わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

一点集中戦略の落とし穴

(2005年12月8日メルマガより)

■ビジネスチャンスを発見する方法として、「分離」と「融合」という相反
する考え方があります。

これらを使い分けることで、新しい事業アイデアを発想するヒントが生まれ
ます。

■「分離」とは、ビジネスのそれぞれの段階を細かく切り分けて、別のビジ
ネスを発想すること。

たとえば「企画」「製造」「配送」「販売」というビジネスの流れがあると
すれば、そのいずれかにフォーカスして、ビジネスを組み立てます。

「企画」だけに特化するとすれば、それはいわゆる「ファブレス企業」です。

「製造」だけに特化しているのが、中国などの下請け工場です。

「配送」に注目したのは、もちろんヤマト運輸などの運送会社。

「販売」会社ももちろん存在します。

今をときめくipodのアップルなどは、「企画」と「販売」に特化してい
るわけです。

「分離」は、それぞれの企業が"選択と集中"を進めた結果起こるもの。

自社の最も強い部分だけに資源を集中し、他の部分は外注してしまうから、
機能に特化した企業が成り立ちます。


■「融合」とはその逆です。

分断されたビジネスの要素を再び元に戻すという考え方。

「販売」だけをしていた企業が「製造」に着手したり、「製造」メーカーが
「販売」までを直接手がけたり。

つまり最終消費者はそのままに、ビジネスの上下の工程を取り込んでしまお
うということです。


■企業が新規事業を立ち上げる際には、この2つの方法を使います。

どちらが優れているというわけではもちろんありません。

ビジネスは「分離」と「融合」を繰り返していくもののようです。


■ランチェスター戦略でいえば「分離」は、自社機能に特化する"一点集中
戦略"です。

特に経営資源に乏しい小さな企業が、あれもこれもと手を広げていたのでは、
力が分散して、思い通りの動きができません。

だから得意機能に絞り込んで、無駄をそぎ落として、戦うわけです。


■「分離」をした場合、顧客のニーズに最大限、応える努力をしなければ生
き残れません。

これは当たり前ですね。分離するのも、ニーズによりよく応えようとした結
果であるわけです。

ただし、この機能特化は、しばしば致命的な機能不全に陥ります。

なぜなら、自分の直接のお客様に奉仕しようとするあまり、その先である"
最終顧客"を見失ってしまうことが頻繁に起こるからです。

多くの中小メーカーが"販路開拓"に苦しんでいるのも、製造という機能に
特化し、商社や問屋のニーズに応えようとした結果、起こったことです。

商社の言うとおりに作ろう。製品を渡してしまえばそれで完了。。。これで
は、何が売れて、何が売れなくて、その原因が何なのか皆目検討がつきませ
ん。それを繰り返しているうちに、メーカーは目隠ししながら製造している
状況に陥ります。


■顧客の要望に応えるのはビジネスの鉄則中の鉄則です。

それなのに、応えれば応えるほど、最終顧客のニーズから離れていくような
ことが起こりえるのです。

現場では、こういった小さな逆流は日常茶飯事ですね。


■今、アグリビジネスが話題です。

農業ビジネスです。

これまでうまくいっていた体制が金属疲労を起こしている業界です。

戦後の農業は保護政策のもと、農家、農協、卸市場、小売店という機能分離
で進められました。

ところが、それぞれの機能が硬直化し、業界常識でビジネスを行うようにな
ってしまいました。

消費者は安全で美味しい野菜を求めています。

生産者も、より質の高い、安全な野菜を作ろうと努力します。

ところが、中間業者へ持ち込んだ時点で「キロいくら」と判断され、生産の
努力は無視されることがしばしば行われるそうです。

これでは、いいものを作ろうと苦労するのは損で、安く大量に作ることに注
力すれば最も儲かるわけです。

ところが、安さという面では、輸入野菜に勝てません。ところが、品質、美
味しさ、安全という面では、消費者のニーズを満たしていません。

結果として、売れない状況になってしまったのです。
(殆どの業界で、同じ状況が見受けられます)

実は、こういった業界には大きなチャンスが潜んでいます。

現在のアグリビジネスは、農家が直接、消費者や販売業者に"産地直送"す
ることが1つの大きなテーマとなっています。

つまり、消費者により近づき、ニーズを汲み取る努力をすることにビジネス
チャンスを見出すことができます。

消費者はニーズを満たすものを指示します。
少々高くても売れる上、中間マージンも省けるので儲かります。

これは「分断」から「融合」への流れに他なりません。

逆にいえば、たったそれだけでチャンスが生まれるのですね。


■ビジネスで成功する秘訣は「一点集中」して、力を分散させないこと。

ただし、最終顧客の要求を忘れてしまうと、せっかくの集中が的外れになっ
てしまいます。

そういう時は、とにかく最終顧客に近づいて、要望に応えることです。

編集後記:

■石垣島に小さなアクセサリーショップがあるそうです。

そこは、海岸で拾った石や貝を加工して販売しています。

つまり原価は人件費のみ。

小さな店なのに、人を数人雇うほど繁盛しています。

■こちらのオーナーは"内地"の人だとか。

もともと石垣島にいる人は、拾った貝殻がビジネスになるという発想はなか
ったのかも知れません。

デザイナーのセンスもあるでしょうが、石垣島で買うという特殊性がこのビ
ジネスの成功の要因だと思えます。

■こうなればやったもん勝ちですね。

大阪の若手デザイナーを何人か招いて、国際通りの店で、沖縄をテーマにし
たブランドを立ち上げるというのはいかがでしょうか?

賛同する新進気鋭のデザイナーがおられたら、協力しますよ^^

やりませんか?

