カンブリア宮殿にコストコが登場したようです。
2000年頃に日本上陸し、現在は国内26店舗。すっかり定着した感があります。
コストコが日本に定着した理由
当初は、ホールセールクラブ(卸売業者が販売する店)という形態が日本の商慣習に馴染まず、苦労したようですが、「コストコサイズ」と呼ばれる大きなパックの商品が、今までなかった販売方法だとメーカーの興味をひき、協力を勝ち取ります。
これは同時期に日本進出して撤退することになるカルフールにはなかったことです。
カルフールは、単に「メーカーと小売が直接取引すると、中間マージンが省けて、消費者のためになる」という正論でメーカーを説得しようとして失敗しました。
日本における慣習やしがらみの強さを甘くみていたのかも知れませんな。
結局はカルフールには、消費者やメーカーを惹きつける「何か」がなかったわけです。
参考:日本でコストコが成功し、カルフールが失敗した理由
非日常的な購買行動を演出
コストコには消費者を惹きつける「何か」があります。
それは買い物に付随するレジャー性、非日常性といったものです。
休みの日に大量に買い込んだものを車で持ち帰って近所で分ける。という消費行動は、明らかに非日常です。
洋画でみるようなアメリカスタイルのような気もしますし、昭和40年代の日本の購買スタイルのような気もします。
買ったら困るような文房具のセットがあったり、土産物屋でしか見ないような駄菓子の大袋があったり、どこに置くんだと言いたくなるような収納小屋がそのまま売っていたり、食堂にはやたらでかいピザやホットドックが売られていたり。
非日常の種類が違いますが、ドン・キホーテも、購買の非日常性を演出して成功しましたね。
ネット通販が日常的購買の主役になりつつある現在、リアル店舗が生き残るヒントが、このあたりにありそうです。
安いことは安いが、年会費を払うほどか?
コストコといえばもう一つの売りは激安です。
大箱。箱のまま陳列。だから運送費や人件費が削減される。というのはわかります。
ただコストコの場合、もうひとつ。
コストコがどこで利益を出しているかといえば、個人で年間4400円の会費。この安定した利益があるから商品を安くできる。そしてその安さに惹かれ、また客が来る。まさに好循環のビジネスモデルなのだ。
要するに、年会費で儲けを確保し、あとは利益ゼロで販売する。というビジネスモデルです。通常の小売店とは違う発想でビジネスを組み立てていることがわかります。
ただし、コストコの場合、数量がやたら大きい商品や、他所でみないような特殊な商品が多いため、単純に価格比較できないようになっていて、実際にはどれぐらい安いのかは不透明です。
業務スーパーの方が安いやん。という意見もあります。
参考:コストコで「得」できるという大いなる勘違い 「年会費=大仏の拝観料」だと割り切れるか?
つまり、コストコの年会費は、商品を安く買うためではなく、非日常的なレジャー消費を楽しむための入場料だというわけです。
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