わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

最強のアマゾンには逆らわない方がいい。しかし、いつリスクが顕在化するかも心配。

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私もそう思います。

今まで何度かアマゾンに関する記事を書いてきましたが、アマゾンと同じ土俵で勝負することなんて無理です。

参考:アマゾンはどこから来てどこへ行くのか

アマゾンはいまや売上高約15兆円。時価総額52兆円の企業です。

ネットの本屋だったのも今は昔。今ではネット通販全般で40%のシェアを握る巨大企業です。

それだけではありません。リアル店舗を買収し、リアル小売りに進出しています。

自店で販売する製品の製造にも乗り出しています。

巨大な物流業でもあります。

音楽や電子書籍などのコンテンツ販売業でもありますし、デジタルマーケティング、広告企業でもあります。

そして何より世界最大のクラウドサービス提供業でもあります。

異次元の競争思想


アマゾンの最大の特徴は、ゴリゴリの顧客ファースト原理主義であること。

顧客(最終ユーザー)の利益のためには、競合他社はもちろん、得意先も、仕入れ先も、従業員も、株主さえも、無視してしまいます。

利益など出さない主義。利益があるぐらいなら顧客に還元せよ!という考え方だからです。

基本、利益は次のサービスへの投資に回してしまうので、アマゾンのサービスは加速度的に発展していきます。

普通に利益を出そうと考える企業からすれば異星人と対しているようなものですよ。

顧客がいわなくても、勝手に値段を下げる


上の記事は、アマゾンのクラウドサービスに関して書かれたものです。

彼らは利益をとるより、支配的な地位を築いて、顧客にメリットを提供する、というスタンスをとり続けている。これは、参入障壁を高める意味もあったので、全く他から人が入ってこなくなりましたよね。安さでアマゾンに対抗しても、彼らが下げてくるので何の意味もない。

支配的なトップ企業であるにも関わらず、どんどん値段を下げてくるのだから、競合他社は参入する意味を見出せません。

このやり方は、クラウドサービスの分野だけではなく、他のビジネス分野でも同じです。

参考:アマゾン この状態は誤算なんでしょうね←誤算というのは、クラウドサービスが儲かり過ぎて利益が出ている状態を指しています。

いずれは社会インフラに進出


私は、アマゾンがインフラ分野に進出して、社会全体を変革してしまうのではないかと想像しています。

アマゾンホーム←家全体をアマゾンが提供。家、家具、家電製品、水道、電気、車。バカみたいな低価格の定額料金で。

アマゾンオフィス←ビジネス版。上に同じ。

アマゾンガバメント←さすがにここまではないか。でも地方自治体ぐらいならアマゾンにシステム運営を任せた方がいいかも知れませんね。

アマゾン・リスクは増大している


ただアマゾンのやり方は、創業者ジェフ・ベゾスの個性によるところが多いみたいです。

ベゾス健在の間はいいですが、彼が退場したのちに、この支配的立場を利益吸い上げに利用する輩が経営者にならないとも限りません。

そう考えると、アマゾン自身のガバナンスが、社会にとって大いにリスクとなってしまいます。

なんだかターミネーターのスカイネットみたいですな。





変革期に強い総合商社の生き残り方法

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以前、大手総合商社の人と仕事でお話しをしたことがありましたが、いい意味で自律的、悪い言葉でいうとヤクザのようでした。

多少ずるいことをしても儲ければ善。儲けるためには何でもやりゃーいいじゃん。みたいなことを言われたので、真面目なメーカー出身のこちらとしてはびっくりした記憶があります。

総合商社というのものは、もともとトイレットペーパーから石油プラント施設までなんでも扱うところです。

自由度が高い。多様性もあります。

何よりメンバー一人一人が多様な生態系を象徴するような人たちばかりでしょう。だとすれば、時代の変化に合わせて儲かるところにシフトしていくのは当然だと思います。

この記事にあるように、総合商社の方法論は、生き残りのヒントになると思います。

生き残るためには、グー・パー・チョキ戦略を繰り返す


しかし、だからといって集中戦略が否定されるものではありません。

資源もない経験もない小さなスタートアップが、最初から多角化していたら、どの分野でも勝てません。

最初は、一点収集して、一定の地位を築く。

そののちに、本業の周辺に新たな事業を複数立ち上げる。

さらには、複数の事業を取捨選択し、有望なものだけを残す。

(これがランチェスター戦略にいう「グー・パー・チョキ戦略」です)

選択と集中が否定されるわけではない


なによりメーカーは、設備投資が必要ですから、簡単に扱い商品を変えるわけにはいきません。

どこかで選択と集中を決めなければならない場面があります。

日本の家電メーカーがサムスンに駆逐されてしまったのは、彼らの思い切った集中戦略に太刀打ちできなかったからです。

戦略方向性を決める方法が違うということです。


ふしぎな総合商社 (講談社+α新書)
ふしぎな総合商社 (講談社+α新書) [新書]
小林 敬幸
講談社
2017-09-21







生鮮ドラッグストアの登場で、業界の垣根はより低くなる

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ドラッグストアの2016年度の市場規模は前年度比5.9%増の6兆4916億円。百貨店の市場規模を上回り、コンビニを猛追しています。

参考:ドラッグストアがコンビニを食い物にしている

ドラッグストアは、医薬品という高収益の商品を扱っていることを背景に、日用品を低価格販売して集客しています。

極端にいうと、日用品をただで配布してお客さんを集めておいて、医薬品を販売するビジネスモデルです。

コンビニの天敵です。

ところが、勝ちパターンのはっきりしたビジネスなので、各ドラッグストアチェーンは迷うことなく店舗数拡大にまい進します。業界内の競争が激しくなる所以です。

そこで、ドラッグストア各社はただの店舗拡大だけではなく、差別化も考えるようになります。

一部のドラッグストアが、日用品だけではなく、生鮮品を扱いだした。という記事です。

つまり、ドラッグストアが、コンビニだけではなく、食品スーパーを食い物にしだしたわけです。

生鮮品を扱うのは、全く別のビジネス形態のはずだが


記事にあるように、日用品と生鮮品では管理のむつかしさが違います。倉庫も物流も新たな設備が必要ですし、廃棄ロスも出ます。

普通に考えれば、全く違うビジネスなので、無理だろうと思ってしまいます。

おそらく、もともと生鮮品ビジネスのノウハウを持つ食品スーパーがドラッグストアに進出した。あるいは、M&Aによってドラッグストアが食品スーパーを取り込んだ。という前提が必要だと考えます。

しかし記事には、そういった事情は書かれていませんね。

地方のドラッグは、ゼロから生鮮品を扱いだして、ノウハウを蓄積しているのかな。だとすれば、たくましことですね。

消費者にとっては、ドラッグストアが生鮮品を扱おうと、食品スーパーがドラッグを扱おうと、便利ならいいわけです。

ドラッグストア、コンビニ、食品スーパーの垣根はますます低くなっていきます。3つの業界が融合していくのは避けられないことでしょう。

ということは、やはり資本力のあるイオン系が有利になるのかな。

セブン&アイが、どのように動くのか、見ていきたいと思います。

参考:ドラッグとコンビニは、イオンとセブンの代理戦争





「孫子」の活用は基本的に拡大解釈以外のなにものでもないが、それの何が悪い?

