わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

日本人は、ランキングビジネスと、アーカイブビジネスと、オークションビジネスが下手

00


■スマホ時代に有望なショートフィルム。誰もがその可能性に気付いているはずですが、まだその方法論は確率されていないのかな。


現在、youtubeなどにあるのは、ほとんどが素人が適当にアップした動画か、テレビ番組をキャプチャーしたものばかり。映像のプロが真剣に作った動画コンテンツはまだみませんね。

でもスマホが映像視聴のメインメディアになるわけだから、それに合わせたコンテンツが出てくるはずです。

ビジネスモデルはもちろん、映像作品のパターンがまだ出てきていないということなんでしょう。

一人、パターンを確立する人が出てくれば、その模倣や差別化で、いろんな作品が出てくるのでしょうけど。

■その意味では、ショートフィルムフェスティバルというのはいいですね。

まだビジネスにはなりきっていない分野のコンテンツを集めて、パターンを探ることができます。

ここで上映された作家や、作品を観た人達の中から、黎明期の天才みたいな人が出てくるのでしょう。

■その会になぜか別所哲也氏が関わっているということなんですね。

その経緯はよくわかりませんが、別所氏はプロデューサーとしての活動もされている人なんでしょうか。

その別所氏の言葉として面白いのがこちら

私がアメリカで言われ、強く印象に残った言葉があるんです。「日本人はモノづくりは上手だけど、ランキングビジネスと、アーカイブビジネスと、オークションビジネスが下手だね」と言うのです。そして、今後の日本の映像業界では、この3つのビジネスが伸びていくはずなんです。

■要するに、黎明期に様々な動画がアップされた中、どれが面白いかというランキング、検索できるアーカイブ、コンテンツを売買するオークションが立ち上がれば、その分野は発展するというわけです。

日本人がそれを苦手にしている、ということであれば、やる人が少ないのでしょうから、そこにはビジネスとしてのうまみがるということです。

これは、動画に限らず、どの分野でも応用できることなのではないでしょうか。

■たとえば、小説でも同じ。スマホで小説を読むとすれば、長編よりも短編やショートショートが適しているはず。

あるいは朗読作品化したものが中心になるかも知れない。

だとすれば、コンテンツの作り方が変わってくるでしょう。

既存の有名作家ではなく、スマホ小説作家が出れくれば、その分野はもっと盛り上がってきます。

またそこに、ランキング、アーカイブ、オークションをセットで立ち上げることで、ビジネスとしても成立させる方法が広がります。

短いインタビュー記事でしたが、刺激になりました。

 


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語


株式会社クリエート・バリュー

4月12日(水)大阪 ランチェスター戦略入門セミナー

大阪で毎月1回開催「戦略勉強会」

営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」

中国人からみた日本企業の欠点

00


■中国人の作家・ジャーナリスト莫邦富氏による記事です。


いわゆる反日ではなく、冷静な目線で日本企業の欠点を指摘しており、耳が痛いですな。

■見出しだけ抜き出すと

1. 第一の問題点は、技術に対しては、日本企業は病的な完璧主義者で、度の過ぎたイノベーションを求めすぎる。

2. ユーザーの立場に立って物事を考える意識や販売を促進しようとする意欲も薄い。

3. 終身雇用制が日本企業にとって耐えがたい負担となりつつある。

4. 対中国戦略の失敗。

5. 創業を奨励する文化は日本では国家的に形成されていない。

6. 日本企業が長年保ってきたイメージが近年、崩れている。

7. 現状に甘んじて進歩を求めず、戦略的な選択と投資を怠った傾向が強い。

8. 長期的な低価格競争に耐えられない。

9. 上層部が無能で、部下は無原則に従う。


ということで、いちいちごもっともです。

■私なりにまとめると

1.全体が内向きで、チャンレンジ精神がない。

2.ユーザー目線が薄い。

3.長期的な戦略がない。

ということになりますかね。

■1については、その通りです。

シャープにしろ、パナソニックにしろ、ソニーにしろ、近年発売された内幕本を読めば、経営不振の原因は、内向きでお互い足を引っ張り合う経営陣にあると思えてきます。

(私が知る限りでも企業の人たちのマインドの内向きさには辟易する場面が多い…)

中国市場に限らず、アフリカでも中東でも、日本企業が果敢に開拓しているという話をあまり聞きません。

既存市場を守る、というのは一つの選択ではありますが、かつてのチャレンジ精神がなくなったのでは?と思われても仕方ありません。

■2,3についても同意します。

が、日本企業は伝統的に、ポジションを明確に選択するよりも、現在やっていることを続けて、ノウハウや経験を蓄積するという方が得意な部分があります。

欧米側にいわせると、それは無策となるのかも知れませんが、だからこそ品質の高さや信頼性につながることもあります。

日本企業にしかできないことも多いわけです。だから一概に、ポジションチェンジを好まないことを戦略がないということはないでしょう。

ここは日本企業独自の戦略方向性をみてもいいと思います。

■しかし、記事にあるように、ユーザー目線を持つこと、販売促進に意識を向けること、提携戦略をうまくすること、などが欠けているというのは心当たりがあるところは多いと思います。

ここは素直に反省したいですね。

 


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語


株式会社クリエート・バリュー

4月12日(水)大阪 ランチェスター戦略入門セミナー

大阪で毎月1回開催「戦略勉強会」

営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」

野村克也氏の人生から気づくことは多いとつくづく思う

00



■野村克也氏の人生を振り返るBESTTIMESの連載が完結しました。3月中、毎日やっていたんですね。けっこう楽しみにしていましたし、全部読みました。

でも野村本のファンである私としては、全部、知っている話なんですけどね^^;

それでも、面白かったです。

■プロ野球でクビにされないための苦労。1軍に定着するための工夫。さらに一流になるための思考。監督になって組織を強くするための挑戦。

まさにプロ野球人として、フルコースで経験した人です。

しかも、選手としても、評論家としても、監督としても超一流ですからね。

その言葉には重みと説得力がありますよ。

■野村氏の特徴は、もともとテスト生上がりで、決して恵まれた立場にいたわけではなかったこと。

才能はあったのかも知れませんが、それを開花させる基礎訓練なく、プロ野球に入ってきた人です。

実際、一年目のオフには「おまえはモノにならんから辞めろ」と言われたそうですからね。

■そんな状態で生き残るためには、どうすればいいのか「思考」し、実際の現場での状態を「感性」で知り、自分を変えるために挑戦する「勇気」を持たなければならなかった。

実際に、壁に当たるたびに、そうやって、突破してきた人なのだから、頭が下がります。

対人関係におけるちょっとしたクセは、そういう出立なんだから仕方ないですよ。

■思えば私も、三十代半ばまでは身体を使うことしか考えてなかったような気がする。

営業の仕事だったので、行動量と負けん気でどうにかなりましたからね。

ただある時期から、ありていにいうとマネージャーに近い立場になると、それでは全く通用しません。

そこで曲がりなりにもこれではダメだと気づいて、変わろうと思ったから、今がある。とつくづく思います。

野村氏と比ぶべくもないちっちゃな話なんですが。

■当時、上司とか先輩にあたる人でも、現場営業の能力のままマネージャーになっている人もいました。

その部下や後輩は悲惨でしたよ。

「出来ない部下は相手にしない」とかうそぶいて、さらにあろうことか、その部下の悪口を言いまくっている人もいましたからね。

当時の組織はそんな人でも容認していたのだから寛容だったんですねえ。

■自分の状況を気づく「感性」と、その状況を打破するための「思考」力と、ベテランになっても自分を変える「勇気」

これを持つことは重要です。プロ野球界だけではなく、どの業界でも当てはまることだと思います。

 


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語


株式会社クリエート・バリュー

4月12日(水)大阪 ランチェスター戦略入門セミナー

大阪で毎月1回開催「戦略勉強会」

営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」 

アマゾン この状態は誤算なんでしょうね

00


■アマゾンが創業以来の危機に瀕しています。


儲かりすぎている!

利益を出さないことを信条とする同社としては、最近の状況は誤算であり不本意ではないでしょうか^^;

■そのアマゾンの利益のほとんどを稼ぎだしているのが、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)です。

いわゆるクラウドコンピューティングのインフラを提供するサービスです。

今期売上高予測は1兆5000億円。しかも毎年150%で伸びているとか。

クラウドインフラ事業の分野でAWSは、2位以下のベンダーすべてを足し合わせても、その数倍の売り上げ規模となっています。

■なぜアマゾンのサービスがここまで大きくなったのか。

他企業が、クラウドコンピューティングなるものがここまで大きくなることはないと読み間違えた部分もあるでしょう。

しかし、最大の理由は、アマゾンの方法論が、他のIT系企業の方法論とは大きく違っていたことだろうと思います。

■記事にありますが、アマゾンは「ローマージン・ハイボリューム」のビジネス展開を得意としています。

いや、ゼロマージンだろーと言いたくなるような低価格設定を好みます。

低価格で参入し、莫大な投資を行って、市場シェアを奪ってしまう。利益は投資に回してしまうので、さらに競争力が上がり、他を寄せ付けなくなります。

通販でやったのと同じ方法論をクラウドインフラの分野でもやってしまって、うまく行き過ぎてしまったわけです。

■なぜなら他のITインフラを提供する企業は、それなりに儲けるビジネスをしていたからですな。

アマゾンのような原価で提供するようなビジネスにいきなり対抗する術も考えもなかったようです。

こういう例をみると、他の分野でもアマゾンに進出してもらって、適正価格にしてほしいものです。

■AWSは当初、コストをかけられないスタートアップ企業が好んで使うサービスでした。

しかし記事にあるように、安い上に、セキュリティもサービスも充実しているとなれば、腰の重い大企業も切り替えていくでしょう。

まだまだ成長していきそうですね。

■アマゾンとすればちょっと儲けすぎです。心苦しいでしょう。

この利益は、おそらく新たな分野に進出するための軍資金となることでしょうね。

個人的には「住宅」に進出してほしい。アマゾンホームといって、住宅も家具も光熱費も日用品も食事もすべて定額で提供するサービスです。

それをあほみたいに安い値段でやってほしい。アマゾンならできるでしょうから。

 


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語


株式会社クリエート・バリュー

4月12日(水)大阪 ランチェスター戦略入門セミナー

大阪で毎月1回開催「戦略勉強会」

営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」

風林火山を旗印に掲げた武田信玄は、戦略家ではなかったのか?

