わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

経営に奇策はない 柳井正

CS放送に、ファーストリテイリングの柳井氏がでて講演をしていた。いつもながら豪華な放送である(^^)

なかなか面白い講演であったが、意外だったのは、柳井氏が、極めて素直で普通の人間であると感じたこと。有名企業の創業者なのだから、もっと個性が強烈なのかなと思っていたのに。

印象的なのは、やはり、成長に対する執念のような意思である。
1兆円企業にする、それがわからないやつは辞めてくれ、というわけである。
玉塚氏の社長退任については様々な批判や憶測も呼んだが、本人は、まっすぐにそう思っているようだ。不純さはない。

一方で、1兆円企業になるためには、このままの延長ではいけない、ゲームクリアが必要とも言っていた。ダイナミックなM&Aが、これから続きそうである。

共感したのは「経営に奇策はない。原理原則をコツコツ実践するのみ」というきらいである。
私もランチェスター戦略に関連して「手品のような奇策」を求められたりするが、そんなもので成功しない。私のやっているのは、原理原則に基づいた実践であって、華々しい成功ノウハウではない。

むしろ、経営者が手法ばかりを考えていたのでは、経営できないはず。経営者の仕事は、原理原則を理解し、全体を見渡すことである。

なお、経営者の責任として
1.企業を生き残らせる(顧客に適合する)
2.成長を続ける
3.使命感を持つ
を挙げていた。

その他、人柄のにじみ出る面白い講演であった。

見えない敵と戦うには

(2005年9月15日メルマガより)

■前回は、本当に怖いのは「見えない敵」だということをお話しました。

コンサルタントが課題に取り組むときも「本質的な問題」を発見しないこと
には対応策を出すことができません。

敵がどういう考えを持ち、どういう特徴があるのかを知らなければ、対処の
しようがありません。

■では「見えない敵」と戦うためにはどのようにすればいいのでしょうか。

■ひとつは予測して、対応策を用意しておくことです。

「既存のライバル」「仕入先・販売先の寝返り(?)」こういったものは、
見えない敵ではありません。

十分、動きが予測できる敵です。

しかたがって、ある程度、備えをすることができます。

■「新規参入業者」は、ある程度、見えない敵です。
スケルトン程度ですかな(笑)

市場が儲かれば参入業者が現れることは予想できますから、これも、準備は
しておかなければいけません。

ただし、こちらの土俵にわざわざ出向いて戦ってくれるわけですから、不利
な戦いではありません。

むしろ「強者の戦略」で、対処することができます。決して恐れることはあ
りません。

■「代替品」は、やっかいです。これは見えない敵といってもいいでしょう。

自社の商品(ビジネス)がある日、全く違うビジネスに置き換えられるので
す。

ポケットベルは、携帯電話の出現で、消滅しました。

カメラという商品は、デジカメに置き換わりました。

CDも、ネットワーク配信に置き換えられ、風前の灯火です。

いずれも、消費者の目から見れば「なくなっても困らないものリスト」に入
ってしまったわけです。

■メーカーの方は「いや、うちの商品には、それなりの良さがある」と言わ
れるでしょうが、残念ながら、それは作り手側のエゴでしかありません。

それが良いかどうかを決めるのは、メーカーではなく、消費者です。
消費者の「なくなっても困らないものリスト」に入ったら、もう手遅れです。

「それなりの良さ」をうまく活かして、骨董や工芸品のように生きのびます
か?

■そうならないためには...

私は、やはり、消費者の視点に立つクセをつけることだと思います。

マーケティング理論の大家、フィリップ・コトラーは「製品の本質」のこと
を「顧客にとっての便益の束」であると言いました。

難しい言い回しですね。。(^^;

「便益」とは、消費者にとっての「問題解決」のことです。

さらに難しい。。(^^;

■要するに、我々が商品やサービスを購入するとき、その商品そのものの所
有を目的としているわけではありません。

何らかの不便や期待などを感じて「問題解決」することを目的として購入す
るわけです。

例えば、資生堂の福原義春名誉会長は「お客さまは商品を買うのではなく"
きれいになること"を買うのだ」という発言をしています。

チャールズ・レブロンも「我々は口紅を売るのではない。"希望"を売るの
だ」と言っています。

セオドア・レビットは「顧客は、1/4インチのドリルを買ったのではなく、
1/4インチの穴を買ったのだ」と言いました。

お分かりですね。

化粧品がなくても"きれいになること"が簡単にできるならば、化粧品は、
その顧客の「なくても困らないものリスト」に入ってしまうわけです。

1/4インチの穴を開ける必要がなくなれば、ドリルは不要です。

■作り手側が意図して製品にこめた"本質"のことを「製品コンセプト」と言います。

この製品を「希望を求めて使用してほしい」「穴を開けるために使用してほ
しい」という意図です。

「製品コンセプト」と、顧客が感じる「問題解決」がぴったりとはまってい
る時は、製品は生きています。

「製品コンセプト」が、顧客にとって、最良の「問題解決」でなくなれば、
製品は置き換えられます。

■稀に、メーカーが意図しない売れ方をする場合があります。たまたま、消
費者の問題解決に役立ったという場合です。

しかし、これは、喜ぶべきことではありません。

「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」(by野村克也)とい
うわけです。

ラッキーは継続しません。むしろ、ラッキーは手痛い失敗の前兆です。

ですから、メーカーは「製品コンセプト」が、ずれないように全神経を集中
させるべきです。

■もちろんメーカーだけではありません。

あらゆるビジネスは、社会に何らかの「問題解決」を提供しています。

ですから「事業コンセプト」が、最良の「問題解決」かどうかを常に検証す
る必要があります。

それが最良の「問題解決」でなくなった時、ビジネスは一瞬にして置き換え
られてしまいます。

■お分かりでしょうか。

見えない敵といっても、勝ち負けを判断するのは、顧客です。だから、やは
り顧客に選ばれることしか、生きる道はないというわけです。


■クレイトン・クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』によると、
どんな優れた企業でも、革新的な新興企業に敗れる日がやってくるというこ
とです。

その敵は、常識外れのことをやる無数のベンチャーの中から、意図しない成
功を伴って、突然現れます。

つまり、敵はまともな相手ではなく、自然淘汰を勝ち抜いた突然変異のよう
な企業だということです。

これではダーウィンの進化論ではないですか。

ただ、それでも生き残っている"エクセレント・カンパニー"は多数存在し
ます。

"希望"を持っていきましょう!


