていきたいと思っています。

しかし、時代は進んでいますね。いろいろな方のブログを見ていると、内容だけではなく、書き方やビジュアルを含めてもっとわかりやすい表現があります。

文章で勝負!

というだけではなく、わかりやすく伝えるためには、様々な工夫や取り組みがあることを知り、反省しております。

だからこれからは、表現の仕方も少しずつ工夫しながら書いていこうと思います。

IMG_0804

↑ こういうあまり意味のない画像も挿入しながら^^(あべのハルカス)

ちなみにこれまでメインにしていた楽天ブログでは、仕事に関係のないことでもいろいろ書いていたのですが(阪神タイガースの話とか…)、そういう話題をどうするかはまだ決めておりません。

どうしても耐え切れずに、書いてしまうかも知れませんが。

「わたしは価値を創る」の意味とは


それにしても「わたしは価値を創る」とは、なんと仰々しいタイトルなんでしょうか!!

そもそもこのタイトルは、2002年、私が独立した時から続けてきた楽天ブログのものと同じです。

「わたしは価値を創る」

何の気なしにつけたタイトルではありますが、

それが、私の会社「クリエート・バリュー」の名前の基ともなったわけでして、いまとなっては、愛着があります。

ちなみに、このタイトル、もとはといえば、大好きだった映画「フェリーニのアマルコルド」から連想してつけたものです。

フェリーニのアマルコルド 4K修復版 [DVD]
ブルーノ・ザニン
KADOKAWA / 角川書店
2017-11-02



「フェリーニのアマルコルド」のどこが「わたしは価値を創る」や!!

と怒られそうですが、私にとってはつながっております(^^)



そんなわけで、名前負けしないように、ガンバって書いていきたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

駒井俊雄のプロフィール

営業関連のコンサルティングをしています。 
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。 

その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。

当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。 

面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

国内敵なしのカルビーの将来が必ずしも明るくない理由

カルビー




(2017年8月24日メルマガより)


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いま食品メーカーでノリにノっている企業といえばカルビーですね

2011年の上場以来、ずっと2桁増益を達成。

今年はじゃがいもの生産が追い付かず、ポテト類商品が減産に追い込まれたとはいえ、一時的なものです。過去最高益は続いています。

この好業績に関して、2009年から同社会長兼CEOとなっている松本晃氏の影響は小さくないでしょう。

松本氏は、伊藤忠商事を経て、ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル株式会社の社長をされていた方です。

創業以来、同族経営だったカルビーが招いたいわゆるプロ経営者の一人です。

もっとも松本氏自身は「カルビーがもともと持っていたポテンシャルのおかげ」と謙遜されておられますが。

■カルビーは、1949年広島に設立された松尾糧食工業をもとにしているます。

現在の社名のカルビーは、カルシウムとビタミンB1からきているそうですね。

戦争で大きな被害を受けた広島の人々に豊かな栄養源を供給したいという創業者の思いがこめられた社名です。

最初のヒット商品は、瀬戸内海の小エビを使った「かっぱえびせん」

その後、じゃがいもを使った「サッポロポテト」「ポテトチップス」の成功で、日本有数のスナック菓子メーカーの地位を確立しました。

同社のホームページをみれば、原材料や品質に関する真摯な姿勢を感じ取ることができます。創業者の逸話が示すように、ものづくり企業として非常にまじめな会社なのだと思います。

■同時に、カルビーはプロモーションにおいても独特の強みを発揮してきました。

同社が市場を席巻するきっかけとなったのが、1971年の「仮面ライダースナック」や73年の「プロ野球スナック」など。

カード付のスナック菓子は子供たちに大人気で、購入動機はほぼカード目的でした。

私も覚えていますが、レアなカードが欲しくてほしくて仕方なかったものですよ。

カード欲しさに大量購入して、スナック袋の方は捨ててしまう子供がいたりして、社会問題になったものです。

戦後、頭角を現した会社には、なにかしら飛び道具めいたプロモーションの工夫がみられたものですが、カルビーのカード付スナックなどもその典型であったと思います。

■現在、カルビーはスナック市場において50%以上のシェアを持っており、ダントツのトップ企業です。

ところがその優良企業に「いい会社だが儲け方が下手だ」と言ったのが、現会長兼CEOの松本晃氏でした。

当時、同社の社外取締役をしていた松本氏の目には、ものづくりにこだわるあまり、低利益に甘んじているカルビーの姿はもどかしく映ったようですな

「それならあなたがやってみたら」と創業一族の人にいわれて、引き受けることになったわけです。

参考:カルビーは「良い会社だが儲け方が下手」、だからCEOを引き受けた
http://diamond.jp/articles/-/116745

松本氏が登板してからのカルビーの業績向上には目を見張るものがあります。

売上高で1.7倍。営業利益で3倍のアップです。(2010年〜17年)

いったいどんなマジックを使ったのかと思いたくなりますが、この記事を読む限り、合理的ではあるが、いささか強引なやり方です。

参考:カルビーを「数学」から「算数」の会社にしたら増収増益になった
http://diamond.jp/articles/-/117611

一例としてあげられているのが、工場の稼働率を上げること。じゃがいもの契約農家から全数買取を実施し、全部商品に加工することで工場をフル稼働させます。

そうすることで、固定費割合が減ります。

が、その分、在庫が積みあがるわけですが、それは安売りしてでも営業に売らせるという方法です。

まんまセリング(売り手の都合で売り込むこと)じゃないですか。

営業出身者らしいやり方ですな。

■ほかの記事で、松本CEOは「カルビーには分析のための会議と資料が多すぎた」と憤慨していました。

長らくトップ企業だった同社とすれば、売上をこれ以上アップさせるという意欲に乏しく、市場を分析し、守るという方向に向いていたのではないですかね。

そういう時に「安売りでもいいから売ってこい!」と号令するのは、実は効果的です。

市場が飽和しているようでも、隙間はいっぱいあるものです。チャネル、地域、業界、季節などを子細に見てみれば、入り込む余地はあります。

分析するより行くが易し。

実際、既存市場に既存商品を売るのが一番、効果が上がります。

セリングというと悪いイメージがありますが、それが必要な時もあるということです。

■ただし、市場浸透にも限度があります。

いわばこれまでのことは、上げやすいところで業績を上げて、経営者の求心力を高めるための時期です。

カルビーがこれから本当に取り組まなければならないのは、海外展開を本格化させて、グローバル企業になっていくことです。

それが松本氏が担う最大の使命であるはずです。

なにしろ世界のトップ企業の売上高は3兆円超えしていますから、2000億円いかないカルビーとすれば、吹けば飛ぶような存在といわれても仕方ありません。

※ナビスコやリッツなどを持つモンデリーズの売上高。296億ドル。菓子だけではないので、単純比較はできませんが...

カルビーはこれまでスナック菓子の海外展開に失敗してきた歴史があるので、簡単な道ではありませんが、プロ経営者としては挑戦しがいのある課題ではないでしょうかね。

■そういう意味では、松本氏の功績の一つである「フルグラ」の存在は、大きいといえます。

「フルグラ」とは、朝食に食べるシリアルの一種です。フルーツグラノーラという商品名を松本氏が短縮させた商品名です

カルビーらしく、素材にこだわり栄養バランスのいい商品として1988年に登場したグラノーラですが、2010年当時の売上高は30億円ほど。

同社の商品群としては鳴かず飛ばすの状態でした。

海外暮らしが長い松本氏は「こんな美味しいシリアルは初めてだ。こんないい商品がなんで売れないんだ」といって、販売強化を厳命します。

もっとも日本ではシリアル市場など小さいものです。社内には、30億円で頭打ちだといった意見があったようです。

■笛吹けど踊らぬ営業マンに業を煮やしたのか、カルビーは、社長直轄のフルグラ事業本部を作ります。

今回ばかりは、強引にセリングするわけにはいきません。なにしろ世間で売れてないジャンルなのですから、市場に認知される必要があります。

その時のフルグラ事業部の取り組みは新規事業展開の教科書に載りそうな内容です。

まずターゲットを「働く女性」に絞ります。

その上で「朝食をフルグラにすることは、時短になる」という訴求ポイントを見出します。

ところが、調査してみると、当時の女性にとって、朝食をシリアルにすることは「美味しくないものを手抜きで出している」という罪悪感を抱かせるものでした。

そこで「フルグラは、栄養バランスもいいし、健康にいい。しかも時短になる」というメッセージにして、雑誌やネットニュースで発信していきます。

それが徐々に浸透してくると、次に「いかに健康にいいか」「どうすれば美味しくなるか」を雑誌やテレビでとり上げられるように情報発信していきます。

最初は、フルグラを使ったホットケーキとかヨーグルトとかレシピを考案して発信。しだいに健康を重視したライフスタイル提案につなげていきました

世間の人が「どうやら健康にいいらしい」「美味しいらしい」「新しいライフスタイルだ」と思い始めた頃に、販促活動を本格化させます。

ここからは物量作戦です。実に1400店で店頭販売を実施。50万袋を配布。年間78万人以上に食べてもらいました。

その際、フルグラを勧めるだけでは弱いので、ヨールグルトメーカーなどと組んで「ヨーグルトと一緒に食べると、美味しいし、お通じもよくなるし、健康にいい」という販売促進を行いました。

他食品メーカーと組むやり方を、カルビーでは「オトモダチ作戦」と呼んだそうな。

その効果あって、2013年には売上100億円を突破。

2015年には、ターゲットを中高年の男性や子供にも広げて展開。

2016年の売上は300億円を超えており、目標を500億円に設定するに至っています。

いやー。ものすごい勢いですな。お見事です。

■フルグラが重要だというのは、海外展開の有力な弾になるからです。

2012年、カルビーは中国進出を試みて合弁事業を立ち上げるも、わずか3年で撤退したという苦い経験があります。

「じゃがビー」や「かっぱえびせん」の現地製造・販売に乗り出したものの、現地の商品より値段が高くなる。現地の商品と差別化しにくい。といった事情があったといわれていますし、現地製造に伴う様々な齟齬もあったことだろうと想像します。

ところがフルグラは、オリジナリティのある商品なので競合が起きにくい。さらに単価も高いので、国内生産、輸出で対応が可能です。

競合がない分、市場の創造が必要になりますが、それは日本で経験済みです。

日本でのやり方はある意味、教科書通りだったので、普遍的に通用すると思います。

■ただ、今回の海外進出について聞いてみると、日本で生産し、中国へはネット販売をするという形のようです。

参考:カルビー、課題は「ポテチ」よりも海外(日本経済新聞・有料記事)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO18315420Q7A630C1000000/

ネット販売ですか...

