わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

エステーの「弱者の戦略」

企業が生き残る必勝不敗の「弱くても勝てる方法」

■ダイヤモンドオンラインの記事です。エステーの鈴木会長です。相変わらず面白い。

日本の成熟した日用雑貨業界において、独特の存在感をもったメーカーがエステーです。

P&Gが売上高約9兆円、花王が約1兆4000億円。これに対してわがエステーは約500億円。花王の子会社よりも小さいぐらいの中堅企業だ。

しかし成熟市場だけに新規参入企業が少ない。技術革新もあまりないので美味しいんだそうです。

■もっとも大手企業と同じ商品をやるわけにはいきません。そこで、ニッチ市場狙いとなります。

ニッチとは窪みみたいないものだ。そこへ行って知らないうちに穴を開けて、少しずつ大きくしていく。市場が拡大するには、競合相手が入ってきた方がよい時期がある。そうするとまず弱い競合が入ってくる。そうしたら叩きつぶして、撤退させて競合が広げたマーケットを食べて大きくなる。

大事なのは、強い競合が入ってくる前に寸止めで拡大を止めることだ。マーケットのサイズが100億円を超えると、大手も注目するし、参入を検討するようになる。だから目立たないように100億ぐらいで止める。「ここら辺で止めるぞ。もっと頑張るなんて言うなよな。頑張らないのが生き残りの知恵だぞ。頑張るのが一番まずいぞ」と社員を説き伏せるのだ。

だから私のニッチ戦略は、大きな企業をなるたけ刺激しないで、小さな企業を刺激する「弱きを挫き、強きを助ける」だ。


だからエステーは消臭剤や防虫剤の分野で目立たないように、でも大きなシェアを持っているというわけです。

■これは、まさにランチェスター戦略の弱者の戦略であり、孫子の兵法に通じるものです。

大手企業が、大きな市場から収益を上げるために、消費者ニーズを調査し、商品の改良をするとすれば、小さな会社はむしろスピードを優先させるために、カンを重視する、と言っていますね。

いや、ここはデータの使い方を工夫すれば、もっと効率がよくなるのでしょうが、今のところ、経営者のカンを重視した経営のようです。

そこが鈴木社長の非凡なところでしょうし、後継に不安が残る要因でもありますね。

この連載シリーズ楽しみにしております。

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「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語

株式会社クリエート・バリュー

営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」

オンラインでランチェスター戦略を学ぶ。「ランチェスター戦略入門セミナー」

フォードの言い訳が低レベルすぎる

フォードの日本市場撤退は「自業自得か」

■フォーブスの記事です。「自業自得か」ってありますが、自業自得に決まってますやん。

同社(フォード)の広報担当、ニール・マッカーシーは撤退の発表後にAP通信に対し、「日本は先進国の中で最も自動車市場が閉ざされた国だ。新車の年間販売台数のうち、輸入車が占める割合は6%にも満たない」と語った。

とありますが、記事によると、輸入車のシェアは

欧州では約4%、中国では同5%

ということです。つまり、日本市場はまだ開かれている方だということです。

■フォードの広報担当は、こんな言い訳を誰に言っているのか?

株主や投資家の皆さんでしょうか。だとすれば、すぐにバレ過ぎ^^;

とりあえず対面を保とうとしたのか。あるいは、憎い日本に、少しでも悪態をつきたかったのか。

インドネシア撤退の原因も、日本車に負けてしまったということですから、悔しい気持ちもわからんではないですが。

■こうした企業の一方的な主張も、これだけ情報が拡散される時代になると、丸裸にされてしまいます。

密室の交渉戦術ではないんだから。

負けたのなら負けたと言った方が、潔いですな。

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シンプルかつパワフルな成功法則

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■シンプルな成功法則かつセルフマネジメントの方法です。

目標やタスクは紙に書く。

それを達成できたかどうかを検証する。

シンプルですがこれほどパワフルな成功法則はありません。

私も信奉者です。


■もともとはドラッカーの本に書いてあったのかな。





もう長い間やっていますが、確かに効果があります。忘れた頃に見直すと、その通りいっていることもあります^^;

みんなやればいいのに。と思います。



ローカル新聞の生き残る道

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■BIZ・ZINEの記事です。西日本新聞というのは、九州のローカル新聞だと思います。そこが、デジタル化を進めているのだとか。

紙媒体のデジタル化は今さら珍しくもないわけですが、こちらの記事はちょっと参考になりました。


■新聞社が安易にデジタル化するとすれば、今まで新聞に載せていた記事をデジタル化するとか、関連記事を載せるとかになるのでしょうが、こちらはこう言っています。

新聞社だからコンテンツが豊富と安住できるわけではない。新聞社そのもののネットワーク力、地方紙としての地域に根付いた力やブランドやリソースを、デジタルビジネスの中で、とことん問いなおすところから企画を考えているという。

要するに、ローカル新聞社の強みとは、地域における信用力やネットワーク力、ブランド力なわけです。

単に記事がいっぱいあるとか、これからも取材できるとかだけでは、ネットで記事を収集するだけの企業に負けてしまいます。

そことは違うビジネス展開を考えなければならない。


■西日本新聞は、軍艦島をテーマとした動画コンテンツを充実しているらしいですが、それは象徴として。もっと、ローカルネットワークを使ったビジネスができるはずです。

例えば、ローカル企業のニーズ→採用、マッチング、金融サービス、販売。

住民のニーズ→子育て、教育、婚活、就職、終活。

地方の官民を巻き込んで、さらにヤフーとかを巻き込んでやれば、面白いものができるのではないか。

マクドナルドもスターバックスも日本市場をなめるな!

