「晴れの日に傘を売る男」野望は人類を傘から解放すること

■年間2010万本の傘を販売するシューズセレクション社の社長のお話しです。

「ウォーターフロント」というブランド名のやたらカラフルな色展開の傘を700円で販売しています。

発売当初は500円。社長によると「品質は2000円以上の傘と同じ」だということです。


ウォーターフロント 【折りたたみ傘】レディース折傘 ポケフラットAカラー(カラー手元) GKA-3F50-UH 50cm【色指定不可】

■品質のいいものを安く売るというのは、ユニクロのビジネスと同じです。はまれば大きく売れます。

ただ実際、この傘を使ったことがありますが、正直なところ「そんなに品質のいい傘だっけ?」

コンパクトにまとまっているので鞄に入れる分には重宝しますが、作りがしっかりしていたという印象はあまりありません(><)

どちらかというと「折り畳み傘なのに使い捨てできる傘」という感想を持ちました。

すみません。でも正直なところです。

■つまり、私としては、同社の傘ビジネスは、安いものを大量に売る典型だと思います。

一般的な折り畳み傘が2000円だとすれば、それを700円で売ればそこそこ売れるはずだ、というビジネスです。

それをニッチ市場(傘市場)でやったところに妙があります。

大きく儲けることはできないビジネスですが、強力なライバル企業からの攻勢もなく、そこそこの収益を上げることができます。

■ただ傘業界で新参者だった同社は、流通ルートの確保に苦労したようです。

そこで、コンビニ、ドラッグストア、本屋など、通常の傘販売をやっていないところに活路をみいだします。

多彩な色ぞろえも、本屋などの店頭で目立つための工夫なのでしょう。

営業戦略風にいえば、チャネルの差別化に取り組んで、成功した事例です。

■社長の林秀信さんの経歴が面白い。

鍼灸院経営で成功し、それに飽きると飲食店経営、次に靴屋。

いずれもそれなりの成功をおさめられたようです。

たぶん何をやっても成功する能力をお持ちなんでしょうね。素晴らしい。

その方が、今は傘づくりに賭けています。

■しかもアイデアマンです。

経営は社員に任せて、自らはひたすら新しい傘のアイデアを考えているらしい。

「スーパーポケミニ」「富山サンダー」「桜島ファイヤー」「扇風機傘」「バッグに優しい傘」「ステッキ傘」「種子島」…

ネーミングをみているだけで、分かりますね。この方、優秀な企画屋さんです。

自らは、ものづくりにこだわっているような発言をされていますが、斬新なコンセプト設定が、この人の本領なのではないでしょうか。

■だからマスコミの使い方もうまい^^

アイデア勝負、薄利多売のビジネスを、「良品薄利」「晴れの日に傘を売る」というストーリーに仕上げ、箔をつけています。

■こんな書き方をすると、けなしているような感じがあるかもしれませんが、そうではありません。

感心しております。非常に参考になります。



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