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オリオンビールの身売り騒動の裏事情を書いた記事です。

なんのことはない。創業家と現経営陣との関係がこじれたあげくの身売り騒動です。

酷い話ですねーと言いたくなりますが、実のところ、老舗企業にはよくある話です。

確か、ぺんてるとかもそうでしたね。

参考:ぺんてるとコクヨ またかよ!?と言いたくなるお家騒動がらみの揉め事

お粗末な「お家騒動」


創業家と現経営陣というものはとかく揉めるものです。

創業家からすれば、自分たちが作って育てた会社という自負があるから口を出してくるでしょうし、現経営陣とすれば、現場も知らないのにいらぬ口出しをしてくる姑のような存在です。

会社によっては、その関係が一定の緊張感を生み、ガバナンスの健全化につながっている場合もあります。

しかし、オリオンビールの場合は、ちょっと下世話な口出しになっていたようです。

「この人(自分に近い人)を社員にしてやってくれ」「この保険を買いなさい」といった“天の声”が降りてくれば、経営陣は無下にはできない。「とくに苦しかったのが、創業家の人間をオリオン役員に迎え入れなさいというプレッシャーだった」と役員経験者の1人は述懐する。

あくまで記事に書いてあることですよ。

お互いがうとましく思うあまり、創業家は持ち株をオリオンに売却しようとしますが、金額に折り合いがつきませんでした。(オリオン側も相当な安値を提示したようです)

そこで創業家が頼ったのが、外資系ファンドのカーライルです。創業家は、カーライルの力を借りて、オリオンビールそのものを買収しようと試みました。

驚いたオリオン現経営陣は、野村証券に助けを求めます。両陣営、話し合いの末に、野村とカーライルが共同でファンドを作って買収する、というスキームが出来上がったということです。

まあ、ありていに言って、お粗末な話ですよ。

この騒動の中、筆頭株主のアサヒビールが、知らん顔を決め込むのも無理はありません。

最高のポジショニングだが、残念な経営力


カーライルが、この話に乗ってきたのは、オリオンビール自体の最高のポジショニングを評価したからだと思われます。

なにしろ、沖縄に特化したローカルビールメーカーとして、抜群の知名度と独占的な市場シェアを誇っているのです。これで儲からないわけがない。てこ入れすれば、もっと儲かるようになる!という算段があったはずです。

実際のオリオンビールは、政府の酒税減免措置に守られて利益を出している企業です。いま、普通の酒税徴収に戻せば傾くかも知れないというレベルらしい。

保護主義政策は、しばしば産業の力を削ぐことがありますが、オリオンビールの場合も、保護政策に甘えて、減免措置という薬なしには自立できない会社になっていたわけです。そういわれても仕方ありません。

参考:オリオンビールの危機的状況

もしかすると、カーライルのドラスティックな改革によって、業績を校回復するかも知れません。その場合、経営陣は総入れ替え、従業員も安穏とはしていられないでしょうが。

それぐらい痛みをともなった改革をしたほうが、いいんでしょうね。

なにせ、最高のポジショニングを持つ企業です。普通に経営すれば、相当儲かります。今の状況はかなり情けないということを自覚しなければなりませんな。