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孫子の兵法にかかれている『将に五危あり』という5つの指摘は、意外にもブログ運営にも通じるものがある…という雑談。

「孫子」は2500年前の中国で書かれた兵法書です。

「国が生き残るために何をしなければならないか」をテーマにしており、抽象的だが本質を突いた内容なので、現代の軍事、経営、政治などのリーダーに広く読まれている書です。

記事にある「将に五危あり」とは、「九変篇」の後半に書かれている内容です。「九変篇」とは、主に将校(軍事リーダー)が現場においていかに振舞うかを書いたもので、戦術的な意味合いが濃い章です。

以下、上の記事から引用します。

原文 (書き下だし)
故に将に五危あり。必死は殺され、必生は虜にされ、忿速は侮られ、廉白は辱められ、愛民は煩さる。
凡そ此の五つの者は将の過ちなり、用兵の災いなり。軍を覆し将を殺すは必らず五危を以てす。察せざるべからざるなり。

現代語翻訳
1.死を覚悟して戦うのみでは、本当に死んでしまいます
2.臆病になりすぎると、戦う前から負けてしまいます。(捕虜にされます)
3.怒りやすいと挑発されて敵に利用されます。
4.プライドが高すぎると、誇り高さを逆用されて負けてしまいます。
5.民(民間人や兵士)を大事にしすぎると、本当に必要な犠牲を払うことができなくなり、結局、なにもかも駄目にしてしまいます。
およそこの5つは将軍の過ち、兵を用いる時の災いです。敗戦・将の死はこの5つの過ちから起こります。よくよく注意しなくてはなりません。

現場リーダーの心得として、簡潔かつ本質的ですから、いろいろな部分に応用される内容であることがわかっていただけるでしょうか。

「孫子」関連の本をみてみても、管理職の振る舞いなどと解釈されています。


ただ上のブログは「ブログ運営」に通じるものだと記載されていて面白いですね。

ブログの作者も

拡大解釈以外のなにものでもない

といっていますが、それは「孫子」を活用するものの基本的なスタンスです。

それでいいじゃないですか。拡大解釈で何が悪い?と思います。

拡大解釈できる、こじつけできる、ということは、原典の体系や整理方法が、相当普遍的なところまで抽象化されているということです。

兵法書として2500年耐え抜いた体系が、現代の経営や政治にアナロジーとして活用されることはある意味当然です。

別にムキになるわけではありませんが、「孫子」のことを書くことが多いので念のため。

参考:「孫子」を5つのポイントで整理した




しまむら ネット対応の遅れが命取りになるか

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国内アパレル市場が低迷する中、低価格路線をいくファーストリテイリングとしまむらは、とりあえず好調を維持しています。

(とりあえず…というのは、一昨年、ユニクロが値上げで失敗したので。今は回復傾向です)

しまむらの高利益の理由


特にしまむらは、2017年2月期の決算では、売上、利益とも過去最高を記録しています。

売上高5654億円。営業利益率8.6%は立派です。

国内1位のファーストリテイリングは、売上高1兆7864億円。営業利益率7.1%

SPAといわれる製造小売業であるファーストリテイリングの営業利益率よりも、完全仕入れのしまむらの方が利益率が高いというのはどういうことなのか?

しまむらの場合、郊外の三等立地に店舗を構えて賃料を押さえるとともに、人件費を極端に絞っています。

さらに売れ筋商品に絞り、売れ行き回転を早める売り方で、高利益を実現しています。


しまむらは、主店舗の「しまむら」に加えて、ベビー用品の「Avail」の出店も続けており、こちらも好調です。

記事では、この四半期が計画通りいっていないことを指摘していますが、最高益圏にはいます。

ネット対応はできないのか?


もっとも店舗売り切りスタイルの完成度が高すぎるのか、ネット販売への対応に躊躇していることが気になります。

野中社長も「ECをやらないと時代遅れ。手をこまぬいていると、やられっぱなしになる」と認め、将来的にネット通販へ参入する可能性は否定しない。来年には「“客注システム”を新しくして、ネット通販に似たイメージのものを作っていく」(野中社長)という。

なんとも歯切れの悪い言い方ですな。

要するに、しまむらのビジネスはあくまで店舗ありき。ネット通販には馴染まないということでいいでしょうか。

株式市場は厳しい評価


ちなみにしまむらの株式時価総額は、4751億円。昨年の営業利益の約10年分です。

ファーストリテイリングの株式時価総額は、3兆7370億円。昨年の営業利益の約29年分。

ゾゾタウンを運営するスタートトゥデイの株式時価総額は、1兆269億円。昨年の営業利益の約39年分です。

株式市場は、しまむらの将来性をあまり買っていないようです。

(ただ逆にいうと、しまむらがネット事業への進出を決めた時、株価を押し上げる要因になります。そのあたりをどう判断するかですね)






宮崎勤が普通の人間だったということが何より恐ろしい

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このテレビ番組みました。気が滅入る内容ですが、最後まで見ずにはいられませんでした。

再現ドラマと現実の資料映像や音声テープを組み合わせた見せ方には迫力があり、作り手の本気さが伝わる番組でした。

でも本当に恐ろしい内容でした。

われわれは宮崎勤が特殊で異常な人間だと思おうとしていた


何が恐ろしいかというと、あのおぞましい事件を起こした犯人が、ごく普通の人間だったということです。

これが番組の結論でしたね。

事件そのものは、ここに書くのがはばかられる異常なものでした。それに、逮捕後の犯人の言動も「ねずみ男が出てきた」とか「少女の手を…」とか。

われわれとすれば、異常な事件を起こした異常な人物という印象を持っていました。

というより、あんな恐ろしい事件を起こす人間は、普通とは違う異常なやつに違いないというステレオタイプを作ってある意味安心していたのです。

(上の記事にあるアニメやスプラッター映画のファンにはお気の毒ですが)

ところが番組で暴いた裁判前の様子、取り調べ時の犯人は、ごく身近にいる人物のようです。

何が彼を異常な犯罪に駆り立てたのかと思わずにはいられません。

今回の番組で感じた宮崎勤の人物像


番組が伝えた内容の範囲内で、私なりの犯人の人物像を示すと

1.コミュニケーションが未熟

取り調べという緊張状態で普通に話ができないのは仕方ないことでしょう。が、犯人の肉声テープにおいて、ぶっきらぼうに叩きつけるように話す声は、やはりコミュニケーションが得意でない人だったと思わせます。

