わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

狭く、深く掘り進めれば、視界は開ける

(2006年3月16日メルマガより)

■前回、携帯電話における日本企業の世界シェアは約10%であるというこ
とをお伝えしました。

市場は急速にボーダーレス化し、世界レベルでの価格競争力を持つ企業が市
場を制しようとしています。

米国のモトローラ、韓国のサムスン電子やLGグループの製品が世界を席巻
しています。

日本市場は特殊だからと安穏としていれば、企業は存在意義を失って、消え
去る運命にあります。


■そのモトローラのエドワード・ザンダー会長は、今年の1月、多忙なスケ
ジュールの合間を縫って、日本企業回りを行いました。

モトローラは日本市場でのシェアは低いものの、日本に縁の深い会社です。
毎年、世界中の担当者が東京に集まって会議を開いているほどです。

実は、モトローラは、携帯部材の約70%を日本メーカーから購入していま
す。

東京で毎年、部材調達会議を開催しているのはそのためです。


■韓国メーカーも事情は同じ。サムスン電子の製品といえども、その中身は
日本の部品メーカーに依存しています。

韓国の対日貿易収支は累積2千5百億ドルを超える赤字です。

世界を駆け巡る韓国製品の中身は日本製であることを表しています。


■経済産業省によると、日本の電子部品の世界シェアは65%。

圧倒的な強さを誇っています。


■なぜ、日本の部品産業は強いのか?

中国などは、低廉な労働力と国をあげた戦略投資で、"世界の工場"の地位
を手に入れましたが、それはローテクな組み立て品に限定されるようです。

特殊な技術や作り手の感性が必要な先端部品には、積み上げてきたノウハウ
が重要です。

日本の部品メーカーは、完成品メーカーの下請けとして、ある意味否応なし
に、コツコツと技術を磨いてきました。

時間をかけて蓄積してきたノウハウは、容易にマネのできない競争力となっ
ています。


■もう1つ。

ローテクな組み立て品は、市場規模が大きいので、大きな儲けを見込むこと
ができます。

それに対して、特殊な技術や部品は、難易度が高いわりには市場が小さくて
儲かりません。

わざわざ小さな市場に新規参入して、その道何十年という小さな会社を蹴散
らしても、得られる利益はたかが知れています。

それよりは、その会社から少々高い値段で購入する方が合理的です。

だからライバルが現れにくいという事情があります。


■ところが、組み立て品メーカーが世界レベルに育ってきているのに合わせ
て、部品というニッチ市場も、急速に(それなりに)大きくなってきている
のが現在です。

先端部品という狭い特殊な世界で堅実に生きてきた企業にとっては、今や、
市場のグローバル化、ボーダーレス化の波に乗るための千載一遇のチャンス
がきていると言えるでしょう。

そのパイオニア企業の代表が、村田製作所や日東電工、JSR、住友ベーク
ライト、日本特殊陶業などです。

小さな世界、狭い世界で必死で頑張ってきたからこそ、世界で通用する技術
を身につけた小さな企業が、日本にはいっぱいあるのです。

(東大阪には、ノーベル賞クラスの町工場がいっぱいある、とよく聞きます
ね)


■ランチェスター戦略の結論の1つが"一点集中"です。

「狭く、深く」事業を絞り込むことに、多くの企業は不安を覚えるようです。

実際には「狭く、深く」絞り込んで、誰もが追随できないほど極めて極め抜
いて、突き抜けた先には、大きな空間が広がっています。

今回の場合は、世界というマーケットです。

小さな会社が成功するためには、「狭く、深く」絞り込んで、突き抜けるま
でやり通すこと。

これが成功のコツです。


■もっとも、他のアジア諸国も手をこまねいているわけではありません。

韓国政府は、部材産業の育成を国家戦略として、1800億円の投資を決め
ています。

長年積み上げてきたノウハウを一朝一夕でものにすることは難しいものの、
それが、不可能だと決め付けることもできないでしょう。

これからも、競争は厳しいものだということです。

(日経新聞2月25日号を参照しました)


編集後記

■営業をしたことがないという小さなメーカーの社長によく会います。

世界レベルの技術を持っていたとしても、それを伝えることができなければ、
何も無いのと同じです。

いいものを作っていると何時か分かってくれるというのは、都合のいい考え
ですね。


■営業とはなにも弁舌さわやかに、売れないものを売りつけることではあり
ません。

自社の得意技術が、相手の役に立てるかどうかをともに考えることです。

口下手とか、人当たりが悪いとか、全く関係のない話です。


■営業のトークのコツも、自社製品の特徴を1つか2つに絞り込んで、集中
して伝えることです。

相手の役に立たない特徴を得意げに話しても、意味はありません。

だから、自社の技術を「狭く、深く」絞り込むことは、実は、営業の仕事を
容易にします。

凡庸な営業でも「狭く、深く」することで、必ず売れるようになりますから

日本の消費者は世界レベルに近づいている

(2006年3月2日メルマガより)

■世界の携帯電話機の出荷台数は、2005年が前年比約2割増の8億台程度。
2006年には9億台に達する模様です。

日本市場は、2003年をピークに低迷し、完全な成熟市場になっていますが、
世界全体ではまだ成長余地があるようです。

その世界市場での日本メーカーのシェアは約10%。世界レベルで見れば、
存在感が薄いというのが現状です。(日経新聞2006年2月15日より)


■世界シェアで上位を占めるのは、ノキア(フィンランド)、モトローラ
(米)、サムスン電子、LG電子(韓国)など。

モトローラはともかく、フィンランドや韓国のメーカーが世界的な競争力を
発揮しているのはなぜでしょうか。


■その一因として、北欧や韓国の企業は、国内のマーケットが小さいため、
世界市場に出て行かざるを得ない状況があるからのようです。

早くから世界を相手にしているために、その中で飛び抜けた企業は、世界的
に強くなるわけです。


■しかし、日本は一応、世界第二位のマーケット規模がありますから、国内
で食べていける事情にあります。

わざわざコミュニケーションの難しい海外を相手にしなくても、十分に成長
と安定を手に入れられるわけですから、当然、楽に儲かる道を選びます。

さらに日本市場は、携帯先進国だけあって、高機能ニーズが高く、高度な技
術が要求されますから、海外勢が容易に入ってこれません。

以前、モトローラが日本進出を狙った時に、日本メーカーのあまりの製造能
力の高さに手も足もでず、撤退したというのは有名な話です。

(もっともその後、モトローラは、日本メーカーの技術力を徹底分析し、
「シックスシグマ」という生産管理手法に昇華させました。その手法はGE
に採用されて一世を風靡、今や日本にも輸入されています)


■デジタル革命後の現在、世界の市場のボーダーレス化は恐ろしい勢いで進
んでいます。

ノキアやサムスン電子が急速に業績を拡大したのは、世界の市場のローカル
性がある部分でなくなりつつあるということに起因しています。

実はこれは携帯電話だけではなく、デジタル家電や自動車の業界などでも顕
著です。

今後、多くの業界で、世界的な巨大企業が登場すると思われます。


■この世界市場において、日本メーカーは取り残された感があります。

携帯電話でいえば、高機能を求められるがゆえに、日本のメーカーでしか対
応できず、市場価格は高水準のままです。

日本のメーカーは、高機能機種の開発にしのぎを削り、世界に通用する価格
帯の商品(いわゆる戦略商品)開発に遅れました。

したがって、生産規模が小さいために、価格競争力の格差がさらに広がり、
世界レベルでの競争力を低下させていくという図式です。

日本で強いゆえに国際競争力を失うという矛盾に陥っているのです。

(もっとも早くから世界で戦っていた自動車メーカーは、国際競争力を発揮
しています)


