ケータイ新潮流 内面より“見た目”

■携帯電話の機能向上競争が一息ついて、今年はデザイン重視になるという記事です。携帯電話も時計のようにファッション化していくのでしょうか。

確かに日本では数年前から携帯電話をデコレートする人やサービスがありました。機能向上と個性化は2つの流れでした。私も昔はストラップをつけて悦に入っておりましたが、最近は面倒なのでやめました。それなら機種そのもので個性を出した方がいいでしょう。

こういう動きがあるということは、携帯電話市場が成熟していることに他なりません。記事によると世界の潮流ということですから、成熟した国が増えてきたということなんでしょう。

■世界一高機能なのが日本の携帯電話端末機です。

これは自動車にも通じるものがあります。世界一うるさい日本の顧客の眼鏡にかなった製品を世界へ向けて導入する。これは日本の自動車メーカーの1つのパターンです。日本では大して儲からなくても北米やアジアで儲けることができます。

ところがその勝ちパターンが携帯電話においては機能していません。日本市場に先鋭化した機種は、海外に受け入れられず、携帯電話の機種メーカーは、鎖国のような状態です。

むしろ、世界市場のコスト競争に勝ち抜き、機能を充実させつつある外国勢が日本を侵食しようとしています。これは、日本車が小型車で北米を席巻したパターンです。

例えば、携帯電話にテレビなんていらないと気づいた層は、個性的でライトな携帯電話を求めているのではないでしょうか。それがノキアであろうが、モトローラであろうが、サムスンであろうが、関係ありません。オーバースペックのコストを負担するほどお人よしですか?

つまり、日本の携帯電話端末機は、今のところ「戦略商品」となりえていないのです。(ちなみに戦略商品とは、企業の戦略に資する商品という意味です。中長期に利益をもたらす商品と言い換えてもいいでしょう)ここは、日本の消費者が、高機能機種ばかりを求めているのかどうかを再検証し、差別化の方向を見直さなければなりません。右へ倣えの高機能競争ばかりでなくてもいいでしょう。ただでさえ携帯電話料金の低価格化への圧力が高まっている時に、NTTドコモも、いつまでも端末機費用を補填しているわけにはいかないでしょうし、そういうカラクリを外さないと適正な競争力をつけることができません。

■この記事に見られるように、差別化の方向を見直そうという動きになったということは、携帯電話端末機に関しては、世界市場を睨んだ差別化競争に入ったというわけです。

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