もともと社交的な人物ではなかったようです。家庭内にひきこもり、社会に出ないで生活することができる境遇にありました。

社会で他人と接して自分のスタンスを調整する訓練を怠ったのか、してこなかったのじゃないかと思いました。

2.自分勝手

あの猟奇的な犯罪を起こす理由を「暖かくなってムラムラしてきた」とか「女の子がひとりでいたから」とか、程度の言葉で説明していました。

刑事に睨まれて「顔を伏せるのはクセだから」とわざわざ説明したうえで「自分にも考えがあった」と言い張る理屈の作り方は、とりあえず論理性がないわけではありません。

ただその理屈の作り方が、他人の立場や感情を考慮したものではなく、自分のプライドや感情を優先した自分勝手なものです。

自分が手にかけた少女の遺族のことを「かわいそう」だとはいいながら非難の矛先は報道の在り方に向けていました。

3.浅はかな行動原理

取り調べの間中、うそ、ごまかし、自分だけに通用する理屈を吐き続けていました。

その細かなうそやごまかしをついた理由も、結局は「これは言い逃れできる」「これはバレていないだろう」程度の浅はかなものばかりでした。

新聞社に犯行声明を送りつけたりして「劇場型犯罪」といわれましたが、本人の動機は「捜査をかく乱する」「自分に疑いがかからないようにする」というまるで機能していないものでした。

頭が悪いわけではないのにあまりにも浅はかです。

小さい頃から甘やかされて他人にもまれてこなかったことがこういう人間を作ったのでしょうか。

宮崎勤とわれわれの間にどんな断層があるのか


この前代未聞の恐ろしい犯罪者は、見た目には地味でおとなしく、近くにいても気づかなかった人物です。

しかし、恐ろしいのはそこではありません。

誰もが多かれ少なかれ、身勝手で幼稚で浅はかな部分を持っているということです。

私が思い出す中にも、こういう身勝手で幼稚で浅はかな人間の顔が何人も思い浮かびます。

あるいは私自身にも、同じような部分がないとは言えません。

われわれと、この犯人の間には、何か決定的な断層があるのでしょうか。

あるいは、ちょっとしたはずみで、われわれもこのような人物になってしまった可能性があるということなのでしょうか。

そんなことを考えると実に恐ろしいことだということがわかっていただけるでしょうか。


われわれとしては、自分や身近な人が、ダークサイドに落ちてしまわないように、自覚して生きていくしかありません。

なんともやるせない事件ですが、これもわれわれの社会の経験の一つです。教訓にしていかなければなりません。

「畳業界の革命児」TTNコーポレーション

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これは面白いですね。衰退産業で生き残る会社の話です。紹介します。

こちらは兵庫県伊丹市の畳屋さんです。TTNコーポレーション。

畳の需要が縮小し、多くの畳屋さんがリフォーム業などに商売替えする中、残存者利益をねらった企業ですが、いまや「畳業界の革命児」といわれるまでになりました。

答えをいってしまいますが、こちらの会社がやったことは、差別化、接近戦、海外展開です。

なんら奇抜ではない。王道といえます。

差別化


まずは差別化。市場が縮小する中、待っているだけでは仕事はきません。選ばれるためには何らの訴求ポイントを持たなければなりません。

この会社の場合、24時間対応がそのポイントでした。

お店など畳を変えたくても、休業したくないところにとっては、夜の間に作業してくれるのはありがたい限りです。

職人さんは夜中に働きたくないので、対応するところが少なかったという事情もあったようです。

この差別化は、色変えするとか素材を変えるとか供給側の都合ではなく、ズバリ顧客の悩みを解決する差別化だったことが功を奏しました。

接近戦


接近戦。これもランチェスター戦略では基本中の基本です。

同社は、ショッピングセンターにアンテナショップを出して、最終ユーザーとの接触を図っています。

畳業者からすれば当たり前の畳の良さも一般ユーザーには十分の一も知られていません。それを伝えるのは畳屋さんの使命なわけです。

さらに接近戦は、ユーザーから正しいニーズを聞くために有効なことです。

成長サイクルをうまく回している


海外展開。海外には日本の家屋を喜ぶ人たちがいるようです。ニッチ市場ですが、日本で残存者利益を得るだけでは頭打ちですから、こうした試みはしていかなければなりません。

畳表を使った座布団は、お菓子のマカロンのようで見た目も可愛らしく、洋室にも合うデザインにより、特にパリで人気があるそうです。また樹脂の繊維で編んだ「置き畳」は、どんな部屋でも和室にできると、こちらも外国人に喜ばれています。

さらには、「プラモデルのような組み立て式の和室」も企画しているとか。ドバイの万博出展を目指しているそうです。

差別化が機能したから、接近戦ができる資金を得られた。さらに接近戦が機能したから、海外展開の余裕が生まれた。というところでしょうね。

成長サイクルをうまく回しているようで、素晴らしいことですよ。

地元の関西にこうした企業さんがあったのですねー

注目していきたいと思います。





トヨタよ「余裕をこいているようではいかがなものか」

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またトヨタの話です。

電気自動車への対応が遅れるトヨタの不思議な余裕について書かれた記事です。

トヨタの後発強者戦略


記事を読むと、トヨタは二番手戦略をとろうとしているとのこと。

いわゆる後発強者です。

強者とは、市場シェア1位の企業のこと。日本国内ではもちろんトヨタがダントツ1位ですから、他社が電気自動車を出し、ある程度環境が整備されてきたところに真打として登場し、市場をかっさらう作戦もあるかも知れません。

しかし、電気自動車を、同じ自動車だと捉えていいものか。電気自動車というカテゴリーだけでいえば、トヨタは弱者になってしまいますから、後追いは効き目がありません。

あるいは、海外展開する上で、この数年の遅れは致命的にはならないか。

ただでさえ組み立てが簡単だといわれる電気自動車ですから、早々に市場を押さえられてしまうかも知れません。

そんな余裕でいいのだろうか


その背景には、自身が先行していた燃料電池車をやりたいという思惑がにじみます。

あるいは、ここで先行しても、あとからダメになったら困るという思いもあるでしょう。

大企業らしい慎重な姿勢だといえますね。



この記事の最後にある専門家のコメントが面白いので載せておきます。
<専門家の見方>
 余裕をこいているようではいかがなものか。ハイブリッドでの成功体験がトヨタを自信過剰に陥れていると感じる。実際、欧州では、ディーゼル不正の影響を受けてハイブリッドは絶好調であり、余計にトヨタの余裕を生み出す。

 ちなみに、EV C.A.スピリットに、日本の主要会社が参画することを歓迎する風潮が強いが、技術者のエゴの中でEV開発が混乱するリスクを認識する。結果を出す前から、余裕を召せるのはおごりの証ではないか。
(ナカニシ自動車産業リサーチ代表・中西孝樹氏)