しぶとく生き残る専業メーカー 朝日ファスナー

日経MJ12月2日号より

■朝日ファスナー

巨人YKK(市場シェア9割以上)に対して、しぶとく生き残る専業メーカー。

武器は、1本から受注。10日で納品という小回りとスピード。調達に国内外の中小企業を組織化し、小ロットでも採算がとれるようにしている。実質、国内メーカーで生き残るのは、YKKと同社のみ。

今後の戦略は、ファッション業界への対応。ビンテージ加工などで実績がある。今年は、ファッション専門学校と組んで、ショーを開催。これをきっかけに、業界で注目され、取引が拡大している。吉田カバンやコムデギャルソンなどと取引を開始。

■スピード、小回り、徹底したニーズ対応、市場の絞込みという弱者の戦略の典型である。

そのための生産体制、社内伝達体制などがどうなっているのか、みてみたいが、この記事からはわからない。

■売上高2億円、従業員20名ということ。これからなんでしょうね。

 

電子マネーが普及期へ

日経MJ12月2日より

■「おサイフケータイ」普及期へ

電子マネー「エディ」がおサイフケータイを展開。利用が広がっている。iモードを上回るペース。au、ボーダーフォンも採用。

JR東日本の「スイカ」も、携帯に展開の予定。

現在はコンビニ、レンタルショップ、自動販売機、空港、家電量販店などで利用。

店側としてもFSP(フリークエンス・ショッパーズ・プログラム)に利用できるのでメリットが大きい。

■ただし、セブン・アイは、独自の電子マネーを導入。

市場が成長期に入ると、競合が増えるのはセオリーどおり。最も利用されているコンビニが独自のサービスを志向するのは仕方ないのだろうか?

相変わらず、消費者無視の姿勢である。。。

ソフトバンクやイーアクセスなどの携帯電話新規参入組の動向はどうか?

■このあたり使用者の立場に立てば、ビジネスチャンスが大きいのではないかな。

店側は、電子マネーの種類ごとに読み取り端末が必要になるのは大変である。マネーごとに、保証金とか契約金とかとられるのもたまらんだろうし。互換性のある端末の開発なんてどうだろう。

消費者としては、一本化して使いたい。各マネーの交換サービスなんてあってもいいだろう。レートとか決めてね。

アキバ観光ツアー

日経MJ11月28日より

■日本旅行が、秋葉原ツアーを企画。フィギュア店、メイド喫茶。ガイドもコスプレ。

ワロタという類の企画ですが… これに需要があるのでしょうか?他地域の商工業者がターゲットでしょうか。

旅行というのはニッチ需要の塊ですね。企画もしやすいし、中小企業の参入が比較的容易な業界です。

私の友人は、個人で「金持ちをフランスのスキー場へ連れて行く」旅行会社を運営しています。楽しげですよ。

それはともかく、今やアキバは国際的な競争力を持つブランドに成長しつつあるようです。

少し前、メキシコ2世の青年が「アキバグッズをメキシコに輸入販売するビジネスをする」と息巻いていましたが、その後どうなったのか。。

街頭テレビが”復活”する?

日経MJ11月28日より

■街頭テレビをIP放送を使って配信。埼玉のベンチャー企業。

先日「ビジネスアイデア創出法」セミナーをしましたが、アイデア発想の1つに”リバイバル”があります。過去に流行した商品やサービスを復活させるやり方です。

映画、テレビ、音楽の世界では常套手段です。昔はやった映画を現代的な視点から、とか、あるいは昔の歌手で新しいCDアルバムを作ったり。ビートルズなんて2年ごとぐらいに復活していますね^^

単なる懐古趣味というわけではありません。物語や音楽の根本要素はあまり変わらないということです。だから、時代設定さえ変えれば、そのまま通用する。

実はビジネスの要素、ヒット商品の要素もあまり変わらないのではないだろうか。その商品やサービスの核をとらえて、現代のニーズに合わせることで、現代でも十分に通用するものになるはず。そう考えるのが、”リバイバル”の考え方です。

セミナーの時、街頭テレビは復活しないだろうか…と言ったら、皆さんに即座に否定されました^^ でも、ちゃんと、あるじゃないですか!

考えたら、街のいたるところに、街頭テレビ(なんとかビジョン)らしきものはありますね。

バスを待つ間、病院、市役所、空港…知らないうちに、街頭テレビに接しています。

この会社は、街頭テレビで天気予報や地域情報を配信、そこに広告を載せることでビジネスとしているようです。まさに地域密着、中小企業のビジネス。IP放送とすることで、場所ごとに細かくコンテンツを変えることができるそうです。ケーブルテレビの会社なんかが、こういうビジネスに取り組めば、コンテンツやインフラを有効に使えるのではないでしょうか。

松下電器の一点集中戦略

(2005年11月24日メルマガより)

■景気は上向いてきたようですね。株価、物価、失業率、様々な指標がそれ
を示しています。

特に目覚しいのがデジタル家電業界です。
JEITA(電子情報技術産業協会)によると、2004年の民生用電子機
器国内出荷金額は、24160億円、3年連続の前年比増です。


■しかし、11月21日の日経新聞を読むと、早くも一部のメーカーが「一人勝
ち」する状況が現出しています。

プラズマテレビ:松下・シェア42.1%

液晶テレビ:シャープ・シェア50.1%

DVDレコーダー:松下・シェア32.8%

デジタルカメラ:キャノン・シェア18.9%

携帯音楽プレーヤー:アップル・シェア32.2%


■ここに上がっていないメーカーは業績を急速に悪化させています。パイオ
ニアは社長が退陣、NECエレクトロニクスは東芝との提携に活路を見出そ
うとしています。

かつてGEのジャック・ウェルチは「4,5位の企業は合併に明け暮れ、苦
しむのが仕事になる」と言いましたが、まさにその状況です。


■プラズマテレビでいえば、松下がシェア42.1%。

これはランチェスター戦略の市場占拠率理論からいえば、相対的安定シェア
という「地位が圧倒的に有利となり、立場が安定する値。首位独走の条件と
して多くの企業の目標値」です。

