はとバスが“バブル並み”に客を呼べる理由「東京観光の定番」が、「超定番」に!(東洋経済オンライン)

■東京観光の定番であるはとバスが絶好調だという記事です。

東京のバス観光というのは、定番というか、老舗ですから、一歩間違えれば、陳腐化して消えていてもおかしくないサービスです。

それがバブル期なみの集客力を誇っているといのですから立派です。

■好調の直接のきっかけは東京スカイツリーの開業ですね。

観光の目玉ができたことで、地方客が増えたということでしょう。スカイツリーはただでさえ入場料が高いですから、どうせなら単独でいくより、はとバスツアーで他の観光とセットでいく方が得ですよね。

■ただ、こうした外部要因だけではなく、はとバス内部の改革があったことは忘れてはなりません。

バブル期、同社は、旅行会社として多角化し、飛行機や列車を使ったツアーも扱っていたそうです。

客数減少によって、より需要の多いところに行こうとするのは常套ですが、これは自社の独自性を消してしまうので危険です。

が、自社の強みであるバスツアーに再度特化してから、客足が戻るようになります。

■同社がやったのは、バスそのものの見直し、パンフレットの見直し、およびツアー企画そのものの見直しです。

とにかく同社のバス企画はなんでもありです。

スタンダードな東京半日観光から、グルメツアー、国会議事堂ツアー、夜の銀座六本木ツアー、あるいは企画者が悪乗りしたんじゃないかと思えるようなツアーまで。

いっぱいあるので、暇なときにははとバス乗り場にいって、好きなツアーに参加するという暇つぶしも可能です。

■老舗会社が、官僚的になって、面白みを失っていくのはよくあることですが、この内部の改革のエネルギーはどこから来たのでしょうかね。

興味のあるところです。

■東京のバスツアーにおいて、同社より強みを発揮できるところはないわけですから、そこを徹底しようとしたのが同社の成功要因ですね。

これはランチェスター戦略の考えである「勝てる市場で圧倒的に勝つ」にそのまま合致します。

また彼らが「自分たちの市場の枠」をつかんでいて、むやみに広げようとしていないことも、強さですね。

■はとバスは、顧客層(地方客、東京在住者、子供、外国人など)にセグメント分けして、サービス展開しています。

おそらく今後は、オリンピックもあることですし、外国人向けのサービスを強化していくのでしょう。

同社の活動に注目しております。