(2016年1月28日メルマガより)


■不振を極めていた米国マクドナルドですが、
どうやら改善の兆しがみられるようです。

参考:米マクドナルド:既存店売上高が大幅な伸び−朝食の終日提供が寄与
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O1IMK1SYF01X01.html

朝食メニューを終日提供することで収益改善したらしい。確かに、ヘルシーメニューっぽい朝マックを夜でも食べたいという需要はあるでしょうね。

収益改善のためならなんでもやる!というスティーブ・イースターブルック最高経営責任者(CEO)の決意をうかがわせる記事です。

■イースターブルックCEOは、昨年の3月に就任したばかりです。

就任してすぐに「マクドナルドは、危機的状況にある」と宣言したイースターブルックCEOは、世界を4つのセグメントに振り分けました。

(1)米国市場→アメリカ

(2)業績を牽引する市場→カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、オーストラリア

(3)成長が見込まれる市場→中国、ロシア、韓国、ポーランド、スイス、オランダ、イタリア、スペイン

(4)基礎的市場→その他の国

こうしたセグメント分けは、戦略方向性を作る上で必要不可欠なものです。

なぜなら、どこに力を入れるのか、入れないのかを決めなければならないからです。

■このセグメントでいうと、日本は「基礎的市場」となります。

言い換えると、これ以上、成長が見込めない重要性の低い市場です。

記憶に新しいでしょうが、およそ1か月前、マクドナルドの米国本社は、日本マクドナルドの株式を売却すると発表しました。

それは、上のセグメント分けに沿ったものです。

すなわち、日本の株式を売却したお金で、成長が見込まれる市場に投資しようという考えです。

■まあ、ありていにいうと、日本は切り捨てられたわけですな。

さぞかし日本マクドナルドはがっくしきているのかなーと思うのですが、案外そうではありません。

もちろん「こりゃダメだ」とレッテルを貼られた現経営陣は落ち込んでいるでしょうが、現場やフランチャイジー店舗の人々は、むしろ歓迎しているようです。

それだけ、米国本社主導による経営が、日本市場にとって的外れなものであったということでしょう。

■なにしろ原田泳幸CEO時代の前半は、うまくまわっていたのです。

ところが、本社が干渉を強めた後半においては、業績悪化に歯止めがかからなくなりました。

この点、原田CEOのやり方に問題があるのだとか、あるいは逆に原田CEOがやりたかった改革を米国本社がやらせなかったのだとか、いろいろ言われております。

私は、個人的には後者ではないかと思っておりますが、本当のところは外野からはわかりません。

ただ、原田CEOの後任であるサラ・カサノバCEOの時代になっても、業績は上向いていない状況を考えると、やはり米国主導の経営には問題があるということです。

■これって、まるでソフトバンクが買収する前のボーダーフォンのような状況ではないですか。

英国本社からの遠隔経営で、日本市場の状況に合わない施策をとり続け、じり貧に陥っていたのが、当時のボーダーフォンでした。

それを立て直したのが、ソフトバンクです。

当然、日本市場をよく知る者に任せなければ、的確な経営などできません。日本市場をなめるな。という話ですよ。

だから米国本社が、日本マクドナルドの再建を日本の誰かに任せようというのは理にかなった施策だと思います。

■ところが、その後のニュースをみると、売却先が決まらないらしい。

それもむべなるかな。今回、売り出したのは、本社が保有する約50%の株式のうちの33%です。

米国本社は、これで1000億円を調達しようという腹積もりのようです。

が、この中途半端な割合では、米国本社の影響力は引き続き残るでしょうし、いろいろ制約がありそうです。

はっきりいって、今の日本マクドナルドの業績を上向かせるためには、抜本的な対策が必要です。相当の資金が必要となるはずです。

金はかかる、経営は自由にできないでは、やってられんということでしょう。

■日本は見込みがないから切り捨ててしまおう。という米国本社の決断は評価すべきものです。

ただ、それなら中途半端なことをせずに、全部任せてしまうべきです。

なにしろ、日本のファストフード市場は、米国よりもはるかに複雑で厳しいといわれています。

牛丼はある、讃岐うどんはある、ファミレスはある、コンビニはある。

そんな選択肢が多い市場において、単一ブランドの店舗チェーンがとりこめる需要に限界があるのはわかりきっています。

要するに、今の日本マクドナルドは大きすぎるのです。

■トップ企業がやるべきは、自分が所属している市場の規模を維持・拡大することであり、相対的に自分の地位を高めていくことです。

ハンバーガー市場トップのマクドナルドとしては、牛丼や讃岐うどんに市場を切り崩される事態を避けなければなりません。

