先日、「営業研修」の講師を務めました。
受講されている方にグループになっていただき討議の時間をふんだんにとる形の研修です。
その際、偶然ですが、ベテラン営業ばかりのグループと、営業経験がない、あるいはあまり経験がないグループに分かれました。
ベテランと新人が同じグループになるのも面白い討議ができるのですが、ベテラン同士、新人同士というグループでも特徴が出て面白かったです。
ベテラン営業は「戦略」に着目した
研修の最後、「ふりかえり」の時間になって研修の感想を聞いてみると、ベテラン営業のグループからは、
「営業といえども戦略が必要だということがよくわかった。準備にもっと時間をかけたい」という声が聞こえてきました。
ここでいう「戦略」というのは、ターゲットを決めたり、仕組みを作って見える化したり、という営業が始まる前段階のことを指しています。
逆に「営業トークだとか、プレゼンテーションのパターンだとか、変に決めてしまうと、本番で臨機応変に対応できなくなる」と否定的な意見がありました。
つまり戦略はもっときっちりと作らなければいけない。戦術は現場対応でいけ。というのが、ベテラン営業の総意でした。
新人営業は「戦術」で頭がいっぱいだった
ところが新人営業はまったく逆の感想です。
「営業トーク、ヒアリングシート、プレゼンテーションパターンと基本を教えてもらえたのでありがたかった。今まで営業していてもやもやしていたものが晴れた」と仰っていました。
戦略の部分に関しては「よくわからない。必要だとは思うが、そこまで考えたこともない」とのこと。
ベテランと新人が相席する研修では、どうしても認識のずれが出てきてしまいます。それは講師側にとって悩みの種です。
が、今回、よくわかりました。
やはりベテランと新人では必要な部分が違うということです。
営業教育に省略は禁物。粘り強く丁寧に。
これは、会社内の営業教育においても同じだと思います。
ベテランが「現場でなんとかしろ」「臨機応変にやれ」と当たり前に言うことに、新人が苦しんでいる事例がきっと多いのでしょう。
教育というのは、最初は手取り足取り教える段階が必要です。
ベテラン営業にとってかったるく感じる基本研修も、新人にとっては必要不可欠な教育なのです。
基本があるから応用があります。いったんは、基本パターンを丁寧に教えることが営業マンの成長を早めることになります。
だから新人営業はまず基本のキを学ぶこと。
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