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あいりん(愛隣)地区、昔の名称でいえば釜ヶ崎は、江戸時代からあったスラム街が明治時代の都市計画で移転した地域のようです。

戦後にはドヤ街として拡大し、全国から日雇労働者が集まる街として定着しました。同地には就労斡旋と福祉を目的とする施設が開設され、安い簡易宿泊所が多くあり、無料の炊き出しも頻繁に行われているので、仕事にあぶれてもここに来れば何とかなるという場所となっています。

日雇い労働者を相手にする商売が多く、街全体が低価格のサービスであふれています。それだけならいいですが、昼間から酔いつぶれて寝ている人もいるし、あちこちでもめ事が起きているし、いささか不穏な雰囲気があります。

私が子供の頃は、足を踏みいれてはいけない場所と言われていたものです。

急速に観光地化


ところが、NHKの朝ドラの舞台となったり、小さな遊園地ができたりして、ここ20年で急速に観光地化していきました。若い女性などが二度漬け禁止の串カツの店に並び、通天閣をバックに写真を撮っている姿を見ると隔世の感があります。

その果てが、星野リゾートの開業です。関西空港とカジノリゾートを結ぶ場所として大阪市が誘致したのでしょうが、受け入れた星野さんも思い切った決断をしたものだと大阪人は誰もが思ったはずです。

若者や外国人が集まっている


記事を読むと、星野リゾートの開業を象徴として、様変わりしていく同地域の姿が書かれています。

同地には、家賃や物価の安さを求めて、若者や外国人などが集まってきているそうです。

コロナ前にも、中国人が集まってきて中華カラオケなるものが商業集積化していると話題になっていました。いっそのこと、この地域に中華街を作ろうという構想まで持ち上がっていたものです。

最近はベトナム人が集まってきているとか。ますますカオスな状況となってきているようです。

地域のポテンシャルは高い


これはコロナ禍で早まった都心部への人口流入を示す事例だと考えます。

この地域は、難波と天王寺の間にあり、実は便利な場所です。それなのに物価が低いので人が集まりやすい。大阪人以外には偏見もないでしょう。

思えば、ウラ難波なる場所も、比較的辺鄙で家賃が安い地域に若者が思い思いの店を出すことで自然発生的に生まれた繁華街です。

あいりん地区から新世界までのあたりが、次の繁華街になっていく可能性は充分にあると考えます。

もちろん今でもこの地域には、都市伝説めいた胡散臭い話がまとわりついています。ただ、そうした猥雑さも、繁華街の魅力の一つですよ。変に統制せず、外国人や若者の思うままにしてもらうことがいいと思います。

あとは地権者が、欲気を出して家賃を高くしないことですね。


個人的には、難波〜日本橋〜新世界のルートはポテンシャルが高いと思っています。コロナが収束しインバウンドが戻ってきた暁には、堺筋を夜間通行止めにして、台湾や香港のような夜市を作ってほしいと思います。

強力な観光資源となると思うのですがねー