これは面白いですね。衰退産業で生き残る会社の話です。紹介します。
こちらは兵庫県伊丹市の畳屋さんです。TTNコーポレーション。
畳の需要が縮小し、多くの畳屋さんがリフォーム業などに商売替えする中、残存者利益をねらった企業ですが、いまや「畳業界の革命児」といわれるまでになりました。
答えをいってしまいますが、こちらの会社がやったことは、差別化、接近戦、海外展開です。
なんら奇抜ではない。王道といえます。
差別化
まずは差別化。市場が縮小する中、待っているだけでは仕事はきません。選ばれるためには何らの訴求ポイントを持たなければなりません。
この会社の場合、24時間対応がそのポイントでした。
お店など畳を変えたくても、休業したくないところにとっては、夜の間に作業してくれるのはありがたい限りです。
職人さんは夜中に働きたくないので、対応するところが少なかったという事情もあったようです。
この差別化は、色変えするとか素材を変えるとか供給側の都合ではなく、ズバリ顧客の悩みを解決する差別化だったことが功を奏しました。
接近戦
接近戦。これもランチェスター戦略では基本中の基本です。
同社は、ショッピングセンターにアンテナショップを出して、最終ユーザーとの接触を図っています。
畳業者からすれば当たり前の畳の良さも一般ユーザーには十分の一も知られていません。それを伝えるのは畳屋さんの使命なわけです。
さらに接近戦は、ユーザーから正しいニーズを聞くために有効なことです。
成長サイクルをうまく回している
海外展開。海外には日本の家屋を喜ぶ人たちがいるようです。ニッチ市場ですが、日本で残存者利益を得るだけでは頭打ちですから、こうした試みはしていかなければなりません。
畳表を使った座布団は、お菓子のマカロンのようで見た目も可愛らしく、洋室にも合うデザインにより、特にパリで人気があるそうです。また樹脂の繊維で編んだ「置き畳」は、どんな部屋でも和室にできると、こちらも外国人に喜ばれています。
さらには、「プラモデルのような組み立て式の和室」も企画しているとか。ドバイの万博出展を目指しているそうです。
差別化が機能したから、接近戦ができる資金を得られた。さらに接近戦が機能したから、海外展開の余裕が生まれた。というところでしょうね。
成長サイクルをうまく回しているようで、素晴らしいことですよ。
地元の関西にこうした企業さんがあったのですねー
注目していきたいと思います。
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