テスト販売なのでしょうかね。それにしては、海外販売で4割増を目指すと言っています。

どういうやり方をするのかわかりませんが、何とも腰の入らない計画に思えます。

これではアナリストから「今回も順調にいくかはふたを開けてみないと分からない」と言われるもの仕方ありませんな。

いまのところは需要があるかどうかを確かめる段階ということなんでしょうね。

■本来ならば、ネット販売という空中戦ではなく、流通チャネルをリアルに開拓する地上戦を展開しなければなりません。

そもそもカルビーが国内で強いのは、流通チャネルを独占的に押さえているからです。

商品がいいから売れているのではありません。流通チャネルを押さえているから売れているのです。

ここを間違えてはいけません。商品力は、主に流通開拓時に力を発揮しますが、一度押さえてしまえば、面積そのものが力となるのです。商品力は副次的なものとなります。

それを「売れているのは商品がいいからだ→いい商品さえ流せば勝手に売れる」と捉えてしまうと、新規開拓などできません。

中国進出を目指すならば、なるべく顧客に近いところでビジネスを展開すべきです。

すなわち、自身で流通チャネル開拓に赴くこと。現地社員を雇ってでも自分で開拓しなければなりません。

それが難しければ、提携相手のところに常駐して、密に営業状況を把握し、指導すること。

それができなければ、新規開拓など不可能です。

カルビーの記事を読むにつけ、結局、今の段階では、海外進出は始まっていないのだと思います。

■もうひとつ言うと、日本は間違いなく少子化ですから、国内需要が減っていくのは確実です。

松本会長兼CEOは「(スーパーなどで)菓子の棚が減れば、カルビーの扱いが増える」と発言しています。

確かにその通りです。衰退市場では、スーパー側も「確実に売れるものだけ残そう」という考えになるので、トップ企業の扱いが増大します。

しかし、そんなのんきなことを言っている場合ではありません。

市場は独占しすぎると疲弊します。カルビーは今でもシェア50%以上の独占状態を持っています。

それが70%を超えてしまうと、今度は顧客が離反していく要因となってしまいます。

(正確には73.9%。ランチェスター戦略の市場シェア理論による)

ただでさえセリングに寄りがりな営業姿勢なのですから、その上市場を完全独占してしまうと、流通業者でさえ反発するかもしれません。

トップ企業としては、市場の衰退を食い止め、さらなる成長状態を作ることが大きな役割の一つです。

そのために最も効果が高いのが、商品にイノベーションを起こすことです。

これまで女性をターゲットに減塩や無添加商品を投入するなどの改善を行ってきたカルビーですが、さらなる大きなイノベーションが必要になります。

美容、健康、新たな素材。このあたりで大きなイノベーションを起こさなければ、スナック菓子市場がじり貧になっていくのは確実です。

もちろんカルビーもそこは十分に理解していて、取り組んでいるわけですが、けっこう待ったなしの状況であると私は思います。

参考:カルビーがオープンイノベーションで100億円目指す 創業地・広島に新商品開発拠点を開設
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1008498/110800504/

■いずれにしろ、カルビーほどの会社が主力の分野で10年間、ヒット商品がないというのは、怠慢といわれても仕方ありません。

そういう業界は実は多いのですが...

しかし今や日本を代表する企業の一つとなったカルビーですからね

大きなヒット商品をもう2つ3つ作って世界に羽ばたいていただきたいと期待しております。



ビジネス書市場の展望

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■「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」で有名な公認会計士、税理士の山田真哉氏による記事です。

昨今、調子が悪いビジネス書出版業界の展望を書いておられます。

これがなかなか面白かったです。

1.予備校のように分かりやすく楽しく教えるというスタイルが拡大する。

2.新しい女性著者が登場する。

3.本格派が台頭する。

ということでした。

■2000年代。ちょうど私が独立した頃は、ビジネス書ブームのただ中でした。

世の中には、ワクワクするようだが、ちょっと胡散臭い、自己啓発書や成功指南本が溢れていました。

読みやすいし、自分でもできるような気がするので、なんだかんだと読んだもんです。

が、いつか読まなくなりました。

先行本の焼き直しとしか思えないようなチャラい本ばかりになってしまいましたからね。

それと、できる気がするだけで、実際にはできないし、やらないということに気付いたんですよね。

■いきおい、読む側としては、ちゃんとした研究データに基づく理論や古典を読もうという気になります。

哲学書のように深い思索が必要な本もこれから読まれるでしょうね。

ただ、いきなり岩波文庫収録の経済学書を読めと言われても困るので、それを分かりやすく解説した参考書的な本が必要となる次第です。

もっともこれからは、参考書で完結するようなお手軽本ではなく、原書にあたることを前提とした指南書が主流になるのではないか。

マラソンの指導書のようなものです。最終目標はフルマラソンを走ることで、そのためにどのような準備をして、どのようなフォームで走るのかを解説するわけです。

■あと記事には書かれていませんが、電子書籍もジワジワと広がってくると感じます。

おそらく紙の本が扱わないような内容のもの(自主規制の対象とか、流行遅れになったとか)がそこでは扱われるはずです。

電子書籍業界から出てきたスター著者がいれば、一気に盛り上がるのかも知れません。それが女性著者なのかも。







「接近戦」をルールとする機械メーカーの事例

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■片道1時間以上の顧客とは取引しない。などという方針をとる企業は実は多いと思います。

が、多くは小売りやサービス業など。地域住民をターゲットとしたビジネスです。

この記事のように機械の設計制作を行う企業というのは珍しい。

■ただその方針は合理的です。

競争が激しい業界においては、顧客と継続的な取引が可能となるような信頼関係を築かなければならない。

信頼関係を作るためには頻繁に接触をする必要があります。

だとすれば、すぐに行けるような場所にいた方がいいわけです。

各地域に支店があればいいのでしょうが、小さな企業の場合は、そうもいかないので、逆転の発想として、近くの得意先だけに絞るという決断です。

■記事の企業では、機械の設計制作をしているということなので、発注先と密に打ち合わせをする必要もあるでしょう。

今はメールもビデオ通話もあるのでその使い方を学べばいい、という人もいるでしょうが、それよりも直接会う方法を考える方が現実的です。

頻繁に接触し、信頼関係を作ることで、ヒアリングの精度も上がり、顧客の問題がどこにあるのかを知ることができるようになります。

有益な提案、顧客満足度の向上、アフターフォロー、継続取引とつながっていきます。

■ランチェスター戦略でいえば、弱者の戦略の一つである「接近戦」に即した方針です。

単にスローガンに終わるのではなく、こうした会社の規定として接近戦をせざるを得ないように仕向けるやり方は、基本に忠実なだけに、効果的な方針であると思います。

目先の受注額に惑わされず、方針を貫くこの経営者は立派です。

そのきっかけとなった逸話も「下町ロケット」みたいでいいですね^^

「あの事件がなかったら、こんな変わった戦略を打ち出すことはしなかった。きっといまだにうだつのあがらない会社だったはず。今となっては、気づきを与えてくれたと感謝している」

と仰っておられます。


東洋ゴムのニッチ戦略

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■ゴム業界の話です。

この業界、ブリヂストンがダントツのトップです。

国内では下記のような状態。市場独占しております。

1位 ブリヂストン [56.4]
2位 住友ゴム(ダンロップ) [12.3]
3位 横浜ゴム(ヨコハマタイヤ) [9.5]
4位 東洋ゴム(トーヨータイヤ) [5.9]
5位 東海ゴム [5.8]

ちなみに海外でも、ブリヂストンはトップ。ただしこちらは、まだ僅差のトップです。

1位 ブリヂストン [14.6]
2位 ミシュラン [13.7]
3位 グッドイヤー [9.4]
4位 コンチネンタル [6.0]
5位 ピレリ [4.3]