127万社が後継者不足で廃業の危機 日本社会はどうなってしまうのか

中小企業の廃業が増えている。後継者難から会社をたたむケースが多く、廃業する会社のおよそ5割が経常黒字という異様な状況だ。2025年に6割以上の経営者が70歳を超えるが、経済産業省の分析では現状で中小127万社で後継者不在の状態にある。優良技術の伝承へ事業承継を急がないと、日本の産業基盤は劣化する。

以前からいわれていたことですが、こうして日経新聞の1面に書かれると、いよいよ来たんだなーと思いますね。

赤字企業の倒産や廃業は仕方ないとしても、黒字企業の廃業は日本の経済を大いに停滞させてしまいます。

岡野工業のような優秀な町工場がなくなってしまうのは痛手以外のなにものでもない。

学校の勉強だけではメシは食えない!―世界一の職人が教える「世渡り力」「仕事」「成功」の発想
学校の勉強だけではメシは食えない!―世界一の職人が教える「世渡り力」「仕事」「成功」の発想 [単行本]
岡野 雅行
こう書房
2007-11-10


日本社会の活力を維持させるためには、事業承継制度の整備、待ったなしですよ。


これは、外部の経営者人材を登用しやすくなるようなマッチングと税制優遇。

および、中小企業向けのM&A制度の充実が不可欠です。

参考:小さな会社のM&Aが日本を救う?

われわれ中小企業診断士としても、この問題に向き合っていかなければなりません。

が、これだけ大きな問題には、公的な支援が不可欠ですから、この記事を機に、方向性が示されることを望みます。







「規模の不経済」の兆候がでてきた自動車産業 トヨタは生き残れるのか?

規模の不経済 脱するには (日本経済新聞・有料記事)

規模の不経済という概念が述べられています。

いま世界的な潮流として、規模を追うことを避ける企業が増えてきているとか。

市場ニーズの多様性が表向きの理由です。多品種少量生産に対応しないと生き残れません。

自動車メーカーのトヨタは、多品種生産に対応しながら規模を徐々に上げていった会社です。

多品種生産なのに生産性を落とさない「かんばん」や「ジャスト・イン・タイム」は世界に衝撃を与えたものです。

ところがそのトヨタでさえ規模の不経済ともいうべき収益率の低下の兆しが出始めているという指摘です。

規模の不経済とは


規模の不経済とは、一定以上の規模を得ると逆に収益率が低下するという現象を指した言葉です。

会社内部の理由としては、効率的な生産体制といえども徐々に無駄が出てくること。研究開発費や品質管理費、人件費の増大です。

社会的な理由としては、大量生産による環境問題への対応コストの増大。車でいうと渋滞、地球温暖化などに対応しなければなりません。

こうした問題が出てくるということは、自動車産業全体が一定の規模を超え、成長がコストを覆い隠すような状況ではなくなったことを示しています。

完全独占は必ずしも良い状態ではない


ランチェスター戦略には「市場シェア理論」というものがあります。そこでは市場シェア73.9%を超えると完全独占状態となり敵なしになると規定されています。

ところが、完全独占状態とは必ずしも良い状態ではありません。

上記にあげているように、社内も社外も疲弊していくからです。

ランチェスター戦略では、正しい競争がなければ、社内は怠慢になり、顧客は不満を持ち、別のものを求めだす、といわれています。

別のものとは何か。車でいうと、電気自動車や燃料電池自動車など全く違う技術をもった車の登場がそれにあたります。

成熟市場においてどのように振る舞うか


トヨタ自動車が完全独占状態になるような市場シェアを得ているわけではありません。

フォルクスワーゲン、GMとともに健全な競争を行っていることでしょうが、それでも規模の不経済という兆候が出てくるのは、車産業が成熟し、一機種を大量に生産するビジネスが儲からなくなってきているということです。

これからの自動車産業は、細かなニーズに対応した高付加価値車を作るか、電気自動車などの次世代車に量産体制を移行していくか、が大きな戦略方向性となりそうです。

トヨタ自動車が突然、スポーツカーの新ブランドを作ると発表したのも、高付加価値車へのシフトを考えてのことなんでしょうね。

大衆車の量産ビジネスを得意とするトヨタとすれば、ビジネスの転換に挑む思い切った発表だったのでしょうが、客観的には時代錯誤感があります。

スポーツカーをいくら作ってもトップ企業にはなれないでしょうから。

次のビジネスでトヨタは生き残れるのか


むしろ電気自動車はAIと結びついて、新たなビジネスへと変貌していきます。

参考:ソフトバンクは、なぜ傷だらけのウーバーに出資するのか

次のビジネスは、自動車だけで完結せず、社会インフラ全体を巻き込む壮大なものになりそうです。

※電気自動車は蓄電装置となり、自動運転車は個人所有を離れ社会資産となっていくはず。

その時に主役となるのが今の自動車メーカーである必然はありません。IT企業かも知れませんし、ネット小売業かも知れませんし、家電メーカーかも知れません。

次世代ビジネスへの意欲を感じさせないトヨタの動きが気になりますが、それも時代の流れだということなんでしょうかね。







iPhoneXは高すぎる!売れるな!

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iPhone8が9月に発売されましたが売れ行きは芳しくないとのこと。

しかしアップルや通信キャリアにとっては想定内だったらしい。

今回の主役はあくまでiPhoneXであって、iPhone8はその露払い的な位置づけだとか。

iPhoneXの発売は11月です。

iPhoneXは高すぎる!


しかしそれにしてもiPhoneXはべらぼうに高い。機種代金10万円以上。アップルの延長保証をつければ16万円にもなるそうです。

大手通信キャリアを通せば初期費用は安くなるのかも知れませんが、実際には通信料に上乗せされるはずです。

私の場合、SIMフリー版を買うので、そのまま購入代金となります。

2、3年しか使わないスマホに16万円をかける価値はあるのだろうか…

さすがのiPhoneユーザーの私も躊躇しています。

業績を維持したいアップルの思惑


アップルはiPhoneの業績に依存している会社です。

iPhoneが売れると会社の業績は上がり、売れないと顕著に下がります。

ヒット商品を持つのは喜ばしいことなのですが、依存しすぎるのはリスクが高いと言わざるを得ません。

今回、iPhone8を出したのは、iPhoneXの高価格に躊躇するユーザーをつなぎとめるための苦肉の策だということですが、そもそも新しもの好きのiPhoneユーザーを廉価版でつなぎとめることはできるのだろうか。

業績を維持したい企業の勝手な理屈に思えてしまいます。

世界シェアは、アンドロイドが圧倒的


2016年のスマホ出荷シェアは、1位サムスンが22.8%。2位アップルが15.3%。

参考:2016年世界スマホ出荷台数13.6億台、中国勢が躍進

世界ではサムスンを含めてアンドロイド携帯が圧倒的です。

スマホも二極化していて、高級スマホはアップル。普及版はアンドロイドという棲み分けができつつあります。

日本ではサムスンの人気がないあおりで、iPhone人気が高止まりしたままですが、今回のiPhoneXの価格設定は少なからずiPhone離れを引き起こすのではないか。

日本製スマホに頑張っていただきたいですが、シェア圏外の日本製に期待はできませんかね…


ここはiPhoneXが全く売れずに惨敗し、価格政策を変換せざるを得なくなることを期待します。

この価格でも売れるならアップルになめられますよ。




総合スーパーはやはりオワコン?

