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メモ。近畿圏で「サッポロ黒ラベル」が売れているという記事です。

確かに私の周りでもサッポロ黒ラベルファンは何気に多い気がする。

大阪というのは、アサヒ、サントリーのおひざ元だし、キリンも強い。サッポロは分が悪いという気もしますが、頑張っているのですね。

ビール類メーカーの業績


サッポロホールディングスは、売上高5418億円、営業利益202億円。営業利益率3.7%。(2016年12月期)

ビール類では国内4位メーカーです。

ちなみに1位のアサヒグループホールディングスは、売上高1兆7069億円。営業利益892億円。営業利益率5.2%。(同時期)

2位のキリンホールディングスは、売上高2兆0750億円。営業利益1418億円。営業利益率6.8%。(同時期)


ただし、サッポロの場合、営業利益の約半分は、不動産事業からのものです。

不動産事業を除くと、

売上高5189億円。営業利益99億円。営業利益率1.9%となってしまいます。

全国規模の4位メーカーというのは、キツイものですな。

「黒ラベル」拡販の取り組み内容


記事では、大阪で黒ラベルを販売するための取り組みが書かれています。

もともとサッポロは、少し高価格なエビスビールが大黒柱でした。そのエビスビールが、サントリーのプレミアムモルツにまくられてしまったのが情けない限りなんですが、サッポロは注力する商品を転換します。

スーパーでこそヱビスのほうが売れていたものの、コンビニエンスストアではヱビスの1.9倍、酒量販店では1.2倍売れていたのだ。

というデータに気付いたためです。

そこでサッポロは、

(1)社内の意識改革

黒ラベルは売れる!という情報を社内で共有するため、

黒ラベルを知るためのネタ本づくり、黒ラベルのジャンパーづくり、それと黒ラベルの売り上げを全員に人事考課の評価項目として義務付けた。

(2)販売促進

バイヤーへのサンプル提供。しつこく。

テレビCMに関西人を出す。

サッポロのビアガーデンを関西で開催。

2015年から始めたこうした努力が実って、28か月連続前年超えという結果につながったということです。

営業は自社商品に飽きたらだめ


営業の取り組みに関しては、いくつも思い当たるふしがありますね。

売れない営業チームというのは、気持ちで負けていることが殆どです。

例えば私がサーモスにいた時も、売れない時期は「上位メーカーと変わらない商品」「安くしないと売れない」と感じていました。

しかし、営業の仕事は、

商品で顧客の問題を解決する。

差別化を訴求する。

購入のタイミングをアジャストする。


ことです。

特に、どんな小さなことでも差別化アピールする癖をつけないと、営業は値引きマシーンになってしまいます。

自社の商品に自信を持つためには、市場をよく見て、自社商品が勝てる場面を見出すことです。

サッポロの場合、販売チャネル別の販売データを調べたことが、そのきっかけになったということですね。

わかりやすいいい事例だと思います。


サーモスの販売改革については、こちらに書いています。自社商品をよく調べて、差別化訴求していくくだりはハイライトの一つです。