■ブリヂストンは、8割を海外から稼ぐグローバル企業です。

特に北米では強い。

記事でも主流となる18インチタイヤをおさえていることがわかります。

■これに対して、国内4位の東洋ゴムは、いろいろ問題があるようです。

2015年、建物の土台に使う免震ゴムのデータ改ざんをはじめとして、鉄道車両に使う防振ゴムでも不正が発覚しました。

「偽装だらけ」の東洋ゴムは、復活できるのか(東洋経済オンライン)

いまは立て直しの最中です。

■が、記事ではいい話です。

東洋ゴムとしては、北米で普通にやっていたら勝てないので、SUV用タイヤに特化した戦略をとっていました。

SUVが売れるとなれば、大手ブリヂストンやミシュランがミートしてくるので、さらに20インチの大型タイヤに照準を合わせています。

「勝てるところで圧倒的に勝つ」というのは、ランチェスター戦略の教えるところです。

同社は、現地新工場を作って、生産体制を強化し、勝ちを圧倒的なものにしようとしているところのようです。

勝ちが圧倒的になれば、他社はやってこなくなりますからね。

■東洋ゴムの売上は、国内第4位ですが、利益では3位企業を凌駕しているとあります。

1位以外は薄利。ただし4、5位あたりで高利益の企業がある。というのは、業界でよくある話です。

ニッチ戦略というのは、はまればそれだけ儲かるということを示しています。

ただ、これだけニーズが多様化している現在、大手企業もニッチ市場狙いにならざるを得ず、小さな会社がうまみのある市場をやすやすと見つけられる状況ではなくなってきています。

だから高利益を維持するためには「圧倒的に勝って、ライバルを寄せ付けない」という施策が必要になってくるわけです。


動画配信ビジネスがいよいよ本格化してきたのか

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■日経新聞の有料記事です。

ディズニーが、ネットフリックスへのコンテンツ提供を廃止して、自社独自の動画配信ビジネスを始めるとのこと。

アメリカでの動画配信ビジネスは、ディズニーが無視できないほどの規模になっているということです。
ディズニーを戦略転換に駆り立てたのは、消費者の動画視聴習慣の変化だ。米国では若者を中心に割高なCATVを解約し、ネットフリックスのような動画配信に乗り換える動きが年々加速。ディズニーの営業利益の4割近くを稼ぐ有料テレビ向け番組事業は、視聴者の減少とスポーツ放映権料など制作費高騰の板挟みになり、苦戦が鮮明になっている。
ディズニーのボブ・アイガーCEOは、
「メディア業界ではコンテンツの制作者と消費者が直接つながる傾向が強まっている。我々も消費者との関係を直接築き、市場の変化に素早く対応できるようにする」
と発言しています。まことにもって正論ですが、裏側にはネットフリックスへの危機感があります。

動画配信ビジネスがこのまま大きくなるなら(大きくなるのは当然でしょうが)ネットフリックスの発言力は増大していきます。

そうなる前になんとかせねばならん。今ならまだそれなりの勢力を築ける。という自信もあるのでしょうね。

今のところ
19年以降に公開する本体とピクサーの新作映画が主な対象で、マーベル・エンターテインメントとルーカスフィルムの作品の扱いは未定

ということですから、全面対決というほどでもないらしい。失敗した時の逃げ道も作っているようです。

■ネットフリックスとすれば、痛手です。

ディズニーグループは、一大コンテンツ産業ですから、その新作が配信できないとなると、サービス低下、顧客満足低下は免れません。

ディスニーは本気みたいなので、もう手遅れですが、これ以上他のコンテンツ制作者が逃げないようにしなければなりませんな。

とりあえずは、消費者の意見が制作者に伝わる仕組みを作って、コンテンツ制作者が仕事しやすいようにしなければなりません。

配信業者と制作業者が争うなんて、こんな不毛なことはありませんよ。

■消費者としても、こういう競争はやめていただきたい。

見放題だとかいいながら、どれだけの配信サービスと契約しなければならないんだ!

日本でも、ネットフリックス、アマゾンプライム、DAZN、WOWOW、ぞれぞれ提供するコンテンツが微妙にずれているので、困ります。

まったく別のものを配信しているなら諦めますが、重複しているコンテンツも多いので、結局は割高になるわけですよ。

その上、コンテンツ制作者が独自配信するとは。

いい加減にしてほしいもんです。

■業界を牽引する立場にあるネットフリックスは、消費者の利便性を高めるための施策を進めてもらいたい。

それがトップ企業の責任ですよ。

共同配信サービスを作るとか、個別番組配信を低価格化するとか、業界で考えていただきたい。

まあ、もともとディズニーは独自路線をとりたがる会社ですからね。仕方ありません。

これを機に、動画配信業界がよりよくなるように期待しております。




キンドルで売れるものって、こういうものなんですかね

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■こういう人もいるんですねー。

対人ストレスを抱えた人が、好きなこと興味のあることを追い続けた結果、生活に困らない程度のビジネスをつくることができた、という記事です。

この方、ストレスの多い日本を離れてカンボジアに渡り、そこでアンダーグラウンドに触れる生活をしていたらしい。違法なことも相当やったのでしょうかね。

いまは、自分が面白いと思うものだけを優先して載せた電子書籍を作って販売しています。

(目次だけを見る限り、コンビニの棚から撤去されたような怪しげな雑誌類が想像されます)

■ビジネスとしては、アマゾンキンドルとアマゾンビデオを使ったコンテンツの販売です。特にキンドルですね。

アマゾンには月定額を支払えば電子書籍の一部が読み放題になるサービスがありますが、こちらの書籍はそこに入っているらしい。(ビデオもプライム会員なら見放題です)

読まれた分だけ購読料が入る仕組みです。

アングラに触れたコアな電子書籍(雑誌)なので、読み放題のコンテンツとしては、食いつきがいいのでしょう。

いまだ普及してない電子書籍というジャンルで、今のところどういうコンテンツが売れるのかが、この事例から分かりますね。

■ただこの事例だけで独立起業のヒントとするのは危険ですな。

一つは、このビジネスに永続性はないということ。アマゾンキンドルが今後どのように方針転換していくのか分かりませんし、何よりこのコンテンツにいつまで客がつくのだろうかと危惧します。

もちろんこの記事の方は、市場環境に合わせてビジネスを転換していくのでしょうし、そのための注意力と根気と計画性は持ち合わせていると読み取れます。

決して楽々と好きなことだけをやる、という話ではありません。むしろ、ビジネスの基盤を作りにくい厳しい道をいかれていると思います。

■本当に計画もなしに好きなことを求める人は、普通はこういうことになるはずです↓


皆さん、今の仕事がやりがいになるように頑張っていきましょうね^^


君は内山高志を見たか

内山高志



(2017年8月10日メルマガより)


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■2017年7月29日。
日本ボクシング史上に残る名ボクサーが引退を発表しました。

内山高志。37歳。

WBA世界スーパーフェザー級王座を6年間に渡って11度防衛。(そのうち9度はKOかTKO)

一時期は"絶対王者"とも称され、WBAからはスーパー王者に認定されました。

※スーパー王者とは、正規王者の上位に位置づけられる存在。他団体の王者を同時に保有していたり、5〜10度以上防衛している王者が認定される。

■スーパーフェザー級は、体重58.97キログラム以下の階級です。

内山高志の身長が171センチなので、およそ日本人の平均身長です。

アジア人中心の軽量級とは違って、世界中の強豪がひしめく激戦階級といえます。

その階級で、内山高志は、対戦相手として避けられるほどの強い王者として君臨しました。

■しかし、内山高志の価値は、そんな記録にみられるだけにあるのではありません。

本当の価値は、彼が成し遂げてきたもののプロセスにあります。

「センスもパンチ力もなかった」

それが内山高志がしばしば口にするボクシングを始めた頃の自己評価でした。

そんな凡庸な選手が、どのようにして世界から畏れられる名王者になっていったというのでしょうか。

■内山高志がボクシングを始めたのは、高校生になってからでした。

辰吉丈一郎に憧れたという内山少年ですが、喧嘩慣れした不良だったわけではなく、それまで野球やサッカーをやっていたごく普通の高校生でした。

体育の成績も普通。特に身体能力が高いわけではなかったようです。

ボクシングの強豪・花咲徳栄高校であったとはいえ、目立つ存在ではありませんでした。

それどころか同級生と比べて「センスがない」と自覚するような存在でした。

そこからさらに強豪の拓殖大学に進学。全国の精鋭が集まる同大学ボクシング部で内山は戦力外の扱いで、試合中には荷物番をさせられていたそうです。

■そもそもボクシングは「才能のスポーツ」だと言われます。

もちろんあらゆるスポーツは才能がない者にとって厳しいものです。趣味として楽しむならいいのですが、プロとして高いレベルでやっていくには飛びぬけた才能が必要になるでしょう。

が、そんな中でも、ボクシングはより才能を求められるものだと言われています。

汗の最後の一滴まで搾り取るような減量を経た後に、技術を極めた選手同士が、狭いリングの中で顔を殴りあう競技です。

動体視力、瞬間の反応、スピード、身体そのものの強さ、スタミナ、パンチ力、闘争心。

いずれも高いレベルで持ちあわせていないと、プロにはなれません。

しかも瞬間で決着がつく競技なので、考えている暇はありません。身体で反応しなければ勝ち目がないどころか、重大な事故につながりかねません。

世界チャンピオン経験者も「早い段階で才能がないと悟ったら辞めるべきだ」と発言しています。

■だからプロボクシングでも、4回戦や6回戦あたりでは、ろくに練習をしないのにやたら強い選手の存在が見られます。

それどころか、海外では、ほとんど練習していないのに世界チャンピオンにまで上り詰めた怪物選手の話がまことしやかに流れています。(ロベルト・デュランとかね...)

