00

セブン&アイ・ホールディングスが、参加のそごう・西武を売却するとのニュースです。売却額は2000億円超とのことですが、2006年に購入した際の額が2000億円程度なので、16年で企業価値を上げることができなかったということです。

セブン&アイにとって、そごう・西武は、必要だったのか?


そもそも、セブン&アイは、なぜそごう・西武を買ったのか、が疑問です。

2005年、セブン&アイ・ホールディングス発足当時から、同グループは、コンビニだけが絶好調で、イトーヨーカ堂も、デニーズもいまいちでした。買収防衛策として持ち株会社化したのでしょうが、セブンイレブンの業績が、その他の不調を覆い隠す形になって、問題を先送りにしてしまった感がありました。

その上、不振の百貨店を抱え込むというのは、上策ではありません。全部まとめて再生できるという自信があったのか、あるいは、政府筋に無理を言われたのか。

百貨店は、まだ淘汰される


高度成長期、分厚い中間層を顧客に成長してきた百貨店は、規模縮小期にあたり、軒並み業績を下降させています。

流転の「大衆百貨店」 そごう・西武、苦闘の20年

要するに、人口減少期を生き抜くには、大きくなり過ぎたわけで、全国の百貨店が廃業あるいは集約されていくのは、必然です。

一部百貨店は、外商を中心とした富裕層ビジネスに活路を見出そうとしているようですが、それこそ、規模を大幅に縮小しなければ生き残れません。

このあたりの図式は、ガタイのいい大塚家具が破綻して、富裕層を相手にしようとする匠大塚が何とか残った事例に通じるものがあります。

大塚家具の父と娘はどちらが正しいのか?

今後、百貨店業界は、適正な規模になるまでさらに縮小していくだろうと予測します。

関西スーパーを傘下にしたH2Oリテイリングは大丈夫だろうか、と懸念しつつ、生き残るための戦略の立案と実行に期待したいと思います。

コンビニ特化に向かうのか


今回に関しては、アクティビスト(物言う株主)が、売却を迫ったらしいですが、国内コンビニの成長が行き詰る今日、理に適った意見です。

今後は、飲食部門や量販店部門を切り離せという議論が起こるでしょう。セブンイレブンのグローバル展開を考えれば、その方が、同社の成長につながると考えます。

ただし、大株主であるイトーヨーカ堂創業者の伊藤氏は、極めて慎重な性格だそうですから、なかなか動かないのでしょうけど。

あくまで国内での生き残りにこだわるのかもしれません。