日経新聞2004.12.21 「吉野家、FC店支援強化」

■米国産の輸入禁止が続く中、苦闘を続ける吉野家。本体は、営業黒字に転じたもののFC店は苦しい状況である。無利子貸付、販促費徴収中止、店舗買取などの加盟店支援を続ける。

■米国産の牛肉輸入禁止は長期化している。競合店が代替商品を投入して業績を回復させる中、吉野家は意図的に牛丼の再開を拒み続ける。「まずくて高い牛丼を売るわけにはいかない」というわけである。

■日経BP文庫の「吉野家の経済学」などを読むと、牛丼1品に絞ったビジネスモデルが完成しつつあったような印象を受けた。それはとりもなおさず「牛丼の吉野家」というブランドイメージに拠るところが大きい。

■ただ、商品を一つに絞るビジネスはブランド構築は容易であるが、リスクが高いことも事実である。今回、BSEという思いも寄らない不測の事態によって、最悪の状況に至った。

■吉野家は、この事態を受けて、リスク分散するという経営判断もありえるが、ここはさすがに我慢して、ブランドを守るという対応である。吉野家とすれば「これ以上悪いことは起こらないだろう」という開き直りもあるのかな。

■国産牛を使って、「うまくて高い牛丼」をつくることは可能なはずであるが、それでは吉野家のブランドイメージに混乱が生じることは間違いない。やはり、吉野家はあの独特の味の牛丼でしかないのである。

■ランチェスター戦略でいうと、吉野家は牛丼市場における圧倒的な強者である。現在、市場がほぼ停止状況においこまれているが、「牛丼の吉野家」というブランドは、やはりナンバーワンなのである。それは消費者の頭の中でのシェアにおいてナンバーワンなのである。松屋、すき屋、なか卯などは弱者であるため、差別化で対応することは理に適っているが、吉野家としては、短期的施策を講じて、強者のポジションを崩すわけにはいかない。

■なんとこの事態にも関わらず、吉野家は営業黒字に持ち込んだのである。血のにじむ企業努力であろう。FC店にしわ寄せがいっているということはないのかな?とちょっと危惧するが。

■どういう経緯で営業黒字になったのか知る由はないが、それでも苦しい状況であることには変わりがない。営業外損益や特別損失で計上するものも多くあるだろう。他人事ながら、すさまじい我慢比べであるだろうと察する。

■ただ、ここを耐え忍び、牛肉輸入再開の暁には、V字回復は間違いない。なんせ、ブランドイメージは、いささかも変化していないようだから。

■何年かのちに「吉野家の経済学2」が発刊されるのが目に見えるようだ。

■がんばれ吉野家!はやく牛丼が食べたいんだよーー(というありきたりの締めをしてしまいました)

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