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かつて業界1位だったシダックスが撤退(シダックス側は否定)したことで話題になったカラオケビジネスですが、相当様変わりしてきているようです。

シダックスがカラオケ事業の撤退に遅れた理由

部屋だけを貸す低価格路線が伸長


シダックスのカラオケ事業が立ちいかなくなった理由は、市場の変化についていけなかったことです。

大箱のカラオケルームを抱え、充実した料理込みでビジネス展開していたシダックスですが、市場はひとりカラオケや、持ち込みOKの低価格カラオケを評価しています。

低価格路線爆走中のコシダカホールディングス(まねきねこ)の好調ぶりが、それを表しています。

明暗わかれたカラオケチェーンの状況

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シダックスは、店舗賃貸の長期契約に縛られて機動的な統廃合ができなかったと言われていますが、市場の変化にあわせて新たなプレーヤーが登場しているようです。

「歌わない」カラオケルームの利用需要を開拓


記事で紹介されているのは、紳士服を主力とするAOKIホールディングス傘下のコート・ダジュールです。

こちらは、シアタールームや女子会ルームなど、「歌わない」カラオケ店の利用需要を取り込もとしています。

確かに防音設備の充実したカラオケルームは、仲間内で話したり、あるいは交渉事をするのに適しています。

かといって通常のカラオケルームで商談するのは、若干みすぼらしいものがありますので、そこに適した部屋があればそれは有難いといえるかも知れません。

13万室以上のカラオケルームをどう使っていくか


カラオケ白書によると、2015年のカラオケ店数は9555店。ルーム数は134200ルームだということです。

これだけの数があるということは、ちょっとしたインフラ設備だといってもいいかも知れない。

仮眠、自習、楽器の練習といった一人需要から、同窓会、雑談、商談、勉強会、会議といった大勢での需要まで、使いようによっては使えます。ライブビデオを使えば、講演だってできるかも知れません。

しかも、ホテルの貸会議室を利用するよりははるかに低価格ですむはずです。

いまはカラオケルームといえば、何でも勝手に使ってくれ、というまねきねこスタイルの低価格路線が勝ち組となっていますが、それとは別に、コンセプトを明確に打ち出して需要の喚起を狙うコート・ダジュールの取り組みは面白いですし、評価できると思います。