風林火山


(2017年3月23日メルマガより)


メルマガ登録はこちら


■今回は久しぶりに戦国武将の話です。「真田丸」以来ですね。

ネットで面白い記事を見つけたので紹介いたします。

参考:信玄、信長、家康の軍事政策に見る、現代にも通じる戦略ロジック(文春オンライン)
http://bunshun.jp/articles/-/1673

著名な戦略研究家エドワード・ルトワック氏による日本の戦国武将の評価について書かれた記事です。

武田信玄、織田信長、徳川家康について書かれており、武田信玄のことを「完璧な戦術家」、織田信長のことを「革新的な作戦家」、徳川家康のことを「最高レベルの戦略家」と評価しています。

徳川家康は、言わずと知れた江戸幕府の開祖として戦国時代を終焉させた武将です。

織田信長は、志半ばで倒れたとはいえ天下統一への道筋をつけた戦国の覇王。

武田信玄は、その信長が一目も二目も置いた戦国最強の武将だといわれています

いずれも戦国時代のビッグネームであり、優劣つけがたい存在です。

しかしその評価が分かれたことに興味を持ちました。

■とくに武田信玄のことを「戦術家」といっているところが気になります。

武田信玄といえば、兵法に通じた智者というイメージがあります。旗印に「風林火山」という「孫子」の一節を使用していることからもわかるように、孫子の理解者でもあるはず。

その武将が、戦略家ではなく「戦術家」であるとはどういうことでしょうか。

■ただ「孫子」を学んだ者からすれば、その評価は実は納得できるものでもあります。

武田家の旗印に使われた「風林火山」とはいかなる語句か。

これは孫子第七章「軍争篇」に使われている一節です。

軍争とは、軍を敵より先に戦場に配置すること、と孫子内で述べられています。つまり軍争篇は、きわめて戦術的な色合いが濃いパートであり、軍争の方法、運用、注意点などが書かれています。

該当の部分を引用すると

「故にその疾きこと風の如く、そのしずかなること林の如く、侵略すること火の如く、動かざるごと山の如く、知り難きこと陰の如く、動くこと雷の震うが如くして、むかうところを指すに衆を分かち、地をひろむるに利を分かち、権をかけて以て動く。迂直の道を先知する者はこれ軍争の法なり」

(したがって風のように迅速に進撃し、林のように静かに待機し、火が燃えるように急激に侵攻し、山のように居座り、暗闇のように実態を隠し、雷鳴のように突然動きだし、偽りの進路をみせるために部隊を分けて進ませ、占領地を広げるために要地を分けて守らせ、権謀をめぐらせつつ動く。迂回しているのに直進するかのように敵より先に着くことを知る、これこそが軍争の方法である)←「孫子」講談社学術文庫を参考にしました。

参考:孫子 (講談社学術文庫)
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4061592831/lanchesterkan-22/ref=nosim

だから厳密にいうと旗印には「風林火山陰雷分衆分利」と書くべきでした。

が、それはともかく、ここに書かれているのは、軍を運用する方法や態様についてです。

■武田信玄が、この戦術的な部分を旗印にしたというのは、象徴的です。

そもそも武田信玄も山本勘介も「唐の軍書は日本に合わない」という内容の言葉を残しています。

地理や気候、軍構成や武器が違うので、中国の兵法書に書かれてある作戦がそのまま日本では使えない。という意味のようです。

が、それは当たり前のこと。

「孫子」が3500年もの時を越えて読み継がれているのは、そこに書かれてある"生き残るための考え方"が大いに参考になるからです。

武田信玄は、兵法書に「すぐに使える便利なマニュアル」のようなものを求めたのでしょうか。だとすれば、理解が浅いを言わざるを得ません。

このあたりが武田信玄を「戦術家」と評価する上の記事に同意する所以です。

■武田信玄が戦術家だったという評価は、信玄の側近によって書かれた「甲陽軍鑑」により明確に表れています。

参考:甲陽軍鑑 (ちくま学芸文庫)
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4480090401/lanchesterkan-22/ref=nosim

そこには戦闘で勝つ・負けないことこそが最強であるという武田家の考え方が示されます

戦闘で勝つためには、一人ひとりの兵士を精強に鍛えなければなりませんし、彼らが力を発揮できるような軍構成も大切です。

武田家の強さとは、兵士を育成し、構成し、戦闘現場において力を発揮できるようにすることであったことが分かります。

武田信玄の有名な「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」という言葉をみても、彼が人や組織に重きを置いていたことが分かります。

■私はこのメルマガで何度か「孫子」の話題をとりあげましたが、その価値は、戦争に勝つための方法論ではなく、戦闘に至る前段階に何をすべきかが書かれているところにあるとお伝えしてきました。

参考:戦略がなければ生き残れない(ブログ)「孫子の兵法」カテゴリ
http://blog.livedoor.jp/lanchester_kansai/archives/cat_50029552.html

孫子が目指すのは、戦争に勝つことではなく、国が生きながらえることです。

戦争に勝っても、国が疲弊すれば生きながらえることが危うくなってしまいます。

それならば戦争にならないようにしなければならない。

戦争にならないためには、敵国と偽りの同盟を組むことも厭わず、謀略で陥れ自滅させることも辞さず。

生き残るためには何でもあり。これが孫子の考え方です。

■戦術とは戦闘でいかに行動するかの方法論。

戦略とは、戦闘行為に至る前段階での方法論。

という定義にしたがえば、武田信玄の戦略とは、戦闘で勝つために組織を強化することだと規定できます。

しかし、最後の勝者であった徳川家康は、謀略や調略、同盟を駆使して相手の力を削ぐことをより重視していました。

特に、関ヶ原の戦いや大坂の陣において、戦わずして勝つ方法を追求する姿勢が顕著です。

どちらが孫子の考えに近いかというと、それは明らかでしょう。

徳川家康が「最高レベルの戦略家」と称えられる所以です。

■さらにルトワック氏は、織田信長を「革新的な作戦家」と評価し、武田信玄と徳川家康の間に位置づけられるとしています。

確かに織田信長は、無謀ともいえる戦闘に飛び込むこともありながら、創意工夫で数々の戦闘を勝ちに導いてきた武将です。

もちろん調略や謀略を使うことも多かったようです。

(念のためにいうと、武田信玄も調略や謀略の使い手でした。この点は純粋な戦闘行為だけで名をはせた上杉謙信とは違います)

ところが織田信長は最終的には、相手を武力で制圧し、天下を統一することを目標としていました。

ですから信長は、同盟戦略が下手です。同盟相手を軽視してしまうことが多かったために、裏切られることも多々ありましたし、最期は部下に討たれてしまいました。

この点、味方になれば篤い、敵に回れば怖い、というイメージを一貫して与え続けた徳川家康の方が優れているといえるでしょう。

■かといって、ルトワック氏がいうように織田信長が作戦家だという評価には私はうなずけません。

もともと信長は、"弱い"といわれる尾張の兵を率いていました。そんな弱い兵士の集団で勝つためには、工夫をせざるを得ませんでした。

もとより弱い部隊をいくら鍛えても、生来から強い甲府の兵に勝つのは難しい。

そこで信長の出した答えは、兵隊の数を増やすこと。かつ、強力な武器を持つこと。

そのために、兵数と武器を揃える前提となる経済力を持つことでした。

織田信長の抜群の経済感覚は、交易の要衝地を直轄地にしたり、楽市楽座を目玉政策として採用したりしたことからもうかがえます

その旺盛な経済力が、兵の補充や武器開発や兵站や大がかりな土木工事を可能にし、旧弊勢力を寄せ付けなくさせました。

信長とはつまるところ、経済力を基盤とした覇王だったのです。

ただの作戦家では測れない存在だと考えます。

■その信長の遺志を受け継いだのが、天下統一の達成者である豊臣秀吉です。

秀吉は、信長の方法論をさらに洗練し、進化させました。

すなわち圧倒的な兵力による正攻法を可能にする経済力の保持です

基本的に相手を城に籠らせて取り囲み、兵糧攻めや水攻めにして、戦闘行為なしに屈服させてしまう戦い方を採用しました。

さらには、相手が戦う気をなくすような強大な経済力と兵力を見せつけて、自陣に取り込んでしまい管理下に置くということを繰り返しました

秀吉は、人たらしと称されるほど人間扱いがうまく、接する者のほとんどを魅了したといわれています。一度味方になると、これ以上ないほどの信頼関係を結んでしまうので、裏切られることがありませんでした。

秀吉の手によって、驚くほどのスピードで天下統一が成し遂げられたのは、やはり彼の方法論が優れていたからです。

いわゆる強者の戦略の最高の使い手であり、家康に比べて、スケールが大きな存在だと思えます。

秀吉が老いて衰えた後、家康は最後の粘り勝ちのような形で天下を手に入れたに過ぎないわけですから、どちらかというと、秀吉の方が最高の戦略家であると私は思っています。

■しかし、惜しむらくは、晩年の秀吉の迷走です。

強引な後継者争いを引き起こして豊臣政権を弱体化させたばかりか先の見えない海外派兵により豊臣家への求心力も低下させてしまいました。

こうした迷走は、天下統一後の確固たるビジョンが秀吉にはなかったのではないかという疑念を抱かせます。

明確なビジョンがあり、現状からその目標に向かう道筋が戦略である。という定義を採用するならば、秀吉の戦略は天下統一をするまでしか機能していません。

その点では、350年続いた江戸幕府の開祖である家康には、政権運営の確かなビジョンがあったといえるでしょう。

そのビジョンが、その時、日本が描ける最良のものであったどうかはわかりませんが。

■秀吉の政権運営や海外派兵などは、織田信長のグランドビジョンに沿ったものであると言われています

信長は手元に地球儀を置き、世界における日本を意識できる人物であったようです。

海外からの客人の話を積極的に聞き、情報収集を欠かさず、自分なりの世界観を持っていました。

信長は、日本国内をまとめた後は、中国へ侵攻する考えを抱いていました。

あるいはルソンを通じて、南アジアに版図を広げようとしていたかも知れません。

彼の生涯をみると、それを成し遂げるだけのアイデアと実行力があったのではないかと思えてきます。

いろいろ欠陥の多い人ではありましたが、測り知れないスケールを持った人だったことは確かです。

■織田信長のビジョン構築力とアイデアフルな実行力。

豊臣秀吉のゆるぎない戦略遂行力と人心掌握力。

武田信玄の強固な組織構築力。

結局、これらをバランスよく、いくぶんスケールを小さくして持っていたのが、徳川家康といえるのではないでしょうか。

■戦国時代というのは、時代の究極の変革期です。

庶民の暮らしがどのようなものだったかまではわかりませんが、少なくとも覇を競う武将たちにとって、生き残るためには、持てる能力の全てをフルに使わなければならなかったことでしょう