追記:

■衆議院総選挙が終わりました。すさまじい勢いで自民党が勝利しましたね。

「わかりやすい論点提示が受けた」「首相のリーダーシップが期待された」
などと、巷で論評されていますが、ここで今さら繰り返しをしても仕方あり
ませんので、今後の行方に注目しましょうと言うに止めます。

特別セミナー『ビジネスアイデア創出法』

■特別セミナーのお知らせ!

2005年10月8日(土)午後3時から
      特別セミナー『ビジネスアイデア創出法』を開催します。


■起業をお考えの方、必見のセミナーです。

燃えるような起業家魂をお持ちの方。

それほどではなくても、副業でビジネスをお考えの方。


■起業の第一歩はアイデアです。

よいアイデアなくして起業に踏み切れば、後で、すさまじい苦労をすること
になります。

もちろん、素晴らしいアイデアがあっても苦労するのですから、やる気だけ
で起業すると、なんと恐ろしい苦労が待ち受けていることやら…

普通の人なら、途中でくじけてしまうでしょう。


■だけど、思った以上に、アイデアを出すことに苦しんでおられる方が多い
ようです。

私はわりとアイデア出しには自信がある方ですから、なんでそんなに出ない
んだと不思議に思ったりしたもんです。

ある時、気づいたのですが、アイデアが出ない人は、アイデアが天から降っ
てくると考えていませんか?

それは全然違います!


■アイデアは降ってくるのではありませんよ。

当たり前のことですが、自分自身の頭の中から出てくるものです。

しかも、通常の思考パターンに、ある変化を意図的に加えることで、簡単に
出てくるものです。

アイデアフルな人は、自然にこの思考パターンを身に着けているようです。


■今回のセミナーでは、様々な仕掛けを通じて、アイデアが沸く思考パター
ンを試していただきます。

きっと「こんなんでいいの?」というぐらいアイデアが沸いてきますよ。

起業をお考えでない方は、起業熱にかからないようにご注意ください。


■もちろん、企業の企画担当の方など、アイデア創出が必要な業務の方も、
ぜひご参加ください。



■日時:10月8日(土)午後3時から6時頃まで
    (懇親会を予定しています)

■講師:駒井俊雄(認定インストラクター)

■会場:ホテルオークス新大阪
    〒532-0011 大阪市淀川区西中島1丁目11-34
    TEL(06)6302-5141/FAX(06)6306-2826
    
★ホテルオークス新大阪に宿泊される方は、参加料を無料にさせていただき
ます。

■定 員:20名

■参加料:会員無料、ビジター価格:3000円(お一人様)

懇親会費用:3500円(お一人様)

■お申し込みは、こちら

最も怖いのは見えない敵だ

(2005年9月1日メルマガより)

■「彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず」

知らぬ人がいないほど有名な「孫子」の言葉ですね。
見事に、戦いの本質を言い表しています。


■これをビジネスに置き換えるとどうでしょう。

「顧客、競合、自社をよく理解すれば、ビジネスの競争に勝つことができる」
ということになるでしょうか。

顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)、は、頭文字をと
って3Cとも呼ばれます。

あえていえば、これに経済全体の動き(マクロ経済)を加えることで、経営
環境を把握します。1つのパターンですね。


■ランチェスター戦略は、常に競争相手の存在を念頭に置いた「競争戦略」
です。
競争相手との位置づけを正確に測り、その状況によって、適切な戦略を選び
ます。

市場シェア理論、射程距離理論、弱者の戦略、強者の戦略...これらは、競争
相手との位置づけを測り、その対策を示したものです。


■ただし、実際の経営においては、競争相手が必ずしもはっきりしていませ
ん。いや、むしろ、敵がはっきりしている方が珍しいかも知れません。

いろんな経営者も「既存のライバルは怖くない」と言います。
経験的にも、論理的にも、対応策を打つことができます。

しかし、今日の競争相手は、見えないところから、突如現れます。


■まずは「新規参入業者」です。

その市場が儲かると判断すれば、思いもよらない大手企業や、全く違う論理
性を持つ異業種からの参入があるかもしれません。
紳士的によろしくやっていた業界に、戦闘竜みたいなのが来て、暴れまくら
れるわけです。

■「仕入れ先」や「販売先」も怪しいもんです。

新規参入業者は、その市場に慣れるまで時間がかかるかも知れませんが、販
売先や仕入先が参入してきた場合は、すぐに強敵となります。特にバイイン
グパワーを持った小売店はやっかいです。まさに仁義なき戦いです。

■もっと怖いのは、「代替品」です。

つまり、自分が行っているビジネスが全く他のビジネスに置き換えられるこ
とです。

私の前の職場では、500mlのペットボトルの普及が、魔法瓶の売上に大
きな影響を与えました。

映画がテレビに置き換わり、テレビがパソコンに代替されるかも知れません。
さらにそのパソコンも、携帯電話に取って代わられる日を待っています。

これは防ぎようがないほど、厳しい敵です。厳しすぎて、「時代の流れ」と
呼びたくなってしまいます。


■どうすれば、こういった敵を発見し、対処できるのでしょうか?