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日本経済新聞の有料記事です。すみません。

イオンの半期決算が発表され、過去最高の利益だということです。

しかし売上は増えたものの利益率は低下。

特に本業のスーパー部門は厳しい状況のようです。

少し前に、総合スーパーの苦境に関する記事を書きましたが、やはり厳しいままですね。

劇的な解決策は見つからないので、食品スーパーや小型店舗やドラッグストア形態に徐々にシフトしていくしかないみたいです。






顧客満足度3年連続1位!ドトールコーヒーが最強か

ドトール


(2017年10月5日メルマガより)



私の今の事務所は大阪・心斎橋の商店街の近くにあります。

まあ、大阪一といってもいいぐらい派手なところですよ。

日本有数の広域商店街ですから、この近辺には何でもあります。

百貨店もありますし、東急ハンズもありますし、3つの駅を結ぶ地下街もあります。

縁はないですが、シャネル、ルイヴィトン、カルティエ、コーチ、フェラガモなどブランド店も並んでいます。

飲食店はいっぱいありますから、食事やお酒には困りません。

ドラッグストアは、M&Aが5、6回できそうなぐらいあります。

ダイソーもセリアもあります。

ラウンドワンがありますからボーリングもできますよ。


カフェも多い。

スターバックス、ドトール、コメダ、サンマルク、エクセルシオール、珈琲館、上島、星乃、丸福。

カフェチェーンのオールスターキャストですな。

ドトールに至っては、5分圏内に4軒もありますからね。

どんだけやーと思っていたら、スタバも4軒ありました…


事務所が近くにあるのだからカフェは使わんだろうと思われるかも知れませんが、実はけっこう利用します。

一つの場所にずっといたら、考えが煮詰まってしまいますからね。

気分転換したい時とか、違う角度から考えてみたい時なんて、カフェに小一時間入ってみたりします。

ドトールとか、サンマルクとか、コメダとか、星乃とか。。。一番多いのはドトールですかね。コメダもわりに使います。

が、なぜかスターバックスは使いません。

どういうわけか、使う気にならないんですねぇ。

「顧客満足度」はドトールコーヒーが3年連続1位


と思っていたら、今年もJCSI(日本版顧客満足度指数)が発表されました。


カフェの部門で、「顧客満足度」は、ドトールが3年連続の1位です。

スターバックスは、4位にも入っていません。

この話は、昨年あたりからとり上げられることが多く、すわスタバの凋落か!と言われたものです。

実際のところ、どうなんでしょうか。


現在、カフェチェーン1位は、スターバックス。売上高1606億円。

2位はドトール。売上高1269億円。(レストラン部門含む)

この2社が突出しており、2強状態です。

※ドトールは2017年2月期。スターバックスは2016年2月期。

スターバックス 怒涛の進撃


それにしてもスターバックスの一時期の勢いはすさまじかった。

1996年、銀座に1号店を開設。

2010年には、日本1000店を達成しています。

当時のトップ企業ドトールが手をこまねいてみていたわけではありません。

ドトールはランチェスター戦略の使い手ですから、エクセルシオールという類似店を作って、ミートしようとしたのですが、それ以上にスタバの進撃は早かった。

おそらく日本のパートナーであるサザビーと「15年以内に1000店舗を達成する」といった取り決めがあったのでしょうね。

ドトールのミート戦略は、間に合いませんでした。


スターバックスの売上高1606億円。営業利益150億円。営業利益率9.3%は立派なものですよ。

(ドトールの営業利益率は8.4%。レストラン部門を除くと、5.7%です)

2017年3月現在の店舗数は1260店。(ドトールは1431店)

ドトールが複数業態店を展開しているのに比べて、スタバは単一業態店ですから、その店舗数の多さが知れるというものです。

突然の上場廃止 債務超過に?


ところがアメリカのスターバックス本社は、2015年に日本法人を完全子会社化し、上場廃止してしまいました。

それ以来、内実がよくわかりません。

上場廃止するのだから、思い切った改革に踏み切るのかなと思っていたら、それもなし。単に、サザビーを切っただけになっています。

財務状態に至っては、債務超過(資産よりも負債が多い状態)となっています。


もっとも債務超過は、合併時の会計処理の綾でそうなっただけで、スタバが借金まみれだといわけではありませんが。

だとしても、ブサイクな財務状態のまま放置してしまって、ロイヤリティさえ入ればいいやという姿勢のアメリカ本社は、日本を舐めているのではないかと思ってしまいますね。

私がスターバックスを使わない理由

もっとも私がスタバを使わないのはそんな理由ではありません。

まず一つは、コストパフォーマンスの問題です。

単純に高い。ドトールのコーヒーは220円ですが、スタバは300円超。そのわりに美味しくない(><)

持ち帰るならコンビニコーヒーで十分ですし、ちょっと飲むならドトールがいい。

しかしスタバの提供価値はコーヒーの質にあるわけではないようです。

スタバは、場所提供業です。家でもない職場でもない第三の場所を提供する。というのがコンセプトです。

ところがその提供する空間がいまいちピンとこない。

心斎橋のスタバを外から眺めていると、広い空間にソファと机が並べてあって、個室感がないことがわかります。

大勢の人たちが皆でコーヒーを飲む空間です。

しかもその人たちが、なんだか仕事していたり、意識高い系みたいな気がするものだから落ち着きません。

あの空間に入っていくのは息がつまる行動ですよー

これって単に私個人の問題ですかね。

スタバは最近、郊外のショッピングモールなどにも店を出しています。そんな郊外店に昼間いくと、地元のおばさんばかりで、集会所のような様相です。

これはこれで居づらいものです。

ようするに個室感のないサロン的な雰囲気が嫌なんですな。

ドトールは安定的に成長


ドトールは、短い時間の利用を想定しているので、それほど気になりません。

パソコンを開いてがっつり仕事をしている人とかもあまりいませんしね^^

そのわりに食べ物とかも美味しいです。

少なくともスタバの食べ物に比べると格段に美味しいですよ。


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ドトールの2017年2月期の売上高は、1269億円。5年前に比べると、18%アップ。経常利益においては39%アップです。

スタバほどではありませんが、徐々に成長しています。

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セグメントをみてみると、ドトールコーヒー部門(ドトールやエクセルシオール)の売上高が約6割。