だからこそ、ルトワック氏の記事にいう通り、彼らの生き残るための知恵は、現代でも十分参考になるものだと思います。

実に学べることが多い時代であり、それだけに興味は尽きませんね。

吉野家を2度の危機から救った経営者の考え方

00


■素晴らしいストーリーの記事です。ぜひ読んでください。


かいつまでいうと、吉野家を急成長させた安倍会長の回想です。急成長といっても、吉野家は2度の大きな危機を経験しています。それを乗り越えたのだから大変なことでした。

■1度目は、倒産。

築地で牛丼店を成功させた創業者が、チェーン化に乗り出します。

「早い、うまい、安い」という秀逸なキャッチフレーズとともに全国展開を果たした吉野家ですが、急拡大にオペレーションが追い付かず、顧客が離れていってしまいました。

アルバイトから入って、米国に留学していた安倍氏が帰国してみると、倒産の危機にあったという話です。

■ここで安倍氏は、リーダーシップを発揮します。

倒産後やってきた経営陣と対立しながらも、残った従業員をまとめていきます。

チェーン店としての吉野家というコンテンツが、時代に通用しなかったというわけでないことが重要でした。オペレーションを見直せば、復活するという見込みはあったでしょう。

しかし、倒産した企業の従業員をもう一度やる気にさせるのは並大抵のことではありません。安倍氏のリーダーシップは、不安になる従業員をまとめることに発揮されたようです。

その結果、思いついたのが「倒産まで任務を全うしたほうが、再就職先での信頼が高まるだろう」「倒産なんてめったにない経験だから、最後まで見届けよう」というような、普段全く縁のないモチベーショントークでした。相手の性格によってどういう動機付けが響くかを探りながら、励ましていく。このときに学んだ相対コミュニケーションの大切さ、相手を把握するための努力というのは、後にさまざまな立場でリーダーシップを発揮する上で大変役に立ちました。

■その後、安倍氏を中心として吉野家は、急成長のひずみを経験した反省から、財務や業務オペレーションなど❝守り❞を意識した経営に舵を切り、鉄壁の仕組みを作り上げます。

急拡大時に起きたような乾燥肉を使うなどという愚は犯さず、「ともかく店を開いている限り、会社の事情に関係なくお客さまはいらっしゃる。お客さまが求める商品とサービスを提供し、喜んでもらうのがわれわれの役割であり、使命である。それはどんな状態でも変わらない」という基本を守りました。

これを安倍氏は吉野家のDNAと呼んでいます。

復活後の吉野家は、牛丼単品経営をとことん突き詰め、盤石の経営を誇っていました。

■しかし2度目の危機。BSE騒動により米国肉の輸入が禁止されたことです。

牛丼屋が牛肉を使えない。というのは、写真屋が写真を使えないという富士フィルムに匹敵するような危機です。

ここでも安倍氏のリーダーシップが際立ちます。

「牛丼抜きで営業利益率5%」という具体的な数字を掲げ、「牛丼で培ってきた素材調達、キッチンオペレーション、保管流通システム等のスキルとマインドを最大限に活用し、別の商品で表現してみよう。吉野家は牛丼抜きでこの目標を達成できるすごい集団だということを、世間に示そうじゃないか」と呼び掛けました。

しかし、この時期、吉野家への差別化から既にメニューをバラエティ化していた「すき家」が、頭一つ抜け出します。そして輸入再開された2006年が勝負処とみて一気に店舗数を拡大し、店舗数、売上ともにトップに躍り出ます。この時のゼンショーグループの勝負勘は見事でした。

が、そんな折にも焦らず、安全運転を続けた吉野家も立派だったと思います。

結果として、牛丼チェーンは、ゼンショー、吉野家、松屋で飽和市場を分け合う形となったわけですが、最も危機的な立場にあった吉野家を2位に留めた安倍氏の手腕は称賛されるべきではないでしょうか。

生き残ったのですから、反攻の機会もあるでしょうし。

経営者の役割は、業績のいいときほど未来に潜む危機感を煽り、本当に危機的状況のときには、当面やるべきことに全力を傾注し、成果を出すことで「大丈夫」と従業員を安心させること。そのためには直面している問題を共有し、時間を置かずに打開策とそのためのステップを明示する。「こういう手順で、ここまでいければ何とかなる」と具体的に示せば、従業員は課題に集中でき、疑心暗鬼にならずにすみます。

いいこと言っていますね。ぜひ読んでください。

 


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語


株式会社クリエート・バリュー

4月12日(水)大阪 ランチェスター戦略入門セミナー

大阪で毎月1回開催「戦略勉強会」

営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」

社員わずか5人で40億円の売上。中国にネットで販売する化粧品メーカー

00


■爆買いが下火になった後、日本企業はどうすればいいのか。という課題に対する答えの一つが、この企業です。


社員わずか5人の化粧品メーカー、クオリティファーストが誕生したのは2012年2月のこと。設立から4年半あまりで売上高は40億円に届くまでに急成長しており、うち、ほぼ半分が中国での売上げだ。

いわゆるネット通販で中国に商品を販売している企業です。

■たった5人の企業が、売上高40億円とか。現代の奇跡かと思えるような話です。

記事には、この会社がどのような仕掛けをして、売上を上げたがが垣間見れます。

■まずは商品選定。中国人が好む日本製品は多いでしょうが、なんでもかんでも扱えばいいというものではありません。

この会社は、フェイスマスクという絶妙の商品を選びました。

中国人が好むが、中国製は品質が悪い。日本製は品質がいいが高い。そこに、安くても品質がいいという商品投入をしたようです。

(どの程度、品質がいいのかは私にはわかりませんが)

■次に販売方法。

中国で売ることを前提として、まず日本で売る。日本で売れているという実績を中国人は評価するからです。

商品パッケージも、中国人、日本人双方を意見を取り入れながら作っていったとあります。

次に口コミの喚起。カリスマといわれる影響力の大きい人たちに、サンプルを配布して、ブログとかに書いてもらう。

この会社は、仲介ブローカーに頼まずに、自社で影響力の大きい人を探して配布していったとあります。

そのコツコツした取り組みがキモだったようです。

■中国のネット通販で売る。というといかにも楽して儲かりそうな気がしますが、実際には、成功企業は地道な努力をしているんだなということがわかりますね。

 


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語


株式会社クリエート・バリュー

4月12日(水)大阪 ランチェスター戦略入門セミナー

大阪で毎月1回開催「戦略勉強会」

営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」

航空機業界のトップ企業ジャムコの営業

00


■航空機内装でトップの分野を持つジャムコの記事です。


航空機の厨房で30%、化粧室では50%のシェアを誇ります。

■ジャムコは、もともと伊藤忠商事の航空機設備会社でした。伊藤忠は現在も大株主です。

1970年代にANAとJALが資本参加。そのANAおJALから初めて厨房(ギャレー)の注文を受けます。

資本参加したとはいえ、実績のない会社への注文にJALは懐疑的だったようです。しかも納期は通常の半分。

ここが勝負どころ。とジャムコは総力戦の突貫工事を行います。

その商品が高く評価されたことで、内装業界への足掛かりを得たとのことです。

■これは営業的にいうと「テスト受注に合格した」という状況です。

新規営業やライバル会社の得意先に営業をかける時、当面の目標は「テスト受注」を得ることになります。

当然、先方は取引先のライバル会社など面倒くさいので嫌がりますが、営業はそういうところに食いついていかなければなりません。

通い詰めて通いつめて、ようやく得られるのが「試しにひとつ注文しようか」という及び腰のテスト受注です。

そこで合格すれば、次の展開があるし、不合格ならば、ジエンドです。

ジャムコの場合、株主からの注文ということで、営業の苦労はそれほどではなかったかも知れませんが、みごと合格答案を出したということです。

■その後、ジャムコは、欧米企業が強い航空機の内装業界に入っていきます。

やはり営業の仕事は、テスト受注を得ることになります。

「試しに同じ仕様で作ってみてくれ」。エミレーツ航空から打診を受け、ギャレーを製造してみると、他社製品よりも約10%軽くなることが判明。結果、2011年から一転してジャムコの得意客となった。

技術力が強調されていますが、私は営業出身なので、営業行動に注目してしまいます。

たとえば多くの企業で、何とか頑張ってテスト受注を得てきても、技術や製造から「そんな納期でできるわけないだろ」「そんな仕様むりに決まってるだろ」とクソみそにいわれて、頭を下げながらなんとか製造してもらう営業の姿が見られます。

中には営業の無茶ぶりをきっぱり断る人間をヒーロー扱いするような工場もあるようです。

そういう会社では、営業はチャレンジする気をなくすでしょうね。難しい営業をやって、製造と喧嘩する羽目になるよりも、ルートセールスだけやって、皆と仲良くした方がストレスがないですからね。