強いやつは強い。いくら練習をしても、才能のあるやつには敵わない。

ひところは、それがボクシング界の半ば常識でした。

確かに、世界チャンピオンになる人の成績は、ほとんどが全勝です。悪くても1、2敗。最初の頃から負けているようでは、世界チャンピオンになる才能はないということです。

■ところが、大学入学時に、戦力外扱いされて荷物番だった内山高志選手は、その悔しい思いで反発します。

すなわちレギュラー選手が練習を終えた夜、居残って練習を開始します。

レギュラー陣の3倍練習しなければ追い付けない。というのがその時の危機感だったようです。

夏休み、同級生が帰郷すれば、これ幸いとばかりに練習に明け暮れます。

練習量では負けない。というのが、高校・大学を通じて内山選手が守った意地でした。

才能で勝てないなら量で対抗する。というのはしごく真っ当な競争意識です。しかしそれをやりきる人はごく少数です。

そういう意味では、決めたことをやり通すという闘争心の持続は、内山選手が持っていた最大の才能なのかもしれません。

■レギュラー選手の調整相手(要するに殴られ役)だった内山選手は、いつしか彼らを圧倒する存在になっていきます。

特に練習量に裏打ちされたスタミナは、センスに溢れたレギュラー陣を打ち負かす原動力になっていったようです。

練習すれば勝てる。という成功体験は、内山選手をますます練習の虫にさせていきました。

その結果が、大学4年時の全日本選手権制覇につながっていきました。

その後社会人時代にかけて、全日本3連覇を達成。プロ入りする頃には「世界チャンピオンになれる素材」といわれるようになっていました。

■内山高志選手のこうしたキャリアをみると、「1万時間の法則」を思い出します。

参考:新社会人に贈る「1万時間の法則」
https://www.createvalue.biz/column2/post-418.html

時間は誰にも公平に与えられた資産です。

その資産をどのように使うのかは、それぞれが等しく持つ権利といえるでしょう。

その権利を内山選手のように一つの目標のために使うのか。

あるいはその時々の気晴らしや欲求充足のために使うのか。

各個人がどのように権利を行使するかで、得られる成果は大きく変わってくるという事実を肝に銘じておかなければならないと思う次第です。

■内山高志選手といえば「ノックアウト・ダイナマイト」と称されるKOアーチストでした。

その凄まじいパンチは、世界戦10KOorTKOという脅威的な結果を生むと同時に、内山選手自身の拳や肘を破壊するなどの副作用を起こすほどでした

しかし、もともと内山選手はパンチ力のある方ではなかったと言っています

実はこれも練習の賜物です。

大学時代、リングで練習させてもらえなかった内山選手は、サンドバッグをひたすら思いきり叩くという練習を繰り返していたそうです。

それがパンチ力の基礎となりました。

プロになってからもさらに練習の虫だった内山選手は、スパーリングなどで強いパンチが打てた時、その時の身体の動きを分析・再現し、偶然打てたパンチを意識して打てるように訓練していったといいます。

ということは、パンチ力に限らず、内山選手の技術は、こうした細かな研究と工夫の上に徐々に積み上げられていったということです。

内山選手がチャンピオンになってからさらに強くなっていったというのは、偶然でも何でもなかったことがこの逸話からも分かります。

その行動はまるで、成績のよい営業マンが、成果が出た際の行動を分析し、習慣化することで、業績を上積みしていく自己管理に似ています。

どの分野でも一流の人がやることは似ています。

内山選手なら今後何をやっても成功するのだろうなと思わずにはいられません。

■引退会見において、内山選手は「悔いがない」と言いました。

しかし本心は違うはずです。内山選手ほどの実力があれば、海外の強豪とも互角以上に戦えたはず。本場といわれるラスベガスのリングに上りたかったことでしょう。

現在、日本のジムに所属する世界チャンピオンは13人にのぼります。

しかしそのうち世界的な知名度のある世界チャンピオンはごくわずかです。

今はボクシングの認定団体が増えて、世界チャンピオンが量産されている時代なので、世界チャンピオンというだけでは、世界に認められないという奇妙な状況です。

したがって無名の世界チャンピオンではファイトマネーも上がりません。逆にいうと、ラスベガスで人気を得たボクサー同士の戦いでは、世界タイトルマッチでなくても巨額のファイトマネーが与えられます。

一晩で何百億も稼ぐという恐るべき人気ボクサーが存在するのも事実です。

金がすべてではありませんが、そんな別世界に手の届く実力があるのに、行くことができなかった悔しさは推して知るべきです。

もっとも内山選手のように、世界的には無名なのに実力があるというボクサーが最もやっかいです。

有名選手もそんなリスクの高い選手を対戦相手に選びたくはないでしょう。彼らが言う「あんな無名選手相手では稼げない」というのは、手強い相手を避ける時の常套句ですからね。

内山選手の所属ジムが日本国内でのビジネスに固執したきらいもあったことでしょう。そういう意味では、内山選手は不運でした。

■日本のボクシング・ビジネスはいま、岐路を迎えています。

世界チャンピオンの地位が下落する一方、ラスベガスにおいては大金が動く市場があります。

当然、実力のあるボクサーは、大金が稼げるステージを目指すことになります。

奇しくも内山選手と時を同じくして引退表明した三浦隆司選手は、所属ジムの方針もあって早くから海外で試合をすることを志向してきました。

三浦選手の不器用だがKO必至のスタイルは海外でも人気を博し、最後にはラスベガスでメインイベンターに選ばれたほどです。

もし最後の試合に勝っていれば、三浦選手のファイトマネーの桁が一つ上がっていたことでしょう。実に残念です。

三浦選手に続けと、いまは多くの選手がラスベガスで試合をすることを目標にしています。

そして、今年9月9日には「日本ボクシングの最高傑作」といわれるモンスター井上尚弥が、初めて米国進出します。

今は、ユーチューブに試合動画が投稿されるので、国内チャンピオンでも実力者は、海外のボクシングマニアに知られることなります。その中でも、井上尚弥の実力は圧倒的であると話題になっていました。

今回はその人気を買われて海外からのオファーに応える形での進出です。

井上尚弥が海外のステージでどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみでなりません。

■その井上尚弥選手も、誰にも負けない練習量を誇ることで知られる存在です。

今や、ボクシングといえどもナチュラルに強いというだけでは、トップランクには行けない世界になっています。

昔のように、調子のいい時はすごい実力を発揮するが、ダメな時はあっさり負ける、というような天才型のボクサーでは、トップランクに居続けることはできません。

(興行主も、そんなボクサーは怖くて使えないでしょう)

特にラスベガスでは、トップ選手同士のスリリングな試合を求められますから、そこで生き残るのは、相当の努力が必要です。

日本でも井上尚弥選手ほどの天才が厳しい練習に自らを追い込み、しばしばオーバーワークで試合ができなくなる怪我を負うほどです。(それでも勝つのですが)

そんな井上選手が、拳を怪我した際に、相談にいったのが、内山選手でした。

有数の実力者であると同時に頭がよくて冷静、さらに人格者として知られる内山選手は、さながら日本ボクシング界の精神的支柱のような存在であったようです。

内山選手ほどの実力者が努力を惜しまないのだから、後に続く者がサボっていいわけがありません。

現在の日本ボクシングの興隆に内山高志選手の存在は重要な影響を持っていたと考えます。

■一方、海外でも引退を惜しまれている三浦選手ですが、彼が初めて世界タイトルに挑戦したのが、内山選手の3回目の防衛戦でした。

この試合で三浦選手は、3ラウンド、得意の左ストレートで、内山チャンピオンからダウンを奪います。

しかし態勢を立て直した内山選手に滅多打ちされた三浦選手は8ラウンド終了時点で試合放棄に追い込まれます。

いつも強気の三浦選手が「あのまま続けていたら死んでいた」とコメントしたほどでした。

しかも、その時の内山選手は右拳を負傷して、ほぼ左手一本で戦っている状態でした。全盛期の内山選手は、それ程の凄みがあったのです。

内山選手は、実力があるのに日本国内から出なかった最後のチャンピオンになるのかもしれません。

悔しい思いはあったでしょうに、引退会見で感謝の言葉だけを述べた内山選手は、最後まで王者の風格に満ちていました。

リング上での闘争心は押し殺し、どんな人にでも丁寧に優しく接していたという内山選手は、記者たちからの人気も抜群だったといいます。

内山選手の第二の人生が素晴らしいものになることを祈らずにはいられません。


参考:記憶に刻まれる有数の王者・内山高志 努力で昇華した遅咲きのボクサー人生
https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201707300003-spnavi

参考:リングを去る心優しき王者・内山高志。笑ってさよなら、涙はいらない
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/othersports/fight/2017/08/02/___split_24/

参考:【ボクシング】荷物番だった内山高志を変身させた「大学1年の夏」
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/othersports/fight/2015/07/30/post_433/

