わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

54歳の年に取り組みたい仕事

私事ですが、今日、誕生日です。

54歳になりました。

阪神タイガースのランディ・メッセンジャー投手の背番号と同じです^^


54歳といえば、世間的にいって最も脂の乗りきった年頃といえるのではないですかね。

ただ本人にその自覚はありません。

サーモス事業部で、魔法瓶を小脇に抱えて、金物屋さんに飛び込み営業していた頃とそれほど変わらない気がします。

20数年前に見えた光明


そのころ、いまから20数年前ですが、事業部も自分も行き詰って、これから先どうやって生きていこうかと悩んでいた時、苦し紛れに始めた勉強。。ランチェスター戦略やマーケティング戦略や様々な経営理論が、自分を救いました。

その時の感激は忘れません。

たぶん私は、人より単純だったのでしょうね。

「魔法瓶を売るのに理論もクソもあるか」「できないやつほど理屈をいう」などという一部のスレた先輩たちに与せずに、素直に感心して、採り入れていきました。

その時、見えた道筋や光明が、いま自分の生きる道となっています。

一人でも多くの人に光明をみてほしい


いま、私の最大のモチベーションとなっているのが、一人でも多くの人に光明を見てもらいたいという思いです。

入社して1年経たずに退職する人が多いというではないですか。

決断の速さは大したものだと言えるかも知れませんが、それが先の見えない迷いから退職するのであれば、本人の人生にとって有益なこととは思えません。

あの時、こんな自分でも社会の一員として果たすべき役割があると確信できたのは、自分の努力の方向がはっきりと見えたからでした。

その同じ思いを多くの人たちにしてほしい。

社会人としての責任を全うできる大人に早くなってほしい。

きれいごとのように聞こえるかも知れませんが、それが偽らざる私の本音です。

今年のテーマは「人を育てる」


54歳が、最も脂の乗りきった時期だというならば、私もそろそろ自分のやりがいを感じる仕事を優先していってもいいのではないかと思います。

小さな会社、大きな会社関わらず、自分の役割の果たし方が見えずに、迷いながら仕事をしている人は多いと思います。

真面目で、さぼりたいわけではない、やる気はあるのに、いまひとつどうしていいかわからない。

どうすれば営業成績が伸びるのだろう。どうすればできる社員になれるのだろう。そんな素朴だがそれだけに人に相談できない悩みを持つ人は多いはず。

そんな方に、自分の役割の果たし方を知ってほしい。

仕事ができるできない、というのは、考え方の姿勢と技術です。たとえば営業成績を上げる方法を知れば、少なくとも目標達成の確率は上がります。

ビジネスのセオリーを知り、成功確率を高める方法を理解することで、正しい努力の仕方を身につけてほしい。

大きなくくりでいうと「人を育てる」仕事です。

私も年をとったのですかね。若い人に素直に育ってほしいという思いが強くなりました。

SASUKEが、人気コンテンツになった理由

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「SASUKE」ってつくづくいいコンテンツだと思います。

大人が大掛かりなフィールドアスレチックをやっているだけなのに、つい最後まで観てしまう。

テレビ局の見せ方もさることながら、やはりコンテンツの持つパワーが優れているのだと思います。

このコンテンツが海外でも人気を博しているというのも頷けます。

内容に「親近感」がある


まず素人参加であること。

たまに有名人も出ていますが、基本、参加者は素人です。

どこかの店員であったり、会社員であったり。親近感がわきます。


それに競技そのものが単純です。

大掛かりなフィールドアスレチックに取り組むだけ。それをひたすら見せられるのですが、目を離すことができません。その単純さがいいわけですな。

もちろん競技の難易度は恐ろしく高い。が、なぜ難しいのかが、一応、体感できます。

その意味でも親近感があります。

ちなみに、親近感というのは、その競技が人気がでるための大きなキーワードだと考えています。たとえ素晴らしく面白いゲームだったとしても、親近感がなければマスの心をとらえることはできません。

SASUKEは、ものすごく難しいのはわかるが、クラスに一人はいる超運動神経いいやつなら1STぐらいならクリアできるかも知れない、という手の届き感があります。


テレビ局の見せ方もうまい。一人一人の背景を物語として提示し、その人物がどのように競技するかを丹念にみせていきます。

しかも失敗すればやり直しはありません。どんなエースでも手加減なし。番組の構成上の忖度などなしにそこで打ち止めです。

その不可逆性とリアルさが、さらに親近感を持たせます。

このコンテンツの在り方は、他の競技などの参考になるのではないでしょうか。

SASUKEをきっかけに人生を切り開く人も


参加者は素人といいましたが、常連組はほとんどタレントのようです。

実際、肩書をみていると、スポーツジム経営とか、スポーツ用品会社役員とか、SASUKEをきっかけに、人生を切り開いた様子がわかります。

記事にとりあげられた人は、最初からSASUKEを目指したらしい。人生の目標に設定する人が現れているのです。

ユーチューブやゲームの世界と同じく、SASUKEをクリアできる運動能力がある、ということで人生を切り開けることを示したのは、社会の多様性を高めたということで大いに評価できるのではないでしょうか。

もっとスケールは大きくできるはずだが


もっとも、いまだ規模は一つのテレビ番組のもので、社会現象というにはスケールが小さい。

記事を読むと、誰でも参加できるのではなく、テレビ局が何らかの意図で選別した人間だけが参加できるようになっているらしい。

これが、予選を勝ち抜いた者が公平に出られるルールにすれば、もっとスケールは大きくなるのでしょうし、本番組の地位は向上するはずです。

そこまで大掛かりにするのは、成功した番組シリーズとしては望むところではないのかも知れませんが、可能性のあるコンテンツだけに期待してしまいます。







自分で商品を選びたくない消費者が増えると、アマゾンが儲かる?

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消費者心理の最新事情。示唆に富んだ記事です。

関心のある分野の商品でも、誰かに選んでほしい


いまの消費者、特に若い世代が、情報疲れを起こして購入商品を選びたくないと思っているそうです。

こだわりがない分野の商品について、「なんでもいいから売れているやつを買っておこう」というのは今まで通りです。トップ商品がますます売れるという根拠になっていました。

が、調査では、「関心のある分野の商品」についても、誰かに選んでほしい、と思っているらしい。

優良スマホアプリ、家電製品、化粧品、情報機器、旅行、教育学習教材などは、関心があるのに、自分で選びたくない、と思っています。

要するに、商品に関する情報が過多なものものについては、自分で調べて選ぶのが面倒だ、誰かしかるべき人の意見に従いたいということのようです。

(自動車、住宅、書籍などは、自分で選びたいと思っているそうですが)

インフルエンサーの影響力が増す


マーケターは、ここから何を考えるのか。

まずは、インフルエンサーという立場の人の重要性が増します。

消費者代表とか、その道の権威とか。そんな固い言い方でなくても、その分野をよく知っているタレントとかユーチューバーとか、そういう人たちの意見が強くなります。

だから、家電芸人とか化粧品タレントとか、そういう人たちは増えてくるでしょうね。ユーチューバーやブロガーも、記事にある「関心はあるが、選びたくない」商品に特化していくべきですね。

同時にそういう人たちへの目線も厳しくなり、中立圧力(企業と結託していない、ステマではない、という圧力)は増すでしょう。

記事ではPBの隆盛も、選択範囲を狭める、という機能を果たしているのではないか、と書かれています。

また、アマゾンか!


個別商品について、マーケターのやりようはありますが、それ以上に、トータルで消費者に提供するサービスが出てくるのではないかと私は思います。

アマゾンなんてやりそうですね。

アマゾンホーム→住宅ごとアマゾンが提供するサービス。住宅賃貸費用、光熱費、保険、家電製品、自動運転車、簡単な食品すべて込みで定額制。

アマゾンライフ→家だけではなく結婚から出産、子供の養育費、教育費、冠婚葬祭まで面倒をみるサービス。

アマゾンタウン→一世帯だけではなく町全体の運営を任せるサービス…

つまり生きていくために最低限のものは定額で提供してもらい、それ以外の趣味のものは自分で選択するというサービスです。

この調査結果をみて、爆発的に流行るのではないかと思った次第です。


もちろんアマゾンでなくてもいいわけで、アマゾンホームの簡易版をベーシックインカムとして政府が提供すればとりあえず社会不安はなくなりそうです。

それにより社会の活力がなくなるのか、いや余裕のある時間が増えて創造性が増すのか。

私にはわかりませんが。






新築一戸建てをブルーオーシャンにしたオープンハウスの戦略

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オープンハウスは、東京都心一戸建て販売で快進撃を続ける企業です。


都心一戸建て販売をブルーオーシャンに


「東京に、家を持とう。」をキャッチフレーズに、通勤に便利な都心の一戸建てを格安で販売して実績を上げています。

なにしろ都心の新築マンションの平均価格が7000万円以上。これに対して、同社の新築一戸建て価格は、土地付きで平均4400万円です。

破格の販売価格ですね。


その秘密は、大手ハウスメーカーが敬遠するような狭小地やいびつな形の土地に目を付けたことです。

中途半端な大きさや変な形の土地に、同社が工夫して住みやすい家にデザインすることで、都心でも低価格の戸建て住宅にすることに成功したわけです。

まさにブルーオーシャン市場を見出したという状況です。

すさまじい快進撃


オープンハウスの業績向上は凄まじく、売上高でいえば、5年間で4倍近く向上しています。経常利益も10%以上をキープしています。

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同社の主力は一戸建て販売ですが、建築施工会社を買収することで、製販一体の体制を整えています。

また、マンション分譲や、収益不動産の販売にも手を広げています。

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意外に脆弱なビジネスモデル


ここまで凄まじい進撃をみせてきたオープンハウスですが、弱点もあります。

まずは、都心の狭小地の枯渇です。

都合よく安い土地が無限にあるとは思えませんし、なにより他の事業者が黙っていないでしょう。

オープンハウスの成功をみて、他の事業者がミート(真似)することは難しくありません。

大手ハウスメーカーだけではなく、小さな事業者も、似たようなことをやってくるでしょう。

そうなると、もはやブルーオーシャンではありません。


もうひとつ、都心の規制が変更し、オープンハウスが作るような住宅が禁止される可能性もあるとの指摘もあります。

参考:あなたが「オープンハウス社長」ならばどうするか?