記事にある通りならジャムコは営業と製造のタッグが機能しているということです。素晴らしいと思います。

■現在、ジャムコが狙っているのが、航空機のプレミアムシートの受注だとか。

技術的な課題をクリアしながら、得意分野を少しずつ増やしていくというやり方は、実にランチェスター戦略的です。

頑張っていただきたいものです。

 オンラインでランチェスター戦略を学ぶ。「ランチェスター戦略入門セミナー」 

今は好調のアパホテルだが、リスクも高い

00


■アパホテルが元気ですね。「書籍問題で世界的に知名度アップ」とは、元谷代表らしい強気な姿勢です。


中国からの観光客の宿泊は減ったが、台湾や香港は増えたのだとか。

いずれにしろ海外からの観光客がアパホテルの業績を支えているようです。

■アパホテルのビジネスモデルは、安く建てて、満室にする。ということに尽きます。

不動産は自社所有ですが、安い場所(変形地など)を買って建てる。部屋は狭く、節水で、ローコスト運営です。

大浴場があるところが多いですが、あれも部屋風呂をあまり使わせないための工夫であることでしょう。

■宿泊料も需要に応じて大胆に変更させています。空きがあるときは安く、満室に近い時は高い。都心のホテルなんて1泊3万円とかすることがある。

価格設定は自動で変動するシステムになっているはずです。

■アパホテルは、耐震偽装問題が発覚した時、物件を処分した経緯があります。

幸運だったのは、高い時に売却したために、その後のリーマンショックの影響を受けずに済んだこと。

しかも、安くなった土地を買って、都心進出を加速させることができました。

■ただ、記事にあるように、自社物件が多いというのは、大きなリスクです。

既存物件を担保に融資を受けて、新しい物件を建てるという手法は、需要が高い時はいいものの、減退すればとたんに回らなくなってきます。

かつてのダイエーが破綻したのと同じ構図ですね。

都心のホテル需要はまだまだ旺盛ですが、永遠に続くわけではないはずです。その時、どう対応するのだろうか。

気を付けてみておきます。

 

ラスト・ワンマイルの表と裏をおさえよ

ラストワンマイル


(2017年3月9日メルマガより)


メルマガ登録はこちら


■日本の物流が危機に瀕しているようです。


宅配便最大手のヤマト運輸が、27年ぶりに、個人向けの宅急便運賃を上げる意向だということ。

参考:27年ぶりヤマト値上げ。佐川との違いは何だったのか(ニュースイッチ)
http://newswitch.jp/p/8214

適正な運賃体系にする。とありますが、要するにこれまでは、作業員の頑張りに頼るところが大きかったのでしょうね。

残業代をまともに払えば、破綻してしまうのが現状なのでしょう。

■昨年だったか、佐川急便の配達員が、キレて、荷物を放り投げる動画が話題になりました。

マンション横の階段のようなところで、配達員らしき人が宅配の荷物を放り投げ、蹴とばし、あげくは台車を放り投げるという感情のこもった行為に及ぶ動画でした。

見慣れない者からすればショッキングな内容ではありましたが、物流会社に勤める知人は「あんなの皆やってるよ。撮影されるようなところでやらないだけ」とサラリといっていました。

そういう話を聞くと、日本の物流体制は再構築しなければならないところにきていたと思えますねえ。

■ただ、記事には「個人向けの宅急便は、ヤマトの取り扱う荷物の1割程度」だとあります。

「9割はアマゾンジャパン(東京都目黒区)などをはじめとしたネット通販など、BツーB(企業間)の大口顧客になる」

ここにも出てきましたね。

また、アマゾンか!

ヤマト側としては、アマゾンに価格改定要請をするそうですが、一筋縄でいかない相手ですからねー

前途多難であることは間違いありません。

■ヤマト運輸といえば、「宅配という社会インフラを守る」という社会的使命を信条とする会社です。

そのヤマトが「やってられん!」と音を上げる(値を上げる)のですから、余程のことですよ。

対するアマゾンも「すべては顧客の便益のため」というゴリゴリのマーケティング原理主義会社です。

なにしろ「儲けない。儲けるぐらいなら顧客に還元する」という信念を持っているようですからね。

原理主義者との交渉は厄介ですよ。信念が揺るぎませんからね。

■戦略的にいうと、アマゾンの卓越性は、ネット通販を装置産業と捉えたところにあります。

ネット通販は、店舗販売に比して、消費者との距離が近い事業です。

個人消費者は、店舗に出向かなくても、以前はパソコン、今はスマホを通じて、直接購買することができます。

いわゆる購買時の「ラスト・ワンマイル」が近い。

店舗に行かずに購買を行えるのですから、消費者が慣れさえすれば、購入者が増えるのは目に見えていました。

楽天しかり。ネット通販事業が、倍々に成長していくのは自明のことでした。

しかし問題は、購買後、消費者のもとに届けるという裏の「ラスト・ワンマイル」に難があることです。

そこに気付いたアマゾンは、物流体制を整備するために途方もない投資を行いました。

あまりの投資額に「アマゾンはいつ破綻してもおかしくない」と不安視されたものですが、その投資が一巡してしまえば、実に大きな優位性となりました。

今や、他のネット事業者が、アマゾンと張り合うのは現実的ではないレベルにまで投資の蓄積に至っています。

■しかし、物流倉庫は世界中に整備したものの、そこから消費者の自宅に届ける本当の「ラスト・ワンマイル」は、ヤマト運輸などの宅配業者が担っています。

送料無料。即日配送。時間指定配送。などはアマゾンお得意のサービスですが、その遂行をヤマトに押し付けているわけですから、ずるいと言われても仕方ありません。

特に配達員さんにかかる負担は看過できません。

私の心斎橋の事務所にも、アマゾンの荷物が届くことがあります。

たまに、再配達をしてもらうこともあります。もっというと、時間指定を頼んでいたにも関わらず、不在にしてしまって、再配達をお願いすることもあります。

そんな時は本当に申し訳なくて、土下座したい気持ちになりますよ。

■ただ今回の件、一筋縄でいかないと思うのは、アマゾンには「自分で宅配する」というオプションがあることです。

ドローンで配送しようとしたり、一般人に白タクならぬ白宅配をさせようとまで検討するアマゾンのことです。

当然、ヤマトに払う運賃が高くなれば、自社で宅配会社を持った方がいいや。と考えるでしょう。

実際、世界中で、アマゾンが運送業を始める可能性があると噂になっています。

海外の宅配業者は日本ほど高度ではない、という話もありますが、それはそれ、日本で運送業を始められれば、他の業者にとって大いなる脅威です。

ヤマト側が抜本的に運賃体系を再構築する。というのなら、アマゾンももっと抜本的に再構築します。と言い出すでしょうね。

悩ましい話です。

が、その方がいいかも知れません。

配達員が無理をしなければならない事業というのは、やまり間違っています。

■話は変わりますが、表の「ラスト・ワンマイル」についても、流通業界で革新が進んでいます。

参考:コンビニの「マイクロ店舗」続々、狙いはオフィス等の極小商圏(ダイヤモンドオンライン)
http://diamond.jp/articles/-/111969

コンビニといえば、全国どこにでもあり、売れ筋ばかりが並んでいて、顧客の利便性をとことん追求している存在です。

が、そのコンビニがさらに「ラスト・ワンマイル」を詰めようとしています。

それが「マイクロ店舗」なるものです。

■これはオフィス内などに設置されたミニコンビニのこと。

自動販売機スタイルのところもありますし、棚に並べただけの無人販売スタイルのところもあります。

もしかしたら新幹線のワゴン販売スタイルのところがあるかも知れません。

確かにオフィス街のコンビニは昼時にはレジが行列になってげんなりします。オフィス内にミニコンビニがあれば、確かに便利です。

今や、そこまで消費者に近づく競争になっているのですよ。

■全国、津々浦々に張り巡らされたコンビニの店舗網は、いまや社会インフラといえるほど便利なものですが、当のコンビニ側は、それでは飽き足りないわけです。

なにしろ、専門店が量販店に駆逐されたように、量販店がコンビニに追いやられたように、コンビニもアマゾンのようなネット事業者に消されてしまうかも知れません。

メーカー側がコンビニにすり寄るのは、そこが最も成果の出る売り場だからです。アマゾンの方がよければ、そちらに乗り換えるのは当然です。

だから、セブンイレブンはオムニチャンネルとかいってアマゾンの先をいこうとするし、ファミリーマートは、上の記事のようにオフィス内店舗を作ろうとする。

売り場としての魅力を失わないようにしておかなければならない。

■俗にいうマーケティング・ミックス(商品、価格、チャネル、プロモーション)の中で、最も重要なものは、チャネルだと私は考えています。

チャネル。売る場所。販売ルート。

ここをしっかり把握し、押さえていることが、ナンバーワン企業の最大の優位性となります。

トップ企業が競争に強く、なかなか2位に後退しないのは、チャネルに強いからです。

逆にいうと、トップ企業や商品の交代が起こるのは、新たなチャネルが立ち上がった時が最も多い。

キリンラガー(酒販店)→アサヒスーパードライ(量販店)

任天堂(玩具屋)→DeNA、グリー(ガラケー)→ガンホー、MIXI(スマホ)

ヤフオク(パソコン)→メルカリ(スマホ)

例は必ずしもトップ企業の交代とは言えないものもありますが、勢いのある企業が変遷しているということで…

だから、メーカー側は、チャネルの優位性を常に見ておかなければなりません。新たなチャネルに乗り遅れれば、致命的なことになってしまいますからね。

■一方で、チャネルに頼らずに、自ら顧客とのラスト・ワンマイルを詰めようとするメーカーもいます。

ヤクルトは、ヤクルトレディがオフィスを巡回して直接販売していることが非常な強みとなっています。

グリコの「置き菓子」は、年間売上53億円のビジネスになっているそうですよ。

ダスキンも、ドーナツはイマイチですが、直接家庭を巡回する清掃事業は強いですね。(ドーナツも宅配すればどうですか?)

