日経新聞2004.12.18「松下電器どこまで強いか5」

■「マネシタ」卒業、知財軸足日経新聞の5回に渡る特集記事である。最近、業績回復を遂げつつある松下電器の秘密に迫る。

■ランチェスター戦略でいえば、松下電器は強者の戦略をとる代表企業であった。セミナーでも事例としてあげることが多い。

■強者の戦略とは「ミート戦略」である。2位以下の企業の差別化を無力化するために即刻ミート(まね)をするのである。2位以下の企業が画期的な新製品を発売しても、半年後にはそれを上回る類似製品を上梓し、圧倒的な販売力で市場をさらってしまう。

■10年前までは、ミート戦略は、松下電器の代名詞のようなもの。ソニーのことを「自社の開発工場だ」と豪語した。

■しかし、現在その戦略は効力が薄れてしまった。松下電器自身も苦しんだのである。

■果たして、松下電器は、強者ではなくなったのだろうか?

■中村社長へのインタビューによると、その理由を「デジタル家電時代に2番手商法は通用しない」と語る。

■ここでもやはり競争のルールが変わってしまったことを示唆している。ニューエコノミーにおいては、情報の発達、技術の先進性、マーケティング手法の進展などから、1番手のアドバンテージを逆転するのは難しい。特にデジタル家電市場は、実力のある手ごわい企業群がひしめく。

■もうひとつのキーワードが「知財」である。ブラックボックスとなっている高度な独自技術を凌駕する開発を短い期間で行うことは、松下電器といえども至難の業である。しかも、各社とも独自技術を特許により法的にガードしている。

■したがって松下電器はその技術力を独自技術の開発に注ぎ、知財戦略を重要課題とする。

■強者の戦略からの脱却。。。デジタル家電市場においては、強者の戦略が成り立ちにくいことを示唆するものではないか。各社とも、独自性、差別化、オンリーワンという弱者の戦略でしのぎを削る。

■ニューエコノミーの特徴は、市場に安定性がないこと。つまり、既存市場のパイを奪い合っても、その市場が明日には消滅しているかもしれない。むしろ、自分が軸足を置く市場を大きく育てる競争になる。

■もちろん業界によっては、ミート戦略が非常に有効である場合もある。ただ、いわゆるニューエコノミーにおいては、競争のルールが変化してきているのは確か。新たな戦略のセオリーを構築する必要に迫られている。

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