わたしは価値を創る

大阪在住の経営コンサルタントのブログです。

常識にとらわれない戦略を戦う

(2005年1月5日メルマガより)

前回は、成熟市場にあえて参入することで、収益を獲得する企業の話をお届
けしました。

今回も、常識に反することで、成功する企業の話をお届けします。

■日本をはじめ、先進諸国にとって、最も大きな懸念は、少子高齢化の進展
です。
P・ドラッカーは有名な著作『すでに起こった未来』の中で、少子高齢化へ
の対応こそ、21世紀において最も重要な課題であると述べています。

■パワーとは「量×質」で測ることができます。経済力で置き換えた場合、
「付加価値×労働者数」ということができるでしょう。

■少子高齢化の進展する先進諸国は、量で勝負することはできません。
したがって、いかに付加価値の高い商品やサービス、あるいはビジネスモデ
ルを作ることができるかで勝負します。

■先進国の一流メーカーは、その技術力をフルに発揮し、付加価値の高い製
品を開発することで、市場をリードします。
誰でも作ることのできる商品を製造していては、価格競争に巻き込まれ、満
足のいく利益を上げることができません。
大量生産をすることにおいて、中国のメーカーに勝つことができないという
のが常識です。
だから、日本のメーカーは、付加価値の高いオンリーワンの製品にこだわり
ます。

■だが、この常識に真っ向から挑む企業があります。

■船井電機は、あえて普及品市場にこだわることで、収益を上げ続けていま
す。

■船井電機は、付加価値の高い商品の販売を「薄利少売」と位置づけていま
す。
確かに、導入期の製品を持つ企業は、販売量が少なくても、高い価格で販売
することができます。しかし、成長期に至って、競合会社が登場すると、否
応無しに価格競争に巻き込まれます。
それ以上に、開発費用をかけ続けなければならないのが、収益を圧迫します。

■「普及品の価格は低いが安定している。コストさえ下げれば巨額の利益が
でる」というのが、船井電機の考え方です。

■中国メーカーの強みは、圧倒的な人件費の安さです。日本の従業員の十分
の一、二十分の一といわれる低賃金労働力は、日本のメーカーにとって恐ろ
しく脅威です。

■しかし考えてみれば、その他に、日本メーカーが劣っているところがある
でしょうか。商品力、品質、納期...日本メーカーが負けている部分はありま
せん。

■船井電機は、中国に生産拠点を作ることで、人件費コストの問題をクリア
した上で、設計から製造まで自社内でコントロールする体制を作り上げて、
性能・品質を維持しながら、コストを切り詰める生産能力を身につけました。

■船井製品を購入する米国の企業は「船井製は中国製より安く、性能も高い」
と評価しています。

■ランチェスター戦略の重要な考え方の一つに「戦略2、戦術1の法則」が
あります。
これは、ランチェスターモデル式をつくり、ランチェスター戦略を発展させ
たB・O・クープマンによるものです。

■クープマンの理論は、第二次世界大戦において、軍事戦略として米軍が採
用したことで有名です。
個々の戦闘で勝った、負けたは、戦術レベルの話です。
米軍は、個々の戦闘よりも、戦略レベルに2倍の力を注ぎました。
クープマンの方程式は、戦略を「生産力」と位置づけています。

■船井電機は、生産力を高めるための前提を、生産量と位置づけています。
「質より量」への傾倒です。
生産量を確保することで、全体のコストを下げていく方法は、まさに日本企
業が得意とする戦略です。

■競合他社が退場した後の市場において、普及品の多売路線を突っ走るのが、
船井電機の戦略です。
「月100万台が勝ち残りのセオリー」だと言います。それは、月150万
台がやっとのレーザープリンター市場においても姿勢を変えることはありま
せんでした。

■生産量の確保→生産力向上への投資→普及品市場におけるシェア確保→利
益確保という「儲けのパターン」を作り上げているわけです。

■普及品の生産において中国製にはかなわない。先進国は付加価値の高い製
品で戦え。。。そういった常識に、生産力の向上を背景に、挑んだのが船井
電機であるといえます。

■中小企業がニッチで戦わなければならないというきまりはありません。重
要なのは、独自に儲かる仕組みを決められるかどうかです。

(2005.1.4の日経新聞を参考にしました)

新春第1弾 ランチェスター入門セミナーのお知らせ

■ランチェスターセミナーのお知らせ!

2005年1月29日(土)午後3時から
     『ランチェスター戦略入門セミナー』を開催します。

2005年の年頭を飾る第1弾のセミナーです。

NPOランチェスター関西は「関西を戦略の地に」というスローガンのもと
スタートしました。

それは、このデフレ環境下にある関西の企業にとって「販売する」というこ
とほど必要なものはないと考えたからです。

なぜなら、ランチェスター戦略こそ、最強の販売戦略として、20年以上の
歴史を誇るホンモノの戦略だから。

「販売をする」「売上を上げる」ということに、ここまでこだわるのはラン
チェスター戦略だけです。

我々が自信を持ってお勧めするランチェスター戦略入門セミナー。

最強の販売戦略の基本を余すところなく、お伝えいたします!


■日時:1月29日(土)午後3時から5時頃まで
    (懇親会を予定しています)

■講師:駒井俊雄(認定インストラクター)

■会場:ホテルオークス新大阪
    〒532-0011 大阪市淀川区西中島1丁目11-34
    TEL(06)6302-5141/FAX(06)6306-2826
    http://www.h-oaks.co.jp/shin-osaka/

■定 員:20名

■参加料:会員&ビジター価格:3000円(お一人様)

懇親会費用:3500円(お一人様)

■お申し込みはこちら


2005年最初のセミナーには、ランチェスター関西のメンバーが集結しま
す。

とくに懇親会は、新年会のような様相になるでしょう(笑)

メンバーと触れ合う?チャンスですよ。ぜひ、ご参加ください!続きを読む

2005年年頭のごあいさつ

新年あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
本年もよろしくお願い申し上げます。

ランチェスター関西は、今年、2年目に入ります。
関西で、ランチェスター戦略を普及させ、関西地区の経済発展に寄与することを目標に、これからも頑張っていく所存であります。

そのために、
1.ランチェスター戦略に対する理解を深めるための更なる研鑽
2.ランチェスター戦略を普及させるためのセミナーや研修などの活動

を地道に、着実にやっていきたいと考えております。

ランチェスター関西にとって、今年は、着実な地力をつけるための時期ではないかと私は考えております。

さらなる飛躍を遂げるためには、我々自身が、もっと力を蓄えなければならないのではないか。

我々にとって、力とは、やはり、ランチェスター戦略に対するさらなる理解の深化であり、普及のための伝達方法の手法の確立であり、様々な経営理論との融合であり、デジタルエコノミー時代に適合したランチェスター戦略の理解研究であると思います。