ただし、市場が黎明期であったり、成長初期の場合は、激しく地位が入れ替
わるので、まだ安泰とは言えないでしょうが。


■シャープは液晶テレビで50%超。

こちらは長年、液晶技術に賭けていた感があり、それが花開いたという状況
です。

プラズマの松下。液晶のシャープ。

それぞれの分野でナンバーワンを狙います。


■ちょうど、今週の「週刊東洋経済」で松下電器の特集をやっています。

それによると、松下電器は、世界市場でもプラズマテレビのシェア22.9
%でトップ。(2005年1月〜6月台数)

この裏側には、プラズマテレビという商品ジャンルに経営資源を集める"絵
に描いたような一点集中戦略"がありました。


■実は、松下電器は、市場を伝統的な日本国内市場ではなく、グローバルな
世界市場の枠組みで捉えなおしているようです。

国内では横綱相撲で戦える松下も、グローバルな市場に目を向けると、サム
スンやフィリップスやLG電子など強敵に囲まれており、安穏としていられません。

さすがの松下も、弱者の戦略をとらざるを得ない。

いや。

フラットテレビ市場は2007年には7兆円規模の市場になると予想されて
います。

そこで、ナンバーワンになるために、松下電器は、大きな経営判断を行った
と言った方がいいでしょう。

「とにかくプラズマテレビに賭けよう」と。


■松下電器は、サムスンやLG電子の韓国勢の投資額をはるかに凌ぐ超大型
の生産工場を建設、生産量とコスト競争力を手にすると、積極的な価格政策
(安売り)で世界中に売りまくっている最中です。

破壊的な価格政策は、体力のない低価格ブランドを押しやり、大手他メーカ
ーのシェアを奪っています。(安売りメーカーの多くは戦意喪失)

消耗戦になって勝算はあるのかという問いに、中村社長は「2010年に需要が
2500万台の時、シェア40%とれば1000万台。価格が10万円としても1兆円
の事業になる」と見積もります。

これは「トップしか儲からない」という強い信念です。

正直言って、松下のような巨大企業に本気で一点集中戦略をとられたら、国
内で「総合家電メーカー」の看板を掲げていた他メーカーはお手上げするし
かありませんね。


■デジタル家電業界は、いちはやくグローバル化しており、日本市場だけを
想定した企業戦略では、もう太刀打ちできないということがわかります。

国内で圧倒的に強いシャープでさえ、海外市場は脆弱で、ソニーやサムスン
の激しい追撃を受けています。特に欧州では、大きく出遅れています。

シャープの町田社長は「売上高8兆円や7兆円のメーカーと同じことを、たか
だか2.7兆円のメーカーができますか」と開き直ったようなことを言ってい
ます。

じゃあ、どうするんでしょうか?


■しかし町田社長の発言も同情すべき点が多くあります。

フラットテレビ市場は、想像を超える速さでコモディティ化していっていま
す。こうなれば、体力があり、寡占化の可能な企業だけが生き残ります。

世界市場を睨んだ場合、町田社長の言うように、規模の小さい企業が、ボリ
ュームの大きい完成品メーカーとして存続するのはきついですね。


■しかし、日東電工や村田製作所など、部品メーカーとしてなら、世界規模
を想定しても、小さな会社が生き残る余地はあります。

サムスン電子も、最初は特定の部品分野に集中投資を行って、圧倒的なナン
バーワンになったことが今日の躍進の足がかりでした。

重要なのは「どの市場でナンバーワンを目指すのか」を見極めること。

松下電器は2007年には7兆円規模になると予想されるフラットテレビ市場で
ナンバーワンになることを目指しています。

小さな企業が、いきなりその7兆円市場でナンバーワンになると言っても、
勝算はありません。小さな会社には、適切なサイズの市場があるはず。

小さな会社は、小さな市場でナンバーワンになれ。

これがランチェスター戦略の結論の一つです。


■もちろん、どの業界にあっても、結論は同じ。

市場が従来の枠組みではとらえきれなくなっていることを確認すること。

その上で、自社に適切なサイズの市場はどこかを見極めること。

そして、選んだ市場で、何が何でもナンバーワンを得ることです。


追記:

松下電器の事例はランチェスター戦略セミナーでもよく事例としてとりあげさせてもらっています。

昔は「強者の戦略」の典型例であった松下電器も、今や「弱者の戦略」を志向しているというお話です。

もっとも、最近では、この戦略が効きすぎて、むしろ「一人勝ちの弊害」に陥っている感があります。

参考:中村邦夫―「幸之助神話」を壊した男 (日経ビジネス人文庫)



選択と集中がなければ生き残れない

日経新聞2005.11.22より

成長市場の代表であるデジタル家電業界ですが、プレーヤーは早くも明暗を分けています。

プラズマテレビ:松下シェア42.1%

液晶テレビ:シャープシェア50.1%

DVDレコーダー:松下シェア32.8%

デジタルカメラ:キャノンシェア18.9%

携帯音楽プレーヤー:アップルシェア32.2%

ここに上がっていないメーカーは業績を急速に悪化させています。パイオニアは社長が退陣、NECエレクトロニクスは東芝との提携に活路を見出そうとしています。
かつてGEのジャック・ウェルチは「4,5位の企業は合併に明け暮れ、苦しむのが仕事になる」と言いましたが、その状況です。

プラズマテレビでいえば、松下が北米市場をにらんだ生産能力アップのための巨額投資を行い、それをきっかけに”体力勝負”の戦いとなりました。日本の市場規模だけで戦略をデザインしていた企業は苦境に陥ったという図式です。