ところが営業利益でみると、ドトールコーヒー部門の割合は、4割程度。

その他の部門(星乃珈琲店、洋麺屋五右衛門など)が6割の利益を稼いでいます。

ドトールは、多角化をうまく進めており、多様性をビジネスに取り込んでいます。

いわばスターバックスという黒船の危機感をグループの安定と成長に結び付けたわけです。

ドトールに比べると、スターバックスの動きは謎ですな。

コメダ珈琲が急速に成長


カフェチェーンにおいては、スターバックスとドトールが二強と言いましたが、最近、急速に力をつけてきているのが、コメダ珈琲店です。

団塊の世代をターゲットにした昭和感あふれる店舗は、スタバとは違った第三の場所を提供しています。

個人的にはコメダの方が圧倒的に居心地がいいですね。

各席に適度な個室感があって、ここなら仕事で長居していても気になりません。

コーヒーは高いくせに美味しくない(><)ですが、それがご愛敬と思えるぐらい居心地のいい空間だと思えます。


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コメダ珈琲店の2017年2月期の売上高は240億円。営業利益は100億円。営業利益率はなんと42%ですよ。

この高利益は異常です。

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基本的にほぼ全店フランチャイズなので、ロイヤルティ収入は高利益になりがちです。が、それだけではありません。

コメダは、食事も充実しているので、その食材も本部からの卸売りとなります。コーヒーも同じ。その部分が儲かるのでしょう。

さらには、コメダはフランチャイズ店を始める時の初期費用がべらぼうに高いらしい。

特徴的な店舗なので高くなるのも仕方ないのかも知れませんが、やはりこれは、そうとうマージンを抜いているんだろうなと想像します。

店舗数は739店舗。ですから目標の1000店までまだ余裕があります。今しばらく高利益は続きそうですよ。



ただコメダは、顧客の回転率も悪いでしょうし、店側の収益はどうなのかと心配になります。


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単純比較ですが、コメダの一店舗あたりの平均売上高は3220万円。(2017年2月期の売上高÷店舗数)

ドトールは、5856万円です。(2017年2月期の部門売上高÷2017年8月時の店舗数)

※本部の売上高であって、店の売上高ではありませんよ。

だとすると、コメダの初期費用を回収するのは大変なんじゃないか。

今は勢いがあり客が入っているからいいようなものの、1000店舗を超えるようになると、飽和感はあるわ、競合も出てくるわで、苦しくなる時があるはずです。

フランチャイズオーナーの方には、くれぐれも慎重な判断をされることを申し上げたいと思います。


まあ、そんなことを考えていると、やはり1980年に始まり、37年後の今も成長を続けているドトールコーヒーは大したものですよ。

この項の終わりに、創業者 鳥羽博道氏の言葉をご紹介いたします。

夢中で自らの信念を貫き、気がついてみると業界一になっていた。のちにランチェスター戦略を知り、自分のやってきたことは、まさにランチェスター戦略だったと気がついた。もし、最初からこの戦略を知っていて、意識をして戦略を練っていたならば、ドトールコーヒーは、今の3倍は大きくなっていたのではないかと思っている。

イオンとセブン 総合スーパーは賞味期限切れか

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スーパー全体の売上高は、2016年度で約13兆円。ピーク時の1997年16兆円超から比較すると、2割以上縮小しています。

特に総合スーパーの落ち込みが著しく、イオンやセブン&アイの業績の足を引っ張っています。

小売業の王様だった総合スーパーはなぜ凋落したのか


いくつか原因があります。

1.カテゴリーキラーの台頭

カテゴリーキラーとは、特定分野の品ぞろえを充実させ、低価格で販売するお店のこと。ヤマダ電機(家電)、ニトリ(家具・生活雑貨)、ユニクロ(衣料)などがその代表です。

巨大店舗にあらゆる分野の商品を揃える総合スーパーからすれば、特定分野の品揃え、価格で対抗することができませんでした。

カテゴリーキラーが全国展開していくと、総合スーパーの魅力は色あせていきました。

2.地域密着型小売りの台頭

巨大店舗と巨大駐車場を持つ総合スーパーは、人口が増えている成長期のビジネスです。社会が成熟し、高齢化した現在は、近所にある小さなお店が重宝されます。

コンビニの成長はいわずもがな。地場の食品スーパーの中には高業績を上げてるところもあります。

3.大店法、バブル崩壊

大規模小売店舗法(大店法)とは1974年に中小小売業の保護を目的に制定された法律でした。大規模店の出店を抑制し商店街を守るはずが、既に出店していたスーパーの商圏を守ることに機能してしまって、既存の大手スーパー各社が恩恵を受けることになってしまいました。(現在は廃止)

業績好調だった各社は来るべき高齢化社会への対応を怠り、放漫経営といいたくなる多角化を続けていました。そこへバブル経済が崩壊したものだからダメージは甚大です。

トップ企業のダイエーは破綻し、その他大手スーパー各社はおよそ20年近く後始末に追われてしまいました。

イオンとセブン&アイの業績


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2017年2月期のイオンの売上高は、約8兆2千億円。

同じく、セブン&アイの売上高は、約5兆8千億円。

およそ2兆4千億円の差が出ています。

そのかわり、セブン&アイは、利益率が高くなっています。

つまりセブン&アイは、中身(利益率)を重視し、イオンは規模(売上高)を重視しているかたちです。

実際、セブン&アイは、コンビニでもスーパーでも、不採算店舗からは撤退を進めており、成長の停滞も止む無しとしています。

逆にイオンは、あまり店舗の閉鎖は行わず、改装リニューアルなどでじっくりと業績回復を目指しています。

イオンの場合、ダイエーの店舗を引き継いでいるので、その時点からの方針なのでしょう。

利益構成のちがいにみる両社の考え方の違い


ちなみに売上、利益の中身をみてみると

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イオンは、金融、デベロッパー、小型スーパー、ドラッグストアなどグループのバラエティが実績に出ています。複数業態が利益を出しており、いい形になっていると言えます。が、多様性がある分、中間部門の経費がかさんで利益を圧迫しています。

逆にセブン&アイは、好調のセブンイレブンに背負ってもらっている状態です。一点集中は中間部門経費の削減につなって利益率を向上させています。が、その分、リスクが高い。

両者の考え方の違いが出て面白いですね。

ただ言えるのは、両社とも、総合スーパー部門は利益貢献していないこと。売上規模が大きいだけに悩ましいことですが、劇的な解決法は見当たりません。

両社とも、傷を広げないうちに、社会のニーズにあった店舗にシフトしていくしかないと思います。





パナソニックがデザインに目覚めたのか

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パナソニックが、デザインに関する考えを一新させるようです。

パナソニックは国内外で、新しいブランドイメージや新事業の開発に取り組む。10月に社内のトップデザイナーを集めた新組織を国内で発足する。海外では2018年にも欧州拠点発の統一デザインを設定し、小物調理家電に採用。日本、アジア、中東など世界に展開する。製品、ブランド、ビジネスモデルに及ぶ領域に従来の枠を超える発想やアイデアを加え、競争力を高める。