■気がつけば、恐ろしい状況です。

ランチェスター第2法則では、技術やノウハウの優位性は、数量の前に無力
であることを示唆しています。

さらには、圧倒的な市場シェアを持つ海外勢が、旺盛な資金を研究開発につ
ぎ込み、日本の技術的優位性を凌駕してしまう日は近いのではないかと思わ
れます。


■実は、その頼みの綱だった日本市場の特殊性も変質しつつあります。

大前研一の「ロウアーミドルの衝撃」は、日本市場の変質について書いてい
ます。

年収1000万円以上の消費者をアッパークラス、年収300万円未満の消費者を
ロウアークラスとしたとき、従来の日本には、圧倒的なミドルクラスの消費
者が存在することが言われてきました。

1億総中流社会というやつです。

高度成長期を支えたのが、このミドルクラスの消費者でした。すべての企業
がこのミドルクラスをターゲットにしていれば、戦略に誤りはなかったわけ
です。

一般の日本企業の年功序列賃金体系では、年収300万円からスタートしても、
定年頃には1000万円近くまで上がっていくのが通例です。

ミドルクラスの下段から上段まで、会社生活を通じて駆け抜けていくわけで
すな。

だから、「いつかはクラウン」などというコピーが、共感をもって受け取ら
れたのです。


■ところが、低成長社会がようやく認識され、年功序列賃金が廃止されつつ
ある現在、「いつかはクラウン」などとのん気なことを言ってられなくなり
ました。

年収300万円の人は、一生300万円である可能性が高いのです。

巨大なミドルクラス層は、600万円〜1000万円のアッパーミドル層と300万円
〜600万円のロウアーミドル層に分断され、このうち、ロウアーミドル層は
42%を占め、ロウアー層とロウアーミドル層を足せば、実に78%を占め
るというのが、「ロウアーミドルの衝撃」の主張です。

つまり、日本市場のマジョリティは、300万円〜600万円の年収の世帯なので
す。(日本世帯の平均年収は580万円)


■ロウアーミドルクラスの増加は、日本の賃金が世界レベルに近づいている
ということでもあります。

とすると、物価水準も当然、世界レベルに近づいていかなければ合いません。

近年のデフレ傾向は、実は異常なことでも何でもなく、日本の物価が正常化
する過程にあると言えるでしょう。


■もうお分かりですね。

ロウアークラスをターゲットとする製品開発は、海外の企業の方が長けてい
るのです。

海外企業が、日本のロウアーミドルクラスを狙ってくることは火を見るより
明らかでしょう。

その時「日本市場は特殊だからいいや」と安穏としていたドメスティックな
企業は、大打撃を受けることは間違いありません。


■最近の日経新聞には、企業が少子高齢化社会やロウアーミドル社会に対応
するために躍起になっている姿が毎日のように掲載されています。

そうしないと生き残れないからです。

企業より先んじて、消費者は世界に近づいているのです。

「うちはローカルな会社だから関係ないや」というのは通用しませんよ。

編集後記

■大前研一氏の「ロウアーミドルの衝撃」は、相変わらず示唆に富んだ面白
い本です。

日本の消費市場の変質をとらえ、ここ何年かの先進的企業の動きを整理して
います。

■思い立って、大前氏の過去の著作を読み返してみたのですが、ほとんど主
張が変わっていないのに驚きます。ブレていないわけです。

そもそも、30年ほど前の「企業参謀」など、私はいまだに参考にしています。

戦略本の多くはこの本の焼き直しじゃないかと思っています。

たいていのブックオフで105円で買えますから、一読をお勧めします^^



企業が生き残るために必要な3つのこと

CS放送(BBT757)でやっていたので、忘れないうちに書いておきます。

切り口はきっといっぱいあるんでしょうが、この3つの切り口はすっきりしていて分かりやすいです。

1.本業を決める
 *儲からない企業は、本業が定まらずにフラフラしている。これは多分個人も同じだろう。副業はあくまで余技に過ぎない。成功したければ、本業に集中すること。

2.戦略を決める
 *ポーターは、戦略をコストリーダーシップと差別化に区分した。どっちつかずの戦略では行動に移せない。ちなみにコストリーダーシップがはまれば莫大な利益を生むが、それは一部のトップ企業に限られる。ほとんどの中小企業は差別化に活路を見出さなければならない。

3.スピード!
 *本業と戦略が決まればあとは一気にやってしまうこと。デジタル時代はスピードが命である。


いかがでしょうか。
仕事柄、いつも物事を抽象化して考えるクセがついているのですが、うまくまとめられているのを見ると嬉しくなります。
この3つの軸で、コンサル技法を体系化することも可能じゃないかと考えております。

カルロス・ゴーンによる経営の3つの秘訣

■カルロス・ゴーンがテレビのバラエティ番組に出ていました。
内容はつまんないものでしたが…

■ゴーン氏が、経営のコツのようなものを求められて、回答していたのが、

1.経営に透明性を持つ
2.顧客や従業員とコミットメントをする
3.従業員のモチベーションを上げる

この3つです。

■番組は、ゴーン氏の経営の特徴を

1.現場主義
2.スピード

にまとめていました。

日産の復活は、まさに現場主義とスピードによって成し遂げられたと。

■ゴーン氏は、日本企業は、従業員の質が高いことが最も大きな利点で、逆に、その従業員が変化を嫌う傾向があることが欠点であるとも述べていました。

■経営の方法は千差万別で、正解なんてないんですが、ゴーン氏の経営に対する考え方は、最もオーソドックスなものであると私は感じています。

教科書のような経営ですね。

■忘れないうちに書いておきました。

ノウハウを捨てよう!

(2006年2月16日メルマガより)

■営業に携わる者が最も言ってはならないのは「昔はよく売れたのにな」と
いう類の言葉です。

これを言い出したら、引退の時期が来たということです。

なぜなら、今は昔ではないからです。ノスタルジーに浸るのは、引退してか
らで十分でしょう。


■どの企業にも「伝説の営業マン」という存在がいます。

今からでは、考えられないような成績を上げたことがあったり、会社の危機
を救うような奇跡の活躍をしたり。

そういう存在です。


■私はそういう方の話をよく聞かされました。

毎朝5時に起きて顧客の家を回ってポスティングをしたとか、顧客が飲んで
帰ってくるのを毎晩待って口説き落としたとか、3日3晩ぶっつづけで働い
て大型案件の企画書をまとめたとか。

日本が戦後奇跡の復興を遂げ、20世紀最も成長した国家となったのは、そ
ういった方々の血のにじむような努力があったからに他なりません。


■ところが、そういう方々の現状は、決して恵まれたものではありません。

私のよく知っている会社の「伝説の人」は、若い社員から、飲み屋のネタに
されていました。
「あの人、昔はすごかったらしいよ」
「朝5時にお客さんのところに行ったらしいよ」
「ストーカーと一緒だね」
私はその有様を見てショックを受けました。

しかし、自分の営業活動を体系化できず、経験のみで行動する"万年兵隊型
"営業マンの末路はこのようなものです。
まさにアーサー・ミラーの「セールスマンの死」そのままです。

