「SASUKE」ってつくづくいいコンテンツだと思います。
大人が大掛かりなフィールドアスレチックをやっているだけなのに、つい最後まで観てしまう。
テレビ局の見せ方もさることながら、やはりコンテンツの持つパワーが優れているのだと思います。
このコンテンツが海外でも人気を博しているというのも頷けます。
内容に「親近感」がある
まず素人参加であること。
たまに有名人も出ていますが、基本、参加者は素人です。
どこかの店員であったり、会社員であったり。親近感がわきます。
それに競技そのものが単純です。
大掛かりなフィールドアスレチックに取り組むだけ。それをひたすら見せられるのですが、目を離すことができません。その単純さがいいわけですな。
もちろん競技の難易度は恐ろしく高い。が、なぜ難しいのかが、一応、体感できます。
その意味でも親近感があります。
ちなみに、親近感というのは、その競技が人気がでるための大きなキーワードだと考えています。たとえ素晴らしく面白いゲームだったとしても、親近感がなければマスの心をとらえることはできません。
SASUKEは、ものすごく難しいのはわかるが、クラスに一人はいる超運動神経いいやつなら1STぐらいならクリアできるかも知れない、という手の届き感があります。
テレビ局の見せ方もうまい。一人一人の背景を物語として提示し、その人物がどのように競技するかを丹念にみせていきます。
しかも失敗すればやり直しはありません。どんなエースでも手加減なし。番組の構成上の忖度などなしにそこで打ち止めです。
その不可逆性とリアルさが、さらに親近感を持たせます。
このコンテンツの在り方は、他の競技などの参考になるのではないでしょうか。
SASUKEをきっかけに人生を切り開く人も
参加者は素人といいましたが、常連組はほとんどタレントのようです。
実際、肩書をみていると、スポーツジム経営とか、スポーツ用品会社役員とか、SASUKEをきっかけに、人生を切り開いた様子がわかります。
記事にとりあげられた人は、最初からSASUKEを目指したらしい。人生の目標に設定する人が現れているのです。
ユーチューブやゲームの世界と同じく、SASUKEをクリアできる運動能力がある、ということで人生を切り開けることを示したのは、社会の多様性を高めたということで大いに評価できるのではないでしょうか。
もっとスケールは大きくできるはずだが
もっとも、いまだ規模は一つのテレビ番組のもので、社会現象というにはスケールが小さい。
記事を読むと、誰でも参加できるのではなく、テレビ局が何らかの意図で選別した人間だけが参加できるようになっているらしい。
これが、予選を勝ち抜いた者が公平に出られるルールにすれば、もっとスケールは大きくなるのでしょうし、本番組の地位は向上するはずです。
そこまで大掛かりにするのは、成功した番組シリーズとしては望むところではないのかも知れませんが、可能性のあるコンテンツだけに期待してしまいます。
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