そのためには、ハンバーガーを提供する魅力的な店舗を増やさなければなりません

モスバーガーやバーガーキング、その他バラエティに富んだハンバーガーが存在することは、ハンバーガー市場の魅力を高めることにつながっています。

さらに魅力を高めるには、マクドナルド自身が、資金を出して、別ブランド店舗を運営することです。

ランチェスター戦略でいうと、自ら確率戦の市場を作るという施策です。

つまり、今の時点で、マクドナルドの店舗を増やす必要はありません。別ブランドの店舗を作りなさいということです。

■どこが日本マクドナルドの株式を買うにせよ、再建のためにはブランドを増やしていかなければならないでしょう

しかし、中途半端な株式を買っても、米国本社からいちいち難癖をつけてこられるようなら、うるさくて仕方ありません。

そんなうるさいヒモがついているなら、買わん方がマシや。というわけですな。

■マクドナルドの件もそうですが、もう一つ、懸念するのは、コーヒーチェーン日本トップとなったスターバックスコーヒーです

同社は、日本進出から20年足らずで、1000店舗を達成しました。

当初は、洗練されたおしゃれな空間を提供する店として、カフェブームを引き起こしましたが、いまとなっては、どこにでもあるありふれた店です。

1000店舗というのは、日本進出にあたっての約束事項だったといわれていますから、無理やり全国展開したきらいがあります。

全世界同一ブランドでの展開には、もちろん意味はあるのですが、ちょっと日本市場の多様性というものをなめているのではないかと思うのです。

こちらも、成長が止まった時、下手な効率化で対応しようとして、一気にガタがくるのではないかと懸念します。

一方の雄、ドトールコーヒーは、いち早く多ブランド化を進めています。

それと対照的なスタバの今後はどうなっていくのでしょうか。

興味がわくところです。

■マクドにしろ、スタバにしろ、成長期のビジネスモデルをそのまま引きずっているように思えて仕方ありません。

新興国を開拓するには、それでいいのでしょうが、先進国ではそうはいかないはずです。

いち早く高齢化し、多様性をもつ日本市場で成り立つモデルを作った者が、今後のビジネスの成否を握るのではないか。

そんなことを思うわけです。

はとバスが「下町ロケット」ツアーをやったそうです

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■東洋経済オンラインの記事です。「下町ロケット」をテーマにしたバスツアーがあるらしい。はとバスの商品です。


■まず、物語の力を感じますね。ただの工場見学に、はとバスツアーは成立しません。「下町ロケット」という物語のイメージがあるから、人が集まる。

参加者は、自ら佃製作所や帝国重工の制服を用意してきたというのだから恐れ入る。アニメなどのコスプレと同じ感覚なのでしょうね。

物語には人を熱くする力があるということを再認識しました。


■次に、はとバスの柔軟性に感心しました。流行るとなればすぐにやる。ヒットする場合もしない場合もあるでしょうが、この柔軟性はすばらしい。今回の「下町ロケット」ツアーは、単発企画でしょうが、それでも意味あります。こうして、ニュースとして採りあげられるわけですから。

はとバスの強さは、基本ツアーがしっかりしていることでしょう。浅草とかスカイツリーとか皇居とかをメインとして、観光あり、食事あり、買い物ありの基本フォームがある。そのフォームがあるから、柔軟性のある企画も対応する資源がある。

また基本商品が、収益を上げているので、企画商品を試行する余地があるわけです。

ドトールコーヒーはなぜ強いのか

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■ITメディアオンラインの記事。本の宣伝記事ですね。

日本におけるコーヒーチェーントップが、ドトールコーヒーです。スタバをはじめ、多くのコーヒーチェーン、あるいはコンビニやファストフードなどのコーヒー販売参入で、競争の激しい業界ですが、トップを守り続けています。

その強さの秘密に迫る、という記事です。

■かいつまんでいうと

いいコーヒーを安く売っている。これに尽きます。

ブレンドコーヒーが今は200円なのかな。コンビニよりは高いが、そもそも客層が違う。ドトールは、コーヒー豆を厳選し、焙煎方法、豆のブランド、鮮度などにこだわりを持っています。

あるいは、カップやシュガーの包装などにも工夫がある。空調も改善し、分煙もしっかりしている。

要するに、できることをやりきっているということです。

いささか、ドトールの宣伝くささがありすぎる内容ですが^^;

■ポジショニング戦略論でいうと、トップ企業には競争上のアドバンテージがあります。まず販売量があるので、使えるコストも大きい。だからこだわりを実現するのに、ふんだんな資金を使うことができます。