なぜ、このようなことになったのでしょうか。


■日本の経済復興は、敗戦の年、1945年からです。
何もない時代に、全員が一斉にスタートを切ったのが特徴です。

1945年から1955年までの10年間は明らかな「生産志向」の時代で
す。作れば作るほど売れた時代です。ものがないのだから、作り続けること
は世の中の役に立つことでした。

この頃には営業の役割も大きなものではありませんでした。


■1955年になると、大量生産体制が整い、ものが余ってしまいました。
だからこの頃からは「販売志向」の時代となりました。

ものが余ったのだから、なんとかして売ろうと努力する時代です。

同時に日本人の暮らしはどんどん豊かになっていきました。大量に作ったも
のが大量に売れるのだから、企業の業績はよくなって、払う給料も増えてい
きます。そのため、人々が使うお金も年々増えてくるという好循環です。

俄然、営業マンの役割もクローズアップされてきました。
売上がないと会社は成り立ちません。
不可能を可能にし、会社の危機を救う存在。ライバル会社との熾烈な競争に
打ち勝ち、売上を上げ続ける存在。それが営業です。

モーレツ社員が受け入れられたのはこの頃です。

皆、「坂の上の雲」をつかもうと夢を見ていましたから、モーレツに頑張る
ことは美徳でした。少々強引な販売手法であっても、受け入れられる雰囲気
があったのでしょう。

血のにじむような努力があったことは確かですが、それは同時に、努力する
ことが必ず報われた古きよき時代だったのです。


■ところが、日本の高度成長期は1973年に終わりを遂げます。

オイルショックがやってきたのです。

その時、日本ははじめて低成長の時代を経験しました。低成長とは、来年の
業績が、今年より上がるとは限らないことを意味します。
同時にそれは、社員に払う給料を上げることができないことでもあります。

こんな状態ではとても怖くて消費できません。
すると景気が冷え込んで、さらに企業の業績は伸びない悪循環です。

したがって、売り込むだけの営業マンはうっとうしい存在になりました。
モーレツに売り込む営業マンなど害悪にしか過ぎません。


■実は、それ以降、日本の成長性は何ら変化していません。ずっと、我々は、
低成長の時代をすごしています。

つまり、ライバルの下値をくぐったり、名刺代わりに目玉商品を提供したり、
問屋に在庫を無理やり押し込んだり、そういった顧客の根本的な問題解決に
結びつかない営業手法では業績が伸びない時代に営業を行っているのです。

努力しても報われるとは限りません。
努力する方向性を間違えたら、いくら頑張っても無駄になるのです。


■さらに言うと、1985年に世界の枠組みは決定的に変わってしまいまし
た。

阪神タイガースが日本一になった年です。

大前研一氏はその著書の中で「プラザ合意」「ゴルバチョフの登場」「ウィ
ンドウズ1.0の発売」の3つの要因が世界を変えたと指摘しています。

「プラザ合意」はドル安を招き、アメリカにさえ輸出していればよかった各
国の産業構造は転換を余儀なくされました。

「ゴルバチョフの登場」は、共産主義社会の崩壊を招き、東西冷戦は終わり
を遂げました。

そして、最も大きな要因が「ウィンドウズ」の登場です。
IT革命は1985年に始ったとも考えられます。


■いまや、インターネットがない世の中など考えられません。

我々は、情報が普遍的に存在するという前提に立ってビジネスを組み立てな
ければなりません。

世の中の動きは加速したかのようにスピードアップし、成長市場はすぐに成
熟し、衰退してしまいます。


■変化がこの時代の常識になりました。

先月成功したノウハウは、瞬時に陳腐なものとなってしまい今月も通用する
とは限らないのです。

過去のノウハウを後生大事にすることほど愚かしいことはありません。
そもそもノウハウなどは、思考が衰弱した者の逃避だと私は考えます。

売れないのならば、どうすれば売れるのかを、原理原則から一回一回考え直
さなければ、役に立つ手法は生まれてこないのです。


■だから「昔はよく売れた」などは、現役の営業マンの神経を逆なでするた
めの発言でしかないということを理解しなければなりません。

それは、現在の経営環境ではもう通用しないからと努力することを停止した
人の発言なのです。


■伝説の営業マンとは神話の人物のようなもので、現実のものではありませ
ん。

それは大理石でできた彫像と同じく、功績を称えられつつも、現実には消え
去った存在なのです。


■何を隠そう、現役を離れて久しい私も、営業としては「大理石の彫像」で
しかないと自覚していることを白状しておきます。

私こそ、ノウハウなんかに逃げずに、一回一回、問題解決を丹念に行ってい
かなければ通用しない存在です。


編集後記

■営業交渉に最も必要なのは「誠実さ」です。

なぜなら、売れない時代には顧客維持が課題となり、そのためには誠実さが
最も効果的だからです。

■営業交渉のセミナーでは「悪の交渉術」の手口も紹介しています。
いわゆる騙しのテクニックです。
誠実さを基本としても、相手から騙しにかかってこられた時に、対処しなけ
ればならないからです。

ところが、セミナーを聞かれたある女性経営者が、最後に私にこう言い残し
て去っていきました。

「ありがとうございます。悪の交渉術を全部試してみます」

私は何を提供したんだろうと、背筋が寒くなってしまいました。

デジタル帝国の興亡(国内編)

■日本でも家電メーカーの動きが激しくなっています。今、一番面白い業界です。他人事ですが^^

■日本製の家電製品が世界を席巻したのは今は昔。機械の調節や高度な加工技術が求められたメカトロニクスの時代に他をよせつけぬ強さを発揮した日本の家電メーカーもデジタル技術中心の今日では急失速した。

デジタル家電製品は、ものすごいスピードでコモディティ化してしまい部品さえ購入すれば誰でも組み立てられるものになってしまった。つまり価格競争の儲からないビジネスに。

ここで強いのは、大胆な集中投資で価格競争力を持つ韓国勢である。さらに、マイクロソフト、HP、デルなどのPCメーカーが新規参入。

■総合家電色の強かった日本メーカーでいち早く”集中戦略”を表明したのがシャープであった。液晶パネルの研究を重ね、薄型テレビ時代の到来に、国内のトップランナーの地位を得た。(あくまで国内だが)

■その後に続いたのが、巨艦松下である。プラズマテレビに社運を賭ける大胆な一点集中戦略を実行し、世界トップに。今や創業者以来のカリスマとなった中村邦夫社長は「今後もテレビはリビングの中心になる。ここを押えるのは非常に意味のあることだ」と言う。一点突破をした後は、ホームメディアシステムを狙うのだろう。

■ソニーはサムソンと組んだ液晶テレビで巻き返しを図っている。アメリカでは、シェア1位に躍り出て、ソニーブランドの強さを発揮した。ただし、ソニーの戦略にはどうも展望が見えない。。。

■ここに来て東芝が、WH(原子力)買収や半導体設備に血迷ったような巨額の投資を発表した。これは、家電組み立てメーカーからの脱却を示すものであり、松下やソニーとの差別化である。市場は「やりすぎだ」と見ているようだが、このままずるずると負けるよりは起死回生の一手として評価できるのではないだろうか。

■まさに戦国時代。世界市場に対峙した時、それぞれのメーカーは”守りの戦略”をとれなくなってしまった。独自の標的市場と集中すべき戦略を明確にせざるを得ない事態である。

■それぞれの”攻め”がどのように帰結するのか、非常に興味ありますな。

デジタル帝国の興亡

■今週号の「ニューズウィーク」は面白いですね。

■「最後の規格戦争」とビル・ゲイツに評されるのが、次世代DVD競争。東芝を中心とするHD-DVDとソニーを中心とするブルーレイ方式が争う。もっとも東芝の役員は「15年後にはDVDは存在しないだろう」と発言している。
そうである。映像コンテンツはネットワーク経由でハードディスクに取りこむ形態が主流になるのは目に見えている。
何のために競争しているのだろう??

