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プロ経営者という概念があるならば、プロ管理職があってもいいじゃないか。というのは、その通りだと思います。

転職エージェントに対して「部長ができます」と主張する人がいる、というのは笑い話だったのですが、いまとなっては、得難いスキルだと考えられます。

チームが業績を上げるためには、チームマネジメントの技術が必要です。かつての日本のように成長期であれば、横並びの戦略で頭数を揃えてモチベーションを上げていればなんとかなりましたが、今はそうはいきません。市場縮小する今日、独自の戦略がなければ、生き残ることすらできません。

つまりチームがどの方向にどう動くのかを率いる人の力量が問われます。

それは現場担当ではなく、管理職の仕事です。

業績を上げるチームとは


拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』は、魔法瓶分野の世界トップ企業であるサーモス株式会社が、弱小事業部だった頃から世界トップになるまでを、主に営業チームの視点で描いたビジネス小説です。私が経験したり、見聞した事実を思い出しながら、虚構の人物にあてはめて書きました。

「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語
「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語 [単行本(ソフトカバー)]
駒井俊雄
ぱる出版
2015-10-30


「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語


いま、あらためてその頃のことを思い出してみて、なぜサーモスでは、チームが機能したのだろうか?

弱小も弱小。ボロボロの負け犬集団だったチームが、世界トップになれるようなチームになった理由はなにか?

ということを考えてみると、いくつかの要素が思い浮かびます。


1.明確な戦略があった。…早い時期に「世界トップになる」という目標を打ち立て、そのための戦略を作った。

2.ある程度任せられた。…人数が少なかったからですが、ある程度任せてもらえた。その結果として、各人が強みを発揮した。

3.風通しがよかった。…これも人数が少なかったこともありますが、コミュニケーションが活発でした。

プロ部長の仕事


そのため、私はいま、コンサルティングにおいては、業績をあげるチームを作るために

1.営業戦略設定

2.目標達成管理

3.権限委譲

4.コミュニケーション

を施策の柱にしています。


上の記事においては、人材配置、目標達成管理、コミュニケーションを部長の仕事だといっていますが、まったくもってその通り。ほぼ同じことを言っていると思います。


プロ部長というのは、現場を知らなくても、チームを機能するようにまとめ上げて、管理する存在だといえます。ほぼコンサルタントと同じスキルを持つ人ですね。

だとすれば、業界が違っても、スキルは同じです。会社を渡り歩くプロ部長というキャリアも成立します。