パーク24のカーシェア会員が100万人を超えたそうです。
同社のカーシェア事業は、現在、国内市場のシェア7割を超えるダントツのナンバーワンです。
その利用から生まれる膨大なデータは、自動車会社も羨むほどの規模であり、次世代ビジネスの主役になれる可能性があると期待されています。
カーシェアとは何か?
ちなみにカーシェアとは、複数人で1台の車を共有することです。
近所同士で、1台の車を購入し、それぞれが必要な時に使用する形態です。
自家用車なんてのは、ほとんどの時間、家に置いてあるだけなので、それぞれが譲り合って使えば、安くつくので合理的です。
もっとも、土日とかお盆とか、使いたい日が被ってしまうことが多いので、近所同士でシェアするという事例は少ないとは思いますが。
ところが、パーク24(タイムズ)のカーシェアは、100万人の会員が、同社が用意する大量の車をシェアする形になります。
需要が重なれば使用できない会員もあるでしょうが、たいていはどこか空いています。
心斎橋界隈にも、置いてある車が何台かあるので、ちょっと使用したい時に予約して乗ることができます。
レンタカーとの違い
似た形態にレンタカーがありますが、そっちはあくまで借りることです。
だからレンタカーは、借りたい時にレンタル契約をして、使用します。保険をかける必要性もありますし、ガソリンも使用した分、補充しておかなければなりません。
比べてカーシェアは、所有することになるので、月額会員料金が必要となります。その分、毎回の契約が不要になりますが。
1回あたりの使用料金は、カーシェアが安くなります。
ですから、月に1回以上使用する場合は、カーシェアがお得になります。
「シェア」の時代に重要なのは、保管場所と移動手段
パーク24が、短期間でカーシェア事業をナンバーワンにしたのは、全国展開している同社の駐車場を利用できたことが大きいです。
もともと同社は駐車場事業でも日本トップです。
全国の小さな空き地に同社のコインパーキングが設置されているので、カーシェア用の車を置く場所には困りません。
車に限らず「シェア」するビジネスが流行ってきています。実際、所有していてもほとんど利用しないものが多いので、シェアする方が合理的です。
ところがその際にネックとなるのが、リアルな置き場所であったり、配送であったりします。
その意味でも、駐車場というシェアのためのインフラを持っていたパーク24が、有利な位置にいたということができますね。
そういえば、日経新聞には、寺田倉庫が個人向けの倉庫を安価で提供する事業を展開しているという記事がありました。
ミニマリスト社長が生んだ大きなシェア市場
寺田倉庫は、個人の荷物を預かるだけではなく、販売やレンタルをするための支援も行うのだとか。
寺田倉庫は、もともと法人の荷物を預かるビジネスですが、「シェア」時代のインフラを提供できる位置にいることに気づき、いち早く対応したということですね。
カーシェア事業を成功させなければ生きていけない
パーク24に戻りますが、同社の駐車場ビジネスの将来性は必ずしも高くありません。
少子高齢化と自動運転車の普及、というダブルパンチで、駐車場需要はじり貧になっていくでしょう。
同社の売上の7割が駐車場ビジネスだということを考えれば、パーク24が決して安泰な位置にいるわけではないということが分かります。
つまり、カーシェア事業の成功は、同社の命運を握っているということです。
会員100万人ぐらいではとても安心できないでしょう。
同社が、車に関するシェアビジネスのトッププレイヤーとして発展しなければ生きていけないという危機感を抱かなければならない所以です。
この分野ではまだできることがありますから、期待してみております。
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