■「好きなことでメシを食っていく」とは、我々にとって、1つの夢ですね。

言うはやすし。。。被雇用者は、つらいことにも我慢しなければなりません。おれは営業は向いていないよ、とか、こんなアホに頭下げたくないとか。何といっても、サラリーマンは安定してますから我慢しないとね。

でも「生活に不安が無い程度に食える」スモールビジネスなら、実現可能かもしれないと、思えなくもない。

今週号の「ニューズウィーク」に、そんなスモールビジネスを起業した人々の話が載っています。

■同誌は、大量生産の大企業に対抗して、本物志向の手作り食品を製造販売する「フード職人」を紹介しています。

大企業は、大衆の「腹は満たしているが、心身を育んでいるとはいえない」から、ビジネスチャンスがあるわけです。

いまや、アメリカの特選食品市場は250億ドル。(約2兆8500億円)
たいていの分野で本格的食材や料理が手に入るようになったということです。

■ただ彼らの動機は真摯です。
家族の思い出や、民族の誇りを、食にこめて製造しているようです。

というのも、それぞれがニッチであるためビジネスの規模が小さく、その上、高品質を要求されるので手間がかかり、殆ど休みなしに働かなければならない状況になります。

生半可な覚悟ではできません。
まさに「仕事が人生そのもの」というわけですから、好きじゃないとやっていけないのですね。

■といっても、そこはビジネスですから、好きだけでは成り立たない。ビジネスプラン策定、市場分析、財務戦略などが必要です。

販売においては、やはり、インターネットの役割が重要です。スモールビジネスにとって、唯一の販売チャネルになる可能性もあるわけです。だからインターネットの登場が、こういった小ビジネス興隆の背景になっているといえます。

■話は変わりますが、ピーター・ドラッカーは、ポスト資本主義社会の特徴として、非営利組織の活動が隆盛となることをあげています。

資本主義社会は勝ち組が利益を総取りするシステムでしたが、高度知識社会では「金があればいいや」というメンタリティは後退するということです。
とすれば「働き甲斐」「好きなことをして生きる」というスタイルが主流になります。

好きなことをしていられるなら、普通に生活できるぐらいの報酬があればいいやというわけです。

考え方によっては、非営利組織は、低コストであること、採算度外視で製品サービスにこだわること、従業員のモチベーションが高いことなどから、競争力が高いわけです。市場を席巻するかも知れません。

■ただし、ニッチビジネスは、あくまでスモールビジネスです。ビッグビジネスにはなりえないことを正しく認識すること。

好きなことをして生きていくのだから、幸せです。
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