営業力の強化に賭ける


ということで、同社の方向性は、都心で他社の追随を許さないほどの圧倒的な地位を築くこと。および東京以外の地域への進出です。

同社でもそれを重要課題をしており、営業力の強化、他地域への進出を行っています。


特に営業力については、同社が力を入れている部分のようで、

着信拒否をしたくなる電話攻勢など一歩間違えるとクレームにつながりかねない、あまりに熱心すぎる営業体制

と記事内で揶揄されるほどです。



この記事↑に、オープンハウスの営業のことが書かれていますが、営業力強化のお手本のような活動をしていることがわかります。

まずは、プロセス営業の徹底です。

集客から契約までの業務プロセスを細分化し、課員の活動とマネジャー、店長の活動をそれぞれ分けた。その結果、各レイヤーが1つの契約に対して積極的に協力し合うチームワークの必要性が生み出した。仕事の範囲を限定することで、早期にスキルを身につけさせることも狙いだ。評価方法も工夫した。契約が1件獲れれば、すべてのレイヤーの社員に一様に評価ポイントがつくため、課員の育成により力を入れるようになったという。

簡単にいうと

(1)営業活動をプロセスに分ける

(2)プロセスごとに役割分担する

(3)チーム成績と個人評価をリンクさせる

という取り組みです。

そうすることで、チームで協力し合う姿勢となり、かつ自分の役割内でのスキルが身に付きます。


営業力は、真似されない強み


さらに同社は、営業マンのモチベーションを上げることにも注力しています。

●高い目標を掲げる。目標管理は週単位。達成者はもちろん称賛、評価される。

●営業出身者の処遇がいい。営業が花形という文化。

●体育会的に声を出す。現場でのコミュニケーションを重視する。

ということで、オープンハウスが営業力を非常に重視した会社であるということがわかります。


営業力の強化はすべての企業に必要な課題ですが、同社の場合、競争激化が予想されますので、特に意識して強化しなければならないという事情もあったのでしょう。

しかし、営業力は他社にとって容易に真似することができない強みです。

そういう意味では、オープンハウスの狙いは的を得たものだと思います。

また、狙い通りの営業力が得られたならば、その強さはしばらく揺るぎないものであると考えます。

シリアルアントレプレナー「ブックオフ」「俺の」創業者の成功パターン

シリアルアントレプレナー


(2018年3月22日メルマガより)


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ビジネス系出版社大手ダイヤモンド社が運営するウェブサイト・ダイヤモンドオンラインでは、毎月、今月の主筆という連載をしています。

有名な経営者などが、毎週1回(月4回)にわたって自身の経営観やこれまでの経験などを語ります。

いわば、日経新聞における「私の履歴書」のダイヤモンド版ですね。

有名経営者の人生はやはり面白いものが多く、いつも楽しみに読ませていただいております。

そんな中、今月の主筆は、「ブックオフ」や「俺の」創業者である坂本孝氏です。

なかなか波乱万丈の経営者人生で面白いので、お勧めいたします。



「ブックオフ」「俺の」 全く違うビジネスを創業


「ブックオフ」は、古本屋チェーンのことです。

それまで職人的な目利きオヤジの個人店ばかりだった古本屋の世界に、素人でも運営できるシステムを導入し、一気にフランチャイズ展開することで、日本トップの座となりました。

最近は、本が売れないので、古本屋チェーンにも昔ほどの勢いがありませんが、それでもよく人が入っています。

心斎橋の私の事務所の近所にあるので、よく利用させていただいております。


「俺の」というのは、「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」などの飲食店を運営する会社です。

一流シェフが作った本格的な料理を低価格で提供する、そのかわり立食形式で回転率を高める、というビジネスモデルで、こちらも一世を風靡しました。


古本屋と飲食店。全く違う業界のビジネスを立ち上げて、成功させるって、並大抵のことではありません。

いったいこの人の頭の中はどうなっているのでしょうか。


根っからのシリアル・アントレプレナー


今回の連載記事で、坂本氏は、「小さな成功に有頂天となっては失敗し、借金を背負うようなことの繰り返しだった」と語っています。

が、実際には、事業運営をいくつも成功させた非常に優秀な事業家だったことがわかります。

坂本氏がこれまで手掛けてきた事業は、

飼料工場

高級オーディオショップ

中古ピアノ販売

不動産業

など。

成功した事業も失敗した事業もあるものの、成長市場を読む目と、思いついたアイデアを実行する組織体を作り運営する能力は非凡なものがあるというしかありませんな。

こういう人のことをシリアル・アントレプレナー(連続起業家)というのでしょうか。

その後、ブックオフの創業で大成功を収めます。

ブックオフを不祥事で追われた後、70歳代になってから始めたのが「俺の」です。

そのバイタリティも非凡ですよね。


一世を風靡した「ブックオフ」


「ブックオフ」と「俺の」。全く違うビジネスに思えますが、共通点があります。

それはどちらも需要が確保されているビジネスであるということです。


ブックオフは、中古マンガ本屋が大盛況であることをみて、発想したと記事にはあります。

ブックオフ第一号店は1990年。出版全盛期の頃です。

本には再販価格制度があり、売価が決まっています。

そんな定価でしか買えない綺麗な本が、すべて半額で買えるとしたら、それは流行るはずです。

ブックオフは、希少本などには目もくれず、とにかく新しい綺麗な本を仕入れることに注力しました。

新しい本を仕入れて、使用感がみえないように磨いて店に並べれば、ほとんど普通の本屋さんのようです。

それまで暗いじめじめした小さな古本屋さんとは、革命的に違うイメージの大型店舗は、まさに一世を風靡しました。


ここで注目すべきは、ブックオフの課題を「本を買ってくれる人ではなく、本を売ってくれる人を探すこと」だと規定したこと。

そうなんですね。ブックオフ成功の秘訣は、売ってくれる人を多く集めることです。本さえ集まれば、売れることは保証されたビジネスです。

本を売ってくれる人が多そうな住宅地に出店し、場合によっては自宅引き取りも行います。買い取り時の目利きなど不要。出版日時によって自動的に価格を規定。そうすることで、大量調達を可能にしました。

複雑なノウハウが不要で、システムが明確なので、フランチャイズ展開が可能です。しかも本の需要は大きいので、規模の経済が効くビジネスです。

全国展開を成し遂げて、東証1部上場に至るような大きなビジネスとしていきました。


高級料理の薄利多売ビジネス「俺の」


「俺のフレンチ」や「俺のイタリアン」も需要が確保されたビジネスです。

ミシュランガイドで星を得られるような一流シェフが作る料理が、高級料理店の三分の一程度で食べられるのです。

立地は銀座。日本中の食通が集まる場所です。

顧客には困りません。


もともと「俺の…」は、料理人の思いを叶えるために発想されたそうです。

夢を抱いて料理人になったとしても、思い通りに腕をふるえるのは、一部の人のみ。殆どの料理人は、コストに縛られて、ありきたりの料理を作ることになります。

腕のある人ほどそんな創造性のない職場からは逃げ出したくなるでしょう。

そこで「俺の…」は、コストのことを考えずに、思った通りの料理を好きなだけ作れる場を提供したい。ということで発想されました。

原価率は6割から7割。

普通なら考えられない原価率ですが、ビジネスとして成立させる工夫が、立ち食い形式の採用でした。

立ち食いなら回転が速い。薄利多売を実現できます。

まさに発想の勝利です。


坂本氏のビジネスの成功パターン


繰り返しになりますが、坂本氏のビジネスのパターンは

(1)需要が確実視されること

(2)供給に工夫な必要なこと

だということが言えます。

さらにいうと

(3)システムが明確でフランチャイズ化できる

ということを見込んでおり、大きなビジネスにしていこうとしています。

マーケティングの本質は「需要の創造」だと言いますが、坂本氏のビジネスは、需要はすでにある。というところから出発しています。

ビジネスを成功させる成功パターンの一つとして、覚えておいて損はないと思います。


需要を頼みにするゆえの弱点


ただし、そんな坂本氏のビジネスも永遠に成功し続けるわけではありません。

ブックオフは、出版物の需要そのものが目減りしており、ビジネスの限界を迎えつつあります。

需要頼みのビジネスだけに、それがなくなればつらい。意外に寿命が短かったなと感じます。


「俺の」にもいろいろ問題があります。

需要が確実視されるといっても、それは銀座のような大消費地に限られます。地方郊外の立地で、高級食が格安で食べられるといっても、利益を出すほどの顧客数は呼べないでしょう。

だからフランチャイズ展開するにも、広がりようがありません。

それに供給者の問題です。

「俺の」は、一流シェフの存在が前提となっています。

ミシュランガイドで星を得られるようなスターシェフがコストを気にせず作った料理が食べられるということを売りにしています。

が、超一流のシェフが何人もいるわけではありません。

いたとしても、スターシェフがずっとそこに居つくわけではないでしょう。さらに理想の職場を求めて去ってしまうかも知れません。

事実、「俺の」の最初の頃の店舗では、看板シェフが既に退職しています。

料理の質が落ちればとたんに客足が遠のくでしょうから、シェフの確保、あるいはシェフの育成が課題となります。

これは難しいでしょうね。シェフ育成の仕組みが回るようになれば、ビジネスとして競争力となるでしょうが、できなければさらに寿命の短いビジネスとして終わりそうです。


模倣だが、より破壊力のある「いきなり!ステーキ」


この「俺の」のスタイルを真似ながら、さらに破壊力のあるビジネスにしたのが、「いきなり!ステーキ」です。

「いきなり!ステーキ」は、ペッパーフードサービスの創業者が、「俺の」にヒントを得て始めたビジネスです。

ビジネスモデルは同じです。高級肉のステーキが、高級店の半額以下で食べることができる。そのかわり立ち食い形式です。回転率を高め、薄利多売で利益を確保します。

優れているのは、ステーキを題材にしていることです。

ステーキは、フレンチやイタリアン、懐石料理に比べて、わかりやすく需要がより大きい。

最高級のフレンチを食べたいという人よりも、最高級肉のステーキを食べたいという人の方が単純に多いということです。

需要が大きいので、全国展開も可能です。

しかも、ステーキの調理は、フレンチほどのノウハウは必要ありません。だから一流シェフの確保は不要です。

供給の不安がないので、フランチャイズ展開に憂いがありません。

実際「いきなり!ステーキ」の進撃はすさまじく、業界を騒然とさせています。

ラーメンチェーン大手の幸楽苑などは、自社の店舗を「いきなり!ステーキ」のフランチャイジーに切り替えているほどです。

成長の勢いが強すぎて、人材確保に困っているというのだから、その凄まじさがうかがえるというものです。

これには、「俺の」の坂本社長も「自社でやるんだった!」と悔しい思いをしているのではないでしょうか。


もっとも、「いきなり!ステーキ」の問題は、真似されやすいことです。規模が大きく、システムも単純となれば、他の事業者が黙っていないでしょう。

間違いなく類似業者が登場します。「吉野家」における「すき家」のように、元幹部とかが独立するかも知れません。より効率的な業務オペレーションを開発されれば、それなりに脅威になってくるでしょう。

