モノタロウは、2000年創業の通信販売会社です。住友商事の社内ベンチャーだったようですが、今は米国の商社の子会社となっています。
コンセプトは「3年に1回しか買わない商品をそろえる」こと。いわゆるロングテール商品を販売することで、アマゾンのコンセプトと被ります。
余談ですが、昔、東急ハンズも似たコンセプトを打ち出していましたが、実店舗でそれをするのは無理があります。
通販でしたらこれが可能となります。モノタロウは扱い商品を多さを「200階の百貨店」とたとえています。
局地戦ならばアマゾンに対抗できる
2020年12月期の売上高は、1573億円。営業利益196億円。利益率12%超は立派です。記事によると、純利益は12年間最高益を更新し続けているとか。勢いのある会社です。
ECでアマゾンに対抗するひとつの模範解答が、モノタロウだといえます。
すなわち商品分野を絞り、思い切り深掘りすることです。
モノタロウの場合、工具に絞り、まさに「2年に1回しか必要ない商品」を取り揃えました。それでも、200階の百貨店クラスの品ぞろえになるのですから、アマゾンといえどもミートは簡単ではありません。
記事を読むと、モノタロウがやっている顧客データの分析と個対応、サイトの改善対応、物流システムの絶えざる効率化などは、アマゾンの模倣です。
ただし、商品分野を工場などで使用する間接資材に絞っているため、なんでもありのアマゾンに比べて、品揃えも多いし、データ分析も個対応もより精度が高くなります。
広域戦ではかなわなくても、局地戦に持ち込めば勝機があるという「弱者の5大戦略」に合致した方策です。
これは、実はGAFAMすべてに言えることで、局地戦は、どの分野においても有効であると思います。
私が生き残っているのは「弱者の5大戦略」を実践してきたからです。
業績拡大の流れは続きそう
記事によれば、間接資材の市場規模は5兆円から10兆円とされ、モノタロウのシェアは3%程度だとか。同社は、10%程度までは伸ばしたいとしていますが、市場規模からいって可能性は充分にあります。
アマゾンやアスクルなど競合も黙っていませんから、しばらくは、ライバルと共に、間接資材市場におけるECのシェアを拡大する流れが続くでしょう。だから、まだ業績は伸びるはずです。
あと面白いのは、モノタロウが、海外進出に意欲的なことです。これは、米国の親会社の影響があるのでしょう。
親会社との住み分けがどうなっているのかはわかりませんが、アジアを中心に事業展開していくようです。
その部分でも事業拡大の流れは続くと思います。