よくも悪くも無難だったパナソニックの製品が、これで尖ったものになってくれば面白い。パナソニックが変われば、日本の家電全体が変わらざるを得ませんからね。

これはけっこう楽しみです。

パナソニックの方向性は、自動車関連企業


ちなみにいま、パナソニックはどういう状態か。

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2017年3月期の売上高は7兆3437億円。売上総利益が2兆1865億円。

売上高は低迷していますが、利益率は向上しています。

パナソニックは「成長への足場固め」なんて言っていますが、ありていに言えば、動きが遅い。不採算部門の整理にいつまで時間をかけてるのかって話ですよ。


売上構成をみてみると

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いまの稼ぎ頭は、車載関連のビジネス(車載電池、部品、ソフトウェアなど)です。投資もこの分野に集中しており、パナソニックの方向性は、自動車関連企業になることだといってもいいでしょう。

ただ家電メーカーの英ダイソンが電気自動車を製造するといっているぐらいだから、電気自動車そのものが家電製品になったと考えてもおかしくない。

参考:電気自動車は、家電製品になるのか

パナソニックは、車本体を作るのではなく、あくまで部品やユニットを提供する企業を目指すのでしょうね。


逆にいうと、家電製品そのものは、主業ではなくなるのかも知れません。つまり、デザインありきの製造にシフトするというのは主業ではないのでできる方向性なのかと思う次第です。







横浜DeNAベイスターズを黒字化させた手法は、他でも使えるのではないか

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プロ野球球団・横浜DeNAベイスターズの初代代表取締役だった池田純氏に対するインタビュー記事です。

いまとなっては、いくつかの球団が黒字化をなしとげ、経営手法のパターンが見えてきていますが、池田氏は手探りで取り組んでいたことでしょう。


プロ野球球団運営の勝ちパターン


以前のブログでも書きましたが、テレビ放映権があてにできないプロ野球球団とすれば、

1.ターゲットを地域住民、地元企業とする→チケット収入、スポンサー収入、広告収入

2.球場の運営権を持ち、エンターテイメントの場(ボールパーク)にする→野球以外のイベントも開催、球場内の飲食、グッズ販売などの収入

3.収入に応じた経費管理をする→人件費、施設費。特に選手年棒の管理と選手育成計画、スカウトの充実など。

ことで経営していくことになります。

参考:日本プロ野球が生き残るためのビジネスモデル

いまのところ、これが黄金パターンです。

普遍的に使えるメソッド


インタビューの中で池田氏は
地域との関係性、エンタテインメント性……拙著『常識の超え方』(文藝春秋刊)にまとめたメソッドは、普遍的なものです。
と語っていますね。未読なので読んでみます。

これは、確かに他のビジネスでも共通しているところがあります。

例えば、小売。

いま成功している小売店といえば、

地域住民の細かなニーズに応えている→地場の食品スーパー、コンビニ。

買い場がエンタメ要素に満ちている→ドン・キホーテ、コストコ。

両方の要素を持っていればなおいいのでしょうが、どちらかでも需要を捉えています。

記事では他のスポーツビジネスでも使えると言っていますが、実際にはもっと普遍的なメソッドなのではないでしょうか。









プロとは持続するもの

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色川武大に「うらおもて人生録」という著作があります。


うらおもて人生録 (新潮文庫)
うらおもて人生録 (新潮文庫) [文庫]
色川 武大
新潮社
1987-11-30





これがなかなか面白いので紹介いたします。

色川武大とは


色川武大とは、若い頃は博打打ちをしていて、後年、著名な小説家になった人です。

著者自身の人生や日常を描いた私小説が多いのですが、その作品群は異様な迫力を持っていることで知られています。

なにより著者には、自分の人生を生き抜く、という並々ならぬ決意があり、その生き様の迫力が作品に満ちていました。

ちなみに、阿佐田哲也という別名で「麻雀放浪記」などギャンブル小説の傑作も書いています。

哲也〜雀聖と呼ばれた男〜(1) (週刊少年マガジンコミックス)
哲也〜雀聖と呼ばれた男〜(1) (週刊少年マガジンコミックス) [Kindle版]
さいふうめい
講談社
2012-09-28



プロとは持続するもの


この「うらおもて人生録」は、若い人向けに生き方を指南するというていで書かれたエッセイです。

ここでも著者自身の生き方がストレートに書かれており、興味深い。


この中で、著者は、自分なりのプロ論を披露しています。

いわく

プロは持続を旨とすべし

一度や二度、あるいは乗った時にだけ抜群の力を発揮する、というのはプロではない。そこで生活していかなければならないプロは、持続的に成果を出し続ける必要がある。

若いころ博打で生計を立てていた著者らしい教えです。

まったくもって同意いたします。

持続のために、フォームを固める


しかし、持続して成果を出し続けるためにはどうすればいいのか?

著者は

フォームを固める

という言い方をしています。

フォームとは、原理原則のことだ。とも書かれていますが、いわゆる行動規範、人間関係や行動におけるルールのようなものを指しているのでしょう。

ルールは自分で決める


思えば、どんな分野にせよ成果を出し続けている人は「こういう場合は進む」「こんな時は下がる」という基準を持っており、滅多なことでは揺るぎません。

これまでの経験でルールを掴んでいる場合もあるでしょうし、論理的な思考から導いていることもあるでしょう。

ただ言えるのは、自分でルールは決める。ということ。

人の意見を聞いてもいいが、それをルールとして取り入れるのは、自分の責任です。

若いうちからルールを決めるのはそうとう神経を研ぎ澄ませて、行動の経過を見ていなければならないでしょうが、できないことではありません。

もっとも私の年齢になれば、これまでかなり失敗してきているので、否応なしに、自分ルールというものが出来上がっています。

ビジネスの上では、ランチェスター戦略をよく起用しますが、それも経験で身に着けた自分ルールのひとつです。

全勝を目指してはならない


ただし失敗がないというわけではありません。

実は、色川武大も、全勝を目指してはならない。と書いています。

9勝6敗なら最高で、8勝7敗でもよしとせよ。

つまりプロが固めるフォームとは、9勝6敗で勝てる確率を保証するものです。

全勝を目指して力を入れると、全敗の可能性がある。あるいは短期的な全勝のあとに、壊滅的な全敗が待っているかもしれない。それはプロとして避けなければならない。それよりも、6つの負けをいかにうまく負けて、致命的な負けにならないようにするかに気を使え。

緊張はずっと続きます


こういう教えは、若い世代に響くのだろうか?と思いつつも、私としては非常に共感するところです。

色川武大は、無頼からスタートして、堅気になり、会社員になり、小説家になり、最後を迎えた人です。きっとその人生は、毎日をしのぐ緊張感の連続だったのでしょうね。

私のような独立者も、レベルは違いますが、十年以上、緊張の中にいます。

起業される方は、多かれ少なかれ、味あわなければならない緊張感です。

覚悟を持たなければなりません。




「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語
「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語 [単行本(ソフトカバー)]
駒井俊雄
ぱる出版
2015-10-30


