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ソニーが復活してきています。

2019年3月期の連結売上高は8.6兆円。営業利益8900憶円。株式時価総額は9.7兆円。堂々たるものです。

パナソニックの時価総額が2.8兆円ですから、その差は歴然としています。

パナはいまだに組織間の軋轢に苦しんでいるといわれています。というか、日本の大企業の殆どが、経営陣同士の確執や部門間の対立といった問題を抱えていると聞きます。

いまの日本企業の問題は、戦略ではないんですね。組織が重すぎて動けないわけです。

が、「One Sony」を打ち出したソニーは、いち早く組織の問題をクリアしたのでしょうかね。少なくとも、組織の問題にはフタをして、戦略方向性を打ち出しつつあるようです。

いまのソニーは、エンタメの会社


もっともその姿は、昔懐かしい「技術のソニー」ではありません。

いまのソニーは、プレイステーション(ゲーム機)やウォークマンを軸にしたエンタメの会社です。

ソニーは映画会社を傘下に抱え、スパイダーマンなどのヒットキャラクターを持っています。

映画ビジネスは当たりはずれが大きいものの、映画をテーマにしたゲームを作成することで、回収できる体制を整えています。

また豊富な楽曲を抱える音楽会社も持っており、ストリーミング配信で稼いでいます。

映画やゲーム、音楽といったコンテンツの販売は、利益率が高いので、一定量を超えると、非常に投資効率の高いビジネスとなります。

2000年頃からソニーを率いた出井伸之、ハワード・ストリンガーといった文系経営陣の戦略方向性が、ここにきて実を結んできたということでしょう。

アップルと比べると…


しかし、かつてのソニーを知る私などは、もの足りないなあと思ってしまいます。

ソニーと似たビジネスを志向したアップルは、売上高29兆円、営業利益7兆円、時価総額148兆円です。

アップルも、iPhoneを軸にして、様々なソフトを付加するビジネスです。(圧倒的にiPhone本体の売上が大きいですが)

アップル創業者のスティーブ・ジョブズは、ソニーに憧れていた時代があり、ソニーのやり方を真似た部分もあります。

ただし、アップルは、スマホという人類全てが手に取る可能性のあるものを生み出しました。据え置き型ゲーム機というニッチなビジネスに止まるソニーとの差がここに出てしまったわけですな。

ソニーの歴史を見てみると、スマホを生み出すための条件は全て揃っていたのに、生み出せなかったもどかしさを感じます。

イメージセンサに伸びしろ


ただ、ソニーは昔から、素晴らしい技術は持っているのに、それを大きなビジネスに活かせない傾向にあります。

おサイフケータイに使われた「フェリカ」とか、やりようによっては、巨大ビジネスになっていたでしょうに、もったいない限りです。

実はいま、監視カメラなどに使われるイメージセンサーは、ソニーが50%のシェアを占めています。

今後、市場が拡大することが確実視されるビジネスです。むしろ、この分野にこそ伸びしろがあります。

「技術のソニー」面目躍如のチャンスです。ここは、うまくビジネス化してほしいと思いますね。

アップルの天下も続かない


ちなみに我が世の春を謳歌するアップルも、iPhoneに頼りすぎるビジネスは、脆弱なんじゃないかと言われ始めています。

スティーブ・ジョブズなら、次の柱を開発していたでしょうが、今の経営陣は、iPhoneの価格を上げたりして、収益を落とさないことに躍起になっています。

今の経営では、伸びしろを感じませんね。