カロリーメイト

大塚製薬のカロリーメイトが、発売から40周年を迎えるそうです。

おめでとうございます。

何気に長寿商品だったのですね。


バランス栄養食


何を隠そう、私は、カロリーメイトのヘビーユーザーでして、これがなければ食生活が成り立たないほどです。

バランス栄養食と銘打たれたカロリーメイトですが、説明を読むと、11種類のビタミン、5種類のミネラル、その他、タンパク質、脂質、糖質をバランスよく手軽に補給できるという触れ込みです。

外食が多い身としては、栄養素をまんべんなくとれるというのは有難いことです。

忙しい現代人にとって、健康のために、必要な栄養を摂取することは、非常に重要です。

最近では、日清食品が、完全栄養食品というシリーズに力を入れています。33種類の栄養素を取り入れた、これ一つで一食分賄えるという完全メシシリーズです。

食事に楽しみを見出す方には味気ないかもしれませんが、私は、それ以上に、手軽に栄養の過不足を解消したいと思う性質なので、こういうコンセプトの商品は有難い限りです。

ただ日清食品の完全メシは、商品点数が少ないという難点があります。私はしばらく完全メシだけで過ごしていた時期がありましたが、流石に飽きてしまいました。

その分、大塚製薬が「あくまでも食事の補助」というカロリーメイトは、手軽で利用しやすい。他の食事と組み合わせることができるので、使いやすい。

まだまだ発売を続けてほしいと思う次第です。


前例がない商品


それにしても大塚製薬というのは面白い会社です。

1921年創業。現在の従業員数は5761名。売上高5970億円、営業利益1394億円。

大塚食品や大鵬食品工業、アース製薬などを傘下に持つ大塚ホールディングス(売上高1兆7379億円)の中核会社です。

その名の通り、主力事業は、医療関連事業ですが、もう一方で、カロリーメイトなどの一般食品も扱っています。

カロリーメイトの他には、ポカリスエット、オロナミンCドリンク、ファイブミニ、ネイチャーメイド(サプリメント)がその商品です。

大塚製薬が世に問う商品の特徴は、前例がないことです。

カロリーメイトにしろ、ポカリスエットにしろ、発売当初は、聞いたことのない不思議なコンセプトの商品でした。

ポカリスエットは、「発汗により失われた水とイオン(電解質)をスムーズに補給する」飲料です。なぜ、水ではなく、ポカリを飲まなければならないのか、と多くの人が思ったことでしょう。

カロリーメイトは、「バランス栄養食」。こちらも、未だにわけがわからないと思う人が多いのではないでしょうか。

これを商品に仕上げた開発部の苦労や推して知るべしです。

ただ、前例がないからこそ、商品が浸透した暁には、パイオニアになれます。

カロリーメイトにしろポカリにしろ、一つのジャンルを形成するに至り、フォロワー商品を多く呼び込みました。

ジャンルの裾野が広がる程、トップ商品の売上も拡大します。その上、トップ商品は、値引き幅が小さいので、利益が高くなります。

トップ商品は、そのジャンルがある限り、売れ続けるので、息が長い商品になることは必然です。


営業の苦労をお察しします


ただし、前例のない商品は、売りにくいという難点があります。

そりゃそうです。前例がないので、わかりにくい。売れ行きも読めない。説明しても、売れるかどうかわからない商品を積極的に扱いたいと思う小売店は多くありません。

カロリーメイトを浸透させるために、営業部隊は「語り部作戦」などと称し、スポーツ施設や学校などにプレゼンしてまわったということですから、その労力は並大抵のものではありません。

カロリーメイトやポカリのように、ジャンルを築くほどの商品に育ったから、営業の苦労も報われたというものです。恐らく、鳴かず飛ばずで消えていった商品も多いことでしょう。

大塚製薬の営業にだけはなりたくないと思ってしまいますな。

思うに、大塚製薬という会社、相当、トップダウンが強いのではないでしょうか。

こういう前例のない商品の企画を通すなんてこと、トップでなければできないでしょう。

もしかすると、かなりワンマンなトップが君臨する組織なのかもしれません。

あくまで個人の想像ですが。

そうだとしても、大塚薬品は面白い会社です。こういう会社もないと、日本の社会が面白くなりませんや。

同社には、これからも独自路線を貫いてほしいと思う次第です。