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オンライン学習のSchooに関する記事です。リスキリング(学び直し)需要に向けて、オンライン講座を提供しています。

個人向けにスマホで手軽に学習できるライブ番組を提供。コンテンツを企業研修や学校の授業などにも展開していくようです。
国内の社会人向けeラーニング市場は1100億円の規模にとどまるが、大学など高等教育機関向けは潜在的に数兆円に上るとの試算もある。
ということで、この分野、成長市場です。

成長産業なのに、いまいち株価がさえないトップ企業


この市場で最大手は、大前研一氏が創業したビジネス・ブレークスルーです。

2021年3月期の売上高は58億円、営業利益は2億円。今期は、68億円の予測ですから、ずいぶん伸びています。

コロナ禍で、オンライン学習は右肩上がりですし、将来性もあります。ただ、同社の時価総額は、63億円程度で、低く抑えられていることが気になります。

会社四季報によると、法人研修の新規受注が60社となっており、Schooの導入企業800社増加、という派手さに比べて、いかにも勢いがありません。

もちろん、低価格のSchooと比べるのは酷なのはわかりますが、ビジネス・ブレークスルーの間口の狭さが、勢いにつながっているとすると、よろしくありません。

エリート層をターゲットにしており敷居が高い


ビジネス・ブレークスルーは、1998年創業。当初はCS放送で番組を提供していました。

2005年には、大学院大学を開講。同時にマザーズ上場、現在は東証一部上場です。

当初から最先端のビジネススキルを学べることを売りにしており、オーストラリア版MBA、日本の経営学修士の資格をオンラインで取得することができます。

いわば、エリート層のリスキリングを支援する草分けです。講師陣も、大前研一氏の人脈なのでしょうか、各界の一流の方々が登壇しており、その分、私のような凡人には敷居が高いと感じます。

後発企業は、差別化しやすい


エリート教育を主眼としてるためか、ビジネス・ブレークスルーは、価格が高く、スマホ対応もいまいちです。

後発のSchooには、突ける隙が多いわけですな。

低価格、カジュアル、スマホ対応を売りに、一般の人々のリスキリングを担う戦略のようです。

講師陣については、私はよく知りませんが、おそらく、ビジネス・ブレークスルーほど格が高くないが、教え方のうまい人を揃えているのでしょう。

市場の黎明期に、高級路線をとるのは理に適っていますし、市場がある程度立ち上がってきたところで大衆路線をとる競合が現れるのも当然です。

いまなら、ミートできる


ただ、後発のSchooは、特に資金力が大きいわけでもなく、いわゆる後発強者ではありません。

先行するビジネス・ブレークスルー側からすれば、対応できる時間はあります。ランチェスター戦略の考えでいえば、ミートできる状況にあります。

この場合、放置して、Schooが強くなるのを待っていたらダメです。

私なら、子会社を立ち上げて、Schooをミートします。講座はスマホのみ。講師陣も人気投票で入れ替える「少年ジャンプ方式」で、徹底してわかりやすい、面白い、を追求していきます。

近いうち、動きがある


そんなこと、百も承知でしょう。

ビジネス・ブレークスルーの社長は、「研修のパーソナライズ化を進める」と発言していますから、ミートする意思がありありです。

また大前研一氏に至っては「次の成長に向けて、会社を抜本から作り変える」と発言していました。

Schooを買収して、同社社長に、ビジネス・ブレークスルーの経営を託すかもしれません。

あるいは、主力事業を脅かすような子会社を立ち上げるかもしれません。

早晩、動きがあると思いますので、注目しております。