参考:内山高志のパンチは「変化」する。強さ、角度、伸びのバリエーション。
http://number.bunshun.jp/articles/-/822420

参考:スーパーフェザー級で戦うということ──内山と三浦、引退
http://www.sponichi.co.jp/battle/news/2017/08/06/kiji/20170805s00021000122000c.html



成功する社長はみんなケチ

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■これは面白い記事です。ぜひお読みください。

著者は「ひふみ投信」というファンドの代表者(マネージャー)です。多くの経営者と会って投資してきた経験から、成功する社長の特徴を書いています。

その特徴とは

1.ケチで細かい

2.出されたお茶を飲み干す

3.ラーメン店をやると成功しそう

な人だということです。具体的なような抽象的なような。でもよくわかるたとえです。

特に3のラーメン店をやると成功しそうだ、というのは面白いですね。確かに、バイタリティと堅実さと気遣いがミックスされているような人が思い浮かびます。

■ちなみに私が考える成功する社長の条件とは「営業と経理を理解している」ことです。

当たり前すぎますかね。

精通までしていなくて結構ですが、現場担当者や会計士を問いただせるほどの理解は必要です。

お金をどのように入れるのか、そのお金をいかにして会社に残すのか。これが経営の根本だと思う次第です。

■1の成功する経営者はみんな細かくてケチだというのは、全くその通りだと思います。

利益が出る出ないというのは、常に紙一重ですからね。

その紙一重を積み上げられる社長だけが生き残っていると感じます。

本当にアバウトな人が長く続けている例をみたことがありません。


ドウシシャ 弱者の戦略の徹底

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■ドウシシャさん。大阪の会社です。

以前、会社員だった頃、業界がかぶっていたので、何度か営業の方とお話したことがあります。

その時、確かに「うちの経営理念はつぶれないことです」と仰っていました。

面白い会社だなあと思った記憶がありました。

■つぶれない会社を実現するために、部門ごとに独立採算で動いていて、商品開発や販売もそれぞれの部門が独自に運営をしているスタイルをとっているそうです。

経理的には、京セラのアメーバ経営みたいなものですかね。

会社全体の一貫性が出しずらいので、大きな成長は見込めませんが、各部署がそれぞれ黒字化を至上目標としているので、大きな失敗はないやり方です。

まさに理念通りの運営です。

■営業としては、小さな市場を設定して、そこでナンバーワンをとるという弱者の戦略の徹底です。

かき氷器とか、小さな市場でしょうが、それだけに大手企業が参入してこなかったのでしょうね。そういう隙間を集めてビジネスにしているようです。

ステンレス魔法瓶もそうですね。魔法瓶自体、大きな市場ではありませんが、そこにはサーモスや象印がいて手ごわい。そこでドウシシャは、「デザインボトル」というカテゴリーを勝手に設定して、そのマーケットで日本一を目指したというわけです。

おそらく魔法瓶の販売先も、上位企業が主流とする量販店ではなく、ディスカウントストアやドラッグストア、雑貨屋などを狙っているのでしょう。

強いライバルと争うのを避けて、勝ちやすきに勝つ。というのは、単純ですが効き目のある戦略姿勢です。

それを徹底しているドウシシャの経営姿勢は立派だと思います。

逆にいうと、タイガー魔法瓶やピーコックなどは、ドウシシャを狙い撃ちにすれば、いいんですけどね。(足下の敵攻撃の原則による)

ツタヤって、どういう未来を描いているのでしょうか?

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■ツタヤが、小売り向けの店舗企画会社に変貌しつつあるという記事です。

CDやDVDのレンタルが縮小していくのは自明のことです。次のビジネスとして、試行錯誤してきたのが、異業種との提携でした。

スタバと提携して店舗を作ってみたり、図書館の運営をしてみたり。

そうして蓄積してきた店舗づくりのノウハウを家電量販店などに提供していっているようです。

■しかしツタヤが手掛けるべきは、映画などのオンライン配信ビジネスではなかったのか?

ネットフリックスのような存在になれる可能性もあったはずです。

が、増田社長は「加盟店のビジネスを毀損することに遠慮した」とその理由を語る。

要するにレンタルDVD店を運営するFC加盟店の手前、ネット配信事業にはいけなかったということですよ。

既存ビジネスと食い合いになってしまうので新しいことができなかった。というのは、衰退する企業がいつも言うことなので、気になるところですけどね。

だから「ネットで提供できないこと」をとにかく店舗に詰め込むという現在の方針も、消去法で仕方なくやっているのではないの?と思ってしまいます。

■それにしても、小売り店舗の企画事業というのは、こじんまりしたビジネスです。

それでツタヤ自身はどのような未来を描こうというのでしょうか?

祖業である本やDVDのレンタルという中心がなくなれば、本当にただの企画会社になってしまいます。

中核となるビジネスを早く作らなければ、じり貧になってしまうと思うのですが、それが見えてこないんですよね。

金本知憲監督はすべての中間管理職の象徴だ

金本監督



(2017年7月27日メルマガより)


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■獣王無敵我らが阪神タイガースが正念場を迎えています。

2016年7月26日現在、46勝41敗。首位広島から11ゲーム差。

26日のDeNA戦に敗れたために、3位転落です。

春先には首位に立っていたことを考えると、画に描いたような失速です。

このままずるずると後退してしまうのか、あるいは再び盛り返して首位争いに挑んでいくのか、まさに岐路に立っているといっていいでしょう。

■しかし「若手を育てながら優勝争いをする」ことを標榜して臨んだ金本知憲監督2年目の今年、一時は首位に立ったこともあった戦いぶりは十分に評価できると考えます。

それに生え抜きの若手が徐々にでも育ってきていることも評価できます。

なにしろ阪神タイガースといえば、生え抜きの若手が育たないことでは定評がありましたからねー

いまの主力レギュラー選手の中で、生え抜きは、鳥谷ぐらいではないですか?

鳥谷といえば、2003年のドラフトで入った選手ですよ。13年目のベテランです。

今までの監督は何をしてきたんだって思ってしまいますね。

それに比べると今年の阪神タイガースは楽しみな若手がいっぱいいます。

昨年の新人王、高山俊。

久々の長距離打者、中谷将大。

育成上がりの強打者、原口文人。

怪我してしまいましたが今年の新人、糸原健斗。

そして早くも本塁打を放ったドラフト1位の大山祐輔。

投手でも、今年の新人、小野泰己。

変則右腕の青柳晃洋。

本格左腕の岩貞裕太。

ようやく開花した大型右腕、秋山拓巳。

などなど。

■もちろんチームが強くなるためには、金本監督一人の力ではままなりません。

フロントの戦略方向性。

現場選手の個々の力。

そしてその中間にいる現場首脳陣が役割を果たさなければなりません。

従来、阪神タイガースは、フロントの戦略方向性が定まらず、どのようなチームづくりをしたいのかが見えてこないと批判を浴びてきました。

このあたり「優勝は3年に1度でいい。そのために若手を育てる」という北海道日本ハムファイターズの戦略性を見習ってほしいと常々考えておりました。

ところが、昨年、金本監督を招聘するにおいてフロントは「勝利はいいから、若手を育ててくれ」と依頼したと言われています。

そのフロントの発言は、目先の利益を追求する姿勢が目立つ阪神フロントとしては、画期的なものではありませんか。

■ところが金本監督はフロントの考えをきっぱりと否定し「優勝争いをしながら、若手を育てる」という方針を打ち出しました。

何と潔い宣言でしょうか!

金本監督のいう「超変革」とは、まさに甘えを断ち、勝ちながら育てるという困難な道を進むものだったのです。

■が、考えてみれば、この「勝ちながら育てる」というのは、何も金本監督だけが特別にしていることではありません。

会社組織においても、それぞれの組織が目標を達成するために戦っています。

同時に、中間管理職にある方は、自分が預かったチームメンバーの成長をサポートする役割を担っています。

「チーム目標を達成しながら、メンバーを成長させる」というのは、多くの会社の管理者が役割としていることなのです。

いうなれば、金本監督は、中間管理職が普遍的にやらなければいけないことを、阪神タイガースの監督という立場で、やっている人なのです。

すべての中間管理職は、金本監督に共感し、応援しようじゃありませんか!

