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カフェ・バーの代表格だったプロントが、コロナ禍の中、変貌していることを説明した記事です。知らなかったので、興味深いです。

プロントは、もともとサントリーとUCCが共同出資して作った店です。創業は、1988年。出資者の顔ぶれが示すように、昼はカフェ、夜はバーをコンセプトとしており、これを変えることはないでしょう。

私の世代からすれば、プロントといえば、都心にある便利で小洒落たお店です。敷居が高くないわりに、そこそこ落ち着けるし、お酒もコーヒーもパスタもある。時間が余った時はとりあえずプロントに行けばいい。

ところが近年は、スタバやドトールやコメダがあちこちにあるので、時間を潰すのに困りません。記事でも、カフェ市場での存在感がないことを指摘しています。

マインドシェアは、将来を示す


「カフェといえば?」という問いに、名前が上がらなければ、その店の存在感は薄いということです。

これを私はマインドシェアと呼んでいます。

マインドシェアは、結局、実際のシェアに結びついています。つまり、マインドシェアが低ければ、その店の将来性は暗く、高ければ明るいということです。特に消費財やサービス業において、当てはまります。

かつて存在感のあったプロントが、近年、カフェにおいてもバーにおいても、マインドシェアが低かったということは、言ってしまうと、お店としての賞味期限が切れてしまった状態だったということです。

これはブランドを立て直さなければなりません。

レトロ路線で、シニアと若者を狙う


プロントが考えた新しいコンセプトは、「昼はカフェ、夜はバー」から「昼は喫茶店、夜はサカバ」というレトロ路線だったようです。

プロントの名前に馴染みのある50代以降と、レトロを新しいと感じる若い世代を双方ターゲットにしようという狙いですね。

お店の変貌に戸惑うキャラクターをわざわざ作って(←いかにもサントリーっぽい)、グラスに描くところなど、プロント側の恐る恐る感が伝わってきて微笑ましいです。

記事では「ほとんどの店で客単価150%を達成」とあります。これは、リブランドが成功したとみていいのだろうか?

ちょっとこの記事だけではわかりませんが、意欲ある取り組みだと思い、記しておきました。今度、機会があれば行ってみたいと思います。