我々がこの活動で得た方々との交流を大切にしながら、単なるPRの手段としてではなく、「本物」のランチェスター戦略を研究し、普及させ得る集団として、階段を上って生きたいと考えます。

何卒、応援のほどをよろしくお願い申し上げます。

家庭用インクジェットプリンター市場

■キャノン 8年ぶり首位返り咲き(日経新聞2004.12.28)

■2004年度の家庭用インクジェットプリンター市場は、キャノン47%、セイコーエプソン41%となり、キャノンが逆転の予想。

■家庭用インクジェットプリンター市場は、典型的な2大寡占市場です。上位2社を併せて88%。まさに一騎打ちとなっています。傍から見ていて最も面白いのがこのタイプの市場ですね。(^^)

■こういう市場は競争に勝った企業がひたすらシェア拡大に向かい「絶対的寡占型」に移行するといわれています。

■キャノンは96年まで首位にいたのですが、その後、急激にシェアを落として、99年にはシェア20%代にまで落ち込みました。普通ならこのままずるずるといくところです。

■ところが、踏みとどまって、シェア1位を奪い返したところが、キャノンの底力ですね。なかなかできることではありません。感心しました。

■もともとセイコーエプソンがシェアを伸ばしたのは、デジカメの印刷技術で先行したことです。確かに、デジカメの出始めた頃は、プリントアウトに苦労していました。一般プリンターで、そこそこ綺麗に印刷できるエプソンのプリンターは市場に受け入れられました。まさに技術のエプソンですね。

■もちろん、デジカメ本体で大きなシェアを持つキャノンも写真印刷の技術を高め、今ではほとんど差がないと言われています。そこで「両面自動印刷」「黒を基調にしたスタイリッシュなデザイン」という細かな差別化と、「量販店に販売員を大量投入」という営業力で、シェアを奪還したという図式です。

■ただ、この市場はじりじりと縮小しており、成熟市場に特徴的な価格競争の様相を見せています。消費者にはありがたいことなんですが、企業にとってはつらいことでしょうね。

■一方のセイコーエプソンは、コピーなどもできる複合機に注力しており、この分野では、圧倒的な1位を保っています。将来的には、この複合機が市場を引っ張ると予想されています。

■ランチェスター戦略では、全体のシェアよりも、セグメント分けしたシェアを重視します。だから、家庭用インクジェットプリンター市場でシェア2位に落ちたからといって、セイコーエプソンが負けたとは、短絡的に言うことはできません。普通に考えると、将来的には、セイコーエプソンがシェアを奪回すると思われます。

■企業規模を比べた場合、キャノンはセイコーエプソンの約2倍の売上高を持っています。(営業利益では約6倍)キャノンが力を入れたら、技術でもマーケティングでもトップに立ちそうな気がするのですが、事業によってポートフォリオがあるでしょうし、そうは簡単ではないようです。

■推測ですが、セイコーエプソンは技術力を重視して、成長市場に常に参加することを戦略としています。(どちらかというと弱者の戦略)これに対して、キャノンは、マーケティング面での強みを活かして、成熟市場における競争に勝つことを戦略にしています。(どちらかというと強者の戦略)

■市場が拡大すれば、セイコーエプソンが優位に立つでしょうし、成熟市場のままならキャノンの戦略が優位です。

■企業業績全体を考えた場合、セイコーエプソンは、ここで圧倒的な1位を獲得して「ブランド」と「金のなる木」をキープしておきたいところです。シナリオとしては、複合機市場が拡大→資金回収→マーケティング面に資源投入→絶対的寡占市場に移行というところ。

■一方のキャノンは、普及タイプを抑えつつ、市場の行方を伺うといったところでしょうか。ただ、キャノンはもともと技術開発に極めて強い企業なので、市場の発展いかんでは、一気に資源投入という事態があるかも知れません。

■ちなみに世界のプリンター市場は日本の約10倍です。1位:ヒューレッドパッカード40%、2位エプソン26%、3位キャノン17%。ただ、ここでは複合機にエプソンが強みを発揮できているとはいえない状況です。

■デジタル家電業界は、浮き沈みが激しいので、目が離せませんね。

来店客データを自動的に収集するシステム

POSシステムの可能性については、皆さん周知のことと思います。

POSとはポイント・オブ・セールス(購買時点)の意味ですが、単にレジで読み取った単品の販売情報を意味するのではなく、仕入れ、配送時の情報も含めたデータ全体を統合し管理するシステムです。

POSシステムを使うと、レジが楽になる、売上登録のモレがなくなる、仕入れ業務が楽になる、という物理面だけでなく、売れ筋死に筋商品が一目で分かる、実効的な棚割計画をたてることができる、販促活動を適切にすることができるなどという販売・在庫管理に生かすことができるようになります。

 コンビ二などは、POSを最大限活かして、売れ筋商品を取り揃えた売り場をつくって、収益性の向上を果たしています。 ただ、実際の運用面では、まだ未成熟な部分もあるシステムです。意思決定のためにデータが十分に加工されていることは稀で、生データにマーカーを引いて、あーでもない、こーでもない、と意思決定者が脂汗を流して考えています。それって、結局、勘じゃないの?といいたくなることもありました。(私など、どこの店とは言いませんが、POSデータ一式をバイヤーに渡されて「社内で発表せなあかんから分析しといて」と依頼されていました。もう何年も前の話ですが(^^;)

理論的には、POSと顧客データを照合すると、だれがいつ何を購買しているかがわかります。何曜日の何時頃にはどんなお客がいくらぐらいのものを買っていく、ということが分かれば、ピンポイントで売れやすいものを品揃えし、PRすることができます。売り場効率を今以上に上げることができることになります。

しかし実際には、顧客データとの照合は極めて難しい作業です。全員が顧客データを記載しているカードを使用して購買しているなら別ですが、そこまでは進んでいません。先進的なお店は、従業員が、顧客の情報を手入力していると聞きます。スーパーマーケットなどがそのような作業をすることは不可能でしょう。

しかも、購入しなかった客のデータは入手することはできません。店にはよく来るのだが、購入しないお客さんというのはいるはずです。この方々を逃していることに直接の対策を打つことはできないものでしょうか。

実はあるのです。夢みたいな話ですが、店においているカメラが、自動的に顧客の属性(年齢、性別)を判断して記録してくれるシステムがあるということです。その顧客が購入すれば、購買データと組み合わせて、総合的に分析することが可能であるという。。。

まだ試験中だということですが、堺のダイヤモンドシティ・プラウには、そのシステムが導入されているらしい。なんか、「2001年宇宙の旅」のHALに見張られているようで落ち着きませんがねーー

現在、ショッピングセンターの出店が多いので、ショッピングセンター同士で競争が激化しています。競争力を高めるためには、有力な専門店にテナントとして入ってほしいもの。来店客データは、テナント誘致の材料としても期待されているということです。

ただ、どこまで精度は期待できるもんでしょうか。こういうのって、発表と実態が違っていたりするもんですがねー(いじわる?)

