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経営難で廃部も検討されていたサッカーチームが、ジャパネットたかたの100%子会社として再建、みごとJ1進出を果たしたということです。

ジャパネットたかたの高田明社長は、日経新聞の「私の履歴書」連載中ですね。こちらも興味深く読ませていただいております。

弱小サッカーチームを変えた方法


監督も主力メンバーの顔触れも変わっていないのにこの躍進はいかなることだ。と注目されますが、もともと高いレベルで競技するプロ組織なので、ちょっとしたきっかけがあれば、変貌することはあります。

組織は一丸になると思わぬパワーを発揮します。ジャパネットたかたは、組織の一丸スイッチを押したわけですね。


記事は簡略に書かれていますが、組織変革のヒントとなります。

簡単にいうと

1.トップがビジョンをしつこく示す

2.上下、横のコミュニケーションを密にする

3.徐々にでも目に見える変化を起こす

4.目標は全員で立てる

5.ルーティンの強化を行う

といったことが書かれています。

これは、コンサルにおいても、同じです。組織を動かすのに、有効な考え方だと思います。

まずは「勝てる場所で戦う」


私の場合、売る力が下がった組織のコンサルを頼まれることが多いわけですが、まず取り組むのは、戦略方向性を定めることです。

言い方を変えれば「勝てる場所で戦う」ことに注力します。

売る力が下がっているというのは、組織の弱体化問題であると同時に、そもそも売れないビジネスを惰性で続けていたということが多いので、そこを正します。

そうじゃないといくら努力しても成果が出ないという地獄ループに陥ってしまいますのでね。


ただし戦略を決めただけでは組織は動きません。

組織には、現状維持パワーが強く働いているので、いままでやっていることを変えたくないという本音を抱く人が多いのです。

コンサルタントの中には、正しい戦略を示したのだからやらないのは君たちの責任だ、と突き放す人もいるようですが、現実問題としてそんな態度では、成果は出ません。いかにメンバーをその気にさせるのかが、コンサルタントの腕の見せ所だと考えています。

営業組織でも手法は同じ


ちなみに営業組織の場合も、上の方法と同じです。

1.トップが方針を明確に示し、しつこく語ってもらう。トップの関わりはこれだけで結構です。

2.組織の風通しをよくなるような仕掛けを繰り出す。声掛け、辻説法、朝礼、会議、フィードバック、交流会、表彰制度など、上下左右のコミュニケーションがよくなるようなことを増やす。

3.全員参加で目標設定する。その上で、目標達成管理を徹底する。

4.フィードバックを行いどうすればよりよくなるかを全員で考え、行動する。

さらにいうと、少しずつでも「目に見える変化」を加えていくこと。頭で切り替えるのではなく、見た目で変化を理解できるようにします。


ありていに言えば、戦略、仕組み、コミュニケーション、権限移譲、PDCA、これらを組織に正しく組み入れることです。

特別なことをしているわけではありませんが、それでも一筋縄でいかないのが、人間組織のむつかしさですね。