■念のためにいうと、会社組織は基本的に、経営陣、中間管理職、現場担当者の三層で成り立っています。

経営陣が戦略方向性を決め、中間管理職がそれをかみ砕いて管理し、現場担当者が実行する。

これがスムーズな姿です。どの層が抜けても、会社としての力を発揮することができません。

■その中で、ある意味、最も難しいのが中間管理職の立場におられる方です。

中間管理職は、経営陣と現場担当者の橋渡し役であり、パイプ役です。

ということは、経営陣が打ち立てる経営戦略を理解しておかなければならず、同時に、現場担当者がどのように動いているかを把握していなければなりません。

中間管理者は、双方に通じていなければならない。いわば、会社の全体を掴んでいなければならない立場の人たちなのです。

■ところが、実際には、いろいろと齟齬が生じます。

たとえば営業の場合、現場で優秀な成績を収めた者が、中間管理職に抜擢されることが多いはずです。

しかし、現場担当者としてやるべきことと、中間管理職としてやるべきことには違いがあります。

はっきりいうと、優秀な現場担当者が、優秀な管理者になれるとは限りません。

野球でいう「名選手、名監督にあらず」というやつです。

もちろん管理者になった者が、その役割と職責をよく理解し、新しい仕事だと認識した上で職務に励むならいいのですが、しばしば勘違いが起こります。

現場営業時代と同じような仕事をしてしまう人の存在です。部下の成績には目もくれず、自分の成績を上げることに躍起になってしまうのです。

こうなれば、彼が預かる組織は機能しなくなります。

■今は、こういう理屈がある程度浸透しているので、表立った大きな問題は少なくなったのかも知れません。

しかし、私が会社員だった十数年前はひどいものでしたよ。

私の知っているある上司は「おれはバカな部下は相手にしない」と平気で言ってましたからね。

その人は自分の成績を上げるのに一所懸命で、部下ができないのはバカだからだ。おれのチームにバカを回すな!と平然と仰っていました。

私もその頃は「それが会社のルールなんだ。バカと言われないように頑張ろう」って健気に思っておりましたが、今思うと、一番バカはその上司です。

その人は管理者としての業務を一切放棄すると堂々と宣言していたわけですからね。そんな人を管理者にしている会社もバカです。

■それに比べて金本知憲監督のなんと思慮深く、なんと努力家であることか。

その就任にあたっては、コーチ経験のないキャリアに疑問を持つ向きもありました。

人気選手をそのまま監督にして、客寄せにしようとしているだけじゃないかとうがった見方もあったようです。

ところが、金本監督はそんな浅はかな気持ちで阪神タイガースの監督になったわけではありませんでした。

彼は相当の覚悟を持って、監督要請を受諾しました。それは、この2年の戦いぶりをみていて、十分に伝わってきます。

■繰り返しますが、中間管理職に期待される役割とは、預かったチームの目標を達成すること、および、預かったチームメンバーを成長させることです。

要するに「優勝を目指しながら、若手を育てる」という金本監督の姿勢です。

管理者は、当然ながら自分の成績など二の次で、メンバーの目標達成をサポートしなければなりません。

同時に、メンバーが業務に必要な知識や経験を得られるように、工夫しなければなりません。

「ベンチがアホやから野球できへん!」とはギリギリ言ってもいいかも知れませんが、「選手がアホやから野球できへん!」と言うのはアウトです。

管理者の能力がないって告白ですから。

■金本監督が一般の中間管理職と違うのは、彼が既にプレーヤーではないことです。

幸か不幸か、多くの会社の中間管理職は、自ら現場担当者でもあります。営業でいえば、自分の売上目標を持っています。

チーム全体の売上目標に加えて、自分の売上目標を持っているわけですから、ダブルで大変な責任を持たされています。

あまりにも大変なんで、自分の売上目標だけでも達成しよう!できれば、チーム全体の目標も自分で達成してしまおう!と怠慢なことを考えてしまう気持ちもわからないではありません。

おそらく金本監督も「おれが代打で出た方がマシだ」と何度も思ったことでしょうね。

だけどそれでは、若手が育ちません。

これまでに何度、大事な場面でベテランを使いたかったことか。あるいは何度、ベンチから細かい指示を出したかったことか。

しかし金本監督は、期待した若手に修羅場の経験を積ませ、自分で考えて切り抜けることを優先してきました。

それが現時点で3位という成績につながっているとすれば、決して悪い結果ではないと信じます。

■最近では「名選手は必ずしも名監督ではない」という理屈が浸透してきたようで、新任管理者の方々も、現場担当者だった時の実績に関わらず、管理とは何たるかを学び、工夫されようとしています。

いいことですよ。

現場担当者と管理者の役割は違うものだし、それに要求される能力も異なるものです。

だとすれば、わざわざ管理者にならなくてもずっと現場で活躍する人がいてもいいでしょうし、現場実績がいまいちでも、管理者として能力を発揮する人がいてもいい。

野球でいうと先頃亡くなられた上田利治氏など、選手時代の成績はパッとしませんでしたが、監督になってからは存分にその能力を発揮されました。

あるいはサッカーの世界では、プロ選手経験のない人が、トップチームの監督をされる例もあります。

役割と機能が違うという理屈に従えば、それも在りうることでしょう。

■ところが、そのために新たな問題が起きています。

そもそも我々はなぜ上司の言うことを聞かなければならないのか?

職責上の上長だから?

確かに「おれは課長なんだから命令に従うのは当然だ」と居丈高に言う人もいますが、そんなやつの言うことを素直に聞くほど我々は初心ではありません

逆らえば罰則を与えられる?あるいは従えば得をする?

それもあるでしょうが、人事権などを振りかざして迫る上司など侮蔑の対象になりこそすれ本気で従う気になれません。

やはり上司たるもの自分より知識もスキルもあり、自分が現場で困った時に導いてくれる存在であってほしい。

そう思う人は多いでしょうね。

■ところが今は、市場の変化が激しく、現場のことを正確に深く理解することは、現場担当者にしかできないことです。

現場一筋何十年という人もいるのですから、そんな人のスキルや経験に太刀打ちできないことも多々あるでしょう。

今は年下の上司、年上の部下など普通にあります。

現場経験もありスキルもあり、少なくとも自分は上司よりも仕事ができると信じ込んでいる年上の部下に対してどう接すればいいのか?

これはシリアスな問題ですよ。

中日ドラゴンズを4度のリーグ優勝に導いた名将落合博満監督は、言うことを聞かない生意気な選手がいたら「文句あるなら、おれの現役時代の成績を抜いてから言え」と言ったそうです。

なんとズルい言い方か!そんなの三冠王3度、史上最高の右打者の成績を抜けるわけがない!

こんなの指導者としての怠慢だと思うので参考にしないでください

ところが金本監督も生意気な選手の指導に苦しんでいます。

誰もが阪神タイガースのエースとしての未来を疑わない最速160キロ右腕、藤浪晋太郎です。

この規格外の大器を誰もが持て余しているようです。

なにしろこの選手、誰のアドバイスも聞かないらしい。

そらそうですね。藤浪ほどの才能を指導できるコーチはなかなかいないでしょう。阪神でいえば、村山實か江夏豊クラスの大才ですよ。

それに加えて、藤浪自身そうとう頑固な性格らしく、聞く耳を持たないものですから、周りは腫物に触るように接していると聞きます。

金本監督も困り果てたのでしょうかね。昨年の7月8日の広島戦で、序盤ふがいない投球をした藤浪をそのまま161球も投げさせるという懲罰とも思われる登板を強いました。

チーム内では喝采を受けたかも知れないこの措置も、さすがに間違いだったと私は思っています。

結果として、藤浪が心を入れ替えて、コーチの助言を聞くようになったという話を聞きませんからね。

今年、危険球まがいのボールを連発した藤浪は、無期限2軍調整中の状態です。

藤浪という才能をいかに開花させるのか?

これは金本監督に課せられた最も大きな課題であり、試練だといっていいでしょうね。

■金本監督ほどではないとしても、多かれ少なかれ管理者は「藤浪問題」を抱えているはずです。

個人的にいうと、コンサル現場では、どこも藤浪だらけですよ^^

「なんで現場をロクに知らないお前に従わなければならない?」とみんな思っています。

そんな状態でいかに人を動かすのか?

マニュアル的な解答はありません。日々、新たな答えを探し続けております。。。

■ただ現時点でのヒントをいうとすれば、

人は「この人のいうことなら従おう」と人格に従う場合と、

「この人に従っていれば成長できる」と専門性に従う場合があるようです。

すなわち、管理者たるもの公正で誠実で思いやりと節度のある人格を持ち、かつ、部下を感銘させる専門性が必要です。

人格のことはともかくとして、専門性とは何か?

先ほど、現場のことは担当者の方が詳しいと言ったばかりですね。

ただ管理者の専門性とは、現場行動に関することだけではありません。

目標達成するための目標管理の知識とスキル。PDCAを回すスキル。問題解決のスキル。戦略立案のスキル。

さらには成長するための知識や経験を得るための方法論など。

つまり管理者として持っていなければならない専門性をできるだけ高いレベルで持っていること。

これが上長としての権威となり、円滑な組織運営につながっていくはずです。

少なくとも私はそう考えて、コンサルティングに臨んでいます。

■これが野村克也監督なら。

もしかしたらもっとうまくチームを考える集団に変えて、強いチームにしていったのかもしれません。

江夏をその気にさせたように、藤浪をエースに育て上げるのかもしれません。

あるいは落合博満監督なら、チームの基礎体力を鍛え上げた上で、抜群の勝負勘をもって勝たせながら育てる状況を作っていったのかもしれません。

それに比べて金本知憲監督は、不器用なのかも知れない。若いコーチ陣とともに、試行錯誤を重ねながら、与えられた課題に取り組んでいるようです。

参考:金本監督は恩師に「よう似とる」。高代コーチが思い出す、ある逸話。
http://number.bunshun.jp/articles/-/828548

だからこそ、私は、金本知憲監督を応援します。

金本監督こそ管理者としての職務に真摯に向き合い自ら成長しようとしている人だから。

その悩みも失敗も逡巡も含めて、すべての中間管理職を代表する存在であり、象徴であると思うから。

皆さん。

金本監督を見守り、応援していこうではないですか。

これからもずっと、永遠に。


ポップアップストアとは

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■ポップアップストアとは、空き店舗などに突然開店し、短期間で消えてしまう店舗のこと。イベント的な開店や、テストマーケテイングなどに活用されることが多いようです。

