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京都のアルミ切削加工会社がアメリカ市場を開拓しているというニュースです。

顧客の要望にオーダーメードで応え、毎月800種類もの部品・試作品を生産している。独自システムで工作機械を自動で動かし、受注から5日間で納品するサービスが好評だ。

8割が一点ものの生産だということですから試作品需要ですね。品質に厳しい日本市場で鍛えられた部品メーカーの姿が浮かびます。

私の得意先にも被りますが、日本に多い中小製造業の姿ではないでしょうか。

現地に製造拠点を作るが、設計は日本で行う


そんな高い製造技術を持つ小さなメーカーが、衰退気味の日本市場からアメリカへ販路拡大しているという事例ですから、多くの企業にとって参考になるはずです。

この会社、培ってきた技術をデータ化して、工作機械で再現できるようにした上で、アメリカに製造拠点を作っています。つまり、日本の技がアメリカで再現できる仕組みを作ったわけです。

さらに設計は日本で行っているので、現地のデザイナーを雇用する必要がありません。アメリカの高い人件費を避けつつ、製造配送は現地で行い、時間とコストを軽減させる工夫です。

今日の日経新聞には、日本の米をアジアへ販売拡大するという記事がありましたが、円安に加えて、賃金も相対的に低い日本ですから、海外進出の条件は整いつつあるということですね。

コメ輸出、高くても「うまいご飯」で海外市場を開拓

ただし製造能力を持っただけではビジネスになりません。無名の日本メーカーが現地で生きていくためには、販売能力が必要です。

販売には、製造と同じぐらいのコストがかかる


これはもう数十年前からの課題ですが、品質のいいものが売れるとは限りません。高い技術を持ちながら、売る方法を知らないために消えていったメーカーはごまんとあります。

脱下請けの必須条件は、販売する能力を持つことです。

当たり前のことなんですが、そこのところがなかなかピンとこない小さな会社が多いようです。

例えば、販売するためにはコストがかかります。

製造するためには製造設備が必要です。何千万円、何億円という設備に投資が必要ですし、実際にしている会社が多いはずです。

同じように販売するためにも投資が必要です。チャネル開拓、見込み客確保、広告宣伝、実際の販売活動、決済方法確保。。製造するのと同じ程度の費用がかかると思った方がいいです。

安易に、営業代行とか紹介会社とかに頼ると、会社に何の仕組みも残りませんので注意してください。

展示会をうまく活用する


記事の会社は、アメリカ市場を開拓するために展示会を活用しています。

顧客開拓、チャネル開拓において最も効果的で、よく活用されているのが展示会です。

私も、自分の顧客には、展示会の活用を勧めています。

日本であれば、東京ビッグサイトで開催される展示会がお勧めです。日本で一番人が集まる場所ですからね。

相応の費用がかかりますが、やりようによって、それ以上のリターンが見込めます。

もちろん、やりようによって、です。

せっかく展示会に出たのに、まるででたらめな方法で、出展費用をどぶに捨てているような会社も見受けられます。そういうのご注意ください。

せっかく展示会出展しても成果の出ないやり方をしている企業が多すぎる

いまはコロナで展示会の集客もままならないようですが、アフターコロナには、また人出が復活するはずです。

その時には、小さな会社こそ、展示会を活用して、顧客開拓、チャネル開拓に取り組むべきあと思います。