■それに対して、今も将来も、飛躍を約束された感のあるのがアップルである。PCメーカーからipodを主軸にしたビジネスへ転換を遂げた。アップルは、ipodを製品としてではなく、配信システムを含んだビジネスモデル全体で捉えている。PC販売に絡めてビジネスを組み立てるなら脆弱なモデルであると思ったが、今のところ隙が見えない。次々に新製品を導入し、旧モデルを廃番にする攻めの姿勢を貫いている。今や携帯音楽プレーヤー市場が成熟した後の心配までされるようになってきた。携帯電話への参入や、ホームメディアシステムへの展開が囁かれる。

■もっとも、最大のライバルであるマイクロソフトも手をこまねいているわけではない。今年中にも、配信システムと携帯プレーヤーをセットにしたビジネスをスタートさせるだろうと、スティーブ・ジョブズ自身が言う。

■もう1つ不気味な存在がアマゾンである。音楽CDをネットで販売する最大手であるアマゾンが、ネット配信に踏み切るのは時間の問題であると思われる。ただそのためにはポストipod機器を用意する必要がある。アマゾンが、ソニーなどと手を組んでアップル陣営に対抗するというオプションはありえないことではない。

■いずれにしろ、デジタル音楽配信市場でアップルが持つ80%のシェアは脅威ではあるが、このまま進むとは考えられない。まさにデジタル帝国の興亡が繰り返されようとしている。

以上、今週号の「ニューズウィーク」より

一番、損になることをしよう


(2006年2月2日メルマガより)

■最近、最も印象に残っているのが、松井証券の松井道夫社長によるこの言
葉です。

「一番、損になるようなことを考えなさい。それが生き残る秘訣だ」


■最近といっても、録り溜めていたCS放送(しかも再放送^^)の録画を
まとめて観ている時に聞いたので、本当は最近ではありませんね。。

それにしても、なんとも挑発的な発言ではないですか。

松井社長らしいと言えばらしいですね。


■発言の趣旨は以下の通りです。

●世の中がひっくり返ってしまったのに、今までの延長のようなことをして
いてはダメだ。

●デジタル革命によって、ビジネスの主体は消費者に移っている。顧客視点
に立つことが生き残りには必要だ。

●今まで、多くのビジネスは「企業が得すること」を中心に組み立てられて
きた。これからは、「消費者が得すること」を中心にビジネスを組み立てな
ければならない。

●企業にとって「一番損をすること」は、消費者にとって「一番得すること」
に近いという仮説が立てられる。だから、これから生き残りを賭ける企業は、
「自分にとって、一番損をすることは何か?」という視点から発想するとよい。


■松井道夫社長は、中堅証券会社であった松井証券の4代目社長です。2代目
社長が奥さんのお父さん。つまり、松井道夫氏は婿養子です。

社長を継ぐ時に義父が言った言葉が「おやんなさいよ。でも、つまんないよ」

規制に縛られた護送船団方式が常識だった業界状況を義父は自嘲気味に言っ
たようです。


■しかし、その後の松井証券の飛躍は衆目の知るところです。

「つまんない」ことを「つまんなくない」ようにしてやろうと執念を燃やし
た松井道夫社長の活躍が実を結んだわけですね。


■この松井社長、私の個人的な感想ですが、テレビで観る限り、あまりお近
づきにはなりたくない御仁です。

風貌は「ちびまる子ちゃん」の登場人物のような感じなのですが、発言にい
ちいち棘があり、アイロニーを連発するお人柄です。

役員のことを「私から見れば、新入社員と変わらん」とか言ったり。

多分、近くにいれば、5分でイヤになりますね^^


■ただ、その行動は理に適っています。

松井社長の行動は、驚くほど、原理原則に忠実です。

それは「商売の主体は顧客である」という原則です。


■例えば、営業本部長時代に行った支店と営業マンの全廃というドラスティ
ックな改革に、それが表れています。

「証券会社の営業マンは本当に顧客のためになっているのだろうか?」とい
う素朴な疑問を突き詰めることで、その組織改革は成し遂げられました。


「誠意を売る」ような営業マンをお客さんは本当に喜んでいるだろうか?
実は、売り込まれることをお客さんは迷惑に思っているのではないだろうか?

むしろ、これからは、情報をもとに自分で選択できて、自由に売り買いでき
るような取引を求めているのではないだろうか?

少なくとも、個人投資家は、あれこれ言われることを望んでいないはずだ。
それが自由化の流れというものだ。


そこで、営業マンを廃止して、電話による注文受付への切り替え、口座管理
料の廃止、取引手数料の低減という方向の改革につなげていったのです。

過去の歴史を捨て去るのは並大抵のことではないでしょうが、それをやり遂
げたのだから大したもんです。


■顧客志向、顧客視点とはどのビジネスの教科書にも書いていますが、教科
書通りのことを実行する人はごく稀です。

私も独立したての頃は「中小企業診断士なんて教科書通りのことしか知らな
いから役に立たないよ」とよく揶揄されましたが、今になってみると「教科
書通りのことを当たり前に実行できる」人が、実は大変な実力者であると断
言できます。

大抵は、原理原則に従うことができずに、現状(社内の抵抗勢力とか)に妥
協してしまうのです。

教科書に何が書いてあるのか知らないというコンサルもいますけどね^^


■松井道夫社長は、そのあくの強いキャラクターと強烈なカリスマ性で、社
内の抵抗勢力どころか、証券業界そのものを変えてしまいました。

これも「顧客中心主義」という原理原則があればこそです。


■「一点集中主義」も、顧客中心主義の思想から導き出されています。

「21世紀は消費者がすべてを決める。1つのサービスを極めないと、消費者
から捨てられる」という内容の発言をしています。

彼に言わせれば「いろいろ手を広げて経営の安定化を図る」というのは、
「企業中心の考え方」になるのでしょう。

そこまで身体をはるからこそ、あの胆力を身につけたのでしょうか。


■最近、その松井証券も、ネット証券におけるシェアを低下させています。

「後発組は、真似をするぐらいしかできない」と強気に言っていた松井社長
も、現状を深く考えたようです。

松井証券のホームページには、松井社長の年頭の辞が述べられています。

実に松井社長らしい人間味あふれた発言ですから、ご覧ください。

今年も何かやりそうですね。


編集後記

■CS放送を観ていると、大前研一氏が、ライブドア問題に絡めて
「フジテレビの稗田氏はなんでデカイ顔をしているんだ?」と発言していた
ので、爆笑してしまいました。

■以前、ライブドアに1400億円出資した際には「強盗に実弾入りの拳銃を渡
すようなもんだ」と対応を非難していたこともあって、頭にきていたんでし
ょうね。

■奥田経団連会長のライブドアを会員に入れたことは「ミスった」というの
も吹き出すような発言ですね。

奥田氏も、引退が近いせいか、不思議な発言が目立つ人です。

少し前に「日本型経営はやっぱり正しかった」みたいなことを言っていまし
たよね。

日経新聞は「日本型経営がすべて悪いわけじゃない」という意味にとり替え
ておりましたが、真意はどこにあったのか?