これは非常に難しい問題で、特効薬が開発されているわけではありません。

もったいぶるわけではありませんが、私なりの考えは、次回(9月15日号)
で述べさせていただきます。

それまで、皆さんなりのお考えを深めていただければと思います。(^^)

追記:

■とうとう衆議院総選挙となりましたね。

■小泉首相の「争点をシンプルに提示する」方法は見事で感心してしまいま
した。これは、経営においても、十分に応用できます。
やはり方向性や戦略は、思い切って単純化することが重要です。

もう1つは「競争領域を狭く設定する」手法も大したもんです。つまり、自
分のルールに引き込もうとするやり方です。
ただ、こちらはトリックがあからさまで、そろそろ効き目がなくなってきて
います。

■どうもホリエモン騒動ぐらいから、政治も経済もワイドショー化してきま
したね。面白いといえば、面白いのですが、それでいいんだろうか...とさす
がに思いますね。

■それはともかく、解散前に、どこかの議員が「ステルス作戦」という言葉
を使っていました。

悟られないように作戦を遂行する(郵政法案反対議員を集める)ことを、そ
う喩えたわけですね。

まさに絶妙な言葉づかいで、大爆笑したもんです。

■衆議院解散によって、ステルス作戦のインパクトは薄れてしまいましたが、
流行語大賞に推したい言葉でした。

今回は、「ステルス」な競合他者についてのお話でした。

不滅の営業手法

(2005年8月18日メルマガより)

■「どうすれば営業成績が良くなりますか?」という質問を受けることがあります。

セミナーなどで、こういうストレートな問いかけは大歓迎ですね(^^)

とりあえず、私の回答はこうです。

「人の3倍働けば、成績は良くなりますよ」


■聞いている方の反応は、2つです。

「それができりゃ世話ないよ」と、白けてしまうタイプ。

「そうか!やっぱり根性なんだ!」と燃えるタイプ。

経験からいって、素直に燃えるタイプの方が、伸びる可能性がありそうです。


■適当なことを言っているわけではありません。

実際に、私は人の3倍働くことで、成績を上げてきた営業でした。

「単なるバカな営業じゃないの?」と言われそうですが、その通りなので、
反論できませんね。


■根性型営業にも一定の根拠があります。

まずは「経験曲線理論」が働くことです。

これは、1960年代にBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)
が提示した概念で「累積生産量が2倍になると、製造コストは20〜30%
低減する」という経験則から考えられたものです。

古典的理論のひとつですが、何にでもあてはまるので、とても使い勝手のい
い理論です。

つまり「人の3倍営業していると、営業の効率も20〜30%良くなってく
る」ということです。
いささか強引ですが、実際にそうなってきます。最初は下手でも、いっぱい
やっていたら、慣れてくるのは当たり前ですね。

だから、新人営業や、新規参入の際には、バカになりきって、根性型営業を
してみるのもいいもんですよ。


■ところで「3倍」というのは、ランチェスター第1法則から、考えた数字
です。

思い出してくださいね。敵の3倍の数的優位を持つことができれば、必勝で
あるばかりでなく、味方の損害量も軽微で済みます。

だから、営業マンレベルでは、ライバルの3倍、顧客のために働くことに意
味があります。


■ただし、実際に人の3倍働き続けようと思えば、体がもたないでしょう。

私も、ごく若い頃は(バカだったこともありますし)本当に人の3倍働こう
とした頃もありましたが、これは続きません。
むしろ、反動で、燃え尽き症候群にかかってしまいます。(TT)

では、どうするか?

おわかりですね。

重要な顧客に集中して、3倍の営業活動を仕掛けるわけです。


■「パレートの法則」をご存知ですか?

「8−2の法則」とも呼ばれるパワフルで普遍的な法則です。

これは「全体の8割の数値は全体を構成する2割の要素が生み出している」
というものです。
経験則からきた法則ですが、実に何にでもあてはまります。

例えば、「売上の8割は、上位2割の顧客が占めている」とか、「売上の8
割は、2割の商品が稼いでいる」とか応用されます。

つまり、2割の上位顧客を常に押えていれば、8割の売上をコントロールす
ることができるわけです。

一度、自分の売上の構成比を確認してみてください。
まず、この法則に即していますから。


■重要な顧客に限定すれば、ライバルより3倍働くことも可能です。

効率とは、そういうことなんですね。

まずは、データを集めて、自分が絞り込むべき顧客を決めること。

根性型営業はそれからですね。

”コモディティ”ほど儲かる商売はない

コモディティとは、ここでは「価格以外で差別化できない商品」のことを指す。
普通、そのような商品は激烈な価格競争に巻き込まれ、儲かるビジネスにはならない。だから、あらゆる企業は脱コモディティ化を図る。ランチェスター戦略も、弱者の戦略として、差別化による脱コモディティ化を勧める。

だが、これに真っ向から挑んでいるのが、cemexというメキシコのセメント会社である。こちらのやり手CEOが、「セメントほど高収益で儲かるビジネスはない」と挑発的な発言をしている。
実際、この会社は世界3位の売上高を誇り、利益率ではダントツの1位である。

セメントなどの原料は、コモディティ商品の典型である。どこからでも買えるし、品質に違いはない。安いところから買おうというのが、経済合理主義である。
それなら、価格競争に巻き込まれない付加価値の高い商品を扱おうというのが、よくある発想であるが、こちらの会社は、徹底した本業絞込みを行っている。つまり、セメント以外では商売しない。

何をしたのかというと、まず原料調達から、顧客への販売・配達までを一気通貫に自社で押えてしまった。バリューチェーンのすべてをコントロールし、コスト減と強み強化を図ったのである。

このあたり、日本のセメント会社は、メーカー、商社、配送会社と分かれているので、特化のよさもあろうが、逆に思うようなコントロールができないだろう。(といっても事情はよく知らないのだが)

cemexは、バリューチェーンを支配することにより、巧妙に、脱コモディティ化を図ったようだ。つまり、デリバリーの正確さ、スピードで差別化するなどである。(納期に30分遅れたらペナルティを払うなど、ピザ屋のようなサービスもやっているらしい)価格勝負といいながら、実は価格以外でもメリットを打ち出している。

さらに、cemexは、徹底した覇権主義を貫いている。圧倒的なナンバーワンをとるまで戦うのである。薄利多売の商品は市場シェアをとるほど、儲かる。そこでさらにコスト削減のための投資を行い、価格勝負をしかけていくというプラスのスパイラルを生み出す。

メキシコでナンバーワンになったcemexは、潤沢なキャッシュをもとに、M&Aという飛び道具を使って、グローバルに事業を展開する。主にスペイン語圏のセメント会社を買収すると、その地域でナンバーワンになるまで戦い、その会社が潤沢なキャッシュを生むようになると、次の地域へ行くという繰り返しを行う。成功するビジネスモデルを着実に広げていっているわけである。

脱コモディティ化と正統コモディティビジネスをうまく融合するという勝ちパターンをしっかり持っているわけで、そうなれば、「こんなに儲かるビジネスはないぜ」という発言にもなろうもんである。