(2004年12月27日日経新聞より)

コトラーの「新・マーケティング原論」

2002年4月に発売されて、いまだ初版が書店に並んでいる本である。
あまり売れていないのかな。。。

ただ、この本、マーケティングの神様フィリップ・コトラーが、新境地に挑んだものであり、非常に読み応えがある。

ここでとりあげているのは、ニューエコノミー時代のマーケティングである。
学者コトラーの書くことだから、特に予見性や新規性があるわけではないが、数年前の米国の状況を体系的にまとめあげている。
状況をコトラーらしく整理しているという意味で、とても効果的な本である。

私はこの本をランチェスター協会の青木先生から薦められて読んだのであるが、私にとって非常に示唆に富んだ刺激的な内容であった。

なんせ、あのコトラーが「マーケットの変化があまりに速く、マーケティングが追いつけなくなっている」と述べているのである。

ここで提唱されているのはホリスティック(全体論的)・マーケティングという概念である。

近代の経営は、分業を進め、部分効率化を極めることで発展してきたのであるが、それでは市場のスピードについていけなくなってきた。だから全体最適化をしないことには、対応できない。。というわけである。

もちろん、多くのマーケターは類似することを言っているのであるが、コトラー先生は、それをまとめ体系化し、マーケティング活動のフレームワークまでつくってくれている。

内容はいつもの通り、広く浅いものであるが、私のような者にとっては、辞書のように使うことができて重宝するのである。

重要な概念が数多く出てくるので、それはおいおい紹介しますが、まずは、この本を読んでみることをお奨めします。。。

小さな企業は逆転の発想で戦え!

(2004年12月24日メルマガより)

■製品ライフサイクルって、ご存知ですか?

製品にも人間と同じような一生があるっていう考え方です。

一生ですから、生まれて、成長して、大人になって、最後には死んでしまい
ます。

なんか、悲しい気もしますが、製品も最後には死んでしまうんですね。

これって、マーケティング戦略をたてる上で、けっこう使う考え方なんです。


■マーケティング戦略の大家、P・コトラーも「マーケティング原理」の中
で、大々的に取り上げています。

もちろん、ランチェスター販売戦略の創始者、田岡信夫先生もその著書の中
で、製品ライフサイクルについて言及しています。

一般に、製品の一生は
1.導入期
2.成長期
3.成熟期
4.衰退期
に分けられます。

1.導入期には、製品が知られていないわけですから、いきなり売れるわけ
ではありません。知ってもらうために広告宣伝費などを使うので、コスト割
れとなります。

2.成長期になると、売上は右肩上がりに増大します。したがって、利益も
上がります。ただ、競争業者が多く現れるので、厳しい戦いになります。

3.成熟期には、売上の成長は鈍化し、利益もピークを過ぎます。

4.衰退期になると、売上、利益ともに急速に低下します。


■田岡先生は、有名な「グー・パー・チョキ理論」を提唱しました。

導入期には、1点集中でいく。(グー)
成長期には、販売・生産ともに手を広げる。(パー)
成熟期に入る前には、無駄な部分をカットする。(チョキ)


■少し考えてみると、いろんな製品にあてはまりますよね。

ファッションなどの流行品は、わりにすぐに盛り上がって、サッと消えてい
きます。

日用品などは、息が長いですが、一つ一つの製品は、やはり、売上のピーク
というものを経験して、しだいに廃番になっていきます。

たまに10年以上も売れ続けるお化け製品がありますが、これは例外です。

ほとんどの製品は、一生というものを経験します。


■実は、この製品ライフサイクルという考え方、一つ一つの製品だけではな
く、ある製品群や、業界にもあてはまります。

例えば、IT業界、鉄鋼業界、繊維業界などといった大きな枠にも使えます。

IT業界というのは、今、導入期か成長期ですね。

石炭業界というのは、どうでしょうか。衰退産業ですね。

この場合、一生の期間が長いですが、やはり、死ぬことがあるんですね。


■成長期のことを「上がりエスカレーター」と呼んだ人がいます。

まさにその通り。これから、売上と利益がどんどん上がっていくのですから、
勝ち馬に乗るような状況です。

だから、多くの企業は、成長期の製品や業界に着目します。

■ただ、安易に参入するのは禁物です。

確かに、頑張れば、売上も利益も上がるかも知れませんが、成長期にあるお
いしい市場には、競争相手が多く参入します。

びっくりするような大手企業が相手になるかも知れません。

確かに、頑張りと工夫次第では、大きな利益になるんですが、「なんとなく
儲かりそう」という参入では、やけどを負うのが落ちです。


■2004.12.22の日経新聞(関西版)に、関西機械各社が、米国で販売攻勢をかけているという記事が載っています。

一般的に考えれば、機械需要が旺盛な成長市場は、中国です。

ただ、それは誰もが目に付けるところ。価格競争力の強いメーカーが多く参入しています。

米国のような成熟市場においては、もう儲からないので、普通は売り込みにいこうなどとは考えません。

そこにあえて目をつけたのが、関西の企業です。
(クボタ、ヤンマー、森精機、ダイキン工業の例が掲載されています)


■成熟市場の特徴は、平均的に売上が下がること。

この「平均的」というのがクセモノです。

平均的には売上が下がっていても、あるお客さんの層には、逆に売れていた
りします。

クボタは、家庭用小型トラクターを米国で、年間9万台近く販売しています。

ヤンマーは、つり用ボートのエンジンを年間70億円販売しています。

いずれも、ターゲット顧客は、一部の富裕層です。

彼らの求める製品を投入し続けているわけです。

こんな細かなところに目をつけるのは、むしろ中小企業の得意技ではないで
しょうか。


■成熟市場の戦略は「チョキ」でした。

つまり、無駄な部分をカットして、利益を出そうとするわけです。

大きな企業が、手を狭めたら、その市場には、スキマができます。

大企業が、儲からないからと撤退した市場は、中小企業の出番を待っている
ようなものです。


■もちろん、そこにも、競争が存在します。

中小企業だけではありません。

実は、最近、大手企業も経営効率を上げて、そんなスキマ市場を積み重ねて、
業績を上げようとする動きが見られます。

皆、あの手この手で必死なんですね。うかうかできません。

ただ、スキマで向き合えば、大手も中小も条件は同じ。

いわゆる「一騎打ち」です。決して勝てないわけでありませんので、勇気を
持ちましょう!