■いずれにしろ、一角の経営者っていうのは、発言が面白いですな。


一番損することをしなさい 松井道夫

■CS放送{BBT757}の過去の録画を観ていたら、松井証券の松井道夫社長が表記のようなことを言っていた。

なんとも挑発的な発言であるが、趣旨は、以下のとおり。

●世の中がひっくり返っているのに、今までの延長をいくらやってもムダだ。

●デジタル革命によって、全ての産業の主体は消費者に移っている。

●今までのビジネスは、事業者主体に組み立てられていたから、消費者主体のビジネスには適合しない。

●つまり、事業者にとって「一番損すること」は、消費者にとって「一番得すること」に近いと予測できる。

●だから「一番損すること」にこそ、今後発展するビジネスのヒントがあるはず。

逆説的であるが、実に納得できる説ではないか。

松井社長は、人間的には相当変わっているが、発言は刺激的で面白い。

技術系小企業が生き残るには

(2006年1月19日メルマガより)

■小さな会社が生き残るためには、何かに特化することが必要です。


■CFRPという素材において、世界有数の技術力を持つ会社が静岡県にあ
ります。

ジーエイチクラフトです。

同社はまさにCFRPに賭けることで事業を拡大してきました。


■CFRPとは炭素繊維強化プラスチックのこと。鉄の5分の1程度の重量で、
約10倍の強度を持ち、錆びたり腐ったりしません。最近の航空機の機体や高
級スポーツカーの車体に使われ始めています。

ただ、この素材に詳しい技術者はあまりいないようです。もちろん大量生産
する技術は確立されていません。

大手企業といえども、自社開発を行うよりも、ジーエイチクラフトに依頼し
た方が安くあがるのが現状です。


■ジーエイチクラフトは競技用ヨットの製作会社としてスタートしました。
もともとは同社の木村社長の趣味から始まったようです。
この時、同社はCFRP製のヨットを手がけています。

その後、同社はレーシングカーの車体製作に参加します。トヨタのチームか
ら技術提携の打診を受けたのです。資金力があるトヨタのもとで、同社はC
FRPの研究と加工技術の蓄積を果たすことになりました。

その技術ノウハウを拠り所に、今度は航空機関連産業に進出したのです。
大掛かりな投資を行って開発設備を購入し、航空機の部品製造に乗り出しま
した。今回の事業は、相当のチャレンジだったようですが、その甲斐あって、
同社は次ステージに上がることができたわけです。


■ジーエイチクラフトは、技術系小企業の典型だと思えます。

ニッチで他社が手をつけない技術を深堀りしてオンリーワンとなるのが、技
術系小企業の戦略です。

ただし、ニッチ市場は競合が少ないので、簡単にミニリーダーになれるので
すが、その技術が「マネのできないレベル」にあるかどうかは注意しなけれ
ばなりません。

もし儲かる市場だと分かれば、多くの新規参入業者が発生します。その時に、
実は「井の中の蛙」だと分かることも少なくありません。

私の知る中にも現在の幸運に「安住」してしまっている企業の何と多いこと
か!

常に最先端の技術課題に挑戦し続けるのは、技術系企業の宿命ですね。


■技術系企業が陥るワナはまだあります。

1つは、市場が突然死してしまうリスクがあることです。

ニッチ市場は小さいがゆえに、ある日、突然無くなってしまうかも知れませ
ん。

大きな市場の周辺に位置する市場は要注意です。

例えば、アナログカメラという市場がデジカメに移った時、カメラやフィル
ムメーカーは資金力をもって新市場開拓を行う余裕がまだありましたが、周
辺の部品を製造している下請けメーカーはどうなったのでしょうか。

小型車の小回りをいかして方向転換できているでしょうか。そのためにも、
他の市場でも通用する「武器」を磨いておく必要があります。


■もう1つは、頼みの技術が陳腐化してしまうこと。

もちろん、怠けているのは言語道断ですが、先端技術を磨いていたとしても、
ある日、突然、陳腐化してしまう場合があります。

それは、代替技術が出現した時です。

技術系企業にとって、これが最も恐れるべき事態です。

あのソニーでさえも、技術開発の目算を誤ったために、苦境に陥っています。
薄型テレビがこれほど急速に普及するとは思っていなかったようです。

ソニーの場合は、販売の水際であまり強くないために、事態を深刻にさせて
います。少々遅れてきても、泥臭く販売をするという力技がきかないのです。

これに対応するためには、先ほどの事態と矛盾するかも知れませんが、市場
に深く入り込んで、顧客をつかんでおくことが必要です。


■ジーエイチクラフトとしては、今後、
(1)先端技術を磨き続けて研究開発型メーカーとして存在感を出し続ける
(2)最終製品を製造し、キャッシュを獲得する手段を強化する
(3)CFRPの量産技術を確立した後、大掛かりな投資を行い世界的な部
品メーカーになる、
という3つの方法が考えられそうです。

ホームページなどを見ていると、研究開発を続けながら、無人航空機や風力
発電機など最終製品の製造を志向しているようですね。


■楽なビジネスなどありませんが、技術系小企業というのも、相当きついビ
ジネスであることは変わりありません。

日本型経営の功績

■トヨタの奥田会長が「日本的経営」の良さを強調するスピーチを行っています。

日経新聞によると、「人間尊重」「長期的視野に立った経営」を日本的経営の根幹と見なし、それを守ったことが日本経済の復興につながったという見解を述べているようです。

■非常にごもっとも。

90年代、日本型経営が”悪の権化”のように喧伝された時期がありましたから、それに対するアンチテーゼの提言であるなら意味がありますね。

しかし、日本経済の業績が回復しつつある今になって、どうしてわざわざ言う必要があるのでしょうか。

■日本的経営の典型と見られていた「終身雇用制度」をトヨタは頑なに守ろうとしてきました。

今回の発言は、業績の悪化を従業員の解雇で乗り切ろうとするアメリカ型経営に反発してきた経営者としての矜持を示した”引退前だからの”発言だったのでしょうか。

■日経新聞が強調しているのが「この発言が短絡的に日本礼賛につながるのは間違いだ」ということです。

実際、90年代と比べて、年功序列や株式持合い、極端な株主軽視の姿勢はなくなってきています。

また従業員重視、品質管理の仕組みなど日本の長所は、優良なアメリカの企業に取り入れられています。

要するに、グローバル化が進んで、世界的に、良い経営は融合されてきたわけです。

だから、日本型、アメリカ型という分類にはあまり意味がありません。今後は特にそうなるでしょう。

■もっとも、良い経営、悪い経営という分類も乱暴ですね。

常に経営は環境にとって適切か、そうでないかです。しかも、現時点ではなく、長期的視野で見なければならないので、判断が難しい問題です。

「経営に答えはない」と言ってしまえばそれまでですが、世界中の”ベストプラクティス企業”の情報が手に入れることができる現代ですから、我々も賢くなって、ベストな経営を行って、よりよい社会の実現に寄与したいものですね。