*ちなみにこの項、「BBT757」というCS放送の番組がネタ元となっております。今日のやつも勉強になりました。

いつまで川原で石を売るのですか?(3)

(2005年7月22日メルマガより)

■前回の続きです。

■大半の製造業者は、消費者に直接販売することはありません。
卸売業者や小売業者を仲介して販売しています。
これら仲介業者のことを一般にチャネルと呼んでいます。

私の経験で言いますが、小さな製造業者は、チャネルを選択するという余裕
がないところが殆どです。
どころか、売ってくれるなら、どこでもいいや、背に腹は変えられん、とい
うところが多いのではないでしょうか。

しかし、その姿勢が実は、後々、足かせになってしまいます。


■私の関わっているある企業は(詳しく書けませんが)家庭用雑貨の分野で
有望な商品を製造しています。有望であると判断したので、関わったわけで
すが。

そこで、販売戦略を立てて、ある小売チェーンと取り組むのが適切だという
ことになりました。

ところが、その小売チェーンは商品コンセプトに興味は示したものの、実際
の販売には難色を示しました。そこが差別化の対象としている小売店にその
商品が導入されていたからです。(社長は、導入されていることすら知りま
せんでした)

しかし、導入されているといっても、ほんの少しのアイテムです。もともと
店のカラーに合わないので、導入されていること自体がおかしいのですが。

ややこしいのはその後で、その店に納入している卸売業者が「専売権」を主
張し、新たなチャネル開拓にクレームをつけてきました。小さな取引額の卸
売業者なのですが、昔からの取引なので、発言も強いのです。

最終的には、その1アイテムを撤退してもらい、戦略どおりのチャネル開拓
ができたのですが、ずいぶん、苦労しました...

その会社は、典型的な「売ってくれるなら誰にでも任す」という方針だった
ようです。社長には、いい加減なチャネル戦略について、大いに反省しても
らいました。


■どこにでも売る、いっぱい売る、という姿勢は、強い商品があるという前
提に立っています。まさに強者の戦略です。

大衆に広く訴求するナンバーワンの商品を持っており、生産力に何の問題も
ないなら、なるべく多くの人に知らしめるのが正しい戦略です。多くの人の
目に触れれば、それだけ売れる可能性が増えます。

しかし、小さな製造業者は、そんな夢のような商品を持っていようはずもあ
りません。
その場合、強者のマネをしていては勝ち目はありません。

例えば、大手メーカーの人気商品をたくさん売っている量販店があるとしま
しょう。そこに、小さなメーカーの類似商品を並べたとして、売れると思い
ます?
あなたがお客さんなら、わざわざよく知らないメーカーの商品を買いますか?

おわかりですね。商品で差別化するのと同じぐらい、チャネルを差別化する
のは重要なことなのです。

ところが、殆どの製造業者がチャネルの差別化ということに無頓着です。

1つには、自社商品が他社の商品と比べて十分差別化できているという妄想
に近い思い込みがあるのかも知れません。

さらには、人気商品のついでに売れるかも知れないという都合のいい期待。

そしてやはり、売れるならどこにでも売ろうという、実質的な「販売戦略の
放棄」があるわけです。

戦略とは、取捨選択するものです。だから、なんでもかんでも売るのは戦略
の放棄です。

これが「川原で石を売る」という行為です。


■ただし、チャネルの選択は、企業戦略です。思いつきで安易に決めるべき
ものではありません。

そのチャネルに実質、アプローチできるのか。
そのチャネルは、自社がコントロールできるのか。
そのチャネルで、本当に儲けることができるのか。

こういった観点から地味に判断することを忘れないようにしてください。


■3回に渡ってお伝えしてきた内容はいかがでしたか。

単純な話です。営業には「誰に、何を、どのように」売るのか。要素はこの
3つしかありません。

こに3つにおいて差別化しなければ、それは「川原で石を売っている」のと
同じことです。

商人道

日経BP文庫から「商人道−商は笑にして勝なり」(藤本義一著)という本が出ている。
内容的には、特にお勧めするほどでもないのだが…「へえーー」という雑学を知る楽しさがところどころある。

商人道とは、文字通り、商人が生きていく上での指針やルールである。江戸時代から綿々と引き継がれてきた教えのようなものがあるようだ。

■商いの三法
始末、算用、才覚のこと。始末と節約は同義に用いられるが、この本では、始めと終わりを明確にすること=帳面を合わせることから来た言葉だと説明されている。算用は利益の計算、才覚は能力のこと。

■商人に常禄なし
商人に安定収入はないという意味。商売の利潤からしか儲けられないことを再確認する言葉である。

■早耳の早倒れ
早耳とは、誰よりも早く情報をキャッチすること。ただ、それを鵜呑みにしては、危険であることを戒めたようだ。

■損して得とれ
これは、あまり知られてないでしょうね。実は、在庫管理の心得を示した言葉なのだそうである。
つまり、在庫品は損をしてでも売り切ってしまい、店頭を活性化して利益に結び付けろということである。

■先用後利
先に「使用」「効用」を提供すると、後から「利益」がついてくるという意味。これなど、顧客ベネフィットを第一とする現代のマーケティング理論にマッチしますね。

「ユダヤ富豪の教え」とか流行っていましたが、日本の商人の教えも、なかなか役に立つかもしれません。

アップルのこの動きは脱PCか

■米アップル、車内で「iPod」利用へ日本で提携拡大 車の中での使用を想定したカーオーディオシステムに力を入れているということです。BMWやメルセデスベンツ、トヨタなどが同社のシステムを採用とのこと。 先日もアップルの話題がありましたが、このシステムは脱PC戦略の一環なのでしょうか。システムを見ていないので分かりませんが、もし、脱PCを本気で目指しているなら、大したもんだと素直に思います。 どうなんでしょう。

いつまで川原で石を売るのですか?(2)

(2005年7月7日メルマガより)

■前回の続きです。

■商品づくりにばかりこだわる経営者がいかに多いかを申し上げました。

もちろん、商品にこだわることは重要です。
しかし、販売は、商品さえよければ成功するものではありません。

販売力とは「総合力」です。
その他の部分でも、差別化することができるはずです。


■まず、市場を選ぶことです。(これを市場セグメントといいます)

「売れるなら誰にでも売ろう」という姿勢は、実際には「買ってくれる人が
幸運にも現れるのを待つ」という意味です。

100人に1人、買ってくれる人が幸運にも現れるとすれば、10個売るためには、
1000人の人の目に触れなければなりません。100個売るためには1万人です。

幸運に任せるということは実に非効率です。


■では、10人のうち1人が買ってくれる状況はどうやれば作ることができる
のでしょうか。

社長さんの熱意でお客さんをその気にさせますか?

