グーグル、モトローラ使ってサムスンに2度の打撃

■これはなかなかすごい記事ですな。

グーグルのビジネスは広告モデルです。だからユーザーに見てもらわなければならないわけです。

パソコンの時代は、グーグルの検索エンジンは圧倒的に使われていました。だから広告を見てくれるユーザーも多い。広告収入も上がります。

■ところがスマホの時代になると、アップルのiPhoneが台頭してきました。こちらはグーグルの検索を使わせないようにしようとしたので、まずい事態です。

そこでグーグルは自らスマホ用のOS(オペレーティングシステム=基本ソフト)を作って、アップル以外の端末メーカーに無償配布しました。メーカーとすれば、基本システムを作る費用と時間を節約できるので、有難いわけです。

そのOSを使って売りまくったのがサムスンでした。サムスンのスマホのシェアは圧倒的で、iPhoneを逆転してしまいました。

■サムスンとグーグルは万々歳のはずですが、ここでサムスンがさらなる野心を抱きます。

せっかく圧倒的なシェアを得たのだから、グーグルを外して、自前のOSを使おう。(そしてできれば、広告収入も独占してしまおう…と思ったのかも知れません)

サムスンは、独自のソフトを使って、徐々にグーグルを外すようになります。基本ソフトはグーグルのままですが、ユーザーからはそれを見えなくするようなソフトです。まさに仁義なき戦いを仕掛けたわけです。

■そこでグーグルは、端末メーカーの大手であったモトローラを125億ドルで買収しました。

モトローラの端末製造能力を使って、グーグルの基本標準ソフトを使ったスマホを作って市場に攻勢をかけるぞーーと脅かしたわけです。

脅かす相手はもちろんサムスンです。サムスンとすれば、基本ソフトにさらに自社ソフトを搭載しているわけですからコストがかかります。

標準ソフトのみのモトローラには敵わない。さらにはグーグルの開発力でさらに強力な基本ソフトを開発されたら、商品として対抗できません。

いくらサムスンが市場シェアを持っているといっても、グーグルを敵に回すのはまずいと思わせました。

■ちなみに一般には、グーグルのモトローラ買収は、アップルへの特許対策であると言われていましたが、この記事では、サムスン対策となっていますね。

両方なんでしょう。

飴(アップルに訴訟を起こされないようにモトローラの特許を使わせてやるよ)と鞭(言うことを聞かないと、モトローラ製スマホを売りまくるぞ)を使って交渉した結果、サムスンに、向こう10年、グーグルの基本ソフトを標準で使うことを合意させたということです。

■ちなみにグーグルは125億円で買ったモトローラを特許と研究部門だけ残して、レノボに29億1000万円で売却しました。

えらい高い買い物だったなーと思われていましたが、記事によると、保有現金、税金の先払い分、他の売却案件などを合わせると、30億ドル程度の差額しか出ていないとのこと。

特許が55億ドル相当あるとすれば、実は、儲かっているという記事です。

実にしたたかなグーグルです。