アイリスオーヤマは、2019年のグループ売上高約5000億円。単体では1600億円超。順調に売り上げを伸ばしていて、2022年には1兆円超えを目指しています。
勢いのある会社ですが非上場です。株を買えないのが残念ですな^^;
マスクの国内生産を6月にも始めるとのことで、素早い対応が注目を集めています。
同社は、東日本大震災の時にも、LEDの製造販売に参入し、1000億円近い規模に成長させた実績があり、逆風下に強い会社だという所以です。
メーカーベンダーという形態
アイリスオーヤマは、プラスチックの下請け工場から始まりました。会社が変革したのは、ホームセンターとの取引が始まってからです。
ホームセンターや量販店と取引するには、卸売り業者を通さなければなりません。メーカーの出荷体制では、店の注文に応えられないからです。
ただ卸売り業者を通すと、小売店からの情報が入りにくくなるというデメリットがあります。
そこで、同社は、メーカーでありながら卸売業者の機能も備えたメーカーベンダーという形態をとりました。
同社は、卸売業者として小売店と付き合う中で、彼らの要望に応える形で扱い商品を増やしていったのでしょう。
いまやプラスチック用品だけではなく、電化製品、家具、調理器具、ペット用品まで扱っています。売上の半分以上が電化製品です。
扱い商品点数は15000。そのうち新製品が10000というのだから、驚きます。メーカーがこの点数を扱うには、そうとうの柔軟性とスピードが必要になります。
フォロワーの戦略
アイリスオーヤマは、柔軟な製造体制と確実な販売チャネルを持つという特徴を最大限活かす形で、フォロワーの戦略をとっています。
ある程度、需要が見込める商品分野に後から参入し、売り場面積を確保してしまうやり方です。
その時、武器になるのが、分かりやすい差別化を行う商品企画力と、柔軟な開発生産力です。
規模が小さい会社がやると、生産数量も販売量もしょぼいので、ネットでコツコツやるぐらいしかできませんが、同社ぐらいになると、生産数量も売り場の確保もできるので、それなりのビジネスにできます。
かつて松下電器(パナソニック)が、全国2万店超のナショナルショップという販売チャネルがあることを前提に、後追い参入戦略を展開したことがありましたが、その変形だと私はみています。
本来、息の短い事業だが…
アイリスオーヤマの柔軟性とスピードは、私のような零細事業者でも大いに参考にしたい部分です。
もともとフォロワー、ニッチャーというと、小さな会社の棲む所です。
ただ、そこは事業の賞味期限が短い場所なので、我々は常に変化していかなければ生き残れません。
アイリスオーヤマほどの規模になって、どのように事業を継続していくのか、注目しております。
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