「少年ジャンプ」50歳、老いない二大原則(日経MJ) (日本経済新聞・有料記事)

週刊少年ジャンプが、来年50周年を迎えるそうです。そんなになるんですね。

漫画雑誌は衰退産業


同誌の発行部数は、現在184万833部。

2位の少年マガジンが88万3804部ですから、倍以上。ダントツトップです。

もっとも、ジャンプの全盛期は、653万部だったのですから、それから比べれば、3分の1以下です。これはもう間違いなく衰退産業ですよ。

徹底した読者至上主義が強み


そんな少年ジャンプも、漫画雑誌としては後発でした。

後発なので、人気漫画家に描いてもらえないという弱点を抱えていました。

そこでジャンプがとった策が、無名の新人に描かせること。および、読者アンケートを絶対視して、人気のない漫画は打ち切ること。

これが、記事にいう二大原則です。

この徹底した読者至上主義が、ジャンプの強みになり、トップ雑誌の原動力になりました。

「ドリルを買う顧客は、ドリルが欲しいわけではない」


しかし50周年を迎えた少年ジャンプが、今後、どのような戦略方向性を持っているのか?については、この記事では分かりません。

現状、ジャンプが危機感を抱くべきは、スマホにあるコンテンツに漫画雑誌が負けてしまっていることです。

漫画読むなんてかったるいという人が増えているわけで、そこには読者アンケートは届きません。

まさに「ドリルを買う顧客は、ドリルが欲しかったのではなく、穴を開けたかっただけ」という状況に陥っており、こちらの方が危機的です。

※電車の乗客は、移動したかっただけで、電車に乗ることそのものが目的ではない。すなわち、電車の乗客の意見をいくら聞いても、乗らなくなった顧客のニーズを知ることはできない。

漫画雑誌はすでに役割を終えたのか?


全盛期に編集長だった人の話として

「いつの時代も少年の心を持った大人はいる。ネット時代で新人作家はデビューしやすくなったが、編集者と二人三脚でつくりあげる漫画の完成度はまねできない」

なんて能天気なコメントが載せられていますが、これって、ジャンプの強みである無名新人の大胆起用と読者至上主義を否定し、編集者のノウハウで勝負していこうという宣言ですかね?

漫画雑誌そのものは、すでに社会的な役割を終えて、伝統芸能の舞台みたいに生き残っていけばいいやということでしょうか。

あるいは記事が切り込み不足なのでしょうか。

このあたりもう少し詳しい戦略などを聞きたいものです。





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