デジタル家電業界は、いちはやくグローバル化し、日本市場だけを想定した企業戦略では、もう太刀打ちできないということがわかります。

すでにサムスンなどは世界規模での戦略デザインを行っており、高いシェアと強い価格競争力を持っています。

そのサムスンに顕著なのが「選択と集中」の徹底。ある分野に特化すると、その分野では世界規模の投資を行って一人勝ちを狙う戦略です。

今のところ、日本市場内で総合家電の看板を掲げていた日本の企業は、サムスンのような一種の”カテゴリーキラー”にやられてしまったというわけです。

一方、調子のいいのが、電子部品のメーカーである村田製作所や日東電工。こちらは、ニッチな分野でナンバーワンを維持しています。市場がもともと小さいので、小さな規模でもナンバーワンになれたということです。

競争がグローバルになったこと。企業の規模に合わせた市場選択が求められること。この二つを抜きにしては、デジタル家電メーカーは戦えない時代に入りました。

経営者に必要な3つのこと 永守重信

本日の日経新聞の第二部はいいですね。保存版にしたい。といって保存するものがやたら増えて困るんですが^^;

世界経営者会議の講演内容を抄出しています。

トヨタ、日産、花王、セブンアイ、レノボ、サムスン、グーグルといった超一流企業のトップ講演が勢ぞろいです。
それぞれ示唆に富んだ内容で面白い。

日本電産の永守社長も個性の強いスピーチを行っています。
日本電産については、以前、ランチェスターセミナーにこられた元社員という方から裏事情を聞いていたので、気にかけているのですが、スピーチの内容はだいたい一貫しています。いいことを言っています。

経営者に必要なこととして、以下の3つをあげています。
1.明確な目標やビジョンを持つ
2.ゆるぎない経営ポリシーを持つ
3.社会に役立つ事業を目指す

どうですか。見事に必要事項が集約されているじゃないですか。

1については法螺話に聞こえるぐらいの目標を掲げよと言っています。楽に達成できる目標なら社員がだれてしまうと。

2は手法ではなく原理原則を尊べ。永守氏は6S(整理、整頓、清掃、清潔、躾、作法)にこだわります。確かに掃除と挨拶をさせるだけで大抵の会社は良くなると言われています。

3は使命です。永守氏は雇用が我々の使命だと規定していますね。

具体的には日経新聞を読んでもらうとして、この人は「きれるなー」と思いますね。

*ただし元社員という方は、すさまじい裏事情を語ってくれました。「死んだ猫でも売ってこい」と押し込み営業を強要されたとか、「社員はつぶしてナンボ」という外人部隊みたいな扱いだったとか。講演と実態があまり違うのでわけがわかりませんね。真偽については不明。

標的顧客をブランドにした会社

日経MJ11月18日号より

市場にフォーカスする手段として、理想の顧客を想定して、マーケティング戦略に活かすというやり方があります。

住宅の販売などの際には、想定する顧客のプロフィールを詳しく作成したりしますよね。

イギリスのブランド「テッド・ベーカー」は、ブランド名そのものが、架空のターゲット顧客となっています。

テッドは腹の出たごく普通の中年男。いささか風変わりな性格が細かく設定されているようです。社内では「テッドは2階にいたよ」とか「今日は釣りに行った」とか普通に会話されているらしい。

同社の社長レイ・ケルビンは「テッドと最も親しい男」
いつもテッドと相談しながら経営しているようです。

同社は、テッドのために服を作り、顧客はテッドの文化を買うわけですな。
だから、広告プロモーションにも、ユーモアがあふれています。風変わりなテッドの気に入る方法を企業は探っているようです。

遊び心にあふれながらも、理に適った面白い戦略です。

ロングテール市場とは

日経MJ11月18日号より

弱者は小さい市場で戦えというのが、ランチェスター戦略の結論の一つです。

つまりニッチ市場というわけです。ただ、ニッチ市場で戦うにしても、”リーチ”がないのが零細企業です。
*ホリエモン用語。到達する手段。

今までは、専門誌に広告を打つ。独自に顧客リストを集める。口コミが広がってマスコミに取り上げられるのを待つというのが限られた方法でした。

ところが、googleの登場やブログの興隆が、口コミ効果を増幅する役割を果たすようになってきました。

AIDMAとよく言いますが、最近は、注意も興味もネット上で喚起される消費者が増えてきました。ブログなどが口コミとなっているわけです。もちろん探索もネットで行います。googleで探索するとキーワードに応じた広告が出てくるので、安い広告料で質の高い見込み客を呼び込むことができます。さらに購入した顧客は、その感想をブログに書いたりするので、それがまた口コミとなっていきます。

今までは死に筋として排除されてきたニッチな需要が、口コミの世界では拾い上げられていくので、ロングテール(長い尻尾)市場というわけです。

実際、ブログをサーチすれば、自社関連商品の書き込みを探すことができます。そこにまめにアプローチしていけば、顧客とリアルに会話することも可能です。見えなかった顧客が見えてくる便利な世の中です。

これからの零細事業に、ネットは不可欠ですよ。

 

無料航空券の登場か

アイルランドの「ラインエアー」という会社が、機内にカジノをつくり、その収益により運賃を無料にするという計画を打ち出しています。

この会社、相当、競争力のある会社です。

昔、今はなき、Dマートで、店員に商品のことを質問した時「うちはDSですから、難しいことは分かりませんよ」と言われました。
こら、つぶれるな、と思ったものです。

低価格路線に特化したなら、その他のことは犠牲にしなければなりません。それが普通の考えですが、競争力のある会社は、そこから一歩ぬき出て”金のかからないサービス”に創造性を発揮します。

サウスウエスト航空の「スタイル&スマイル」は有名ですね。

今回の「カジノ計画」も、その独特の創造性から出たものだと思われます。

面白い会社です。

参考:航空の時代「低運賃の嵐」asahi.com

日本は国家戦略の転換を迫られている

今週の「ニューズウィーク」はインドの特集を組んでいます。今世紀中に中国と並び世界の超大国となることが確実視されているインドの強さをこれでもかと書いています。

インドに特徴的なのが、ハイテク技術に精通した技術者が多いことと、そのわりに低廉な賃金の労働者がやたら多いということです。

確率的には、ごく1部の人材だけが優秀なのですが、人口の絶対数が多いために、欧米や日本を凌駕する人数となっています。同時に、コスト競争力を持つという二重構造を持っています。

