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謎の高収益製造業キーエンスに関する記事です。

「謎」と言いましたが、キーエンスはあまり自社の情報を表に出さない企業です。何かわからないが、やたら高収益な企業なので、いったいどういう秘密があるのだろうと興味をそそります。

キーエンスの情報は、同社をやめた社員などから聞き取るしないないのですが、そうした情報が少しずつですが、伝わってくるようになりました。

上の記事もその一つです。貴重ですので、ぜひ読んでください。


驚異の高収益企業キーエンスの理由


強力な営業組織が特徴


キーエンスの特徴は、営業力がやたら高いということです。

ただし特殊なことをやっているわけではありません。

今回の記事を読んでも、伝わってくるのは、いわゆる一般的な「プロセス営業」を徹底している様子です。

プロセス営業というのは、営業の要素を段階別に切り取って、それぞれを高度化してつなげていく手法です。

一般に営業には、顧客と接触して、ニーズを聞いて、提案して、契約する、という一連の流れがあります。それぞれの段階ごとに、効果が上がるやり方があるはずです。

そのやり方を洗練させていこうというのがプロセス営業です。

決まった通りに行動することが求められる


ただしやり方というのは企業ごとに違います。扱う商品も業界も違うのだからやり方が違うのは当然です。

だからキーエンスの営業方法を真似ても必ずしもうまくいくとは限りません。

だけどキーエンスがやり方を洗練させていく手法は大いに役にたつはずです。

キーエンスは、各営業がやった営業方法を丹念に記録し、蓄積し、分析することで、最も効果が上がるやり方を求め続けています。

そのうえで、最もうまくいく営業手法を各営業に忠実に再現させるようにしています。

その様子はまるで役者に勝手を許さない黒沢映画のようです。

完璧なシナリオがあり、イメージ通りの演技を強いる監督がいて、役者はその通りに動かなければなりません。

力のある役者は、思い通りの演技をしたいとストレスがたまるかも知れませんが、それは許されない。結果としてすばらしい映画が出来上がるのだから、文句は言えません。

営業の「忠実さ」への報酬


キーエンスの営業は年収2000万円が一般的だそうですが、その収入は成果に与えられるのではなく、決め事通りに行動した忠実さに与えらえているといってもいいのかも知れません。

一般的なプロセス営業だといっても、それを徹底することは並大抵ではありません。やり方が決まっているだけに、躊躇することができません。立ち止まって考えることなど不要です。決まった通りに寸時の遅れもなく、行動することを強いられます。

そんなロボットみたいな仕事をして2000万円ももらえるなんて羨ましい!と思う向きがあるかも知れませんし、逆に、そんなロボットみたいな営業なんてしたくない!と嫌う人がいるかも知れませんね。

どちらの意見もわかりますが、価値を上げているところに報酬があるのは当たり前のことです。重要なのは、会社として成果を上げているかどうかです。

(実際は決まり事があっても創意工夫の余地はいっぱいありますからロボットみたいな営業にはならないのですけどね)

会社の無策が低賃金につながる


昔は、会社側もやり方がわからなかったので「やり方は問わない。成果を上げた者には高収入を約束する」なんて無策がまかり通っていました。

そんなことをしたら、自分だけ成果を上げようとする利己的な営業がはびこるのは目に見えてます。成果主義が会社全体の成果につながらないのは、もはや常識です。

会社全体の収益が上がらなければ、従業員の報酬も上がりません。当たり前です。頑張っているのに給料が安いと嘆く人は、会社の無策を疑うべきですね。

中小零細企業の生産性向上がいま大きなテーマになっていますが、その一つが、営業力の向上です。

キーエンス型の会社全体の収益を上げるための営業戦略導入が、不可欠だと私は考えています。

ただし、自由度が高い営業組織にいきなりプロセス営業を導入しても消化不良になることが多いんですね。なんとかストレスを感じないように、うまく導入することが私の仕事です。

頑張ります。