すでに起こった未来


(2006年1月5日メルマガより)

■2006年は景気回復基調で幕を開けました。日経平均株価は、昨年来高
値をつけてはじまりました。

結構なことですね。


■しかし、その一方で、非常に深刻な事態が進行しています。

ついに日本の人口はピークを迎え、人口減少の時代に突入したのです。

これから後は、ひたすら少子高齢化への道を進んでいくようです。


■ピーター・ドラッカーは、もう20年以上前から、先進国の最大の問題は
少子高齢化であると指摘し続けてきました。

それがついに現実のものとなります。

■ドラッカーの著作のとおり、それは「すでに起こった未来」ですから、日
本も国家デザインを少子高齢化に向けてリニューアルしつつあります。

グローバル化に向けた様々な規制緩和や構造改革、税制改革、商法の改正、
小さな政府への志向、これらは大きな観点から見れば、すべて高齢化社会へ
の布石です。

もっとも事態があまりにも深刻なので、これで大丈夫という対処はできない
というのが実情です。


■ランチェスターの法則でいうように、パワーは、武器効率×兵力数で測る
ことができます。

第2法則に従えば、兵力数は2乗の影響力を持ちます。

つまり、国家レベルで見れば、人口の多い国は圧倒的に強いのです。


■ニューズウィークのコラムによると、さるインドの高官は「10年もたて
ば、誰も日本のことを口にしないだろう」と笑っていたそうです。

まさに、そのインド、中国は今世紀中にGDP世界1位、2位の座を占める
予定です。


■アメリカは移民を受け入れて人口を維持しながら、ハイテク分野に資源を
集中し、強みとすることを国家戦略としています。

日本も、ハイテク技術に人材を集中させ、付加価値の高い高度先端技術分野
で勝負するという戦略でしょう。

もっとも、中国もインドも人材が豊富なのでハイテク分野でも日本を凌駕し
つつあります。

日本はさらにニッチな先端技術に特化しなければならないのでしょうか。


■問題が深刻なのは、小さな国土に1億人以上の人口を抱え、エネルギーも
食料も海外に依存する日本は、もとの小国になりたくてもなれないという事
実です。

いや、後戻りせざるを得ないのですが、想像を絶する「痛み」を経験しなけ
ればなりません。

国家としてのインフラが崩壊してしまえば、どうなるのでしょうか。

このあたりを政府がシミュレーションしないのは、徒に不安を煽ることを避
けんがためでしょうか。


■竹中平蔵氏は、ニューズウィーク(12月21日号)のインタビューで
「国民1人あたりの所得伸び率と生活水準を保つ」ことが目標と発言してい
ます。

もっとも、解決策について「決定的な意見はない」ということです。。。


■もちろん、政府に期待しても仕方ありませんね。

我々は、自分で家族を守らなければなりません。


■ではどうすればいいのか?

大前研一氏は、以前から「IT、英語、ロジカルシンキング」を身につける
ことが生き残りの道だと説いています。

大前氏は「日本人の国際競争力を高めることが自分の使命」と常々発言して
いますね。

日本が今後も競争力を維持する条件は、グローバルな市場を相手にビジネス
すること、労働生産性を高めることですから、そのためには、先の3つがギ
リギリ必要になるという意見です。


■そこに私なりの意見を加えるならば「戦略」が必要です。

「戦略」は不透明な時代を渡るための鍵となります。

自分が何に集中すべきかを明らかにし、進むべき道を決めるのが「戦略」で
す。

ロジカルシンキングと併せることで、協力な武器となります。


■当然、私たちの役割は「戦略」について考え抜き、その「戦略」の知識をシェアすることです。

今年も地道に頑張っていきたいと思います。



顧客接点がビジネスの命綱

(2005年12月22日メルマガより)

■「日経ビジネス」2005年10月31日号に、ハッピーという会社の事例が載っ
ています。(衣類などのクリーニング業)

先日の「戦略勉強会」で、この企業事例を取り上げました。

我々は、この企業のことを全く知らないのですが、この記事の情報だけで様
々なことを議論しました。

今日は、その内容の一端をお知らせいたします。

■ハッピーという会社、本社は京都府宇治市。売上高は1億5622万円、従業
員は20名という会社です。

■クリーニング市場は、ご存知のとおり、衰退市場です。

家庭での洗濯技術の発達、洗濯が容易な衣服の普及、価格競争の激化などか
ら、1995年には1兆円あった市場が、2005年には半分の5000億円に縮小して
います。

ランチェスター戦略に触れた方なら、こういう衰退市場にこそ、中小企業の
活躍の場があることをご承知ですよね^^

ハッピーは、この市場で、業績を向上し続けています。

■当然のことながら、成熟市場や衰退市場で他社と同じことをしていたら、
ともに衰退していきます。

ハッピーは「他社があきらめた頑固な汚れ」を落とすことで、顧客の支持を
得ています。

15年かけて独自に開発した技法があるようです。

料金は業界平均の5倍以上になるのですが、それでも顧客を増やし続けてい
ます。

■もっとも、こういう「技術」に頼ってビジネスを組み立てる企業はいっぱ
いありますよね。

その殆どが、顧客不在の「思い込み」に陥っていることを私はいやというほ
ど見てきています。

「うちの商品は日本一なんだ」「この技術はだれにも真似できない」という
会社からコンサルティングを依頼されると、私はめまいがします(笑)きっ
と手間がかかるだろうなあと思うからです。

■しかしハッピーの場合、もともとの動機が技術開発ではなく、顧客の不満
を解消することだったと述べられています。

クリーニングを利用した顧客の20〜30%が不満を持っていると言われて
います。

思った通りに汚れが落ちないことが多いからです。

悪徳業者になると、しみ落としのサービスを売りながら、実際には普通の洗
い方を施し、返却時に「これ以上のしみ落としは無理」とのカードをつける
だけ...ということもあるそうです。

ハッピーはそんな不満の解消を目的に技術開発を続けてきたようです。

■ハッピーが非凡なのは、従来のクリーニングメーカーの問題を"技術"で
はなく、"顧客接点"がないことだと考えたことです。

通常、メーカーと顧客の間には取次店が介在します。

それが、ビジネスとして効率性を追求した末のシステムなのですが、顧客の
声をメーカーにダイレクトに届けられない仕組みでもあったのです。

そこで、ハッピーは、インターネットを見た顧客などが直接工場へ衣服を送
付する仕組みにしました。

■なんと非効率な!と思われるかも知れませんが、これは「顧客に接近せよ」
というランチェスター戦略やマーケティング戦略の基本に則った実に理に適
ったビジネスモデルなのです。

喩えていうなら「クリーニング業界のデル・モデル」ですね。

■衣服を受け取った工場では100種類のチェック項目がある「電子カルテ」
なるものに衣服の状態を記入し、担当者が顧客に直接電話をして「現状の状
態」「顧客の要望」「クリーニング方法」「料金」を打ち合わせます。

顧客によっては「しみが残っても、衣類の風合いを維持して欲しい」「衣類
が傷んでもしみを落として欲しい」などそれぞれの要望があるでしょうから、
これをここで聞くというわけです。