ただ、決して、勝てない戦いではないことでしょう。


■小さな企業は、逆転の発想で戦え!

小さな企業は、裏道にこそ、実があることを忘れずに。

吉野家、耐え忍ぶ…

日経新聞2004.12.21 「吉野家、FC店支援強化」

■米国産の輸入禁止が続く中、苦闘を続ける吉野家。本体は、営業黒字に転じたもののFC店は苦しい状況である。無利子貸付、販促費徴収中止、店舗買取などの加盟店支援を続ける。

■米国産の牛肉輸入禁止は長期化している。競合店が代替商品を投入して業績を回復させる中、吉野家は意図的に牛丼の再開を拒み続ける。「まずくて高い牛丼を売るわけにはいかない」というわけである。

■日経BP文庫の「吉野家の経済学」などを読むと、牛丼1品に絞ったビジネスモデルが完成しつつあったような印象を受けた。それはとりもなおさず「牛丼の吉野家」というブランドイメージに拠るところが大きい。

■ただ、商品を一つに絞るビジネスはブランド構築は容易であるが、リスクが高いことも事実である。今回、BSEという思いも寄らない不測の事態によって、最悪の状況に至った。

■吉野家は、この事態を受けて、リスク分散するという経営判断もありえるが、ここはさすがに我慢して、ブランドを守るという対応である。吉野家とすれば「これ以上悪いことは起こらないだろう」という開き直りもあるのかな。

■国産牛を使って、「うまくて高い牛丼」をつくることは可能なはずであるが、それでは吉野家のブランドイメージに混乱が生じることは間違いない。やはり、吉野家はあの独特の味の牛丼でしかないのである。

■ランチェスター戦略でいうと、吉野家は牛丼市場における圧倒的な強者である。現在、市場がほぼ停止状況においこまれているが、「牛丼の吉野家」というブランドは、やはりナンバーワンなのである。それは消費者の頭の中でのシェアにおいてナンバーワンなのである。松屋、すき屋、なか卯などは弱者であるため、差別化で対応することは理に適っているが、吉野家としては、短期的施策を講じて、強者のポジションを崩すわけにはいかない。

■なんとこの事態にも関わらず、吉野家は営業黒字に持ち込んだのである。血のにじむ企業努力であろう。FC店にしわ寄せがいっているということはないのかな?とちょっと危惧するが。

■どういう経緯で営業黒字になったのか知る由はないが、それでも苦しい状況であることには変わりがない。営業外損益や特別損失で計上するものも多くあるだろう。他人事ながら、すさまじい我慢比べであるだろうと察する。

■ただ、ここを耐え忍び、牛肉輸入再開の暁には、V字回復は間違いない。なんせ、ブランドイメージは、いささかも変化していないようだから。

■何年かのちに「吉野家の経済学2」が発刊されるのが目に見えるようだ。

■がんばれ吉野家!はやく牛丼が食べたいんだよーー(というありきたりの締めをしてしまいました)

サッポロは復活したのか?

日経新聞2004.12.21 「企業復活2004 サッポロホールディングス」


■ビール業界は、アサヒとキリンが2大寡占企業としてシノギを削る。ともに市場シェアは30代後半である。


■サッポロは、シェア13.2%。サントリー10.4%。こちらも熾烈な争いを繰り広げる。


■そのサッポロが勢いに乗っているという記事である。きっかけは、ビール風アルコール飲料「ドラフトワン」のヒットである。地域スーパーなどでは、「スーパードライ」や「麒麟淡麗」を凌ぐ例があるという。


■「ドラフトワン」の特徴は低価格と独特の味覚。いわゆる商品の差別化を徹底させた事例である。


■ただし、この勢いを一過性のものにしないためには、「ヒット商品の連打が欠かせない」とコメントされている。それは難しいんじゃないの?と他人事ながら感じる。。ヒット商品を連打させる法則があるなら別であるが。。。


■今回のサッポロの事例を単に商品の力と捉えれば、全体を見誤る。マーケティングの古典的な手法に「4P」というものがある。(商品、価格、場所、プロモーションの英語の頭文字をとったもの)商品をヒットさせるためには、まず4Pで考えることが有効である。


■まず、場所。これは13%といえども、販売先をもっていることが大きい。そもそもどんなにいい商品といえども、店頭に並ばなければ、ヒット商品になりえない。ランチェスター理論では、10.9%を「影響目標値」といい、強者への足がかりをつかめるぎりぎりのチャンスであるといわれる。この意味で、サッポロは、市場に影響を及ぼす位置にいるわけである。(サントリーはまさにギリギリのラインである)


■またプロモーションにおいては、九州地区でテストマーケティングを行いPRの方法をじっくりと研究したという。(具体的には書かれていないが…)


■ヒット商品の背景には必ず4Pの背景が見られるのである。表面的なヒット商品の観察では要因がつかめないことに注意しなければならない。


■ただし、この記事だけでは、サッポロの復活が構造的なものかどうかはわからない。これからの観察が必要になる。

事業アイデアに独創性は必要ない

日経新聞2004.12.21 「起業 第9部 異国での挑戦」

■起業に際して、全く新しいアイデアをもってなされることは稀である。たいていは、先行する原型がある。既存のヒット商品や事業アイデアをずらしたり掛け合わせたりすることで、ヒット商品は生まれることが多い。

■例えば、ターゲット層の年齢をずらす(紙おむつ→大人用紙おむつ)、時代背景をずらす(昭和の商店街の再現)、ヒット商品の傍流を探す(携帯電話→携帯ストラップ)、掛け合わせる(洗濯機×乾燥機)

■昔からよく使われる手法が、場所を置き換えるというものである。特に多いのが、アメリカで流行するものを日本に持ってくるというもの。新規ビジネスの大多数が、「翻訳」あるいは「焼き直し」と言ってもいいぐらいである。

■ただし、今回の日経新聞の特集記事は、日本のヒット商品や事業アイデアをアメリカに置き換えることで起業する日本人の話である。

■事例として挙げられているのは、携帯電話の「着メロ」を米国に持ち込もうとしている企業。携帯電話は、日本が世界で最も先行する分野であるので、成立するのである。

■あるいは、日本人の作成するコンピューターソフトを英訳して流通させようという試みもなされている。本場のソフトに比べて、「プログラムのきめ細かさ」では、遜色ないのだという。

■確かに、米国→日本の流れが成立するなら、日本→米国の流れも成り立つ。当然、中国⇔日本も、韓国⇔日本、インド⇔日本も成立するはずである。
日本国内でも沖縄⇔大阪、島根⇔東京など、成り立つはず。

