(2005年7月7日メルマガより)

■前回の続きです。

■商品づくりにばかりこだわる経営者がいかに多いかを申し上げました。

もちろん、商品にこだわることは重要です。
しかし、販売は、商品さえよければ成功するものではありません。

販売力とは「総合力」です。
その他の部分でも、差別化することができるはずです。


■まず、市場を選ぶことです。(これを市場セグメントといいます)

「売れるなら誰にでも売ろう」という姿勢は、実際には「買ってくれる人が
幸運にも現れるのを待つ」という意味です。

100人に1人、買ってくれる人が幸運にも現れるとすれば、10個売るためには、
1000人の人の目に触れなければなりません。100個売るためには1万人です。

幸運に任せるということは実に非効率です。


■では、10人のうち1人が買ってくれる状況はどうやれば作ることができる
のでしょうか。

社長さんの熱意でお客さんをその気にさせますか?

できるかも知れませんね。

ただ、社長が直接、お客さんに接することができるのは、限られた数になり
ます。うまくいったとしても、それでは、いつまでも社長の個人事業という
ことです。

むしろ、普通の営業担当者でも、販売できる方法を考えるべきではないでし
ょうか。


■どうすれば、いいのか?もうおわかりですね。

あらかじめ「買いたい」と思っているお客さんを探すことです。

この都合のいい考え方が市場セグメントの基本です。


■市場セグメントの分け方には、デモグラフィック変数、サイコグラフィッ
ク変数、ジオグラフィック変数、行動的変数などがあります。(難しい言い
方ですが)

細分化は、「このように分けたら、同じニーズを持つお客さんが多そうだな
ー」という仮説に基づきなされます。

単純な話、フライパンを売るのに、若い男性にDMを送っても意味ナシです。
やはり、既婚の女性にターゲットを絞ります。
さらに、年齢、所得層、家族のライフサイクルなどを絞り込んでいきます。

お客さんがはっきりしないと、DMを打つにしろ、キャンペーンを行うにし
ろ、無駄撃ちが多くなってしまいますから。


■詳しい話はコトラーの「マーケティング・マネジメント」に譲るとして...


最も単純で、効き目の大きい市場細分化は「地域を絞る」ことです。

殆どのビジネスがこの「地域を絞る」ことで、効果を得ることができます。


■小さなお店なら、自店を中心に半径500メートルに商圏を絞りこんでみ
てください。

近いということはそれだけ便利なことですから、お客さんにとってもメリッ
トがあるわけです。

そのメリットを感じるお客さんを相手に販売を試みてください。


■絞り込むことのもう1つのメリットは、力を集中することができることで
す。

小さな会社は、マンパワーで大企業に負けてしまうと思われがちですが、地
域を絞ると、その中では、小さな会社でも、数的優位を作り出すことが可能
になります。

地域を絞ることで、お客さんに接近し、把握し、管理し、十分な営業力で、
勝てる戦いをすることができるようになるのです。

■迷ったら「地域」を絞れ!

これが、攻めの経営の第一歩です。


■次回は、販売チャネルの差別化についてお話します。
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