"顧客接点"こそが、このビジネスの命綱です。

このやり取りの中で、思わぬサービスの改善点も明らかになるでしょうし、
新たなサービスが発想されることもあるでしょう。

技術開発は、そのニーズを聞き取った結果、行われるべきものです。

■今後、この会社はどうなっていくのでしょうか。

"顧客接点"をより濃密にするためのシステム開発が必要となるでしょう。

顧客とダイレクトにやりとりする状況を保持することを前提に、受付のみを
「取次店」「コンビニ」「宅配業者」に委託することで顧客拡大を望めます。

あるいは、現在の顧客に周辺サービスを提供することも可能です。

顧客をダイレクトにつかまえているビジネスには、継続的なキャッシュが見
込めるので、資金調達も可能ですから、新たな投資ができそうです。

発展性がありそうですし、強いビジネスだと思いますね。

■そういえば、今日の日経新聞に「ニッチ企業」の売上高経常利益率が高い
ことが掲載されています。

1位の一休(高級ホテル・旅館に特化した宿泊予約サイト運営)の経常利益
率は61.7%!(全産業平均で3〜4%)

小さな市場に特化することの最も大きな利点は、お客さんに貼り付けること
です。

ハッピーという会社は、それを理念だけではなく、仕組みとして構築してい
るわけですね。

キャンパス新聞のビジネスモデル

ニューズウィーク12月21日号によると

■アメリカには、商業ベースに乗ったキャンパス新聞なるものがあるそうです。

経営も編集も学生。ただし、記者数百人と契約し、年間数十万ドルの給与を支払っているとか。

内容や編集方針がどういうものかは記事からは分かりませんが、ビジネスモデルは明確です。

広告料が収益源です。

■確かに、キャンパス新聞の場合、購読者は絞られています。

その大学の学生です。すると、その大学生に向けた広告をうちたい企業にとってはとても価値のあるメディアです。

例えば、東大新聞なるものがあったとして、学生の多くが読んでいるとすれば、その新聞の広告枠は大新聞並みの価値があるのではないでしょうか。

大学生は、教育水準が高く、トレンドに敏感で、ブランドを強く意識し、可処分所得は高い。まさに理想的な顧客ターゲット!

アメリカの有力な新聞には、莫大な広告料収入があるということです。

■アメリカでは無料でサービスを提供し、広告収入を得るビジネスに勢いがあるといわれています。

グーグルが切り開いた市場です。

インターネットで無料サービスを提供する場合、1日で1千万人が利用するサービスを提供することができれば、巨大なビジネスになると見られています。

合言葉は、「無料の市場を探せ」

■ただ、キャンパス新聞の場合、ターゲットが明確なために、はるかに少ない人数でも価値を生み出しています。

小さな市場を捕まえろ!というわけです。

ソニー、殿様営業は昔

日経MJ12月16日より

■プラズマテレビのトップは松下電器。

液晶テレビのトップはシャープです。

しかし、松下電器が世界シェアナンバーワンを強く意識しているのに対して、シャープの社長はそこまでは考えていないと発言しています。

つまり液晶テレビの牙城は磐石ではない。

■米国ではソニーの新ブランド「ブラビア」の好調さが伝えられていました。

やはり、ソニーブランドは強い。新発売の勢いで、シャープを逆転したという情報もありました。

■日本でもブラビアは好調です。ただし、米国ほどではなく、シェアは30%程度。50%以上のシャープには及びません。

■一時期、ソニーは「売るものがない」と揶揄されていました。

技術主導だった会社が、売るものがないというのは、つらい状況です。

平面テレビ市場の需要を読み誤って、投資に失敗したようです。つまり戦略の失敗だから、回復には時間がかかります。

この「ブラビア」でようやく巻き返しを図っています。

■ただシャープの強さは、販売支援や売り場提案にあります。長年、弱者に甘んじていた企業の面目躍如といったところでしょうか。

このあたり強い商品力に頼ってきたソニーの営業とは地力が違うようです。

だから「殿様営業は昔」と揶揄される所以です。

■ランチェスター戦略で見れば、ソニーは、武器効率を上げることにこだわった企業であるといえます。

ただ「武器性能の差など、ほんのわずかな差でしかない」というのは、ランチェスター氏の言葉でした。

もともと脆弱な戦略をとっている企業なんですね。

■「ソニーが販促什器を送ってきた」とある小売店は驚いているそうです^^

以前は、そこまで殿様だったんですね。

日経MJにはソニーの販社の社員が「文科系が体育会に入ったようだ」と戸惑っていると書かれています。どぶ板営業に戸惑う様子をそう表現されています。

何をかいわんや。普通の営業は泥臭いことばかりやっているんですよ。

一点集中戦略の落とし穴

(2005年12月8日メルマガより)

■ビジネスチャンスを発見する方法として、「分離」と「融合」という相反
する考え方があります。

これらを使い分けることで、新しい事業アイデアを発想するヒントが生まれ
ます。

■「分離」とは、ビジネスのそれぞれの段階を細かく切り分けて、別のビジ
ネスを発想すること。

たとえば「企画」「製造」「配送」「販売」というビジネスの流れがあると
すれば、そのいずれかにフォーカスして、ビジネスを組み立てます。

「企画」だけに特化するとすれば、それはいわゆる「ファブレス企業」です。

「製造」だけに特化しているのが、中国などの下請け工場です。

「配送」に注目したのは、もちろんヤマト運輸などの運送会社。

「販売」会社ももちろん存在します。

今をときめくipodのアップルなどは、「企画」と「販売」に特化してい
るわけです。

「分離」は、それぞれの企業が"選択と集中"を進めた結果起こるもの。

自社の最も強い部分だけに資源を集中し、他の部分は外注してしまうから、
機能に特化した企業が成り立ちます。


■「融合」とはその逆です。

分断されたビジネスの要素を再び元に戻すという考え方。

「販売」だけをしていた企業が「製造」に着手したり、「製造」メーカーが
「販売」までを直接手がけたり。

つまり最終消費者はそのままに、ビジネスの上下の工程を取り込んでしまお
うということです。


■企業が新規事業を立ち上げる際には、この2つの方法を使います。

どちらが優れているというわけではもちろんありません。

ビジネスは「分離」と「融合」を繰り返していくもののようです。


■ランチェスター戦略でいえば「分離」は、自社機能に特化する"一点集中
戦略"です。

特に経営資源に乏しい小さな企業が、あれもこれもと手を広げていたのでは、
力が分散して、思い通りの動きができません。

だから得意機能に絞り込んで、無駄をそぎ落として、戦うわけです。


■「分離」をした場合、顧客のニーズに最大限、応える努力をしなければ生
き残れません。

これは当たり前ですね。分離するのも、ニーズによりよく応えようとした結
果であるわけです。

ただし、この機能特化は、しばしば致命的な機能不全に陥ります。

なぜなら、自分の直接のお客様に奉仕しようとするあまり、その先である"
最終顧客"を見失ってしまうことが頻繁に起こるからです。

多くの中小メーカーが"販路開拓"に苦しんでいるのも、製造という機能に
特化し、商社や問屋のニーズに応えようとした結果、起こったことです。

商社の言うとおりに作ろう。製品を渡してしまえばそれで完了。。。これで
は、何が売れて、何が売れなくて、その原因が何なのか皆目検討がつきませ
ん。それを繰り返しているうちに、メーカーは目隠ししながら製造している
状況に陥ります。