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語

サービスや価格よりも、顧客が評価したこと

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とても重要なエピソードだと思います。

アメリカのあるタイレストランが2週間にわたって閉店していたとか。

その理由がレストランのドアに貼られていた。

「現在、閉店中。10月4日11時より開店。タイ出身の料理長が家族に会えるよう、毎年休暇をとっています。シェフズ・チョイス・ヌードル・バーで働くまで、彼は15年も家族に会っていませんでした。家族と一緒に過ごし、充電してもらいたいという思いから、毎秋2週間にわたり閉店することにしたのです」

この理由が話題になり、店の好感度が上がったというニュースです。

いまの顧客にとって、従業員の処遇は、サービスよりも重要


この記事は、現代の顧客にとって、ブラック企業ではない、従業員を大切にしている。ということが、非常に重要な判断基準になるということを示唆しています。

従業員をたいせつにすることが、サービスの低下よりも重要指標なのです。

特に消費者と接する企業は、このことを忘れてはなりませんね。

SNSがなんでも広めてしまう


もう一つは、SNSのパワーです。SNSがない時代なら、このちょっといい話も常連客の中で共有されるだけに終わったかも知れませんが、今はこういう「感動ネタ」は拡散します。

この店の店主が書いた張り紙が、このような効果を及ぼしたわけで、これも現代の企業がヒントにすべき部分です。

ステークホルダーを大切にしよう


ちなみに従業員を含む企業をとりまく関係者たちのことをステークホルダー(利害関係者)と呼びます。

消費者、従業員だけではなく、株主、債権者、仕入先、販売先、地域社会などを含みます。当然ながら、仕入先、販売先、地域社会などに迷惑をかけるような企業は嫌われます。

これもSNSがありますので、いつ裏の顔が拡散されるかもわかりませんからね。





明暗わかれたカラオケチェーンの状況

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メモ。カラオケチェーン各社の業績について。

カラオケ市場は約4000億円。

1990年代後半をピークに減少したが、最近は少し回復しているとのこと。

全国カラオケ事業者協会(JKA)の『カラオケ白書』によると、20年前の1997年の5,630万人に対して、2016年は4,720万人と大きく減少しています。ただし、ボトムは2011年の4,640万人で、その後は増加に転じ2013年からは4,700万人台を維持しています。

ただし企業業績は明暗が分かれています。

ひとりカラオケやシニア用サービスを展開する低価格路線の「まねきねこ」(コシダカホールディングス)が好調で、高級路線の「シダックス」が業績を落としてリストラの最中です。

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もっともカラオケ市場じたいが成熟しており、今後も劇的な伸長は望めないでしょう。

カラオケチェーン各社の状況


渦中のシダックスは、もともと業務用の食堂運営の大手企業です。本業回帰を進めながら、最近では施設管理事業にも進出しています。

参考:シダックス カラオケ事業への見切りが煮え切らない


勢いのあるコシダカホールディングスは、第二の柱としてフィットネスクラブの「カーブス」を運営して、こちらも好調です。

カラオケに関しても、アイデアフルで、期待がもてます。

参考:成熟市場のチャレンジャー企業 コシダカホールディングス


業界1位の第一興商は、カラオケ店の運営とともに、業務用カラオケ機器の販売も行っており、こちらは堅調です。

が、基本カラオケ関連だけの事業なので、多様性を持たないと今後苦しそうです。


鉄人化計画は、ほぼカラオケ店1本なので、いちばん苦しいところです。第一興商と同じく、事業に多様性を持たなければ厳しいです。

グー・パー・チョキ戦略


ランチェスター戦略には「グー・パー・チョキ戦略」という考え方があります。

企業が生き残り、成長していくためには、

グー:得意分野に集中して市場で一定の地位を得る

パー:打ち立てた柱の周辺に、新たな事業を複数立ち上げる

チョキ:複数の事業から1,2を選択し、他は整理する

これを繰り返すことである。という考え方です。

ネーミングはベタですが、シンプルで実に分かりやすい。

言い換えれば、集中→多様性→選択・集中というサイクルが企業の永続的な活動となるわけです。

この原理原則に沿ったものは生き残り、怠ったものは生き残れない。

分かりやすい原理ですね。

参考:問い合わせが多い「ランチェスター戦略」の概要が学べるサイトや書籍を紹介します








食べ放題の店が儲かる理由

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食べ放題のレストランが儲かる理由。

今さらながらの記事ですが、紹介いたします。

飲食店の利益構造


記事の例に沿って説明すると

一人前1500円の料理の原価が500円とします。一人前売れるごとに利益が1000円。

この料理店の維持費(家賃、光熱費、人件費など)が月10万円だとすると、100人分の料理が売れた時点でプラスマイナスゼロ。101人目からは儲けとなります。

「食べ放題」でどれだけの顧客を集められるかが勝負


これが食べ放題の店だとどうなるか。

食べ放題だから大食いの人が集まりそうです。仮に3人前食べる人ばかりが来るとします。(そんなに食べる人ばかり来ないでしょうが)

一人あたり500円×3人分=1500円の原価がかかる計算になります。

ということは、一人当たりの料金設定を2500円とすると、利益は1000円となりますから、先ほどと同じく、100人の顧客が来ればプラスマイナスゼロです。

一人分1500円の店 vs 食べ放題2500円の店。

どちらが集客できるかの判断となります。

ブッフェ形式は人件費が削減できるので大いに儲かる


これがブッフェ形式だとどうなるか。

条件は先ほどと同じですが、料理の廃棄ロスが出そうなので、料理一人分の原価を550円とします。そこに一人3人分食べる客ばかり来たとします。

ブッフェ形式の場合、料理をあらかじめ並べてあり、顧客が皿をもってとりにいく形式だと、人件費が削減されるはずです。

注文をとりにいく係、テーブルごとに運ぶ係、片づける係。

あるいは調理する係も、注文を受けずにあらかじめ作っておけるのでピーク時の人数が削減できます。

仮に人件費が2万円削減できたとすると、店の維持費は8万円。

だとすると(計算は省きますが)一人2450円の料金で、100名来ればプラスマイナスゼロとなります。

これが人件費5万円削減できたとすると、一人2150円の料金でプラスマイナスゼロです。


ブッフェ形式は、顧客がすぐに食べ始めるので、食べ終わりも早い。つまり、回転数が多くなります。人気店になれば、通常の形式よりも多くの顧客を入れることができるので、それだけ儲けが大きくなります。

ブッフェ形式は「食べ放題」という訴求力と、コスト削減を同時に行うことができるので、非常に優れた手法です。


以上が、食べ放題形式のお店が儲かる所以です。




プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

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