それがわかっているから「いきなり!ステーキ」は、全国展開を急ぎ、ナンバーワンの地位を早く確保しようとしているのでしょうね。

「肉マイレージ」なんて顧客囲い込みの手段にも余念がありませんしね。

ただ類似業者にしろ、高級ステーキを格安で販売する店が多く現れることは、消費者にとって歓迎すべきことです。

健全は競争を繰り広げていただきたいと思います。


坂本氏はさらに新ビジネスを開始


いっぽうの坂本氏は、食パン販売の新ビジネスを始めようとしています。

本当に、この方は、根っからのアントレプレナー(起業家)なんですね。

食パンなら需要は全国区です。

素材さえ提供すれば作り方は単純のはず。

フレンチやイタリアンのビジネスの弱点を克服し、フランチャイズ展開ができそうです。

あふれるバイタリティと目標達成のための工夫と努力。

さらにいうと、アイデア実現のための組織づくりの能力には、感服するしかありません。

こういう方の存在が、日本のビジネスを活力あるものにしていくのでしょうね。

「孫子の兵法ビジネス活用セミナー」


先日、「孫子の兵法ビジネス活用セミナー」の講師を務めました。

「孫子の兵法」とは、2500年前、古代中国で書かれた兵法書です。

2500年前といえば、日本では縄文時代から弥生時代に移り変わろうとする時代。卑弥呼が登場するはるか以前です。

そんな時代に書かれた兵法書が、いまだに世界で読まれ続けているのだから驚異ですね。


実をいうと「孫子の兵法」は、ランチェスター戦略と似ているところも多く、私にとって馴染みやすいものです。

というのも、ランチェスター戦略の創始者である田岡信夫先生が、同戦略を作るにあたって、孫子の兵法を参考にしたといわれています。だから似ているのは当然なのですね。

ランチェスター戦略を学ぶことは孫子の兵法を学ぶことでもあり、私も自然とこの兵法に詳しくなりました。



もちろん、ビジネスとしてより具体的なのはランチェスター戦略です。

市場シェア目標値や、市場シェアを段階的に上げていく方法、顧客の分析方法など、明日から使える方法論が含まれています。

当たり前のことですが、2500年前の兵法書である孫子は、そこまでビジネスにカスタマイズされていません。われわれが使うには、現代ビジネスへの「読み替え」が必要になります。



しかし、それでも「孫子の兵法」を学ぶ意味があります。

なにしろ2500年の時を経て読み継がれてきた書物です。その普遍性は、疑いようがありません。

特に「孫子の兵法」に顕著なのが、その統治者目線です。(経営者目線、オーナー目線)

孫子は、兵法書なのに「敵に勝つこと」など推奨していません。

孫子が目指すのは、ひたすら「生き残ること」です。

敵に負けようが、泣きを入れようが、土下座しようが、プライドを引き裂かれようが、生き残ることができれば、それで良しとします。

そもそも個人のプライドなど国を(会社を)存続させることに比べれば、塵芥ほどの価値もありません。

だから、敵を騙すことなど普通のことです。孫子には、兵隊(従業員)も騙して戦わせろ、などと身も蓋もないことが書かれています。

そんな素直にはうなずけない内容が含まれているにしろ、徹底した目線は魅力です。



今回、経営者の集まりで「孫子の兵法」を講演させていただきましたが、「その通りだ」「経営に直結している」と意見をいただき、大いに手ごたえがあったと感じます。

正直にいって、私も「孫子の兵法」が実感として理解できるようになったのは、独立し、経営者を相手にコンサルティングをするようになってからです。

一営業だったころは、そういう考えもあるのかな、ぐらいにしか思っていませんでした。

いまは、生き残るための指南書として、最善の戦略書であると感じています。

また何かの機会に「孫子の兵法」のことをお話しできる時があればいいなと思います。


ウーバーで読み解く自動車の未来

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配車アプリ「ウーバー」に関する記事です。鈴木貴博氏は、AIが進化する近未来をよく記事にしており、いつも参考にしております。

ウーバーを始めとする配車アプリは、次世代車産業の中心になるとも目されています。ソフトバンクなど世界中の配車アプリに出資しています。

その配車アプリのパイオニアであるウーバーは、経営者が不祥事で交替するなどゴタゴタはあったものの、成長戦略に従った施策をうってきているようです。

ウーバーの動きから、自動車産業の未来を読み解いてみます。

1.運転手という仕事は激減する


タクシーや運送便や、運転に関する仕事は激減していきます。これは自動運転が主流になるのだから仕方ありません。

そこでウーバーは、運転を仕事にしている人たちの転職を支援するべく職業訓練を始めているそうです。

完全自動運転が実現するのがいつになるのかははっきりしませんが、いろいろな記事を読んてみて、思ったよりも早くなりそうだという印象を私は持っています。10年前後で、完全自動運転が主流になるのではないか?少なくとも「完全自動運転なんて無理だよー」という意見には与しません。

2.自動車の台数が激減する


完全自動運転になると、自家用車を持つ理由が少なくなります。呼べば来てくれるわけだし、運転手もいないので安い。

言われてみれば、いま、マイカーの殆どは駐車場に停めてあるだけです。殆ど使用されていない自動車が、世の中にあふれているわけですな。

完全自動運転となれば、共有が可能となり、絶対的な必要台数が減ります。

自動車メーカーとすれば由々しき問題ですが、社会的には資源の無駄が減るということです。

そうなると、駐車場も激減することになり、マンションや自宅の設計や、都市そのものの設計にも影響を与えそうです。

そこでウーバーは、大規模マンションには駐車場を設置する代わりに、ウーバーの利用権を付与するビジネスに着手しているそうです。

3.宅配事業が副業化する


完全自動運転となっても、宅配業はなくなりません。家の玄関までもっていかなければなりませんからね。

しかし家の前から玄関に運ぶだけですので、業務負担は軽くなるはずです。素人でもできます。

ということでウーバーを使って、素人が空いた時間に副業感覚で宅配するようになります。外出時、ついでにものを届ける、なんてことが普通になると、宅配価格も下がるでしょうし、人不足は解消されます。

ウーバーは、「ウーバー・イーツ」などを通じて、宅配業へ進出しています。

4.新ノマドワーカーが出現する


記事にはありませんが、これは私の予測です。完全自動運転車だと、車内で寝ることが可能になります。だとすると、単身者はわざわざ自宅を持つ必要もなくなります。そのまま車で生活すればいいわけです。

出張でも、車で行ける距離なら、寝台車のように眠りながら現地に行くことも可能だし楽ですよ。

ただ会社員だと、決まった時間に決まった場所に行かなければならないので、駐車場が必要になるなど現実的ではない場合もあるでしょう。

が、フリーランスの方だと、それこそ田舎の方の温泉をぐるぐる回りながら、景色の違う場所で仕事する楽しみがあります。

そういう働き方が出てきて、羨ましがられたりするかも知れませんな。

っていうか、私が個人的に羨ましい。

5.人間との交流が付加価値となる


完全自動運転車が実現すると、無人タクシーが主流になっていくのでしょうね。

その分、付加価値として、人間との交流が見直されてきます。

コンシェルジェサービスを付加した高級タクシーが生まれてくるでしょうし、あるいは、お笑い芸人とかメイドとかが、同乗してくれるサービスがあっても面白い。

一般人同士の出会いタクシー、交流タクシーなんてのが出てくるかもしれませんね。

それこそ、ウーバーなどでは、敢えて目的地を同じくする人たちが相乗りで行くサービスを展開していけばいいのです。C2Cは、得意分野でしょうからね。

時代の変化に合わせて、順流、逆流それぞれビジネスチャンスがあるので、面白くなりそうですな。







死んでいる会社とオジサン銘柄の復活

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社内が「死んでいる会社」について書いた遠藤功氏の記事です。

思い当たるふしがいっぱいありますね^^;

小さな組織でも官僚化ははびこる


コンサル先の例をあげると問題がありますので、かなり昔の話をします。私がいたサーモス(当時は日本酸素(株)サーモス事業部)でも、こういう管理職はいました。

当時、サーモスは業界3位で固定化され、浮上する気も薄かったので、現状維持と管理優先意識が顕著でした。

小さな事業部でさえ、そうなってしまうのですね。

この記事にあるように

1.挑戦より管理が優先される
2.現状維持のベクトルが強く、新陳代謝に乏しい
3.過去の成功体験ばかり語る
4.課長たちが部長の様子うかがいばかりしている
5.会社の方針がコロコロ変わる

があてはまる状況でした。

いや、今思えば、サーモスだけではなく、日本酸素全体の特徴であったかも知れません。

営業部なのに社内ルールに合致しているか外れているかだけを指摘する課長が、他事業部へ出世していきましたからね。

上長への報告業務が、何をおいても重要視されていたのでしょうな。

「生き残る」という目的からみると、間違っているわけではない


この記事の指摘するところはよくわかりますが、別の視点でみると、こういう組織が生まれる前提には、日本市場全体の停滞があると感じます。

市場が成熟、衰退している状況では、いまの事業をする限り成長余地はありません。

その状況で、新しい市場を見つけようと挑戦する企業は立派ですが、稀です。何しろ新規開拓は成功確率が低い。失敗する方が多いのです。

それなら無理に冒険したり、戦争(他社と顧客を奪い合う)したりするよりも、現状維持で満足していれば、とりあえず会社を危機に陥らすような事態は避けられるわけです。

トップランク企業同士が空気を読み合って「停戦しましょう」「今のお客さんだけでやっていきましょう」とやっていれば、生き残ることはできます。

そうなると、組織のパワーは、外への挑戦よりも、内への管理に向かっていきます。

外向きのパワーの方が強いかといえば、そんなことはない。内側へ向く現状維持パワーも強大ですよ。

コンサルをしていると、それはそれは、身の危険を感じるほとです。

今年は、ゾンビ企業の復活が多く見られるか


ただ、業界によってはそうも言ってられなくなっています。

市場が衰退すれば、現状維持では下の方から死んでいきます。

空気を読むとか、紳士協定とか、お金持ちの流儀など守っていられない企業がでてきます。

実際には、そのような企業も現れてきています。

メディアに注目されずに進む、日本のゾンビ企業の「非ゾンビ化」

これもなかなか面白い記事でした。

停滞する日本には、死んでいる=ゾンビ企業がいぱいあるが、そんな企業の中で、人知れず改革して、優良企業に生まれ変わるところがある。というひ「ふみ投信」代表の記事です。

そんな企業のことを「きれいなオジサン」銘柄と呼ぶのだそうです。

ゾンビ企業といっても、本当に市場がなくなって倒産寸前だったわけではなく、競争しないといって死んだふりをしていただけですから、経営者が変わって、組織を活性化させれば、すぐに業績がアップする。

無駄な贅肉がついている状態で企業改革を行うと、それほど優秀な経営者でなくても成果が出やすい。触るだけで水があふれる濡れ雑巾のようなものだ。例えば、1部署に1台ずつコピー機があるような状態を3部署に1台に減らすだけで、大きなコストダウンになり利益が出てくる。

そんなことか!と呆れられそうですが、案外とそんなものです。コンサルとしては、あまり明かしたくないことですが^^;

今年は、こうした死んだふり企業が、多く復活してくる年になるのでしょうか。

「うちはゾンビ企業か?!」と思われる方は、ぜひ私にご相談ください。きれいなオジサン銘柄に変貌させますので^^









サンマルクカフェにわざわざ行く理由はあるのか?