■ランチェスター戦略において弱者の基本戦略は「差別化」である。差別化とは、必ずしもオリジナリティを必要としない。

■それが顧客の便益に寄与するならば、顧客の年齢、時代背景、場所、商品の大きさ、形、色を少しずらすだけで、十分な差別化になるはずである。

ミート戦略の行方

日経新聞2004.12.18「松下電器どこまで強いか5」

■「マネシタ」卒業、知財軸足日経新聞の5回に渡る特集記事である。最近、業績回復を遂げつつある松下電器の秘密に迫る。

■ランチェスター戦略でいえば、松下電器は強者の戦略をとる代表企業であった。セミナーでも事例としてあげることが多い。

■強者の戦略とは「ミート戦略」である。2位以下の企業の差別化を無力化するために即刻ミート(まね)をするのである。2位以下の企業が画期的な新製品を発売しても、半年後にはそれを上回る類似製品を上梓し、圧倒的な販売力で市場をさらってしまう。

■10年前までは、ミート戦略は、松下電器の代名詞のようなもの。ソニーのことを「自社の開発工場だ」と豪語した。

■しかし、現在その戦略は効力が薄れてしまった。松下電器自身も苦しんだのである。

■果たして、松下電器は、強者ではなくなったのだろうか?

■中村社長へのインタビューによると、その理由を「デジタル家電時代に2番手商法は通用しない」と語る。

■ここでもやはり競争のルールが変わってしまったことを示唆している。ニューエコノミーにおいては、情報の発達、技術の先進性、マーケティング手法の進展などから、1番手のアドバンテージを逆転するのは難しい。特にデジタル家電市場は、実力のある手ごわい企業群がひしめく。

■もうひとつのキーワードが「知財」である。ブラックボックスとなっている高度な独自技術を凌駕する開発を短い期間で行うことは、松下電器といえども至難の業である。しかも、各社とも独自技術を特許により法的にガードしている。

■したがって松下電器はその技術力を独自技術の開発に注ぎ、知財戦略を重要課題とする。

■強者の戦略からの脱却。。。デジタル家電市場においては、強者の戦略が成り立ちにくいことを示唆するものではないか。各社とも、独自性、差別化、オンリーワンという弱者の戦略でしのぎを削る。

■ニューエコノミーの特徴は、市場に安定性がないこと。つまり、既存市場のパイを奪い合っても、その市場が明日には消滅しているかもしれない。むしろ、自分が軸足を置く市場を大きく育てる競争になる。

■もちろん業界によっては、ミート戦略が非常に有効である場合もある。ただ、いわゆるニューエコノミーにおいては、競争のルールが変化してきているのは確か。新たな戦略のセオリーを構築する必要に迫られている。

得意分野に集中するとは

日経新聞2004.12.17

■ホチキス首位のマックス(東京都中央区)ホチキスの技術を活かし、エア式釘うち機、食品用ラベル張り機、袋とじ機に展開。


■いわゆる、得意分野に焦点をあてて事業展開する事例である。ただし、この「得意分野」というやつ。表面的な捉え方ではなく、構造に踏み込む努力をすることが必要。単なる得意な業界だから…という理由では、だめ。というのも、今は、既存市場そのものが縮小している。そこにしがみついていたのでは、市場とともに企業が衰退する。


■マックスは、自社のドメインを「留める」ことにあると設定した。「留める」ことに収まることであれば、展開も許される。技術そのものは、新たに開発した。もちろん、市場はゼロから作り上げたわけである。


■さらに、マックスは、ホチキスのビジネスシステムを新事業に応用した。すなわち、本体を販売したのち、「針」のような消耗品を継続販売することで、持続的な利益確保を行うモデルである。


■一口に「得意分野に集中する」といっても、アプローチは様々。(アンゾフのマトリクスがここでは参考になる)ただ、より構造的な”目に見えない”部分に焦点をあてて集中するほうが、努力に対する成果が大きいのではないか。


デバイスこそ付加価値

日経新聞2004.5.15 「松下電器どこまで強いか2 デバイスこそ付加価値」

■いわゆる目に見えない価値こそ最も強靭な価値であるとマーケティングの教科書は教えている。その第一が「ブランド」である。商品は寿命が短いが、ブランドは長い。顧客の愛顧心も強い。

■ただ、最近の事例でみると、ブランド価値が簡単に失墜することが多い。

■雪印、三菱自動車… ソニーさえも勢いを失いつつある。

■ブランドを構築するのは時間がかかるが、崩壊させるのは一瞬で決まるのである。たいていは、企業の姿勢が顧客の信頼を失わせることがきっかけである。これこそ、高度情報化社会の特徴であろう。

■松下電器もパナソニックブランドが、部品の不具合をきっかけに携帯電話端末機のブランド価値を失墜させた経験がある。パナソニックほどのブランドが地位をとどめられなかったのは、製品ライフサイクルの早いデジタル機器ならではの現象であろう。。。

■マーケティングの教科書に書いてあるほどには、ブランドは信頼できない!というのが、この事例による実感である。

■そこで、松下電器は、デバイスを戦略の柱と捉えたという。ここでいうデバイスとは、電子回路だけではなく、いわゆる基幹的な部品やソフトなども指すようだ。

■つまり、製品そのものは、すぐに陳腐化してしまうので、後継機種についても、汎用的に使えるデバイスを開発して、製品開発のスピードアップやコスト削減を果たそうというのである。

■ブランドを構築することに価値がなくなっているわけではないだろうが、ニューエコノミーについては、デバイスの開発も戦略の中心となりつつある。。。という事例である。

米軍変革の問題から

日経新聞2004.12.15「日米安保と米軍再編を考える」

■この特集記事では、米軍再編問題を世界的な規模で捉えていて面白い。

■米軍再編の基本的な考え方は、「テロの脅威に対して、柔軟で、長距離展開の可能な軍隊編成にする」ということであるらしい。

■テロに対しては、兵力数で圧倒する戦い方は、効果が薄い。ランチェスター流にいうと、テロリストは徹底した局地戦で仕掛けてくる。地域を限定されてしまうので、数は通用しない。むしろ、コスト要因となって、作戦全体を圧迫する。

■そこで、高い攻撃力と機動力を持つ「ストライカー部隊」の投入をもくろむ。これは、局地戦における戦闘力のすこぶる強い部隊である。ランチェスターの第一法則でいえば、数よりもE(エクスチェンジレート)を上げることに注力する。

