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一時期100店舗あった東京チカラめしが現在は8店舗になったそうです。これはほぼ壊滅的な状況ですよ。

赤字続きで惨憺たる状況


東京チカラめしというのは、焼き牛丼を主力メニューとする飲食チェーンです。牛丼屋さんですね。牛丼大手3社(すき家、吉野家、松屋)は煮て味付けした牛肉を使用していますが、焼肉を丼にしたというのは珍しい、ということで人気を博しました。

運営する三光マーケティングフーズは、東京チカラめしを収益の柱に育て上げようと力を入れてきましたが、失敗してしまった形になりました。

ちなみに三光マーケティングフーズは、「金の蔵」や「月の雫」といった業態店を運営していますが
ここ数年赤字続きで惨憺たる状況です。

同社にとって東京チカラめしは期待の新業態だったでしょうに、それだけに拡大展開を焦ったのかも知れません。

人手不足は前提条件


記事では「人手不足を言い訳にしている」的なことが書かれていて、面白いと思いました。

店舗を拡大すれば、それだけ人材が必要になりますが、この人手不足の現状で優秀な人材を確保するのは困難です。初心者でも対応できるような完璧なオペレーションシステムや設備があればマシなのでしょうが、後発の三光フーズにはそれがありません。苦しい展開を強いられたことでしょう。

人手不足は、牛丼大手3社も同じです。すき家にしても吉野家にしても、人材確保ができずに、深夜営業を見直したり、オペレーションを改革したりしています。

かつてミスター牛丼といわれた吉野家の安部修二元会長は、元ミュージシャン志望で、アルバイトとして入った人だったそうです。これが象徴しているように、かつて成長期の日本には、優秀なアルバイトを確保できる余地があり、そうした人材を前提に労働集約的なビジネスを組み立てることができました。

すき家の急拡大時期は、2005年頃からです。すき家も後に、人材確保や育成が追い付かずに、急拡大の歪が指摘されるようになりましたから、このあたりが岐路だったのでしょう。

東京チカラめしがスタートした2011年には、既に大手3社の寡占ができあがっていたこともあり、人材確保はできないわ、教育は追い付かないわ、オペレーションシステムが未熟なのでコストはかかるわという状況なのに、大手の一角を占めるべく急拡大路線に走りました。いわば弱者が強者のビジネスを模倣しようとしたわけで、フォロワーの戦略です。

それでも生き残る!小さな会社のサバイバル術

市場縮小局面において、フォロワーがはじきだされるのは自明のことです。

「安く、大量に」からの脱却


ということで人材不足は東京チカラめしだけではありません。牛丼大手3社もギリギリの収益でやっているので、何かのはずみですぐに赤字になってしまいます。特に賃金上昇は収益に直結します。

「安く、大量に」ではビジネスが成立しにくくなっているご時世ですから、体力のない後発チェーンが押し出されるのは自明のことです。

吉野家は過去の栄光を捨て去れるのか


むしろ東京チカラめしは、撤退の決断が早かったのかなと思います。

大手チェーンはこれまでの収益をもとに、自動化なり価格上昇施策なり業態転換なりをして生き残りを図っていくでしょう。

しかし小さい会社はその真似をするわけにはいきません。というよりは、今の経営環境にあわせたビジネスを組み立てることができるわけで、自由度は高くなります。

「安く、大量に」では成り立たないことを前提としたビジネスでなければなりません。

これを機に、新しい時代のビジネスを作っていってほしいものです。





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