サンマルクカフェ

(2018年3月8日メルマガより)

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私のいまの事務所は大阪心斎橋にあります。

心斎橋商店街に近く、昼時には喧噪が聞こえてきます。

そんな場所に事務所があると落ち着かないでしょう。といわれることが多いですが、そんなことはありません。

朝、昼食を持ち込むと、夜まで一歩も外にでないことが殆どです。

まさに何でも揃っている心斎橋商店街ですが、案外とそんなものですよ。


その代りというべきか、夜、帰る際に、ちょっとカフェに寄りたくなることがあります。

やはり家と事務所の往復だけでは単調になってしまうからなのでしょうかね。

カフェも心斎橋にはいろいろあります。

ドトールコーヒーは4軒もあります。

スターバックスコーヒーも商店街に1軒。

事務所の目の前には星乃珈琲店。

上島珈琲店も、丸福珈琲店もありますね。

その他、大手チェーンではないカフェもいっぱいあります。


私がどこに行くかというと、一番頻度が高いのはドトールです。

店が多いので目につくし、気軽に入れるし、すぐに出るのにちょうどいい。

時間があってゆったりしたい時は、コメダ珈琲店ですね。

パーソナル空間が広いですからね。落ち着きます。

逆に行かないのは、スタバです。

意識高い系の人が多そうで息が詰まりますので^^;

その他、気分を変えたい時には、他のカフェに寄ったりもしますかね。

気分次第です。


オヤジには居心地が悪いサンマルクカフェ


今回のテーマになっているサンマルクカフェはどうか。

実はあまり行きません。

いくつか理由はありますが、その一つは、サンマルクのターゲットが若い女性であること。

店内は間接照明が中心で落ち着く空間を作り出していますが、昭和のオヤジとしては、場違いな気分になります。

コーヒーの値段はドトールと同じ安さですが、味がドトールより落ちると感じます。主観ですが。

その分、焼き立てパンやパフェを充実させていますが、こちらもオヤジとしては食指が動きません。

ターゲットから外れているので当然ですが、なんか違う。と思うのですな。

天王寺駅のようにサンマルクカフェしかない。という状況以外は、行く気がしませんよね。


業績が急降下しているサンマルクホールディングス


もともとサンマルクグループは、焼き立てパン食べ放題サービスを売りにしたレストラン経営で知られています。

ただこのグループはけっこう多彩で、レストラン以外にも、カフェ、パスタ、中華、回転寿司と様々な業態を展開しています。

サンマルクホールディングスの全体売上高は675億円。(2017年3月期)

全体の営業利益は10%というから高収益です。売上高も右肩上がりです。

文句をつけようがない実績に思えますが、内実はそうでもありません。

グループ内で儲かっているのは、サンマルクカフェと鎌倉パスタだけ。あとは、赤字か利益なしで運営している状況です。

実をいうと、ここ数年、売上高の伸びは鈍化しており、既存店舗の不振を店舗数の増加でカバーしていました。

そして2018年になり、とうとう営業利益、純利益額で昨年を割り込むことが予測されています。


サンマルクカフェは業界5位 決して盤石ではない


サンマルクホールディングスの稼ぎ頭が、サンマルクカフェです。

売上高279億円。というから全体の40%以上です。(鎌倉パスタが159億円)


ところが、カフェ業界では、サンマルクカフェの地位は、スタバ、ドトール、コメダ、タリーズに次ぐ5位です。

いくら収益事業でも5位というのは安心できる地位ではありません。

かつて20世紀最高の経営者といわれたGEのジャック・ウェルチは「業界で生き残れるのは、1位か2位のみ。それ以下は合併や買収に明け暮れ、苦しむのが仕事になってしまう」と発言していました。

業界が成長しているうちはいいものの、成長が鈍化すれば、まさに業界再編に巻き込まれていくことは必至です。

コメダ珈琲の存在が、サンマルクカフェの立ち位置を厳しくさせている


少なくとも、生き残るためには、他にはない特徴が必要です。

業界1位のスタバは、コーヒーの種類が多く、ゆったりできる空間と時間の提供を売りにしています。

2位のドトールは、美味しいコーヒーを低価格短時間で飲めることを売りにしています。

では、サンマルクカフェはどうか?

同社のコーヒーはドトールと同じ価格帯ですが、美味しいとは思えない。。。(主観ですが)

店内は、比較的ゆったりできるようにレイアウトされています。照明も暗めです。

つまり低価格でもゆったりできることが売りです。

それでは儲からないだろーと思われますが、サイドメニューの充実でカバーしています。

得意の焼き立てパンや、やたら種類の多いパフェなど。

コーヒーよりも、サイドメニューで勝負しているのが、サンマルクカフェなのですね。


ところが、この分野には、手強い競合他社がいます。

ゆったりできて、ボリュームのあるサイドメニューを売りにするカフェといえば、コメダ珈琲です。

サンマルクカフェほど種類はないのに、充実感のあるメニュー構成はさすがです。

コーヒーが美味しくないのは同じですが、パーソナルスペースが広くとれるので、ゆったり感は随一です。

コメダの場合、ターゲット層を団塊の世代〜団塊ジュニアの世代に設定しているようなので、あくまで昭和っぽい店づくりを心がけており、そこは違います。

ちなみにコメダの看板メニューである「シロノワール」は、サンマルクの「デニブラン」とそっくりです。

どちらが真似をしたのかは知りませんが、競合しているというのは間違いなさそうです。



サンマルクカフェが進むべき方向性


サンマルクホールディングスの事業構成をみてみると、グループの選択と集中を進めなければならない時期にあることが分かります。

利益を出しているサンマルクカフェと鎌倉パスタ、および祖業のサンマルクレストランは残して、後の不採算事業(サンマルクグリル、サンマルクチャイナ、倉式珈琲、函館市場)は整理すべきです。

鎌倉パスタは、業界1位を争う好位置にあるので有望です。

が、問題は、サンマルクカフェですね。

売上構成比の大きなカフェが、業界5位というのは危機的状況です。

サンマルクホールディングスの興廃は、サンマルクカフェの浮沈にかかっているといってもいい。

業界5位の企業が、生き残り、浮上を目指すならば、何らかの特徴がなければなりません。

選択肢を考えてみると

(1)美味しいコーヒーをちょい飲み路線。→低価格をアピール、店内を明るくし、顧客の回転数を上げる。もっとも、この分野ではドトールに勝てない。サンマルクは店も一等地にはなく、客数が上がらないと思います。

(2)充実したコーヒーをゆったり飲む路線。→コーヒーが美味しくないので、ここを強化する。機械を刷新するぐらいはすぐにできそうですが、スタバほどメニューを増やすことは人材育成を根本的に改めなければならず難しいでしょう。できたとしてもスタバに勝てるのか?

(3)サイドメニューを充実させて、短時間利用を促す。→もともと焼き立てパンが売りなので、やろうと思えばできるはずですが、この分野には、イートインのパン屋さんがたくさんあります。そこまでパンを充実することができるのか?といえば疑問です。

(4)サイドメニューを充実させて、ゆったりしてもらう。→結局、いまの路線を推し進めることが最も可能性がありそうです。しかし、ここには、コメダ珈琲という強い競合が存在しており、厳しい戦いが予想されます。


コメダ珈琲と差別化する方法


ではコメダ珈琲と差別化するにはどうすればいいのか。

コメダのターゲットは年齢層が高いので、サンマルクカフェが若い女性を狙うことは理にかなっています。

コメダの特徴は、パーソナルスペースを広くとれることです。読書をしても書き物をしても友達と話していても、他人の目を気にすることがありません。

サンマルクカフェが同じ広さを確保するのは物理的に無理があるので、他の方法を考えなければなりません。

若い女性が居心地のいい空間とは何か。

おそらく、コーヒーと甘いものが充実していて、スマホを思う存分使えて、読書や自習もできて、汚いオヤジがいない場所です。

そのためには

コーヒーをもう少し美味しくする。機械を刷新してもらいたい。

サイドメニューは開発し続けていく。チョコクロ、デニブランに続くヒット商品を開発しなければならない。ミスタードーナツがイマイチなので、サンマルクカフェと提携すればどうでしょうかね。

wifi環境の整備は当たり前。全席に電源をつける。いまはコメダ珈琲でも一部電源を設置していますからね。

照明をもう少し工夫して、読書や自習がしやすいようにする。

これを徹底すればいい。つられて、若い男性やオヤジも来るでしょうが、さすがにスポーツ新聞を読むためには入りにくいでしょうから、雰囲気は保てるはずです。

ちなみに、大前研一氏は、ベーカリーショップ大手のアンデルセンと資本提携し、ベーカリー業態のサプライチェーンを構築するのがいいと提案していました。

これも、サイドメニューの充実という意味からの提案ですね。


人材教育にも問題があるのでは


そんなことを思いながら、久しぶりに心斎橋のサンマルクカフェに行ってみました。

メニューをみるとコーヒー一杯が250円(税込み270円)となっており、値上げしたのかな?と思っていると、実際にはあるSサイズ(税込み220円)がメニューにないだけでした。

なんと姑息な!とは思いましたが、ゆったりタイプの店で低価格路線は無理があるので、企業としての意思が理解できます。

が、コーヒーは相変わらず美味しくない(><)