2位以下の企業に対して同質化戦略をとることができます。これは差別化に比べて、確実に効果を上げることができます。売れるとわかったものを真似するわけですから。

出店においても、トップ企業は有利な立地をえらぶことができます。隣同士に店があったら、人はトップ企業を選ぶものですから。

つまりトップ企業は、自分が占した市場の顧客に対して、報い続けるための施策を打ちやすい立場にあります。

市場が広がれば広がるほど、トップ企業は得をしますから、やり続けることが戦略方向性となります。

■ただしそれにも限界があります。スターバックスの台頭には、さすがのドトールも苦慮しました。

そもそも顧客層が違う。街の喫茶店に対して「いいコーヒーを安く」がドトールなら、スタバは百貨店やホテルのラウンジに対する「いい空間を安く」です。

ドトールは、別ブランドでスタバに対しましたが、こちらはトップではありません。

別市場を開拓されてしまえば、違う市場のトップは神通力を失うからです。

■今後、ドトールコーヒーがするべきは、現在の市場を幅を広げて、相対的にトップの価値を上げていくことですね。

マクドナルドのように、単一店舗を大量出店するだけでは限界があるということがわかってきています。

だからドトールとしては、別ブランド店の展開を積極化していくべきではないでしょうか。

自ら確率戦の市場をつくってしまうわけです。

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え。すしざんまいの快挙話はインチキだったの?(ーー;

「すしざんまいの社長がソマリアの海賊を壊滅させた武勇伝はインチキ」 ノンフィクション作家が指摘

■この前、すしざんまいの話を快挙だと書いたばかりですが、早くもこんな記事が出てきましたーー;

確かにでき過ぎた話で、そのまま信じていいものか迷ったものですが。

■記事では、ソマリアの海賊がいなくなったのは、国際的な警戒や警備のおかげだということ。日本の自衛隊を含めて各国の軍隊が警備を強化したために、海賊活動ができなくなったという指摘です。

それは確かにそうだと思います。が、警備は、対処療法みたいなもので、根本原因を取り除いたわけではありません。

その意味では、貧困をなくすために仕事をつくったすしざんまいのやったことは、根本治療であり、快挙であると言っていいでしょう。

■しかし、記事は、海賊の原因が貧困だとするのも、先入観にすぎない、と断じています。

確かに仕事を作ったことで、一部の漁民が潤ったのかもしれないが、その程度で地域が貧困から抜け出せるわけはない、と書いてある記事もどこかで見かけました。

■またこの記事は、すしざんまいはブラック企業で、従業員は社長のご機嫌とりをしなければいけない。などと出所不明の噂話も載せています。

なんなんでしょうか。だとすると、すしざんまいの話は、ワンマン社長の自己宣伝にすぎなかったのでしょうか。

ただし、この批判記事もそのまま信じていいかわかりませんが。

ネットのニュースというのは扱いがむつかしいですね…

儲かるビジネスは、あんがい古典的だ

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■プレジデントオンラインの記事です。

ビジネスモデルに関する話ですね。


■高収益なビジネスモデルを3つの要素で提示しています。

(1)変動費が小さい。

鉄道や携帯電話など。固定費が大きいが、一度設備ができてしまうと、1個あたりの費用はあまりかからないビジネスです。損益分岐点を超えてしまうと儲かるだけになります。

また固定費が大きいというのは、参入障壁にもなります。一度地位を作れば、逆転されにくい要因です。

(2)フロントエンド、バックエンド。

と命名されていますが、要するに、フリーミアムの内容です。

無料で利用者を集めて、広告モデルで稼ぐ。あるいは、一部の有料課金で稼ぐ。

ネットでは、利用者にプラットフォームを提供して自由に動いてもらう手法があります。利用者がコンテンツを作ってくれるので、運営者は楽ちんです。

変動費が小さいどころか、固定費も小さいビジネスモデルです。

(3)顧客の囲い込み。

有名なのは、ジレットですね。カミソリの柄を安く配布して、替え刃を売る。

事例にあるのは、花屋やスポーツ用品店、文房具屋など学校や企業など大口顧客を確保して販売する手法をあげています。


■こうあげてみると、儲かるビジネスというのは、新しいようで古い。古典的なビジネスモデルだということができます。

3つしか挙げられていませんが、これだけでも、自分のビジネスを儲かるようにするヒントになります。

すしざんまいの快挙 これこそが社会起業だ!

商売というのは、目の前の利益、儲けのことを第一に考えていたんではうまくいかないものなんです。by木村清氏(すしざんまい社長)

ソマリア海賊がいつの間にか壊滅? すしざんまい社長・木村清氏がとんでもない働きをしていた

すしざんまい社長が語る「築地市場移転問題」と「ソマリア海賊問題」

■ソマリア沖の海賊のことは、映画にもなりました。「キャプテン・フィリップス」大きな社会問題です。

その影響でマグロ漁がやりづらくなったとのこと。

そこで「すしざんまい」の社長が、ソマリアの海賊に直接会いにいったらしい。

本当でしょうか!?