自らチャネルを作るというのは、大変な労力が必要となりますが、それをやり遂げた企業にとっては、大変な優位性となっています。

■もちろん、アマゾンも表のラスト・ワンマイルについて手を打ってきています。

参考:アマゾンはどこから来てどこへ行くのか
https://www.createvalue.biz/column2/post-412.html

「無人コンビニ」「アマゾンダッシュ」「アマゾンエコー」などと矢継ぎ早に繰り出す新施策は、要するに表のラスト・ワンマイルを詰めるためのものです。

なにしろアマゾンは資金もあるし、発想のリミットがなさそうですからね。なんでもありです。

ここまで革新的だと、アマゾンはどこまで行ってしまうのだろうかと楽しみになりますね

ここは、アマゾンの持つ革新力で、物流業界の最適解も導き出してほしいものです。

周辺の企業とすれば、大変な地殻変動が起きるかも知れませんが、それは仕方ない。

覚悟して、変化に臨んでいくしかありません。

 


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語

■ 株式会社クリエート・バリュー

大阪で毎月1回開催「戦略勉強会」

営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」

オンラインでランチェスター戦略を学ぶ。「ランチェスター戦略入門セミナー」 

道の駅のポータルサイトを作った人の話

00


■「みちグル」というポータルサイトを立ち上げた人の話です。


みちグルとは、道の駅のポータルサイトのこと。全国の道の駅の情報を集めています。

ちなみに道の駅には公式ホームページなるものもありますが、こちらは住所と電話番号ぐらいしか載っていません。

■確かにドライブ時には、お世話になる道の駅です。たいていは偶然立ち寄ったところで、休憩したりお土産を買ったりするわけですが、名物や人気商品などが事前に分かれば目的地の一つになるかも知れません。

道の駅は成長市場であるそうですし、さらなる発展のためには、情報発信を積極的にしていくべきです。

■ありそうでなかった道の駅の情報サイトに目を付けたのは、大阪の方なんですね。

もともと独立心旺盛だったこの方は、証券会社を辞めて、サイトを立ち上げます。

その方法は、ひたすら全国の道の駅に電話をかけて、協力を依頼すること。

やはり最初は人海戦術ですね。

■みちグルのねらいは、ぐるなびのような、口コミサイトを作ることなんでしょうね。

お店が自店の売りをサイトに掲載し、そこにユーザーが評価を書きこんでいく。情報が多くなれば、機能するかも知れませんが、いまはそこまでいっていません。

ビジネスモデルとしては、広告+道の駅が扱う商品のネット通販のようです。

■ただ、道の駅側に温度差があるようです。

というのは道の駅は、民間会社が運営しているところもあるし、自治体がやっているところもあります。

そもそも収益責任がないような運営責任者もいるようで、売上を上げるために立ち上げたばかりのサイトに協力する気が起きないようですな。

■もっとも目の付け所はいいんじゃないでしょうか。

郷土色豊かな道の駅には宝探しのような面白さがあり、興味を掻き立てられます。魅力的な情報があれば、立ち寄ってみたくなるでしょう。

意欲のある道の駅側にとっては、ポータルサイトがあることはありがたいはず。

見る人が多くなってくれば、旅行関連会社や自動車会社からの広告も見込むことができます。

それに、海外旅行者が、地方回りにシフトしているといわれますが、その時に道の駅は拠点の一つになっていくはずです。

中国語や英語のサイトも今後必要になってくるでしょうね。

■もっとも今の情報の出し方では、ついでに立ち寄る際の参考にはなりにくいですね。

先ほど、旅行の目的先になるかも知れないと言いましたが、実際にはドライブをする旅先で情報を探す使い方が主流じゃないかな。

エリアごとに、情報を集約して見せる方が、使い勝手がいいと思うんですけどね。

ここは改善していってほしいと思います。

 
 


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語

■ 株式会社クリエート・バリュー

大阪で毎月1回開催「戦略勉強会」

営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」

オンラインでランチェスター戦略を学ぶ。「ランチェスター戦略入門セミナー」

林業ってそうとう遅れた業界なのかな?

00


■林業に関する記事です。興味深く読みました。


儲からない林業においてでも、儲けている事業者がいる。その取り組みについて書いています。

■まず一つ。岐阜県で300ヘクタールの森林を持つ事業者。300年近く続く先祖代々の林業です。

普通の業者が「伐ってみないとどんな木材があるかわからない」と言う態度であるのに対して、こちらは、森林にある木の特徴を1本単位でデータベース化していきました。

いわゆる森林を倉庫と見立てて、在庫管理をしたわけです。これにより受注生産が可能となります。

顧客からすれば、納期や本数が確定する上に、1本単位からの注文にも応じてくれるので、ありがたい。付加価値を支払うことができます。

■もう一つ。こちらは和歌山の事業者。

こちらも自社の森林をデータベース化して在庫を把握しています。

さらに木を切って販売するだけではなく、伐採から加工、配送まで自社で手掛けることで、住宅メーカーと直接取引をしているということです。

■事例はこの二つですが、要するに、日本の製造業が当たり前にやっていることを、林業に採り入れたというだけです。

それで頭一つ抜け出せる存在になれるというのは本当でしょうか?

だとすれば林業というのは相当遅れた業界で、努力の足りないといわれても仕方ないでしょう。

記事には書ききれない様々な事業があって簡単ではないのかも知れませんが、この記事通りだとすれば、林業にはまだまだチャンスがありそうですね。

 

ライザップがM&Aを加速

00


■ライザップがM&Aを積極的に仕掛けているという記事です。


ライザップといえば、健康食品の販売で基盤を作り、そのあとに始めたフィットネス事業で大成功した会社です。

その強みとなっているのが、いかにも成果があるように顧客に思わせる力。

ライザップ流にいうと、他に類を見ないマーケティングですね。

参考:ライザップはなぜ叩かれるのか?

■M&Aに関するコンセプトも立派です。

「自己投資産業 No.1」をグループビジョンとして掲げ、美容・健康関連事業、アパレル関連事業、住関連ライフスタイル事業、エンターテイメント事業を展開しています。

胡散臭い健康食品ビジネスから脱して、いわゆる事業界のエスタブリッシュメントになろうと望んでいるわけですな。

■記事では、アパレル事業を積極的に買収する姿勢を「利益率が下がる」と危惧していますが、それは織り込み済でしょう。

ただライザップには、素人目線で(多少やんちゃに)ビジネスを作るという良さがあるので、それは失わないようにしていただきたいと思います。

それがなければライザップである意味がないと思いますので。

 

サイコパスに学ぶ集中力の高め方

00


■すっかり一般用語になった「サイコパス」です。


その特徴は「見返りがあるときに非常な集中力を発揮する」ことだそうで。

それって普通のことやん。と思う私はサイコパス度が高いのでしょうか?

■だから集中するためには、見返りを設定すればいいわけです。

外部から見返りを約束されなければ動けないというのは普通の人で、優秀な人は自ら見返りを設定するのでしょう。

あるいは、他の人から見えないような見返りを得られる仕組みを作るのでしょう。

確かに、周りを見渡してみて、能力が高い人は自ら仕組みを作ることに長けていますね。

要するに、現在の行動と成果(見返り)を結びつけることが集中するための秘訣だということです。

■もう一つ。サイコパスは、目的を設定すれば、関係のない情報に迷うことがないという特徴もあるようです。

私が思うに、落合博満氏などは、目的設定と遂行の達人だと思います。

あの人もサイコパスなのかな。

参考:なぜ落合博満はブレないのか?

いずれにしろ参考にできるところは参考にいたしましょう。

鳥貴族の成長はこのまま∞に続くのか

鳥貴族の成長は


(2017年2月23日メルマガより)


メルマガ登録はこちら



■「鳥貴族」の話題を目にする機会が増えてきたような気がします。

鳥貴族といえば、お酒も料理も含めて全品280円(税抜)均一の価格設定で「2000円もあれば本気飲みできる焼き鳥店」として若者を中心に支持を得ている居酒屋チェーンです。

私もたまに行きますが、確かに280円の割には、お得感があるメニューが並んでいます。

いや。正直にいいまして、私は、鳥貴族の主要顧客である"若い人たち"から大きく外れる存在だからか、あまりいい顧客ではありません。

「ごっつ美味い!」「毎日でも行こう!」と感じているわけではありません(^^;

それでも目にする機会が増えてきたというのは、ビジネスとして勢いがあるということですね。

鳥貴族は、あまり広告宣伝をしないお店なのだそうですが、ビジネスとして面白いので、ビジネス系の雑誌やテレビが採りあげます。

会社側もそれをわかっているので、積極的に取材を受けているのではないでしょうか。

そういう意味でも商売上手な企業ですね^^

そんな中、東洋経済オンラインに記事が全4回にわたって集中連載されており、なかなか面白かったので、紹介させていただきます。

著者は、外食ジャーナリストの中村芳平氏です。

参考:「鳥貴族」がワタミをついに追い抜いた理由 全品280円均一の焼き鳥屋は何が強いのか
http://toyokeizai.net/articles/-/157602

記事によれば、鳥貴族は2017年中にも全国600店舗を越え、年商は約450億円規模になる見込みです。

一世を風靡したワタミを、店舗数においても、売上高においても、超えてしまうことになります。

この居酒屋飽和状態といわれる今、なぜ鳥貴族は勢いを持続しているのでしょうか。

■鳥貴族第一号店は、1985年、東大阪市の近鉄俊徳道駅前にオープンしています。(現在は閉店)

創業社長の大倉忠司氏は、ホテルのレストラン勤務を経て、焼き鳥屋で3年近くの修業を経て独立した人です。

ちなみに修業した焼き鳥屋というのは、関西近郊の駅前によくある「やきとり大吉」から独立したお店だったそうです。

一号店は、9坪27席のお店。これを皮切りに全国展開するぞ!と夢は大きかったのですが、そう簡単ではありませんでした。

なぜなら俊徳道駅前という立地は、駅前とはいいながら、居酒屋など成り立ちそうにない寂しい場所でした。

その分、家賃は安い。

安いが、人通りの少ない立地で、いかに店を成立させるかを第一号店で苦闘しながら学んだことが、鳥貴族チェーンの基礎となったわけです。

■大倉氏は当初から大きなビジネスを志向していました。

そのためのコンセプトが、

(1)若い人が安心して入れる店。駅前の赤ちょうちんからの脱却です。

(2)2000円で本気飲みできる店。安さの追求です。

ダイエー創業者・中内功の信奉者であった大倉氏は、居酒屋業界で価格破壊を実行し、全国制覇せんと考えていました。

そのためには、供給側の押し付けではなく、消費者が求める価格設定にしなければならない。

かといって、むやみに安くすれば、利益が出ない。

そのあたりのさじ加減が難しく、当初は食材の原価に応じて、150円、250円、350円の3つの価格帯メニューを用意していました。

しかし、店側の「損をしたくない」という思惑が透けてみえる価格設定は、顧客の支持を得ることはできず、業績は芳しくありませんでした。

■ここで大倉氏は思い切ります。

価格破壊をするならば、徹底しなければならない!と250円に統一したのです。

ビールも酎ハイも焼き鳥も何もかも250円です。

当然、利益が出ないメニューもあるでしょう。

しかし、この決断が、鳥貴族を一号店で終わる危機から救い出すことになりました。

均一価格設定は、近隣顧客のハートを掴み、店は盛り返しました。(消費税を機に280円均一に変更)