こういう形態の店舗は、SNSなどで話題になることが多く、拡散力があります。したがって、尖ったコンセプトで、都心一等地に出店すると効果が大きくなります。

記事では、売上よりもPRの場としてポップアップ店を利用する企業の事例が紹介されています。

■記事には、不動産業者もポップアップ店舗に対して協力的になりつつあるというようなことが書かれていました。

が、これは米国の事例です。

日本はどうかな?と探してみると…ありましたね。


こちらは「軒先ビジネス」という名称の不動産仲介会社のようですね。

やっぱりあるんだーと感心いたしました。


エイベックスのグーパーチョキ戦略

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■エイベックスのビジネスの変遷を書いた記事です。

1.エイベックスはもともとレコードの輸入卸売業者だったらしい。

2.trfのデビューを機にコンテンツのマネジメントを始めます。

3.CDが売れない時代になるとライブ事業を強化。所属タレント以外のライブも手掛けるようになります。

4.ライブ事業のノウハウをいかして、花火大会などのイベントも手掛けるように。

■顧客の変化や自社の成長に合わせてビジネスを展開していく様子がわかって興味深い。

要するに蓄積したノウハウや経験の周辺に新たなビジネスを立ち上げながら、成長を続けているわけです。

こういう顧客ずらしや変わり身は、小さな企業こそ見習わなければなりませんな。

■ちなみにランチェスター戦略では、グーパーチョキ戦略といって、最初は一点集中(グー)、次に周辺事業に展開(パー)、のち取捨選択(チョキ)で、成長するというモデルがあります。

そうすることで、顧客が変化しても生き残ることができるわけです。

今回のエイベックスの話は、グーパーチョキ戦略の一部分の事例だと読むことができます。


自然界のランチェスター戦略

自然界のランチェスター



(2017年7月13日メルマガより)


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■今回はある書籍を紹介いたします。


参考:「弱者の戦略」稲垣栄洋著(新潮選書)
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4106037521/lanchesterkan-22/ref=nosim

この本は、自然界の動植物が生き残るためにとっている「戦略」について書かれたものです。

自然界は、最も強い者しか最終的には生き残れない厳しい競争の世界です。

ですから、いま現在生き残っている生物はすべからく凄まじい生存競争に生き残ってきたものたちなのです。

弱者にしか見えない彼らが、生きるためにどのような能力を身に着け、どのような工夫をこらしているのか。

抜群に面白い本ですのでおすすめいたします。

■そういえば、数年前、インターネットの掲示板に

自然界は弱肉強食が当たり前なのに人間の社会は生きる力のない者を税金で守っている。これは自然の摂理に反しているのではないか」

という意見が載って話題になったことをご存知でしょうか。

一見もっともらしく聞こえる意見ですが、実際には的外れです。

なぜ的外れなのか?ということをこの「弱者の戦略」という本が教えてくれます。

私なりの見解を本文に載せていますので、ぜひ最後までお読みください。

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■唐突ですが、ナマケモノという動物をご存じでしょうか。

中南米のジャングルで木の枝にぶらさがって一生を過ごす奇妙な生き物です。

聞くところによると一日のほとんどを寝て過ごし、群れをつくることもありません。動きはすこぶる鈍い。餌はぶら下がっている木の葉やコケなど。

なんでこんな生き物が絶滅もせずに生き残っているのでしょうか。

■これって、自然淘汰をとなえた進化論に反しているんじゃないか。などと常々思っていたのですが、先ごろ、ある本に書いてあることをみて納得しました。

ナマケモノというのは、毒性のある種類の木の葉を消化できる能力を持っているのだそうです。そんな毒葉を好んで食べる生物は他にいませんので、他の動物と競合しません。したがって、ぶら下がった木は、自分ひとりの縄張りとなります。

しかも、ナマケモノはあまり動かないのでエネルギーを使いません。だから小食で、自分がぶら下がっている木を食べつくしません。

本当にエコな生き物です。

■こんな生き物、外敵に弱いだろうと思うのですが、そうでもないらしい。

南米にはピューマやジャガーという肉食動物がいますが、彼らは泳ぎもできるし、木登りもできる厄介な外敵です。

ところが動体視力に優れた彼らも、静止しているものを見分けるのは得意ではありません。

すなわち木の枝でじっとしているナマケモノを獲物として認識する能力に若干欠けているきらいがあります。

そのため、外敵に食い尽くされてしまいそうなナマケモノが見逃されて生き残っているといいうのです。

■要するに、ナマケモノというのは、特殊なものを餌とし、燃費がすこぶるよく、外敵に見つけられにくいという特徴を持ったために自然淘汰されずに生き残っているのです。

これもまさに進化論が正しいことを示す例なのだということでした

このナマケモノのことを読んだのは、下記の書籍です。

参考:「弱者の戦略」稲垣栄洋著(新潮選書)
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4106037521/lanchesterkan-22/ref=nosim

「戦略」とありますが、企業戦略について書いた本ではなく、生き物(動植物)が生き残るために持った特徴について書かれています。

個人的には抜群に面白い本だと思いますので、おすすめさせていただきます。

■生き物は厳しい競争の世界に生きています。

生き物の種は、同じものを餌とする限り、同時には存在できない。と考えられています。

餌が充分豊富にある場合でも、一方の種が、他方の種を駆逐してしまうまで競争を止めないそうです。

つまり、強者である1つの種しか生き残れない。

■これって、1位だけが強者、その他はすべて弱者。

競争においては強者が圧倒的に有利であり、弱者は競争を避けるための何らかの手を打たなければ生き残ることもできない。

というランチェスター戦略の考え方に合致するものです。

この本の中には、ランチェスター戦略についての記述があり、ナンバーワンしか生き残れないというルールは、「自然界のしくみともよく合っている」と評価されています。

実際、この本に書かれている動植物の生き残るための工夫は、企業経営にも大いに参考になるものだと考えます。

それにしても同じ条件下では1種類の生物しか生き残れないとは何と厳しい条件でしょうか。

しかし、です。

実際のところ、我々の周りをみても、生物というのは多様多彩です。

ジャングルにいけば、さらに多くの種類の動植物が生きているはずです。一種類しか生きていないというのは極端な話ではないのでしょうか

と思いがちですが、実際には同じ条件で共存しているのではないらしい。

例えば、アフリカなどのサバンナを想像してください。(上記の本の中に書かれている事例です)

そこには、シマウマもキリンもウシもシカもいっぱいいそうな気がします。同じ植物を食べる草食動物なのに、うまく共存しているやんか。

と思えますが、詳細に観てみると彼らは棲み分けています。

シマウマは地面に生えた草を食べます。それに対してキリンは高い木の上にある葉を食べます。

これは分かりやすい。

もっと詳細にみると、シマウマは草の先端の柔らかい部分を食べます。ウシの仲間のヌーは草の茎や葉を食べます。シカの仲間のトムソンガゼルは地面に近い背丈の低い部分を食べているらしい。

さらに言うと、サイの仲間であるシロサイは地面に近い背の低い草を食べ、クロサイは背の高い草を食べているそうです。

もっと言うと、昼間に出てくる動物と夜に活動する動物は違いますし、地中にいる種類もいます。

こうして同じ場所にいる草食動物たちは少しずつ餌をずらすことで、競合しないようにして共存しているというのです。

■これは経営戦略におけるニッチ戦略と同じ考え方です。

ニッチとはくぼみや隙間という意味です。

そこから派生して、経営においては、小さいが独自の条件を持つ市場を狙うことをニッチ戦略と呼んでいます。

例えば、同じ都会には無数の飲食店がありますが、長く続いている店をみると独自の市場を持っていることがわかります。

ある店はランチだけ。ある店は深夜営業。ある店は女性向け。ある店は高齢者向け。ある店は健康志向の人向け。ある店は配達専門。

同じ地域で開業する飲食店でも、少しづつ対象客をずらすことで、競合を避けて生き残りを図っているわけです。

逆にいうと、儲かっている先行店を安易に真似してしまうと、価格競争にならざるを得ません。

そうなるとどちらかが音を上げて閉店してしまうまで消耗戦になってしまう恐れがありますから、お互いにとって賢いやり方ではありません。

生物も同じ。現在生きている動植物は競合して種を危機に晒すのではなく、餌や時間や空間や季節や様々な条件をずらすことで、独自のニッチ市場を獲得して、しぶとく生き残っているのです。