■映画にもありましたが、海賊といっても、貧しい漁師たちです。生きる手段のひとつとして海賊行為を行っています。やりたくてやっているわけではない。

そこで、すしざんまいの社長が説得して、彼らにマグロ漁を勧めました。

貧しいので、船がない、設備もない。それをすしざんまいが提供しました。

マグロ漁の技術がない。これも、教えたようです。

さらには、国際的な協会にも参加していない。そこでソマリア政府にかけあって加盟させた。

輸出ルートがない。すしざんまいが買い取ることに。

海賊をする必要がなくなったために、ソマリア沖の海賊はいなくなったということです。

■できすぎた話のようにも思えますが、これが本当だとすれば、近年にない快挙です。

民間企業の行為が、国際社会のひとつの歪みを解消したわけですから。

今はまだ赤字だといいますが、黒字化の見通しもあるとのこと。これこそが本当の社会起業でしょう。

ビジネスをする者すべてが、この社長の姿勢を見習わなければならないと思います。

※ネットでは、すしざんまいの行動が海賊を減らしたわけではないという記事も出てきていますね。。。

前提となる事実確認ができていないことを含んで読んでくださいm(_ _)m

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「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語

株式会社クリエート・バリュー

「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡を再現する営業構造化プログラム

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ユニクロが低迷している。どうすればいいのだ?

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■最近、急に言われるようになったのが、ユニクロの低調です。

1兆6800億円を売り上げ、過去最高の実績なんだからいいじゃないかと思うのですが、株主は許してくれません。

なにしろ経営者が、2020年に売り上げ5兆円を必達としているのだから、ここで成長鈍化するわけにはいかんというのですね。

この目標が妥当かどうかは、ひとまず置いときましょう。


■なぜユニクロは成長鈍化してしまったのか。

1つは、国内市場の低迷です。

円安により原価が上がったため、値段を上げざるを得なくなりました。

もともと価格弾力性の小さくないビジネスだから、値上げが、売り上げ低迷につながりやすかったということが言えます。

この事態を予測したのか、ここ数年、ユニクロはファッションブランド化を模索しようとしてきたふしがあります。

もっとも、ノンブランドで品質の高い日用品が、ユニクロのポジションだったはず。

私にはぶれているようにしか見えませんでした。


■もう一つは、マクドナルドと同じく、単一看板での多店舗展開のビジネスが日本では通用しなくなっているのではないか。

要するにニーズの多様化です。

ノンブランドの日用品というのは、需要が大きい部分だとは思いますが、さすがにそれだけ成長を続けるわけにはいかなかったということです。

しかもユニクロは、何やらファッション化を志向したので、より狭くなってしまったのですね。


■次に、アメリカなどの海外市場の低迷です。

海外では、中位ブランドとして展開していると聞きましたが、アジアではそれが通用しても、欧米では受け入れられていないらしい。

地域戦略のミスです。


■要するに、世界で均質なブランド展開をしようとして、それぞれの国で少しずつぶれてしまったのではないか。

例えば、日本でも中位ブランドに格上げしようとした。アメリカでも同じ展開をしようとした。アジアの成功事例をそのままあてはめようとした。。。という図式です。


■全方位戦略をとるなら、もう少し、地域ごとに細かなポジショニングをしなければならないと思います。

日本では高品質・低価格の日用品。アジアでは中位ブランド。欧米では…わかりませんが、受け入れられるポジションを探るのです。

それができなければ、いったん戦線を縮小して、アジアと日本に絞って、シェアを高める戦略に切り替えるべきでしょう。

今のユニクロは、まるで本能寺前の織田軍団のようですからね。

ピーチがLCCでひとり勝ちしている

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■LCC(格安航空会社)の中で、唯一成功しているのが、関西を拠点とするピーチ・アビエーションです。

関西空港は、長い間、赤字で苦しんできましたから、運営の道筋ができて喜ばしい限りです。


■他のLCCが苦戦していて、ピーチが成功しているのは、関西空港を拠点にしたということが大きいようです。

なにしろ、24時間空港です。少々遅延がでても、欠航することなく飛ばすことができます。

成田ならこうはいかなかった。

空港運営の柔軟さが、大きかったということです。


■もうひとつ言われているのは、安いものを尊ぶ関西人の気質だとか。

少々席が狭くても、チケットがペラペラでも、安いからええやん、と考えるのが関西人です。

確かに安い。ピーチの価格設定は、従来の飛行機料金の概念を破壊していますからね。

そのかわり、切り詰められるところは、大胆に切り詰める。チケットカウンターとか、段ボール製ですからね^^

そういうゲーム感覚にも思えるコストカット策も関西風ですな。


■つまり、最初のポジショニングをうまく活用できたピーチ経営陣の勝利です。

(必ずしも、計算してのポジショニングではなかったようです。与えられたポジションですが、それを活かしたわけです)


■関空を中心とした路線で黒字を出したのは大きいことです。

その経験や運営ノウハウが、ピーチのリソースとして積み上げられています。

これからのピーチの最大の強みは、黒字化するための運営ノウハウにほかなりません。

今は、このリソースを前提として、拠点拡大を図っているようですね。

GEが、チームワーク重視の組織運営を目指しているらしい

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■クロトンビルといえば、ジャック・ウェルチ時代のGEの象徴的な施設でした。

(クロトンビルとは、ニューヨーク州にあるGEの研修所がある地名のこと)

