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長らく業績好調が伝えられる三菱電機会長のインタビュー記事です。

社長が自身の功績を求めない


三菱電機では、社長が4年で交代することが恒例になっているとか。

社長は長期的発展だけを考えて、自身が功績を残すというスタンドプレーを慎んでいるのだとか。記事でも現会長は、社長就任時から後継者を決めることを考えてきたと言っています。

その他の電機メーカーが、経営者同士の意地の張り合いで業績を悪化させたと聞こえる中、同社の慣例は健全に思えます。

局地を集める経営


ただこのスタイルになったのは、ここ十数年のことです。

1990年から2000年頃にかけて三菱電機も業績不振に苦しんでいたようです。


その時期はというと、新興国企業の台頭などで日本の電機メーカー全体に暗雲が差し込めていた頃です。

変革期には強いリーダーシップが必要だという常識のもと、三菱電機も選択と集中に舵を切りましたが、うまくいきませんでした。

半導体不況やITバブルの崩壊という外部要因があったとはいえ、集中した分野が外部環境の直撃を受けてしまった形です。


そこで三菱電機がとった戦略は、小規模ビジネス(ランチェスター戦略にいう「局地」)をいくつか集めて、運営するという方法です。

この場合、意思決定の主体は現場に近い事業部単位となります。中央集権的な組織は不要です。

中央の仕事は現場同士の連携が滞りなく進んでいるか、現場人材の育成がうまく進んでいるかをみることが主となり、余計な口を挟む必要はありません。

社長が変に権力を持つよりも、スムーズに交代していけばいいというスタイルになったわけです。

三菱電機は、1億円を超える報酬を得る役員が多いことでも知られますが、これも現場重視方策からくるものですね。

堅実だが、上場企業としてはどうなのか


ただこの方式にも弱点があります。

大きな方向性がないので、大きな成長が見込めません。

AIや自動運転技術の進化など大きく飛躍しそうなタネは多いのに、同社は小さくしか恩恵を受けないでしょう。

要するに、生き残ることを主眼にした経営であり、投資家からすれば魅力のない企業に映ります。

また、記事では否定していますが、事業部同士のシナジーが効かず、効率がよくありません。

中小企業であればこの経営姿勢は称賛されるでしょうが、上場企業としてはどうなのか。将来的に批判されることがあるでしょうね。

余談ですが…改革組織あるある


余談ですが、「抵抗勢力が最終的には推進役になる」という話。

これはコンサルにおいて常にみる光景ですね。

改革する組織には、賛同する者、批判的な者、無関心な者、表面だけ賛同する者などが現れます。

ここで鍵となるのは批判者です。積極的に批判する者は、納得すれば強力な賛同者になり得ます。

無関心な者はいつでも無関心なので仕方ありません。

が、気をつけなければならないのが、面従腹背の者です。改革役リーダーが未熟で、面従腹背者を味方だと勘違いすると、改革は骨抜きにされてしまいます。

組織あるあるでした。





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