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任天堂が絶好調です。2021年3月期の決算は、最高益を更新する見込みです。

コロナ禍で追い風を受ける


こちらは、コロナ禍で追い風を受けた企業です。

世界的な巣ごもり需要で、ゲーム機(スイッチ)とゲームソフト(あつまれどうぶつの森)が大ヒットしています。

特に自宅待機規制の強いヨーロッパ各国での販売が好調で、品薄なスイッチは、すぐに売り切れる状態だそうです。

夏頃にいったん落ち着いたように見えたものの、冬の感染の広がりとともに再び盛り上がってきています。

わかりやすい。

懸念材料は、パンデミックが収束することだ、とアナリストが言っているようで、なんとも複雑な気持ちになります。

ソニーは「強者の戦略」、任天堂は「弱者の戦略」


ただ、コロナ禍もいつかは収束しますので、そのときの落ち込みがどの程度のものかが、最大の問題です。

同じくゲームビジネスが絶好調なソニーですが、こちらは音楽、映画、などでコンテンツを広く活用するビジネスを展開しています。

ゲーム機を軸としたオンライン会員の獲得にも積極的で、収入の安定化を進めています。

これに対して、任天堂は、ゲーム機やゲームソフトの製品力で勝負する潔いスタイルです。だから殆どのソフトが自社開発です。

いわば、任天堂は、ゲーム産業における「弱者の戦略」をとっており、かつてのソニーを彷彿をさせます。

逆に、プレイステーションの販売量を基盤に、協力企業の力を結集するソニーは「強者の戦略」です。ゲームソフトも、映画などのコンテンツも、協力企業と収益を分け合っています。

ソニーは、きっと弱者の戦略の不安定さに懲りたのでしょうな。したたかな企業になっています。

こうした企業それぞれの思惑の違いも面白いですね。


ともかく、任天堂のビジネスには、弱者の戦略に伴う不安定さがあります。

アフターコロナのビジネスの行方が気になるところです。