なにしろ、トップ10%にはチャンスを与え、ボトム10%はクビにしてしまうという厳しい会社です。

その考えのもと、トップリーダーを生み出すための教育にはことのほか力を入れていると伝えられています。


■ところが、GEの教育もチームワーク重視に変わったのだとか。

現在のジェフ・イメルトCEOは、組織を引率する超優秀なリーダーよりも、組織の力を発揮させることができるマネージャー的人材を育てようとしているようです。

大企業らしくなった、ということですか。

ウェルチ時代のGEは、まるで急成長するベンチャーのような運営をしていたわけですな。

今は、ウェルチ時代のように「どこまで大きくなるかわからない」というGEではなくなったのでしょうが、成熟したしたたかな会社を目指しているということでしょう。


■小さな会社は、チームワークをとりやすい環境があります。だからちょっとした工夫(施策)で、チームの力を発揮できるようになります。

むしろ、戦略方向性を決めて、それを主導するリーダーや、マネージャーの育成が課題になると私は考えています。

しかしGEは超大企業ですから、チームワークを重視していないと、成長が止まるとすぐに官僚主義的になっていくのでしょうね。

「孫子の兵法」が示す勝つ方法

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およそ戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ 
(孫子・勢篇)

■「孫子」がいう戦いの方法論です。

およそ戦いとは、正攻法を以て会戦し、奇策を以て勝つ。

正攻法と奇策の組み合わせによって戦いに勝つ、と言っています。


■正攻法とは何か?奇策とは何か?ということには諸説あるようです。

ここをどう解釈するかが、孫子をどのように活用するかにつながってきます。

普通に考えるとすれば、正攻法とは定石通りの戦い方のこと。要するに、勝つ確率の高い施策のことです。

確率が高い施策を常にとるならば、トータルでいえば勝ちになるはず。8勝7敗でも、トータルでは勝ち越しになる。という考え方です。


■ただし戦争になれば、1回1回が生き残りを賭けた戦いになりますから、トータルという考え方では滅んでしまうかも知れません。

そこで、定石通りではないが、その場の状況に応じた戦い方=奇策が必要になってきます。

つまり奇策とは、定石からは外れるが、その時の状況(地形、天候、敵の体勢など)に応じた戦い方のことを指すと考えます。


■別のところでは、兵の極地は「無形」であるといっています。(虚実篇)

無形だから相手は対応することができず、逆に相手に応じた戦い方ができます。

だから、ここでいう奇策とは、相手に応じて、その時の弱点を突くような戦い方であると思います。


■ただ私はランチェスター戦略の専門家でもありますので、企業の立場によって正攻法の在り方が違うことを知っています。

たとえば1位企業は強者です。強者には強者のセオリー(正攻法)があります。

逆に、それ以外は弱者です。弱者にも弱者のセオリー(正攻法)があります。

ということは、強者のセオリーは、弱者にとっての奇策です。

弱者のセオリーは、強者にとっての奇策です。


■強者にしろ弱者にしろ、セオリーばかりの戦い方では、相手に見透かされてしまいます。

それを見えなくする(無形にする)には、セオリー通りではない戦い方を混ぜ合わせることです。

孫子は、正と奇の組み合わせは無数にあるといっています。

「孫子の兵法」を企業経営に活かす方法

(2016年1月14日メルマガより)


■昨日(1月13日)某所でセミナーの講師を務めました。


今年、最初のセミナーです。テーマは「孫子の兵法」。

「中小企業のための孫子の兵法ビジネス活用セミナー」というタイトルでした。

孫子ブームだった一昨年(2014年)は、数多くさせていただいたセミナーでしたが、今年の最初に同セミナーをさせていただいたのも、何かの縁を感じます。

私自身、楽しく行うことができましたし、受講された方の評価もよかったようです。

参考:「孫子の兵法」を学ぶ
http://www.createvalue.biz/column2/post-204.html

■「孫子」とは、今から2500年前に成立した中国の兵法書です。

古今東西の兵法書の中で、最も有名なものであり、現代でも多くの人に読まれています。

なにしろ2500年の時代を越えて読み継がれた書物です。その普遍的な有用性は、疑うべくもありません。

いや。疑ってもいいのですが、ぜひ一度、読んでみてください。この書物が、いまだに多くの人を魅了する意味がわかっていただけると思います

■孫子の特長としては、まずは、その徹底した合理性をあげることができます。

孫子は「軽々しく戦争をしてはいけない」と言っています。

兵法書なので、戦争の方法を教える書であると思われがちですが、それだけではないんですね。戦争に至る心構えも説いています。

ただし、戦争をしてはいけない理由は明確です。「戦争をすると経済的に損をするから」です。

では、経済的に得をするなら戦争してもよいのか?

