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大塚家具が大変な事態を迎えているようです。

7月末には、2017年度の業績見通しを大幅に下方修正した。売上高は期初計画比19.3%減の428億円(前年同期比7.5%減)。営業利益は同5億円の黒字を見込んでいたが、43億円の赤字と空前の規模だ。

売上高が予想よりも大幅に低迷しているため、相当の赤字になる見込みです。

その赤字を補填するために、現金と保有していた有価証券を手放しています。このままだと、年内にも現金がなくなってしまうかも知れません。

崖っぷちのような状況です。

時代遅れのビジネスモデル


なぜ大塚家具はここまで追い込まれてしまったのでしょうか。

もちろん売上が低迷していることが最大の要因ですが、その背景には、家具市場の衰退があげられます。

大塚家具はもともと高級家具をディスカウント販売することで一般大衆の支持を得た会社です。

家具が、一生に一度の大きな買い物だった時代に、高級家具が安くまとめ買いできる店として人気を集めました。

しかし今は、家具は一生に一度の買い物でもないし、まとめ買いもあまりしません。

そもそも、大量に家具をまとめ買いしなければならないような新築の家が減っています。

家具市場が、ピーク時に比べて半分以下の規模になっているといわれる現状ですから、家具店が低迷するのは当然のことなのです。


大塚家具のようなまとめ買い需要の店が低迷するかわりに台頭したのが、さらに低価格を実現し、単品買い需要に対応したニトリやイケアです。

マンション住まいの単身家庭にも応じるカジュアルな家具は、現在の市場にマッチしたビジネスであり、逆にいうと大塚家具は、時代遅れのビジネスです。


大塚家具の当第二四半期累計決算をみてみると、昨年同時期に比べて、売上高でマイナス11%、営業損失に至っては36%も増えています。

売上原価率は48.8%

販管費率は 63.9%

ですから、完全に経費倒れです。

ちなみにニトリの場合

売上原価率は45.8%

販管費率は 37.5%

です。

大塚家具の売上原価率は、ニトリと大きく差があるわけではありませんが、販管費率が全然違うことがわかります。

大塚家具の問題は、販管費(人件費や店舗などに関する経費)が大きすぎること。

つまり、大規模店で集客して人海戦術で販売するというビジネスモデルが時代遅れになっているということです。

大規模なリストラなくして復活はありえなかった


以前、メルマガに大塚家具のことを書いたことがあります。

参考:大塚家具の父と娘はどちらが正しいのか?

別にどっちが悪いというわけではありませんが、それまでの大塚家具のビジネスモデルが時代に合わなくなっていることは確かです。

メルマガで私は

(1)大幅なダウンサイジング(店舗と人のリストラ)をする

(2)その上で小中規模のブランドを複数育てて生き残りを図る

ことが必要だと書きました。

大塚久美子社長は、リユース事業に挑戦したり、特定家具の店を作ったり、柱を育てようとしているみたいです。

それは評価できますが、肝心のリストラの進行が遅いのが大いに問題です。

このままだと、変革が成し遂げられる前に、現金が底をついてしまいそうです。


一方、創業者の大塚勝久氏は、娘から袂を分かち、自ら高級家具の店を立ち上げました。

そちらの方はうまくいっているのでしょうかね?

情報がないのでわかりませんが、勝久氏の場合は図らずも規模を縮小した形でスタートできたので幸いです。うまくいく可能性が大いにあります。

唯一の方策は「清算」?


どうにも厳しい状況になってきましたね。

先日、BBT757の大前研一ライブを観ていたら、大前研一氏が「大塚家具は清算するのが唯一の方策」と発言していました。

さすが大前研一氏ならではの歯に衣を着せぬ発言ですな。

しかし、事ここに至っては、それも現実味があります。

思い切ったリストラができない事情があるのなら、いたずらに自転車操業を続けるよりも清算した方がすっきりするというものです。

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