■植物を例にあげます。

家の庭や公園や道路の端っこなどに気が付いたら生えている草があります。

我々がいう雑草です。

どんなところにも芽を出す雑草をみるといかにもたくましく、植物の生命力を感じますが、生物学的にいうと、あれらは決して強い草ではないそうです。

むしろ植物の種の中では弱者とでもいいたくなるような種類なのだそうです。

なぜなら、森の中やジャングルや植物が生きていく上で理想的な環境下では、いわゆる雑草は生えていません。

そこには巨木になる種の木が生えており、地面に光が届きません。巨木以外は、光のいらない植物か、巨木に寄生するような植物しか生きていけない。

だから小さくて力のない植物は、道路の端のような水もない土も堅いような過酷な環境下で生きていかざるを得ないというわけです。

■雑草といわれる植物は、環境の変化が大好きです。

いや、いうなれば、環境が変化し、他の植物がすぐには適応できないような環境でしか生きていけないのが雑草です。

彼らの武器は、新たなニッチを見つける探索力、いち早く根をおろすスピード、それにどんな環境でも生きていけるエコな体質です。

その武器をフルに活用して、一番乗りした隙間に根を下ろすのが、雑草の生きる道です。

これって、経営における起業者やベンチャー企業、小さな企業に必要な要素にそのままあてはまるのではないでしょうか。

ビジネスに適した儲かりそうな環境は、実績と資金力のある大手企業がかっさらってしまうはずです。

だとすれば、起業者や小さな企業に勝ち目があるのは、ビジネスに適しようもない儲からなさそうな環境下か、大手企業が進出する前の新たに立ち上がった市場です。

いまなら人工知能か自動運転かドローンか新エネルギーか。大手企業がまだリスクが高いと尻込みするような分野のビジネス。

あるいは、運送など儲からないと言われる産業。

前回のメルマガで書いた零細企業のM&A仲介など、成長分野の周辺サービスもねらい目です。

とにかく起業者や小さな会社は、たいしたお金がなくても生きていけるエコな体質を活用して、世間の常識に挑戦し続けることです。

「大手企業がやらないというのは儲からないってことだよ」なんていう呆けた意見に耳を貸してはダメですよ。

■現在、地球上の動植物は、それぞれが長い時間をかけて突然変異と自然淘汰を繰り返した上で、あらゆる環境下にニッチ市場を見出して、そこに最適の進化を遂げて棲みついています。

もし火山の噴火や地震や洪水やあるいは人間の手による工事などが行われて環境が変わったとしても、数か月から数年で新たな動植物がそこに棲みつきます。

噴火で島の形が全く変わってしまった西之島でも数年で植物が生えて、鳥が戻ってきているそうですから。

まさに生命の力おそるべしです。

人間の力も同じはずです。我々は、社会の様々なところにニッチを見つけて、そこで多様なビジネスを作る能力を持っています。

いまだチャンスはいたるところにあり、日々誰かがそれを見つけていることでしょう。

■あとは、そのチャンスをビジネスとして形作るスキルがあればいい。

そうして一度、実を結んでしまえば、そこで継続する仕組みを作って、サイクルを回す作業に入ります。

雑草が、過酷な環境下でしか生きられず、常にニッチ市場を探し続けないと生きていけないことに比べて、人間のビジネスは、ニッチ市場を守り続けて百年もつ場合もあるし、そのまま大企業に成長していく可能性も大いにあります。

アマゾンもアップルもグーグルもマイクロソフトも、そうやって捉えたニッチ市場をてこに巨大になっていった企業です

そう考えると、まだビジネスには夢がありますね。

■ただし自然には本能として生きる力が備わっているのに対して、ビジネスは本能ではありませんので、最低限の知識とスキルが必要になることも確かです。

決して難しいことではなく最低限の知識で結構です。

それを知っている知っていないでは、成功確率が格段に変わっていきます。

ビジネスをしている、あるいはこれから始めるという方は、少しでも成功に近づくように、経営や戦略の勉強を軽視しないように努めていただきたいと思います。

■さて、ここから先は余談として、このメルマガの前文に書いたものの続きです。

繰り返しになりますが、以前、インターネットの掲示板に「自然界は弱肉強食が当たり前なのに人間の社会は生きる力のない者を税金で守っているのは、自然の摂理に反しているのではないか」という意見が載って話題になりました。

一見、もっともらしく聞こえますが、この「弱者の戦略という本を読むと、的外れな意見だということがよくわかります。

まず自然界は「弱肉強食」ではありません。

おそらく「ライオンがシマウマを食べる」といった食物連鎖の一部分だけをとりあげて言っているのでしょうが、絶滅しかけているのはライオンの方で、シマウマは維持しています。いったいどちらが弱者でどちらが強者と呼べばいいのでしょうか。

種としてみるなら最も繁栄しているのは蟻などの昆虫です。

彼らは、強固な組織力を身に着けて、ちょっとやそっとの環境の変化にもぐらつかない驚異的な繁栄力を持っています。

実は人間も同じです。

食物連鎖ではウサギとオオカミの間ぐらいだった人間も、組織力を身に着けることで、オオカミを狩り、農耕する能力を手に入れました。

社会性は人間という種が繁栄するための武器なのです。

弱い個体を守るという社会性は、オオカミやサルの群れなどでもみられる行動であり、ましてや人間が同じ種を守るのは必然です。

多様な組織ほど環境の変化に強く、適合しやすい柔軟性を持っています。だとすれば、子供やお年寄りやその他、弱い個体を守り、組織の構成員とすることは、強固な組織を作る条件となります。(蟻の組織内でも一定の割合で働かない蟻が存在するそうですよ)

弱者を助ける社会というのは、むしろ人間組織の懐の深さ、柔軟性、強さにつながっていると考えた方がよさそうです。

以上、余談でした。


小さな用具メーカーの生き残り策

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■小さな会社の生き残り策について、いろいろ参考になる記事です。

こちらは、野球用具メーカーの「ベルガードファクトリージャパン」

特に防具に強く、有名メジャーリーガーも使っているとか。

この会社じたいは、少人数運営です。(社長+職人3名)

■もともとOEMを中心とした下請け工場の色合いが濃かった会社ですが、元請会社が生産先を海外に変えてしまったので、倒産の憂き目にあいました。

そこで「OEMは製造側の取り分が2割程度と薄利で、相当量を生産しないと割に合わない」ことから、OEMを最小限に絞り込み、利益率の高い自社商品を中心にビジネスを組み立てます。

それが、防具(レガース)だったというわけです。

■もともと同社の防具は、イチローが使用していたおかげで、メジャーリーガーの何人かに使用されていました。

最初はイチローのチームメイトだけだったのが、チーム移転にあわせて徐々に広がっていったものらしい。

ここはラッキーですが、同社の商品の性能品質が他社に比べて良かったということが前提です。

■少人数経営なので商品を絞り込み、受注生産対応のビジネスが身の丈に合っていました。

いまはSNSがあるので、メジャーリーガーから直接連絡が入ることもあるそうです。

インスタグラムで写真をみせて「こういう形の防具がほしい」とか。

小さな会社にとってSNSは大きな武器となるという事例ですよね。

■ただ同社の製品は日本では浸透していないのだとか。

日本の場合、選手が野球用品メーカーと一括契約してしまうことが多いので、防具だけを同社のものにするわけにはいかないようです。

このあたり、日本の用具メーカーのやり口を批判しておられます。

用具メーカーは日本のプロ野球に対して、1軍、2軍ともに用具を無償提供しているそうです。選手を囲い込み、試合で使ってもらって宣伝してほしいとの思惑ですが、その分が本来の商品単価に上乗せされるわけです。

数年前、若年層の野球人口がサッカーに抜かれましたが、この主な原因は用具が高額なことにある。硬式野球のグローブの平均的な小売価格は5〜6万円。これは莫大な宣伝費が跳ね返っている結果です。メーカーがプロ野球選手への無尽蔵な提供をやめれば、もしかしたら1万円くらいに抑えられるかもしれませんし、野球人口の減少を食い止める一助になるはずです。

これが本当だとすると(本当なんでしょうが)日本の用具メーカーのやり方は成長期のもので、少子化に向かう現在には合わないものです。

泥臭い業界なんでしょうね。しかし今のままでは立ちいかなくなるのは目に見えています。そういう構造が分かったということでも参考になる記事でした。


竹虎 インターネットを使った接近戦

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■ネット通販の世界ではよく名前を聞く「竹虎」さんの記事です。

高知県で、竹を使った生活雑貨やインテリアなどを制作し、インターネットで販売しています。

売上高は2.5億円。社員20人。

地域にある小さな会社にとっては、非常に羨ましい状況ではないでしょうかね。

■ネット通販に取り組む前は、売上が減って倒産寸前だったそうです。

そこで、自社商品の魅力を見直し、ネットで丹念に発信することで、盛り返しました。

戦略的にいうと、インターネット通じて、「接近戦」を実現させたわけです。

■ヒット商品もなく、広告宣伝に多大な費用をかけられない小さな会社は、顧客に直接会って商品の魅力を伝えなければ、遡上にも乗らないでしょう。

地域に密着して近所の人に直接伝えるというのがその手段の一つですが、地理的にそれも難しいという会社は多くあるでしょう。

竹虎の場合、それをインターネットに求めました。

ネットなら、字数制限、時間制限なしに存分に伝えることができます。商品も無限大に陳列可能です。

■が、言うは易し。実際には、ネット販売に取り組んでも実績が上がらずに、放置しているところが殆どです。

竹虎のホームページをみると、典型的なネット通販サイトの作り方ではありますが、情報の出し方も、画像も、そうとう考えられて打ち出していることがわかります。

おそらく毎日、試行錯誤で作りこみと修正を繰り返して、現在のスタイルを確立したんでしょうね。

簡単に真似できないことは、皆が竹虎のようになれないことが証明してしまっていますが、それでも成功例があることは励みになります。

これからはスマホ対応、あるいは次世代メディア対応していかなければなりませので大変でしょう。

が、その分、他の会社にもチャンスがあるというものです。


プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

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