利益はどうするんだ?と思うかも知れませんが、そこは100円ショップと同じです。利益が出るメニュー、出ないメニュー、合わせて全体で利益を確保する考えです。

むしろ、280円という縛りの中で、いかに魅力あるメニューを開発できるかが、店側の工夫のしどころであり、開発力の強化につながりました。

■この均一価格設定は、鳥貴族の象徴となり、最大の強みとなりました。

当然ながら「安いなりのメニュー」になってしまったらただの安売り店になってしまいます。顧客の支持を得て、人気店になるためには「安いのに旨い」を実現しなければなりません。

鳥貴族に関する記事の多くが伝えているのが、メニューに対するこだわりの高さです。

象徴として言われているのが、国内生産の地鶏を各店舗で串打ち(手で串に指す)していること。鮮度に敏感な鶏は、食べる直前に調理することが美味しく食べるコツですが、低価格のチェーン店でそれをするのはコストがかかって割に合わないはず。しかし鳥貴族は「鶏屋が鶏を美味しく出さないと意味はない」と意に介しません。まるで個人の焼き鳥屋のような仕込みをしていることになります。

あるいはタレについてもメーカーの提供するものを使わずに自社生産です。メーカーのタレは日持ちするが旨みが落ちやすいからだそうです。鳥貴族秘伝のタレを毎日店に届けています。

だから鳥貴族のメニューは、低価格店のわりにはグレードを感じるわけですね。

■そんなこだわりがあるのに安くするためには、コストを切り詰める必要があります。

人件費にお金をかけられませんので、品質以外のものは、効率化、自動化、システム化をしつこく進め、ローコスト運営を追求しています。

店舗はログハウス風で、内装にお金をかけていません。小型店舗が中心なので、設備投資も低く抑えられます。

立地も、都会の一等地には展開できません。郊外の駅か、都会であればビルの上階や地下の立地になります。バラバラに出店するのは非効率ですから、地域を決めて集中出店することになります。自然と看板を目にする機会が増えますので、認知度が高まります。

もっとも、コスト削減を追求する同社が、タッチパネル導入に慎重だったのは、従業員と顧客の接点を減らしたくなかったからだといいます。

あくまで顧客に接する部分(メニュー、接客)にはコストをかけて、その他の部分を切り詰めようという考えです。

そんな薄利ビジネスですから、一店舗あたりの利益はしれたものです。実際、一号店を始めてから10年ほどは利益を出せずに苦しみ、大倉氏は何度も辞めようと思ったといいます。

チェーンとして、利益が出たのは店舗数が増えてスケールメリットを享受できるようになってからでした。

その苦労した期間、280円という枠の中で、いかにローコストとハイグレードを追求するか。その積み重ねが独自ノウハウとなっていったのでしょう。

そうした目に見えないノウハウは、強固な優位性になっているはずです。

■だから均一価格の模倣店が多く出現しても、鳥貴族はダメージを受けませんでした。むしろ均一価格の認知度が高まり、鳥貴族の知名度が上がったほどです。

参考:鳥貴族だけが激安・均一戦争に大勝した意味 大手居酒屋優位の構造はこうして変わった
http://toyokeizai.net/articles/-/158335

それにしても、外食産業というのは、模倣が多い業界ですな。

もっとも、成熟市場において、強者といわれる企業が新興企業の真似をするのは理にかなった戦略です。

ランチェスター戦略にいうミート戦略の実施です。

その場合、強者企業の武器となるのが、顧客接点を把握する力です。

難しい言い方ですみません。顧客接点とは供給側が顧客と出会う場所のことです。消費財メーカー等においては、販売店が顧客接点ですから、それを把握する力というのは、流通を支配する力のことを指します。外食産業の場合、いい立地に店舗を多く抱えていることが、顧客接点を多く把握しているということにつながります。

店舗を多く抱えているということは、確かに強い武器ではあるものの、それだけの固定費がかかるということですから、客が入らなければお荷物になってしまいます。その時々で客が入る旬な業態を真似しなければならない所以です。

逆にいうと新興企業は弱者ですから店舗立地に優位性は求められません。その場合、差別化して何らかの尖った価値を打ち出さなければなりません。

その尖った価値が、思いつきレベルのものならば、強者企業によってすぐに真似されてしまいます。強者が自ら抱えている一等地の店舗で、その業態をそっくり真似してしまうと、弱者企業の価値は吹き飛んでしまいます。

真似するなんて後出しじゃんけんみたいでずるい。と思われるかも知れませんが、企業競争とはもとよりそのようなものです。お互い生き残るために必死なのに、ずるいも何もない。むしろ真似されてポシャるような価値しか作れなかった弱者企業の方に問題があると考えなければなりません。

しかしその尖った価値が、独自の技術やノウハウの蓄積によるものならば、強者企業といえども簡単に真似することはできません。

鳥貴族の場合、一号店から始まって東京進出を果たすまで20年の期間をかけています。その期間に蓄積したノウハウとシステムが、容易に模倣できない優位性となったのでしょう。

さらにいうと、鳥貴族のビジネスは、三等立地を前提とした薄利多売モデルです。賃料の高い駅前一等地で真似しようとすれば無理があります。しかも薄利多売は規模がなければ機能しませんので、一朝一夕に真似できるようなものではありません。

いわば、居酒屋業界のコメリみたいなビジネスですね。

■そういえば、ワタミも勢いがあった頃は、散々他の大手企業によって真似されてきました。

ワタミは、駅前居酒屋チェーンに対して、二等立地でテーブル席中心の店を展開し「お酒よりも、食事を食べてもらう店」というコンセプトで若い世代やファミリー層の支持を受け、一世を風靡しました。

ワタミの強みは、居酒屋とは思えないようなバラエティ豊かな料理をメニューとしたことでした。その調理オペレーションには、店でバイトする主婦のアナログな調理力が欠かせなかったといいます。

しかし他企業に真似されて競争が激化する中、ワタミのキッチンは効率化していき、家庭の主婦の知恵やノウハウを活かすという面白みは希釈していったように感じます。

さらに長引く不況の中、台頭する鳥貴族などメニューを絞った専門チェーンに価格で対抗できなくなっていったことが、戦略の混乱(価格帯を上げたり下げたりした)を招きました。

ついでに言うとカリスマ創業者が政治家になるために会社を離れたことで、夢を語って従業員を引っ張る経営手法が、形だけみればブラック企業だったという事例が次々に露呈して、悪いイメージがついてしまい苦境に陥っています。

こちらも復活を期しておりますね。

■鳥貴族は、大阪出自の企業ですし、勝手に親近感を持っております。頑張っていただきたい。

何より創業者の大倉社長には、哲学があると感じます。

彼には、儲けたい、会社を大きくしたいというゲーム感覚よりも、価格決定権は消費者にある、そのための店を実現したいという信念を感じます。

いつかは鳥貴族をコンビニのような生活必需業態にしたい。だから鳥貴族のライバルは「宅飲み」(家で飲むこと)だと言っています。

何とも面白い。アマゾンのジェフ・ベゾスが居酒屋を始めたら言いそうな発言ではないですか。このようなポリシーを持つ企業家には、ぜひとも頑張っていただきたいと思っています。

■しばらくは鳥貴族の勢いは続きそうですね。

今でも「安売りの焼き鳥屋なんてどんな食材を使っているか知れたもんじゃない」と考える人は多いでしょう。そんな人たちに鳥貴族の品質に関する取り組みが知られてくれば、さらにターゲットは広がっていくことと思います。

ただ大倉氏の目指す生活必需業態に、鳥貴族がこのままなっていくか。というと疑問を抱いています。

まず、鳥貴族というブランド一本に絞る戦略はリスクが大きい。

我々は、業態を絞ったチェーンが、不測の事態に弱いことを知っています。狂牛病騒ぎの時の吉野家がそうでした。

今後、世界的な鳥インフルエンザの流行が起きて、打撃を受けないという保証はどこにもありません。

もしそのような不測の事態が起きなかったとしても、単一チェーンは顧客に飽きられるという宿命を抱えています。

いくらメニュー改定を続けたとしてもイメージは徐々に陳腐化していきます。その時、新たな専門チェーンが現れて、市場を侵食していくかも知れません。

さらにいえば、顧客単価2000円という市場ではトップを維持できたとしても、景気の動向で「2000円で本気飲みできる店なんてしょぼい」という評価をされる時が来るかも知れません。

逆に、1000円で本気飲みできる店が台頭し、鳥貴族の価格帯を陳腐化してしまうかも知れません。

■ランチェスター戦略にはグー・パー・チョキ理論といわれるものがあります。

旗を立てるまではグーでいく。(業態・地域・顧客などを絞って集中する)

旗が立てばパーでいく。(主業を中心に商品やビジネスを多様化する)

その後、チョキでいく。(いくつかのビジネスをカットし、有望なものを残す)