■そのストライカー部隊の投入の前提として、周辺諸国に「受け皿基地」をつくろうというのが、今回の米軍の戦略である。

■ストライカー部隊の戦術力を生かすためには、受け皿基地の確保と整備という戦略が必要になるわけである。

■これはランチェスター流にいうと{1対2}の割合で重要なのである。戦術1に対して、戦略は2重要であるとする、ランチェスター理論の中でも、非常に有効性の高い理論がここで活かされる。

■ただ、ブッシュ政権はEUとぎくしゃくしているので、難航しそうであるという話。

■ランチェスター戦略は、もともと戦争の戦略なので、こういう事例とは相性がいい。ということで書かせていただきました。

ドン・キホーテの火災に思う

■ドンキ・ホーテに放火。従業員3名が死亡。ご冥福をお祈りします。

■ドン・キホーテといえば圧縮陳列である。私も販売士の講座では、幾度も、この店舗の事例を上げさせていただいた。

■社長もいうように、この店は、陳列の常識を打ち破ったのである。いわく、見にくい、探しにくい、手に取りにくい。

■その常識破りが、宝探しのような感覚を呼び起こし、消費にエンターテイメント性を求める「経験消費」のトレンドにマッチしたというのが、解釈である。

■ただ、今回の事件で、同社も岐路を迎えることになるのは間違いない。圧縮陳列が、防災上に欠陥を持つことがクローズアップされたのである。

■報道などを見ていると、同社が、直接的な売上の追求以外の要素に対して、必ずしも真摯に取り組んでいたとは思えないふしがある。従業員や地域住民とのトラブルに端的に表れている。

■ドン・キホーテはマーケティングに「経験消費」という変数を持ち込むことで成功した。それが、今度は「災害」という変数を突きつけられたのである。

■BSE問題でダメージを受ける吉野家の例もあるが、企業は、あらゆる方位へのリスク管理を迫られているのだ。

ゲーム型競争時代は終わらない

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(2004年12月9日メルマガより)

最近の新聞を見ていると、景気の先行きがまだまだ不透明ですね。

(12/8)11月の街角景気、4カ月連続悪化・基調判断を下方修正 
(12/8)7―9月期実質GDP、0.2%成長に小幅下方修正 
(12/8)2003年度実質GDP、1.9%成長に下方修正 
(12/7)10月の全世帯消費支出、実質2%減 
(12/7)10月の景気一致指数、3カ月連続50%割れ 
(12/7)11月の景気DI、4カ月連続で悪化・帝国データ 
(NIKKEI NETより)

ついこの間まで、景気は回復傾向にあるという流れだったはずですが、今や、減退傾向が目立ちます。

もっとも竹中平蔵経済財政担当相は、「登り坂の中での微調整との見方は変えていない」と言っています。

このあたり、いわゆる経済アナリストたちの意見は、「回復傾向派」と「景気先細り派」に分かれています。

まあ、我々としましては、どちらにも対応できる心構えをしておかなければならないことは言うまでもありません。

ひとつ言えることがあります。

それは、もう「高度成長時代のような好景気」は、日本では期待できないということです。

まさか、あのバブルのような景気がまたやってくると能天気に思っている人はいないでしょうけど。。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ランチェスター販売戦略の創始者、田岡信夫先生は、1980年代の著作において、既に「レース型競争」時代が終わり、「ゲーム型競争」時代が到来したことについて言及しています。

「レース型競争」とは、高度成長期にみられるような成長している市場における競争のことです。
そこでは、1着、2着、3着という順位が決まります。
1着:1万円。2着:5千円、3着:3千円みたいな感じで分け前にありつける競争ですね。

それに対して「ゲーム型競争」とは、順位が決まるのではなく、勝ち負けが決められます。
勝ち組:10万円、負け組:0円、ということになります。
勝たなければ、分け前にもありつけません。

言い換えれば、「頑張れば必ず報われる」というのが、「レース型競争」であり、「頑張っても必ずしも報われるとは限らない」のが「ゲーム型競争」です。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

これって、けっこうショックじゃないですか?

なぜって、私などは(40歳)、小さい頃から、親や先生に「一生懸命、頑張れば、必ず成功する」と言われて育ちました。
それが、「頑張っても、成功するとは限らないよ」と現実を突きつけられるわけですから。。。
まるで「正義が勝つ」というのを「ウソだよーん」て言われたような...

もちろん、この厳しい時代にしのぎを削る中小企業の経営者の方は、十分にわかっておられると思います。

◆競争に勝たないと生き残れない。

◆頑張るだけでは勝ち残れない。

◆勝つためには「くふう」して頑張ることが必要だ。

「くふう」とは何でしょうか。

巷には、小手先のテクニックを謳う「ノウハウ本」が多くありますが、私はやはり、原理原則に基づいた戦略を身に着けることが、勝つための唯一無二の道であると信じています。

すなわち
◆勝つためには、戦略が必要だ!

ところで、中小企業の経営者の方とお話ししていて、たまに(というか、
実はしばしば)こう言われることがあります。
「今、がまんすれば、いつかは景気がよくなるだろう」

確かに、気持ちはわかります。また、景気がよくなることはあるでしょう。

しかし、次の時代の好景気とは、高度成長期のような好景気ではありません。

高度情報化社会の特徴の一つは、お客さんに十分な情報が行き渡るということです。

すると、知名度なり、好印象なり、ブランドを確立してしまった企業に、お客さんの関心やオファーが集中します。

すると、実際の力の差以上に、お客さんの支持は広がってしまいます。

(もちろん、逆に不祥事を起こした企業は一気にお客さんの支持を失います。雪印や三菱自動車の例がそれを示しています)

これはつまり、ナンバーワンの企業が生まれやすい環境です。

ナンバーワン:賞金100万円、その他:0円、というわけです。

恐ろしいけど、これがニューエコノミーの競争です。

【マイボイスコムの調査】http://www.myvoice.co.jp/voice/index.html

●よく利用するインターネットのポータルサイトはヤフー74%(04年3月)

●今後、利用したい牛丼チェーンは吉野家41%、松屋12%(04年5月)

●最も使いたい宅配便サービスは宅急便54%、ゆうパック31%(04年1月)

●ネット書店の利用はアマゾン35.5%、楽天ブックス17.6%(02年4月)


要するに、今後、景気がよくなることはあっても、2位以下の企業が「おこぼれ」をもらうことは難しい時代になっているのです。

ゲーム型競争の時代はこれからも続きますよ。

今年最後のランチェスターセミナーを開催します!

お待たせしました!

NPOランチェスター関西の活動の中心である入門セミナーを開催します。

この不透明な競争時代、中小企業は何を道標として経営の方向性をつければいいのでしょうか?
経営者の責任は、決断することであると言われます。
では、何をよりどころにして決断すればいいのでしょうか?