これは強い。

日本は、戦後のローテク分野の輸出主導経済から、「ハイテク・サービス」分野に転換を進めています。中国が低廉な労働力を武器に世界の工場の地位を獲得したために、日本は先端技術に特化しないと戦えないというわけです。これは、日本という国家の長期戦略です。

ただ、その中国やインドが、欧米や日本を脅かすほどのハイテク化を急速に進めたために、日本としては通り一遍のハイテク化では太刀打ちできないということになってしまいました。国家のグランドデザインの転換を迫られているわけです。

どうしましょうか。

結論から言えば、日本はまさに「弱者の戦略」を採用し、絞り切った得意分野に特化して、「この分野では日本にかなわない」「日本から買った方がまし」というナンバーワンを1つでも多く持つということが生き残る道でしょうか。

他の分野は思い切って外国に任せてしまう。変な保護政策は禁物です。

イメージとしては、世界のベスト商品やサービスを選択できるように輸入を促進する、また得意分野については、重点分野として税制や教育制度などで支援して輸出を促進するというバランスのとれた国ですね。

徐々にGNPを減らしていって、そういう国にソフトランディングできればいいのでしょうがね。

またやる気のある個人や企業は、日本国内という衰退市場を見限って、中国やインドに独自に行ってもらえばいいでしょう。それぞれの国の法律に従って、それぞれの国のGNPに貢献してもらいます。華僑という存在があるのですから、和僑があってもいいでしょうしね。

どんな世の中になっても、生きる道はありますよ。

できちゃった婚市場

日経MJ11.14より

■デヴューアンドチアーズという会社が運営するブライズエクスプレスは、3ヶ月以内の予約が可能な式場を専門に紹介するサイト。

■一般には6ヶ月前までに予約しないと会場は確保できない。しかし、すぐに結婚したい事情の人もいる。たとえば”できちゃった婚”需要などである。

■いわゆるニッチ需要であるが、同社によれば年間70万組の婚姻組数のうち、20万組は結婚式をあげていないという。その20万組の中に、急で会場がとれなかったという需要を吸い上げようという目論み。

■サイトには、会場予約とともに、ベビーシッターサービスなども盛り込む。

■実はこのビジネスは、会場側にもメリットが大きい。会場の稼働率を上げるために、直前の販売が可能となる。ホテルの宿泊予約サイトと同じである。

■収入は、紹介手数料、周辺サービスの販売など。今後、予約時期に応じた段階価格も設定する予定だとか。

戦略勉強会のお知らせ

■ランチェスター関西の専門家メンバーが議論しあう「戦略勉強会」を一般公
開します。

ランダムに選んだ「企業事例」をネタに、その場で、斬っていきます。
ランチェスター戦略の視点はもとより、金融機関、会計士、営業、IT関連
などといった分野の専門家の視点から、企業の戦略を再確認します。

一方的な講義ではなく双方向的な「議論」であることをご理解いただき、ご
興味ある方はご参加ください。


■日時:12月11日(日)午後2時から5時頃まで
    (懇親会を予定しています)

■会場:エンクル
    〒540-0028 大阪市中央区常盤町1-1-6
    TEL・FAX 06−6944−7237
    http://www.geocities.jp/en_kul/

■定 員:8名程度

■参加料:会員無料、ビジター価格:3000円(お一人様)

懇親会費用:実費

■お申し込みは:http://form1.fc2.com/form/?id=23988

値札を起点に発想する イケア

日経MJ11.7「イケア戦略 起点は値札」

■スウェーデンの家具小売店チェーンイケアが2006年に日本市場へ進出。2度目の試みである。前回は、日本の消費者の品質とサービスへの独特のこだわりに敗退。同社のダルビッグCEOは「日本の家具は品質に比べて高い」と言い切り、今回の進出に自信を見せる。

■いわゆる「よい品を安く」というのが同社の方針である。スウェーデンというと、北欧風のデザインで付加価値路を高め、少々高く…とイメージするが、同社はあくまで手ごろな価格にこだわる模様。

■同社には、10人の専属デザイナーと85人の契約デザイナーがいる。彼らに求められるのは単なるデザインだけではなく、「全工程に責任を持つこと」

もっと具体的に言うと「売価に合う商品を設計する」ことである。

そのためには、デザイナー自身が、販売担当者や委託工場と交渉し、梱包方法まで開発しなければならない。

「理想のデザイン」「理想の品質」を追求したいデザイナーにとっては、なんとも厳しい職場だろうが、こういった「コストの制限」がかかっているところで、最大限の創造性を発揮するのがプロというものであろう。

■売価の設定には、主に、原価志向、需要志向、競争志向という3つの方法がある。最も能がないのが原価志向。市場において、高すぎたり、安すぎたりするのである。

売価から発想する。マーケティングの基本であるが、徹底している企業は少ないと思うのだが…

 

ipodの儲け方に疑問

■携帯音楽プレーヤー市場でシェア75%とも言われるipod。
すさまじく儲けているそうです。

なんと、製品価格の50%以上が粗利。

アップルは企画のみで、安い汎用部品で組み立てているから原価が安い。

■ただ「週刊東洋経済」(10/29)によると、儲けの元はハードのみで、iTunesミュージックストアでは殆ど利益なしとか。
ハードを売るためのサービスのような位置づけらしい。

■これって大丈夫??
ハードはすぐに陳腐化して、コモディティ化してしまう。
その時に、アップルはどこで儲けるつもりなのか?

企画力で、進めるところまで進もうというのか?