甘いものを食べない者には、キツイものがありました。

それに間接照明が強すぎて、読書をする雰囲気でもない。書き物もしにくい。

居心地の悪さは相変わらずでした。

文句ばかり言って申し訳ないですが、改善点がいろいろありそうだったなと思いました。


私がサンマルクカフェに行かなくなった理由は、ある事がきっかけでした。

お昼頃、ある場所のサンマルクカフェに入ったところ、隣の席の女性が携帯電話で話をしていました。

少しの間なら理解できますが、その人は昼休みの間中、電話をするつもりのようで、友達の噂話などを延々続けていました。

さすがに周りの人たちも迷惑そうにしていたので、店の人に注意してもらうようにお願いしたところ、店の人から「電話するのはお客様の自由です」と返されてしまいました。

そうかも知れない。が、そんな不快な思いをしてまでカフェにいる理由はないので、すぐに退出しました。それ以来、サンマルクカフェは極力避けるようにしています。

果たして、電話フリーというのは店の方針なのか、店員個人の見解なのか、オヤジのクレームなどまともに取り合わないと判定されたのか。

いまとなってはわかりませんが、少なくともあの時、多くの顧客にとって、店内は居心地のいい空間ではなかったはずです。もう少し違う対応の方法があったでしょう。

その意味では、同店の人材教育にも問題がありそうだと思う次第です。


参考:ビジネスブレークスルーチャンネル「大前研一ライブ」リアルタイム・オンライン・ケーススタディ

シャトレーゼが海外進出 国内店舗の落ち込みをカバーできるのか

シャトレーゼ、郊外で鍛えた力を海外で生かす 東南アジアでケーキを売りまくる

洋菓子の製造小売店チェーンのシャトレーゼが、海外進出をしているという記事です。日経ビジネスオンライン。

洋菓子のボリュームゾーンを捉えて成長


シャトレーゼが、海外展開に力を入れているのは、事業転換せざるを得ない事情があるからのようです。

もともとシャトレーゼは、郊外型店舗運営で大きくなっていったチェーンです。

創業は1954年。当初は今川焼の販売店でした。が、今はフランチャイズ方式で店を広げて、全国495店を構えています。

シャトレーゼが顧客の支持を得たのは、やはり美味しくて安い商品を品ぞろえできたから。洋菓子のボリュームゾーンを捉えたわけです。

山梨県の工場で一括生産し、各地に配送する仕組みで、安くて美味しい商品の提供を実現しました。

確かに最初の頃は、品ぞろえも多く、商品もそこそこ美味しいので満足しました。値段は、百貨店のケーキ屋と比べて、ショートケーキで100円から150円ほど安かったのかな。一家5人だと500円から750円の差額になるので、重宝したはずです。

あおりを受けたのが、町のケーキ屋さんです。品揃えでは敵わないし、味も同等だとすれば、値段勝負にせざるを得ません。結果、町のケーキ屋さんの需要を奪って、成長していきました。

郊外型店舗の限界


シャトレーゼが岐路にあるというのは、郊外型店舗に限界がきていることを示しています。

人口減と少子高齢化。および都心への人口集中で、郊外型店舗ビジネスは軒並み苦境に陥っています。ラーメンチェーンの幸楽苑もそうでしたね。

フランチャイズビジネスなので、オーナーの高齢化問題もあるでしょう。

そこで需要のある海外に進出しようというのは、理にかなった方向性です。

これまでのノウハウやシステムが、海外展開に合致した


海外。特に東南アジアでは、菓子といえば、甘すぎて重すぎるというイメージがあります。どうにも日本人の口に合わない。少なくとも私はダメでした。

たぶん日本の味も受け入れられないだろうな、と思っていたのですが、そうではなかったのですね。

暑い国なので、良質の生クリームが手に入らず、バタークリーム中心の菓子が中心になっていたのだとか。それが伝統になっていたのだから仕方ありません。

そこに日本式の口当たりの軽い洋菓子が持ち込まれたのですから、新鮮に思えるでしょう。

シンガポールの加盟店オーナー、ケーレン・クエック氏は「シャトレーゼのケーキは口当たりが軽いから1日に2個は食べられる」と笑う。

ということで、シャトレーゼの洋菓子は、大受けして、人気店になったとか。

もともと自動化工場のノウハウがあり、低コストで製造する能力がありました。さらにフランチャイズビジネスのノウハウもあるので、スピード感をもって展開することが可能のはず。

現在、東南アジアを中心に50店舗展開しているようです。

当然、他の洋菓子店も進出を狙ってくるでしょうね。

その意味では、もっとスピードを上げて展開していってもいいのではないでしょうか。規模の経済が効くビジネスですから、行くときは一気にいかなければなりません。

国内店舗の復活は、商品開発力がカギ


海外展開を急がなければならない理由は、国内店舗の業績が芳しくないからです。

現在、既存店売上の落ち込みを店舗数増加によって補っている状態で、いつまでも続くものではありません。

国内店舗テコ入れ策として、カフェを併設するなどと言っていますが、それで通用するのでしょうか。

国内の他のケーキ屋さんは淘汰されて、生き残ったところは勉強熱心で尖った商品づくりができるところです。

かつての町のケーキ屋さんのように10年前と同じ商品を飽きずに並べているという怠慢さはなくなっています。

逆に、シャトレーゼの商品が、少し古いと言わざるを得ません。ありていにいうと魅力がない。

個人的には、シャトレーゼの商品を購入しようとは余程のことがない限り思いません。

今のままだと、都心に店舗展開したとしても、通用しないでしょう。

商品開発にもっと力を注ぐべきです。


国内と海外のバランスを考えると、国内店舗の業績回復を抜きにしてシャトレーゼの安定はありません。

正念場だと捉えて、海外展開と同時に、国内事業の回復に取り組んでいただきたいものです。






コシダカホールディングスが本家「カーブス」を買収

フィットネス米本家「カーブス」、コシダカHDが買収 (日経新聞・有料記事)

カーブスというのは、シャワー施設のない小型フィットネスジムのチェーンです。女性専用の簡易フィットネスジムとして米国を中心に広がっており、日本ではコシダカホールディングスが、1800店以上展開しています。

コシダカホールディングスは、カーブスのほかに、「まねきねこ」というカラオケBOXも運営しており、こちらも好調です。

成熟市場のチャレンジャー企業 コシダカホールディングス

明暗わかれたカラオケチェーンの状況


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コシダカホールディングスは、1967年群馬県前橋市で開業した中華調理屋さんを祖にしています。

1990年、カラオケを開業。2005年にはカーブスを開始。

M&Aも積極的に採り入れながら、成長してきました。


収益では、カーブス事業が牽引


「まねきねこ」は、持ち込み自由の超低価格カラオケBOXとして人気を集めていますが、カーブスも好調です。

部門別売上高でいうと、

カラオケ事業 296億14百万円。

カーブス事業 237億20百万円。

と、カラオケ事業の方が少し大きくなっています。

が、利益でいうと

カラオケ事業 20億50百万円。

カーブス事業 46億72百万円。

となり、収益を引っ張っているのは、カーブス事業の方です。


海外展開を見据える


今回、本家カーブスを200億円で買収したのは、海外展開を見据えてのことです。

 健康志向の高まりから、世界のフィットネスクラブ市場は拡大を続けるとの見方が強く、コシダカHDは国内で培ったノウハウを生かせば、成長が見込めると判断した。

コシダカホールディングスは、カラオケ事業でも、海外展開を進めており、成長意欲満々です。

カラオケとフィットネス。というとシナジーが効くのか効かないのかわかりません(たぶん効かないでしょう)が、勢いのあるうちは、大きな問題ではありません。

こうしたニッチなチャンスを見つけて果敢に事業展開する元気な企業が日本から出てくるのは非常に良いことです。

ぜひ頑張っていただきたいものです。





小さな事業者が新規開拓で成功する手法

新規開拓


(2018年2月22日メルマガより)


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今回は「営業」の話です。

以前、私のところへ相談に来られた方がおられました。

その方はあるサービスを提供する小さな会社の二代目経営者でした。

経営といっても、ほぼ一人でされているので、作業も経理も営業も自分一人でしなければなりません。

もともと技術者なので、コツコツした作業は得意なのですが、営業は未経験で、苦手意識があるようでした。

これまで親の代からの顧客に満足してもらおうと一所懸命に働いてきたが、それだけでは事業を維持できなくなりそうだ。新規顧客を開拓しなければらない。という相談でした。


誰もがいやがる新規開拓営業


営業には、新規開拓営業と既存顧客営業があります。

このうち、多くの人が苦手としているのが、新規開拓営業ではないでしょうか。

新規開拓営業が難しいのは昔からなのですが、最近は特に難しいと感じる人が多いと思います。

市場が成長していないので顧客数が増えない。まっさらの顧客などどこにも存在しません。だから、他の会社の顧客を奪わなければなりません。

そうなると、他企業からの抵抗も激しいですし、顧客自身も切り替えることを面倒がります。

抵抗と面倒をはねのけて顧客を獲得しなければならないのですからそれは大変です。


新規開拓しなければじり貧になる


営業担当者は新規開拓営業などできればやりたくないと考えています。既存顧客営業(ルートセールス)をやっていれば、それなりに業績も上がるし、なにより忙しい。わざわざ迷惑そうな顔をする見込み客に会いたくないというものです。