この繰り返しで企業は成長し、生き残っていくという考え方です。

この論でいくと、鳥貴族は現在「グー」の段階です。

いずれ「パー」になり「チョキ」をする段階が来るでしょう。

その時を見極め、逃さないことが、生き残るための知恵だと私は考えております。

アフリカ市場はチャンスの宝庫だ

00

■アフリカで日本の中古車をネットで輸出販売し、日本を代表するアフリカ通になった企業のお話しです。

アフリカのアマゾンを目指すというのですから勢いがあります。

■最初の注文は2006年。ジンバブエから。それを皮切りに、アフリカからの注文を得るようになったといいます。

どちらかというと偶然からアフリカ開拓が始まったようです。

しかし、アフリカは法律も整備されていないようで一筋縄ではいかない市場です。

そもそもアフリカに車を運ぶだけでも大変です。輸送会社の信頼を得ることから始めなければならない。

輸出した車が港からユーザーに届くまでに目立ったパーツを抜き取られていたなんてことがよくあるらしい。

取り締まる側も、賄賂を要求してきますしね。

そんな中、粘り強く対応してきたことが、今日の地位を築くことになったといいます。

我々の会社には、粘り強さは元々あると思うんですよね。日本企業がアフリカビジネスを軌道に乗せるまでになかなか至らないのは、トラブルが起きると、案外簡単に撤退してしまうからではないでしょうか。我々はトラブルが起こったり失敗したり、計画通りにいかなかったりするのは当たり前という前提で、あまり多くを期待していません。そして、どんなトラブルにも粘り強く対応し、一つひとつ改善を積み重ねてきました。その結果、アフリカにおける中古車の物流網や圧倒的な信頼感というブランドを築くことができました。これが大きかったと思います。

■それに、同社のブランディングに関する取り組みも立派です。

信頼関係を築くために一つ一つの取引に真面目に取り組みながら、同社ロゴの入ったステッカーやTシャツを顧客に配布していったといいます。

おそらく安くて信頼できる同社の取引は、アフリカの顧客にとって「クール」だと捉えられたのでしょう。

いいイメージで認知度が上がっていったようです。

■多くの日本企業にとってアフリカ市場はいまだに「暗黒大陸」のイメージなのではないでしょうか。

しかしアフリカは12億人が住み、これから倍増していく市場です。

ちょっと商売っ気のある日本人なら、アフリカに一度行くと儲けるための方法がたくさん転がっていることに気づくと思います。日本には当たり前にあって、あちらにはないもの、持っていけば便利になるようなものが、まだたくさんあるからです。

そういえば、沖縄の若者がアフリカで300億円のビジネスをしているという話題もありましたっけ。

暗黒大陸ならぬ情熱大陸ですね。

■同社は中古車のネット販売を通じて、ブランド力、アフリカからのトラフィック、および輸送ルートを築きあげました。

多くの日本企業に比べて一歩先んじているわけで、これをてこにビジネスを広げていこうとしています。それが「アフリカのアマゾン」というフレーズになっています。

素晴らしいことだと思いますが、まだまだチャンスはありそうです。日本企業は、中国企業などに比べてアフリカ進出が遅れているといいますが、こういう事例をみると、日本企業の持つ信頼性はまだ武器になるのではないかと感じます。

 


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語

■ 株式会社クリエート・バリュー

大阪で毎月1回開催「戦略勉強会」

営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」

オンラインでランチェスター戦略を学ぶ。「ランチェスター戦略入門セミナー」 

1万時間の法則をこう展開するのかーと感心した

00

■先日、メルマガに書いた西野亮廣氏が、藤原和博氏と対談した記事です。

1万時間の法則というのは、ビジネス作家のマルコム・グラッドウェルが提唱した説で、誰でも1万時間をかけて修業すればその道のプロになれる、というものです。

科学的根拠はない俗説ですが、コツコツ努力を積み上げることが成功の道だと信じる者に支持されて人気が高い説です。私もコツコツ派ですから、根拠はなくても信じた方が豊かな人生を送ることができると考えて信奉しています。

■藤原和博氏はさらに強引で、1万時間の修業で100人に1人になれる。と言い切っておられます。

だから別のことで1万時間を修業すれば、1万人に1人。さらに別の1万時間をかければ100万人に1人になれる。というものです。

かなり強引なロジックですが、面白い展開をされていると思います。

藤原氏は

私は、他人からの信頼と共感の総量を「クレジット」(信任)と呼んでいますが、A・B・Cの3点を結んだ三角形の面積がその人の「クレジット」になるんです。

と言っており、西野氏は

「おカネを稼ぐ」というと、どうしたらいいか面食らってしまうけど、「クレジットの面積を広げる」と言われると、とてもわかりやすいですよね。

と応えています。

■確かにタレントさんなどは、突出した分野を複数持つことで、仕事の幅が広がります。

ロザンとか、面白い話をしているところを見たことはないですが、独自のポジションをとって、人気芸人となっていますよね。ああいうのは、とても参考になります。

この方法でダウンタウンとか明石家さんまにはなれないでしょうが、もともと才能がない者は、彼らのようにはなれないわけで、そこを目指すのは戦略として無謀です。

凡庸な者としては、勇気づけられる考え方です。

■しかし西野氏はもうすこし目指すものが高いはずですね。

ポジションをうまく調節しながら業界内で生き残る芸人を目指すのではなく、どちらかというと、自分の可能性を広げて、お笑いという枠からはみ出した存在になろうとしているのでしょう。

そういう西野氏らしいイキり方を今後も期待しております。


 


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語

■ 株式会社クリエート・バリュー

大阪で毎月1回開催「戦略勉強会」

営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」

オンラインでランチェスター戦略を学ぶ。「ランチェスター戦略入門セミナー」

キングコング西野の絵本「えんとつ町のプペル」はなぜ炎上するほど売れているのか?

キンコン西野の


(2017年2月9日メルマガより)


■お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣氏の書いた絵本「えんとつ町のプペル」が、売れに売れているそうですね。

参考:「えんとつ町のプペル」
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4344030168/lanchesterkan-22/ref=nosim

聞くところによると25万部を超えたのだとか。

1万部、2万部でよく売れたーと言われる絵本の世界で、25万部というのは規格外も規格外。

なんでこんなに売れたのでしょうか。

■ストーリーがいい。絵がきれい。有名人が描いたから。

ありきたりな理由を並べてしまいそうですが、もちろんそれだけで売れるほど安易なものではありません。

舞台裏を西野氏自身がいろんなところで明かしていますが、この作品がここまで大ヒットするためには、周到に練られた戦略・戦術があったようです。

しかも、その販売方法をめぐって、他のクリエイターたちからクレームがついて炎上騒ぎまで起きています。

いったい何があったというのでしょうか。

■そもそも西野亮廣という人は、芸人の中でも独特の考えを持つ人のようです。

その著書「魔法のコンパス」を読むとその個性的な考えがよくわかります。(ちなみにこちらもよく売れています)

参考:「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4391149192/lanchesterkan-22/ref=nosim

芸人・キングコング西野氏は、デビューして間もなくテレビのレギュラーも得て、順風満帆なタレント活動だったはずですが、25歳の頃、突然「テレビのひな壇に出るのやめる」と宣言します。

今やバラエティ番組のひな壇は、芸人さんの特等席であり、晴れ舞台のはず。

それを自ら降りる。というのだから、お前何を考えてるんだ。と先輩たちから批判される羽目になります。

が、本人は「ひな壇なんて嫌だ、MCがやりたい」と生意気なことを言っているわけではなく「自分はひな壇芸が苦手だ。ここでは勝てない」と考えた末の宣言だったようです。

まるで「このままではダウンタウンに勝てない」と言って漫才を辞めてしまった島田紳助のようではないですか。

ひな壇がなくても、西野氏は、独演会や舞台の脚本、プロデュース、その他さまざまな活動を行う才能豊かな人です。

テレビのひな壇で、その他大勢の一人になるよりも、一番になれる土俵で勝負した方がいいと考えるのは、戦略としてしごく真っ当なことです。

■西野氏が取り組むものの一つが絵本を描くことでした。

もっとも最初の2冊ほどは、西野氏の期待ほど売れなかったようです。

そこで、どうすれば売れるのかを考えた西野氏は、その特異な思考能力を発揮して、独特の販売方法を編み出します。

それが「絵本をお土産にする」という方法でした。

参考:キングコング西野が語る、本が売れない理由
http://best-times.jp/articles/-/4200

西野氏はこう考えます。

もともと絵本は(生きていくのに)必要なものではない。では必要ではないのに、売れているものって何だろう。→お土産だ!

旅行先で買う土産物。名所のペナント。映画館や演劇のパンフレット。あれほど不必要なものはないのに多くの人が買っていく。

だったら、絵本をただの「本」ではなく「お土産」にしてしまえばいい。

そこで彼は、全国で「絵本の原画展」を開催し、その入り口で絵本を販売するという作戦に出ます。

ツイッターで「原画展を開きたい人は無料で原画を貸し出しますよー」と募集するという荒業を使って、です。

この販売方法は、今回の「えんとつ町のプペル」でも踏襲されており、大ヒットの原動力の一つとなりました。

■コンサルタントとして解説すると、この販売方法は「体験消費」と「内部相互補助」を組み合わせたものです。

西野氏がいうように、ものが溢れかえっている時代、企業のプロモーションに飽き飽きしている我々は、生活必需品以外を購入する動機を失っています。

(その生活必需品に関しては、アマゾンが定額・低額で提供するビジネスを作っていくでしょう←前回のメルマガの話です)

その中で、我々が「面白い!よかった!感動した!」と思えるのが「体験」です。

古い広告コピーですが「モノよりコト」というやつです。

「旅行」という商品は、体験消費の最たるもの。我々は、旅行という体験の感動・感激の記念にお土産を買うわけです。

西野氏がやろうとしたのは、土産物を売るために「旅行」を無料で提供しようという試みです。

■さらに「内部相互補助」とは、企業やグループが、ある商品やサービスの利益で、他の商品やサービスを無料提供する販売方法のことです。通常は、無料の商品・サービスで、他の商品・サービスの購入を促します。

参考:「フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略」
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4140814047/lanchesterkan-22/ref=nosim

↑今回、読み返しましたが、新たな気づきがいっぱいありました。名著です。

西野氏はこの本を読んだのでしょうかね。読まなかったとしても、西野氏がこの本に書かれている内容をとりいれ応用し実行していることは確かです。

西野氏は「マネタイズのタイミングを後ろにずらす」という独特の言い回しをしています。先にサービスを提供する。(西野氏は「恩を売る」と言っています)そうすると、恩返ししたい人だけが、何か違う形(お金であったりサービスであったり)で返してくれる。