できるかも知れませんね。

ただ、社長が直接、お客さんに接することができるのは、限られた数になり
ます。うまくいったとしても、それでは、いつまでも社長の個人事業という
ことです。

むしろ、普通の営業担当者でも、販売できる方法を考えるべきではないでし
ょうか。


■どうすれば、いいのか?もうおわかりですね。

あらかじめ「買いたい」と思っているお客さんを探すことです。

この都合のいい考え方が市場セグメントの基本です。


■市場セグメントの分け方には、デモグラフィック変数、サイコグラフィッ
ク変数、ジオグラフィック変数、行動的変数などがあります。(難しい言い
方ですが)

細分化は、「このように分けたら、同じニーズを持つお客さんが多そうだな
ー」という仮説に基づきなされます。

単純な話、フライパンを売るのに、若い男性にDMを送っても意味ナシです。
やはり、既婚の女性にターゲットを絞ります。
さらに、年齢、所得層、家族のライフサイクルなどを絞り込んでいきます。

お客さんがはっきりしないと、DMを打つにしろ、キャンペーンを行うにし
ろ、無駄撃ちが多くなってしまいますから。


■詳しい話はコトラーの「マーケティング・マネジメント」に譲るとして...


最も単純で、効き目の大きい市場細分化は「地域を絞る」ことです。

殆どのビジネスがこの「地域を絞る」ことで、効果を得ることができます。


■小さなお店なら、自店を中心に半径500メートルに商圏を絞りこんでみ
てください。

近いということはそれだけ便利なことですから、お客さんにとってもメリッ
トがあるわけです。

そのメリットを感じるお客さんを相手に販売を試みてください。


■絞り込むことのもう1つのメリットは、力を集中することができることで
す。

小さな会社は、マンパワーで大企業に負けてしまうと思われがちですが、地
域を絞ると、その中では、小さな会社でも、数的優位を作り出すことが可能
になります。

地域を絞ることで、お客さんに接近し、把握し、管理し、十分な営業力で、
勝てる戦いをすることができるようになるのです。

■迷ったら「地域」を絞れ!

これが、攻めの経営の第一歩です。


■次回は、販売チャネルの差別化についてお話します。

いつまで川原で石を売るのですか?(1)

(2005年6月23日メルマガより)

■仕事がら、販路開拓の依頼をよくいただきます。

最近、ますます増えてきました。

まさに、販路開拓こそ、現代のキーワード。それぐらい、巨大な需要を感じ
ます。


■私も営業コンサルタントを自認しておりますので、どんな依頼も、とりあ
えずはお聞きします。

その際、私が依頼企業にする質問はシンプルです。

「何を、だれに、どうやって売るつもりですか?」


■はっきり言って、99%の企業がこの質問に答えられません。


■一番多いのが「うちの商品はすばらしいから、なるべく多くの人に売りた
いんだ」という類の答えです。

ランチェスターファンの方なら、おわかりですよね。

これこそ、戦略がないっていう状態です。


■弱者の基本戦略は「差別化」です。

差別化とは、商品、対象顧客、販売方法などにおいて、強者と違うこと(も
の)をすること。

これを忘れないでください。

人と違うことをしなければならないのに、「うちの商品はすばらしい」こと
を言い訳に、考えたり工夫をすることを放棄していませんか?

(そうです。商品のすばらしさを言い逃れの材料にしているのです)


■しかも実際には、「差別化」できているすばらしい商品にお目にかかるこ
とはめったにありません。


■経営者から話を聞くとき、ほとんどの時間が商品へのこだわり話に費やさ
れます。

なぜこの商品を思いついたのか。

製造上、どのような困難があって、それを克服したのか。

コストを犠牲にしていかに品質にこだわったか...


■私はいつも「川原で石を売っているようなもんだ」と感じます。

そのあたりで拾ってきた石を川原に並べて売っている状況を想像してくださ
い。

誰がそれを買いますか?


■経営者は怒るでしょうが、大抵の商品は「川原の石」です。

そんな商品へのこだわりは、石についた凹凸程度のものです。

「こんないい商品が売れないはずがない」と言う前に、「この商品では差別
化しきれなかった」現実を直視すべきです。


■その上、すばらしい商品でも売れないのは以前に書いた通りです。



■商品で差別化しきれなかったのなら、他の部分で差別化すればいいわけで
す...


■次号に続く。

インテルの独占市場

■アップルが採用を決めたことで、インテル製MPUはパソコン市場において独占状態となりました。

■不採用となったIBM製や、日本製の「セル」は、ゲーム機市場に活路を見出す狙いです。

 ■ただ、インテルも決して安穏としていられません。 なぜなら、パソコン市場というものがいつまで存在するのかわからないからです。

 ■今のところ、様々なコンテンツ配信の窓口はパソコンというのが大勢です。 しかし、今後、どんな技術が出来てくるかわかりません。 パソコンが突然、使われなくなることだってありえます。実は、独占状態とは、怖いことでもあるのです。

■インテルの戦略は、パソコン以外の需要を見つけることと共に、パソコン市場の寿命を少しでも延ばすことです。 独占市場から獲得した豊富な資金は、ほとんど、そのことに使われそうですね。

年功序列の市場はもう無い

(2005年6月9日メルマガより)

■トヨタが年功序列を廃止。(日経新聞の記事より)