しかし、ソニーや他メーカーも手をこまねいているわけではないから、いつまでも先発優位を保てるとは思えない。

思えば、パソコンでも、ハード路線を貫いて、ウィンドウズに惨敗したアップルである。音楽配信ビジネスに特化した企業が、すべてのハードと均等につきあうようになった時、アップルはまた”カルト”に追いやられてしまわないだろうか。。

このあたり、よく注意して見ておきましょう。

2005年日本シリーズを斬る

(2005年10月27日メルマガより)

■ここ数日、私は精神的に辛い日々を過ごしております。こんな屈辱は
めったにあるものではありません。

そうです。

日本シリーズでの阪神のていたらくに絶えづらい衝撃を受けてしまいました。

■今回の日本シリーズ、「2年前の忘れ物をとりにいく」とか、かっこいい
ことを言っておきながら、よもやの4連敗。

しかも、ほとんど勝ち目のない戦いばかりされての4連敗です。

■ここで「プレーオフ制度」や「村上ファンド」に責任を押し付けては、問題
の真因を見誤ります。

そこで今回は、特別企画として、今回の日本シリーズを振り返ります。

■平成17年度のプロ野球日本シリーズ(ロッテvs阪神)は、ご存知のよう
な結果に終わりました。

10−1
10−0
10−1
 3−2

日本一を決める戦いで、このワンサイドは、前代未聞ではないでしょうか。

一体、どこがどうなって、こんな一方的な結果に終わったのでしょう。


■来年から楽天の監督就任が決定している野村克也氏は、その著書
野村ノート』の中で、こう述べています。


 最近、日本シリーズに出た監督が「これがうちの勝ちパターンだから」と
か「ペナントレースと同じ戦い方をする」「ペナントレースの延長だ」とい
うのを聞く。だが私には、それは負けたときの言い訳、逃げ口上にしか聞こ
えない。
 長期のペナントレースと短期決戦の日本シリーズはまったく性質が異なる
ことを考慮していないうえ、短期決戦という特性を利用する機会を放棄して
しまっているようにさえ思える。


私はこの著書にはいたく感銘を受けましたので、今回は、急遽、今回の日本
シリーズを『野村ノート』に則して、振り返りたいと思います。


■野村氏はこの著書の中で、日本シリーズとペナントレースの戦い方は変え
なければならないと述べています。

ペナントレースは146試合の確率戦、日本シリーズは4勝先取の短期決戦。
ゲームの意味合いが違うので、自ずから、戦法も変えるべきであるという考
えです。

聞けば当たり前なんですが、それが実際は、できていないチームが多いとい
うことを指摘しています。

果たして、今回の阪神タイガースは、短期決戦に応じた戦い方ができたので
しょうか。


■野村氏は短期決戦の戦法として

1)戦力分析と具体的な攻略法
2)コンディショニング
3)出場選手の決定
4)どの試合を重視するか
5)無形の力を重視した戦い

を順に考えていかなければならないとしています。


■1)については、こう述べています。


これ(戦力分析)を見誤ってしまうと、劣勢に陥ったまま「どうしたんだ」
「こんなはずではなかったのに」ともがき苦しむうちに短期決戦は終わって
しまう。


阪神タイガースが陥ったのは、まさにこの状況ではなかったか。
つまり、1)の戦力分析ができていなかったということです。

戦力分析というと、経営においても、最初に行うべきものです。
孫子は「彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず」と述べています。
戦いにおいて、準備段階で、勝敗の趨勢は殆ど決まっているのです。

実は、気になる発言があります。
今年のペナントレース。交流戦で、好成績を残した阪神の岡田監督が

「交流戦をやって、考え方が違ってきた。シンプルに打って、守ってをやっ
ていくのがええんや。データはポイントだけ抑えたらいい。頭でっかちにな
ったらアカン」(夕刊フジ6月18日より)

という意味のことを述べています。これは「今の戦力なら小細工をしないで
も十分戦える」という強者の戦い方に他なりません。長期戦に持ち込むなら
この考えも通用するのかも知れませんが、短期決戦では不安定な方法です。

一方のロッテは、かなり綿密にデータを分析し、攻略法を研究した形跡があ
りました。テレビの解説でも「ロッテの打者は、どんな球が来るのか分かっ
ているかのようだ」「ロッテの投手は、阪神の主軸を怖がっていない」と再
三指摘されていましたし、ベンチにはバレンタイン監督お抱えの統計の専門
家が控えていました。

カウントごとの傾向を頭に入れていたのか、あるいはクセを見抜いたのか。
どういう方法かは分かりませんが、この短い間に準備が出来ていたというこ
とです。


■2)3)については、阪神の場合、不動のオーダーがほぼ決まっています。
ところがロッテは日替わり打線です。

ここでも、阪神が強者の戦法、ロッテが弱者の戦法をとったわけです。

不動のオーダーの場合、主軸のコンディションがすこぶる重要になります。
今回のように主軸の調子が悪ければ、成す術がありません。「打つべき人が
打たんと...」と言うぐらいです。

それに対して、日替わり打線と言われるオーダーは、戦略の自由度が高いと
いえます。そういう意味では、ロッテは、元々、短期決戦向きの打線です。

戦力に勝るソフトバンクを短期決戦で下したのは運や偶然ではありません。

しかも、阪神は"予告先発"に応じたことで、ロッテの戦い方を助けること
になってしまいました。


■『野村ノート』には、平成15年の星野阪神の例があげられています。こ
の時、星野阪神は「自分たちの方が力は上だ」という気持ちがあったのでは
ないかと。

絶対的なエースがいる場合、1,4,7戦に投げさせればよい。しかし、そ
うでなければ、エースを第1戦からぶつける必要はない。2戦目に勝つこと
を重視し、第1戦はデータ確認のため、制球力のいい投手をあてるべきだと
述べています。

平成15年は、井川という絶対的なエースがいましたが、それを第1戦に投
げさせることで、結果として阪神の不利を招いてしまったと指摘します。と
いうのは、井川は制球力に難があり、球威で抑えるタイプなので、勝っても
負けても、データを補完することに資さない。勝てば勢いが増すが、負けた
時は何も残らないというわけです。

西武黄金時代を築いた森監督は、圧倒的な戦力を持ちながらも、2戦目に勝
つことにこだわったといいます。

今回のロッテも、阪神に最も通用すると思われた渡辺俊介という"ジョーカー"
を2戦目にもって来ました。

ここから、4)においても、ロッテが戦略的であったことがわかります。

阪神は絶対とるべき試合を決めていたのだろうか?

