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アイリスオーヤマが絶好調です。

2020年度のグループ売上が6900億円。前年比36%増ということですから驚異です。21年度には8500億円を予想しているということです。

同社は、家電事業、LED事業、食品事業を展開しており、コロナ禍需要で、家電や食品が好調だったようです。

いち早く手掛けたマスク事業も貢献しています。

アイリスオーヤマのマスク事業は営業の切り札だった

消費者感覚と値ごろ感にこだわり


昨日、バルミューダの記事をとりあげました。バルミューダは、マーケティングのセオリーに逆行する製品至上主義的な経営を展開しています。

バルミューダ 社長の強気な発言

バルミューダの武器は、クリエイティブな商品開発力です。そのために、多くの技術者を擁しています。

そこはアイリスオーヤマも負けていません。アイリスは、2000年頃から、大手家電メーカーを退職した技術者を積極的に採用し、家電メーカーとしての能力を身に着けました。

ただ、アイリスの場合、消費者感覚と値ごろ感にこだわります。大手家電メーカーが苦しくなっていったのは、過剰な競争志向で、差別化機能を追求するあまり、消費者感覚と値ごろ感を失っていったことが一因です。

アイリスは、その轍は絶対に踏まないと会長が目を光らせているようです。

最高益のアイリスオーヤマ大山会長、危機は好機の理由

この点、「いい製品は高くて当たり前だ」とでも言うのか、超強気な値決めを行っているバルミューダと違うところです。

売り場確保を優先せよ

もうひとつ、アイリスオーヤマは、販売チャネルを重視しています。同社の多様多産な商品開発は、販売チャネルが確保されているからこそできることです。

同社は、メーカーベンダーを標ぼうしており、もともと小売店を開拓する意識が強い企業です。祖業のプラスティック製品でホームセンターを開拓したのを足掛かりに、商品のバラエティを高めていきました。

いまは家電量販店やスーパー、ネット通販にも手を広げており、開発と販売の両輪がうまく回っていると感じます。

売り場確保を優先せよ、というのは、ランチェスター戦略のセオリーです。

営業出身で、ランチェスター戦略の専門家である身からすれば、アイリスオーヤマの活躍は、実に理にかなったものであると、応援したくなる次第です。