といっても、従業員の処遇のことではありません。

消費者のターゲット設定を年功序列では捉えなくなったというニュースです。

■もともとトヨタは、フルライン戦略をとっています。

フルライン戦略とは、軽自動車から大型自動車まで、一般ユーザーのあらゆ
るニーズに応えていこうとする商品戦略です。

これはランチェスター戦略でいえば、「強者の戦略」に基づくものです。

■市場は需要の集合体です。

すべての消費者が同じニーズを持っていれば、一つの商品だけを作っていれ
ばいいのでしょうが、それはありえません。

■市場には、様々なニーズがあります。

それぞれのニーズに応じた商品を提供すれば、消費者の満足度は上がり、売
上は上がるでしょう。

だから、市場を消費者のニーズごとに分類して、対応しやすいようにしよう
とするのが「市場細分化」の考え方です。

■小さな会社なら、小さく細分化したセグメント1つだけに絞って、経営努
力を集中していきます。

小さなセグメントであっても、その中でナンバーワンを獲得することができ
れば、高い収益を上げることが可能となります。

■大きな会社は、1つのセグメントからの収益だけでは、会社を維持できな
い場合があります。

だから、複数のセグメントを選んで、対応しようとします。

フルライン戦略とは、おおよそ市場のすべてをカバーしようとする考え方で
す。

これは、自動車市場の中で、第1位であるトヨタだけが可能な戦略です。

■ところがニーズというのは、人の心の中のものですから、非常に捉えにく
いものです。

市場細分化といっても、ニーズを的確に分類することは難しく、その基準は、
目安でしかありえません。

例えば、年齢、職業、性別、所得、地域、ライフサイクル、性格、購買契機、
ロイヤルティ...

様々な基準で分類はするのですが、それは「この基準で細分化したセグメン
トなら、似たニーズが多いだろう」という仮説にしか過ぎません。

■しかも、ニーズというものは、状況によって変化していくものだから厄介
です。

一度、ぴたっとはまったセグメントが、いつまでもそのまま通用するとは限
りません。

むしろ、必ず変化するものであるというべきでしょう。

■ランチェスター戦略では、小さなセグメントであってもナンバーワンを獲
得すべきであると説きます。

その前提となるセグメントが、突然、消えてしまったりするのです。

「大阪で一番になるぞー!」って頑張っていたのに、ある日、その大阪が消
えてしまったら、どうですか?

もちろん土地が消えることはあまりないでしょうが、ニーズは消えるのです。

■トヨタは、年功序列で市場を捉えていました。

一般の社員はカローラ、部長クラスになればクラウンとかいった分類です。

それは高度成長期の日本の状況に対応するもの。

年功序列の細分化基準は、高度成長期のトヨタの戦略の基盤となっていまし
た。

■しかし、ご存知の通り、日本の企業社会は年功序列を必要としなくなって
きています。

つまり、年功序列を基準とした細分化ではニーズを捉えられなくなってきて
いるのです。

トヨタが年功序列を無視した商品戦略(レクサスの投入)に変化させたのは、
合理的なことです。

■ランチェスター戦略は、市場におけるシェアトップを目指すことを勧めま
す。

しかしその前に市場は絶えず変化することも忘れてはなりませんね。

アップルのジレンマは?

■「イノベーションのジレンマ」とは、優良企業がその優良さゆえに失敗してしまうという理論です。 その言葉を聞くと、ソニーがなぜ「ウォークマン」というナンバーワンブランドを持ちながら、やすやすとipodにトップの座を明け渡してしまったのかを考えてしまいます。 一説には、自社の開発技術であるMDにこだわったためだと言われています。 ソニー内部にも、MDは過渡期の技術に過ぎないという意見が前々からあったようですが、それでも、独自技術へのこだわりはなかなか捨て切れなかったようで、ネット配信への対応が遅れました。

■アップルは、ipodを発売するにあたり、「iチューンズ・ミュージックストア」というインターネット音楽配信システムをつくり上げました。 ipodをパソコンにつなぐだけで簡単に曲をコピーできる仕組みです。 配信と受信というバリューチェーンの出入口を抑えたわけですね。

 ■今のところ、この戦略がアップルを業界ナンバーワンに押し上げました。 他のレコード業者が、豊富なコンテンツを抱えながら、インターネット配信ビジネスに乗り出せないのは、CDの売上を急激に下げるわけにはいかないという事情があるといいます。(権利関連も相当難しいらしい) このあたり、分かっていながら踏み出せないというジレンマをそれぞれの大手企業が抱えているわけです。

■ただ、アップルのシステムはパソコンを介さなければなりません。これが、1、2年後、アップルのジレンマになるのではないかと懸念されます。

■日本では、すぐにでも、携帯電話でのネット配信が中心になると考えられます。技術的にも、大容量のHDDを携帯電話に搭載することは可能です。 ユーザーにとっては、パソコンなど無い方が、便利なのです。 常識的に考えれば、ナンバーワンであるアップルは、率先して、携帯電話へのネット配信をリードすべきであるのですが、果たして、パソコンとの連携を捨て去ることができるのか。 (アップルは、音楽配信を始めてから、パソコンの売上が伸びています) 見ものですね。

風力発電で世界の電力需要を5倍をまかなえるらしい

受け売りです。スタンフォード大学のチームが、風力発電に適している地域を調査したところ、世界の13%の地域で十分な風力が確認された。ここに風力発電を建設すると、世界中の電力の5倍をまかなえる計算であるということです。

■なんとも、夢のある話ですな。

■風力発電は、超クリーンなエネルギー。二酸化炭素の発生もなく、温暖化対策も一気に進みます。
技術的には、確立されているはずだから、土地の条件や権利の問題がクリアされれば、建設が可能です。

■特にヨーロッパでは、風力発電に適した地域が多いらしい。CSRに敏感な国が多いから、電力の○%は風力発電にしなければならないという法律を作ってしまうかも知れません。ブームが巻き起こるかも。

■風力発電のメーカーのみならず、風力発電を採用すると発表した企業の株価が上がる可能性がりますね。

■ただ、風力発電がらみでは、マルチ商法で扱っているところもあるということなので、注意が必要ですが。実態の見えない話に安易に飛びつかないように。

バーガーキング復活

(2005年5月26日メルマガより)

■マクドナルドに次ぐ2位のファーストフードチェーンのバーガーキングが、
業績を回復させている。同社は、業績低迷が続き、過去14年間で、CEO
が10人交代する状況であったが、現在のグレッグ・ブレネマンCEOは、
立て直しに成功した模様。「ニューズウィーク」5月25日号の記事より。


■バーガーキングって、ご存知ですか?

