ソーシャルビジネスなのに年間売上15億円! 事業拡大の秘けつは「ユニークな視点でマーケットを見る力」

■ソーシャルビジネスの特殊性は、社会問題の解決を目的としていること。その一点です。

通常の会社は、出資者(株主)への還元を第一義としていますから、そこが違います。

それ以外は同じです。

顧客ニーズをつかんで、そこで儲かる仕組み(ビジネスモデル)を作って、組織を作って運営する。

違いようがありません。

■ただし今のところ、社会起業家が少ないこともあり、社会全体が彼らには寛容です。

無償協力する人もいるでしょうし、顧客も極端な低価格を求めるわけではありません。むしろプレミアム価格を受け入れています。

そういう意味では、ソーシャルビジネスという分野には、チャンスがあると言えるでしょう。

特に市場が成熟してしまった日本においては。

■なにより、我々は、既に資本主義社会の前提である「資本家」が最も得をする社会に疑問を持ち始めています。

株式会社は、株主への還元を前提にしており、株主の望まないことは制度としてできないことになっています。

村上ファンドがいくら胡散臭くでも、理があるのは仕方ありません。

そういう中で、資本家ではなく、解決すべき問題を中心とした組織に関わることは遣り甲斐があることでしょう。

多くの若者が、社会起業に惹かれるというのは理解できます。

■ただし、いいことをしている。という浅い満足感だけで、社会起業家気取りの人も多いのは事実です。

ソーシャルビジネスはあくまでビジネスです。儲けをあげなければ持続できません。

ボランティア組織とソーシャルビジネスが混同されているのかも知れません。

いまのところは、ソーシャルビジネスに対する社会の目は暖かいものがありますが、そのうち、社会起業が当たりまえになってくれば、我々の目線も厳しくなります。

善意に甘えてビジネス化できない事業など迷惑でしかありませんから、淘汰されていくでしょう。

■上の記事の会社は、そのあたりのことを言っていますね。

それにしても面白い。やる気のある人間に、3000万円を渡して、事業化させる。やる気があるだけの人間ですから、事業家としては素人です。

しかしやっているうちに、事業家として独り立ちするかも知れません。

そうなれば、彼は、次の事業を立ち上げることができるでしょう。まるで事業家養成所のようです。

本来、ソーシャルビジネスは、強いニーズのあるところ(解決すべき社会問題)にビジネスを組み立てるのだから、焦点を絞りやすいはずです。ブレが少ない。事業家養成の教材としては適切なのかも知れません。
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