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アメリカの電気自動車専業メーカーテスラの話です。

同社が総力をあげて開発しているModel3(約400万円で購入できる戦略製品)が、37万台の予約注文に対して、260台の生産実績だとか。

仮にずっとこのペースなら、予約最後尾の納車は340年後ぐらい

さすが天才経営者といわれるイーロン・マスクです。やることが桁外れですな。

量産能力がないことを露呈


ようするにテスラには量産する能力がないわけですよ。

普通に考えれば、どこかの自動車メーカーに生産を委託するか、あるいはどこかのメーカーを買収して生産能力を獲得しなければなりません。

いまや米大手自動車メーカーを凌ぐ株式時価総額をもつテスラですから、中堅メーカーの買収ぐらい朝飯前のはずです。

ところがイーロン・マスクはそれをよしとしていないようです。

「量産地獄」に苦しむテスラ、コスト削減道半ば (日本経済新聞・有料記事)

マスク氏は、全自動工程による量産工場の構築を目指しているとのこと。

ここで従来通りの人間に頼った車づくりを導入してしまうと、その理想から遠のいてしまいます。

現実にはロボット技術の進展が追い付かないのですから、とりあえずは従来通りの工場で量産しなければなりません。

ところがあくまで理想を追い求めるスタイルのマスク氏に妥協という文字はないのでしょうか。

部品の調達に失敗?


もうひとつ。記事が指摘しているのが、電池の調達に失敗しているのではないかということです。

電気自動車にとって電池は心臓部です。その重要部品を供給しているのは日本のパナソニックのはずですが、マスク氏によると

「電池のラインで契約先がへまをやらかした」

のだとか。

電池のライン、がそのままリチウムイオン電池を指すかどうかは分かりませんので、パナソニックのことではないかも知れません。

が、このあたりで問題が発生して、生産ができない事態に陥っている可能性があります。


もっとも記事では、先に販売価格ありきで、部品調達価格を強引に決めるテスラの手法を批判しています。

技術要求は厳しいわ、価格は原価割れでは、部品メーカーは逃げてしまいます。

ケイレツ部品メーカーを持たない弱点


他の自動車メーカーなら、こういう問題は起こりません。長いつきあいの部品メーカーから調達するので、調達価格はほぼ正確に予測できます。最終販売価格を大外しすることはないでしょう。

そういう部品調達も含めて、組み立てメーカーの能力になるはずです。

ここは組み立てメーカーとしての能力が足りないと素直に認めて、他メーカーとの提携か買収を決断すべきです。

近々に対処しないとえらいことになりそうですよ。







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