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■かっぱ寿司が食べ放題企画を始めました。平日の14時から17時の70分限定。男性1580円、女性1380円、65歳以上980円。


全国20店舗を選んで試験的に始めた企画がいまのところ大人気で、一部店舗では11時間待ちの状態になったとか!?

11時間待ち!閉店時間を超えるやん。と思いますが、店側によるとその日のうちには案内しますとのこと。現実的に考えると、長時間待ちといわれたら大方の人たちは諦めて帰るでしょうから、そこそこの時間で案内されるのでしょうね。

■しかしこの企画、そんなに魅力的だろうか。1580円といえば、15皿以上を食べないともとをとれないわけです。(一部の高価なメニューは枠外らしい)ターゲットは誰なのだろうか?

でも、これだけ人気を集めているとのことですから、一時的にも効果はあったということですね。

■回転寿司業界はほぼ飽和状態にあります。かっぱ寿司をはじめとする大手チェーンは、さらなる成長・業績維持のために、客単価を上げるか、客数を増やすかしなければならない。

そこで、最大手のスシローやくら寿司は、単価の高いメニューを増やして、客単価の向上をめざし、一応の成功を収めています。

両社とも、寿司にとらわれないサイドメニュー開発に力を入れて、SNSで話題になるような尖った新製品を投入しています。

いまや回転寿司屋にいって、ラーメンやカレーを食べるなんてことが普通になってきました。要するに、ファミリーレストラン化しているわけです。

この傾向はまだ続くでしょう。スシローやくら寿司は、サイドメニュー開発にまい進していくはずです。


■かっぱ寿司もファミリー需要を取り込もうというのは同じでしょうが、こちらは低価格を維持しながら、客数を増やそうとしました。

そのためレギュラー商品の質が劣化し、逆に客数を減らしたようです。戦略の失敗ですな。

そこで背中に火が付いたかっぱ寿司が起死回生の策として投入したのが今回の食べ放題企画でした。

■記事には「地獄」とありますが、確かに悪手であるように思います。

まず食べ放題企画が利益を圧迫してしまうこと。もともと人件費をぎりぎりまで切り詰めて運営している回転寿司チェーンでの食べ放題企画に経費削減の効果は小さいはずです。

だとすれば、粗利が少なくなるしかありません。

客数が増えたとしてもそれは食べ放題の顧客です。食べ放題を止めた時、どれだけの顧客が残るのかわかりません。

そもそも15皿以上を常に食べるグループは、同社のターゲット顧客なのだろうか?

■まあ、そういうことは分かった上での企画なんでしょう。それぐらい追い詰められていたということですね。

悪手であっても、話題になることは何でもやって、認知度を高め、客数を増やす。その間に新メニューの開発や、レギュラー品の改善を行って、満足度を高め常連客を作る。

こういうことなんでしょうね。

■私もたまにかっぱ寿司にはいきますが、確かに安い以外は魅力に乏しい…

安ければいいやという顧客狙いで失敗したのですから、品質を上げることが求められています。

食べ放題企画の人気もそれほど続かないと想像します。ここはさらなる企画を連発して飽きられないようにしつつ、レギュラー品の魅力を高めなければなりません。

あまり時間はないでしょうが。


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