アメリカでは、マクドナルドに次ぐ、2位のハンバーガーチェーンです。
(3位はウェンディーズ)
以前は日本にも進出していたのですが、2001年に撤退してしまいました。


■だけど「ウォッパー」(ワッパーと言う人も)という馬鹿でかいハンバー
ガーは、今でも、根強い人気を保っています。

インターネットで検索したら、結構、ファンがいるようです。
「アメリカで食べたぞ」とか「沖縄の基地の中にはまだあるらしい」とか、
写真入で、ブログに書いている人がいました。


■日本からは撤退してしまったバーガーキングですが、本国アメリカでは、
最近、長い低迷から脱して、復活を遂げつつあるようです。


■アメリカでは、1位のマクドナルドも好調です。

マクドナルドは、一般アメリカ人の消費ニーズを「健康」と読みました。

そこで、ジャンボサイズの製品を減らし、サラダをつけたセットを前面に出
すことで、業績を向上させています。


■こういう場合、2位の企業がどういう戦略をとればいいのか、わかります?

ランチェスター戦略では、強者の戦略を「ミート戦略」、弱者の戦略を「差
別化戦略」と説いています。

強者(1位企業)は、2位以下の企業のミート(真似)をすればいいのです。

ところが弱者(2位以下の企業)は、1位の真似をしていたら、つぶされてし
まいます。

考えても見てください。似たような商品が、同じ店で、同じ値段で、売って
いた場合、1位のよく知っている企業の商品を捨てて、後発のよく知らない
会社の商品を選ぼうと思いますか?

それなのに「あそこは儲かっているらしいから、真似してみよう」って安易
に考える企業のなんと多いことか!

いいですか。弱者は、強者と差別化しなければ生き残れません!


■バーガーキングは、あえて、ヘルシー路線の逆をいきました。

市場調査をすると、「18%のコアなファンが、売上の49%を占めている」
ことが分かりました。

コアなファンとは、毎日でもハンバーガーを食べていたい人たちのことです。

バーガーキングは、一般の健康を気にするお客さんを捨てて、この人たちに
ターゲットを絞りました。


■ずばり、顧客ターゲットは「18〜34歳の男性で、アメリカンフットボ
ールが好きなセールスマンや事務員」

ここに「一点集中」することが業績回復の鍵となりました。


■商品開発のポイントはとにかく刺激を上げること。

スパイス好きにはペッパーたっぷりのチーズを挟んだチキンサンド、カフェ
イン40%増量のコーヒー、朝食には760キロカロリーのオムレツサンド
イッチという具合です。

まさに「健康度外視で売れ!」というわけです。


■もともとファーストフードチェーンのビジネスは「味」に対するこだわり
や繊細さよりも、マーケティング力で勝負が決まります。

つまり、顧客セグメントをどうするのか、ターゲットをどこに絞るのかとい
う根本的な戦略面で間違わないことが、決定的に重要なのです。

その点、強者マクドナルドの逆を張った戦略はシンプルで強固です。


■プロモーション戦略として、バーガーキングはAOLタイムワーナーや雑
誌「スポーツイラストレイテッド」と提携し、バーガーキングの店頭や様々
なメディア上で、相互プロモーションを展開しています。これはもちろん、
「18〜34歳の男性で、アメリカンフットボールが好きなセールスマンや
事務員」にアクセスするための方法です。


■さらに面白いのは、「従順なニワトリ」という名のバーガーキングの広告
サイト。

ニワトリの扮装をした男が、ユーザーが打ち込む命令に応じて、様々なポー
ズをとるという趣向のライブサイトです。(実際は数パターンの録画)

実は、このサイト、ポルノ女優がユーザーの言うとおりの姿勢をとるという
アメリカでは一般的なアダルトサイトのパロディだそうです。

このギャグが受けて、初日に100万件のアクセスがあったということです。


■ここまで来れば、悪乗りというか、なんというか。

この遊び心も、明確なターゲット選定があってこそです。

戦略はシンプルに、実行はクレイジーに。これが成功の鉄則です。

それにしても、ゲーム感覚で、なんとも楽しそうですな。


■バーガーキングの現在のCEOであるグレッグ・ブレネマンは、16年赤
字だったコンチネンタル航空を立て直した手腕を買われて、現職に就任しま
した。

以前の職場でも「ビジネス客」にターゲットを絞るという戦略設計で、業績
を向上させました。

だから、この手法は、ブレネマン氏の得意な戦法なのかも知れませんね。


■ブレネマン氏が、ランチェスター戦略の理解者であったかどうか分かりま
せんが、あまりにも見事な「ランチェスター事例」ではありませんか。

バーガーキングが復活(米)

■バーガーキングが復活(米)
 

マクドナルドに次ぐ2位のファーストフードチェーンのバーガーキングが、業績を回復させている。

同社は、過去14年間で、CEOが10人交代する状況であったが、現在のグレッグ・ブレネマンCEOは、立て直しに成功した模様。(ニューズウィークの記事より)


ブレネマンは、バーガーキングのターゲットを「ハードなファン」に絞った。ある市場調査によると、アメリカ人の18%の「ハードなファン」が、全体の売上の49%を占めているという。


そこで、同社は、ターゲットを18-34歳の男性で、アメリカンフットボールが好きなセールスマンに絞った。商品は、刺激の強い、ボリューム重視のものに特化。「健康度外視」の商品づくりである。


業界1位のマクドナルドが、ヘルシー路線を進む中、同社のとった戦略はまさに「弱者の戦略」である。教科書どおり。


 面白いのは、そんな路線を走っていても、健康志向派の批判は業界1位のマクドナルドに向かうという。 ブレネマンは、コンチネンタル航空を立て直した時も、ターゲットを「ビジネス客」に絞ることで業績を好転させている。得意なやり方なんであろうか。


 同社のように、ターゲットが一定の条件(規模、近づきやすさ、競合状況)に合うならば、思い切って絞込むことは最大最善の戦略である。 

沖縄で「ランチェスター戦略セミナー」を開催します

沖縄の皆さん、お待たせいたしました!
いよいよ、ランチェスター戦略セミナーが、沖縄に上陸します。

なにを隠そう、私は、沖縄県産業振興公社の登録専門家でもあり、沖縄が大好きな人間です。夢は、沖縄に移住すること(^^)/

今回は、振興公社の特別のお計らいもあり、セミナーを開催させていただくことになりました。

ただし、今回は、会場の都合もあり20名限定です。

お早めにお申し込みください!