しかし、新規顧客開拓営業なくしては会社の未来はありません。

既存顧客を大切にすることはなにより大切ですが、それだけでは会社は発展しません。

顧客は一定の割合で減少していきます。勢いを失う顧客もいますし、ライバル会社に奪われる場合もあります。

社会は変化していきますから、需要の在り様も変わっていきます。新陳代謝の乏しい顧客リストでは、事業そのものがじり貧になっていくでしょう。

難しいけど、新規開拓には取り組まなければならない所以です。


「寝ていても顧客が集まる方法」などありません


その方も、そこに思い至ったわけです。

その方、自分の技術に関しては非常にプライドを持っていて、この仕事は十数年の積み重ねの上に成り立っている、絶対に手抜きしない、と堂々発言される方でした。

ところが、営業に関しては「楽にできる方法はないのか?」それこそ「寝ていても顧客が集まる方法を教えてほしい」というような手抜き加減でした。

確かに営業は、十数年の修行がなければできないものではありません。入ったばかりの新人でも営業に駆り出されます。

しかし、誰でもできるからといって、手抜きが通用するほど甘いものではありません。

他の仕事と同じです。コツコツとした地道な取り組みなしには成果は上げられません。コンスタントに成績を上げられる営業はみな真面目に努力しています。

というようなことをその方に滔々と説明し、新規開拓の方法論をお伝えしました。


新規開拓のゴールは、口座を開設すること


先日、その方と二年ぶりにお会いしました。

ずいぶん晴れやかで元気な顔で、以前お会いした時とは別人のようでした。

新規開拓営業についても、自分なりに取り組んでおり、まだ道半ばではあるものの先が見えてきているというようなことを仰っていました。

私が以前、お伝えしたのは、新規顧客開拓は「確率」で捉えるべきだということでした。

100発100中の新規開拓営業などありません。10回に1回、話を聞いてくれる顧客がいれば上出来だ、ぐらいに考えていなければなりません。

だから最初から「絶対に取引しよう」などと気負っていたら、自分も顧客も気づまりです。「ついでがあれば声をかけてください」程度のアプローチがちょうどいいのです。

そもそも新規顧客は、口座を開くことが目的です。がっつりの取引がなくても、口座さえ開ければOKとします。

口座数さえ増えれば、関係を深化させるのは、既存顧客営業の仕事ですから、また別の方法論があります。ここでは論じません。

第一段階:営業行動の成功確率を測る


そこでその方が行ったのが、「紹介」と「飛び込み」営業でした。

既存顧客に声をかけて紹介をお願いしました。何件かは新規顧客ができたそうです。

が、それは少数です。新規開拓のメインはあくまで飛び込み営業だと覚悟を決めて、配達の途中などに顧客となりそうな業者を見つけたら飛び込みを繰り返しました。

結局、確率とは量を増やすということです。成功確率が1%であっても、量さえ増やせば成果も上がります。

断わられることが続いたらメンタルがやられてしまうと思われるかも知れませんが、そこはダメでもともとと思いながら取り組んでもらわなければなりません。

「何かあったら声をかけてくださいね」といって、名刺と簡単なパンフレットを置いてくるだけですから、それほど負担にはならないはずですが。

この段階で、知るべきは、飛び込み営業の成功確率です。

1%なのか、10%なのか、20%なのか。

これを正確につかむことができれば、行動量から成果を予測することができます。

「先が見える」とは、こうした計算が立つということです。


第二段階:ランク付けする


ただ、飛び込み営業も長く続けていれば、工夫をするようになります。

量が質を伴うようになるわけです。

その方の場合、営業トークがうまいわけではありません。相手をその気にさせて巻き込むようなテクニックはありません。

それだけに、会うと、その顧客に聞く姿勢がある、興味がある、人としてウマが合う、ということが如実に現れます。

だから、パンフレットを渡した時の印象で

A:興味を持っているので、すぐに提案にいく

B:話を聞いてくれそうだから、一週間後に、もう一度行ってみる

C:脈がなさそうなので、しばらく行かない

というように分類し、記録していきました。

ここで大事なのは、記録するということです。記録しないと、迷惑そうな顔ばかり印象に残って、萎えてしまいます。

記録があれば、可能性のある顧客が増えていることが目に見える形で残ります。


第三段階:顧客ランクごとに行動する


当然ながらAのような見込み顧客ばかりなら、高確率で口座を開くことができます。だから、そちらを優先させます。

Bの顧客に対しては、次に訪問した際に、Aになる人かどうかを見極めます。

その気がなければCに分類します。

Cは放置しておくかというとそうではなく、定期的にニュースレターを送付するなどして、気持ちが変わるのを待ちます。

要するにそれぞれの確率に応じて、営業のウェイトややり方を変えることで、全体の成功確率をコントロールしているのです。

今では、最初に会った印象から「この顧客は3回ぐらい行って見極めよう」とか「1か月後にもう一度行ってみて、ダメなら諦める」とか「半年後にもう一回行ってみようかな」など、細かく分けられるようになったといいます。

それを表に記録して、そのプラン通り営業しているというのだから、実に見事な営業マネジメントをマスターしたものです。


確率的営業とは、農耕的手法


飛び込み営業というといかにも狩猟的な営業手法のように思えますが、その方のやっているのは、種を撒き、発芽させ、生育状況をみて、収穫する、という農耕的手法です。

何度も言いますが、その人の場合、営業テクニックが優れているわけではありません。もちろん2年間の経験からある程度のノウハウは得ているでしょうが、もとは話下手な職人気質の人でした。

その方がやっているのは、取引する可能性がある顧客を見極めて、再訪問を繰り返しているだけです。

決して一発勝負、運まかせ、腕まかせのやり方ではなく、見込み客を蓄積し、確率的に顧客を増やしていく手法だということが分かっていただけるでしょうか。


その方、「まだまだですよー」とは言いながら、自分のやり方に手ごたえをつかんでいるようで、明るい表情が心情を表していました。

実際、いまだ安定的な顧客基盤があるわけではないようです。が、そこに至る道筋は見えているのでしょう。

真面目にコツコツ努力する人が成功するのは、みていて気持ちのいいものです。

先発弱者の罠にはまったゴープロ

ゴープロ不振が示す、ハード系スタートアップの現実

スポーツカメラ(アクションカメラ)の分野で旋風を巻き起こしたゴープロが不振に陥っているという日経新聞の記事です。

記事によるとゴープロは、不振のためリストラせざるを得ない状況で、明るい兆しが見えません。今後も、見通しは暗いでしょう。

以前、ゴープロが話題になっている頃、「GoProは、強者になれるのか」という記事を書きましたが、そこで示した懸念の通りになった模様です。

アイデア一発で創業できるが、維持するのは難しい時代


近年、アメリカでは製造業の創業がブームになっていました。設備の進化、デジタル化などによって投資額が低くなり、参入しやすくなったからです。

アイデアを現実化しやすいので、一つのアイデアを思い付いた人が次々と起業しました。

もっとも参入しやすいというのは、模倣されやすいということでもあります。すぐに競争にさらされてしまいます。


特にいまはモノがネットにつながる時代ですから、最終製品はITを絡めないとビジネスになりません。

アメリカでは、ITビッグ5(グーグル、アップル、アマゾン、マイクロソフト、フェイスブック)の力が強大ですから、ITやAIに関する有望な技術は真似されるか、買収されるか、してしまいます。

創業側にとっては、買収されれば御の字だという話もあります。そこで資金を得て、さらに別の創業に向かえばいいわけです。

が、買収されるのは一握りです。殆どは模倣されて潰されてしまうでしょう。特許で守られているといっても、似たような技術でクリアされてしまいます。

まさに創業側が報われる道は、大手企業に高値で買収されるか、あるいは大手企業が目をつけないニッチ市場で相応に維持していくか、ですね。

ゴープロが浮上するのは難しい


ゴープロの場合、スポーツカメラ市場を創りその先頭に立ったものの、後発企業の追い上げや、スマホの進化などで代替されることになり、厳しい状況に追い込まれています。

いわゆる先発弱者の悲哀を味わった形です。

先行した企業がトップを維持するためには、技術的な優位性、顧客の切り替えハードルが高いこと、設備などの資源を確保していること、が必要です。

ゴープロの場合、技術的な優位性や資源があるわけではないでしょう。

そこで、アップルのように製品(カメラ)を中心とした生態系を作り、切り替えをしにくい体制を作ろうとしたもののうまくいっていません。他の安いカメラやスマホでも充分にスポーツカメラは撮影できますし、ユーチューブがあればそれを公開することもできます。

これが一部のコアなファンだけのニッチ商品ならブランドも効くでしょうが、なまじ成功してしまったために、維持するのが難しいという皮肉なことになってしまいました。

規模を縮小して生き残る道を目指すか、うまくどこかに買収してもらう道を探ることになりそうです。





弱者は局地で勝つこと。しかし、局地が消えてしまうこともある

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なかなか味わい深い記事です。

衰退市場で苦戦するイエローハット社長に対するネガティブ感ありありのインタビュー記事です。

トップ企業でも、市場がなくなってしまうと苦しい


イエローハットといえば、ランチェスター戦略にも造詣が深い企業だと聞こえています。

地域における1番店戦略をていねいに実行し、カー用品業界で生き残ってきました。

ところが、いまはAIの進化により、自動運転車の登場が待たれています。

自動運転車が実現すれば、個人所有の車が減少すると予想され、自動車メーカーそのものの存続も危ぶまれています。

だとすると、カー用品はさらに需要がなくなってしまいます。

いくら地域で1番を維持していたとしても、需要そのものがなくなってしまうと、企業は存続できません。

「弱者の戦略」は、局地で生き残ることだが、局地が消えてしまうこともある


先日のメルマガに書きましたが、ランチェスター戦略では「弱者の戦略」として、勝ち残るための基本戦略や5大戦略を提示しています。

自社でも勝てる場所を「局地」として選び、そこに「接近」「集中」等することで、シェア41.7%を獲得し、ナンバーワン企業になる。

ナンバーワン企業になることが生き残るための条件です。

逆にいうと、ナンバーワンになれる場所(地域、顧客層、時間帯その他)を局地として選ばなければなりません。


しかし現実には、需要は移ろいます。

特に小さな企業が生き残るために選択したニッチ市場は、高成長する場合もあるし、衰退してなくなってしまう場合もあります。

今回のように自動車市場そのものが衰退していくかも知れないという状況においては、小さな会社はあらがいようがありません。

現実にはフォロワー(後追い)戦略の使い手が生き残る


そんな時、小さな企業が武器とできるのは、固定費の小ささからくる変わり身の早さです。

つまり、需要がなくなれば、需要のある場所に行けばいいわけです。

大きな会社だと設備も巨大で、しがらみも大きく、変わろうにも変われないジレンマがありますが、小さな会社はその気になれば、新しいビジネスを始めることができます。

その際、大切なのは、需要が形になってから変わり身すること。

未来予測の段階で先行投資できるのは、資金力の豊富な大企業です。

目の前に具体化してきたときに対応するのがコツであって、時代を先取りしすぎるとダメ。システムを整備して待ち構えていると、先行投資をしすぎて会社がつぶれることってよくあるんですよね。

 優秀な人は、はるか先の時代まで考えるんだろうけど、それは意外と失敗する(笑)。商売というのは昔から言われるように、2番手が得するんです。

したたかに生き残る中小企業、中堅企業に、フォロワー(後追い)戦略の使い手が多いのは、そうした事情だと考えます。

そういう意味でも、このインタビュー記事は、若干ネガティブトーンですが、本音がみえて面白い記事だなあと思います。






売上目標は毎日みること!

