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スーパー全体の売上高は、2016年度で約13兆円。ピーク時の1997年16兆円超から比較すると、2割以上縮小しています。

特に総合スーパーの落ち込みが著しく、イオンやセブン&アイの業績の足を引っ張っています。

小売業の王様だった総合スーパーはなぜ凋落したのか


いくつか原因があります。

1.カテゴリーキラーの台頭

カテゴリーキラーとは、特定分野の品ぞろえを充実させ、低価格で販売するお店のこと。ヤマダ電機(家電)、ニトリ(家具・生活雑貨)、ユニクロ(衣料)などがその代表です。

巨大店舗にあらゆる分野の商品を揃える総合スーパーからすれば、特定分野の品揃え、価格で対抗することができませんでした。

カテゴリーキラーが全国展開していくと、総合スーパーの魅力は色あせていきました。

2.地域密着型小売りの台頭

巨大店舗と巨大駐車場を持つ総合スーパーは、人口が増えている成長期のビジネスです。社会が成熟し、高齢化した現在は、近所にある小さなお店が重宝されます。

コンビニの成長はいわずもがな。地場の食品スーパーの中には高業績を上げてるところもあります。

3.大店法、バブル崩壊

大規模小売店舗法(大店法)とは1974年に中小小売業の保護を目的に制定された法律でした。大規模店の出店を抑制し商店街を守るはずが、既に出店していたスーパーの商圏を守ることに機能してしまって、既存の大手スーパー各社が恩恵を受けることになってしまいました。(現在は廃止)

業績好調だった各社は来るべき高齢化社会への対応を怠り、放漫経営といいたくなる多角化を続けていました。そこへバブル経済が崩壊したものだからダメージは甚大です。

トップ企業のダイエーは破綻し、その他大手スーパー各社はおよそ20年近く後始末に追われてしまいました。

イオンとセブン&アイの業績


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2017年2月期のイオンの売上高は、約8兆2千億円。

同じく、セブン&アイの売上高は、約5兆8千億円。

およそ2兆4千億円の差が出ています。

そのかわり、セブン&アイは、利益率が高くなっています。

つまりセブン&アイは、中身(利益率)を重視し、イオンは規模(売上高)を重視しているかたちです。

実際、セブン&アイは、コンビニでもスーパーでも、不採算店舗からは撤退を進めており、成長の停滞も止む無しとしています。

逆にイオンは、あまり店舗の閉鎖は行わず、改装リニューアルなどでじっくりと業績回復を目指しています。

イオンの場合、ダイエーの店舗を引き継いでいるので、その時点からの方針なのでしょう。

利益構成のちがいにみる両社の考え方の違い


ちなみに売上、利益の中身をみてみると

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イオンは、金融、デベロッパー、小型スーパー、ドラッグストアなどグループのバラエティが実績に出ています。複数業態が利益を出しており、いい形になっていると言えます。が、多様性がある分、中間部門の経費がかさんで利益を圧迫しています。

逆にセブン&アイは、好調のセブンイレブンに背負ってもらっている状態です。一点集中は中間部門経費の削減につなって利益率を向上させています。が、その分、リスクが高い。

両者の考え方の違いが出て面白いですね。

ただ言えるのは、両社とも、総合スーパー部門は利益貢献していないこと。売上規模が大きいだけに悩ましいことですが、劇的な解決法は見当たりません。

両社とも、傷を広げないうちに、社会のニーズにあった店舗にシフトしていくしかないと思います。