ラーメンの自動販売機を展開するアメリカのスタートアップ企業です。その名もyo-kai express。日本の「妖怪」がもとになっているそうで謎めいています。
できたてのラーメンを自動販売機で
あらかじめ調理しておいたラーメンを冷凍し、販売時に解凍する仕組みのようです。美味しいという評判なのだとか。
うどんやフォー(ベトナムの麺)などにも対応しているらしく、今まで自動販売機に馴染まなかったものを採用したということですね。
この企業がコロナ禍で追い風を受けていると、アンディ・リンCEOは強気です。
2020年第2四半期は空港利用者が90%減少したものの、同時に空港内のレストランも閉鎖してしまった。残りの10%の旅行者をサポートするのが自販機であり、我々のサービスだ。
レストランが機能していない今こそ、自動販売機の出番だということです。
自動販売機は日本のお家芸
もっとも、自動販売機は、日本のお家芸のようなもので、同社が発祥というわけではありません。麺類の自動販売機もありますよね。ドライブインとかで、むかし見た記憶があります。
それほど広がらなかったのは、立ち食いで食べる方が安いし旨い。カップ麺もそれなりに美味しい。ということからでしょう。
ただ海外で話題になっているというのは、ニッチにせよ需要があったということなのでしょうか。この企業が大きくなれば、日本企業としては、技術的には簡単だが、需要を見つけられなかったというビジネス事例となってしまいます。
スタートアップらしい壮大なビジョン
また、同社が面白いのは、自動販売機の発展を描くところです。
日本でなじみのある設置式の自動販売機だけではなく、移動式のものや、完全自動運転で移動する「レベル4」まで開発中で、21年後半には試作機ができるのだそうです。
アマゾン・ドット・コムのように、レストランの料理を様々な場所で提供するプラットフォームを作ろうとしているというのだから、スタートアップ企業らしいビジョンです。
こういう大風呂敷を発信することは、ビジネスをするうえで重要です。日本の自動販売機関連企業は、奮起していただきたいと思います。
家庭用自動販売機で日本進出
同社は、家庭で簡単に調理できるキットを開発しており、こちらで日本進出を目指すのだとか。ホテルの味をご家庭で、というコンセプトで、数分で調理できる仕組みだというのですから、家庭用自動販売機のようなものですね。
こちらのサービスの名前が「takumi」ということですから、この会社、なにげに日本びいきなのか、日本風を装うという意図なのか、やはり謎めいています。
自動調理器というと、既存のものが多くありますが、家庭用自動販売機というコンセプトは面白い。調理器具にはうるさい日本に浸透させることができるのか。注意してみておきます。
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