これを下手にやると、見返りありきの姿勢を見透かされてしまいます。例えば金の権利を売る営業がやたら過剰なサービスをするような。そうなると「どうせ高い商品を売りつけたいだけだろ」と顧客側もただ食いの罪悪感を覚えません。

西野氏が優れているのと思うのは、そんじょそこらの見返りでは無理だろーと思えるようなサービスを最初にやってしまうこと。要するに、見返りなどいらない、という姿勢を持っていることです。(少なくともそう見せています)

だから、彼のことを面白いと思った人たちは、何らかの形でお返しをしたくなるわけです。

西野氏の戦略の一番の特徴は、このフリー戦略を実にうまく使いこなしていることです。

■たとえば、上の「魔法のコンパス」の中には、西野氏が1カ月間仕事を休んでひたすらサービスに務める「実験」を行ったというエピソードが載っています。

ちょうど西野氏の個展が開催されていたので、毎日ギャラリーに通って、お客さんの悩みを聞き、話をして、芸をして、一緒に酒を飲んで、サービスに務めたそうです。

もちろんノーギャラです。

すると、実際に西野氏に接した人たちは、驚きながらも感激し、西野氏に親しみと信頼を抱くようになります。要するに強烈なファンになります。

結果として、西野氏が実施していたクラウドファンディングに支援が集まり、絵本の製作費1000万円を達成しました。

これが西野氏のいう「マネタイズのタイミングを後ろにずらす」という意味です。

■もう一つ。西野氏の特徴として、常に人を巻き込もうとする姿勢があります。

たとえば「えんとつ町のプペル」は、大勢のクリエイターたちが参加して制作されています。映画とかアニメの制作のように、西野氏は監督やプロデューサーの役割でした。

西野氏一人で作るよりもいいものができる。というのがその考えで、作家性を重視する絵本作家からは批判されたようですが、面白いものができればそれでいいやん。と私も思います。

その製作費の一部は、クラウドファンディングで集められました。これはお金を集めようというだけではなく、絵本製作を応援していくれる人を増やそうという試みです。

さらにいえば、度重なる炎上騒ぎも、西野氏にとっては知名度と応援者を増やすことにつながっているそうです。

確かに、西野氏の発言は、誤解されやすい。というかイラっとするような言い方をしています。炎上するのもむべなるかな。

先日は、「えんとつ町のプペル」をインターネットで無償公開したとして、炎上騒ぎになりました。

参考:お金の奴隷解放宣言。(西野氏のブログ)
http://lineblog.me/nishino/archives/9256089.html

批判しているのは、個人のクリエイターたち。「西野君は既に売れたからそれでいいかもしれんが、画を描いて飯を食ってる我々を食えなくしようというのか!」という意見が主だったと思います。

が、上のフリー戦略をみてくれるとわかると思いますが、絵本の無料公開そのものは、市場をつぶすものでも何でもない。むしろ、市場を拡大させるための施策です。絵のデータを公開して消費者との接点を増やして、絵本を拡販せんがためのもので、実際に「えんとつ町のプペル」はさらに売れたということです。

堀江貴文氏(ホリエモン)が、批判に対して「こいつらバカか」とつぶやいたのも当然なわけです。

しかし、この炎上騒ぎの理由はそこではないですよね。実際には「お金の奴隷解放」とか「「お金が無い人には見せませーん」ってナンダ?/糞ダセー。」とかいう西野氏の気障ったらしい言い方にモゾモゾきた人たちが騒いでいるのではないでしょうかね。

確信犯なのかそうでないのかわかりませんが、どうも西野氏は「炎上体質」なのでしょう。

だけど西野氏は「炎上すればその分、知名度が上がり、味方も増える」と仰っています。前向きなのはいいことですね。

■まとめます。

「えんとつ町のプペル」を売るために西野氏がとった戦略の特徴は

(1)顧客も製作者も巻き込み、作品のクオリティを上げつつ協力者を増やした。

(2)西野氏のもともとの知名度も利用してフリー戦略をめいっぱい仕掛けた。

(3)イベントや原画展により絵本販売を体験消費に近づけた。

(4)さらには批判者も巻き込んで、販売そのものをイベント化した。

だと考えます。

■ちなみに、私は、西野氏のことをあまり知らなかったのですが、今回いろいろ調べてみて、実に面白い人だなーと感心しまいた。

西野氏の著作「魔法のコンパス」も、示唆に富んだ内容で面白かったです。
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4391149192/lanchesterkan-22/ref=nosim

この本の中で、彼は「これからは町を作る」と宣言しています。

なぜ町なのか。ビジネス的にいうと、協力者をいっぱい巻き込み、さらに得意のフリー戦略でお客さんをいっぱい巻き込み、町のどこかでお金を落としてくれたらいい、という考えです。

つまり町とは、相互連携のビジネスグループであり、ひとつの経済圏を指すものです。

なんと西野氏は、アマゾンやグーグルが実現しているビジネスモデルをリアルな形で作り上げようとしているらしいのです。

全くもって面白い人です。

これからも注目していきたいと思いますので、面白いことをどんどん仕掛けていってくださいね。


 


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語

■ 株式会社クリエート・バリュー

大阪で毎月1回開催「戦略勉強会」

営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」

オンラインでランチェスター戦略を学ぶ。「ランチェスター戦略入門セミナー」

ネット配信時代の映画製作会社



■ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメントが、過去の映像作品の営業権をゼロに切り下げ。そのため、1121億円の減損が発生したという記事です。

その背景には、DVDなどのパッケージが売れないという事態があります。

従来、映画作品は、上映時の入場料収入だけではなく、DVDなどの販売収入も見込んでいましたが、それが見込めないということです。

■この由々しき事態を引き起こしたのは、ネットフリックスやアマゾンプライムビデオなどのネット配信サービスの存在です。

定額払えば見放題の映画作品があるのだから、わざわざDVDを購入する必要はありません。

ネット配信会社は、定額収入を使って、自らオリジナル作品の制作に取り組んでいます。

だから従来の映画会社も、自身のタイトルは見放題にさせないぞと頑張っても、あちらに顧客がつけば折れるしかありません。

そこで、ソニーピクチャーズは、製作費を抑えて、ネット配信を前提とした作品にシフトしつつあるということです。

■まあ、配信方法が変われば、市場規模も発生する費用も変わってくるというのは当然のことです。

それに適合した企業だけが生き残るわけで、ソニーの現実路線は前向きにとらえるべきだという記事の内容はその通りだと思います。

むしろ、隙間を狙おうとしていた中小規模の制作会社が悔しがっているのではないでしょうか。

■今後は、映画館でイベント的に上映されるものと、ネット配信を前提としたものに二分されていくのでしょうね。

どちらも製作費は抑えなければなりませんが。

ハリウッド映画の場合、有名俳優の出演費用がべらぼうに高かったりするので、のりしろがありそうです。

当初は、無名の俳優を使ったりするんでしょうね。脚本が面白ければそれでも問題ありません。そのうち、俳優の出演費用も全体に下がっていくのでしょう。

むしろ視聴された分だけ報酬が割り振られる方式にした方が、健全になるのかも知れないと思います。

   
オンラインでランチェスター戦略を学ぶ。「ランチェスター戦略入門セミナー」   

パティシエ エス コヤマの人材マネジメント



■兵庫県三田市の有名菓子店パティシエ エス コヤマに関する記事です。

関西にあるので、私も以前行ったことがあります。

参考:パティシエ・エス・コヤマ

とても車でしか行けない辺鄙な田舎に、コヤマ村とでもいいたくなるような店群があります。

エス コヤマには、全国の商業施設から出店要請が絶えない。しかし小山社長は全て断っている。「緑豊かな場所で自然や季節を感じてもらえるお菓子を作り、お客様にもそうした空間に足を運んで楽しんでもらいたい」と考えるからだ。

それができるのも、パティシエ小山氏が、世界的な菓子職人であるという実力があるからでしょうが。

■今回の記事は、小山氏の人材マネジメントについて書かれていて、興味深いです。

記事を読むと、同店が経営者の知名度だけで運営しているような安易な店ではないことがよくわかります。

小山氏がやっていること

(1)社員の日報を毎日読んで返信すること。

日報は自由形式です。考えたこと、行動したこと、目標など。丁寧に読むとその社員の心の内がわかるといいます。

小山氏が日報にこだわるのは、自分自身が修業時代欠かさずつけた日報の効果を信じるから。

これには私も同意します。書く。ということは、自分が経験したことを整理し、役立てることにつながります。面倒くさいし、エネルギーも使うが、それ以上の利点があります。

社員数が多くなれば、物理的に無理になるかも知れませんが、小さな会社や部署であれば、日報でコミュニケーションをとることは可能なはずです。

日報など不要と称するコンサルタントもいますが、私は書くことの威力を信じます。

(2)失敗を共有する

これは後編に書かれています。

「失敗しても、それを皆の前で話してくれたら、それはもう失敗ではない」。小山社長は社員に向けてそう繰り返し伝えてきた。失敗を恐れて縮こまったり、ミスを隠そうとしたりする社員が増えれば、会社の活力は失われる。「失敗は最高の教材」であることを、失敗を恐れがちな若い世代に、身をもって学ばせようとしている。

失敗を共有すれば、それは教材になる。こちらも全くもって同意します。

■この記事を読んでいると、小山氏が社員に対してかなり細やかに真摯に向き合っていることがわかります。

(1)では個別に向き合い、(2)では全員での共有を図ります。

さらに(3)年一回の海外研修の実施も行っています。

会社として社員の成長を期待し、惜しみなく投資する。こうした小山社長の姿勢は「人を育てるのに近道はない。だから腰をすえて取り組む」という覚悟が伝わってくる。

小さな組織を運営するにおいて、同店の取り組みは大いに参考になるのではないでしょうか。

   
オンラインでランチェスター戦略を学ぶ。「ランチェスター戦略入門セミナー」   
プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

タグクラウド
記事検索
Amazonライブリンク
お問合せ
お問合せはこちらまで