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ヤフーニュースに配信されていた記事です。そのうちリンク切れになります…

米映画産業はディズニー一人勝ち


世界の映画産業を牛耳るハリウッドに異変が起きています。

ここ十数年、M&Aを重ねて巨大化したディズニーが、ハリウッドを制覇したといってもいい状況ができつつあります。

ディズニーといえばアニメ映画の老舗ですが、ライバルの「ピクサー」を買収したのを皮切りに、ヒーロー映画の「マーベルスタジオ」、スターウォーズシリーズの「ルーカスフィルム」、そして名作映画が多い老舗映画会社の「20世紀フォックス」までも傘下に収めました。

特に近年、ディズニー傘下の「アベンジャーズ」シリーズや「スターウォーズ」シリーズが大ヒットしており、一人勝ち状態です。

他の映画会社は「弱者の戦略」を取らざるを得ない


これだけヒット映画シリーズを抱えているとどうなるか?

映画館も当然、ヒットの見込めるディズニー映画を優遇しますから、夏休みやクリスマス前などいい時期に上映スケジュールを組むことができます。

他の映画会社は、同日上映は避けたいですから、自然とイマイチな上映スケジュールとなってしまいます。

今のディズニー系列映画は、上映スケジュールの面からも、優位性を持っているということです。


内容に関しても同じことが起こります。

他の映画会社が、同じようなヒーローものやスペースオペラを作っても、二番煎じ感は拭えません。

こちらも狙うのは、ディズニーが作れないような映画です。

ディズニーは伝統的に、家族全員で観ることができる健全な内容の映画を志向しています。

子供にもわかりやすく納得できる楽しい映画、端的にいうと、ディズニーワールドでアトラクションを作れるような内容の映画です。

だとしたら、他の映画会社は、大人向けの少しひねった内容のもの、暴力やエロや複雑な社会問題にも切り込んだ過激な内容にしていかなければなりません。

そういう映画って、通には受けるかも知れませんが、大ヒットは見込めないでしょう。

でも、大受けを狙った超大作がコケたら屋台骨が揺らいでしまいますから、生き残るためには仕方ありません。

ディズニー以外の映画会社(ユニバーサル、ワーナー、パラマウント、ソニー)は、小ヒット狙いにシフトしていかざるを得ないということです。

ネット配信動画サービスでも主役に


いま映像系エンターテイメントの主戦場は、映画館からネット動画配信に移っていっています。

コンテンツを爆集めしたディズニーは満を持して「ディズニー+」という動画配信サービスを立ち上げました。

過去映画をネット配信でみせて、新作映画をヒットに導く流れを作ろうとする盤石の戦略です。



ついに、ディズニー一強時代の到来か!と言いたくなりますよね。

「アナと雪の女王」「トイストーリー」「アベンジャーズ」「Xメン」「スターウォーズ」など世界中でヒットが見込めるシリーズを多く抱えるディズニーが、動画配信サービスでも優位な位置にいることは間違いありません。

なにしろ「アナ雪」を観るためには、DVDを買うか、レンタルするか、あるいはディズニー+に入るしかないわけです。

ネットフリックスに入っていても、ディズニーの作品は観れないのですからね。

ディズニーvs非ディズニー


ネットフリックスは、仕方ないので、単打狙いの戦略です。同社は、製作費に莫大な費用をかけていることで有名ですが、決して一発ホームランを狙っているわけではありません。各国の製作者を採用して、ローカル色豊かで多様な映像作品を生み出そうとしています。

いわゆるニッチ狙いですね。

これは非ディズニーの映画会社も同じです。グローバルヒットではなく、通やマニアに受ける作品を扱わざるを得ません。

おそらく非ディズニーの映画会社は、今後、ネットフリックスなどの動画配信専業会社と提携して、映画でのスマッシュヒット+動画配信でのロングテールという二毛作で収益を確定していこうとするでしょう。

ネットフリックス自身は、映画会社が作れないような連続ドラマやドキュメンタリーの制作を増やしていくはずです。

映像系エンターテイメント業界は、今後、ディズニーvs非ディズニーの戦いに収れんしていきそうです。


二兎を追うディズニーか、それとも…


この戦い、どちらに分があるのでしょうか。

映画館ビジネスでも、動画配信でも、両方で勝とうとするディズニーが、このまま天下をとるかも知れません。

あるいは、動画配信が映画館とは違うことを知り尽くしたネットフリックス陣営が、専業会社の強みで打ち勝つかも知れません。

敢えて個人的な意見をいうと、映画館ビジネスを引きずりすぎているディズニーの戦略は、ちょっと安易ではないかと思っています。でも、ディズニーもいろいろ修正してくるでしょうし、今の時点では何とも言えませんわね。