第1戦に井川を投げさせたのは、エースの奮起を促す賭けだったのでしょう
か。あるいは奇策に出て失敗した時のダメージを嫌ったのでしょうか。

その第1戦で、井川が打たれた後、さしたる手当てもせずに、成り行きに任
せたところを見ると、捨てゲームだという意識が最初からあったのかも知れ
ません。それならば、制球力のない井川という選択は無かったはず。

第4戦になって急に総力戦に出て、僅差の試合を作ることができたのですか
ら、それまでの成り行き試合が残念に思えます。


■5)の無形の力とは、"形のでない力"のことで、情報収集と活用、観察
力、分析力、判断力、決断力、先見力、ひらめき、鋭い勘などということで
す。

ランチェスター戦略には「戦略2、戦術1の法則」があります。

実際の戦闘よりも、その準備段階に2倍の重要性があるという統計的な法則
です。

阪神の選手の戸惑いに比べて、ロッテの選手が準備万端だと感じたのは、私
だけではなかったはず。

確かに、パリーグのプレーオフを戦ってきた選手と、実戦から遠ざかってい
た選手の差が出たという側面もあるでしょうが、それだけでこの結果は語れ
るものではありません。

野村克也氏のいう「弱者の戦法」をことごとく実践してきたのがロッテであ
り、無策であったのが阪神であったと私は感じます。


■岡田監督には「皆で勝ち取った優勝だから皆で頑張ろう。おれは特別なこ
とはせん。普段どおりやろう」という気持ちがあったのでしょう。これでは、
勝負の世界に、無策と言われても仕方ありません。

ただ、一方で、岡田監督は長期的なビジョンでチームを育てることに長けた
監督です。

目先の1勝にとらわれず、いつも優勝争いに加わることのできる常勝軍団を
作り上げることには信頼を置けます。

だから、また来年、日本シリーズに出てきて、今度こそ、弱者の戦法で短期
決戦をモノにしてほしいものです。


追記:

■野村克也氏の『野村ノート』は、阪神の監督時代に配布した「ノムラの考へ」
がもとになっているそうです。
実例満載のとても面白い本ですから、野球ファンの方は一読をお勧めします。

■今回紹介した「弱者の戦法」という言葉を野村氏はよく使います。資金力
のない球団でずっと戦ってきた自負と恨みのこもった言葉です(^^;

ただ、野村氏の野球は、奇策を弄するのが本分ではなく「原理原則」に従う
ことであると真っ先に述べています。
そうではないと、20年も野球界にいることはできなかったと。

このあたり、我々コンサルタントにも通じる言葉として受け止めます。

■ところで、この本の中に、ある選手の話が載っています。

1人は古田選手。野村氏の厳しい指導により自他共に認める球界一の捕手に
成長した古田選手が、野村氏がヤクルトを退団した後は、挨拶1つ、年賀状
1つ寄こさないと。。。多分、古田選手にも、複雑な思いや感情が残ってい
るのでしょうが、これは古田選手が乗り越えなければならない感情の壁だと
感じます。

もう1人は意外な選手です。阪神時代、決して厚遇したとは言えない選手が、
今では真っ先に挨拶に来るのだと。

それは、桧山選手です。

私は、野球評論家の江夏豊氏が「野村監督が桧山を認めようとしない」とい
う意味の発言をするのを聞いたことがあります。理由は不明ですが、江夏氏
は理不尽な扱いであると感じているような口ぶりでした。

その桧山選手が試合後のインタビューなどで「野村(元)監督の言ったこと
がようやく分かるようになりました」と発言しているのです。
野村氏も驚いたようですが「指導者冥利に尽きる」と喜んでいます。

何を隠そう私は桧山選手のファンです。

『ルーキー』という長嶋一茂が阪神の選手を演じる不思議な映画では、ラス
トシーンで、桧山選手がファインプレーをして阪神が優勝します。あの場面
で私は泣きそうになってしまいました。

この逸話で、ますます桧山選手が好きになったことは言うまでもありません。

iPodが勝った理由

今日の日経新聞は面白いですね。5面の「ipodから聞こえる経営」
参考になります。

携帯音楽プレーヤーで75%とも言われるシェアを持つアップル。それまでソニーという圧倒的な強者がいる市場をどのように逆転したのか。

記事ではソニーがハード志向であったのに対して、アップルはソフトを融合したと述べています。

市場が成長期にあるときは、ひたすらハード志向でも勝てるのですが、成熟してくると、さらなる成長領域を探さなければなりません。
アンゾフによれば、3つの方法があります。
1)市場開拓
2)製品開発
3)多角化

1)は、同じ製品・サービスのままで、市場だけを変える方法。ソニーの場合、高齢者専用のウォークマンとか、小学生向け、中高年向けを出すことです。あるいは、受験生の暗記用などという用途に特化する方法もあります。小売店なんかでは、地域を変えるのが一般的です。

2)は、同じお客さんに違う商品やサービスを提供する方法。バリューチェーンを見て、川下、川上に向かうのがよくある方法です。

3)は、全く違うビジネスを展開すること。あまったキャッシュを新事業に投入するわけです。一般には、全くお門違いのビジネスは成功しないので、異業種と融合したりして、強みを活かしながら展開する方法を探ります。

アップルは、2)の方法をとったわけです。デザインの斬新さもさることながら、音楽の供給元を押えたのが今回のビジネスのキモです。ソニーは、自社系列の音楽会社に配慮したのか、あるいはMDの売上を気にしたのか、音楽のコンテンツや集配信の仕組み構築に遅れをとってしまいました。

