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ソフトバンクの投資戦略がなにやら怪しい雲行きになってきたようです。

大型ユニコーン企業(上場前の価値ある企業)として有名だったウィーワークに、ソフトバンクグループは、91億ドル以上の資金を投資しています。

株式上場するとそれ以上の値がつくと踏んでの投資でしたが、ウィーワーク創業者のよからぬ行状もあり、経営危機も言われる状況です。上場前に大幅に価値を下げてしまいました。

あまりにも強気の投資戦略


ソフトバンクの投資戦略は、伸びしろのある分野で高いシェアを確保できる企業を中心としています。まず市場シェア。利益回収は後で。というわけです。

その戦略そのものはベンチャー投資としては普通ですから、問題があるわけではありません。

ただ、ソフトバンクの場合、あまりにもイケイケドンドンで、高い投資をしてしまう傾向にあります。少々高掴みしても、伸びしろがあるから回収できるわい、という考えでしょう。

が、最近のベンチャー投資の過熱ぶりが行き過ぎているんじゃないか…つまり、伸びしろに投資するのはいいが、上場した後、ポシャるベンチャーも多く、もうちょっと慎重になった方がいいんじゃね?という懸念も広がっていました。

信用を損なう危機


そこにウィーワークの急ブレーキです。なにせ、ウィーワークの創業者が「上場して金さえつかめば勝ち。アホな投資家にババを引かせて逃げよう」なんて思想の持ち主だという噂もあり、ベンチャー全体がうさんくさいものだと見られかねない事態です。

そこに多額の投資をしているソフトバンクも同じ穴のムジナなんじゃないか、いやソフトバンクの高値投資そのものがベンチャー投資バブルの元凶じゃないか、と疑念の目を向けられてもおかしくないでしょう。

確かにソフトバンクグループの投資先をみていると、これから伸びそうな分野に片っ端から金をつっこむような荒っぽい所業に見えてきます。

普通の不動産会社を過大評価?


ベンチャー投資はそんなもんだ、という声もありますが、今回のウィーワークに関しては、慎重さが足りなかったような気がします。

まずは創業者の性質を見抜けなかったこと。およびビジネスモデルの新規性を過大評価したことです。

ウィーワークは、オフィスビル1棟や1フロアを借り上げてリフォームし、転貸するビジネスを展開しています。それなりに快適なオフィスができるようですし、ブランド力もあるので人が集まりやすいのかも知れませんが、いうなれば普通の不動産会社です。

競合を抑える特殊な価値があるわけでもなし、ユニコーン企業としてもてはやされる要素がどこにあるのでしょうか??

よくわかりません。

巨大ユニコーン、米ウィーワークの錬金術と危うさ

結局、ソフトバンクグループは、1兆円以上の追加投資をして、事業の立て直しを余技なくされました。その資金の多くが創業者に流れるので、ソフトバンクじしんが「アホな投資家」になってしまった格好ですな。

ただ、ここは意地でも再建しないと、まともな投資家としての姿勢を疑われてしまいます。

この会社をどのように建て直すのか。見ものです。