00

AIが発達した時、営業はどう変わっていくのかを書いた記事です。示唆に富んでいます。ぜひお読みください。

おおむねこの記事に賛同いたします。一部以外は…

AIは、すべての営業の業績を底上げする


営業は、AIと相性のいい仕事だと思います。

営業には、決まったことを当たり前にする仕事と、創意工夫や臨機応変な対応が求められる仕事があります。

私の感覚では、当たり前の部分が7割、臨機応変が3割といったところでしょうか。

当たり前のこととは、営業プロセスごとの準備をきっちりすること。必要な訪問を行うこと。必要な情報を相手に確認すること。適切な情報提供をすること。適切な提案を行うこと。適切なタイミングで提案やクロージングをすること。などです。

持続的に成績がよい営業というのは、誰もが知っている当たり前のことをきちんとできる人です。

そうしたことは定性的な事柄ですから、AIがマネージすることができます。AIが適切に管理する営業は、いま優秀な人と同じ成果を上げることができるようになります。

成績にムラのある営業にとっては、やらなければならないこと、抜けてしまっていることをAIが教えてくれるので、常に高い業績を上げることができるはずです。

成績がずっと低迷している営業でも、どのように行動すればいいのか、その指針が与えられるので、平均的な業績を上げるようになるはずです。

プロセス営業にAIは馴染みやすい


AIを導入していない現在でも、一部の企業は、営業プロセスごとの行動と成果の相関関係を掴んで、営業の標準化に取り組んでいます。

いや、大企業はほとんどでしょうね。

それで一定の成果をあげているはずです。だから、プロセス営業の方向性にAIをあてはめるだけなので馴染みやすい。抵抗はないと思います。

僭越ながら私の営業コンサルティングも基本的に、プロセス営業を導入することでチームの営業力を向上させることを主眼としています。

現場での対応力は、個々の営業の差となって現れる


今は過渡期なので、プロセス営業を導入するだけで営業力が向上します。

その先はどうなっていくのか?

プロセスごとの行動が標準化されれば、営業ごとの差は、現場での様々な対応力に出ることになります。

顧客と人間関係をつくる力。相手のタイプごとに対応を選ぶ力。相手の感情の機微を読む力。一瞬のタイミングを掴む力。つまりAIが読み取れない部分に対応する能力です。

こうした現場対応力はAIが身に着けるにはまだ時間がかかりそうですから、営業の能力の差となって出てきます。

その能力はもともとのセンスもあるでしょうし、経験でしか身につかないものもあるでしょうね。だからベテラン営業の能力はまだまだこれから重宝されるはずです。

ただし、一昔前のように、営業ノウハウを自分だけのものとしてブラックボックス化する人はいりません。「現場ではこういうことに気を付けないとダメだよ」ということを言葉にして共有できる人じゃないとチーム力が向上しませんので。

しかし、営業のセンスや対応力といった「質」の部分は、それほど重要な要素とはならないでしょう。勝負がつくのは、やはり「量」の部分です。

AI時代こそ、営業の「量」が勝敗を決める


記事では、これからは事務仕事はAIが担うので、少数の優秀な営業が数多くの現場を担うのが良いという旨が語られています。

営業に付随する多くの事務作業をAIが代替するようになると、営業に関するコアな部分で高い能力を発揮する少数のセールスパーソンと、彼らをサポートするアシスタントがいれば営業チームは回ってしまう。能力に差のある5人のセールスパーソンを抱えるよりも、有能な2人のセールスパーソンがAIを駆使して営業を行い、これを1人のアシスタントが事務作業をサポートする方が、圧倒的に高い営業成績を残せるはずだ。

申し訳ないですが、この意見には反対です。

こういう時こそランチェスターの法則を思い出してください。

大昔の素手で戦うような場合は、第一法則(組織の力=武器の能力×組織員の数)が成り立ちました。

が、武器が高度になればなるほど第二法則(組織の力=武器の能力×組織員の数の二乗が成り立つようになります。

これを営業におきかえれば

営業のチーム力=個々の営業の能力×営業数の二乗

となります。

いくら優秀な営業がいるからといって、物理的に取捨選択しないと行動できません。

自社が訪問しない顧客にライバル会社の営業が頻繁にやってきたらどうします?

営業員が余るからといって、少数精鋭なんてしてしまうと大変なことになってしまいますよ。

このことは、第一次世界大戦時「優秀な武器が開発されたので少数精鋭で戦おう」といったイギリス軍の識者に、フレデリック・ウィリアム・ランチェスターが指摘したことです。

武器が優秀になればなるほど、人数が勝敗の決めてとなります。


つまりAIの発達は、営業の競争をより量の戦いにシフトしていくということです。

営業に携わるわれわれは、きたるべきAIの時代に向けて、自社にとっての営業プロセスを理解し、組織体制を整備しておかなければならないと思います。

自らも行動の「量」を稼ぐ。さらには営業数という「量」を確保する。

これからも、営業チームの戦いの本質は変わらないと考えます。