日時:6月9日(木)18:30〜20:30
会場:沖縄県産業支援センター 3階小会議室
定員:20名
会費:5000円
講師:駒井俊雄(ランチェスター協会認定インストラクター、ランチェスター関西事務局長、中小企業診断士、販売士1級、千里金蘭大学非常勤講師、沖縄県産業振興公社登録専門家)←いっぱい書いておきます(^^)

お申し込みはこちら

どうすれば、売上がアップするのだろうか?
合理的に販売力を上げる方法はあるのだろうか?
小さな会社でも大企業と戦えるのだろうか?
そんな悩みにお答えします!!


いつまで「川原で石を売る」ようなビジネスを続けるのですか?

「川原で石を売る」…昔、そんな内容のマンガがありました。ある男が、その辺りで拾った石を集めて川原で売ろうとする話です。当然売れなくて、男が悩む…
しかし、今、私はその男のことを笑えません。
なぜなら、殆どの中小企業が、どこにでもある商品を、ありふれた方法で、不特定多数の人に売ろうとしているからです。
これでは、川原で石を売ろうとしている男と何ら変わらないと思いませんか?
「いいや、うちの商品は違う!これは画期的な商品だ」しかし、そのマンガの男も言っていました。
「この石はそこらの石ではない。よく見てくれ」


中小企業は、人まねをしてはいけない

“最強の販売戦略”といわれるランチェスター戦略は、「弱者の戦略」として、差別化を絶対の条件としています。つまり、小さな企業は、人まねをしてはいけない。商品、販売方法、標的顧客のいずれか(またはすべて)において、人とは違った取り組みをしなければならない。もし、安易に「あの会社は儲かっているようだから、まねしてみよう」と考えるなら、1件の例外もなく、生き残れません。


ランチェスター戦略を知れば、勝ち残れる! 

ランチェスター戦略は、大企業から中小企業まで数多くの企業が導入し、実績を上げた経営戦略のバイブルです。勝ち方の原理原則を身につけ、今こそ、不確実なビジネス大競争時代に立ち向かおうではありませんか!!

ランチェスター戦略入門セミナーのお知らせ

■5月28日(土)ランチェスター戦略入門セミナーを開催いたします。どうかよろしくお願いいたします。

■日時:5月28日(土)午後3時から5時頃まで
    (懇親会を予定しています)

■講師:駒井俊雄(認定インストラクター)

■会場:ホテルオークス新大阪
    〒532-0011 大阪市淀川区西中島1丁目11-34
    TEL(06)6302-5141/FAX(06)6306-2826

■定 員:20名

■参加料:会員無料、ビジター価格:3000円(お一人様)

懇親会費用:3500円(お一人様)

お申し込みフォーム

■販売なくして経営なし!

企業に利益をもたらすのは、顧客への販売だけであることを思い出してくだ
さい。

我流の販売ノウハウは、限界があります。

継続的、組織的に営業実績を向上させるためには、科学的、合理的なアプロ
ーチが必要になります。

ランチェスター戦略は、統計学とゲーム理論から導き出された販売戦略です。

販売に携わる者であれば、必ずや、大きな気づきがあることを保証いたしま
す。

我々が自信を持ってお勧めするランチェスター戦略入門セミナー。

最強の販売戦略の基本を余すところなく、お伝えいたします!

顧客のためにならない事業は虚業 by松井証券

CS放送で、松井証券の松井道夫社長が出演していた。
これも変わった人物である。自らをエイリアンと称するが、確かに変人である。あまり友達にはなりたくない御仁である。

松井社長は、奥さんの父親から松井証券を引き継いだ。(婿養子であるらしい)そのときの義父の言葉が「まあ、おやんなさい。でも、つまんないよ」(笑)
何がつまんないのか?松井社長の発言を聞いていると、当時の金融庁の方針に振り回される証券会社経営そのものがつまんないという意味であったと想像される。証券会社は、顧客よりも、金融庁の顔色を見てビジネスをしなければならなかった。

松井社長の発想は「顧客のためになることをせよ」である。当然のことなのだが、業界全体が、金融庁方針がすべて、横並びが当たり前だと思っているから、革命的な存在となってしまった。
社長によると、「顧客のためにならない事業は虚業」なんだとか。証券会社を虚業の世界から実業の世界に戻すをテーマにして取り組んできた。
例えば、証券会社ではあたり前であった「外交営業員」。これって、必要なの?と社長は考えた。そもそも株式なんて、自己責任でやってもらう世界なのに、相場予測とかを説明する営業員は無駄である。つまりそんなコストを顧客に支払わせることはない。と、外交営業員を廃止してしまったのである。
こんなバカ社長のもとではやってられれんとベテラン営業員が次々辞めていったそうである。(^^;

だが、発想が顧客志向なので、顧客の支持を得たことは周知の通りである。松井証券は、営業員を置かない代わりに、手数料や保管料を撤廃したり、大幅に下げたりしていったのである。松井証券といえば、インターネット証券というイメージがあるが、あれは、顧客志向を貫いた結果にあるものであって、当初は、顧客にとっていらないものを1つ1つ取り除いていったということである。

日本の個人による証券取引額は50兆円。そのうち、13%が松井証券で取引している。業界1位である。50兆円というのは少なすぎる(韓国よりも少ない。つまり証券取引に対するリテラシーがあまりに低い)ので、これを増やしてやろうというのが、同社の現在の目標である。それで、5年後ぐらいに取引額を50兆円程度にして、社長を引退するそうである。「60歳になって社長なんてやってられんよ」と言っておられた。

それにしても自社の専務のことを「私に言わせれば新入社員と変わらん。社長と役員の間にはそれぐらいの差がある」「副社長や専務を次期社長にするほどバカなことはない」と言い切る。正論だが、社員はやりにくいだろうね。
プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

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