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創業者、事業者に一つだけアドバイスです。

売上目標達成管理表は、必ず作ってください


「売上目標達成管理表」は、必ず作って、毎日見てください。

これは絶対です。

「売上目標達成管理表」というのは、売上高目標と現在の売上高の差異を記載したものです。

複雑なものでなくても結構です。

エクセルで毎月の売上目標と現在の売上高を入力するだけでもいいです。

応用して、顧客や商品ジャンルごとの売上高を記載してもいいです。

エクセルは自動計算ですから、入力は簡単です。が、その威力は絶大です。

ギャップがあると埋めたくなるのが人間です


今月いくら売上高が必要か、いくら足りないか、現実を直視することが重要です。

目標に全然届いていないと、つい現実から目をそむけたくなるでしょう。

しかし、そうなるとずるずる目標売上と現実の差が開いていってしまいます。

人間の無意識は優れたもので「今月これだけ足りないから、何をしなければならないのか?」を勝手に考え始めます。

よく「運をつかんだ」「偶然を味方につけた」とスピリチャルな言い方をする経営者がいますが、あれも、無意識の中で、事業アイデアを考え続けているから、偶然通り過ぎたものに反応しているのだと思います。

まずは現実を見て、足りていないことを知ることが大切です。

売上目標と現実売上を眺めることを、毎朝の日課にしてください。

ベテラン営業と新人営業では、研修の受け取り方がまったく違う

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先日、「営業研修」の講師を務めました。

受講されている方にグループになっていただき討議の時間をふんだんにとる形の研修です。

その際、偶然ですが、ベテラン営業ばかりのグループと、営業経験がない、あるいはあまり経験がないグループに分かれました。

ベテランと新人が同じグループになるのも面白い討議ができるのですが、ベテラン同士、新人同士というグループでも特徴が出て面白かったです。

ベテラン営業は「戦略」に着目した


研修の最後、「ふりかえり」の時間になって研修の感想を聞いてみると、ベテラン営業のグループからは、

「営業といえども戦略が必要だということがよくわかった。準備にもっと時間をかけたい」という声が聞こえてきました。

ここでいう「戦略」というのは、ターゲットを決めたり、仕組みを作って見える化したり、という営業が始まる前段階のことを指しています。

逆に「営業トークだとか、プレゼンテーションのパターンだとか、変に決めてしまうと、本番で臨機応変に対応できなくなる」と否定的な意見がありました。

つまり戦略はもっときっちりと作らなければいけない。戦術は現場対応でいけ。というのが、ベテラン営業の総意でした。

新人営業は「戦術」で頭がいっぱいだった


ところが新人営業はまったく逆の感想です。

「営業トーク、ヒアリングシート、プレゼンテーションパターンと基本を教えてもらえたのでありがたかった。今まで営業していてもやもやしていたものが晴れた」と仰っていました。

戦略の部分に関しては「よくわからない。必要だとは思うが、そこまで考えたこともない」とのこと。


ベテランと新人が相席する研修では、どうしても認識のずれが出てきてしまいます。それは講師側にとって悩みの種です。

が、今回、よくわかりました。

やはりベテランと新人では必要な部分が違うということです。

営業教育に省略は禁物。粘り強く丁寧に。


これは、会社内の営業教育においても同じだと思います。

ベテランが「現場でなんとかしろ」「臨機応変にやれ」と当たり前に言うことに、新人が苦しんでいる事例がきっと多いのでしょう。

教育というのは、最初は手取り足取り教える段階が必要です。

ベテラン営業にとってかったるく感じる基本研修も、新人にとっては必要不可欠な教育なのです。

基本があるから応用があります。いったんは、基本パターンを丁寧に教えることが営業マンの成長を早めることになります。

だから新人営業はまず基本のキを学ぶこと。

「なんでも酒やカクヤス」にみる局地戦の極意

カクヤス


(2018年2月8日メルマガより)


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「なんでも酒やカクヤス」というお店をご存じでしょうか。

東京の方はよくご存じでしょうね。

ピンクの看板が目立つ“お酒のバラエティショップ”といった感じの酒販店です。

なんとこのお店、東京都だけで120店舗以上。売上高1100億円。株式上場も視野に入れています。(大阪にも9店舗ほどあります)

東京では売上高1位。業務用でも1位。

堂々たる勝ち組企業ですが、元はといえば、どこにでもある小さな酒販店からのスタートでした。

カクヤスがいかにして現在の地位を築いたかをきいてみると、ランチェスター弱者の戦略にいう「局地戦」「接近戦」を徹底してきたことがわかります。

実にいい事例だなあと思いご紹介する次第です。


「東京23区内なら2時間以内、無料で宅配」


カクヤスの特徴は「東京23区内なら2時間以内、無料で宅配する」というサービスです。

ビール1本から無料です。なんとも凄まじいサービスですな。

このサービスをもってカクヤスを飛躍させたのが、同社3代目の佐藤順一社長です。

確固たるビジョンを持って、目標達成にまい進してきたのだろうか。といえば、そうではないらしい。

佐藤社長の話によると、その都度の課題に取り組んでいるうちに、今の形になったことがわかります。

それが現実的で面白い。


宅配サービスを始めたきっかけ


先にも書きましたが、カクヤスはもとはどこにでもある小さな酒販店でした。

それでもバブル絶頂期には、売上高15億円、営業利益9600万円をあげていたといいます。

ところがバブル崩壊後は、勢いのある飲食店が次々と倒産。多額の不良債権を抱えることになってしまいました。

飲食店向けの業務用販売は苦しい。ならば一般消費者向けだ。と、ディスカウントショップを開いてみたものの、同社がもっていた店は、駐車場もない小さな店舗です。

薄利多売のディスカウントストアは、広い駐車場、広い店舗で、大量に顧客を集め、大量販売することが必要条件です。

こんな小さな店では、どうにもならん、と始めたのが、宅配サービスでした。

宅配なら店に来てもらう必要はない。こちらから行けばいいので、立地の悪さをカバーできます。


その際、カクヤスは宅配の範囲を1.2キロと設定します。

なぜ1.2キロなのか?

というと、自転車で運ぶには、だいたい1キロかなと地図に円を描いてみたものの、それではたまたまそこにあった大きな団地を逃してしまう。

この団地を取り込むためには1.2キロにしなければならんな。と、なんとも偶然要素の強い設定だったようです。


カクヤスが勝てる「局所」


弱者が勝つ方法とは、自分でも勝てる「局所」を見つけて、そこに経営資源を集中することです。

カクヤスの局所は「半径1.2キロ圏内」でした。

これが当たります。

勝った理由のひとつは、宅配というサービスの威力です。いくら安いといっても、ケース買いして、家まで運ぶのは大変です。団地だったらなおさらです。

1.2キロという圏内でしたら、1時間に3〜5件届けることができるので、宅配が可能となりました。

(当初は宅配料300円をとっていましたが、後に無料になりました)

もうひとつは、これも偶然かも知れませんが、1.2キロ圏内には他のディスカウントショップがなかったこと。

ディスカウントショップは郊外型が多い。わざわざ車で遠くに行かなくても、近くに安い店があるのは有難いわけです。だから宅配を使わず店に買いにくる顧客も多くいたようです。


商圏設定は企業側の都合


一応の成功を収めて、店舗数を増やしていったカクヤスですが、2000年に業界全体の転機が訪れます。

ひとつは日本の酒類販売の売上が減少に転じたこと。衰退期の到来です。これでは、メーカーも小売店に払う販促費を絞って、利益重視の施策にせざるを得ません。ディスカウントビジネスにとって冬の時代です。

さらには酒の免許制度の緩和で、コンビニやスーパーが酒類販売を始めること。品揃えではスーパーに、利便性ではコンビニに勝てません。

価格で勝負するのは厳しい。品揃え、利便性でも勝てない。

カクヤスは、最大の武器である「宅配」を磨かなければ勝てないという現実を突きつけられました。

カクヤスのやっている「1本から無料配達」というサービスは実に明解です。これを貫く限り、宅配便を使う業者には負けないでしょう。

ところが「1.2キロ圏内」という縛りはどうでしょうか?

1.2キロ商圏が有難いのは、カクヤス側にとってです。顧客とすれば、自分が商圏内か商圏外かなど気にしていません。

なんで丁目が違うだけで届けられないんだ?って不満に思うでしょう。

これでは宅配便を使う業者につけ入る隙を与えてしまいます。


東京23区内全体を1.2キロ商圏に入れてしまう


そこで佐藤社長は、およそ尋常でない発想の転換を行います。

「日本全国どこでも…は無理だが、東京23区内なら2時間で無料配達。なら分かりやすい」

「どうすれば23区内に2時間以内で配達できるか?…1.2キロ圏内に、東京23区を入れてしまおう。つまり、東京中に店を作ればいいわけだ!」

ということで、東京23区の面積を1.2キロ商圏で割って、必要店舗数を割り出します。それが、カクヤスの目標出店件数となりました。

東京23区内すべてを1.2キロ商圏でカバーする。という壮大なビジョンを掲げた佐藤社長は、銀行を巻き込んで、店舗展開に乗り出します。

それまで二十数店舗だったのが一気に100店舗以上ですから、これは「はれのひ」も驚く思い切った拡大です。

局地は、あくまで勝てる場所を選ばなければなりません。が、100店舗以上となれば、勝てる場所、勝てない場所が出来てきます。人材育成も追い付かないでしょう。

せっかく調子よかった会社が、一気に悪くなってしまいました。


秀逸な営業トーク


118店舗で23区内をカバーする体制を整えたカクヤスですが、立ち上げに苦労して全体としては赤字のまま。倒産も覚悟しなければならないような状況に陥ります。

ランチェスター地域戦略を知っていたならば、もっと着実に業績を伸ばせただろうに。。とも思いますが、知らなかったので仕方がない。

それでもシェア獲得を優先し、スピード重視した決断力はさすがです。これだけ一気だとライバル企業も出てきません。

かといって赤字は困ります。

ここで起死回生となったのが、飲食店への販売でした。

もともとカクヤスは、飲食店向け販売が強い酒販店です。

ところがバブル崩壊後、一般消費者向けへのシフトとして、ディスカウントショップを立ち上げた経緯があります。

そのターゲット設定にいつの間にか固執していたのでしょうね。従業員から言われるまで、飲食店への販売を思いつかなかったといいます。そこで、再び飲食店への営業を開始します。