ランチェスター戦略は、情緒を排した戦いの科学であり、不況期に弱者でも逆転することができる方法を明確に示してくれます。

それは戦いのコンセプトであり、かつ、具体的な戦闘の方法でもあります。

この戦略を学び、経営に活かすのは、皆さんです。

私たちは、本気で、この戦略を伝えます。
ぜひ皆さんも、本気で、この戦略を学んでください。

講師は、認定インストラクターであり、ランチェスター関西・事務局長の駒井俊雄が勤めます。
ランチェスター関西スタートの年の最後を飾るにふさわしいセミナーとなるように頑張る所存です。

どうか、今年最後のセミナーをお見逃しなく!

定員は20名です。

終了後、懇親会を開催します。セミナー後の交流も、きっとお役に立つと思います。積極的にご参加ください。

■イベント名 第5回ランチェスター入門セミナー

■講師 駒井俊雄

■開催日 12月10日(金)18:30〜21:00(受付18:00)

■会場 税理士法人 第一会計(8階会議室)

〒530-0043 大阪市北区天満2-7-22
電話:06-6356-3800  FAX:06-6356-3801

■参加料 3000円(お一人様) 

■お問いあわせ info@lanchester-kansai.jp

■申し込み こちら

集中する勇気について

新大阪にあるビジネスホテルの支配人とお会いする。
実は、先日、ランチェスター起業セミナーに来ていただいたのだ。
アフターフォローというほどでもないが、その後の詳しいお話などを聞く。

ビジネスホテル業界も競争が激しい。旅の窓口をはじめ、ネットによる予約が当たり前になり、価格に対する感性が高くなっている。
今日、カカクコムが、ネット予約サイト数社と提携したという記事が日経新聞に載っていたが、余計、価格情報を消費者が握ることになる。

もちろん、価格競争を避けるためには、競争のステージを変えること=差別化が最も適した戦略である。

このホテルも差別化のための様々なアイデアを持っており、結構具体的なところまで考えている。

ただ、やはり「差別化、集中」することは既存のお客さんを選別することになり、そのリスクが怖いという気持ちになる。
差別化戦略を推し進めるとき、必ずネックになるのは、この既存の顧客を失うのではないかという恐怖心である。
ポートフォリオだとか、リスクヘッジだとか、それらしい言葉もある。
言うはやすし、行なうは難し。実際、決断する側が、なかなかふんぎれない気持ちは分かる。

ただ、戦略とは、捨てることでもある。ビジネスマンたるもの、リスクは負わなければならないのである。

実際には、顧客層を狭めたために、客数が増えた事例は枚挙に暇がない。
むしろ、既定路線を続けることに対する客数漸減のリスクの方が大きいのである。

ただし、バクチになってはいけないので、情報を収集して、決断の精度を高めなければならないのは言うまでもないが。

そういえば、「金持ち父さん、貧乏父さん」の中にも、こんな言葉があった。
「もし金持ちになりたいという気持ちが少しでもあるのなら、焦点を絞らなければだめだ。たくさんの卵をごく小さい籠の中に入れる。これが秘訣だ」p211

支配人は「ランチェスター戦略は、自分の考えていることを裏付けてくれた。これで踏み切れるかもしれない」とおっしゃっていた。これからの展開が楽しみである。

北欧企業にみるランチェスター戦略

(2004年11月11日メルマガより)

ランチェスター戦略って、何にでも応用できる戦略です。
これを研究していると本当にそう感じます。

やはり、ランチェスター法則という統計学的な法則に則しているからでしょう。時代や社会情勢が変化しても、そのエッセンスは何ら変わることなく、私たちに有用です。

今回の知恵袋では、世界レベルでの事例をご紹介いたします。

題して『北欧企業にみるランチェスター戦略』

ただ、ことわっておきますが、北欧の企業が、ランチェスター戦略を研究しているとか、ランチェスター協会の会員であるといったことではありませんよ(^^;)
北欧企業の戦略をランチェスター戦略の視点から見ていきます。


1.フィンランド(1)
2.アメリカ(2)
3.スウェーデン(3)
4.デンマーク(4)
5.台湾(6)
6.シンガポール(7)
7.スイス(5)
8.アイスランド(12)
9.ノルウェー(8)
10.オーストラリア(10)
11.日本(16)

これ何だかわかります?

実は、世界経済フォーラム(WEF)が発表した2003年度国際競争力ランキングです。(カッコ内は前年ランキング)

1位は、2年連続のフィンランド。他にも北欧の国が4つもランクインしています。

北欧といえば、高度福祉社会構想が1980年代に破綻して、90年代にはジョージ・ソロスのポンド攻撃に端を発する金融危機に見まわれました。
いわば日本のバブル崩壊後のような状況にほんのつい最近にまでなっていたのです。

そこから、どうやって復活したのでしょうか?

そのあたりのことを「SAPIO」で大前研一氏が解説しています。(2003年12月10日号)

大前氏によると北欧諸国の復活は「人材教育に力を入れた」「徹底して市場開放した」「近隣諸国との協調路線を推し進めた」という方策によるところが大きいといいます。
不良債権を2年で処理すると、規制緩和して市場を開放、外資を呼び込みました。もともとITリテラシー(理解する力)が高かった北欧諸国は、ITとモバイルの力で、社会システム改革をなしとげたということです。

さて、ここからが本題です。

北欧の企業が非常に元気なことをご存知でしょうか。
ノキア、エリクソン、ダニスコ、エレクトロラクス、オプティコン...
知られざるトップ企業がいっぱいあります。

実は、北欧の企業にはある特徴的な戦略があります。
その独特の戦略が、北欧企業の強さを作っているようです。

彼等は、国内市場が小さいために、早くから、国外市場に打って出る戦略をとりました。

ただし...<ここからがキモです>

北欧企業の技術は確かに高いのですが、ドイツのような世界の技術大国と争っては勝てません。
そこで、北欧の一流企業は旧ソ連の国(ラトビア、リトアニア、エストニア)や中央アジア(アゼルバイジャン、カザフスタン、モルドバ、グルジア)に狙いを定めました。

勝ち易きに勝て。

向かうところ敵なしの勝負でした。

一つ一つの国は、小さいものの、それぞれの市場で、高いシェアを集めて、全体では世界に比肩しうる売上と利益を獲得することになります。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

