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日本の「失われた30年」を検証する記事のひとつです。こういう検証はどんどんやった方がいいです。

この記事は家電メーカーに焦点をあてています。

90年代あれほど隆盛を誇った日本の家電メーカーが軒並みサムスンに敗れたのはなぜなのか?

興味深い考察ですな。

日本の家電メーカーが負けた理由


まずは記事を読んでいただきたいですが、簡単にいうと

(1)世界展開のための戦略がなかった。

90年代の日本企業にとって、国内市場が最優先です。国内だけで食っていける市場規模があるのでそうなりますね。その次が北米。その他の地域はプラスアルファの扱いです。対してサムスンは国内市場が小さいので世界展開がマストなのでそのための戦略が不可欠でした。2000年代になりグローバル化の時代になると、日本企業の姿勢は不利に働きました。

(2)機能強化中心で販売のための戦略がなかった。

こちらも日本メーカーの特徴でした。機能や品質が最優先され、販売のためのデザイン戦略などは重視されていませんでした。

(3)戦略を変える柔軟性がなかった。

負けたのは仕方ないとして、勝ち目のある土俵を探す工夫はなかったのか?シャープもパナソニックも敗色濃厚となってから国内に大規模な生産設備投資を行いました。負け戦に追い金ですよ。これが結局、新しいことをする体力を奪ってしまったかたちです。

「勝てる場面で戦う」ことができなかった


ランチェスター戦略の最大の教えは「勝てる場面で戦う」です。

勝てない戦いをするのは愚かです。スポーツと違って、ビジネスは勝たなければならないのですからね。少なくとも引き分けに持ち込んで、生き残らなければなりません。

この柔軟性のなさは、社内の人間関係によるものだと記事にあります。日本の大企業が経営者同士の確執や力関係で適切な戦略がとれなくなっているというのは、さんざん聞かされてきたことなので今さら驚きませんが、それでも情けない話ですな。

日本を代表する企業がなんたることか。と思いますが、俯瞰してみれば案外単純なものなんでしょう。

やはり戦略がなければ生き残れません。