孫子は、よい、と言っています。

この理想論を挟む余地のない身も蓋もない合理性こそが、孫子の大きな特徴であり、現代でも古びない理由であると思います。

■だから孫子は、戦争で勝つことを勧める書物ではありません。

孫子が目指すのは、国が生きながらえることです。

戦争で勝ったとしても疲弊してしまって国が亡びると元も子もありません。逆に負けても、生き延びることができればOKです。

「百戦百勝、善の善なるものに非ざるなり」です。

■私のコンサルティングを行う際の姿勢も、孫子の考え方と同じです。

第一義は、会社が生きながらえること。

短期的に売上を伸ばすことではありません。会社の業容を一気に拡大することではありません。

いまから、100年続く会社になる。そのための体制を作る。

そう考えてコンサルに臨んでいます。

■「孫子」は簡潔に書かれており、その意味は明確です。

ただし、我々が、それを活用するためには、そこに書かれている内容を、現代の企業経営に置き換えなければなりません。

その置き換え作業に、各個人の応用力や個性が表れます。

だから私の「孫子」の活用の方法も独特です。

おそらく、他の「孫子」の専門家とは全く違う内容で捉えているはずです。

■どのようにして、孫子を企業経営に活かすのか?

私は、次の3つをその中心としています。

(1)勝てる局面を捉える。

(2)強固な「城」を作る。

(3)組織(人材)を活かす。

■(1)勝てる局面とは、自社の強みが活きる場面のことです。

参考:世界トップ企業になるために最初にしなければならないこと
http://www.createvalue.biz/column2/post-370.html

どんな企業にも何らかの強みはあるはずです。

だとすれば、その強みが活きる場面でビジネスしなければなりません。

それは、地域かもしれません。業界かもしれません。顧客層かもしれません。タイミングかもしれません。

ここで勝てる!いまなら勝てる!そういう場面でビジネスすること。

それこそが、戦略方向性を固めるという意味です。

■(2)強固な「城」を作る、というのは孫子から得た独特の言い方です。

参考:「孫子」を活用するための最大のキーワード
http://www.createvalue.biz/column2/post-302.html

「城」とは堅牢な防御のこと。他社が攻撃しようとも思わないような固い守りの体勢を作るという意味です。

では何を「城」というのか、については様々な意見があります。

技術であったり、商品であったり、人材であったり。

要するにその会社の強みは何か、ということです。

ただし、本当に大切なのは、表面として現れる強みではなく、その強みが今後も維持されるための構造です。

たとえば「うちの強みは技術だ。この技術だけは守りたい」という会社があります。では、その会社の高い技術はどのような背景によって成り立っているのか

技術が人に起因するなら、その人材を育てるためにどのような活動をしているのか。

技術が特許に起因するなら、その特許を守り、活かすためのどのような活動をしているのか。

それこそが「城」だと考えます。

ちなみに私は、営業コンサルタントですから、「城」は、会社がいま持っている顧客基盤であると考えています。

だから、「城」の中身は、顧客基盤を維持するための「売る仕組み」です。

■(3)組織(人材)を活かす。

「人は石垣、人は城」といったのは、戦国時代の武将、武田信玄です。

戦略を作っても、仕組みを作っても、結局それを動かすのは人間です。

だから、人が活きる体制、仕掛け、施策がどうしても必要になります。

皆が納得する目標。皆が指針とすべき理念。そして、皆が心を寄せることができるストーリーが、その内容であると私は考えています。

参考:初めての著作は、なぜ「小説」になったのか?
http://www.createvalue.biz/column2/post-375.html

■要するに「孫子の兵法」から得たものは、そのまま私のコンサルティングの方針となっています。

(1)勝てる局面を捉える。

(2)強固な「城」を作る。

(3)組織(人材)を活かす。

この3つを突き詰めることが、私が今年目指すものです。

今年もよろしくお願いいたします。

広島のカキ業者の挑戦

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■ダイヤモンドオンラインの記事です。池田陽子さんという方が書いた記事。よく取材しています@_@

広島といえばカキの産地です。生産量日本一のはず。ただし、主流は加工用むき身です。近年好まれる殻つき生食は得意ではないらしい。

そこで広島の生産者も殻つき生食に挑戦しているという記事です。


■日本では加工用のむき身が流通の中心でしたから、そこに力を入れるのは当然です。

ただ世界に目を向けると、高級食として喜ばれるのは、殻つき生食の方です。

記事によると、最初は、殻の形が悪く、つぶも不揃いな広島のカキは、全く受け入れられなかったらしいですが、顧客の嗜好を読んで、開発体制を整えた結果として、受け入れられるようになったとのこと。