☆ランチェスター戦略に「足下の敵攻撃の原則」というものがあります。

これは、自分より強い企業と競争する場合でも、まともに攻撃をしかけては勝ち目が薄いので、とりあえず、自分より弱い企業を攻撃しなさいという戦略の原則です。

まず弱い企業を叩いて、自分がそれなりの力を蓄えた上で、上位企業に戦いを挑みます。

強いものに真っ向勝負と言えば、勇ましいのですが、それでは戦略が無いと思われても仕方がありません。

競争目標と攻撃目標は別なのです。

北欧諸国の企業はまさにこの「足下の敵攻撃の原則」に基づく戦略行動をとったわけです。


☆さらにもう1つのランチェスター戦略の基本「ナンバーワン主義」

これは、どんな小さな市場でも、2位以下に圧倒的な差をつけたナンバーワンを獲得しなさい!という原則です。

ランチェスター戦略において「全体のシェア」というものはあまり意味をなしません。常に「どの市場でのシェアなのか」に意味を求めます。

全国では小さなシェアしか持たない企業でも、ある狭い地域でなら、ナンバーワンを獲得できる可能性があります。

あるいは、エリアは全国にまたがっていても、顧客を絞りこんだ市場の中でなら、ナンバーワンをとることができるかもしれません。

例えば「顧客の年齢層」「所得レベル」「既婚・未婚」「持ち家か貸家か」「健康志向の強さ」などの基準で、お客さんを特定してみることです。

実は、小さいけれど、とても元気な企業、強い企業の多くはこの独特の市場で、ナンバーワンを持っています。

ただ、外から見ている限り、それがわからない。
あるいは分かっていても、手を出せないような独特の市場なのです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

こうして力をつけたのが、ノキアやエリクソン。
彼等は「バルト海経済圏」という独特の標的市場で、圧倒的な1位を獲得し、満を持して世界市場に打って出たのです。

どんな小さな市場でも、ナンバーワンの地位を持つ企業は強いもの。北欧の企業は、世界市場で敗れても、再度、自分のホームに戻って態勢を立て直す余裕があります。
なぜなら、政治や宗教情勢が複雑なバルト海沿岸や黒海周辺は、他国の一流企業といえども簡単に攻略できない市場となっているからです。

どんな小さな市場でもいいから圧倒的な1位(ナンバーワン)を獲得すべし!
足下の敵を攻撃せよ!

どうですか?
ランチェスター戦略の原則は、ここでも活きているわけですね。

さて、大前氏は、最後にこう結んでいます。
日本は国内市場から、すぐにアメリカや欧州に進出しようとする。しかし、今こそ、黄海、東シナ海、日本海を中心とした経済圏に目を向けるべきではないか?

ランチェスターで起業すれば間違いない!

11月6日、第2回テーマ別セミナー「ランチェスターで起業すれば間違いない!」が開催されました。
講師は、晴山暢彦と駒井俊雄です。

このセミナー台風で一度延期になったのですが、それにもめげずに参加していただいた方、本当に有難うございました。

起業を軌道に乗せるためには、4つの壁があります。
第1の壁:夢を目標に変えるとき
第2の壁:目標を計画に落とし込むとき
第3の壁:計画を実行に移すとき
第4の壁:小さな成功が持続せずに困難にあたるとき

この4つの壁を乗り越えたときに、成功への階段を駆け上がることになります。
今回は、第1の壁と第2の壁にこだわってみました。

第1の壁とは、「夢」についてです。
そもそも夢がなければ、起業しようなんて思いつかないでしょう。
だけど、その夢をじっと見つめてみたときにあやふやであったり、あいまいであったりする人は実に多いのです。
その夢は心の底から出てきたものですか?
本当にその夢でいいのですか?
単に今の状況から逃避したいだけではありませんか?

私(駒井)は、逃避のクチでした(苦笑)
実は、このセミナーは、この私の苦い体験をもとに企画したものです。
「こういう起業は失敗する!」
というのが、出だしとなっております。
自分のことながら、あほなことをやっていたものです。
ランチェスターの「差別化・集中・ナンバーワン狙い」の逆を延々やっていましたから。

恥ずかしながら、自分の失敗を検証し、その逆に成功する起業を成し遂げつつある晴山さんに成功体験をお話していただきました。

また、参加した皆さんには、私が使用した「夢」を明確にし、現実化するためのワークをしていただきました。
きっと、自分の考えや欲求が整理できたのではありませんか?

第2の壁は、目標を計画にする。ビジネスモデルに関してです。
ビジネスモデルとは、「お金を獲得する仕組み」のことです。
すばらしい才能があり、スキルがあり、人脈があり、超人的な努力をしても儲からないものは儲かりません。
なぜなら、お金を生む仕組みができていないからです。
ビジネスモデルが曖昧なままで、見切り発車するほど危険なことはありません。それは確率の悪い賭けをするようなものです。
「ビジネスはバクチではありません」
ビジネスがビジネスとして成立するためには、こう動けば、こうキャッシュが手に入るという流れができていないとだめです。

今回のセミナーでは、皆さんにある演習をしていただき、ビジネス構築力について考えてもらいました。
漠然としたビジネスアイデアを具体化するための考え方が、できるようになれば幸いです。

また、晴山さんからは「運」についてのお話をいただきました。
「運」とは、単なるラッキーではない、というのが晴山さんのお話です。
「運」はくるべき人のところに来る。それは、その人が呼び込んでいるのだ。
その秘訣は「笑顔」「コミュニケーション」「若さ」である。
笑顔は人をひきつけ、人脈をつくるための条件。
コミュニケーションとは基本的に自分から情報発信すること。
若さとは行動力やポジティブさ。
この3つをいつも心がけることで、「運」はその人のもとへ訪れる。

とても分かりやすいお話でした。

また特別ゲストとして、襯▲チュアライズワークスグラムの本田社長にお越しいただきました。
http://www.gramstyle.com/
本田さんは、南堀江でカフェを7軒ほど経営されており、南堀江の仕掛け人の一人と言われています。まだ30代半ばで、現役のプロボクサーでもあります。しかし本人はとても腰が低く、まさに「運」を呼び込むことができる人だと感じました。
本田さんからは、裸一貫から起業した物語のさわりの部分をお話いただきました。

次回、ぜひ、本田さんにお話を本格的に聞く機会をいただきたいと思います。
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プロフィール
komai 小

営業関連のコンサルティングをしています。
製造業や卸売業などの営業組織を強化する仕事を得意としております。

株式会社クリエート・バリュー代表取締役
NPOランチェスター協会理事
NPOランチェスター協会関西支部
NPOランチェスター協会認定インストラクター
中小企業診断士   販売士1級

コンサルタントになる前は、日本酸素株式会社魔法瓶事業部(現在のサーモス株式会社)で14年、営業担当をしておりました。
その時、廃業寸前の赤字だった事業部がわずかの期間で世界トップ企業になった経緯を体験したことが、経営コンサルタントになったきっかけとなりました。
当時、経験したことや見聞したことを物語風にアレンジしたのが、拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』です。
面白い本なので、ぜひ読んでください(^^)

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