またファブレス(生産設備を持たず、外部の協力企業に100%生産委託しているメーカー)に徹することで、装置産業の足かせを逃れたことも、記事に書かれていることです。

アップルは、映像配信に踏み込みましたね。これもファブレス企業ならではのスピードです。マーケティング・コンサルタントの西川りゅうじん氏は「ソニーがかつて持っていた”高感度”というイメージをアップルが奪おうとしている」という意味のことを言っていました。

ソニーはなかなか厳しい戦いを強いられていますね。今後、どういう戦略をとればいいのか?
しばらく考えてみましょう。。。

ipodが勝った理由

今日の日経新聞は面白いですね。5面の「ipodから聞こえる経営」
参考になります。

携帯音楽プレーヤーで75%とも言われるシェアを持つアップル。それまでソニーという圧倒的な強者がいる市場をどのように逆転したのか。

記事ではソニーがハード志向であったのに対して、アップルはソフトを融合したと述べています。

市場が成長期にあるときは、ひたすらハード志向でも勝てるのですが、成熟してくると、さらなる成長領域を探さなければなりません。
アンゾフによれば、3つの方法があります。
1)市場開拓
2)製品開発
3)多角化

1)は、同じ製品・サービスのままで、市場だけを変える方法。ソニーの場合、高齢者専用のウォークマンとか、小学生向け、中高年向けを出すことです。あるいは、受験生の暗記用などという用途に特化する方法もあります。小売店なんかでは、地域を変えるのが一般的です。

2)は、同じお客さんに違う商品やサービスを提供する方法。バリューチェーンを見て、川下、川上に向かうのがよくある方法です。

3)は、全く違うビジネスを展開すること。あまったキャッシュを新事業に投入するわけです。一般には、全くお門違いのビジネスは成功しないので、異業種と融合したりして、強みを活かしながら展開する方法を探ります。

アップルは、2)の方法をとったわけです。デザインの斬新さもさることながら、音楽の供給元を押えたのが今回のビジネスのキモです。ソニーは、自社系列の音楽会社に配慮したのか、あるいはMDの売上を気にしたのか、音楽のコンテンツや集配信の仕組み構築に遅れをとってしまいました。

またファブレス(生産設備を持たず、外部の協力企業に100%生産委託しているメーカー)に徹することで、装置産業の足かせを逃れたことも、記事に書かれていることです。

アップルは、映像配信に踏み込みましたね。これもファブレス企業ならではのスピードです。マーケティング・コンサルタントの西川りゅうじん氏は「ソニーがかつて持っていた”高感度”というイメージをアップルが奪おうとしている」という意味のことを言っていました。

ソニーはなかなか厳しい戦いを強いられていますね。今後、どういう戦略をとればいいのか?
しばらく考えてみましょう。。。

例外に注目せよ

(2005年10月13日メルマガより)

■ちょっと古い話ですが、衆院総選挙では、小泉旋風が吹き荒れましたねえ。
評論家の三宅久之が「小泉は帝王になった。あの傲岸不遜な片山虎之助が
平伏していた」と言っておりました(^^)

でも、ほんの5,6年前までは、小泉純一郎は「変人」でした。郵政大臣な
のに郵政民営化を唱えたり、勝ち目のない総裁選に出馬したり。。政界では
トリックスターのような存在でしたね。


■トリックスターとは、はみ出し者、変わり者、イチビリといった存在です。
やはり、ちょっと古いですが、ホリエモンなんかも、トリックスターですね。

良識ある人にとっては眉をしかめたくなるような言動をするのですが、それ
は常識を打ち破ろうとする意思の表れでもあります。

彼らの信念や行動が、常識の壁を突き破れば、社会を変革するような大きな
パワーとなります。

ただし、中途半端であれば、ただの迷惑ないたずら小僧です。


■話は飛びますが、営業コンサルをしているとき、私はこのトリックスター
のような存在にも注目します。

コンサルティングを依頼する企業は「営業成績が伸びない」「どうも営業が
効率的ではない」という悩みを抱えているわけです。

ただ、全体の成績を見ていても、突破口は見えません。

「あーー、成績が下がってるなあ」「いっぱいいるのに、売れてないなあ」
と思うぐらいです。


■そんな時は、一人一人の成績の状況を一覧表にしてみます。(普通は、分
布図にします)

コンサルティングのパターンの1つですね。

すると、必ず「変なの」がいるのです。


■例えば、入ったばかりなのに、やたらに売っているやつ。
逆に、ベテラン営業マンなのに、全然だめなやつ。

顧客のところによく訪問しているのに、成績が伸びないやつ。
逆に、会社にずーーといるのに、成績がいいやつ。

たまに、びっくりするような成績を上げるやつ。
春だけ、成績がいいやつ。


■こういう変なやつを見つければ、しめたもんです。

成績がいい、悪いには、何らかの原因があります。

特に異常値を示す場合には、普通では思いつかないクリエイティブな原因が
潜んでいたりします。

それが、その会社の営業組織改革の大きなヒントになります。

(こちらから、新たな策を提案するより、企業内に答を見つけることが、成
功確率が高いですから)


■変に成績がいい人は、「弱者の戦略」をうまく活用していることが多いで
すね。

「おいしい」お客さんを見つけてそこに集中しているとか、楽な「狩場」を知っているとか、何らかの勝ちパターンを作っています。

ただ「変なやつ」は、なかなか秘密を漏らさなかったりするのが厄介です
けどね。

あるいは、自分では気づいていない原因で、成功している場合もあります。

それを抽出して、誰にでも使えるようにするのが、コンサルタントの仕事で
す。


■ちなみに私も営業マン時代は、「変なやつ」の1人でした。

賞金のかかった営業コンテストの間だけ、成績を上げるという...

反省しております。
プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

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