■顧客の要望に応えるのはビジネスの鉄則中の鉄則です。

それなのに、応えれば応えるほど、最終顧客のニーズから離れていくような
ことが起こりえるのです。

現場では、こういった小さな逆流は日常茶飯事ですね。


■今、アグリビジネスが話題です。

農業ビジネスです。

これまでうまくいっていた体制が金属疲労を起こしている業界です。

戦後の農業は保護政策のもと、農家、農協、卸市場、小売店という機能分離
で進められました。

ところが、それぞれの機能が硬直化し、業界常識でビジネスを行うようにな
ってしまいました。

消費者は安全で美味しい野菜を求めています。

生産者も、より質の高い、安全な野菜を作ろうと努力します。

ところが、中間業者へ持ち込んだ時点で「キロいくら」と判断され、生産の
努力は無視されることがしばしば行われるそうです。

これでは、いいものを作ろうと苦労するのは損で、安く大量に作ることに注
力すれば最も儲かるわけです。

ところが、安さという面では、輸入野菜に勝てません。ところが、品質、美
味しさ、安全という面では、消費者のニーズを満たしていません。

結果として、売れない状況になってしまったのです。
(殆どの業界で、同じ状況が見受けられます)

実は、こういった業界には大きなチャンスが潜んでいます。

現在のアグリビジネスは、農家が直接、消費者や販売業者に"産地直送"す
ることが1つの大きなテーマとなっています。

つまり、消費者により近づき、ニーズを汲み取る努力をすることにビジネス
チャンスを見出すことができます。

消費者はニーズを満たすものを指示します。
少々高くても売れる上、中間マージンも省けるので儲かります。

これは「分断」から「融合」への流れに他なりません。

逆にいえば、たったそれだけでチャンスが生まれるのですね。


■ビジネスで成功する秘訣は「一点集中」して、力を分散させないこと。

ただし、最終顧客の要求を忘れてしまうと、せっかくの集中が的外れになっ
てしまいます。

そういう時は、とにかく最終顧客に近づいて、要望に応えることです。

編集後記:

■石垣島に小さなアクセサリーショップがあるそうです。

そこは、海岸で拾った石や貝を加工して販売しています。

つまり原価は人件費のみ。

小さな店なのに、人を数人雇うほど繁盛しています。

■こちらのオーナーは"内地"の人だとか。

もともと石垣島にいる人は、拾った貝殻がビジネスになるという発想はなか
ったのかも知れません。

デザイナーのセンスもあるでしょうが、石垣島で買うという特殊性がこのビ
ジネスの成功の要因だと思えます。

■こうなればやったもん勝ちですね。

大阪の若手デザイナーを何人か招いて、国際通りの店で、沖縄をテーマにし
たブランドを立ち上げるというのはいかがでしょうか?

賛同する新進気鋭のデザイナーがおられたら、協力しますよ^^

やりませんか?

しぶとく生き残る専業メーカー 朝日ファスナー

日経MJ12月2日号より

■朝日ファスナー

巨人YKK(市場シェア9割以上)に対して、しぶとく生き残る専業メーカー。

武器は、1本から受注。10日で納品という小回りとスピード。調達に国内外の中小企業を組織化し、小ロットでも採算がとれるようにしている。実質、国内メーカーで生き残るのは、YKKと同社のみ。

今後の戦略は、ファッション業界への対応。ビンテージ加工などで実績がある。今年は、ファッション専門学校と組んで、ショーを開催。これをきっかけに、業界で注目され、取引が拡大している。吉田カバンやコムデギャルソンなどと取引を開始。

■スピード、小回り、徹底したニーズ対応、市場の絞込みという弱者の戦略の典型である。

そのための生産体制、社内伝達体制などがどうなっているのか、みてみたいが、この記事からはわからない。

■売上高2億円、従業員20名ということ。これからなんでしょうね。

 

電子マネーが普及期へ

日経MJ12月2日より

■「おサイフケータイ」普及期へ

電子マネー「エディ」がおサイフケータイを展開。利用が広がっている。iモードを上回るペース。au、ボーダーフォンも採用。

JR東日本の「スイカ」も、携帯に展開の予定。

現在はコンビニ、レンタルショップ、自動販売機、空港、家電量販店などで利用。

店側としてもFSP(フリークエンス・ショッパーズ・プログラム)に利用できるのでメリットが大きい。

■ただし、セブン・アイは、独自の電子マネーを導入。

市場が成長期に入ると、競合が増えるのはセオリーどおり。最も利用されているコンビニが独自のサービスを志向するのは仕方ないのだろうか?

相変わらず、消費者無視の姿勢である。。。

ソフトバンクやイーアクセスなどの携帯電話新規参入組の動向はどうか?

■このあたり使用者の立場に立てば、ビジネスチャンスが大きいのではないかな。

店側は、電子マネーの種類ごとに読み取り端末が必要になるのは大変である。マネーごとに、保証金とか契約金とかとられるのもたまらんだろうし。互換性のある端末の開発なんてどうだろう。

消費者としては、一本化して使いたい。各マネーの交換サービスなんてあってもいいだろう。レートとか決めてね。

アキバ観光ツアー

日経MJ11月28日より

■日本旅行が、秋葉原ツアーを企画。フィギュア店、メイド喫茶。ガイドもコスプレ。

ワロタという類の企画ですが… これに需要があるのでしょうか?他地域の商工業者がターゲットでしょうか。

旅行というのはニッチ需要の塊ですね。企画もしやすいし、中小企業の参入が比較的容易な業界です。

私の友人は、個人で「金持ちをフランスのスキー場へ連れて行く」旅行会社を運営しています。楽しげですよ。

それはともかく、今やアキバは国際的な競争力を持つブランドに成長しつつあるようです。

少し前、メキシコ2世の青年が「アキバグッズをメキシコに輸入販売するビジネスをする」と息巻いていましたが、その後どうなったのか。。

街頭テレビが”復活”する?

日経MJ11月28日より

■街頭テレビをIP放送を使って配信。埼玉のベンチャー企業。

先日「ビジネスアイデア創出法」セミナーをしましたが、アイデア発想の1つに”リバイバル”があります。過去に流行した商品やサービスを復活させるやり方です。

映画、テレビ、音楽の世界では常套手段です。昔はやった映画を現代的な視点から、とか、あるいは昔の歌手で新しいCDアルバムを作ったり。ビートルズなんて2年ごとぐらいに復活していますね^^

単なる懐古趣味というわけではありません。物語や音楽の根本要素はあまり変わらないということです。だから、時代設定さえ変えれば、そのまま通用する。

実はビジネスの要素、ヒット商品の要素もあまり変わらないのではないだろうか。その商品やサービスの核をとらえて、現代のニーズに合わせることで、現代でも十分に通用するものになるはず。そう考えるのが、”リバイバル”の考え方です。

セミナーの時、街頭テレビは復活しないだろうか…と言ったら、皆さんに即座に否定されました^^ でも、ちゃんと、あるじゃないですか!

考えたら、街のいたるところに、街頭テレビ(なんとかビジョン)らしきものはありますね。

バスを待つ間、病院、市役所、空港…知らないうちに、街頭テレビに接しています。

この会社は、街頭テレビで天気予報や地域情報を配信、そこに広告を載せることでビジネスとしているようです。まさに地域密着、中小企業のビジネス。IP放送とすることで、場所ごとに細かくコンテンツを変えることができるそうです。ケーブルテレビの会社なんかが、こういうビジネスに取り組めば、コンテンツやインフラを有効に使えるのではないでしょうか。

プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

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