その際、使った営業トークが秀逸です。

「注文忘れで困ったときだけ使ってください」

これは新規開拓のハードルを下げる実にうまいトークです。全切り替えは先方も躊躇しますが、困った時だけ、なら心理的障壁がありません。受け入れられやすくなります。

しかも飲食店にとって2時間で届けてくれるサービスは実にありがたい。急な予約にも対応しやすいし、なにより在庫を持たなくてよい。

こういうサービスがあると知ったら、注文したくなるというものです。

カクヤスのサービスは飲食店の支持を受けて、かくして全店黒字を達成するに至りました。


今後のカクヤスの方向性


まとめます。

カクヤスにとって局地(勝てる場所)は、「1.2キロ商圏」でした。

自ら区切りをつけた地域セグメントを局地にしたのです。

1.2キロ商圏ならば、2時間で無料宅配するという真似できないサービスを作ることができたからです。

しかも、宅配するということは、最終顧客にとことん接近しているということです。接近すれば、顧客の新たなサービスを読み取ることもできます。

カクヤスが、配達も注文請けも、アウトソーシングせずに自社で行っているのは、それが自社の武器であると認識しているからでしょう。


今後のカクヤスの方向性としては、

(1)東京23区内でのシェアを41.7%以上にすること

東京23区内でトップになったといっても市場シェア目標値である41.7%を超えているとは思えません。そこに至るまでには、まだまだやることが多くありそうです。

(2)それができれば、地域を広げること

目標値を超えれば、ターゲット地域を変える必要があります。いま、神奈川、埼玉、大阪に展開しています。東京攻略後は、本格的にこれらの地域のシェア獲得に動いていくのがいいでしょう。

ただし酒類市場の縮小は、待ったなしの状況です。このまま衰退市場でシェアをとっても、ジリ貧になることは目に見えています。

そこでカクヤスは、

(3)酒類以外のサービスを提供すること

に着手しています。文房具や生花、冠婚葬祭の企業を買収し、現在の顧客に新しいサービスを提供することで酒類の落ち込みをカバーしようという思惑です。

これはランチェスター戦略にいう「グー・パー・チョキ戦略」で、主力事業がある程度うまくいくと、商品バリエーションを増やして次の柱を作るという施策です。

ただ、商品ジャンルを増やすというのは、ブランドイメージも地続きではありませんし、業務オペレーションも変えなければなりません。販売も業務も人材育成が難しく一筋縄ではいきません。

しかも、主力商品である酒類販売が市場シェア目標値に届いていない状況で、新しい商品に手を出すのは、手を広げすぎだと言われても仕方ありません。

本来ならば、酒類販売に集中しておく時期です。

それができないほど危機感を抱かせる市場の縮小に見舞われているというのは、悩ましいというほかありません。


株式上場を控えて、手を広げすぎているのでは?


いまのカクヤスは、主業の市場深耕を進めると同時に、新しい商材の開発、新市場の開拓を同時に行っている状態です。

そのための資金調達を目指して株式上場するのでしょうが、少々急ぎ過ぎていると私は思います。

カクヤス社内の業務オペレーションや人材育成が十全に機能しているのかどうかはわかりませんが、手を広げすぎて機能不全を起こさないように注意しなければなりません。

ちなみに私なら、新しい商材の開発、または新市場の開拓、どちらかをいったん手控えるべきだと考えます。

一般的には、より成功確率が低いと言われる新市場の開拓を手控えるべきでしょうが、それは社内の状況を鑑みながら判断することなので、外野からは何とも言えません。

まあそうは言いながら、ここまでカクヤスを引っ張ってきた佐藤社長です。困難を乗り越えて、大阪府内も2時間以内宅配無料サービスを展開してくれることでしょう。

大いに期待しております。


【参考】








カクヤス、業務用酒販店ナンバーワンへの奇跡の道のり 第1回



選択と集中に失敗した三菱電機がとった戦略

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長らく業績好調が伝えられる三菱電機会長のインタビュー記事です。

社長が自身の功績を求めない


三菱電機では、社長が4年で交代することが恒例になっているとか。

社長は長期的発展だけを考えて、自身が功績を残すというスタンドプレーを慎んでいるのだとか。記事でも現会長は、社長就任時から後継者を決めることを考えてきたと言っています。

その他の電機メーカーが、経営者同士の意地の張り合いで業績を悪化させたと聞こえる中、同社の慣例は健全に思えます。

局地を集める経営


ただこのスタイルになったのは、ここ十数年のことです。

1990年から2000年頃にかけて三菱電機も業績不振に苦しんでいたようです。


その時期はというと、新興国企業の台頭などで日本の電機メーカー全体に暗雲が差し込めていた頃です。

変革期には強いリーダーシップが必要だという常識のもと、三菱電機も選択と集中に舵を切りましたが、うまくいきませんでした。

半導体不況やITバブルの崩壊という外部要因があったとはいえ、集中した分野が外部環境の直撃を受けてしまった形です。


そこで三菱電機がとった戦略は、小規模ビジネス(ランチェスター戦略にいう「局地」)をいくつか集めて、運営するという方法です。

この場合、意思決定の主体は現場に近い事業部単位となります。中央集権的な組織は不要です。

中央の仕事は現場同士の連携が滞りなく進んでいるか、現場人材の育成がうまく進んでいるかをみることが主となり、余計な口を挟む必要はありません。

社長が変に権力を持つよりも、スムーズに交代していけばいいというスタイルになったわけです。

三菱電機は、1億円を超える報酬を得る役員が多いことでも知られますが、これも現場重視方策からくるものですね。

堅実だが、上場企業としてはどうなのか


ただこの方式にも弱点があります。

大きな方向性がないので、大きな成長が見込めません。

AIや自動運転技術の進化など大きく飛躍しそうなタネは多いのに、同社は小さくしか恩恵を受けないでしょう。

要するに、生き残ることを主眼にした経営であり、投資家からすれば魅力のない企業に映ります。

また、記事では否定していますが、事業部同士のシナジーが効かず、効率がよくありません。

中小企業であればこの経営姿勢は称賛されるでしょうが、上場企業としてはどうなのか。将来的に批判されることがあるでしょうね。

余談ですが…改革組織あるある


余談ですが、「抵抗勢力が最終的には推進役になる」という話。

これはコンサルにおいて常にみる光景ですね。

改革する組織には、賛同する者、批判的な者、無関心な者、表面だけ賛同する者などが現れます。

ここで鍵となるのは批判者です。積極的に批判する者は、納得すれば強力な賛同者になり得ます。

無関心な者はいつでも無関心なので仕方ありません。

が、気をつけなければならないのが、面従腹背の者です。改革役リーダーが未熟で、面従腹背者を味方だと勘違いすると、改革は骨抜きにされてしまいます。

組織あるあるでした。





日本語の「イキガイ」が世界を席巻しているそうです


という記事がありましたのでご紹介します。

仕事を通じて成長するという日本人の思想


「イキガイ」という言葉が世界で使われるようになっているとか。

日本人はあんなに長時間労働をし、休暇取得率も低いのに、長寿大国なのはみんなこの【生き甲斐】を信じているから

などと行き過ぎた解釈があるものの、「生き甲斐」という概念が、英語圏の人の心を捉えていることが面白いと思います。

確かに日本人には「仕事を通じて成長する」「仕事の充実が人生の充実」だと考える文化があります。余暇は明日の活力を養う時間です。

「仕事は義務だ」と考える人からすれば驚くべき思想であり、神秘に感じるのかも知れませんね。

「生き甲斐」のロジック


しかし、記事にある図は、欧米人らしいロジックで構成されています。

LOVE (大好きな事)

GREAT AT(得意な事)

PAID FOR(稼げること)

NEED(世界が必要としている事)

が、すべて重なるところが「イキガイ」なのだそうです。

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生き甲斐のあるところにビジネスを作ると長続きする


実をいうと私も「創業塾」などで、「好きなこと」「得意なこと」「儲かること」がクロスするところにビジネスを作れば長続きすると言っています。

この「儲かること」は、勝てるところでビジネスするという意味ですから、稼げるかつ社会的ニーズがあるという概念を含みます。

つまり、この記事にいう「イキガイ」をもって創業しましょう。ということを言ってるってことです。


こじつけっぽく聞こえますかね?

しかし、仕事に生き甲斐を見出すことは、ビジネスの成功要因の一つだということは納得していただけるのではないでしょうか。

日本には100年を超える長寿企業が多いことでも知られています。

つまりこれは、仕事そのものに意義を見出す能力が、日本人は長けているということにつながっているのではないかと思います。

100年企業どころか四天王寺にある金剛組なんて1440年続いていますからね。

創業の10年生存率が1割とか、あまりにもちっぽけな話に思えてきますね^^

こういうところにも、創業を成功に導くヒントがあると思い、ご紹介させていただきました。

アマゾンの無人スーパーは、どう展開していくのか

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またアマゾンの話題です。

噂の無人スーパー「アマゾン・ゴー」が実用化されたとのこと。

監視カメラが購買を特定


この店舗。見た目は品数の少ないコンビニみたいな感じです。

店内に入るには、SUICAみたいにカードタッチが必要ですが、中では何を持って帰っても自由。レジを通ることなく、自動で決済されます。

この記事には書かれていませんが、100台以上のカメラが人の動きを追っていて、誰が何を購入したかを特定する仕組みです。

棚にも重さをはかるセンサーがついていて、何をとり上げたかが分かるようです。

監視カメラが集中する環境で買い物することが気持ち悪くなければ、とても便利です。

決済システムを販売するのではないか


店からレジがなくなるというのは、セキュリティの面からも、人員不足の面からも、利便性が高い。

いうなれば大きな自動販売機のようなものです。

アマゾンが自社展開しても、そこそこの規模になりそうです。

が、記事にあるように、アマゾン自身が店を運営するのではなく、決済システムを小売店向けに販売するようになればさらに大きなビジネスになりそうです。

深夜時間の人手不足に悩むコンビニ各社とすれば、有難いシステムのはずです。

もっとも、アマゾンのパクリ体質は知れ渡っているので、大手コンビニチェーンは手を出さないと思われます。

決済システムを手中にしたアマゾンは、どこまで強大になるのか


ただこの仕組み、飲食店などでも使えるのではないか。

飲食店の場合、調理や給仕係をなくすわけにはいきませんが、レジがなくなると、これも相当生産性が上がります。

コンビニほどの品数はありませんし、個客と注文を紐づけしやすいはずです。

その他、レジをなくすことで、生産性が上がるビジネスは多いでしょう。

いずれにしろ、決済システムまで手中にしたアマゾンは、どこまで強大化するのでしょうか。





プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

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