もともと広島はカキの産地なので、養殖のスキルやノウハウは蓄積されていたでしょうから、ご苦労はされたでしょうが、恵まれていたのでないでしょうか。


■市場環境の変化に沿って、商品をリニューアルしていくことは当然のことです。

業界トップ企業が、凋落していくのは、市場が変化する時です。対応できない、やろうとしない。そういう時にトップの交代が起こります。

歯磨き粉のニッチ・メーカー スモカ

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■大阪にあるスモカという会社。歯磨き粉メーカーです。

記事を読む限りは、スモカは中小企業なんでしょうね。知識不足ですみません。

業界トップクラスと同じようなことをしていたら勝てないでしょうから、OEMとニッチ製品の開発に絞っています。


■OEMというのは、化粧品メーカーなどの品揃え需要があるのでしょうね。

やはり大手が相手にしないような数量の生産を引き受けているのでしょう。


■自社ブランド製品としては、歯周病に関する歯磨きや、煙草のやにとり用歯磨きなどに特化しています。

強みは開発力ということになるのでしょうが、製品分野を絞ることによる開発力ですね。

要するに、関係各位(歯周病に強い歯科医さんとか)との関係を構築できているので、コアな情報が入る状態を作っているということでしょう。そう推察します。

ニッチ分野に特化することで、情報や連携相手を蓄積することができて、技術力がずば抜けていなくても強みにすることができるという事例だと思います。


■面白い会社だと思いますが、情報が少ないので、なんとも言えない。すみません。

田崎真珠のV字回復

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■日経ビジネスオンラインの記事です。田崎真珠の復活について。

2008年頃、田崎真珠は危機的状況を迎えていたらしい。政府による保護政策の終了や、中国製の安い真珠の台頭などによるものです。

同社は品質を重視するあまり、養殖所をいくつも抱えており、その経費が経営を圧迫していました。

固定費を削減しなければならないのは明らかですが、従来の経営陣にはできませんでした。


■そこでファンドから人材を受け入れます。大規模なリストラを敢行し、出血を止めます。日産と同じで、外部の人にやってもらわないとできないものなんですね。


■応急処置が終われば、次には成長戦略に取り組まなければなりません。ファンドは、高級ブランドの経営に長けた人物を経営者にします。

新社長が目指したのは、冠婚葬祭市場ではなく、ラグジュアリー市場。そのため、新しいデザイナーを招きます。

新デザイナーは、真珠を真っ二つに切ったりとか、従来の人から見れば、ムチャクチャなデザインをやらかします^^

が、それもブランドイメージを変えるための方法でした。


■取り組んでから2年経って、ようやく市場が反応をはじめます。

もちろん、様々なプロモーションを行った結果ですが、ブランドイメージの変更にはっそれだけ時間がかかるということがわかりますね。

2008年にファンドが出資してから、5年での復活劇です。


■記事にもあるように典型的な事業再生事例です。

(1)出血を止めるための固定費の縮小。

(2)ポジションチェンジしての成長戦略策定。

(3)戦略の実施。

赤字に陥る企業ができないのは、(1)固定費の縮小。いわゆるリストラです。従来の方針の否定になることなので、自分ではできないものなのですね。

次に(2)成長戦略策定と(3)その実施です。新たな分野に進出するには、その分野に精通した経営者が必要となります。これもまた旧来の経営陣にはできないことです。

大阪の蛇口メーカー「カクダイ」が変な商品を作ってます

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■withnewsの記事。大阪の蛇口メーカー「カクダイ」が冗談としか思えないような商品を作っているという話です。

記事をみると、確かに冗談です^^;

やかんの形をした蛇口であるとか、さかさまになっていて蛇口ではなく栓の部分から水がでるやつとか。

楽しんでやってますね。


■意図は明らかですね。

(1)奇妙な商品づくりによるプロモーション効果。

(2)奇妙な商品づくりに取り組むことで開発力、技術力を育む。

(3)奇妙な商品づくりを大真面目にすることで従業員のモチベーションを高める。


■だから、この商品で儲けようとはしていません。

一定数売れて、利益がでそうになってきたら、廃番にするそうです。

利益が出たら、商品づくりの意味合いが変わってしまうからでしょう。


■こうした変なプロジェクトに挑戦することで、上記のような効果を上げている企業はいくつかあるはずです。


そのあとが出てこない。でもやっぱり大阪の会社ですね^^


■広告宣伝にお金をかけるなら、こうした変なプロジェクトに予算をまわす方がいいんじゃないか。

と思わせますね。

八ッ橋の志向する「生き残る」経営

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■The Huffington Postの記事です。京都の老舗和菓子店八ツ橋のお話。

MBAでは八ッ橋は売れないそうです。

その意味は、経営の方向性や目的が違うからでしょう。


■私なりの言葉でいうと、MBAは勝つための合理性を追求した経営手法を学びます。

ところが京都の老舗和菓子店では、生き残る経営を志向します。

挑戦して失敗すると、従業員を解雇しなければならないかも知れない。挑戦するのは確実に勝てる時だけです。勝つ算段がない時には何もしないに限る。孫子の兵法に通じる教えです。


■違う視点でいうと、MBAを学んだ人はポジショニングを重視する傾向が強いのではないかな。競合他社に対して、自社の位置づけを大きく変えることも厭いません。

生き残りを重視する経営では、リソースの蓄積や強化を重視します。だから顧客、得意先、従業員、地域とのつながりを大切にします。


■どちらが正しいというものではありません。どちらの姿勢をとるかですね。

ちなみに私は、コンサルティングの際は、ポジショニングリソースと両方を重視しますが、目的は「生き残る」ことに置いています。

だから八ッ橋さんのような経営姿勢は好きです。

プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

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