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ローソンが、2014年に完全子会社化した成城石井を株式上場させる意向だと報道されています。

当時の買収額は約550億円。上場すると時価総額が2000億円になるのではないかとみられていますので、いい買い物をしたようです。

ちなみにローソンの売上高は2兆3497億円、営業利益は408億円。営業利益率1.7%です。

これに対して成城石井の売上高は1034億円、営業利益111億円。営業利益率10.7%。

ずいぶん利益率が違います。優秀な子会社ですな。

成城石井の特徴


成城石井は、高級住宅街として知られる世田谷区成城に開業した食料品店を祖にしています。スーパーを始めたのが1976年。場所がら、他では手に入らないような輸入品を多く揃えた高級なスーパーとなっていったようです。

1980年代から東京を中心にチェーン展開をはじめ、2000年になると大阪や名古屋にも進出。この頃には、創業者は手を引き、全国展開を見据えた一般的なスーパーとなっていきました。

ただ、高級路線の雰囲気は残しており、品揃えが普通のスーパーとは違います。輸入品が多いし、総菜も独特です。これは、成城石井が貿易部門を持っており、自ら買い付ける能力を持っていること、および、自社で総菜やスイーツを製造するセントラルキッチンを持っていることから生み出される強みです。

ちょっと高いが品揃えが他とは違う。総菜やスイーツが他よりも美味しい。という路線で、ゆったりと店舗拡大しているのが現状です。

上場で得た資金をどう使うのか?


もっともローソンが、成城石井を買収した意図がいまいちわかりません。成城石井の商品をローソンで大々的に展開するのでもなく、ローソンを成城石井化するわけでもありません。

ローソンの親会社である三菱商事の意向が働いたのかもしれませんが、それにしては、使い道に困っている感がありありです。

記事では、上場益をローソンが吸い上げて、苦しい台所事業の足しにするなんて書いてありますが、本当かな。

普通に考えれば、上場で得た資金は、成城石井がさらなる店舗展開するための原資にするはずです。同社の展開が進まないのは、総菜やスイーツを自社で製造しているという制約があるからです。セントラルキッチンを全国に配置すれば、全国展開が可能となります。

それをローソンが負け戦濃厚なコンビニ市場で使うとなれば、有望な子会社の将来性を狭めてしまうんじゃないかと危惧する次第です。